特許訂正審判
2018-390085
映像動作中に瞬間復号化リフレッシュを信号で送るようにネットワーク抽象レイヤを用いる方法
- 審判番号
- 2018-390085
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2009-533348
- 登録番号
- 特許第5342445号(P5342445)
- 請求日
- 2018年05月18日
- 審決日
- 2018年09月21日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】トムソン ライセンシング
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】大貫 進介
- 審判長/審判官
- 審判長 清水 正一
- 審判官 樫本 剛
- 審判官 渡辺 努
- 分類
- P141 .852-Y (H04N) / P141 .853-Y (H04N) / P141 .854-Y (H04N) / P141 .855-Y (H04N) / P141 .841-Y (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5342445号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5342445号の特許請求の範囲及び明細書を、本件審判請求書に添付の訂正した特許請求の範囲及び明細書のとおりに訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 経緯
本件訂正審判に係る特許第5342445号(以下、「本件特許」という。)に係る発明は、2007年(平成19年)10月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年10月16日、米国)を国際出願日として出願されたものであって、平成25年8月16日に特許権の設定登録がなされたものである。
その後、平成30年5月18日に特許権者トムソン ライセンシング(以下、「請求人」という。)より、本件特許に対して本件訂正審判の請求がなされ、その後の手続の経緯は次のとおりである。
平成30年7月24日付け:訂正拒絶理由通知書
同年8月14日 :意見書、手続補正書の提出
第2 手続補正の適否について
1.訂正拒絶理由の概要
当審が平成30年7月24日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、次のとおりである。
(1)訂正事項3の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号乃至第4号に規定されたいずれの事項を目的とするものでもないから、同法同条同項に規定する要件に適合しないものである。
(2)訂正事項3の訂正は、願書に添付した特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものではないから、特許法第126条第5項に規定する要件に適合しないものである。
(3)訂正事項3の訂正は、実質上特許請求の範囲を変更するものであるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合しないものである。
2.手続補正の内容
請求人が平成30年8月14日に提出した手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求書を対象とするものであって、その内容は次のとおりである。なお、(1)乃至(5)の補正事項を、「補正事項1」乃至「補正事項5」という。
(1)「(2)訂正事項」のうち、「ウ 訂正事項3」の項を削除する。
(2)「(3)訂正の理由」の「A 一群の請求項についての説明」の「ア」において、「訂正事項1乃至3」を「訂正事項1及び2」に補正する。
(3)「(3)訂正の理由」の「B 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」のうち、「ウ 訂正事項3」の項を削除する。
(4)「(3)訂正の理由」の「B 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」のうち、「ケ 訂正事項10」の「a 訂正の目的について」の第2段落及び第3段落の記載を次のとおりに補正する。
「 対応する符号化方法の特許発明である訂正発明1においては、「全ての他の参照画像を削除することなく」と記載されている。この訂正発明1の「全ての他の参照画像を削除することなく」と、訂正発明1と相補関係にある復号化方法の請求項7に係る発明における「前記他の参照画像、を削除することなく」とは、本来対応関係にあるべきところ、現在の表現では関係が必ずしも明瞭ではなく、対応関係に不合理が生じていた。
また、審査段階において、平成24年2月20日付け拒絶理由通知に応答する平成24年8月28日付け手続補正書により、請求項1に「全ての他の参照画像を削除することなく」という技術的特徴が追加され、かつ、請求項7に「他の参照画像を、削除することなく」という技術的特徴が追加された。同日付け意見書において、請求項1に係る発明は、他の技術的特徴とともに『全ての他の参照画像を削除することなく』という技術的特徴が引用文献とは異なるので、進歩性を有する旨が主張された。また、同意見書において、請求項7の補正は請求項1の補正の目的と同様であり、請求項7に係る発明についても同様に進歩性を有する旨が主張された。従って、現在の請求項7にある「前記他の参照画像を、削除することなく」(平成25年6月17日付け手続補正書により「前記他の参照画像を、削除することなく」と補正された。)は、「全ての前記他の参照画像を、削除することなく」を意図している。このような状況、理解の下に、本願が特許されるに至ったという経緯があり、この点でも、請求項7における「前記他の参照画像、を削除することなく」が「全ての前記他の参照画像、を削除することなく」と同じ意味を有するものであるといえる。」
(5)「訂正した特許請求の範囲」を、請求項1の「全ての前記他の参照画像」との記載に対して「全ての他の参照画像」と補正したものに差し替える。
3.本件補正についての当審の判断
