特許異議申立
2018-700178
情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
- 審判番号
- 2018-700178
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2015-185063
- 登録番号
- 特許第6190857号(P6190857)
- 請求日
- 2018年02月27日
- 審決日
- 2019年08月19日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ヤフー株式会社
- 【権利者代理人】荒船 博司
- 【権利者代理人】荒船 良男
- 【異議申立人】猪瀬 則之
- 審判長/審判官
- 審判長 渋谷 善弘
- 審判官 金澤 俊郎
- 審判官 齊藤 公志郎
- 分類
- P1652.113-YAA(G01C) / P1652.121-YAA(G01C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項特許法29条2項特許法113条2号特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6190857号発明「情報処理装置、情報処理方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6190857号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕、5、6、7、8、9、10、11について訂正することを認める。
特許第6190857号の請求項1、10、11に係る特許を維持する。
特許第6190857号の請求項2、3、4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6190857号の請求項1ないし11に係る特許についての出願は、平成29年8月10日にその特許権の設定登録がされ、平成29年8月30日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について平成30年2月27日に特許異議申立人猪瀬則之(以下、「異議申立人」という。)より請求項1-4、10及び11に対して特許異議の申立てがされ、当審は、平成30年6月27日付けで取消理由を通知した。それに対し、特許権者により、平成30年8月27日に意見書の提出及び訂正請求がされ、平成30年9月20日に訂正請求書の請求の理由について補正する手続補正がされ、当審は、平成30年10月3日付けで審尋をし、特許権者は、平成30年10月24日に回答書を提出した。当審は、異議申立人に対し、平成30年11月5日付けで訂正請求があった旨の通知をし、異議申立人は、平成30年12月6日に意見書を提出した。当審は、平成31年1月9日付けで訂正拒絶理由を通知し、平成31年3月7日付けで取消理由(決定の予告)(以下、単に「取消理由」という。)を通知した。これに対し、特許権者は、令和元年5月13日に意見書を提出するとともに訂正の請求(以下、「本件訂正の請求」という。)をし、当審は、異議申立人に対し、令和元年6月11日付けで訂正請求があった旨の通知をし、令和元年7月16日に特許異議申立人から意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
特許権者は、特許請求の範囲の請求項1を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。(なお、下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)
「【請求項1】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段と、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段と、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段と、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」
(2)訂正事項2
特許権者は、特許請求の範囲の請求項2を削除する訂正をすることを請求する。
(3)訂正事項3
特許権者は、特許請求の範囲の請求項3を削除する訂正をすることを請求する。
(4)訂正事項4
特許権者は、特許請求の範囲の請求項4を削除する訂正をすることを請求する。
(5)訂正事項5
特許権者は、特許請求の範囲の請求項5を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項5】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、
前記所定条件を満たす場合は、ユーザが乗車中の車両内に、前記広告を音声出力させた前記出力手段を備える端末装置と関連付けられた別の端末装置が存在するときを含み、
前記出力制御手段は、前記別の端末装置が存在する場合に、前記広告を前記別の端末装置の出力手段に一覧表示させることを特徴とする情報処理装置。」
(6)訂正事項6
特許権者は、特許請求の範囲の請求項6を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項6】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段と、
音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答に基づいて、前記広告の優劣を評価する優劣評価手段とを備え、
前記出力制御手段は、前記優劣評価手段により評価された優劣に基づいて、前記広告を優劣順に前記出力手段に表示させることを特徴とする情報処理装置。」
(7)訂正事項7
特許権者は、特許請求の範囲の請求項7を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項7】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、
前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該広告若しくは当該広告の属性又は当該ユーザ若しくは当該ユーザの属性の少なくとも一方に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする情報処理装置。」
(8)訂正事項8
特許権者は、特許請求の範囲の請求項8を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項8】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により一音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、
前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザが乗車中の車両の走行状況に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする情報処理装置。」
(9)訂正事項9
特許権者は、特許請求の範囲の請求項9を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項9】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、
前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザの応答の発話上の特徴に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする情報処理装置。」
(10)訂正事項10
特許権者は、明細書の段落【0007】に「請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備えることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段と、前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段と、前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段と、前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段と、を備えることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(11)訂正事項11
特許権者は、明細書の段落【0008】を削除する訂正をすることを請求する。
(12)訂正事項12
特許権者は、明細書の段落【0009】を削除する訂正をすることを請求する。
(13)訂正事項13
特許権者は、明細書の段落【0010】を削除する訂正をすることを請求する。
(14)訂正事項14
