特許拒絶査定不服審判
2018-017395
複数のグループに割り当てられた画素を有するブロックをイントラ符号化する方法および装置
- 審判番号
- 2018-017395
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-165682外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年12月27日
- 審決日
- 2020年03月17日
- 公報発行日
- 2020年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-165682「複数のグループに割り当てられた画素を有するブロックをイントラ符号化する方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年1月14日出願公開、特開2016-7055〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2011年(平成23年)5月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年5月14日、米国)を国際出願日として出願した特願2013-510084号の一部を平成27年8月25日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成27年 9月 7日 :手続補正書の提出
平成28年 8月 5日付け:拒絶理由通知書
平成29年 2月20日 :意見書、手続補正書の提出
同年 8月30日付け:拒絶理由通知書(最後)
平成30年 2月16日 :意見書、手続補正書の提出
同年 8月22日付け:拒絶査定
同年12月27日 :審判請求書の提出
平成31年 2月15日 :手続補正書(請求の理由)の提出
第2 本願発明
平成30年2月16日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
なお、各構成の符号(A)~(C)は、説明のために当審で付したものであり、以下、構成A~構成Cと称する。
〔本願発明〕
【請求項1】
(A)ブロック内の画素を少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分割し、前記第2のグループの前記画素を復号する前に、第1の方法で、前記ブロックの外側の隣接する画素から前記第1のグループの前記画素を予測することによって、イントラ予測を用いてピクチャ内のブロックを復号するビデオ・デコーダを含む装置であって、
(B)前記第2のグループ内の前記画素のうちの少なくとも1つの画素についての予測は、画素の前記第1のグループ内の画素およびすでに復号されているブロックの外側の隣接する画素のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の方法とは異なる、第2の方法で決定され、
(C)前記第1のグループと前記第2のグループは、マクロブロック内に含まれている同じブロックの部分である、
(A)前記装置。
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1~引用文献5に記載された発明並びに引用文献6及び引用文献7に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:国際公開第2008/120577号
引用文献2:特表2009-528762号公報
引用文献3:特開2007-74726号公報
引用文献4:特開2007-74725号公報
引用文献5:Taichiro Shiodera et al., "BLOCK BASED EXTRA/
INTER-POLATING PREDICTION FOR INTRA CODING",
2007 IEEE International Conference on Image
Processing, 2007年9月16日, vol.6, p.VI-445~VI-448
引用文献6:国際公開第2010/050106号
引用文献7:特開2007-282014号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献の記載事項
上記引用文献1(以下、「引用文献」という。)には、次の事項が記載されている。
なお、記載事項の下線は、当審で付したものである。
ア 「[0001] 本発明は、動画像若しくは静止画像のための符号化/復号化方法及び装置に関する。」
イ 「[0006] H. 264のフレーム内予測では、上述したように原理的にマクロブロック内の符号化対象ブロックは左及び上の画素しか参照できない。従って、左及び上の画素との輝度の相関が低い画素(一般的には、参照画素からの距離が遠い右及び下の画素)では、予測性能が上がらず、予測誤差が増大するという問題があった。
[0007] 本発明は、画素ブロック単位で予測及び変換符号化を行うイントラ符号化において、高い予測効率を実現して符号化効率を向上させることを目的とする。」
ウ 「[0011] 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に従う画像符号化装置は符号化ユニット100、多重化部111、出力バッファ112、及び符号化ユニット100を制御する符号化制御部113を有する。入力画像信号120は、符号化ユニット100によって以下のように符号化される。
[0012] 符号化ユニット100に入力された画像信号120は、フレーム分割部101によって適当な大きさの画素ブロック、例えば16×16画素のマクロブロックに分割され、符号化対象マクロブロック信号121とされる。符号化ユニット100では、マクロブロック単位に符号化対象マクロブロック信号121について符号化処理が行われる。このように本実施形態では、マクロブロックが符号化処理の基本的な処理ブロック単位とされている。
