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特許異議申立

2018-700885

通信端末および無線センサネットワークシステム

審判番号
2018-700885
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-082131
登録番号
特許第6322037号(P6322037)
請求日
2018年11月06日
審決日
2019年05月07日
公報発行日
2019年09月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】ローム株式会社
  • 【権利者代理人】三好 秀和
  • 【権利者代理人】寺山 啓進
  • 【権利者代理人】三好 広之
  • 【異議申立人】上山 みち子
審判長/審判官
  • 審判長 小林 紀史
  • 審判官 櫻井 健太
  • 審判官 須原 宏光
分類
P1652.113-ZC (G08C) / P1652.121-ZC (G08C) / P1652.537-ZC (G08C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6322037号発明「通信端末および無線センサネットワークシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

特許第6322037号の請求項1、2、4ないし7、15、16、21ないし31に係る特許を取り消す。 同請求項3、8ないし14、32に係る特許を維持する。

理由

第1 手続の経緯 この特許異議申立事件に関する特許第6322037号(以下、「本件特許」という。)に係る特許出願は、平成26年4月11日になされた。そして、平成30年4月13日にその特許権の設定登録がされ、同年5月9日にその特許掲載公報が発行された。本件特許の特許請求の範囲に記載された請求項の数は36である。 これに対して、平成30年11月6日に特許異議申立人上山みち子は、証拠として甲第1号証ないし甲第8号証の3を提出し、本件特許の請求項1ないし16及び21ないし32について特許異議の申立てをした。 当合議体は、平成31年1月22日付けで本件特許の請求項1、2、4ないし7、15、16及び21ないし31について取消理由(理由1、理由2及び理由3)を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは応答がなかった。 第2 本件特許の特許請求の範囲 本件特許の特許請求の範囲の記載は、以下のとおりである。 「【請求項1】 設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサと、 前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナと、 前記制御部に接続された電源部と、 前記制御部に接続されたタイマと を備えるセンサノード通信端末であって、 前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とするように構成されたことを特徴とするセンサノード通信端末。 【請求項2】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信した直後に前記ホストからの通信の有無を検出するトーク・アフター・リスンモード機能を有することを特徴とす る請求項1に記載のセンサノード通信端末。 【請求項3】 前記第1無線送信データは、前記センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示すフラグを備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサノード通信端末。 【請求項4】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データの送信後、受信待ち受け期間を設けるが、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信しないことを特徴とする請求項1に記載のセンサノード通信端末。 【請求項5】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信し、前記第2無線送信データが制御信号であることを特徴とする請求項1に記載のセンサノード通信端末。 【請求項6】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信し、前記第2無線送信データがデータ要求信号であり、前記センサノード通信端末は、前記データ要求信号に従って、第3無線送信データを前記ホストに送信することを特徴とする請求項1に記載のセンサノード通信端末。 【請求項7】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設定しないことを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項8】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信しないことを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項9】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ第2無線送信データを送信し、前記第2無線送信データが制御信号であることを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項10】 前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ第2無線送信データを送信し、前記第2無線送信データがデータ要求信号であり、前記センサノード通信端末は、前記データ要求信号に従って、第3無線送信データを前記ホストに送信することを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項11】 前記センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを決定するための判定要素のうち少なくとも1つが時刻若しくは時刻に準ずる情報であることを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項12】 前記センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを決定するための判定要素のうち少なくとも1つが回数情報であることを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項13】 前記センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを決定するための判定要素のうち少なくとも1つが収集したセンサ情報と予め決定された判定基準との合致判定結果に関する情報であることを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項14】 前記センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを決定するための判定要素のうち少なくとも1つが収集したセンサ情報を今までに収集したセンサ情報と合わせて予め決定された判定基準との合致判定結果に関する情報であることを特徴とする請求項3に記載のセンサノード通信端末。 【請求項15】 前記タイマは、当該センサノード通信端末の動作タイミングに関係した情報源を供給可能であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のセンサノード通信端末。 【請求項16】 前記タイマが誤動作された時に、実質的に前記タイマの時刻合わせを実施するタイマ時計を備えることを特徴とする請求項15に記載のセンサノード通信端末。 【請求項17】 前記電源部は、光発電装置を備え、 前記光発電装置の発電量が基準値を超過した時、基準値を下回った時、最大発電量を示す時、最小発電量を示す時のいずれかのタイミングにおいて、前記タイマ時計によって前記タイマの時刻を調整可能であることを特徴とする請求項16に記載のセンサノード通信端末。 【請求項18】 前記基準値の設定には、ヒステリシス関係を適用することを特徴とする請求項17に記載のセンサノード通信端末。 【請求項19】 前記基準値の設定には、最大発電量および最小発電量により演算された値を適用することを特徴とする請求項17に記載のセンサノード通信端末。 【請求項20】 前記基準値は、過去数日分における発電量の標準偏差により調整分を演算して、設定することを特徴とする請求項17に記載のセンサノード通信端末。 【請求項21】 前記ホストからの指示に応じて、前記ホストへの通信速度を変更可能であることを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載のセンサノード通信端末。 【請求項22】 前記無線送受信部は、前記ホストから受信電界強度に応じた通信速度の変更指示を受信する受信部を備え、 前記制御部は、前記受信部において受信した前記ホストからの前記通信速度の変更指示に応じて、前記ホスト側への通信速度の変更を指示するスレーブ・レート部を備えることを特徴とする請求項21に記載のセンサノード通信端末。 【請求項23】 制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続されたアンテナと を備えるホスト通信端末であって、 前記無線送受信部は、受信した電波の受信電界強度を測定するRSSI部を備え、 前記制御部は、前記RSSI部において測定した受信電界強度に応じて、複数のセンサノード側への通信速度の変更を指示するマスタ・レート部を備え、 前記ホスト通信端末は、複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集すると共に、受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信することを特徴とするホスト通信端末。 【請求項24】 前記ホスト通信端末は、前記第2無線送信データを、前記複数のセンサノードがそれぞれ前記第1無線送信データを送信終了した後の所定の期間内に、前記複数のセンサノードに向けて送信することを特徴とする請求項23に記載のホスト通信端末。 