特許権者は、明細書の段落【0011】に「請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記所定条件を満たす場合は、ユーザが乗車中の車両内に、前記広告を音声出力させた前記出力手段を備える端末装置と関連付けられた別の端末装置が存在するときを含み、前記出力制御手段は、前記別の端末装置が存在する場合に、前記広告を前記別の端末装置の出力手段に一覧表示させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項5に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を客行させる出力制御手段を備え、前記所定条件を満たす場合は、ユーザが乗車中の車両内に、前記広告を音声出力させた前記出力手段を備える端末装置と関連付けられた別の端末装置が存在するときを含み、`前記出力制御手段は、前記別の端末装置が存在する場合に、前記広告を前記別の端末装置の出力手段に一覧表示させることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(15)訂正事項15
特許権者は、明細書の段落【0012】に「請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答に基づいて、前記広告の優劣を評価する優劣評価手段を備え、前記出力制御手段は、。前記優劣評価手段により評価された優劣に基づいて、前記広告を優劣順に前記出力手段に表示させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項6に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段と、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答に基づいて、前記広告の優劣を評価する優劣評価手段とを備え、前記出力制御手段は、前記優劣評価手段により評価された優劣に基づいて、前記広告を優劣順に前記出力手段に表示させることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(16)訂正事項16
特許権者は、明細書の段落【0013】に「請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該広告若しくは当該広告の属性又は当該ユーザ若しくは当該ユーザの属性の少なくとも一方に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項7に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該広告若しくは当該広告の属性又は当該ユーザ若しくは当該ユーザの属性の少なくとも一方に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(17)訂正事項17
特許権者は、明細書の段落【0014】に「請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザが乗車中の車両の走行状況に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項8に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザが乗車中の車両の走行状況に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(18)訂正事項18
特許権者は、明細書の段落【0015】に「請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザの応答の発話上の特徴に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項9に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備え、前記出力制御手段は、音声入力手段を介して取得された前記広告に対するユーザの応答を、当該ユーザの応答の発話上の特徴に反映させ、当該反映結果に基づいて前記広告を前記出力手段により音声出力させることを特徴とする。」と訂正することを請求する。
(19)訂正事項19
特許権者は、特許請求の範囲の請求項10を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項10】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定ステップと、
前記第一判定ステップにより、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定された場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御ステップと、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定ステップと、
前記第二判定ステップにより、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定された場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御ステップと、
を含む情報処理方法。」
(20)訂正事項20
特許権者は、明細書の段落【0016】に「請求項10に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させるステップを含む。」と記載されているのを、「請求項10に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定ステップと、前記第一判定ステップにより、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定された場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御ステップと、前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定ステップと、前記第二判定ステップにより、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定された場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御ステップと、を含む。」と訂正することを請求する。
(21)訂正事項21
特許権者は、特許請求の範囲の請求項11を以下の事項により特定されるとおりに訂正することを請求する。
「【請求項11】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置のコンピュータを、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段、
として機能させるためのプログラム。」
(22)訂正事項22
特許権者は、明細書の段落【0017】に「請求項11に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置のコンピュータを、前記ナビゲーション処理中に、出力手段により広告を音声出力させた後、所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段、として機能させるためのプログラムである。」と記載されているのを、「請求項11に記載の発明は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置のコンピュータを、前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現存地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判断する第一判定手段、前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段、前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段、前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に基づいて、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段、として機能させるためのプログラムである。」と訂正することを請求する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1の、請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
なお、訂正後の請求項1の「ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で」という事項は、明細書の段落【0074】ないし【0076】の記載から導くことができる。
訂正事項2の、請求項2に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項3の、請求項3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項4の、請求項4に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項5の、請求項5に係る訂正は、引用関係の解消及び特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
訂正事項6の、請求項6に係る訂正は、引用関係の解消及び特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