[0013] フレーム分割部101から出力される符号化対象マクロブロック121は、再ブロック化部102によって、画素振り分けにより後述するように基準画素ブロックと補間画素ブロックに再ブロック化される。これにより、再ブロック化部102で再ブロック化信号122が生成される。再ブロック化信号122は、減算器103に入力される。減算器103においては、再ブロック化信号122と後述する予測信号123との差がとられることにより、予測誤差信号124が生成される。
[0014] 予測誤差信号124は変換/量子化部104に入力され、変換係数データ125が生成される。変換/量子化部104では、予測誤差信号124はまず例えばDCT(離散コサイン変換)などにより直交変換される。直交変換の他の例として、ウェーブレット変換や独立成分解析などの手法を用いてもよい。変換により得られた変換係数は、更に後述する符号化制御部113にセットされている量子化パラメータに基づいて量子化されることにより、量子化された変換係数を示す変換係数データ125が生成される。変換係数データ125は、エントロピー符号化部110及び逆変換/逆量子化部105に入力される。
[0015] 逆変換/逆量子化部105では、変換係数データ125が符号化制御部113にセットされている量子化パラメータに従って逆量子化され、変換係数が生成される。逆変換逆量子化部105では、さらに逆量子化により得られた変換係数に対して変換/量子化部104の変換と逆の変換、例えばIDCT(逆離散コサイン変換など)が行われる。ここれにより、減算器103から出力される予測誤差信号124と同様の、復元された予測誤差信号126が生成される。
[0016] 逆変換/逆量子化部105によって生成された復元された予測誤差信号126は、加算器106において予測信号123と加算され、これにより局部復号信号127が生成される。局部復号信号127は、参照画像バッファ107へ入力される。参照画像バッファ107では、局部復号信号127が参照画像信号として参照画像バッファ107に一時保存される。参照画像バッファ107に保存された参照画像信号は、予測信号生成部108によって予測信号123を生成する際に参照される。
[0017] 予測信号生成部108は、基準画素予測部108Aと補間画素予測部108Bを含み、参照画像バッファ107に一時保存された符号化済みの参照画像信号の画素(参照画素)を利用して、再ブロック化部102によって再ブロック化される基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号128A及び128Bを生成する。
[0018] スイッチ109は符号化制御部113により制御される切り替えタイミングで切り替えられ、基準画素予測部108A及び補間画素予測部108Bによって生成された予測信号128A及び128Bのいずれかを選択する。すなわち、スイッチ109ではまず符号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号128Aが予測信号123として選択される。スイッチ109では、次に符号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号128Bが予測信号123として選択される。こうしてスイッチ109で選択された予測信号123は、減算器103に入力される。
[0019] 一方、エントロピー符号化部110では、変換/量子化部104から入力される変換係数データ125、予測モード情報131、ブロックサイズ切り替え情報132、符号化ブロック情報133及び量子化パラメータなどの情報に対してエントロピー符号化が施され、符号化データ135が生成される。エントロピー符号化の手法としては、例えばハフマン符号化や算術符号化などが用いられる。エントロピー符号化部110から出力される符号化データ135は多重化部111により多重化される。多重化された符号化データは、出力バッファ112を通して符号化ビットストリーム136として出力される。
[0020] 符号化制御部113は、符号化ユニット100に対する発生符号量(符号化データ135の符号量)のフィードバック制御、量子化特性制御及びモード制御などの、符号化処理全体の制御を行う。」
[0021] 次に、図2及び図3~図5を用いて図1の画像符号化装置の動作を詳細に説明する。図2は、図1の画像符号化装置の処理手順をフローチャートで示している。
(略)
[0031] 次に、再ブロック化部102により生成された基準画素ブロックに対して、予測信号生成部108の基準画素予測部108Aによって基準画素ブロックの予測信号128Aが生成され、予測信号128Aはスイッチ109によって予測信号生成部108の出力の予測信号123として選択される(ステップS203)。基準画素ブロックの予測信号128Aは、参照画像バッファ107に一時保存されている符号化済み参照画素であるブロック周辺画素から、外挿予測によって予測される。
(略)
[0039] 次に、再ブロック化部102において生成された再ブロック化信号122として生成された補間画素ブロックに対して、予測信号生成部108内の補間画素予測部108Bによって予測信号128Bが生成され、スイッチ109により予測信号123として選択される(ステップS206)。具体的には、例えば参照画像バッファ107に一時保存された符号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から、線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測される。線形補間フィルタによる補間画素ブロックの予測については、第2の実施形態において詳しく説明する。
(略)
[0043] このように本実施形態によると、画素振り分けにより再ブロック化された基準画素ブロック及び補間画素ブロックのうち、基準画素ブロックに対してはH. 264と同様の外挿予測によって予測信号128Aが生成され、基準画素ブロックの信号に対して予測信号128Aが有する予測誤差信号が符号化される。