【請求項25】 複数のセンサノードと、 前記複数のセンサノードからの第1無線送信データを常時もしくは定期的に受信可能なホストと を備え、 前記センサノードは、 設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサと、 前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナと、 前記制御部に接続された電源部と、 前記制御部に接続されたタイマと を備え、 前記センサノードは、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能としたするように構成されたことを特徴とする無線センサネットワークシステム。 【請求項26】 前記複数のセンサノードにおいて実質的に同じ時刻に収集された各種センサ情報を無線通信により前記ホストに送信する際、前記複数のセンサノードにおいて、各種センサ情報の収集から無線通信による前記ホストへの送信までのタイミングを前記複数のセンサノードで変化させて、無線信号データの衝突を回避したことを特徴とする請求項25に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項27】 前記複数のセンサノードで変化させる前記タイミングは、予め前記複数のセンサノード毎に設定することを特徴とする請求項26に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項28】 前記複数のセンサノードで変化させる前記タイミングは、前記ホストから前記複数のセンサノードに送信される制御信号によって再調整可能であることを特徴とする請求項26または27に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項29】 設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサと、前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部と、前記制御部に接続されたメモリと、前記制御部に接続された無線送信部と、前記無線送信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナと、前記制御部に接続された電源部と、前記制御部に接続されたタイマとを備える複数のセンサノードであって、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とするように構成された複数のセンサノードと、 前記複数のセンサノードからの無線送信データを常時もしくは定期的に受信可能なホストと を備え、 前記複数のセンサノードにおいて実質的に同じ時刻に収集された各種センサ情報を無線通信により前記ホストに送信する際、前記複数のセンサノードにおいて、各種センサ情報の収集から無線通信による前記ホストへの送信までのタイミングを前記複数のセンサノードで変化させて、無線信号データの衝突を回避したことを特徴とする無線センサネットワークシステム。 【請求項30】 前記センサノードは、前記第1無線送信データを送信した直後に前記ホストからの通信の有無を検出するトーク・アフター・リスンモード機能を有することを特徴とする請求項29に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項31】 前記複数のセンサノードで変化させる前記タイミングは、予め前記複数のセンサノード毎に設定することを特徴とする請求項29に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項32】 前記タイマが誤動作された時に、実質的に前記タイマの時刻合わせを実施するタイマ時計を備えることを特徴とする請求項29~31のいずれか1項に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項33】 前記電源部は、光発電装置を備え、 前記光発電装置の発電量が基準値を超過した時、基準値を下回った時、最大発電量を示す時、最小発電量を示す時のいずれかのタイミングにおいて、前記タイマ時計によって前記タイマの時刻を調整可能であることを特徴とする請求項29~31のいずれか1項に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項34】 前記基準値の設定には、ヒステリシス関係を適用することを特徴とする請求項33に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項35】 前記基準値の設定には、最大発電量および最小発電量により演算された値を適用することを特徴とする請求項33に記載の無線センサネットワークシステム。 【請求項36】 前記基準値は、過去数日分における発電量の標準偏差により調整分を演算して、設定することを特徴とする請求項33に記載の無線センサネットワークシステム。」 第3 当合議体が通知した取消理由(理由1) 本件特許は、特許請求の範囲の記載が、以下に示すとおり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 請求項7には「前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設定しない」との記載があるのに対し、請求項7が従属する請求項1には「…センサノード通信端末であって、…で送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とする」との記載があり、両記載の内容が矛盾している。つまり、請求項7の記載によれば、「センサノード通信端末」が「受信待ち受け」を行わないと解されるのに対し、請求項1の記載によれば、「センサノード通信端末」が「受信待ち受け」を行うと解される。 よって、請求項7に係る発明の「センサノード通信端末」が「受信待ち受け」を行うのか否かが明確でない。 したがって、請求項7及びこれに従属する請求項15、16、21及び22に係る発明は、明確でない。 第4 当合議体が通知した取消理由(理由2及び理由3) 請求項1、4、5、15及び25に係る発明は、以下に示すとおり、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、これらの請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。(理由2) また、請求項1、2、4乃至6、15及び21乃至31に係る発明は、以下に示すとおり、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。(理由3) 1 甲第3号証を主な引用文献とする場合の理由(理由2:請求項1、4、5、15、25、理由3:請求項1、4、5、15、21-25) (1)引用文献に記載された発明 甲第3号証(特開2008-131467号公報)には、「第2の実施の形態」として、以下の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。 「子機をなす通信装置1aと親機とからなるセンサネットワークシステムであって(段落0001、0029を参照。)、 子機は複数であって、それらの管理はすべて親機が行い(段落0032を参照。)、 通信装置1aは、 所定の機能を有するセンサと、 アンテナ2と、 該アンテナ2を使用してデータ信号の送信を行う送信回路3と、 該送信回路3の送信動作の制御を行う送信制御回路4と、 センサからデータを取り込んで保持するデータ保持回路5と、 データ保持回路5に保持されたデータが送信すべきか否かの判定を行うデータ判定回路6と、 前回の送信からの経過時間を計測するタイマ回路7と、 該タイマ回路7によって計測された時間が第1所定値以下であるか否かの判定を行う第1タイマ判定回路8と、 アンテナ2を使用してデータを受信する受信回路11と、 該受信回路11の受信動作の制御を行う受信制御回路12と、 タイマ回路7によって計測された時間が第2所定値以下であるか否かの判定を行う第2タイマ判定回路13と、 受信したデータが書き込まれるレジスタ14と を備え(段落0023、0027、0028を参照。)、 送信制御回路4は、第1タイマ判定回路8によってタイマ回路7の計測時間が第1所定値以下であると判定された場合は、データ判定回路6の判定結果に関係なく送信回路3に対して送信動作を禁止し、第1タイマ判定回路8によってタイマ回路7の計測時間が第1所定値を超えていると判定された場合は、データ判定回路6の判定結果に応じて送信回路3に対して送信動作を行わせ(段落0024を参照。)、 受信制御回路12は、第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値以下であると判定された場合は、受信回路11に対して受信動作を禁止し、第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ、受信回路11に対して受信動作を行わせ、受信回路11は、親機から送信されたデータを受信して、該受信したデータをレジスタ14に書き込み(段落0029を参照。)、該受信したデータは、通信装置1aの動作モードを設定するためのパラメータであり、例えば、第1所定値、第2所定値及び第3所定値を設定するためのデータや、データ判定回路6の判定基準等を設定するためのデータがレジスタ14に書き込まれ(段落0029、0030を参照。)、 親機は、通信装置1aから送信されたデータに基づき、センサから得られたデータを頻繁に取り込みたい場合は、通信装置1aの送信周期を短くし、そうでない場合は、通信装置1aの送信周期を長く設定し、子機である通信装置1aの動作状態をコントロールするために、親機の都合の良いタイミングで各子機と送受信することができ(段落0030を参照。)、基本的には親機の受信回路は常時作動状態にある(段落0032を参照。)、 センサネットワークシステム。」 (2)対比、判断 ア 請求項1について(理由2及び理由3) 甲3発明における「通信装置1a」及び「親機」が、請求項1に係る発明における「センサノード通信端末」及び「ホスト」にそれぞれ相当する。 甲3発明における「所定の機能を有するセンサ」が、請求項1に係る発明における「設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサ」に相当する。 甲3発明における「送信制御回路4」、「データ判定回路6」及び「受信制御回路12」を合わせたものが、請求項1に係る発明における「前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部」に相当する。 