訂正事項7の、請求項7に係る訂正は、引用関係の解消及び特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
訂正事項8の、請求項8に係る訂正は、引用関係の解消及び特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
訂正事項9の、請求項9に係る訂正は、引用関係の解消及び特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
訂正事項10の、明細書の段落【0007】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項11の、明細書の段落【0008】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項12の、明細書の段落【0009】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項13の、明細書の段落【0010】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項14の、明細書の段落【0011】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項15の、明細書の段落【0012】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項16の、明細書の段落【0013】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項17の、明細書の段落【0014】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項18の、明細書の段落【0015】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項19の、請求項10に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項20の、明細書の段落【0016】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項21の、請求項11に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項22の、明細書の段落【0017】に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、訂正前の請求項1ないし9は、請求項2ないし9が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項ごとにされたものである。
3 小括
本件訂正の請求による訂正事項1ないし21は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項で準用する同法第126条第4項から第7項までの規定に適合する。
よって、訂正後の請求項〔1-4〕、5、6、7、8、9、10、11及び明細書について訂正を認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正の請求により訂正された訂正請求項1、10及び11に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1、10及び11」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1、10及び11に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
(1)本件発明1
「【請求項1】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段と、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段と、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段と、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」
(2)本件発明10
「【請求項10】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定ステップと、
前記第一判定ステップにより、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定された場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御ステップと、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定ステップと、
前記第二判定ステップにより、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定された場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御ステップと、
を含む情報処理方法。」
(3)本件発明11
「【請求項11】
目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置のコンピュータを、
前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段、
として機能させるためのプログラム。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1ないし4、10及び11に係る発明に対して平成31年3月7日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1)請求項1に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項1に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(2)請求項1に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項1に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(3)請求項2に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項2に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
(4)請求項2に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項2に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
(5)請求項3に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明及び特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。
(6)請求項3に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。
(7)請求項4に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明、特開2000-292182号公報(甲第2号証)に記載された発明、特開2001-333455号公報(甲第5号証)に記載された発明及び特開2001-343249号公報(甲第6号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項4に係る特許は、取り消されるべきものである。
(8)請求項4に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明、特開2000-292182号公報(甲第2号証)に記載された発明、特開2001-333455号公報(甲第5号証)に記載された発明及び特開2001-343249号公報(甲第6号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。
(9)請求項10に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項10に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。
(10)請求項10に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項10に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。
(11)請求項11に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項11に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項11に係る発明は、特開2003-214882号公報(甲第1号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項11に係る特許は、取り消されるべきものである。
