特許拒絶査定不服審判
2018-009303
通信デバイスを用いた個人の動作ベース識別認証
- 審判番号
- 2018-009303
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-514006外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年07月05日
- 審決日
- 2019年06月17日
- 公報発行日
- 2019年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オハイオ・ユニバーシティ
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 分類
- P18 .113-Z (G06F) / P18 .121-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第184条の4第1項、特許法第164条、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-514006「通信デバイスを用いた個人の動作ベース識別認証」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月20日国際公開,WO2014/186274,平成28年 9月 1日国内公表,特表2016-526210〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
本願は,2014年5月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年5月13日,2014年2月12日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,
平成28年1月5日付けで特許法184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出され,平成29年5月12日付けで審査請求がなされると共に手続補正がなされ,平成29年8月7日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成30年2月7日付けで意見書が提出されると共に誤訳訂正書が提出されたが,平成30年2月22日付けで審査官により拒絶査定がなされ,これに対して平成30年7月5日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成30年8月8日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされたものである。
第2.平成30年7月5日付けの手続補正の適否について
1.補正の内容
平成30年7月5日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成30年2月7日付けの誤訳訂正書により訂正された特許請求の範囲,
「 【請求項1】
通信デバイスを使用して,個人が辿るパターンに基づき,前記個人の同一性を安全に認証するための方法であって,
前記通信デバイスのユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するステップと,
前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して,前記定義されたパターン上の最初のポイントから前記定義されたパターン上の最後のポイントへと前記個人が前記定義されたパターンを連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るステップと,
前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を決定するステップであって,前記動作ベースの挙動データは,前記個人に固有の筋骨格系および神経系に関連したデータである,ステップと,
動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,ステップとを含む方法。
【請求項2】
前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき前記定義されたパターンを表示するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人が前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して辿るべき前記定義されたパターンを含んでいる認証テンプレートを用いて,前記個人に,前記個人によって実行される複数の動作を伴う入力を促すステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人に関連した動作ベースの挙動データベースに記憶される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,以前に前記個人が辿った,以前に辿られたパターンから取得される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲内にあるとき,前記個人の前記同一性を認証するステップをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記動作ベースの挙動データが前記以前に取得された動作ベースの挙動データの前記閾値の範囲を越えているとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するステップと,
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データと同一であるとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するステップとをさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人の前記同一性の以前の認証に関連した前記動作ベースの挙動データを含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記動作ベースの挙動データが前記個人の前記同一性の認証に関連しているとき,前記動作ベースの挙動データを,前記個人の前記同一性の前記以前の認証に関連付けられるように前記動作ベースの挙動データのデータベースに記憶するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記認証テンプレートが,前記個人が平面上で辿るための2次元パターンを含んでいる2次元テンプレートである請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記個人が前記2次元パターンを辿るために実行する前記複数の動作が,前記2次元パターンの高さおよび幅に関連した前記動作ベースの挙動データを生成する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記動作ベースの挙動データが,前記個人が前記定義されたパターンを辿るための前記複数の動作を実行するとき生成される,前記個人に関連した生体測定の特性および挙動測定のデータに関連した生体データを含む,請求項3に記載の方法。
