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特許異議申立

2018-700104

学習賛助装置、学習賛助方法および学習賛助プログラム

審判番号
2018-700104
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-252774
登録番号
特許第6177517号(P6177517)
請求日
2018年02月08日
審決日
2018年06月19日
公報発行日
2018年09月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社ジャストシステム
  • 【権利者代理人】酒井 昭徳
  • 【異議申立人】河原田 隆
審判長/審判官
  • 審判長 黒瀬 雅一
  • 審判官 吉村 尚
  • 審判官 畑井 順一
分類
P1651.121-YAA(G09B) / P1651.536-YAA(G09B) / P1651.537-YAA(G09B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6177517号発明「学習賛助装置、学習賛助方法および学習賛助プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6177517号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1-3〕,4,5について訂正することを認める。 特許第6177517号の請求項1,3,4,5に係る特許を維持する。 特許第6177517号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6177517号の請求項1乃至5に係る特許についての出願は,平成24年11月16日に特願2012-252774号として出願され,平成29年7月21日にその特許権の設定登録がされたものであって,これ以降の続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 2月 8日 特許異議の申立て(申立人 河原田隆) 平成30年 3月29日 取消理由通知 平成30年 5月25日 意見書及び訂正請求 第2 訂正の適否についての判断 1 請求の趣旨及び訂正の内容 平成30年5月25日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は,本件特許6177517号(以下「本件特許」という。)の願書に添付した特許請求の範囲を,訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものである。 そして,その訂正内容は,以下のとおりである。(下線は,当審で付した。以下も同じ。) 訂正事項1 訂正前の「【請求項1】 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信する報告情報受信手段と, 前記報告情報受信手段が報告情報を受信した場合,前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得手段と, 前記報告情報受信手段が受信した報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報および学習内容に関する情報を含み,前記取得手段が取得した電子メールアドレスを宛先として設定した学習結果報告情報を生成する報告情報生成手段と, 前記報告情報生成手段が生成した学習結果報告情報を前記被報告者の端末装置に送信する報告情報送信手段と, 前記報告情報送信手段が送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信手段と, 前記コメント受信手段がコメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成手段と, 前記記憶部を参照して,前記コメント受信手段が受信したコメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報 を特定する特定手段と, 前記応答情報生成手段が生成した応答情報を,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信手段と, を備えたことを特徴とする学習賛助装置。」を, 「【請求項1】 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信する報告情報受信手段と, 前記報告情報受信手段が報告情報を受信した場合,前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得手段と, 前記報告情報受信手段が受信した報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報および学習内容に関する情報を含み,前記取得手段が取得した電子メールアドレスを宛先として設定した学習結果報告情報を生成する報告情報生成手段と, 前記報告情報生成手段が生成した学習結果報告情報を前記被報告者の端末装置に送信する報告情報送信手段と, 前記報告情報送信手段が送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信手段と, 前記コメント受信手段がコメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成手段と, 前記記憶部を参照して,前記コメント受信手段が受信したコメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定手段と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信手段が受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成手段が生成した応答情報を,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信手段と, を備えたことを特徴とする学習賛助装置。」と訂正する。 訂正事項2 請求項2を削除する。 訂正事項3 訂正前の請求項3の「請求項2に記載の学習賛助装置」を, 「請求項1に記載の学習賛助装置」と訂正する。 訂正事項4 訂正前の「【請求項4】 コンピュータが, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行することを特徴とする学習賛助方法。」を, 「【請求項4】 コンピュータが, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信工程において受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行することを特徴とする学習賛助方法。」