(12)請求項11に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、請求項11に係る特許は、取り消されるべきものである。
また、請求項11に係る発明は、特開2004-286872号公報(甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項11に係る特許は、取り消されるべきものである。
2 甲各号証に記載された発明及び技術
(1)甲第1号証
取消理由において引用した甲第1号証には、「ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びそのプログラム」に関して、図面(特に、図2、図3及び図11参照。)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人間や車両を特定の地点へと誘導するためのナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】ナビゲーション装置は一般に(1)ユーザが目的とする地点を設定し、(2)現在の地点から目的地点までの経路について地理データを参照して探索し(3)ユーザの現在位置に応じて目的地点への経路について案内する3つの手順を経て利用される。」
イ 「【0012】ユーザ定義ルート情報格納部101はカーナビゲーションを起動後、ユーザが設定した目的地までのルート情報を保持する。基本ナビ情報生成部102は統合ナビ情報生成部103からの要求に基づきユーザ定義ルート情報格納部101、後述する地理情報データベース105、統合ナビ情報生成部103及び図示しないGPSからのGPSデータを参照して、ユーザの現在位置がルート案内を行う予定地点(以下、ガイドポイントと称す)に近づいたときに、そのガイドポイントでユーザに与えるガイド情報である基本ガイド情報を生成する。」
ウ 「【0015】先行ナビ情報生成部106は統合ナビ情報生成部103からの要求に基づいて、ユーザ定義ルート情報格納部101、地理情報データベース105及び概念階層データ保持部107からの情報を参照して、ガイドポイントに近づいたときにそのガイドポイントと関連があり、かつ、ガイドポイントよりも後で通過するであろう地点についての情報をユーザに与える先行ガイド情報を生成する。
【0016】図2は本実施の形態であるカーナビゲーション装置をハードウェア構成で示したものであり、図1と対応させると基本ナビ情報生成部102、統合ナビ情報生成部103、先行ナビ情報生成部106の処理がCPU1において実行され各種処理や各種制御を実施する。また、ユーザ定義ルート情報格納部101、地理情報データベース105、概念階層データ保持部107の内容が大容量外部記憶部5に記憶され、ドライブ6を利用して記憶媒体から取り込まれている。また、画像・音声インターフェース104である出力部4からは認識結果、解析結果や最終出力を表示あるいはデータとして出力される。さらに、通信部7からはGPSデータが取り込まれる。」
エ 「【0018】次に、本実施の形態のカーナビゲーション装置の動作を図3を用いて説明する。
【0019】なお、カーナビゲーション装置を搭載した自動車は図4のルートが設定されているものとする。図4の中の吹田SA、尼崎SA、コンビニ(コンビニエンスストア)A、コンビニ(コンビニエンスストア)Bがそれぞれガイドポイントである。ユーザの自動車(自車)は現在地から進行方向に向かって走行中である。
【0020】カーナビゲーション装置は図3のアルゴリズムにしたがって自車がガイドポイントに接近した時にガイド情報を出力する。すなわち、カーナビゲーション装置は図示しないGPSセンサー等から得られる位置情報に基づいて自車の位置を検出し(step301)、この位置情報とユーザ定義ルート情報格納部101及び地理情報データベース105に格納された情報により自車がガイドポイントに接近するかどうか判断し(step302)、接近すればガイド情報が基本ナビ情報生成部102で生成される(step303)。
【0021】すなわち、ユーザの車が吹田SAに接近したとすると、基本ガイド情報は例えばGS1のように生成される。
GS1:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。」
この基本ガイド情報GS1は例えば「あと(距離情報)メートルで(場所情報)です。」等の定型された文章が容易されており、自車がガイドポイントに接近したときにGPSからの自車とガイドポイント間の距離情報がCPU1で求められ、定型文章に距離情報と場所情報としてのガイドポイント名が挿入され情報が生成される。
【0022】続いて、先行ガイド情報が生成される(step304)。先行ガイド情報の生成手続きを図5に示す。図5の先行ガイド情報の生成手続は
(1)現在のガイドポイントと同じクラスに属するガイドポイント
(2)現在のガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイント
を導出するものである。」
オ 「【0035】このように先行ガイド情報(GS2とGS3)が生成された後(図3step304)、これらの先行ガイド情報(GS2とGS3)と基本ガイド情報GS1は合成される(図3step305)。すなわち、
FGS1:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。吹田SAの先、食堂、駐車場、トイレのある場所は、尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。」
となる。
【0036】最後に、合成された基本ガイド情報と先行ガイド情報が最終のガイド情報として出力される(step406)。
【0037】このガイド情報の出力は音声合成装置を利用すれば音声のガイド情報として出力され、あるいは表示装置を利用すれば画像のガイド情報として出力される。
【0038】したがって、このように構成されたカーナビゲーション装置によれば、運転者は、次のガイドポイントとさらに先行するガイドポイントについての情報を得ることができるので、それらを比較し選べるようになる。例えば、運転者は、吹田SAの次の休憩場所がその15キロ先にあることを知っているので、自分自身や同乗者の体調などを考えて休憩所を選択することができる。」
カ 「【0061】かくして、ユーザの興味あるガイドポイント情報を更に付加することによって、ユーザが次のガイドポイントで何をすべきかの判断材料を提供することができるようになる。
(他の実施の形態)上記実施の形態では図7の情報データ部708に個人のガイド情報が登録されているが、個人のガイド情報の代りに広告情報が登録されていてもよい。この場合の動作の手順を図11に示す。すなわち、step1101からstep1105までは図3のstep301からstep305と同じであり、基本・先行ガイド情報が合成された後、広告情報が追加される。
【0062】この広告情報としては図12に示す通りである。
【0063】次に具体例を示してその動作を説明する。ユーザが図9に示すようなルートを設定し、吹田SAの500メートル手前に接近したとする。
【0064】この場合、図11のstep1101からstep1105までは上述したように図3のstep301からstep305までと同様に処理されて、以下のガイド情報GS10が生成される。
GS10:あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。
【0065】次にこのガイド情報に経情報データ部708(審決注:「情報データ部708」の誤記)に登録された広告情報を参照して広告情報に登録されたものの中の一つが選択される(step1106)。選択される広告情報としてガイドポイントと関係のある広告を選択し、提示することが考えられ、これは1(審決注:「1」は丸付き数字の代用)次のガイドポイントについて広告を提示する2(審決注:同上)次のガイドポイントのさらに次のガイドポイントについて広告を提示する3(審決注:同上)常に同じ広告を提示するなど様々な方式が考えられるが、ここでは次のガイドポイントと同じIDを第1引数にもつ広告データを選択し、その第2引数値をガイド情報に付加することにより行う。」
キ 上記エ及びカからみて、あるガイドポイントに接近した時と、次のガイドポイントに接近した時とで、同じ広告を提示するものであることが分かる。
上記アないしキ並びに図2、図3及び図11の図示内容を総合すると、甲第1号証には、「ナビゲーション装置」に関して、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。
〔甲1発明〕
「目的地点までの経路について探索し、探索結果に応じて目的地点への経路を案内するナビゲーション装置において、
前記目的地点への経路を案内中に、ガイドポイントに接近した時に、出力部4により広告を音声の情報として出力させた後、次のガイドポイントに接近した時に、前記出力部4により音声の情報として出力させた広告と同じ広告を再び音声の情報として出力を実行させるCPU1を備えるナビゲーション装置。」
(2)甲第4号証
甲第4号証には、「広告方法とその方法に使用する広告システム」に関して、図面(特に、図4、図7、図9及び図11参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に乗車した広告利用者に対し、広告情報を提供する広告方法とその方法に使用する広告システムに関する。」
イ 「【0042】