【請求項13】
個人が辿るパターンに基づいて前記個人の同一性を安全に認証するための通信デバイスであって,
前記個人に対して前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するように構成されているユーザインターフェースと,
前記ユーザインターフェースを介して,前記個人から,前記定義されたパターンを最初のポイントから最後のポイントへ連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るように構成されたトランシーバと,
前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を決定して,
動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係と比較することによって前記個人の前記同一性を認証するように構成された比較モジュールであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成され,前記動作ベースの挙動データは,前記個人に固有の筋骨格系および神経系に関連したデータである,比較モジュールとを備える通信デバイス。
【請求項14】
前記ユーザインターフェースが,前記個人に対して,前記個人が辿るべき前記定義されたパターンを表示するようにさらに構成されている請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記個人が前記ユーザインターフェースを介して辿るべき前記定義されたパターンを含んでいる認証テンプレートを用いて,前記個人に,前記個人によって実行される複数の動作を伴う入力を促すように構成されている入力促進モジュールをさらに備える請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人に関連した動作ベースの挙動データのデータベースに記憶される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,以前に前記個人が辿った,以前に辿られたパターンから取得される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項18】
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲内にあるとき,前記個人の前記同一性を認証するように構成された認証モジュールをさらに備える請求項16に記載の通信デバイス。
【請求項19】
前記動作ベースの挙動データが前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲を越えているとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否し,
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データと同一であるとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するように構成された拒否モジュールをさらに備える請求項17に記載の通信デバイス。
【請求項20】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人の前記同一性の以前の認証に関連した前記動作ベースの挙動データを含む請求項19に記載の通信デバイス。
【請求項21】
前記動作ベースの挙動データが前記個人の前記同一性の認証に関連しているとき,前記動作ベースの挙動データを,前記個人の前記同一性の前記以前の認証に関連付けられるように前記動作ベースの挙動データのデータベースに記憶するように構成された記憶モジュールをさらに備える請求項20に記載の通信デバイス。
【請求項22】
前記認証テンプレートが,前記個人が平面上で辿るための2次元パターンを含んでいる2次元テンプレートである請求項15に記載の通信デバイス。
【請求項23】
前記個人が前記2次元パターンを辿るために実行する前記複数の動作が,前記2次元パターンの高さおよび幅に関連した前記動作ベースの挙動データを生成する請求項22に記載の通信デバイス。
【請求項24】
前記動作ベースの挙動データが,前記個人が前記定義されたパターンを辿るための前記複数の動作を実行するとき生成される,前記個人に関連した生体測定の特性および挙動測定のデータに関連した生体データを含む,請求項23に記載の通信デバイス。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は,
「 【請求項1】
通信デバイスを使用して,個人の同一性を安全に認証するための方法であって,
前記通信デバイスのユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するステップと,
前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して,前記定義されたパターン上の最初のポイントから前記定義されたパターン上の最後のポイントへと前記個人が前記定義されたパターンを連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るステップと,
前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定するステップと,
動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,ステップとを含む方法。
【請求項2】
前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき前記定義されたパターンを表示するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人が前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して辿るべき前記定義されたパターンを含んでいる認証テンプレートを用いて,前記個人に,前記個人によって実行される複数の動作を伴う入力を促すステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人に関連した動作ベースの挙動データベースに記憶される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,以前に前記個人が辿った,以前に辿られたパターンから取得される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲内にあるとき,前記個人の前記同一性を認証するステップをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記動作ベースの挙動データが前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲を越えているとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するステップと,