甲3発明における「レジスタ14」が、請求項1に係る発明におけ「前記制御部に接続されたメモリ」に相当する。 甲3発明における「送信回路3」及び「受信回路11」を合わせたものが、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続された無線送受信部」に相当する。 甲3発明における「アンテナ2」が、請求項1に係る発明における「前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナ」に相当する。 甲3発明における「通信装置1a」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続された電源部」に相当する構成を備えることは自明である。 甲3発明における「タイマ回路7」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続されたタイマ」に相当する。 甲3発明における「通信装置1a」は、「タイマ回路7」が「前回の送信からの経過時間を計測」し、「第1タイマ判定回路8によってタイマ回路7の計測時間が第1所定値を超えていると判定された場合」に「送信動作を行わせ」るものであるから、請求項1に係る発明の「前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信」するということに相当する構成を備えているといえる。また、甲3発明における「通信装置1a」は、「第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値以下であると判定された場合は、受信回路11に対して受信動作を禁止し、第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ、受信回路11に対して受信動作を行わせ」るものであるから、請求項1に係る発明の「送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とする」ということに相当する構成をも備えているといえる。 以上によれば、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」と甲3発明における「通信装置1a」との間に実質的な相違点は存在せず、請求項1に係る発明は甲3発明であるといえる。 また、請求項1に係る発明は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 イ 請求項4、5について(理由2及び理由3) 甲3発明における「通信装置1a」では、「第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値以下であると判定された場合は、受信回路11に対して受信動作を禁止し、第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ、受信回路11に対して受信動作を行わせ」、その際に「親機」は「通信装置1aの動作モードを設定するためのパラメータ」であるデータを送信するものであるから、この「通信装置1aの動作モードを設定するためのパラメータ」は請求項5に係る発明における「制御信号」に相当し、甲3発明における「通信装置1a」は、請求項5に係る発明の「前記第1無線送信データを送信後、受信待ち受け期間を設け、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信し、前記第2無線送信データが制御信号である」ということに相当する構成を備えているといえる。 また、甲3発明では、必要がない場合に「親機」が「通信装置1aの動作モードを設定するためのパラメータ」であるデータを送信しないことが明らかであるから、甲3発明における「通信装置1a」は、請求項4に係る発明の「前記第1無線送信データの送信後、受信待ち受け期間を設けるが、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信しない」ということに相当する構成をも備えているといえる。 以上によれば、請求項4、5に係る発明の「センサノード通信端末」と甲3発明における「通信装置1a」との間に実質的な相違点は存在せず、請求項4、5に係る発明は甲3発明であるといえる。 また、請求項4、5に係る発明は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 ウ 請求項15について(理由2及び理由3) 甲3発明における「タイマ回路7」は、「前回の送信からの経過時間を計測」し、「第1タイマ判定回路8によってタイマ回路7の計測時間が第1所定値を超えていると判定された場合」に「送信動作を行わせる」ことになるものであるから、請求項15に係る発明の「当該センサノード通信端末の動作タイミングに関係した情報源を供給可能である」「タイマ」に相当する。 以上によれば、請求項15に係る発明の「センサノード通信端末」と甲3発明における「通信端末1a」との間に実質的な相違点は存在せず、請求項15に係る発明は甲3発明であるといえる。 また、請求項15に係る発明は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 エ 請求項21、22について(理由3) 甲第5号証(特開2009-239339号公報)には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」(段落0001を参照。)の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置(段落0010を参照。)において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため(段落0005、0006等を参照。)、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する(段落0033等を参照。)技術が記載されている。 甲3発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「親機」から「子機」の「通信装置1a」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「通信装置1a」がそれに応じた通信速度を設定するようにして、請求項21、22に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 よって、請求項21、22に係る発明は、甲3発明及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 オ 請求項23、24について(理由3) 甲3発明における「親機」が、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」に相当する。 甲3発明における「親機」は、「子機である通信装置1aの動作状態をコントロールするために、親機の都合の良いタイミングで各子機と送受信することができ」るものであるから、請求項23に係る発明における「制御部」、「前記制御部に接続されたメモリ」、「前記制御部に接続された無線送受信部」及び「前記無線送受信部に接続されたアンテナ」に相当する構成を備えることは自明である。 甲3発明における「子機をなす通信装置1a」は「複数」であるとされているから、請求項23に係る発明における「複数のセンサノード」に相当する。 甲3発明における「親機」は、「通信装置1aから送信されたデータに基づき」、「センサから得られたデータ」を「取り込」むものであるから、請求項23に係る発明の「前記ホスト通信端末は、複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集する」ということに相当する構成を備えているといえる。 甲3発明における「親機」が「通信装置1aから送信されたデータに基づき、センサから得られたデータを頻繁に取り込みたい場合は、通信装置1aの送信周期を短くし、そうでない場合は、通信装置1aの送信周期を長く設定」するために「通信装置1aの動作モードを設定するためのパラメータ」を「送信」するということと、請求項23に係る発明における「ホスト通信端末」が「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」ということとは、「ホスト通信端末」が「複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信する」という点で共通する。 よって、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」と甲3発明における「親機」とは、 「制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続されたアンテナと を備えるホスト通信端末であって、 前記ホスト通信端末は、複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集すると共に、複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信することを特徴とするホスト通信端末。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 請求項23に係る発明では、「前記無線送受信部は、受信した電波の受信電界強度を測定するRSSI部を備え」、「前記制御部は、前記RSSI部において測定した受信電界強度に応じて、複数のセンサノード側への通信速度の変更を指示するマスタ・レート部を備え」、「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」のに対して、甲3発明では、「RSSI部」、「マスタ・レート部」に相当する構成を備えるかどうかが不明である点。 上記相違点について、以下で検討する。 