一方、広告利用者が乗車する車両23には、カーナビゲーションシステム35が搭載される。カーナビゲーションシステム35は、GPS受信器36、地図情報データベース37、地図表示手段38およびモニタ39を有する。カーナビゲーションシステム35の地図表示手段38は、GPS受信器36により得られた車両23の位置情報に基づいて適切な地図情報を地図情報データベース37から抽出してモニタ39に表示する機能を有する。
【0043】
さらに、車両23には、車載端末40、マイクロホン等の音声入力装置41、スピーカ等の音声出力装置42および無線器28が設けられる。車載端末40は、GPS受信器36、モニタ39、音声入力装置41、音声出力装置42および無線器28と接続される。
【0044】
また、車両23に設けられた車載端末40には、が接続される。(審決注:「ママ」)
【0045】
そして、広告利用者側の車載端末40、カーナビゲーションシステム35、無線器28、音声入力装置41、音声出力装置42、車載インデックスデータベース43、車載キーワードデータベース44、広告パターンデータベース45、広告利用者属性データベース48、エージェント条件データベース46、広告利用履歴データベース47、広告利用者属性データベース48および車両通過履歴データベース49等の機器により移動可能な広告利用者機器が形成されるが、別途他の機器が設けられてもよく、逆に一部の機器が設けられなくてもよい。」
ウ 「【0130】
次に、広告利用者は車両23に乗車する。
【0131】
図4は図1に示す広告システム20において車両23の目的地を設定することにより、広告スポンサ21の広告インデックス情報を受信して音声テキスト変換情報を作成する方法の一例を示すフローチャートである。
【0132】
まず、ステップS5において、広告利用者が車載端末40の入力装置により車両23の目的地を入力設定する。
【0133】
このため、ステップS6において、広告利用者の車両23に設けられた車載端末40の車両ルート設定手段51は、車載端末40の入力装置から車両23の目的地の位置情報を受ける一方、カーナビゲーションシステム35のGPS受信器36から車両23の現在の位置情報を受ける。
【0134】
さらに、車両ルート設定手段51は、例えば現在の車両23の位置から目的地までの距離が最短となるような経路を設定し、現在の車両23の緯度および経度等の位置情報、車両23が通過する各地点の位置情報および車両23の目的地における位置情報で構成される車両ルート情報を作成する。」
エ 「【0151】
このように図4のステップS10において、インデックス送信手段75は、広告インデックスデータベース31を検索し、広告インデックス情報を抽出する。
【0152】
そして、ステップS17では、インデックス送信手段75が、抽出した各広告インデックス情報を車両23の識別情報に基づいて広告利用者の車両23に設けられた車載端末40のインデックス受信手段52に各無線器28、28を介して送信する。
【0153】
このため、ステップS18において、車両23に設けられた車載端末40のインデックス受信手段52がセンタサーバ26のインデックス送信手段75から各広告インデックス情報を各無線器28、28を介して受信する。そして、インデックス受信手段52が受信した各広告インデックス情報から車載キーワード情報作成手段53により音声テキスト変換情報が作成されて車載キーワードデータベース44に入力される。」
オ 「【0172】
図7は図1に示す広告システム20において車両23に乗車した広告利用者が広告内容情報を得て広告スポンサ21に目的地を設定するまでの流れの一例を示すフローチャートである。
【0173】
まず、図7に示すステップS24において広告利用者は車両23に設けられた音声入力装置41に音声により「検索」という単語を入力する。
【0174】
このため、ステップS25において車載端末40のスイッチ手段50が、音声入力装置41に入力された広告利用者の音声を音声情報として入力するとともに、「検索」という単語を認識し、広告情報の利用に必要な情報の入力を音声出力装置42を介して音声により広告利用者に要求する。
【0175】
また、モニタ39には地図情報とともに現在の車両23の位置が表示される。
【0176】
スイッチ手段50は、例えば「検索ですね。何を検索しますか?」という内容の音声により広告情報の利用に必要な情報の入力を広告利用者に要求する。
【0177】
このため、ステップS26において広告利用者は、スイッチ手段50の要求に従って音声入力装置41を介して音声により「ラーメン」と入力する。
【0178】
さらに、広告利用者の音声入力に応じた広告内容情報が広告システム20により提供される。」
カ 「【0192】
図9は図7および図8において広告利用者の音声入力により作成されたキーワードテキスト情報に基づいて広告インデックス情報を抽出するとともに広告スポンサ21の位置がモニタ39に表示されるまでの流れの一例を示すフローチャートである。
【0193】
図9のステップS39において、広告利用者により「ラーメン」と音声入力されたため、ラーメンというキーワードテキスト情報がエリア確定手段55に入力される。
【0194】
さらに、ステップS40において、エリア確定手段55は、車載端末40の車載キーワード認識手段54あるいはセンタサーバ26のセンタキーワード認識手段76からキーワードテキスト情報を受けると、広告内容情報を提供する範囲を決定するために、GPS受信器36から現在の車両23の位置情報を入力して、入力した車両23の位置情報に基づいて所定の範囲をエリア確定情報として確定する。
【0195】
例えば、エリア確定手段55は、インデックス送信手段75により設定された広告インデックス情報の抽出対象エリアのうち、現在の車両23の位置から車両23のルートの進行方向に沿って一定地点までの範囲をエリア確定情報として確定する。
【0196】
エリア確定手段55により範囲を確定する方法は任意であり例えば、現在の車両23の位置から車両23のルートの進行方向に沿って4kmまでの範囲に、現在の車両23の位置を中心とする半径1kmの円内の範囲並びに現在の車両23の位置から車両23のルートの進行方向に沿って4km先の地点を中心とする半径1kmの円内の範囲が加えられてエリア確定情報が確定される。
【0197】
エリア確定手段55により確定されるエリア確定情報の確定方法は任意であるが、車両23の移動方向後方よりも移動方向前方をより広く設定することにより、より適切にエリア確定情報を確定することができる。
【0198】
エリア確定手段55により確定されたエリア確定情報は、キーワードテキスト情報とともにインデックス抽出手段57に与える。
【0199】
一方、車両ルート設定手段51により車両23のルートが設定されていない場合であっても、エリア確定手段55によりエリア確定情報を確定することができる。」
キ 「【0209】
一方、図9のステップS41において、インデックス抽出手段57は、エリア確定手段55からキーワードテキスト情報とともにエリア確定情報を受けると、車載インデックスデータベース43に保存された広告インデックス情報を参照し、広告インデックス情報に含まれる広告内容テキスト情報の一部とキーワードテキスト情報とが一致し、かつ広告インデックス情報に含まれる広告スポンサ21の位置情報がエリア確定情報の範囲内にあり条件を満たす場合には、広告インデックス情報を抽出する。
【0210】
インデックス抽出手段57がエリア確定手段55から受けたキーワードテキスト情報は「ラーメン」であるため、エリア確定情報で設定された範囲内で「ラーメン」という単語が含まれている広告インデックス情報が抽出される。インデックス抽出手段57は抽出した広告インデックス情報を広告スポンサ位置表示手段58に与える。
【0211】
次に、ステップS42において、広告スポンサ位置表示手段58はインデックス抽出手段57から各広告インデックス情報を受けると、広告スポンサ21の位置をモニタ39に表示する際、広告利用者に各広告スポンサ21の識別を可能とするための番号情報を各広告インデックス情報にそれぞれ追加する。
【0212】
そして、ステップS43において、広告スポンサ位置表示手段58は、各広告インデックス情報に基づいて各広告スポンサ21の位置を、番号を付した記号によりそれぞれモニタ39に表示するとともに各広告インデックス情報を広告スポンサ選択要求手段59に与える。
【0213】
さらに、ステップS44において、広告スポンサ選択要求手段59は、広告スポンサ位置表示手段58から受けた広告インデックス情報の数を音声出力装置42を介して音声により広告利用者に対して案内する。
【0214】
この結果、広告利用者は、における音声入力した「らーめん」という単語に関連し、かつ現在の車両23の位置から一定の範囲内の広告インデックス情報の件数を知ることができる。(審決注:「ママ」)
【0215】
次に、図7のステップS45において、広告スポンサ選択要求手段59は、例えば「ラーメンですね。3軒あります。どれを案内しますか?番号でお答え下さい。」と音声により広告インデックス情報の件数を案内するとともに、広告利用者が提供を希望する広告インデックス情報の選択を要求する。
【0216】
このため、ステップS46において、広告利用者は「全部」と音声入力装置41を介して音声入力する。
【0217】
そして、ステップS47において、広告スポンサ選択要求手段59は、広告利用者により入力された音声を図8のフローチャートに示す方法と同様な方法で認識し、「全部ですね。近い順番からご案内します。」と音声により案内するとともに、広告スポンサ位置表示手段58から受けた全ての広告インデックス情報を距離計算手段61に与える。