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データと同一であるとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するステップとをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人の前記同一性の以前の認証に関連した前記動作ベースの挙動データを含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記動作ベースの挙動データが前記個人の前記同一性の認証に関連しているとき,前記動作ベースの挙動データを,前記個人の前記同一性の前記以前の認証に関連付けられるように前記動作ベースの挙動データのデータベースに記憶するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記認証テンプレートが,前記個人が平面上で辿るための2次元パターンを含んでいる2次元テンプレートである請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記個人が前記2次元パターンを辿るために実行する前記複数の動作が,前記2次元パターンの高さおよび幅に関連した前記動作ベースの挙動データを生成する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記動作ベースの挙動データが,前記個人が前記定義されたパターンを辿るための前記複数の動作を実行するとき生成される,前記個人に関連した生体測定の特性および挙動測定のデータに関連した生体データを含む,請求項3に記載の方法。
【請求項13】
個人の同一性を安全に認証するための通信デバイスであって,
前記個人に対して前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するように構成されているユーザインターフェースと,
前記ユーザインターフェースを介して,前記個人から,前記定義されたパターンを最初のポイントから最後のポイントへ連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るように構成されたトランシーバと,
前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定して,
動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって前記個人の前記同一性を認証するように構成された比較モジュールであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,比較モジュールとを備える通信デバイス。
【請求項14】
前記ユーザインターフェースが,前記個人に対して,前記個人が辿るべき前記定義されたパターンを表示するようにさらに構成されている請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記個人が前記ユーザインターフェースを介して辿るべき前記定義されたパターンを含んでいる認証テンプレートを用いて,前記個人に,前記個人によって実行される複数の動作を伴う入力を促すように構成されている入力促進モジュールをさらに備える請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人に関連した動作ベースの挙動データのデータベースに記憶される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,以前に前記個人が辿った,以前に辿られたパターンから取得される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項18】
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲内にあるとき,前記個人の前記同一性を認証するように構成された認証モジュールをさらに備える請求項16に記載の通信デバイス。
【請求項19】
前記動作ベースの挙動データが前記以前に取得された動作ベースの挙動データの閾値の範囲を越えているとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否し,
前記動作ベースの挙動データが,前記以前に取得された動作ベースの挙動データと同一であるとき,前記個人の前記同一性の認証を拒否するように構成された拒否モジュールをさらに備える請求項17に記載の通信デバイス。
【請求項20】
前記以前に取得された動作ベースの挙動データが,前記個人の前記同一性の以前の認証に関連した前記動作ベースの挙動データを含む請求項19に記載の通信デバイス。
【請求項21】
前記動作ベースの挙動データが前記個人の前記同一性の認証に関連しているとき,前記動作ベースの挙動データを,前記個人の前記同一性の前記以前の認証に関連付けられるように前記動作ベースの挙動データのデータベースに記憶するように構成された記憶モジュールをさらに備える請求項20に記載の通信デバイス。
【請求項22】
前記認証テンプレートが,前記個人が平面上で辿るための2次元パターンを含んでいる2次元テンプレートである請求項15に記載の通信デバイス。
【請求項23】
前記個人が前記2次元パターンを辿るために実行する前記複数の動作が,前記2次元パターンの高さおよび幅に関連した前記動作ベースの挙動データを生成する請求項22に記載の通信デバイス。
【請求項24】
前記動作ベースの挙動データが,前記個人が前記定義されたパターンを辿るための前記複数の動作を実行するとき生成される,前記個人に関連した生体測定の特性および挙動測定のデータに関連した生体データを含む,請求項23に記載の通信デバイス。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。
2.補正の適否
本件手続補正は,補正前の請求項1に記載の,
「通信デバイスを使用して,個人が辿るパターンに基づき,前記個人の同一性を安全に認証する」,
を,
「通信デバイスを使用して,個人の同一性を安全に認証する」,
に,補正前の請求項1に記載の,
「前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を決定するステップであって,前記動作ベースの挙動データは,前記個人に固有の筋骨格系および神経系に関連したデータである,ステップと,
動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,ステップ」,
を,
「前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定するステップと,
動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,ステップ」,
に,補正前の請求項7に記載の,
「挙動データの前記閾値」,
を,
「挙動データの閾値」,
に,同じく,補正前の請求項7に記載の,
「ステップとをさらに含む請求項6」,
を,
「ステップとをさらに含む請求項3」,
に,