[0044] 一方、補間画素ブロックに対しては補間画素ブロックに対応する局部復号信号と符号化済み画素に対応する局部復号信号を用いた内挿予測によって予測信号128Bが生成され、補間画素ブロックの信号に対して予測信号128Aが持つ予測誤差信号が符号化されるので、予測誤差を減少させることができる。」
エ 「[0083] 次に、図15のマクロブロックプレディクションシンタクスでは、マクロブロック(16×16画素ブロック)またはサブブロック(4×4画素ブロック、8×8画素ブロック)毎の予測モード及び符号化ブロックに関する情報が明記されている。それぞれのmb_typeにおける処理ブロック単位の予測モードを示すインデクスは、intra4×4(8×8,16×16)_pred_modeで示される。coded_block_flagは、当該処理ブロックの変換係数を伝送するか否かを示すフラグであり、当該フラグがFALSEの場合は当該ブロックの変換係数データを伝送しないことを示し、当該フラグがTRUEの場合は当該ブロックの変換係数データを伝送することを示す。」
オ 「[0088] (第3の実施形態)
図16に示される本発明の第3の実施形態に従う画像復号化装置は、図1に示した第1の実施形態に従う画像符号化装置に対応しており、復号化ユニット300、入力部301、逆多重化部302、出力バッファ311、及び復号化ユニット300を制御する復号化制御部313を有する。
[0089] 画像復号化装置に入力される符号化ビットストリーム320は、入力バッファ301に一度蓄えられ、逆多重化部302によりにシンタクスに基づいて各符号化データが分離された後、復号化ユニット300に入力される。
[0090] 復号化ユニット300に入力された符号化データは、エントロピー復号化部303に入力される。エントロピー復号化部303では、図13に示されるシンタクス構造に従ってハイレベルシンタクス、スライスレベルシンタクス及びマクロブロックレベルシンタクスの夫々に対して、符号化データの各シンタクスの符号列が順次復号され、量子化された変換係数326、予測モード情報321、ブロックサイズ切替情報322、符号化ブロック情報323及び量子化パラメータなどが復号される。復号された各種情報は、復号化制御部313へセットされる。
[0091] 量子化された変換係数326は、符号化ブロック情報323及び量子化パラメータなどに従って逆変換/逆量子化部304で逆量子化され、例えばIDCT(逆離散コサイン変換)などにより逆直交変換される。ここでは、逆直交変換について説明したが、画像符号化装置でウェーブレット変換などが行われている場合、逆変換/逆量子化部304では対応する逆量子化及び逆ウェーブレット変換などが実行されてもよい。
[0092] 逆変換/逆量子化部304から出力される変換係数データは、予測誤差信号327として加算器305へ渡される。加算器305では、予測誤差信号327と予測信号生成部308からスイッチ309を介して出力される予測信号329の加算が行われることにより、復号画像信号330が生成され、参照画像バッファ306へ入力される。
[0093] 予測信号生成部308は、基準画素予測部308Aと補間画素予測部308Bを含み、復号化制御部313にセットされた予測モード情報、ブロックサイズ切替情報などに従って、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素を利用して基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号328A及び328Bを生成する。
[0094] スイッチ309は復号化制御部313により制御される切り替えタイミングで切り替えられ、基準画素予測部308A及び補間画素予測部308Bによって生成された予測信号328A及び328Bのいずれかを選択する。すなわち、スイッチ309ではまず復号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号328Aが予測信号329として選択され、次に復号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号328Bが予測信号323として選択される。こうしてスイッチ309で選択された予測信号323は、加算器305に入力される。
[0095] 復号画素合成部309では、復号画像信号330として得られる基準画素ブロック及び補間画素ブロックの画素が合成されることにより、復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成される。生成された復号画像信号332は出力バッファ311へ渡され、復号化制御部313が管理するタイミングで出力される。
[0096] 復号化制御部313は、入力バッファ301及び出力バッファ311の制御や復号化タイミングの制御など、復号化全体の制御を行う。
[0097] 次に、図17を用いて図16の画像復号化装置の動作を詳しく説明する。図17は、図16の画像復号化装置の処理手順をフローチャートで示している。
(略)
[0100] エントロピー復号化部303で復号された変換係数データは、逆変換/逆量子化部304へ入力される。逆変換/逆量子化部304では、復号化制御部313にセットされている量子化パラメータに従って変換係数データが逆量子化され、得られた変換係数に対して逆直交変換が行われることにより、基準画素ブロック及び補間画素ブロックの予測誤差信号が復号される(ステップS403)。ここでは、逆直交変換を用いたが、画像符号化装置側でウェーブレット変換などが行われている場合、対応する逆量子化及び逆ウェーブレット変換などが実行されてもよい。
(略)
[0105] 次に、基準画素ブロック及び補間画素ブロック、またはそれら内部のサブブロック毎における予測処理の流れについて説明する。以下では、基準画素ブロックを先に復号化し、その後に補間画素ブロックを復号化するという順序で処理を行う。