と訂正する。 訂正事項5 訂正前の「【請求項5】 コンピュータに, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて ,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行させることを特徴とする学習賛助プログラム。」を, 「【請求項5】 コンピュータに, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて ,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信工程において受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行させることを特徴とする学習賛助プログラム。」と訂正する。 2 訂正の目的の適否,新規事項の有無,一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は,実質的に請求項1に請求項2の発明特定事項を付加して限定したものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして,付加して限定された事項は請求項2に記載されていた事項であるため,訂正事項1は,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は,請求項の削除であるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして,請求項の削除であるため,訂正事項2は,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は,訂正事項2による請求項2の削除にともない,請求項3と当該請求項3が引用する他の請求項との関係を整理するものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして,各請求項と各請求項が引用する他の請求項との関係を整理するものであるため,訂正事項3は,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (4)訂正事項4について 訂正事項4は,実質的に請求項4に請求項2の発明特定事項を付加して限定したものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして,付加して限定された事項は請求項2に記載されていた事項であるため,訂正事項4は,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は,実質的に請求項5に請求項2の発明特定事項を付加して限定したものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして,付加して限定された事項は請求項2に記載されていた事項であるため,訂正事項5は,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (5)訂正前の請求項1乃至3は,請求項2が請求項1の記載を引用し,請求項3が請求項2を介して請求項1を引用しているものであって,請求項2および3は,訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから,請求項1乃至3は訂正前において一群の請求項に該当するものである。 したがって,訂正事項1乃至3に係る訂正の請求は,一群の請求項ごとにされたものである。 そして,上記訂正事項1乃至3に係る訂正前の請求項1乃至3は,当該訂正事項1乃至3を含む請求項1の記載を請求項2及び3が引用するものであるから,訂正後の請求項1乃至3は一群の請求項である。 第3 当審の判断 1 訂正後の請求項に係る発明 上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1~5に係る発明(以下「本件特許発明1」乃至「本件特許発明5」という。)は,以下のとおりのものである。 「【請求項1】 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信する報告情報受信手段と, 前記報告情報受信手段が報告情報を受信した場合,前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得手段と, 前記報告情報受信手段が受信した報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる学習対象者の識別情報および学習内容に関する情報を含み,前記取得手段が取得した電子メールアドレスを宛先として設定した学習結果報告情報を生成する報告情報生成手段と, 前記報告情報生成手段が生成した学習結果報告情報を前記被報告者の端末装置に送信する報告情報送信手段と, 前記報告情報送信手段が送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信手段と, 前記コメント受信手段がコメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成手段と, 前記記憶部を参照して,前記コメント受信手段が受信したコメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定手段と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信手段が受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成手段が生成した応答情報を,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信手段と, を備えたことを特徴とする学習賛助装置。 【請求項2】 削除 【請求項3】 前記記憶部は,前記学習対象者の識別情報と前記被報告者の識別情報とを関連付けて記憶し, 前記報告情報受信手段が所定期間内に受信した報告情報および当該報告情報にかかるコメント情報に基づいて,前記学習対象者の識別情報ごとに,当該学習対象者の識別情報によって識別される学習者の前記所定期間における学習の履歴を報告する学習履歴報告情報を生成する履歴情報生成手段と, 前記被報告者の識別情報を含み,前記学習履歴報告情報の閲覧要求を受信する閲覧要求受信手段と, 前記閲覧要求受信手段が閲覧要求を受信した場合,当該閲覧要求に含まれる前記被報告者の識別情報に関連付けられた学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の学習履歴報告情報を,前記閲覧要求の送信元の端末装置に送信する履歴報告送信手段と, を備えたことを特徴とする請求項1に記載の学習賛助装置。 