上記エで述べたように、甲第5号証には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する技術が記載されており、甲3発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「親機」が受信レベルを判定して、「子機」の「通信装置1a」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「通信装置1a」に通信速度を変更させるようにして、請求項23に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、甲3発明における「通信装置1a」では、「タイマ回路7」が「前回の送信からの経過時間を計測」し、「第2タイマ判定回路13によってタイマ回路7の計測時間が第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ、受信回路11に対して受信動作を行わせ」るから、これにデータを送信する「親機」は、「通信装置1a」の「前回の送信」から「第2所定値」の時間を超えた後の「第3所定値の時間」に、「通信装置1a」にデータを送信していると認められる。 そして、上述のとおり、甲3発明において甲第5号証に記載された技術を採用することは当業者が容易に想到し得たことであるが、その結果、「親機」が受信レベルを判定して、「子機」の「通信装置1a」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知する際のデータの送信も、「通信装置1a」の「前回の送信」から「第2所定値」の時間を超えた後の「第3所定値の時間」に行われることになると認められ、すなわち、請求項24に係る発明の「前記ホスト通信端末は、前記第2無線送信データを、前記複数のセンサノードがそれぞれ前記第1無線送信データを送信終了した後の所定の期間内に、前記複数のセンサノードに向けて送信すること」に相当する構成を備えることになると認められる。 よって、請求項23、24に係る発明は、甲3発明及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 カ 請求項25について(理由2及び理由3) 甲3発明における「子機をなす通信装置1a」は「複数」であるとされているから、請求項25に係る発明における「複数のセンサノード」に相当する。 甲3発明では、「子機は複数であって、それらの管理はすべて親機が行い」、「基本的には親機の受信回路は常時作動状態にある」とされているから、この「親機」が、請求項25に係る発明における「前記複数のセンサノードからの第1無線送信データを常時もしくは定期的に受信可能なホスト」に相当する。 請求項25に係る発明における「センサノード」の構成は、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」の構成と同じであり、上記アで述べたとおり、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」と甲3発明における「通信装置1a」との間に実質的な相違点は存在しない。 以上によれば、請求項25に係る発明の「無線センサネットワークシステム」と甲3発明の「センサネットワークシステム」との間にも実質的な相違点は存在せず、請求項25に係る発明は甲3発明であるといえる。 また、請求項25に係る発明は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 2 甲第1号証を主な引用文献とする場合の理由(理由3:請求項1、2、4-6、15、21-25) (1)引用文献に記載された発明 甲第1号証(特開2013-102263号公報)には、「実施の形態1」又は「実施の形態2」として、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「無線通信装置100とコントローラ200とを備える無線ネットワークシステム1であって(段落0017を参照。)、 1台のコントローラ200に対して、複数の無線通信装置100が接続され(段落0018を参照。)、 無線通信装置100には、温度や湿度などの検出値を検出するセンサ300が接続され(段落0020を参照。)、 無線通信装置100及びコントローラ200は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行するコンピュータであり(段落0019を参照。)、 無線通信装置100は、 タイマを有し、タイマによって計測される経過時間に従って、一定の間隔で無線通信装置100の動作状態をアクティブ状態とスリープ状態とに切り替える間欠制御を行う消費電力制御部104と、 アクティブ状態では、電力が供給されて電波の送受信が可能な状態となり、スリープ状態では電力の供給が遮断されて電波の送受信ができない状態となる無線通信部101と、 を備え(段落0021、0022、0031、0032、0035を参照。)、 コントローラ200は、 無線通信装置100の無線通信部101と同様の方式で無線通信を行う無線通信部201と、 無線通信部201を介して、無線通信装置100のセンサ値を受信し、そのセンサ値を収集する制御部202と、 を備え(段落0038、0039、0040を参照。)、 無線通信装置100は、起動周期でスリープ状態からアクティブ状態に移行して、センサ値を取得し、センサ値を含むパケットをコントローラ200に送信し、コントローラ200からの応答を待ってから処理を終了し、経過時間が起動時間の設定値を超えるとスリープモードに移行するものであり(段落0034、0036、0045、0047を参照。)、 コントローラ200は、 無線通信装置100の起動時間や起動周期を変更する場合、センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信し、続いて、起動時間設定要求、起動周期設定要求及び低消費電力モードの有効設定要求を送信するものであり(段落0059、0061、0062、0063を参照。)、又は、 RSSIを計測する際、センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信し、続いて、RSSI計測要求を送信して、無線通信装置100が送信するRSSI計測応答63を受信し、低消費電力モードの有効設定要求を送信するものである(段落0072、0073、0074を参照。)、 無線ネットワークシステム1。」 (2)対比、判断 ア 請求項1について(理由3) 甲1発明における「無線通信装置100」及び「コントローラ200」が、請求項1に係る発明における「センサノード通信端末」及び「ホスト」にそれぞれ相当する。 甲1発明における「温度や湿度などの検出値を検出するセンサ300」が、請求項1に係る発明における「設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサ」に相当する。 甲1発明において「コンピュータ」である「無線通信装置100」が備える「CPU」及び「メモリ」が、請求項1に係る発明における「前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部」及び「前記制御部に接続されたメモリ」にそれぞれ相当する。 甲1発明における「無線通信部101」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続された無線送受信部」に相当する。 甲1発明における「無線通信装置100」が、請求項1に係る発明における「前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナ」及び「前記制御部に接続された電源部」に相当する構成を備えることは自明である。 甲1発明における「消費電力制御部104」が有する「タイマ」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続されたタイマ」に相当する。 甲1発明における「無線通信装置100」は、「起動周期でスリープ状態からアクティブ状態に移行して、センサ値を取得し、センサ値を含むパケットをコントローラ200に送信」するものであるから、請求項1に係る発明の「前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信」するということに相当する構成を備えているといえる。 甲1発明における「無線通信装置100」の「無線通信部101」は、「アクティブ状態」において「電波の送受信が可能」であり、「スリープ状態」において「電波の送受信ができない」ものであるから、「アクティブ状態」の期間内にのみ、「コントローラ200」からのデータを受信可能とするように構成されているといえる。 よって、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」と甲1発明における「無線通信装置100」とは、 「設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサと、 前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナと、 前記制御部に接続された電源部と、 前記制御部に接続されたタイマと を備えるセンサノード通信端末であって、 前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信し、所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とするように構成されたことを特徴とするセンサノード通信端末。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) ホスト側からの第2無線送信データをアンテナにより受信可能とする「所定の期間」が、請求項1に係る発明では、「第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信終了した後の所定の期間」であるのに対して、甲1発明では、「アクティブ状態」の期間であって、「アクティブ状態」の期間内のうち「センサ値パケット」を送信した後の所定の期間には限定されていない点。 上記相違点について、以下で検討する。 甲1発明においては、「コントローラ200」が、「センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信」するものとされていることから、それに合わせて、「無線通信装置100」の送信機能及び受信機能を順次有効にする程度のことは、当業者であれば適宜なし得る事項にすぎないというべきである。 よって、請求項1に係る発明は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 イ 請求項2、4-6について(理由3) 上記アで述べたように、甲1発明における「無線通信装置100」を、「コントローラ200」の動作に合わせて「センサ値パケット」を送信した後にのみデータ受信が可能であるようにすれば、請求項2に係る発明のような「トーク・アフター・リスンモード機能」を有することになると認められる。 