[0106] まず、基準画素ブロックに対して予測信号生成部308内の基準画素予測部308Aによって、基準画素ブロックの予測信号が生成される(ステップS404)。基準画素ブロックは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測される。このときの外挿予測は、H. 264のフレーム内予測のように、生成方法の異なる複数の予測モードから復号化制御部313にセットされている予測モード情報に従って一つのモードを選択し、当該予測モードに従って予測信号を生成することで行われる。このとき画像復号化装置側で用意されている予測モードは、画像符号化装置で用意したものと同じ予測モードを用いる。また、符号化制御部313にセットされているブロックサイズ切替情報に従って、図9または図10に示したような4×4画素若しくは8×8画素単位で予測を行う場合には、予測信号生成部308の内部で逆量子化及び逆変換を行ってもよい。
[0107] 次に、基準画素予測部308Aで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算されることにより、基準画素ブロックの復号画像が生成される(ステップS405)。生成された基準画素ブロックの復号画像信号は、参照画像バッファ306及び復号画素合成部310へ入力される。
[0108] 次に、補間画素ブロックに対して予測信号生成部308内の補間画素予測部308Bによって、補間画素ブロックの予測信号が生成される(ステップS406)。ここでは、参照画像バッファ308に一時保存された復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測される。
[0109] 次に、補間画素予測部308Bで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算され、補間画素ブロックの復号画像が生成される(ステップS406)。生成された基準画素ブロックの復号画像信号は、参照画像バッファ306及び復号画素合成部310へ入力される。
[0110] 次に、上記の処理で生成された基準画素ブロック及び補間画素ブロックの復号画像を用いて、復号画素合成部310によって復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成される(ステップS407)。生成された復号画像信号は、出力バッファ311へと渡され、復号化制御部313が管理するタイミングで再生画像信号333として出力される。
[0111] このように第3の実施形態に従う画像復号化装置によれば、第1の実施形態で説明した予測効率の高い画像符号化装置からの符号化ストリームについて復号化を行うことができる。」
カ 「【図1】
」
キ 「【図16】
」
2 引用文献に記載の技術的事項
上記ア~キに摘記した記載事項から、引用文献には、以下(1)~(2)の技術的事項が記載されているものと認められる。
なお、引用文献の段落0044の「予測信号128A」、段落0094の「予測信号323」、段落0095の「復号画素合成部309」及び段落0108の「参照画像バッファ308」は、それぞれ「予測信号128B」、「予測信号329」、「復号画素合成部310」及び「参照画像バッファ306」との明らかな誤記であり、当審において、当該「予測信号128A」、「予測信号323」、「復号画素合成部309」及び「参照画像バッファ308」との記載は、正しくは、それぞれ「予測信号128B」、「予測信号329」、「復号画素合成部310」及び「参照画像バッファ306」の意味であると認定した。
(1)記載ウ、カには、以下の構成を備えた「第1の実施形態に従う画像符号化装置」が記載されている。
「符号化ユニット100、多重化部111、出力バッファ112、及び符号化ユニット100を制御する符号化制御部113を有し、(段落0011)
符号化ユニット100に入力された画像信号120は、フレーム分割部101によって適当な大きさの画素ブロック、例えば16×16画素のマクロブロックに分割され、符号化対象マクロブロック信号121とされ、(段落0012)
フレーム分割部101から出力される符号化対象マクロブロック121は、再ブロック化部102によって、画素振り分けにより基準画素ブロックと補間画素ブロックに再ブロック化され、これにより、再ブロック化部102で再ブロック化信号122が生成され、再ブロック化信号122は、減算器103に入力され、減算器103においては、再ブロック化信号122と予測信号123との差がとられることにより、予測誤差信号124が生成され、(段落0013)
予測誤差信号124は変換/量子化部104に入力され、変換係数データ125が生成され、変換係数データ125は、エントロピー符号化部110及び逆変換/逆量子化部105に入力され、(段落0014)
逆変換/逆量子化部105では、復元された予測誤差信号126が生成され、(段落0015)
逆変換/逆量子化部105によって生成された復元された予測誤差信号126は、加算器106において予測信号123と加算され、これにより局部復号信号127が生成され、局部復号信号127は、参照画像バッファ107へ入力され、参照画像バッファ107では、局部復号信号127が参照画像信号として参照画像バッファ107に一時保存され、(段落0016)
予測信号生成部108は、基準画素予測部108Aと補間画素予測部108Bを含み、参照画像バッファ107に一時保存された符号化済みの参照画像信号の画素(参照画素)を利用して、再ブロック化部102によって再ブロック化される基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号128A及び128Bを生成し、(段落0017)
スイッチ109ではまず符号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号128Aが予測信号123として選択され、次に符号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号128Bが予測信号123として選択され、こうしてスイッチ109で選択された予測信号123は、減算器103に入力され、(段落0018)