【0218】
さらに、距離計算手段61が広告スポンサ選択要求手段59から受けた各広告インデックス情報に基づいて広告内容情報が広告利用者に提供される。
【0219】
図11は、図7および図8において広告スポンサ選択要求手段59を介した広告利用者の音声入力により選択された広告インデックス情報に基づいて、広告内容情報を提供する際の流れの一例を示すフローチャートである。
【0220】
図11のステップS48において、広告スポンサ選択要求手段59が広告利用者により入力された音声情報のキーワードテキスト情報を受けると、キーワードテキスト情報に基づいて広告インデックス情報を距離計算手段61に与える。
【0221】
次に、ステップS49において、距離計算手段61は、広告スポンサ選択要求手段59から広告インデックス情報を受けると、GPS受信器36から現在の車両23の位置情報を入力することにより、現在の車両23の位置から各広告インデックス情報に含まれる広告スポンサ21の位置までの距離を計算する。距離計算手段61は、計算して得られた距離を距離情報として各広告インデックス情報とともに画像コンテンツ要求手段63に与える。
【0222】
一方、ステップS50において、広告パターン選定手段62は、予め車載端末40から入力された広告パターン選定指令情報あるいは車両23の走行状態に応じて広告パターンデータベース45に保存された各広告パターンから適切な広告パターンを選定する。
【0223】
広告パターンデータベース45には、例えば6種類の広告パターンが予め保存され、各広告パターンは更に、複数の提供パターンの組合せにより定義される。
【0224】
広告パターン選定指令情報の条件の例としては、例えば、広告インデックス情報の数に応じて広告パターンを選定する方法が挙げられる。
【0225】
例えば、提供パターン1は、広告利用者に対して広告内容情報を音声、動画、5種類の静止画により提供するパターンとして定義され、提供パターン2は広告内容情報を音声、動画、2種類の静止画により提供するパターンとして定義される。同様に、提供パターン3は、音声と3種類の静止画により、提供パターン4は、音声と2種類の静止画により、提供パターン5は音声と1種類の静止画により、提供パターン5は音声のみにより、広告内容情報を提供するパターンとして定義される。
【0226】
そして、各広告パターンには、現在の車両23の位置から広告スポンサ21までの距離に応じて適用する提供パターン1、2、3、4、5、6が割り当てられる。
【0227】
例えば広告パターン1では、現在の車両23の位置から広告スポンサ21までの距離によらず提供パターン1が適用されるように割り当てられる。広告パターン2では、車両23の位置から広告スポンサ21までの距離が500mから2000mである場合には、提供パターン1が適用されるように割り当てられる一方、車両23の位置から広告スポンサ21までの距離が0m~500mである場合には、提供パターン2が適用されるように割り当てられる。同様に広告パターン3、4、5、6についても現在の車両23の位置から広告スポンサ21までの距離に応じて提供パターン1、2、3、4、5、6が割り当てられる。
【0228】
広告パターン選定手段62は、例えば広告パターン3を選定するとともに、選定した広告パターン3を広告パターン情報として画像コンテンツ要求手段63に与える。
【0229】
このため、ステップS51において、画像コンテンツ要求手段63は、広告パターン選定手段62から受けた広告パターン情報、距離計算手段61から受けた各広告インデックス情報、並びに車両23から各広告スポンサ21までのそれぞれの距離情報に基づいて、広告利用者に提供すべき広告内容を判断する。
【0230】
例えば、広告パターン3は、車両23の位置から広告スポンサ21までの距離が0m~500mである場合には提供パターン3が、車両23の位置から広告スポンサ21までの距離が500m~1000mである場合には提供パターン3が、車両23の位置から広告スポンサ21までの距離が1000m以上である場合には、提供パターン1が適用されるように設定される。
【0231】
このとき、車両23から1つの広告スポンサ21までの距離が500m以内であり、他の広告スポンサ21までの距離が1000m以上である場合、必要な画像コンテンツ情報は、広告パターン3によれば車両23からの距離が500m以内である広告スポンサ21の3種類の静止画となる。
【0232】
そこで、画像コンテンツ要求手段63は、広告スポンサ21の3種類の静止画が必要な場合には、3種類の静止画コンテンツが必要である旨の画像コンテンツ要求情報を、各無線器28、28を介してセンタサーバ26の画像コンテンツ送信手段77に与える一方、各広告インデックス情報を音声コンテンツ出力手段60に与える。
【0233】
一方、ステップS52において、センタサーバ26の画像コンテンツ送信手段77が画像コンテンツ要求手段63から画像コンテンツ要求情報を受けると、画像コンテンツデータベース33から画像コンテンツ要求情報に応じた広告スポンサ21の画像コンテンツ情報を入力するとともに無線器28、28を介して車載端末40の画像コンテンツ表示手段65に送信する。
【0234】
例えば、画像コンテンツ要求情報が3種類の静止画コンテンツである場合には、画像コンテンツ送信手段77は、対応する3種類の静止画コンテンツを画像コンテンツデータベース33から抽出して画像コンテンツ表示手段65に送信する。
【0235】
さらに、ステップS53において、走行状態判定手段64が、広告利用者の車両23の走行状態を判定する。走行状態判定手段64は、車両23の走行状態が停止状態であると判定した場合には、画像コンテンツ表示手段65に画像コンテンツ表示指令情報を与える一方、車両23の走行状態が走行中である場合には画像コンテンツ表示中断指令情報を与える。
【0236】
このため、車両23の走行状態が走行中である場合には画像コンテンツ表示手段65が走行状態判定手段64から画像コンテンツ表示中断指令情報を受けるため、画像コンテンツ送信手段77から受けた画像コンテンツ情報をモニタ39に表示させない。
【0237】
この結果、ステップS54において、車両23の走行状態が走行中である場合には音声コンテンツ出力手段60は、画像コンテンツ要求手段63から受けた広告インデックス情報に含まれる音声コンテンツ情報をそれぞれ音声出力装置42に与えることにより、音声のみにより広告内容を広告利用者に知らせる。
【0238】
このため、図7に示すステップS55において、音声コンテンツ情報が音声出力装置42から例えば「1番、××ラーメン。こってりとした醤油味、スープと大きな焼豚が3枚入って600円から」と音声により出力される。
【0239】
さらに、音声コンテンツ出力手段60は、広告インデックス情報を目的地設定手段66に与える一方、音声コンテンツ情報を音声出力装置42から出力させた旨の情報、その時の日時や時刻、車両23の位置等の広告利用状況情報を広告利用履歴記録手段67に与える。
【0240】
一方、図11のステップS56において、車両23の走行状態が停止状態である場合には、画像コンテンツ表示手段65が走行状態判定手段64から画像コンテンツ表示指令情報を受けて、画像コンテンツ送信手段77から受けた画像コンテンツ情報をモニタ39に与えることにより表示させる。このとき、音声コンテンツ出力手段60からは、音声コンテンツ情報が音声により音声出力装置42を介して出力される。
【0241】
例えば、画像コンテンツ情報が3種類の静止画コンテンツである場合には、モニタ39に地図情報、車両23の位置情報、広告スポンサ21の位置情報に加えて3種類の静止画が例えば2秒づつ表示される一方、音声出力装置42からは音声により「本場九州のラーメン、こってりしたとんこつスープで大評判」と出力される。
【0242】
さらに、画像コンテンツ表示手段65は、画像コンテンツ情報をモニタ39に表示させた旨の情報、その時の日時や時刻、車両23の位置等の広告利用状況情報を広告利用履歴記録手段67に与える。
【0243】
一方、図7のステップS57において、目的地設定手段66が、音声コンテンツ出力手段60から各広告インデックス情報を受けて各広告スポンサ21の広告内容情報の広告利用者への提供が完了すると、例えば「ご案内は以上です。いずれかを目的地に設定しますか?番号でお答え下さい。」と音声出力装置42を介して音声により車両23の目的地を設定すべきか否かを広告利用者に対して確認する。
【0244】
そして、ステップS58において、広告利用者は、音声により「3番」と音声出力装置42を介して目的地設定手段66に入力する。
【0245】
このため、ステップS56において、目的地設定手段66は、車両23の目的地を指定された広告スポンサ21の位置に設定するとともに「3番の九州ラーメンですね。目的地に設定します。」と音声出力装置42を介して音声により広告利用者に対して案内する。」
ク 上記ウには、広告利用者が車載端末40の入力装置により車両23の目的地を入力設定すること(ステップS5)、及び、入力された目的地に基づいて、車両ルート設定手段51が車両ルート情報を作成すること(ステップS6)が記載されているから、カーナビゲーションシステム35が、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行するものであることは明らかである。