補正事項1乃至4は、審判請求書の「(2)訂正事項」及び「(3)訂正の理由」から訂正事項3に関する記載を削除するものである。
補正事項5は、「訂正した特許請求の範囲」における訂正事項3に係る記載を、特許査定時の記載に戻すものである。
以上のとおり補正事項1乃至5は、いずれも訂正事項3の削除に係るものであるから、本件補正は審判請求書の要旨を変更するものではない。よって、本件補正は特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。
そして、当審による上記訂正拒絶理由(「1.訂正拒絶理由の概要」の(1)乃至(3))は、訂正拒絶理由の対象となっていた訂正事項3に関する記載が本件補正により削除されたから、いずれも解消した。
第3 請求の趣旨、訂正の内容
1.請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲及び明細書を、本件審判請求書に添付の訂正した特許請求の範囲及び明細書のとおりに訂正することを認める、との審決を求めるというものである。
2.訂正の内容
訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の第1段落にある「オブジェクト/シーンを示し」との記載を、「オブジェクト/シーンの異なるビューを示し」に訂正する。
(2)訂正事項2
請求項1の第2段落にある「前記1つの参照画像」との記載を、「前記少なくとも1つの参照画像」に訂正する。
(3)訂正事項4
請求項4にある「第2ビュー」との記載を、「前記第2ビュー」に訂正する。
(4)訂正事項5
請求項5にある「第2ビュー」との記載を、「前記第2ビュー」に訂正する。
(5)訂正事項6
請求項7の第1段落にある「オブジェクト/シーンを」との記載を、「オブジェクト/シーンの異なるビューを」に訂正する。
(6)訂正事項7
請求項7の第3段落にある「第2ビューの前記参照画像」との記載を、「第2ビューの前記少なくとも1つの参照画像」に訂正する。
(7)訂正事項8
請求項7の第4段落にある「リフレッシュ情報が前記ビットストリームに存在するか否かを判定する」との記載を、「リフレッシュ情報が前記受信されたビットストリームに存在するか否かを判定する」に訂正する。
(8)訂正事項9
請求項7の第5段落にある「前記リフレッシュ情報が存在すると判定された場合」との記載を、「前記リフレッシュ情報が前記受信されたビットストリームに存在すると判定された場合」に訂正する。
(9)訂正事項10
請求項7の第6段落にある「前記他の参照画像」との記載を、「全ての前記他の参照画像」に訂正する。
(10)訂正事項11
請求項7の第6段落にある「前記記憶された参照画像」との記載を、「前記マーキングされた記憶された参照画像」に訂正する。
(11)訂正事項12
明細書の段落【0007】に記載された「フレーム間符号化(フレーム間符号化ではない)」を、「フレーム内符号化(フレーム間符号化ではない)」に訂正する。
(12)訂正事項13
明細書の段落【0017】に記載された「有する。(その場合、メモリがDPBから必要とされる場合に、参照画像は削除される。」を、「有する(その場合、メモリがDPBから必要とされる場合に、参照画像は削除される)。」に訂正する。
(13)訂正事項14
明細書の段落【0024】に記載された「(スライス」を、「(スライス)」に訂正する。
(14)訂正事項15
明細書の段落【0029】に記載された「、Rremove」を、「、remove」に訂正する。
(15)訂正事項16
明細書の段落【0030】に記載された「左側から始まり右側に進む場合」を、「右側から始まり左側に進む場合」に訂正する。
(16)訂正事項17
明細書の段落【0030】に記載された「ビュー1について右側に移動する場合」を、「ビュー1のために左側に移動する場合」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的(特許法第126条第1項)について
まず、上記訂正事項1及び2並びに4乃至17に係る本件訂正が、特許法第126条第1項ただし書各号に規定されたいずれの事項を目的とするものか、検討する。
(1)訂正事項1について
請求項1には、「前記マルチビューシーケンスの少なくとも第1ビュー」及び「前記マルチビューシーケンスの、前記第1ビューとは異なる第2ビュー」と記載されており、当該記載からマルチビューシーケンスの第1ビューと第2ビューとが異なるビューであることが明らかであるから、訂正事項1の「マルチビューシーケンスの各々のビューは、それぞれのオブジェクト/シーンを示し」との記載を「マルチビューシーケンスの各々のビューは、それぞれのオブジェクト/シーンの異なるビューを示し」に訂正することは、前記「前記マルチビューシーケンスの少なくとも第1ビュー」及び「前記マルチビューシーケンスの、前記第1ビューとは異なる第2ビュー」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2の「前記1つの参照画像」との記載を「前記少なくとも1つの参照画像」に訂正することは、「前記1つの参照画像」より前に存在する「少なくとも1つの参照画像」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(3)訂正事項4について
訂正事項4の、請求項4における「第2ビュー」との記載を「前記第2ビュー」に訂正することは、従属先の請求項1に記載の「第2ビュー」との対応関係を明瞭にしようとするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(4)訂正事項5について
訂正事項5の、請求項5における「第2ビュー」との記載を「前記第2ビュー」に訂正することは、従属先の請求項1に記載の「第2ビュー」との対応関係を明瞭にしようとするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(5)訂正事項6について