一方、エントロピー符号化部110では、変換/量子化部104から入力される変換係数データ125などの情報に対してエントロピー符号化が施され、符号化データ135が生成され、エントロピー符号化部110から出力される符号化データ135は多重化部111により多重化され、多重化された符号化データは、出力バッファ112を通して符号化ビットストリーム136として出力され、(段落0019)
前記再ブロック化部102により生成された基準画素ブロックに対して、予測信号生成部108の基準画素予測部108Aによって基準画素ブロックの予測信号128Aが生成され、(段落0031)
前記再ブロック化部102において生成された再ブロック化信号122として生成された補間画素ブロックに対して、予測信号生成部108内の補間画素予測部108Bによって予測信号128Bが生成され、(段落0039)
基準画素ブロックの信号に対して予測信号128Aが有する予測誤差信号が符号化され、(段落0043)
補間画素ブロックの信号に対して予測信号128Bが持つ予測誤差信号が符号化される。(段落0044)」
(2)記載オ、キには、以下の構成を備えた「第3の実施形態に従う画像復号化装置」が記載されている。
「第1の実施形態に従う画像符号化装置に対応しており、復号化ユニット300、入力部301、逆多重化部302、出力バッファ311、及び復号化ユニット300を制御する復号化制御部313を有し、(段落0088)
画像復号化装置に入力される符号化ビットストリーム320は、入力バッファ301に一度蓄えられ、逆多重化部302によりにシンタクスに基づいて各符号化データが分離された後、復号化ユニット300に入力され、(段落0089)
復号化ユニット300に入力された符号化データは、エントロピー復号化部303に入力され、エントロピー復号化部303では、符号化データの各シンタクスの符号列が順次復号され、量子化された変換係数326などが復号され、(段落0090)
量子化された変換係数326は、符号化ブロック情報323及び量子化パラメータなどに従って逆変換/逆量子化部304で逆量子化され、例えばIDCTなどにより逆直交変換され、(段落0091)
逆変換/逆量子化部304から出力される変換係数データは、予測誤差信号327として加算器305へ渡され、加算器305では、予測誤差信号327と予測信号生成部308からスイッチ309を介して出力される予測信号329の加算が行われることにより、復号画像信号330が生成され、参照画像バッファ306へ入力され、(段落0092)
予測信号生成部308は、基準画素予測部308Aと補間画素予測部308Bを含み、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素を利用して基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号328A及び328Bを生成し、(段落0093)
スイッチ309ではまず復号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号328Aが予測信号329として選択され、次に復号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号328Bが予測信号329として選択され、(段落0094)
復号画素合成部310では、復号画像信号330として得られる基準画素ブロック及び補間画素ブロックの画素が合成されることにより、復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成され、(段落0095)
前記逆変換/逆量子化部304では、基準画素ブロック及び補間画素ブロックの予測誤差信号が復号されるものであり、(段落0100)
前記基準画素ブロック及び補間画素ブロックにおける予測処理の流れは次のとおりであり、(段落0105)
まず、基準画素ブロックに対して予測信号生成部308内の基準画素予測部308Aによって、基準画素ブロックの予測信号が生成され、基準画素ブロックは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測され、このときの外挿予測は、H. 264のフレーム内予測のように、生成方法の異なる複数の予測モードから一つのモードを選択し、当該予測モードに従って予測信号を生成することで行われ、(段落0106)
次に、基準画素予測部308Aで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算されることにより、基準画素ブロックの復号画像が生成され、生成された基準画素ブロックの復号画像信号は、参照画像バッファ306及び復号画素合成部310へ入力され、(段落0107)
次に、補間画素ブロックに対して予測信号生成部308内の補間画素予測部308Bによって、補間画素ブロックの予測信号が生成され、ここでは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測され、(段落0108)
次に、補間画素予測部308Bで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算され、補間画素ブロックの復号画像が生成され、(段落0109)
次に、上記の処理で生成された基準画素ブロック及び補間画素ブロックの復号画像を用いて、復号画素合成部310によって復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成される。(段落0110)」
3 引用発明
上記2から、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、引用発明の各構成の符号(a1)~(b16)は、説明のために当審で付したものであり、以下、構成a1~構成b16と称する。
〔引用発明〕
(a1)符号化ユニット100、多重化部111、出力バッファ112、及び符号化ユニット100を制御する符号化制御部113を有し、