甲1発明における「コントローラ200」は、「無線通信装置100」に対し、「低消費電力モードの無効設定要求50」、「起動時間設定要求52」、「起動周期設定要求54」及び「低消費電力モードの有効設定要求56」を送信するものであり、これらの「要求」は、請求項5に係る発明における「制御信号」に相当するものといえる。 また、甲1発明における「コントローラ200」は、「無線通信装置100」に対し、「RSSI計測要求62」を送信するものであり、この「要求」は、請求項6に係る発明における「データ要求信号」に相当するものといえる。 さらに、甲1発明における「コントローラ200」は、必要がない場合に「無線通信装置100」に対して、上述の各種の「要求」を送信しないことが明らかであるから、請求項4に係る発明の「前記第1無線送信データの送信後、受信待ち受け期間を設けるが、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信しない」ということに相当する構成を備えているといえる。 よって、請求項2、4-6に係る発明は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 ウ 請求項15について(理由3) 甲1発明における「消費電力制御部104」の「タイマ」は、「計測される経過時間に従って間欠制御を行う」ためのものであるから、請求項15に係る発明の「当該センサノード通信端末の動作タイミングに関係した情報源を供給可能である」「タイマ」に相当する。 よって、請求項15に係る発明は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 エ 請求項21、22について(理由3) 甲第5号証(特開2009-239339号公報)には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」(段落0001を参照。)の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置(段落0010を参照。)において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため(段落0005、0006等を参照。)、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する(段落0033等を参照。)技術が記載されている。 甲1発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「コントローラ200」から「無線通信装置100」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「無線通信装置100」がそれに応じた通信速度を設定するようにして、請求項21、22に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 よって、請求項21、22に係る発明は、甲1発明及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 オ 請求項23、24について(理由3) 甲1発明における「コントローラ200」が、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」に相当する。 甲1発明において「コンピュータ」である「コントローラ200」が備える「CPU」及び「メモリ」が、請求項23に係る発明における「制御部」及び「前記制御部に接続されたメモリ」にそれぞれ相当する。 甲1発明における「無線通信部201」が、請求項23に係る発明における「前記制御部に接続された無線送受信部」に相当する。 甲1発明における「コントローラ200」が、請求項23に係る発明における「前記無線送受信部に接続されたアンテナ」に相当する構成を備えることは自明である。 甲1発明における「複数の無線通信装置100」が、請求項23に係る発明における「複数のセンサノード」に相当する。 甲1発明における「コントローラ200」が、「無線通信装置100のセンサ値を受信し、そのセンサ値を収集する」ということは、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」が、「複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集する」ということに相当する。 甲1発明における「コントローラ200」が「無線通信装置100の起動時間や起動周期を変更する場合、センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信し、続いて、起動時間設定要求、起動周期設定要求及び低消費電力モードの有効設定要求を送信する」ということと、請求項23に係る発明における「ホスト通信端末」が「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」ということとは、「ホスト通信端末」が「複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信する」という点で共通する。 よって、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」と甲1発明における「コントローラ200」とは、 「制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続されたアンテナと を備えるホスト通信端末であって、 前記ホスト通信端末は、複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集すると共に、複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信することを特徴とするホスト通信端末。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 請求項23に係る発明では、「前記無線送受信部は、受信した電波の受信電界強度を測定するRSSI部を備え」、「前記制御部は、前記RSSI部において測定した受信電界強度に応じて、複数のセンサノード側への通信速度の変更を指示するマスタ・レート部を備え」、「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」のに対して、甲1発明では、「RSSI部」、「マスタ・レート部」に相当する構成を備えるかどうかが不明である点。 上記相違点について、以下で検討する。 上記エで述べたように、甲第5号証には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する技術が記載されており、甲1発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「コントローラ200」が受信レベルを判定して、「無線通信装置100」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「無線通信装置100」に通信速度を変更させるようにして、請求項23に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、甲1発明における「コントローラ200」は、「センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信し、続いて、起動時間設定要求、起動周期設定要求及び低消費電力モードの有効設定要求を送信するもの」であるから、上述のとおり、甲1発明において甲第5号証に記載された技術を採用し、「コントローラ200」が受信レベルを判定して、「無線通信装置100」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知する際のデータの送信も、「センサ値パケットを受信した後に無線通信装置100に低消費電力モードの無効設定要求を送信し」、それに「続いて」行われることになると認められ、すなわち、請求項24に係る発明の「前記ホスト通信端末は、前記第2無線送信データを、前記複数のセンサノードがそれぞれ前記第1無線送信データを送信終了した後の所定の期間内に、前記複数のセンサノードに向けて送信すること」に相当する構成を備えることになると認められる。 よって、請求項23、24に係る発明は、甲1発明及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 カ 請求項25について(理由3) 甲1発明における「複数の無線通信装置100」が、請求項25に係る発明の「複数のセンサノード」に相当し、また、この「複数の無線通信装置100」と接続される「1台のコントローラ200」が、請求項25に係る発明における「前記複数のセンサノードからの第1無線送信データを常時もしくは定期的に受信可能なホスト」に相当する。 請求項25に係る発明における「センサノード」の構成は、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」の構成と同じであるから、上記アで述べたとおり、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 よって、請求項25に係る発明も、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 3 甲第2号証を主な引用文献とする場合の理由(理由3:請求項1、2、4、5、15、21-31) (1)引用文献に記載された発明 甲第2号証(特開2008-60940号公報)には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。 「無線によってデータの送受信を行う親機と子機との間の無線通信システムであって(段落0001を参照。)、 親機2に複数台の子機1が無線回線で接続されるというシステム構成がとられ(段落0007を参照。)、 子機1は、電池で駆動することが要求され(段落0003を参照。)、 子機1は、通常はタイムスロット管理に従ったデータ送信を行うものであり(段落0055等を参照。)、タイムスロット管理方式とは、子機1-1~1-nが自己に割り当てられたタイムスロット毎に計測データを送信し、子機1-1~1-nからの計測データが衝突することなく親機2において周期T毎に受信される方式であり(段落0004を参照。)