請求項7には、「前記マルチビューシーケンスの第1ビュー」及び「前記マルチビューシーケンスの、前記第1ビューとは異なる第2ビュー」と記載されており、当該記載からマルチビューシーケンスの第1ビューと第2ビューとが異なるビューであることが明らかであるから、訂正事項6の「マルチビューシーケンスの各々のビューは、それぞれのオブジェクト/シーンを示し」との記載を「マルチビューシーケンスの各々のビューは、それぞれのオブジェクト/シーンの異なるビューを示し」に訂正することは、前記「前記マルチビューシーケンスの第1ビュー」及び「前記マルチビューシーケンスの、前記第1ビューとは異なる第2ビュー」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められる。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(6)訂正事項7について
訂正事項7の「前記参照画像」との記載を「前記少なくとも1つの参照画像」に訂正することは、「前記参照画像」より前に存在する「少なくとも1つの参照画像」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(7)訂正事項8について
訂正事項8の「前記ビットストリーム」との記載を「前記受信されたビットストリーム」に訂正することは、「前記ビットストリーム」より前に存在する「受信されたビットストリーム」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(8)訂正事項9について
請求項7における「前記リフレッシュ情報が存在すると判定された場合」との記載は、当該記載より前の「リフレッシュ情報が前記ビットストリームに存在するか否かを判定する」との「判定」に係る記載に対応するものであるから、訂正事項9のうち「前記リフレッシュ情報が存在すると判定された場合」との記載を「前記リフレッシュ情報が前記ビットストリームに存在すると判定された場合」に訂正する部分は、前記「リフレッシュ情報が前記ビットストリームに存在するか否かを判定する」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められる。
さらに、訂正事項9の「前記リフレッシュ情報が前記受信されたビットストリームに存在すると判定された場合」に訂正することは、「前記リフレッシュ情報が存在すると判定された場合」より前に存在する「受信されたビットストリーム」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められる。
よって、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(9)訂正事項10について
符号化及び復号化は、情報圧縮分野における一体の技術であり、対の関係にある構成を有するものであるから、請求項7の「復号化する方法」における「前記他の参照画像を、削除することなく、前記第2ビューの前記記憶された参照画像の全てを、前記復号化画像バッファから、後に削除する」との構成は、請求項1の「符号化する方法」における「前記第2ビューの全ての記憶されている参照画像が、前記復号化画像バッファに記憶された全ての他の参照画像を削除することなく、前記復号化画像バッファから、後に削除される」との構成に対応するものと認められる。
よって、訂正事項10の「前記他の参照画像」との記載を「全ての前記他の参照画像」に訂正することは、請求項7の「復号化する方法」に対応する請求項1の「符号化する方法」における「全ての他の参照画像を削除することなく」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(10)訂正事項11について
請求項7における「前記第2ビューの前記記憶された参照画像」との記載は、当該記載より前の「前記第2ビューの全ての前記記憶されている参照画像を、参照のために用いられないものとしてマーキングする」との記載に対応し、当該記載によれば、第2ビューの記憶された参照画像はマーキングされているから、訂正事項11の「前記第2ビューの前記記憶された参照画像」との記載を「前記第2ビューの前記マーキングされた記憶された参照画像」に訂正することは、前記「前記第2ビューの全ての前記記憶されている参照画像を、参照のために用いられないものとしてマーキングする」との記載に対する不整合を解消しようとするものと認められる。
よって、訂正事項11は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(11)訂正事項12について
訂正事項12は、明細書の段落【0007】において説明されているIDR画像が「フレーム内符号化」に対応したものであることは明らかであり、同段落の「(フレーム間符号化ではない)」との括弧内の記載に正しく対応させるために「フレーム内符号化」と訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。
(12)訂正事項13について
訂正事項13は、閉じ括弧を補うよう、及び、括弧内の記載と当該括弧の直前における記載との対応付けを明確にするよう、誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。
(13)訂正事項14について
訂正事項14は、閉じ括弧を補うよう、誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。
(14)訂正事項15について
訂正事項15は、Rとrとが重複した記載を削除するよう、誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。
(15)訂正事項16及び17について
明細書の段落【0030】には、ビュー0から始まる8つのビューに係る制御語の値として「(11001101)」が例示され、ビュー0の値が「1」、ビュー1に移動する場合の値が「0」である旨記載されているから、移動方向は右側から左側である。
よって、訂正事項16及び17の「左側から始まり右側に進む場合」及び「ビュー1について右側に移動する場合」を「右側から始まり左側に進む場合」及び「ビュー1のために左側に移動する場合」に訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。
2 新規事項の追加の有無(特許法第126条第5項)について
(1)訂正事項1及び6について
