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特許拒絶査定不服審判

2019-002124

情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム

審判番号
2019-002124
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-006767外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年02月15日
審決日
2020年03月24日
公報発行日
2020年06月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .561-Z (G06Q) / P18 .121-Z (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018-  6767「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月25日出願公開、特開2019-125272〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成30年1月18日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 6月18日付 : 拒絶理由通知書 平成30年 8月24日  : 意見書、手続補正書の提出 平成30年11月14日付 : 拒絶査定 平成31年 2月15日  : 審判請求書、手続補正書の提出 第2 平成31年2月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成31年2月15日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項10の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所を示す。)。 「 コンピュータが実行する情報処理方法であって、 現在よりも未来の日時が商品の購入日時として指定される前記商品の購入要求に関する情報をユーザ端末から受け付けて記憶部に記憶する受付工程と、 前記記憶部に記憶された前記情報に基づく前記購入日時に、前記ユーザ端末のユーザに対する前記商品の決済が行われるよう制御する決済工程と を含み、 前記決済工程は、 前記購入日時に決済の許可要求を前記ユーザ端末へ通知し、前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、当該商品の購入を確定させて、決済を行うこと を特徴とする情報処理方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲本件補正前の、平成30年8月24日の手続補正による特許請求の範囲の請求項12の記載は次のとおりである。 「 コンピュータが実行する情報処理方法であって、 現在よりも未来の日時が商品の購入日時として指定される前記商品の購入要求に関する情報をユーザ端末から受け付けて記憶部に記憶する受付工程と、 前記記憶部に記憶された前記情報に基づく前記購入日時に、前記ユーザ端末のユーザに対する前記商品の決済が行われるよう制御する決済工程と を含み、 前記決済工程は、 前記購入日時に決済の許可要求を前記ユーザ端末へ通知し、前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、決済を行うこと を特徴とする情報処理方法。」 (3)本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、これらを「当初明細書等)という。)には、 「また、モールサーバ100は、購入日時においてユーザU01に対して決済の許可要求を通知し、かかる許可要求がユーザU01から承認された場合に、購入日時に決済を行うようにしてもよい。一方、ユーザU01は、許可要求を承認しない場合は、商品の購入をキャンセルすることも可能である。」(段落【0106】) 「また、決済部134は、購入日時に決済の許可要求をユーザU01へ通知し、ユーザU01により当該許可要求が承認された場合に、決済を行う。したがって、決済後に商品が返却される等のトラブルを未然に回避することができる。」(段落【0126】) と記載されているのみであり、本補正により追加された「前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、当該商品の購入を確定させて」ということは、当初明細書等に明記されていない。 さらに、段落【0106】には、「許可要求がユーザU01から承認された場合に、購入日時に決済を行うようにしてもよい。」との記載とともに、「ユーザU01は、許可要求を承認しない場合は、商品の購入をキャンセルすることも可能である。」との記載はあるものの、有効な商品の売買契約を締結(商品の購入を確定)した後であっても、契約の解除(すなわち、キャンセル)を行うことは法律の規定或いは契約の規定に基づいて行うことは可能であることから、段落【0106】の記載をもって、ユーザ端末により許可要求が承認された場合に当該商品の購入を確定させることが記載されているとはいえない。 (4)そして、上記補正により追加された「前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、当該商品の購入を確定させて」は、当初明細書等には記載がなく、当初明細書等から自明でもないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 したがって、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものとはいえず、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 (5)以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成31年2月15日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年8月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項12に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項12に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~13に係る発明は、その出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明等に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2013-167995号公報 引用文献2:特開2004-054926号公報 引用文献3:特開2015-210723号公報 引用文献4:特開2001-344541号公報 引用文献5:特開2017-102568号公報 引用文献6:特開2006-196019号公報 引用文献7:特開2001-101271号公報 引用文献8:特表2003-515820号公報 3 引用発明 (1)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。 ア 「(第1の実施形態) 図1に示されるように、第1の実施形態に係る決済システムは、消費者100と、販売業者200と、回収代行業者300と、銀行400とを含む複数のステークホルダによって形成される。本実施形態に係る決済システムは、販売業者200によって販売される商品の購入代金を消費者100の将来の収入に基づいて決済することを可能にする。尚、説明の簡略化のために、本実施形態に係る予約決済システムは、オンライン決済(特に、画面連携決済(オンラインリアルタイム))に適用されるものとするが、他の販売形態に応用されても勿論よい。以降の説明において、本実施形態に係る決済システムを利用した決済方法は、便宜的に連動型予約決済(商品後日提供)と称される。販売業者200は、連動型予約決済(商品後日提供)の加盟店と呼ばれてもよい。販売業者200は、連動型予約決済(商品後日提供)を利用するにあたって、事業主体(例えば、回収代行業者300)との間でサービス契約を締結することができる。また、回収代行業者300と、銀行400とが同体となる場合も以下の説明が適用可能である。また、回収代行業者300のサーバと、銀行400のサーバとが同体となる場合も以下の説明が適用可能である。」(【0013】) イ 「消費者100は、典型的には、インターネット接続が可能な端末を用いて販売業者200から商品を購入するためのウェブページにアクセスする。消費者100は、端末上でブラウザアプリケーションを操作し、商品の購入意思を表示する(ステップS501)。具体的には、消費者100は、購入する商品を指定すると共に、代金の決済方法として連動型予約決済(商品後日提供)を指定し、これに加えて将来の決済予定日等の決済に必要な情報を指定する。これら消費者100によって指定された情報は、パスワード等の消費者100の本人認証に係る情報、及び銀行400における消費者100の振替決済口座を識別する情報と共にインターネット経由で販売業者200のサーバに送信される。本人認証に係る情報は、セキュリティ等の観点から銀行口座を介した決済を行う場合に通常要求されるものであるが、これを不要とする設計も可能である。尚、振替決済口座を識別する情報や将来の決済予定日を指定する情報等の入力は、販売業者200との取引の度に要求されるように設計されてもよいし、初回の取引においてのみ要求されその後の取引において省略されるように設計されてもよいし、或いは、例えば銀行400のサーバ、回収代行業者300、販売業者200などのサーバにおいて事前に登録された情報が用いられるように設計されてもよい。」(【0015】) ウ 「販売業者200のサーバは、ステップS501における商品購入意思の表示に対する応答として、決済確認後に商品を提供する旨を通知する(ステップS502)。」(【0016】) エ 「更に、販売業者200のサーバは、ステップS501における商品購入意思の表示に対する応答として、回収代行業者300のサーバに決済代行を依頼する(ステップS503)。ステップS503において、販売業者200のサーバは、消費者100及びその振替対象口座を識別する情報、消費者100によって指定された決済予定日を示す情報、決済額を示す情報、パスワード等の消費者100の本人認証に係わる情報などを送信する。」(【0017】) (オ)「この後、回収代行業者300のサーバはステップS503において収集した情報に基づいて、決済予定日の到来まで決済処理の期日管理を行う(ステップS505)。」(【0019】) カ 「決済予定日の到来に合わせて、回収代行業者300のサーバは銀行400のサーバに口座振替を請求する(ステップS507)。」(【0021】) キ  口座振替が成功した場合には、回収代行業者300のサーバは代金回収通知を販売業者200のサーバに送信する(ステップS508)。他方、残高不足などの理由により口座振替が失敗した場合には、回収代行業者300のサーバは販売業者200のサーバに決済エラーを通知してもよい。(【0022】) ク 「 販売業者200のサーバがステップS508において送信された代金回収通知を受信することによって、販売業者200は決済完了を確認し商品を消費者100に提供する(ステップS509)。