ケ 上記カの段落【0193】の「図9のステップS39において、広告利用者により「ラーメン」と音声入力されたため、ラーメンというキーワードテキスト情報がエリア確定手段55に入力される。」との記載、段落【0194】の「ステップS40において、エリア確定手段55は、車載端末40の車載キーワード認識手段54あるいはセンタサーバ26のセンタキーワード認識手段76からキーワードテキスト情報を受けると、広告内容情報を提供する範囲を決定するために、GPS受信器36から現在の車両23の位置情報を入力して、入力した車両23の位置情報に基づいて所定の範囲をエリア確定情報として確定する。」との記載及び上記キの段落【0209】の「図9のステップS41において、・・・広告インデックス情報に含まれる広告内容テキスト情報の一部とキーワードテキスト情報とが一致し、かつ広告インデックス情報に含まれる広告スポンサ21の位置情報がエリア確定情報の範囲内にあり条件を満たす場合には、広告インデックス情報を抽出する。」との記載から、広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力され(ステップ39)、広告スポンサ21の位置情報が所定の範囲内にある場合(ステップ41)に、広告内容情報を提供することが分かる。
上記アないしケ並びに図4、図7、図9及び図11の図示内容を総合すると、甲第4号証には、「広告システム20」に関して、次の発明(以下、「甲4発明1」、「甲4発明2」及び「甲4発明3」という。)及び技術(以下「甲4技術」という。)が記載されている。
〔甲4発明1〕
「目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するカーナビゲーション処理を実行するカーナビゲーションシステム35を備える広告システム20において、
前記カーナビゲーション処理中に、広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力された場合に、音声出力装置42により広告インデックス情報の件数を案内した後、広告利用者の音声入力による選択に応じて、前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する車載端末40及びセンタサーバ26を備える広告システム20。」
〔甲4発明2〕
「甲4発明1において、
広告スポンサ21の位置情報が所定の範囲内にある場合に、前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する車載端末40及びセンタサーバ26を備える広告システム20。」
〔甲4発明3〕
「甲4発明1又は2において、
広告スポンサ21の位置情報が所定の範囲内にあり、広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力された場合に、前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する車載端末40及びセンタサーバ26を備える広告システム20。」
〔甲4技術〕
「カーナビゲーションシステム35を備える広告システム20において、広告スポンサ21の位置情報が所定の範囲内にあり、広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力された場合に、広告内容情報を提供する技術。」
(3)甲第2号証
甲第2号証には、「移動体用広告システム及び移動体用広告情報通知方法」に関して、図面(特に、図2、図6及び図7参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広告情報を提供するシステムに関し、特に、自動車、モーターサイクル、自転車のような移動体に対して広告情報を提供する移動体用広告システムに関する。」
イ 「【0041】上述のように移動体11の「一定時間停止」状態が確認されたならば、図6及び図7に示すように、広告情報が動画としてモニタ23の画面上に表示される。この場合、広告情報の動画表示に音声を伴ってもよい。移動体11の操縦者が、広告情報通知部15によって通知されてモニタ23の画面上に表示された広告情報の中から「お気に入り」の広告情報を見つけた場合に、その広告情報により提供された広告対象物のクーポンデータを上述した方法でスマートカード26にダウンロードして、広告対象物を取り扱っている店舗STにてスマートカード26を提示することにより、クーポンデータに基づくキャンペーンサービスを受けることができる。例えば、図7に示すように、ファーストフードの店舗に、「ハンバーガーセット」のクーポンデータがダウンロードされたスマートカード26を提示することにより、通常の値段から割引いた値段のキャンペーン価格で「ハンバーガーセット」の購入ができる、等のサービスを受けることができる。」
上記ア及びイ並びに図2、図6及び図7の図示内容を総合すると、甲第2号証には、次の技術(以下「甲2技術」という。)が記載されている。
〔甲2技術〕
「移動体用広告システムにおいて、移動体11の一定時間停止状態が確認された場合に、広告情報をモニタ23の画面上に表示する技術。」
(4)甲第5号証
甲第5号証には、「移動体広告情報配信方法、移動体広告情報配信システム、移動体広告情報登録システム、移動体広告情報課金システム、移動体通信機器及び記録媒体」に関して、図面(特に図7)とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現在位置の位置情報を得ることのできる現在位置検出手段を備えた移動体通信機器に好適な移動体広告情報配信方法、移動体広告情報配信システム、移動体広告情報登録システム、移動体広告情報課金システム、移動体通信機器及び記録媒体に関するものである。」
イ 「【0074】次に、ネットワークナビセンタ10に登録された広告が配信される自動車11に搭載された移動体通信機器12について説明する。移動体通信機器12は車両用ナビゲーション装置41にて構成され、その車両用ナビゲーション装置41は、図3に示すように入出力装置42、現在位置検出装置43、情報記憶装置44及び主制御装置45を備えている。」
ウ 「【0127】・前記実施形態では、1つの広告提供位置に対して1つの広告について説明したが、1つの広告提供位置に対して複数個の異なる広告を提供できることは勿論可能である。この場合、図7に示すように、ディスプレイ53の画面53aを複数に分割してその分割した個所にそれぞれの広告53cを表示することになる。」
上記アないしウ及び図7の図示内容を総合すると、甲第5号証には、次の技術(以下「甲5技術」という。)が記載されている。
〔甲5技術〕
「移動体広告情報配信システムにおいて、ディスプレイ53の画面53aを複数に分割してその分割した個所にそれぞれの広告53cを表示する技術。」
(5)甲第6号証
甲第6号証には、「ドライバ案内システムおよび広告料課金方法」に関して、図面(特に図5)とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバ案内システムおよび広告料課金方法に関する。」
イ 「【0041】ドライバ端末10は、例えば、図5に示すような広告情報一覧を受信し、画面表示する(ステップS34)。図5に示す広告情報一覧には、店舗の名称と、到達時間と、料金と、特典とが表示される。到達時間は店舗までの距離と車両の平均速度から算出される。」
上記ア及びイ並びに図5の図示内容を総合すると、甲第6号証には、次の技術(以下「甲6技術」という。)が記載されている。
〔甲6技術〕
「ドライバ案内システムにおいて、広告情報一覧を画面表示する技術。」
3 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 甲1発明との対比・判断
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明における「目的地点」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本件発明1における「目的地」に相当し、以下同様に、「経路について探索し」は「経路探索を行い」に、「目的地点への経路」は「誘導経路」に、「ナビゲーション装置」は「ナビゲーション処理を実行する情報処理装置」に、「目的地点への経路を案内中」は「ナビゲーション処理中」に、「出力部4」は「出力手段」に、「広告」は「広告」に、「出力部4により広告を音声の情報として出力」は、「出力手段により広告を音声出力」に、「同じ広告」は「同一内容の広告」に、「音声の情報として出力を実行させる」は、「音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる」に、「CPU1」は「出力制御手段」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明における「ガイドポイントに接近した時に」は、本件発明1における「第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて」と、「第1の所定条件を満たす場合に」という限りにおいて一致する。
また、甲1発明における「次のガイドポイントに接近した時」は、本件発明1における「第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に」と、「第2の所定条件を満たす場合に」という限りにおいて一致する。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、次の〔一致点1〕で一致し、〔相違点1〕で相違する。
〔一致点1〕