明細書の段落【0004】に、「マルチビュー符号化システムは、動画像の複数のビューを有する特徴を有し、各々のビューは、それぞれのオブジェクト/シーンの異なるビューを表す。」との記載がなされていることから、訂正事項1及び6は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(2)訂正事項2及び7について
明細書の段落【0006】に、「図1を再び参照するに、例えば、T1においてビューS1に関連する画像を符号化するとき、符号化される画像は同じビュー(T0におけるS1及びT2におけるS1)からの画像(参照画像)に関連し、符号化されるべき画像は異なるビュー(T1におけるS0及びT1におけるS2)からの画像に関連することが理解できる。それ故、S1、T1に関連する画像を符号化するとき、バッファ、レジスタ、RAM等のようなメモリ装置に参照画像(T0におけるS1、T2におけるS1、T1におけるS0及びT1におけるS2)を維持することは理解できることであり、その場合、そのような復号化画像は、復号化画像バッファ(DPB)と呼ばれる装置に記憶される。」との記載がなされていることから、訂正事項2及び7は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(3)訂正事項4及び5並びに8乃至11について
明細書の段落【0027】に、「mark_view_onlyがサフィックスNALユニットにおいて1に等しいとき、同じサフィクスNALユニットにおいて存在するview_idに関連するビューに関連するDPBに存在する参照画像の全てが“参照のために用いられないもの”としてマーキングされる。」との記載がなされており、また、段落【0036】に、「ステップ620においては、類似するデータフォーマッタ520が符号化データストリームを受信し、そのデータフォーマッタは、どの受信されたNALがIDRを表すか、及びどの記憶されている参照画像がIDR動作により影響されるかを判定するように、NALを読み出す。ステップ625においては、符号化器505は、受信された関連NALから符号化画像情報を復号化する(好適な実施形態において)とき、サフィックスNALにおいて特定される“参照として用いられないもの”として記憶されている参照画像をマーキングするIDRコマンドを実行する。ステップ630においては、DPB515がそのようなコマンドを実施し、“参照として用いられないもの”としてIDRコマンドにおいて選択される記憶されている参照画像をマーキングし、DPB515は、最終的には、そのような参照画像を削除する。」との記載がなされていることから、訂正事項4及び5並びに8乃至11は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(4)訂正事項12について
訂正事項12は、明細書の段落【0007】において説明されているIDR画像が「フレーム内符号化」に対応したものであることは明らかであり、同段落の「(フレーム間符号化ではない)」との正しい記載に基づいて同段落の誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(5)訂正事項13について
訂正事項13は、明細書の段落【0017】における閉じ括弧を補うよう、及び、括弧内の記載と当該括弧の直前における記載との対応付けを明確にするよう、誤記を訂正するのみであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(6)訂正事項14について
訂正事項14は、明細書の段落【0024】における閉じ括弧を補うのみであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(7)訂正事項15について
訂正事項15は、明細書の段落【0029】におけるRとrとが重複した記載を削除するのみであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(8)訂正事項16及び17について
訂正事項16及び17は、明細書の段落【0030】における「(11001101)」との正しい記載に基づいて同段落における誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
3 特許請求の範囲の拡張又は変更(特許法第126条第6項)について
(1)訂正事項1及び2並びに4乃至11について
上記「1 訂正の目的(特許法第126条第1項)について」の(1)乃至(10)における検討のとおり、訂正事項1及び2並びに4乃至11は、記載を明瞭化するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
(2)訂正事項12乃至17について
訂正事項12乃至17は、単に明細書の誤記を訂正するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
4 独立特許要件(特許法第126条第7項)について
(1)訂正事項1及び2並びに4乃至11について
上記「第5 当審の判断」「1 訂正の目的(特許法第126条第1項)について」の(1)乃至(10)において検討したとおり、訂正事項1及び2並びに4乃至11は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(2)訂正事項12乃至17について
訂正事項12乃至17は、明細書の誤記を正しい記載に訂正したのみであるから、特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。
5.一群の請求項(特許法第126条第3項及び第4項)について
本件訂正審判の請求の趣旨は、上記第3の1のとおりであり、特許権全体に対して訂正審判を請求する場合に該当するから、特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かについての検討は不要である。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び2並びに4乃至17は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項乃至第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり決定する。
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