、そのために子機1には時計が搭載され(段落0011、0012を参照。)、 子機1は、 親機2との間の通信制御を司る無線通信制御部1aと、 温度や湿度などを計測し、その計測データを無線通信制御部1aへ送るセンサ計測部1bと、 子機1における電力消費を管理する省電力管理部1cと、 親機2からのタイムスロットの通知を受けて子機1から親機2への計測データの送信タイミングを調整する機能(タイムスロット管理機能)を有する送信タイミング調整部1dと、 を備え(段落0035を参照。)、 親機2は、 コントローラ3との間の通信制御を司る上位通信部2aと、 子機1との間の通信制御を司る無線通信制御部2bと、 無線通信制御部2bを介する子機1からの計測データを管理する計測データ管理部2cと、 を備え(段落0037を参照。)、 子機1及び親機2は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され(段落0038を参照。)、 子機1-1の電源をオンとすると、子機1-1から親機2へ応答要求が付加された計測データが送られ、親機2は、応答要求に応えて、子機1に対してタイムスロットS1を割り当て、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間をタイムスロットS1として子機1-1へ通知し、子機1-1は、親機2からのタイムスロットS1の通知を受けて、この通知に含まれるタイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間の経過を待って、親機2へ計測データを送信し、以下、子機1-1は、周期T毎に、親機2へ計測データを送信し、これにより、子機1-1から親機2へのタイムスロットS1毎の計測データの送信が開始され(段落0040から段落0042までを参照。)、 子機1-1は、このタイムスロットS1毎の計測データの送信に際し、複数回に1回、応答要求を付加し、親機2は、この応答要求に応えて、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間を子機1-1からの計測データの送信タイミングのずれとして求め、この差分時間を補正情報として子機1-1へ通知し、子機1-1は、親機2からの補正情報の通知を受けて、計測データの送信タイミングのずれを補正し(段落0043等を参照。)、 子機1-1は、親機2へ応答要求を送ったにも拘わらず、親機2から補正情報の通知を受信できない場合、応答要求を付加しての計測データの通知を再度行う(段落0067を参照。)、 無線通信システム。」 (2)対比、判断 ア 請求項1について(理由3) 甲2発明における「子機1」及び「親機2」が、請求項1に係る発明における「センサノード通信端末」及び「ホスト」にそれぞれ相当する。 甲2発明における「センサ計測部1b」が、請求項1に係る発明における「設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサ」に相当する。 甲2発明における「子機1」が備える「プロセッサ」及び「記憶装置」が、請求項1に係る発明における「前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部」及び「前記制御部に接続されたメモリ」にそれぞれ相当する。 甲2発明における「無線通信制御部1a」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続された無線送受信部」に相当する。 甲2発明における「子機1」が、請求項1に係る発明における「前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナ」に相当する構成を備えることは自明である。 甲2発明における「電池」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続された電源部」に相当する。 甲2発明における「時計」が、請求項1に係る発明における「前記制御部に接続されたタイマ」に相当する。 甲2発明における「子機1」は、「周期T毎に、親機2へ計測データを送信」するものであるから、請求項1に係る発明の「前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信」するということに相当する構成を備えているといえる。 よって、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」と甲2発明における「子機1」とは、 「設置された場所のセンサ情報を自立したタイミングで収集可能なセンサと、 前記センサに接続され、前記センサが収集した前記センサ情報を演算処理可能な制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続され、前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を無線送信可能なアンテナと、 前記制御部に接続された電源部と、 前記制御部に接続されたタイマと を備えるセンサノード通信端末であって、 前記センサ情報若しくは前記センサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信するように構成されたことを特徴とするセンサノード通信端末。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 請求項1に係る発明は、「第1無線送信データを前記アンテナから前記第1無線送信データを収集するホストに向けて自立したタイミングで送信終了した後の所定の期間内にのみ、前記ホスト側からの第2無線送信データを前記アンテナにより受信可能とするように構成され」ているのに対して、甲2発明は、そのように「送信終了した後の所定期間内にのみ」データ受信が可能となっているかどうかが不明である点。 上記相違点について、以下で検討する。 甲第3号証(特開2008-131467号公報)には、「センサネットワークシステム等の通信装置」(段落0001を参照。)において、「決められた時間のみ受信動作を行うようにして低消費電力化を図る」(段落0005を参照。)ため、「タイマ回路7」が計測する「前回の送信からの経過時間」(段落0024を参照。)が「第2所定値以下であると判定された場合」は「受信動作を禁止し」、「第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ」「受信動作を行わせる」(段落0029を参照。)ようにする技術が記載されている。 甲2発明と甲第3号証に記載された技術とは、無線センサネットワークシステムという共通の技術分野に属するものであり、低消費電力化という共通の課題を有するものでもあるため、甲2発明において甲第3号証に記載された技術を採用し、低消費電力化を図るため、「子機1」が「親機2」へ計測データを送信した後で「親機2」からの応答を受信すると想定される「所定の期間」のみ受信動作を行うようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことということができる。 よって、請求項1に係る発明は、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 イ 請求項2、4、5について(理由3) 上記アで述べたように、甲2発明における「子機1」が「親機2」へ計測データを送信した後で「親機2」からの応答を受信すると想定される「所定の期間」のみ受信動作を行うようにすれば、請求項2に係る発明のような「トーク・アフター・リスンモード機能」を有することになると認められる。 甲2発明における「親機2」は、「子機1」から送信された計測データに「応答要求」が付加されていなければ、「子機1」に対してデータを送信しないから、請求項4に係る発明の「前記センサノード通信端末は、前記第1無線送信データの送信後、受信待ち受け期間を設けるが、前記ホストは、前記センサノード通信端末へ前記第2無線送信データを送信しない」ということに相当する構成を備えているといえる。 甲2発明における「親機2」は、「子機1」に対し、「タイムスロットS1」及び「補正情報」を「通知」するものであり、これらの「通知」される情報は、請求項5に係る発明における「制御信号」に相当するものといえる。 よって、請求項2、4、5に係る発明は、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 ウ 請求項15について(理由3) 甲2発明における「時計」は、「子機1から親機2への計測データの送信タイミング」を調整するためのものであるから、請求項15に係る発明の「当該センサノード通信端末の動作タイミングに関係した情報源を供給可能である」「タイマ」に相当する。 よって、請求項15に係る発明は、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 エ 請求項21、22について(理由3) 甲第5号証(特開2009-239339号公報)には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」(段落0001を参照。)の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置(段落0010を参照。)において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため(段落0005、0006等を参照。)、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する(段落0033等を参照。)技術が記載されている。 甲2発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「親機2」から「子機1」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「子機1」がそれに応じた通信速度を設定するようにして、請求項21、22に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 よって、請求項21、22に係る発明は、甲2発明、甲第3号証に記載された技術及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 オ 請求項23、24について(理由3) 甲2発明における「親機2」が、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」に相当する。 