補正前の請求項13に記載の,
「個人が辿るパターンに基づいて前記個人の同一性を安全に認証する」,
を,
「個人の同一性を安全に認証する」,
に,同じく,補正前の請求項13に記載の,
「前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を決定して,
動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データ内の複数のデータの間の相互関係と比較することによって前記個人の前記同一性を認証するように構成された比較モジュールであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成され,前記動作ベースの挙動データは,前記個人に固有の筋骨格系および神経系に関連したデータである,比較モジュール」,
を,
「前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定して,
動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって前記個人の前記同一性を認証するように構成された比較モジュールであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,比較モジュール」,
と,それぞれ補正するものであって,上記引用の補正事項は,いずれも,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって,平成28年1月5日付けに提出された明細書,請求の範囲の日本語による翻訳文,及び,国際出願の願書に添付された図面に記載された事項の範囲内でなされたものであって,本件手続補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された全ての発明と,本件手続補正により補正された請求項に係る発明とが,発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものであるから,
本件手続補正は,特許法17条の2第3項~第5項の規定を満たすものである。
第3.原審における拒絶査定の理由
原審における平成30年2月22日付けの拒絶査定の理由は概略,この出願の請求項1,請求項4,請求項5,請求項13,及び,請求項16~請求項18に係る発明は,本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において,頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献(以下,これを,「引用文献」という)1に記載された発明であるから,特許法29条1項3号の規定により特許を受けることができないものであり,
この出願の請求項1~請求項24に係る発明は,引用文献1~引用文献5に記載された発明及び周知技術に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。
引用文献一覧;
1.特表2011-524592号公報(公表日;2011年9月1日)
2.米国特許出願公開第2008/0113791号明細書
(2008年5月15日公開)
3.特開2010-114725号公報(2010年5月20日公開)
4.特開2011-034497号公報(2011年2月17日公開)
5.欧州特許出願公開第2341465号明細書(2011年6月7日公開)
第4.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成30年7月5日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された,上記「第2.平成30年7月5日付けの手続補正の適否」の「1.補正の内容」において,補正後の請求項1として引用した,次のとおりのものである。
「通信デバイスを使用して,個人の同一性を安全に認証するための方法であって,
前記通信デバイスのユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するステップと,
前記通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して,前記定義されたパターン上の最初のポイントから前記定義されたパターン上の最後のポイントへと前記個人が前記定義されたパターンを連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るステップと,
前記定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定するステップと,
動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップであって,前記以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される,ステップとを含む方法。」
第5.引用文献に記載の事項及び発明
1.引用文献に記載の事項
(1)引用文献1には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。
A.「【請求項1】
アセットへのアクセスを制限するための方法であって,
ユーザからの入力されたグラフィカルパスコードをタッチ表面を介して受け取ることと,
前記入力されたグラフィカルパスコードの各タッチ表面タッチに関連する様々なパラメータ値を測定することであって,前記様々なパラメータが,時間,X軸位置,Y軸位置,圧力,速度,および接触面積のうちの1つまたは複数を含み,
前記測定されたパラメータ値をメモリに記憶されたパスコードテンプレートと比較することと,
前記入力されたグラフィカルパスコードの前記測定されたパラメータ値が前記パスコードテンプレートに実質的に一致する場合,前記アセットへのアクセスを許可することと
を備える,方法。」
B.「【0010】
本明細書で使用する「タッチスクリーン」は,関連するイメージディスプレイをもつタッチ入力デバイスである。本明細書で使用する「タッチパッド」は,関連するイメージディスプレイをもたないタッチ入力デバイスである。タッチパッドは,たとえば,イメージディスプレイエリアの外部にある,電子デバイスの任意の表面上に実装できる。タッチスクリーンおよびタッチパッドは,本明細書では総称的に「タッチ表面」と呼ぶ。タッチ表面は,タッチスクリーンディスプレイなど,電子デバイスの一体部分とするか,あるいはワイヤードまたはワイヤレスデータリンクによって電子デバイスに結合できる別個のモジュールとすることができる。
【0011】
本明細書で使用する「電子デバイス」または「携帯デバイス」という用語は,セルラー電話,個人情報端末(PDA),パームトップコンピュータ,ワイヤレス電子メール受信機およびセルラー受話器(たとえば,BlackBerry(登録商標)およびTreo(登録商標)デバイス),マルチメディアインターネット対応セルラー電話(たとえば,iPhone(登録商標)),およびプログラマブルプロセッサとメモリと接続型または一体型のタッチ表面とを含む同様のパーソナル電子デバイスのうちのいずれか1つまたはすべてを指す。本発明は,一体型のタッチ表面,あるいは,ワイヤードデータリンク(たとえば,USBもしくはFireWire(登録商標)データケーブル)またはワイヤレスデータリンク(たとえば,BlueTooth(登録商標)データリンク)などによって電子デバイスに接続可能であるタッチ表面のいずれかを有する任意のタイプの携帯用または非携帯用の電子デバイスに適用可能である。好ましい一実施形態では,電子デバイスはセルラー電話である。