【請求項4】 コンピュータが, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信工程において受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定手段が特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行することを特徴とする学習賛助方法。 【請求項5】 コンピュータに, 学習対象者の端末装置から,当該学習対象者の識別情報と当該学習対象者の端末装置を用いた学習内容に関する情報とを含む報告情報を受信した場合,当該報告情報に基づいて ,当該報告情報に含まれる識別情報によって識別される学習対象者の,当該報告情報の受信日における学習結果を報告する学習結果報告情報を生成する報告情報生成工程と, 前記学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する記憶部を参照して,前記学習対象者の端末装置から受信した報告情報に含まれる学習対象者の識別情報に関連付けられた電子メールアドレスを取得する取得工程と, 前記報告情報生成工程において生成した学習結果報告情報を,前記取得工程において取得した電子メールアドレスが設定された被報告者の端末装置に送信する報告情報送信工程と, 前記報告情報送信工程において送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信工程と, 前記コメント受信工程において前記コメント情報を受信した場合,当該コメント情報に基づいて,応答情報を生成する応答情報生成工程と, 前記記憶部を参照して,前記コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定工程と, 前記学習対象者の識別情報を含む起動情報を受信する起動情報受信手段と, 前記起動情報受信工程において受信した起動情報に含まれる学習対象者の識別情報が,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報に一致する場合に,前記応答情報生成工程において生成した応答情報を,前記特定工程において特定した学習対象者の識別情報によって識別される学習対象者の端末装置に送信する応答情報送信工程と, を実行させることを特徴とする学習賛助プログラム。」 2 取消理由通知に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1,4及び5に係る特許に対して平成30年3月29日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は,次のとおりである。 請求項1,4及び5に係る発明は,引用文献(特開2006-215126号公報(甲第2号証))に記載された発明に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,請求項1,4及び5に係る特許は,取り消されるべきものである。 (2)本件特許発明1について 「第2 訂正の適否についての判断」,「2 訂正の目的の適否,新規事項の有無,一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否」,「(1)訂正事項1について」で検討したとおり,本件特許発明1は,実質的に訂正前の請求項1に訂正前の請求項2の発明特定事項を付加して限定したものである。 そして,訂正前の請求項2は訂正前の請求項1を引用していたものであるから,本件特許発明1は,訂正前の請求項2と実質的に同一であるといえる。 ここで,上記取消理由通知において,請求項2に係る発明に対しては取消理由は通知されておらず,請求項2に係る特許は,取消理由によって取り消すことはできない。 また,異議申立人も,請求項2に係る発明に対しては,特許法第29条第2項に係る理由による異議を申し立てていない。 したがって,訂正前の請求項2と実質的に同一である本件特許発明1を取り消す理由はない。 (3)本件特許発明4及び5について 「第2 訂正の適否についての判断」,「2 訂正の目的の適否,新規事項の有無,一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否」,「(4)訂正事項4について」及び「(5)訂正事項5について」で検討したとおり,本件特許発明4及び5は,実質的に訂正前の請求項4及び5に訂正前の請求項2の発明特定事項を付加して限定したものである。 そして,本件特許発明4及び5は,本件特許発明1において末尾を,それぞれ「学習賛助方法」及び「学習賛助プログラム」としたものであって,実質的に本件特許発明1と同じである。 上記「(2)本件特許発明1について」で検討したとおり,本件特許発明1を取り消す理由がないのであるから,同様に本件特許発明4及び5についても,取り消す理由はない。 第4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について (1)特許法第36条第6項第2号について 特許異議申立人の主張の概要は以下のとおりである。 本件特許発明1における「前記記憶部を参照して,前記コメント受信手段が受信したコメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報を特定する特定手段」なる記載(以下,「摘記事項1」という。)は,多義的に解釈し得るものであり,その技術的意義に鑑みていずれの解釈が正しいのか判断し得ないから,本件特許発明1に係る請求項1の記載は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとした上で,具体的には,上記摘記事項における「識別情報」が,次に示す二通りの解釈が可能であることを主な要因として挙げている。 第1の解釈:「(学習対象者の)識別情報」は,「コメント情報」に含まれる「電子メールアドレス」を用いて「記憶部」から読み出されたものである。 第2の解釈:「(学習対象者の)識別情報」は,「学習結果報告情報」に含まれ,「コメント情報」に含まれるものである。 また,本件特許発明1を引用する本件特許発明2及び3,並びに本件特許発明1における摘記事項1が実質的に記載されている本件特許発明4及び5も同様であるから,本件特許発明2乃至5に係る請求項2乃至5の記載は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項1の記載について検討する。 