甲2発明における「親機2」が備える「プロセッサ」及び「記憶装置」が、請求項23に係る発明における「制御部」及び「前記制御部に接続されたメモリ」にそれぞれ相当する。 甲2発明における「無線通信制御部2b」が、請求項23に係る発明における「前記制御部に接続された無線送受信部」に相当する。 甲2発明における「親機2」が、請求項23に係る発明における「前記無線送受信部に接続されたアンテナ」に相当する構成を備えることは自明である。 甲2発明における「複数台の子機1」が、請求項23に係る発明の「複数のセンサノード」に相当する。 甲2発明における「親機2」が、「無線通信制御部2bを介する子機1からの計測データを管理する」ということは、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」が、「複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集する」ということに相当する。 甲2発明における「親機2」が「応答要求に応えて、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間を子機1-1からの計測データの送信タイミングのずれとして求め、この差分時間を補正情報として子機1-1へ通知」するということと、請求項23に係る発明における「ホスト通信端末」が「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」ということとは、「ホスト通信端末」が「複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信する」という点で共通する。 よって、請求項23に係る発明の「ホスト通信端末」と甲2発明における「親機2」とは、 「制御部と、 前記制御部に接続されたメモリと、 前記制御部に接続された無線送受信部と、 前記無線送受信部に接続されたアンテナと を備えるホスト通信端末であって、 前記ホスト通信端末は、複数のセンサノードから第1無線送信データを無線通信を介して受信し、受信した前記第1無線送信データに含まれるセンシングデータを収集すると共に、複数のセンサノードに対して指示を含む第2無線送信データを送信することを特徴とするホスト通信端末。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 請求項23に係る発明では、「前記無線送受信部は、受信した電波の受信電界強度を測定するRSSI部を備え」、「前記制御部は、前記RSSI部において測定した受信電界強度に応じて、複数のセンサノード側への通信速度の変更を指示するマスタ・レート部を備え」、「受信した電波の受信電界強度に応じて、複数のセンサノードに対して通信速度の変更指示を含む第2無線送信データを送信する」のに対して、甲2発明では、「RSSI部」、「マスタ・レート部」に相当する構成を備えるかどうかが不明である点。 上記相違点について、以下で検討する。 上記エで述べたように、甲第5号証には、「ガス、水道等の使用量の自動検針を行う自動検針システム」の「親機及び子機として用いられる」2つの無線端末装置において、「環境や気象条件などの変化により電波伝搬状況が変化し、通信品質が低下」して「受信電文の復調精度が低下する」ことを抑えるため、一方の「無線端末装置2」が他方の「無線端末装置1」に対し、「受信レベルの判定結果に対応する通信速度」を「通知」し、「無線端末装置1が通知された通信速度になるように設定」する技術が記載されており、甲2発明においても、通信品質が低下して受信電文の復調精度が低下すること抑えるため、甲第5号証に記載された技術を採用し、「親機2」が受信レベルを判定して、「子機1」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知し、「子機1」に通信速度を変更させるようにして、請求項23に係る発明を構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、甲2発明においては、「子機1-1」が「タイムスロットS1毎の計測データの送信に際し、複数回に1回、応答要求を付加し、親機2は、この応答要求に応えて、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間を子機1-1からの計測データの送信タイミングのずれとして求め、この差分時間を補正情報として子機1-1へ通知」し、また、「子機1-1」が「親機2へ応答要求を送ったにも拘わらず、親機2から補正情報の通知を受信できない場合、応答要求を付加しての計測データの通知を再度行う」とされていることから、「親機2」による「応答要求に応えて」の「補正情報」の「通知」が、「応答要求」のタイミングから「所定の期間内」に行われるようになっていることは明らかである。 そして、上述のとおり、甲2発明において甲第5号証に記載された技術を採用することは当業者が容易に想到し得たことであるが、その結果、「親機2」が受信レベルを判定して、「子機1」に対して、受信レベルの判定結果に対応する通信速度を通知する際のデータの送信も、「子機1」が「タイムスロットS1毎の計測データの送信に際し」、「応答要求を付加し」、その「応答要求に応えて」「所定の期間内」に行われることになると認められ、すなわち、請求項24に係る発明の「前記ホスト通信端末は、前記第2無線送信データを、前記複数のセンサノードがそれぞれ前記第1無線送信データを送信終了した後の所定の期間内に、前記複数のセンサノードに向けて送信すること」に相当する構成を備えることになると認められる。 よって、請求項23、24に係る発明は、甲2発明及び甲第5号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 カ 請求項25について(理由3) 甲2発明における「複数台の子機1」が、請求項25に係る発明における「複数のセンサノード」に相当し、また、この「複数台の子機1」と接続される1台の「親機2」が、請求項25に係る発明における「前記複数のセンサノードからの第1無線送信データを常時もしくは定期的に受信可能なホスト」に相当する。 請求項25に係る発明における「センサノード」の構成は、請求項1に係る発明の「センサノード通信端末」の構成と同じであるから、上記アで述べたとおり、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 よって、請求項25に係る発明も、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 キ 請求項26-28について(理由3) 甲2発明では、「子機1-1~1-nが自己に割り当てられたタイムスロット毎に計測データを送信し、子機1-1~1-nからの計測データが衝突することなく親機2において周期T毎に受信される」ようになっていることから、請求項26に係る発明のように、「タイミングを複数のセンサノードで変化させて、無線信号データの衝突を回避」しているといえる。 ここで、甲2発明における「複数台の子機1」における「センサ計測部1b」が、それぞれどのようなタイミングで「温度や湿度などを計測」するのかは明らかでないが、複数のセンサを備えるシステムにおいて、センサ情報の収集を実質的に同じ時刻に行うようにすることは、周知の技術であって(甲第6号証(特開2008-91981号公報)の段落0001や甲第7号証(特開2006-313541号公報)の段落0004等を参照。)、甲2発明においても、「複数台の子機1」における「センサ計測部1b」が行う計測を、実質的に同じ時刻に行うようにし、その結果として、請求項26に係る発明のように、「各種センサ情報の収集から無線通信によるホストへの送信までのタイミングを複数のセンサノードで変化させ」るようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、甲2発明では、「子機1-1の電源をオンとすると、子機1-1から親機2へ応答要求が付加された計測データが送られ、親機2は、応答要求に応えて、子機1に対してタイムスロットS1を割り当て、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間をタイムスロットS1として子機1-1へ通知し、子機1-1は、親機2からのタイムスロットS1の通知を受けて、この通知に含まれるタイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間の経過を待って、親機2へ計測データを送信し、以下、子機1-1は、周期T毎に、親機2へ計測データを送信し、これにより、子機1-1から親機2へのタイムスロットS1毎の計測データの送信が開始され」るから、「タイムスロットS1」は、「子機1-1から親機2へのタイムスロットS1毎の計測データの送信」に先だって「予め」設定されているといえ、請求項27に係る発明の「前記複数のセンサノードで変化させる前記タイミングは、予め前記複数のセンサノード毎に設定する」に相当する構成を備えているといえる。 さらに、甲2発明では、「親機2」が「子機1-1」に対し「補正情報」を通知することで、これを受けた「子機1-1」が「計測データの送信タイミングのずれを補正」することができるようになっており、このことは、請求項28に係る発明における「タイミング」が「制御信号によって再調整可能である」ということに相当するといえる。 よって、請求項26-28に係る発明は、甲2発明、甲第3号証に記載された技術及び甲第6号証、甲第7号証で開示される周知の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 ク 請求項29-31について(理由3) 請求項29に係る発明における「無線センサネットワークシステム」の構成は、請求項26に係る発明の「無線センサネットワークシステム」の構成と実質的に同じであり、また、請求項31に係る発明における「無線センサネットワークシステム」の構成は、請求項27に係る発明の「無線センサネットワークシステム」の構成と実質的に同じであるから、いずれも上記キで述べたとおり、甲2発明、甲第3号証に記載された技術及び甲第6号証、甲第7号証で開示される周知の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 また、上記イで述べたように、甲2発明における「子機1」が「親機2」へ計測データを送信した後で「親機2」からの応答を受信すると想定される「所定の期間」のみ受信動作を行うようにすれば、「トーク・アフター・リスンモード機能」を有することになると認められるから、請求項30に係る発明も、甲2発明、甲第3号証に記載された技術及び甲第6号証、甲第7号証で開示される周知の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由 1 採用しなかった特許異議申立理由の概要 特許異議申立人上山みち子は、請求項3及び8ないし14に係る発明が、甲第1号証に記載された発明に甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1(特開2010-88101号公報)及び甲第8号証の2(ROBIN HEYDON,“BLUETOOTH LOW ENERGY”,2012年10月,81,82頁)に記載された技術事項を採用することで、当業者が容易に発明できたものであるから、請求項3及び8ないし14に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。 