「目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、第1の所定条件を満たす場合に、出力手段により広告を音声出力させた後、第2の所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備える情報処理装置。」
〔相違点1〕
本件発明1は、「前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段と、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段と、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段と、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段と、
を備える」のに対し、
甲1発明は、「前記目的地点への経路を案内中に、ガイドポイントに接近した時に、出力部4により広告を音声の情報として出力させた後、次のガイドポイントに接近した時に、前記出力部4により音声の情報として出力させた広告と同じ広告を再び音声の情報として出力を実行させるCPU1を備える」ものではあるが、本件発明1のような構成を備えていない点。
上記〔相違点1〕について
上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項は、甲第1号証ないし甲第6号証及び異議申立人が令和元年7月16日付け意見書に添付した参考資料1(特開2006-171709号公報)には、記載も示唆もされていない。
そして、本件発明1は、上記相違点1に係る発明特定事項を備えることにより、明細書に記載された優れた作用効果を奏することができるものである。
したがって、本件発明1は、甲1発明1と同一ではないから、甲第1号証に記載された発明ではない。
また、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 甲4発明1との対比・判断
本件発明1と甲4発明1とを対比すると、甲4発明1における「目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するカーナビゲーション処理を実行するカーナビゲーションシステム35を備える広告システム20」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本件発明1における「目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置」に相当し、以下同様に、「カーナビゲーション処理中」は「ナビゲーション処理中」に、「車載端末40及びセンタサーバ26」は「出力制御手段」に、それぞれ相当する。
また、広告とは、「顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。また、その文書・放送など。」(広辞苑第五版892ページ)であり、甲4発明1における「音声出力装置42により広告インデックス情報の件数を案内」することは、広告利用者を広告スポンサ21へ誘引するために行うことであり、広告といえるから、本件発明1における「出力手段により広告を音声出力させ」ることに相当する。
甲4発明1における「前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する」ことについて、「広告内容情報」は「広告インデックス情報に基づく」ものであり、また、「広告内容情報」の提供は、「広告インデックス情報の件数を案内」した後に行われるものである。そうすると、甲4発明1における「前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する」ことは、本件発明1における「前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる」ことに相当する。
また、甲4発明1における「広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力された場合に」は、本件発明1における「第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて」と、「第1の所定条件を満たす場合に」という限りにおいて一致する。
また、甲4発明1における「広告利用者の音声入力による選択に応じて」は、本件発明1における「第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に」と、「第2の所定条件を満たす場合に」という限りにおいて一致する。
そうすると、本件発明1と甲4発明1とは、次の〔一致点2〕で一致し、〔相違点2〕で相違する。
〔一致点2〕
「目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する情報処理装置において、
前記ナビゲーション処理中に、第1の所定条件を満たす場合に、出力手段により広告を音声出力させた後、第2の所定条件を満たす場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる出力制御手段を備える情報処理装置。」
〔相違点2〕
本件発明1は、「前記ナビゲーション処理中に、広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であるかを判定する第一判定手段と、
前記第一判定手段が広告対象の店が現在地と目的地の二点を結ぶ経路から所定の距離内であると判定した場合に基づいて、出力手段により前記広告対象の店の広告を音声出力させる第一出力制御手段と、
前記出力手段により前記広告を音声出力させた後、ユーザによる前記広告対象の店の選択がされていない状態で、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあるかを判定する第二判定手段と、
前記第二判定手段が、現在地が前記広告対象の店から所定の距離内にあると判定した場合に、前記出力手段により音声出力させた広告と同一内容の広告を再び音声出力及び画像出力のうち少なくとも一方を実行させる第二出力制御手段と、
を備える」のに対し、
甲4発明1は、「前記カーナビゲーション処理中に、広告利用者によりキーワードテキスト情報が音声入力された場合に、音声出力装置42により広告インデックス情報の件数を案内した後、広告利用者の音声入力による選択に応じて、前記広告インデックス情報に基づく広告内容情報を、音声、動画、静止画により提供する車載端末40及びセンタサーバ26を備える」ものではあるが、本件発明1のような構成を備えていない点。
上記〔相違点2〕について
上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項は、甲第1号証ないし甲第6号証及び上記参考資料1には、記載も示唆もされていない。
そして、本件発明1は、上記相違点2に係る発明特定事項を備えることにより、明細書に記載された優れた作用効果を奏することができるものである。
したがって、本件発明1は、甲4発明1と同一ではないから、甲第1号証に記載された発明ではない。
また、本件発明1は、甲第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明10について
本件発明10は、本件発明1を、方法のカテゴリに変更したものである。
したがって、本件発明10は、本件発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明ではなく、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件発明10は、本件発明1と同様に、甲第4号証に記載された発明ではなく、甲第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明11は、本件発明1を、プログラムのカテゴリに変更したものである。
したがって、本件発明11は、本件発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明ではなく、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件発明11は、本件発明1と同様に、甲第4号証に記載された発明ではなく、甲第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1、10及び11に係る特許は、特許法第29条第1項又は同法同条第2項の規定に違反してされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。
第4 結語
上記第3のとおりであるから、平成31年3月7日付け取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正後の請求項1、10及び11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、10及び11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項2ないし4に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項2ないし4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-700178