特許異議申立人は「識別情報」について言及しているが,上記摘記箇所を含む請求項1においては「識別情報」という単独の発明特定事項は記載されず,関連する発明特定事項として「学習対象者の識別情報」が記載されているのみであるから,「学習対象者の識別情報」の解釈について検討する。 「学習対象者の識別情報」とは,「学習対象者」を識別するための情報であって,例えば,被報告者が複数の学習対象者から報告を受ける状況にある場合,いずれの学習対象者からの報告であるかを識別するために用いられることは当業者にとって自明であり,学習報告者それぞれに設定された情報であることが理解できる。 「電子メールアドレス」とは,「被報告者の端末装置に設定され」たものであることが,請求項1に特定されており,被報告者に設定された情報であることが理解できる。 「コメント情報」とは,「被報告者の端末装置から送信され」たものであることが,請求項1に特定されており,被報告者由来の情報であることが理解できる。 「学習結果報告情報」とは,「報告情報に含まれる学習対象者の識別情報および学習内容に関する情報を含む」ものと,請求項1に特定されており,学習対象者由来の情報であることが理解できる。 「記憶部」とは,「学習対象者の識別情報と被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスとを関連付けて記憶する」ものと,請求項1に特定されている。 以上を整理すると,学習報告者それぞれに設定された情報である「学習対象者の識別情報」は,被報告者由来の情報である「コメント情報」に含まれることはないため,特許異議申立人のいう「第2の解釈」は成り立たない。 そして,上記摘記事項1において「コメント受信手段が受信したコメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレス」と記載されているから,「コメント情報」に「(コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された)電子メールアドレス」が含まれることは自明であり,「学習対象者の識別情報」が,記憶部に記憶されていることは明記されているから,摘記事項1は,第1の解釈のとおりに解釈されうるものである。 したがって,摘記事項1を多義的に解釈できる余地はなく,特許異議申立人の主張は理由がない。 (2)特許法第36条第4項第1号について 特許異議申立人の主張の概要は以下のとおりである。 本件特許発明1における「前記報告情報送信手段が送信した学習結果報告情報に対して前記被報告者の端末装置から送信された,前記学習内容に対するコメントに関するコメント情報を受信するコメント受信手段」なる記載(以下,「摘記事項2」という。)に関して,明細書の発明の詳細な説明には「コメント情報」と「記憶部」に基づいてどのように「学習対象者の識別情報を特定する」か明確かつ十分に記載されていないから,特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないとした上で,特許異議申立人は,異議申立書の第26頁において,2人の学習対象者A及びDが,1人の被報告者aに関連付けられている場合,学習対象者Aが被報告者aに学習内容を報告し,被報告者aがその学習内容に対してコメントを返送しても学習対象者A及びDに返送されてしまい,学習内容を報告した学習対象者Aのみに返送されるものではない(以下,「特許異議申立人が提示した仮想事例」という。)ことを具体的な理由として挙げている。 請求項1の記載及び請求項1に記載される発明特定事項に関連する発明の詳細な説明の記載について検討する。 発明の詳細な説明の段落【0182】乃至【0194】に,学習対象者が被報告者に学習内容を報告し,被報告者がその学習内容に対してコメントを返送すると,少なくとも報告した学習対象者に返送されることが明瞭に記載されており,特に段落【0184】には,以下の記載がある。 「報告情報受信部2402は,学習対象者の端末装置から報告情報を受信する。報告情報は,上記のように,当日に再生した学習コンテンツおよび当該学習コンテンツの問題に対する成績などの当日分の学習内容,および,子供から親へ連絡事項を含む。また,報告情報は,当該報告情報の送信元となる操作端末120の識別情報を含む。報告情報に含まれる操作端末120の識別情報は,各操作端末120を一意に識別できる情報であって,たとえば,操作端末120の製造番号,操作端末120に設定されたアドレスデータ,加入者(子供または親)ごとに固有の識別情報などによって実現することができる。」 つまり,報告情報は,操作端末120の製造番号,操作端末120に設定されたアドレスデータ,加入者(子供または親)ごとに固有の識別情報などを含む各操作端末120を一意に識別できる報告情報の送信元となる操作端末120の識別情報を含むと記載されており,被報告者がコメントを返送するあたって特定手段が記憶部を参照する際に,被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者の識別情報が複数あったとしても,報告情報の送信元となる操作端末120を選択して返送することは自明である。 また,仮に,特許異議申立人が提示した仮想事例において,特許異議申立人のいうとおり,学習対象者A及びDの双方に返送されるとしても,少なくとも報告者である学習対象者Aにはコメントは返送されており,本件特許発明1に係る請求項1の記載も「コメント情報の送信元の被報告者の端末装置に設定された電子メールアドレスに関連付けられた学習対象者」以外の学習対象者にコメントを返送することを排除していない以上,このことをもって,発明の詳細な説明の記載が,当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されていないとはいえない。 したがって,発明の詳細な説明は,請求項1に係る本件特許発明1について,当業者が容易に実施できる程度に明確かつ十分に記載されていることは明らかであって,特許異議申立人の主張は理由がない。 第5 むすび 以上のとおり,請求項1,3,4,5に係る発明は,当業者が容易に発明し得たものではないから,請求項1,3,4,5に係る特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものではない。 したがって,本件の請求項1,3,4,5に係る特許は,特許法第113条第2号に該当せず,維持されるべきものである。 請求項2に係る特許は,訂正により削除されたため,本件特許の請求項2に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては,対象となる請求項が存在しない。

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2018-700104

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