(a2)符号化ユニット100に入力された画像信号120は、フレーム分割部101によって適当な大きさの画素ブロック、例えば16×16画素のマクロブロックに分割され、符号化対象マクロブロック信号121とされ、
(a3)フレーム分割部101から出力される符号化対象マクロブロック121は、再ブロック化部102によって、画素振り分けにより基準画素ブロックと補間画素ブロックに再ブロック化され、これにより、再ブロック化部102で再ブロック化信号122が生成され、再ブロック化信号122は、減算器103に入力され、減算器103においては、再ブロック化信号122と予測信号123との差がとられることにより、予測誤差信号124が生成され、
(a4)予測誤差信号124は変換/量子化部104に入力され、変換係数データ125が生成され、変換係数データ125は、エントロピー符号化部110及び逆変換/逆量子化部105に入力され、
(a5)逆変換/逆量子化部105では、復元された予測誤差信号126が生成され、
(a6)逆変換/逆量子化部105によって生成された復元された予測誤差信号126は、加算器106において予測信号123と加算され、これにより局部復号信号127が生成され、局部復号信号127は、参照画像バッファ107へ入力され、参照画像バッファ107では、局部復号信号127が参照画像信号として参照画像バッファ107に一時保存され、
(a7)予測信号生成部108は、基準画素予測部108Aと補間画素予測部108Bを含み、参照画像バッファ107に一時保存された符号化済みの参照画像信号の画素(参照画素)を利用して、再ブロック化部102によって再ブロック化される基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号128A及び128Bを生成し、
(a8)スイッチ109ではまず符号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号128Aが予測信号123として選択され、次に符号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号128Bが予測信号123として選択され、こうしてスイッチ109で選択された予測信号123は、減算器103に入力され、
(a9)一方、エントロピー符号化部110では、変換/量子化部104から入力される変換係数データ125などの情報に対してエントロピー符号化が施され、符号化データ135が生成され、エントロピー符号化部110から出力される符号化データ135は多重化部111により多重化され、多重化された符号化データは、出力バッファ112を通して符号化ビットストリーム136として出力され、
(a10)前記再ブロック化部102により生成された基準画素ブロックに対して、予測信号生成部108の基準画素予測部108Aによって基準画素ブロックの予測信号128Aが生成され、
(a11)前記再ブロック化部102において生成された再ブロック化信号122として生成された補間画素ブロックに対して、予測信号生成部108内の補間画素予測部108Bによって予測信号128Bが生成され、
(a12)基準画素ブロックの信号に対して予測信号128Aが有する予測誤差信号が符号化され、
(a13)補間画素ブロックの信号に対して予測信号128Bが持つ予測誤差信号が符号化される
(a14)画像符号化装置
(b1)に対応した画像復号化装置であって、
(b2)復号化ユニット300、入力部301、逆多重化部302、出力バッファ311、及び復号化ユニット300を制御する復号化制御部313を有し、
(b3)画像復号化装置に入力される符号化ビットストリーム320は、入力バッファ301に一度蓄えられ、逆多重化部302によりにシンタクスに基づいて各符号化データが分離された後、復号化ユニット300に入力され、
(b4)復号化ユニット300に入力された符号化データは、エントロピー復号化部303に入力され、エントロピー復号化部303では、符号化データの各シンタクスの符号列が順次復号され、量子化された変換係数326などが復号され、
(b5)量子化された変換係数326は、符号化ブロック情報323及び量子化パラメータなどに従って逆変換/逆量子化部304で逆量子化され、例えばIDCTなどにより逆直交変換され、
(b6)逆変換/逆量子化部304から出力される変換係数データは、予測誤差信号327として加算器305へ渡され、加算器305では、予測誤差信号327と予測信号生成部308からスイッチ309を介して出力される予測信号329の加算が行われることにより、復号画像信号330が生成され、参照画像バッファ306へ入力され、
(b7)予測信号生成部308は、基準画素予測部308Aと補間画素予測部308Bを含み、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素を利用して基準画素ブロック及び補間画素ブロックに対する予測信号328A及び328Bを生成し、
(b8)スイッチ309ではまず復号化対象マクロブロック内の全ての基準画素ブロックに対応する予測信号328Aが予測信号329として選択され、次に復号化対象マクロブロック内の全ての補間画素ブロックに対応する予測信号328Bが予測信号329として選択され、
(b9)復号画素合成部310では、復号画像信号330として得られる基準画素ブロック及び補間画素ブロックの画素が合成されることにより、復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成され、
(b10)前記逆変換/逆量子化部304では、基準画素ブロック及び補間画素ブロックの予測誤差信号が復号されるものであり、
(b11)前記基準画素ブロック及び補間画素ブロックにおける予測処理の流れは次のとおりであり、