(【0023】) ケ 「以上説明したように、本実施形態に係る連動型予約決済(商品後日提供)は、消費者の将来の収入によって商品の購入代金を決済することを可能にする。従って、この連動型予約決済(商品後日提供)によれば、消費者は商品購入意思の表示時点において支払に十分な資金を用意できなくても商品の購入を予約できる。即ち、消費者はクレジットカードを持つことなくクレジットカード決済と概ね同じ感覚で代金支払を先延ばししつつ商品を購入できる。また、消費者が決済予定日を自由に設定できるので、決済に関して高い利便性を提供できる。例えば、消費者が定期収入の次の獲得日(例えば次の給料日)以後となるように決済予定日を指定すれば、上記決済予定日において振替に十分な資金を確保し易くなる。加えて、消費者が定期収入または不定期収入の振込指定口座(例えば給与振込指定口座)を振替決済口座として指定すれば、資金を他の口座から移動したり、支払いの手続きを行う手間が不要となる。」(【0025】) コ 図2には以下の図が記載されている。 (2)引用発明 上記(1)の記載から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「 消費者は、インターネット接続が可能な端末を用いて、購入する商品を指定すると共に、代金の決済方法として連動型予約決済(商品後日提供)を指定し、これに加えて将来の決済予定日等の決済に必要な情報を指定し、消費者によって指定された情報は、パスワード等の消費者の本人認証に係る情報、及び銀行における消費者の振替決済口座を識別する情報と共にインターネット経由で販売業者のサーバに送信され(上記(1)イ)、 販売業者のサーバは、消費者及びその振替対象口座を識別する情報、消費者によって指定された決済予定日を示す情報、決済額を示す情報、パスワード等の消費者の本人認証に係わる情報などを回収代行業者のサーバに送信し(上記(1)エ)、 回収代行業者のサーバは収集した情報に基づいて、決済予定日の到来まで決済処理の期日管理を行い(上記(1)オ)、 決済予定日の到来に合わせて、回収代行業者のサーバは銀行のサーバに口座振替を請求し(上記(1)カ)、 口座振替が成功した場合には、回収代行業者のサーバは代金回収通知を販売業者のサーバに送信し、販売業者のサーバが代金回収通知を受信することによって、販売業者は決済完了を確認し、商品を消費者に提供し(上記(1)キ、ク)、 他方、残高不足などの理由により口座振替が失敗した場合には、回収代行業者のサーバは販売業者のサーバに決済エラーを通知する(上記(1)キ) 決済システムを利用した決裁方法。」 4 周知事項 (1)引用文献8 同じく原査定の拒絶の理由で引用された引用文献8には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審が付与した。以下同様。)。 「第7のステップ170:供給者は伝達された注文番号を供給者の専用ID及びパスワードに切り替え入力し、インターネット電子商取引に対する代金決済を要請する。 ウェブ運営者のサーバシステム20は、供給者から代金決済を要請されたとき、購買者の移動電話機15を介して購買者に決済に対する再確認要請を行う。このとき、購買者から代金決済確認信号が発生する場合、次のステップに進む。但し、購買者から何らの応答も受けなかった場合も、一定時間が経過した後、次のステップに進む。 若し、購買者からクレームが提起された場合は、紛争調整の終結時まで決済代金が凍結される。この場合、購買者の銀行またはクレジットカード社での金額限度は縮小された状態であり、購買者のミスによる場合は、ペナルティーが賦課される。 第8のステップ180:ウェブ運営者のサーバシステム20上で決済承認を受けると共に、銀行またはクレジットカード社のそれぞれのサーバシステム30、35に前記情報を伝達し、以降、自動に代金が決済される。前記代金決済は、ウェブ運営者が賦課する手数料と、それを控除した金額に対し供給者に決済が行われる。」(【0062】~【0065】) (2)周知文献1 新たに提示する特開2002-163585号公報(以下、「周知文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「端末から入力された購入商品に対する決済処理をネットワークを介して行う電子決済システムにおいて、前記端末から入力された購入商品の情報を受付ける商品販売情報処理端末と、前記商品販売情報処理端末からの決済要求に応じて、購入者の携帯端末に前記購入商品の決済確認要求を送信し、前記携帯端末からの決済確認応答を得て、与信情報処理端末に前記購入者の支払い能力を確認する与信問い合わせを行う決済情報処理端末とを備え、前記決済情報処理端末は、前記携帯端末によって購入商品の情報が確認され、且つ、前記与信情報処理端末によって与信が保証された場合に、前記商品販売情報処理端末に対して前記購入商品の決済完了を通知することを特徴とする電子決済システム。」(【請求項1】) (3)周知文献2 新たに提示する特開2009-245219号公報(以下、「周知文献2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「決済端末21は、リーダ/ライタ装置等の非接触通信装置を介して、個人端末1と接続されると、個人ユーザが購入した商品の情報や金額等を記載した会計データを個人端末1に送信する(ステップA2)。 個人端末1は、決済端末21から会計データを受信すると、会計データは個人端末1の表示部に表示され、個人端末1のユーザは、内容の確認と決済の承認が求められる(ステップA3)。ユーザが、個人端末1を操作して、決済の承認を行うと、個人端末1の制御部は、ステップA4に進んで、個人ユーザ決済用の金融機関アカウント情報11を決済端末21に送信する。 決済端末21は、個人端末1を通して、ユーザが決済を承認したことを確認すると、当該会計データと、個人ユーザ決済用の金融機関アカウント情報11とを店舗内の電算機22に転送する(ステップA5、A6)。 