また、特許異議申立人上山みち子は、請求項32に係る発明が、甲第1号証に記載された発明に甲第2号証、甲第4号証(特開2013-3000号公報)、甲第6号証及び甲第7号証に記載された技術事項を採用することで、または、甲第3号証に記載された発明に甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証に記載された技術事項を採用することで、当業者が容易に発明できたものであるから、請求項32に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。 2 当合議体の判断 (1) 請求項3について 請求項3に係る発明の「センサノード通信端末」と甲第1号証に記載された甲1発明(上記第4の2(1)を参照。)における「無線通信装置100」とを対比すると、上記第4の2(2)アで示した相違点の他に、以下の点でも相違する。 (相違点) センサ情報若しくはセンサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データが、請求項3に係る発明では、「センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示すフラグ」を備えるのに対して、甲1発明では、そのようなフラグを備えるかどうかが不明である点。 上記相違点について、以下で検討する。 甲1発明が上記相違点に係る本件特許の請求項3の構成を備えるようにするには、甲1発明において「無線通信装置100」が「コントローラ200」に送信するとされる「センサ値を含むパケット」が、「無線通信装置100」が「引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示すフラグ」を備えるようにする必要があるが、甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1及び甲第8号証の2のいずれも、そのようなことを示唆するものとはいえない。 特に、甲第2号証には、「子機1-1は、このタイムスロットS1毎の計測データの送信に際し、複数回に1回、応答要求を付加」し、「親機2は、この計測データに付加されている応答要求に応えて、タイムスロットS1の送信基準タイミングまでの差分時間を子機1-1からの計測データの送信タイミングのずれとして求め、この差分時間を補正情報として子機1-1へ通知する」(段落0043を参照。)技術が記載されており、この技術における「応答要求」は、センサ情報を含む無線送信データが備える情報であるという点で、請求項3に係る発明の「フラグ」と共通するものではあるものの、この「応答要求」は、請求項3に係る発明の「フラグ」のように「引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示す」ものではない。つまり、「応答要求」が付加されている場合に「子機1-1」が待ち受けを実施することは明らかといえるが、逆に「応答要求」が付加されない場合に「子機1-1」が待ち受けを実施しないということは、記載も示唆もされていない。 また、甲第3号証には、「センサネットワークシステム等の通信装置」(段落0001を参照。)において、「決められた時間のみ受信動作を行うようにして低消費電力化を図る」(段落0005を参照。)ため、「タイマ回路7」が計測する「前回の送信からの経過時間」(段落0024を参照。)が「第2所定値以下であると判定された場合」は「受信動作を禁止し」、「第2所定値を超えていると判定された場合は、第3所定値の時間だけ」「受信動作を行わせる」(段落0029を参照。)ようにする技術が記載されているが、ここでも、「通信装置」が「引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示すフラグ」を送信するといったことは、記載も示唆もされていない。 更に、甲第8号証の1及び甲第8号証の2には、Bluetoothにおいて接続を許容するか否かを示すパケットを送信する技術が記載されているが、当該技術を、Bluetoothとの関連が何ら示唆されない甲1発明において、具体的に「センサ値を含むパケット」の送信に適用することの動機を見いだすことができない。 なお、異議申立人は、甲第1号証に記載された「低消費電力モード有効設定応答」(段落0063)及び「低消費電力モード無効設定応答」(段落0060)が「コントローラ200の制御に影響する「フラグ」である」との主張もしているが、これらの「低消費電力モード有効設定応答」及び「低消費電力モード無効設定応答」は、「コントローラ200」から送信される「低消費電力モードの有効設定要求」(段落0063)及び「低消費電力モードの無効設定要求」(段落0059)への応答として「無線通信装置100」から送信されるもの、つまり「センサ値を含むパケット」(段落0045)とは別に「無線通信装置100」から送信されるものであるから、本件特許の請求項3に係る発明における、センサ情報若しくはセンサ情報を演算処理した結果を含む第1無線送信データが備える「センサノード通信端末が引き続き受信待ち受けを実施するか否かを示すフラグ」に相当するものではない。 よって、上記相違点に係る本件特許の請求項3の構成は、甲1発明と、甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1及び甲第8号証の2に記載された技術事項とに基づいて、当業者が容易に想到し得るものであるということはできない。 更に、甲1発明に代えて、甲第3号証に記載された甲3発明(上記第4の1(1)を参照。)又は甲第2号証に記載された甲2発明(上記第4の3(1)を参照。)との対比を行っても上記相違点と同様の相違点があり、これを当業者が容易に想到し得るものであるということはできない。 したがって、本件特許の請求項3に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1及び甲第8号証の2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 (2) 請求項8ないし14について 請求項8ないし14に係る発明は、いずれも請求項3に係る発明の構成を全て含むから、これを甲1発明と対比すれば、少なくとも上記(1)で述べた請求項3に係る発明との相違点で相違する。そして、上記(1)で述べたように、当該相違点に係る本件特許の請求項3の構成は、甲1発明と、甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1及び甲第8号証の2に記載された技術事項とに基づいて、当業者が容易に想到し得るものであるということはできないから、当該相違点に係る請求項8ないし14の構成も同様である。 また、甲1発明に代えて甲3発明又は甲2発明との対比を行っても上記相違点と同様の相違点があり、これを当業者が容易に想到し得るものであるということはできない。 したがって、本件特許の請求項8ないし14に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第8号証の1及び甲第8号証の2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 (3) 請求項32について 請求項32に係る発明における「前記タイマが誤動作された時に、実質的に前記タイマの時刻合わせを実施するタイマ時計を備える」ということに相当する構成は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証のいずれにおいても、記載も示唆もされていない。 特に、異議申立人は、甲第2号証において「子機1-1は、親機2からの補正情報の通知を受けて、計測データの送信タイミングのずれを補正する」(段落0043等を参照。)技術が記載されている点、及び甲第4号証において「前記第1,第2親局の時刻を同期させる時刻情報(T1)を、前記第2ネットワークを介して前記第1,第2親局の各々に送信」(段落0011を参照。)する技術が記載されている点を、進歩性を否定する根拠として挙げているが、甲第2号証及び甲第4号証で記載されているのは、いずれも互いに通信を行う装置間の同期処理に関する技術であって、本件特許の請求項32に係る発明のように、「タイマが誤動作された時」に当該タイマの時刻合わせを実施するというものではない。 よって、請求項32に係る発明は、甲1発明、甲3発明及び甲2発明のいずれとの対比を行ったとしても、少なくとも「前記タイマが誤動作された時に、実質的に前記タイマの時刻合わせを実施するタイマ時計を備える」という点が相違点となり、当該相違点は、他のいずれの文献に記載された技術事項に基づいても、当業者が容易に想到し得るものであるということができない。 したがって、本件特許の請求項32に係る発明は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 第6 むすび 上記第3に記載した取消理由(理由1)及び上記第4に記載した取消理由(理由2及び理由3)はいずれも妥当なものと認められるので、請求項1、2、4ないし7、15、16及び21ないし31に係る特許は、これらの取消理由によって取り消されるべきものである。 また、請求項3、8ないし14及び32に係る特許については、上記第5で述べたように、特許異議申立理由によって取り消すことができない。また、他に請求項3、8ないし14及び32に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700885

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