(b12)まず、基準画素ブロックに対して予測信号生成部308内の基準画素予測部308Aによって、基準画素ブロックの予測信号が生成され、基準画素ブロックは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測され、このときの外挿予測は、H. 264のフレーム内予測のように、生成方法の異なる複数の予測モードから一つのモードを選択し、当該予測モードに従って予測信号を生成することで行われ、
(b13)次に、基準画素予測部308Aで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算されることにより、基準画素ブロックの復号画像が生成され、生成された基準画素ブロックの復号画像信号は、参照画像バッファ306及び復号画素合成部310へ入力され、
(b14)次に、補間画素ブロックに対して予測信号生成部308内の補間画素予測部308Bによって、補間画素ブロックの予測信号が生成され、ここでは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測され、
(b15)次に、補間画素予測部308Bで生成された予測信号と、逆変換/逆量子化部304で生成された予測誤差信号が加算器305において加算され、補間画素ブロックの復号画像が生成され、
(b16)次に、上記の処理で生成された基準画素ブロック及び補間画素ブロックの復号画像を用いて、復号画素合成部310によって復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成される
(b1)画像復号化装置。
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 構成Aについて
構成b1の「画像復号化装置」は、画像を復号する機能を含むものであるから、「ビデオ・デコーダを含む装置」である点で本願発明と一致する。
構成a3の「基準画素ブロック」及び「補間画素ブロック」は、符号化対象マクロブロックから画素振り分けがなされたものであるから、ブロック内の画素を少なくとも2つのグループに分割したものである。そして、前記構成a3で画素振り分けがなされた後、構成a7、構成a10及び構成a11で前記各ブロックの予測信号が生成され、構成a9、構成a12及び構成a13で前記各ブロックの予測誤差信号が符号化されて出力されたものが、当該画像符号化装置に対応する画像復号化装置における構成b6及び構成b10で前記各ブロックの予測誤差信号として復号されるから、構成b16の復号化対象マクロブロックの生成に用いられる基準画素ブロック及び補間画素ブロックは、前記構成a3の、符号化対象マクロブロックから画素振り分けがなされたものに対応しており、ブロック内の画素を少なくとも2つのグループに分割しているものである。
構成b12の「基準画素ブロック」及び「復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測され」ることは、構成Aの「第1のグループ」及び「第1の方法」にそれぞれ相当する。また、構成b12の「外挿予測」は、「H. 264のフレーム内予測のように」行われるものであり、当該H. 264のフレーム内予測では、当該予測対象の画素が存在するブロックの外側の隣接する画素が少なくとも用いられるから、当該外挿予測に用いられる「復号化済みのブロック周辺画素」は、「ブロックの外側の隣接する画素」に相当するといえる。以上から、構成b12の「基準画素ブロックの予測信号が生成され、基準画素ブロックは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測され」ることは、構成Aの「第1の方法で、ブロックの外側の隣接する画素から前記第1のグループの画素を予測すること」に相当する。
構成b15の「補間画素ブロック」及び「補間画素ブロックの復号画像が生成され」ることは、構成Aの「第2のグループ」及び「前記第2のグループの前記画素を復号する」ことにそれぞれ相当する。
そして、構成b12は構成b15より前に行われるから、本願発明は、「第1の方法で、ブロックの外側の隣接する画素から前記第1のグループの画素を予測すること」が「前記第2のグループの前記画素を復号する前に」おけるものである点で、構成Aと一致する。
構成b12の「基準画素ブロックの予測信号が生成され、基準画素ブロックは、参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みのブロック周辺画素から、外挿予測によって予測され」ること、及び、構成b14の「復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測され」ることは、いずれもフレーム内の画像から予測するものであるから、構成Aの「イントラ予測」に相当する。そして、構成b12及び構成b14の各予測に基づき、構成b13、構成b15及び構成b16において、復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成されるから、引用発明は、構成Aの「イントラ予測を用いてピクチャ内のブロックを復号する」ものである点で、構成Aと一致する。
以上から、引用発明は、構成Aである点で本願発明と一致する。
2 構成Bについて
構成b14の「補間画素ブロックが予測され」ることは、「前記第2のグループ内の前記画素のうちの少なくとも1つの画素についての予測」に相当する。そして、当該予測に用いられる参照画像バッファ306には、構成b12の復号化済みのブロック周辺画素及び構成b13の基準画素ブロックの復号画像信号が保存されており、当該「復号化済みのブロック周辺画素」及び「基準画素ブロックの復号画像信号」は、「すでに復号されているブロックの外側の隣接する画素」及び「第1のグループ内の画素」に相当するものであるから、構成b14の「参照画像バッファ306に一時保存された復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測され」ることは、「前記第2のグループ内の前記画素のうちの少なくとも1つの画素についての予測は、画素の前記第1のグループ内の画素およびすでに復号されているブロックの外側の隣接する画素のうちの少なくとも1つに基づいて、」「決定され」るものといえる。