店舗内の電算機22は、決済端末21から個人ユーザ決済用の金融機関アカウント情報11を受信すると、受信した金融機関アカウント情報11が指定する金融機関の電算機40(図2)にアクセスし、通信路が確立すると、個人ユーザの会計データと商店20の金融機関データとを含む商店情報と、個人ユーザ決済用の金融機関アカウント情報11とを送信する(ステップA7)。 金融機関の電算機40は、受信した商店20の商店情報と個人ユーザ決済用のアカウント情報11とを検証し(ステップA8)、正しいことが確認されると、電子決済処理を実施する(ステップA9)。金融機関の電算機40は、電子決済処理が完了すると、商店20の電算機22に完了通知を送信する(ステップA10)。 電算機22は、金融機関の電算機40から完了通知を受けると、ステップA5において決済端末21から取得した会計データを元に、電算機22内に保持されている売上情報や在庫情報等を更新し(ステップA11)、この後、電子決済続きの完了通知を、決済端末21を経由して、個人端末1に送信する(ステップA12、A13)。」(【0045】~【0047】) (4)上記(1)~(3)の記載事項を参酌すると、本願出願時には以下の事項が周知な事項であったと認められる。 「決裁の確認をする確認要求をユーザ端末に通知し、ユーザ端末により当該確認要求が承認された場合に、決裁を行うこと」 5 引用発明との対比 (1)本願発明と引用発明とを、以下で対比する。 ア 引用発明では、インターネット接続が可能な端末から消費者によって指定された情報を受信した販売業者のサーバが、回収代行業者のサーバに消費者及びその振替対象口座を識別する情報、消費者によって指定された決済予定日を示す情報、決済額を示す情報の情報などを回収代行業者のサーバに送信し、回収代行業者のサーバは収集した情報に基づいて、決済予定日の到来まで決済処理の期日管理を行い、決済予定日の到来に合わせて、回収代行業者のサーバは銀行のサーバに口座振替を請求する決裁方法であることから、情報処理方法である。 また、これの情報を実行しているのが販売業者のサーバや回収代行業者のサーバであるところ、サーバはコンピュータで一形態であることから、コンピュータといいえる。 してみると、引用発明はコンピュータが実行する情報処理方法である点で、本願発明と一致する。 イ 引用発明では、消費者により指定された決済予定日を示す情報などがインターネット経由で販売業者のサーバに送信されている、すなわち、販売業者のサーバは消費者により指定された決済予定日を示す情報などをインターネット経由で受信していることから、現在よりも未来の日が決裁日として指定される商品の購入要求に関する情報をユーザ端末から受け付ける工程を有しているといえる。 また、回収代行業者のサーバは収集した情報に基づいて、決済予定日の到来まで決済処理の期日管理を行っていることから、収集した情報をこの決裁予定日まで記憶部に記憶しているといえる。 ここで、本願発明の「購入日時」は、「前記記憶部に記憶された前記情報に基づく前記購入日時に、前記ユーザ端末のユーザに対する前記商品の決済が行われる」及び「前記購入日時に決済の許可要求を前記ユーザ端末へ通知し、前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、決済を行う」との記載を総合すると、商品の購入のための決裁が行われてる日時であると解釈するのが妥当である。 してみると、引用発明は、指定されるのが日であるのか日時であるのかの差を除いて、「現在よりも未来の日時が商品の購入日」「として指定される前記商品の購入要求に関する情報をユーザ端末から受け付けて記憶部に記憶する受付工程」を含んでいる点で、本願発明と共通である。 ウ 引用発明では、決済予定日の到来に合わせて、回収代行業者のサーバは銀行のサーバに口座振替を請求し、口座振替が成功した場合には、販売業者は決済完了を確認して商品を消費者に提供していることから、指定されるのが日であるのか日時であるのかの差を除いて、「前記記憶部に記憶された前記情報に基づく前記購入日」「に、前記ユーザ端末のユーザに対する前記商品の決済が行われるよう制御する決済工程」を含んでいる点で、本願発明と共通である。 (2)以上のことから、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致及び相違する。 (一致点) 「コンピュータが実行する情報処理方法であって、 現在よりも未来の日時が商品の購入日として指定される前記商品の購入要求に関する情報をユーザ端末から受け付けて記憶部に記憶する受付工程と、 前記記憶部に記憶された前記情報に基づく前記購入日に、前記ユーザ端末のユーザに対する前記商品の決済が行われるよう制御する決済工程と を含むこと を特徴とする情報処理方法。」 (相違点1) 購入に関して指定される時限が、本願発明は「購入日時」であるのに対して、引用発明は「購入日」である点。 (相違点2) 決裁工程に関して、本願発明は「前記購入日時に決済の許可要求を前記ユーザ端末へ通知し、前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、決済を行う」のに対して、引用発明では、このような決済の許可要求をユーザ端末へ通知しておらず、決裁の実行をユーザ端末により当該許可要求が承認された場合としていない点。 6 判断 以下、上記相違点等について検討する。 (1)相違点1について 現在よりも未来の時限の指定において、日の単位で指定することや日以下の時間単位で指定することは、いずれもスケジューラなどで見られるように慣用的に行われている事項である。 このため、引用発明において、指定する購入に関する時限を購入日時とすることは、必要に応じて適宜なし得る事項である。 (2)相違点2について 上記4(4)で検討してごとく、「決裁の確認をする確認要求をユーザ端末に通知し、ユーザ端末により当該確認要求が承認された場合に、決裁を行うこと」は、本願出願時には周知な事項であると認められる。 また、決裁に高い信頼性が求められることは自明な事項であるとともに、「決裁の確認をする確認要求をユーザ端末に通知し、ユーザ端末により当該確認要求が承認された場合に、決裁を行う」ようにすれば、決済時の信頼性が高まることは明らかである。 そして、引用発明も決裁に係るものであるから、高い信頼性が求められることは明らかである。 してみると、引用発明において、決裁を実行する際に、「決裁の確認をする確認要求をユーザ端末に通知し、ユーザ端末により当該確認要求が承認された場合に、決裁を行う」ようにして、「前記決済工程は、前記購入日時に決済の許可要求を前記ユーザ端末へ通知し、前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、決済を行う」とすることは、当業者であれば容易になし得るものと認められる。 (3)本願発明の効果 本願発明における「発明の効果」は、「ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する」ことであるところ、引用発明も「消費者が定期収入または不定期収入の振込指定口座(例えば給与振込指定口座)を振替決済口座として指定すれば、資金を他の口座から移動したり、支払いの手続きを行う手間が不要となる。」(上記3(1)ケ)ことから、ユーザの利便性を向上させることができるという効果が奏しているものと認められる。 このため、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明が奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (4)まとめ したがって、本願発明は、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。 7 予備的な検討 (1)上記の判断は、平成31年2月15日にされた手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものであるとの前提で行った。 以下では、予備的に平成31年2月15日にされた手続補正が認められた場合の発明について検討する。 (2)平成31年2月15日にされた手続補正は、「当該商品の購入を確定させて」なる文言を追加する補正であるところ、平成31年31年2月15日付の審判請求書では、該補正の根拠は、段落【0106】の「また、モールサーバ100は、購入日時においてユーザU01に対して決済の許可要求を通知し、かかる許可要求がユーザU01から承認された場合に、購入日時に決済を行うようにしてもよい。一方、ユーザU01は、許可要求を承認しない場合は、商品の購入をキャンセルすることも可能である。」との記載である旨を主張している。 ここで、該補正の前は、「前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、決済を行う」との記載であったことからすると、この文言が追加されたことで、「許可要求を承認しない場合は、商品の購入をキャンセルする」ということがさらに限定されたものと解される。 (3)引用発明は、商品の購入のキャンセルについての記載はなく、残高不足などの理由により口座振替が失敗した場合には、回収代行業者のサーバは販売業者のサーバに決済エラーを通知することが記載されているのみである。 このため、本願発明と引用発明とでは、上記の相違点に加え、以下の点で相違する。 (相違点3) 本願発明では、「前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、当該商品の購入を確定させ」るのに対して、引用発明では、このようにはなっていない点。 (4)上記(2)(3)での検討を総合すると、上記相違点3は、すなわち、引用発明では、許可要求を承認しない場合に、商品の購入をキャンセルすることが特定されていない点といえる。 しかしながら、引用発明では、残高不足などの理由により口座振替が失敗した場合には、回収代行業者のサーバは販売業者のサーバに決済エラーを通知することが記載されている。 ユーザによる決裁の許可要求に対する承諾が得られないということは、決裁を行うことができず、ユーザによる売買契約の不履行と見ることはできるとともに、引用発明における、講座振替が失敗して決裁エラーとなるということも売買契約の不履行となることに他ならない。 そして、売買契約が不履行となった場合に売買契約が解除されることは慣用されている事項である。 このため、引用発明において、契約の不履行が生じた場合、売買契約を解除する、すなわち、「前記ユーザ端末により当該許可要求が承認された場合に、当該商品の購入を確定させ」ることは、当業者であれば容易になし得る事項である。 (5)してみると、平成31年2月15日にされた手続補正が認められた場合であっても、本願発明は、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-002124

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  • 2025-002528拒絶査定不服審判 / 2026-03-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、561・G06Q
  • 2025-006587拒絶査定不服審判 / 2026-03-03 / 請求不成立情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、561・G06Q

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