また、構成b14の「復号化済みの参照画素(基準画素ブロックを含む)から6タップの線形補間フィルタを用いて補間画素ブロックが予測され」る方法は、構成b12の「復号化済みのブロック周辺画素から外挿予測によって予測される」方法と異なるものである。
以上から、引用発明は、構成Bを備える点で本願発明と一致する。
3 構成Cについて
構成b16の基準画素ブロック及び補間画素ブロックは、各ブロックの復号画像から復号化対象マクロブロックの復号画像信号が生成されるから、引用発明は、前記第1のグループと前記第2のグループは、同じブロックの部分である点で、本願発明と共通する。
しかしながら、上記「同じブロックの部分」における「ブロック」が、本願発明は「マクロブロック内に含まれているブロック」であるのに対し、引用発明は「マクロブロック」である点で、両者は相違する。
4 一致点、相違点について
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
〔一致点〕
(A)ブロック内の画素を少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分割し、前記第2のグループの前記画素を復号する前に、第1の方法で、前記ブロックの外側の隣接する画素から前記第1のグループの前記画素を予測することによって、イントラ予測を用いてピクチャ内のブロックを復号するビデオ・デコーダを含む装置であって、
(B)前記第2のグループ内の前記画素のうちの少なくとも1つの画素についての予測は、画素の前記第1のグループ内の画素およびすでに復号されているブロックの外側の隣接する画素のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の方法とは異なる、第2の方法で決定され、
(C’)前記第1のグループと前記第2のグループは、同じブロックの部分である、
(A)前記装置。
〔相違点〕
上記構成C’における「ブロック」が、本願発明は「マクロブロック内に含まれているブロック」であるのに対し、引用発明は「マクロブロック」である点。
第6 判断
上記相違点について、以下に検討する。
引用文献の段落0083には、「マクロブロックプレディクションシンタクスでは、マクロブロック(16×16画素ブロック)またはサブブロック(4×4画素ブロック、8×8画素ブロック)毎の予測モード及び符号化ブロックに関する情報が明記されている。それぞれのmb_typeにおける処理ブロック単位の予測モードを示すインデクスは、intra4×4(8×8,16×16)_pred_modeで示される。」との記載がある。(以下、「引用文献記載事項」という。)ここで、前記「intra4×4(8×8,16×16)_pred_mode」は、「処理ブロック単位の予測モードを示すインデクス」であるから、「16×16」、「4×4」及び「8×8」は、処理ブロック単位が「マクロブロック(16×16画素ブロック)」、「サブブロック(4×4画素ブロック)」及び「サブブロック(8×8画素ブロック)」であることを意味し、「intra*×*_pred_mode」(前記「*」は、4、8又は16である。)は、イントラ予測モードを意味しているものと認められる。また、引用文献記載事項の「サブブロック(4×4画素ブロック、8×8画素ブロック)」は、構成Cの「マクロブロック内に含まれているブロック」に相当する。
そして、引用発明及び引用文献記載事項は、マクロブロックにおけるイントラ予測処理である点で共通するから、引用発明において、上記マクロブロックプレディクションシンタクスの構成を適用することにより、イントラ予測の処理ブロック単位を「サブブロック(4×4画素ブロック、8×8画素ブロック)」とすること、すなわち構成C’における「ブロック」を「マクロブロック内に含まれているブロック」とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
そして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献記載事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
なお、請求人は、平成31年2月15日にされた手続補正により補正された審判請求書において、以下の主張を行っている。
「引用文献1~7のいずれも、単独でも、組み合わせても、補正後の請求項の特徴事項の全て、特に、補正後の請求項に記載されているような、「ブロック内の画素を少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分割し、前記第2のグループの前記画素を復号する前に、第1の方法で、前記ブロックの外側の隣接する画素から前記第1のグループの前記画素を予測することによって、イントラ予測を用いてピクチャ内のブロックを復号する・・・前記第2のグループ内の前記画素のうちの少なくとも1つの画素についての平面予測は、画素の前記第1のグループ内の画素およびすでに復号されているブロックの外側の隣接する画素のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の方法とは異なる、第2の方法で決定され、前記第1のグループと前記第2のグループは、マクロブロック内に含まれている同じブロックの部分である」という特徴事項の全てを開示したり示唆したりするものではありません。
従いまして、そのような引用文献1~7に基づいて、本願発明に想到することはできないと主張いたします。」
しかしながら、特許請求の範囲には「平面予測」について記載されておらず、当該「平面予測」を含む上記主張は、特許請求の範囲の記載に基づいたものとは認められないから、採用することができない。
よって、本願発明は、引用発明及び引用文献における他の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-017395