【0012】
本明細書で使用する「アセット」は,電子デバイス,リモートコンピュータ,サーバ,ウェブサイト,ネットワーク,データベース,あるいは他の電子機器または情報アセットのいずれかを指す。
【0013】
本明細書で使用する「グラフィカルパスコード」は,ユーザの指またはスタイラスなどによってタッチ表面上に入力される図形,図,文字,または形状である。グラフィカルパスコードは,本質的に,圧力,速度および位置が変化する,タッチ表面上での一連のタッチ,スワイプおよび/またはタップである。グラフィカルパスコードは,電子デバイス,ネットワーク,ウェブサイトなどへのセキュアなアクセスを提供するためのパスワード,個人識別子,またはキーとして使用される。
【0014】
本明細書で使用する「圧力」は,単位面積当たりの力,ならびに加えられた総力を表すものとする。
【0015】
本明細書で使用する「認証」は,入力されたグラフィカルパスコードが,記憶されたまたは知られているグラフィカルパスコードに一致するかどうかを判断するプロセスを表す。一般に,認証は,入力されたグラフィカルパスコードの特徴をメモリに記憶されたグラフィカルパスコードの対応する特徴と比較することによって実行される。
【0016】
本明細書で使用する「エンベロープ」は,グラフィカルパスコードにおける固有のばらつきを明らかにする,そのようなパスコード内のパラメータの範囲を指す。パラメータは,たとえば,圧力,力,速度,X軸位置,Y軸位置,または線の太さ(すなわち,接触面積)とすることができる。パラメータは,グラフィカルパスコード認証に使用されるタッチ表面上の時間に対して,または位置に対して,エンベロープ処理できる。認証のためには,グラフィカルパスコードはエンベロープの一部分を占有しなければならない。
【0017】
様々な実施形態は,認証証明としてタッチ表面を介して入力されたグラフィカルパスコードを使用して電子デバイスに対してユーザを認証するための方法およびシステムを提供する。動作中,ユーザは,短い時間期間内に一連の移動およびタッチにおいてタッチ表面に接触することによってグラフィカルパスコードを作成する。一連の移動およびタッチは,初期化手順中にタッチ表面上で記録される。移動,圧力および相対的タイミングのばらつきを記録するために,グラフィカルパスコードの移動およびタッチを数回繰り返すように,ユーザに要求することができる。そのようなばらつきを使用して,グラフィカルパスコードの境界またはエンベロープを画定することができる。初期化手順中に作成されたグラフィカルパスコードは,すべての後で入力されたグラフィカルパスコードと比較すべきテンプレートグラフィカルパスコードと見なすことができる。テンプレートグラフィカルパスコードと後で入力されたグラフィカルパスコードの両方を備える移動は,圧力,速度,位置および/または線の太さに関して異なることがある。圧力,速度,位置および/または線の太さのばらつきを含む,初期化手順中に作成されたグラフィカルパスコードは,不揮発性メモリに記憶される。テンプレートグラフィカルパスコードが記憶されると,後で入力されたグラフィカルパスコードをテンプレートグラフィカルパスコードに対して認証することができ,その後,電子デバイスへのアクセスが許可される。
【0018】
様々な実施形態では,テンプレートグラフィカルパスコードが入力されたとき,入力されたテンプレートグラフィカルパスコードの1つまたは複数の測定可能なパラメータ(たとえば,タイミング,速度,圧力,力,線の太さ,接触面積,または場所)がタッチ表面によって測定される。測定されたパラメータは,タッチ表面上に時間および/または位置の関数としてプロットできる。代替的に,測定されたパラメータは,測定された各パラメータが相対時間値(たとえば,パスコードの開始以降の時間)および/またはタッチスクリーン上のX-Y座標などの位置座標と相関された,データベースとしてフォーマッティングできる。これらの測定されたパラメータおよびプロットまたは相関データセットは,テンプレートグラフィカルパスコードファイルの一部として記憶できる。その後,あるグラフィカルパスコードが入力されると,同じパラメータが測定され,時間および/または位置の関数としてプロットされ,テンプレートグラフィカルパスコードのプロットと比較される。代替的に,後続のグラフィカルパスコードがデータセットに変換され,そのデータセットが,記憶されているデータセットと比較される。後で入力されたグラフィカルパスコードが認証されるためには,測定されたパラメータの値が各時間増分および/または位置の範囲または許容差内に入らなければならない。言い換えれば,パラメータプロットは,エンベロープまたは許容差内のテンプレートグラフィカルパスコードのパラメータプロットに一致しなければならない。」
C.「【0034】
代替実施形態では,電子デバイス70は,グラフィカルパスコードの始点または終点をユーザに与えることができる。たとえば,電子デバイス70は,グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示することができる。テンプレートグラフィカルパスコードデータが測定された圧力のプロットを含み,および/または速度が位置に対してプロットされる実施形態において,これは,認証失敗率を減少させるのに役立ち,ユーザがグラフィカルパスコードをより正確に描画するのを助けることができる。グラフィカルパスコードの入力をどこで開始しまたは終了すべきかをユーザに示すことによって,ユーザは高められた認証率を有することができる。」
D.「【0039】
図5に,電子デバイスにアクセスできるようになるためにグラフィカルパスコードを使用するための実施方法のステップのプロセスフローを示す。図5に示す実施形態では,ステップ202において,ユーザは,グラフィカルパスコードセキュリティシステムを使用する電子デバイス70へのアクセスを要求する。ステップ203において,電子デバイス7は,プロセッサ71およびディスプレイ40を介して,認証証明として使用されているグラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促す。ステップ204において,ユーザはグラフィカルパスコードを入力し,プロセッサ71がその入力されたグラフィカルパスコードをタッチ表面40を介して受け取る。ステップ205において,タッチ表面上にパスコードが描かれているとき,プロセッサ71は,入力されたグラフィカルパスコードの様々な特性パラメータ(たとえば,圧力,力,速度,XまたはY座標データ)を測定し,その測定されたパラメータ値をメモリバッファに記憶する。特性パラメータ値の測定は,相関データセットなど,テーブルに記憶された未加工パラメータデータの測定を備えることができる。代替的に,パラメータ値対場所または時間の様々なプロットを生成し,バッファに記憶できる。測定されたパラメータ値がバッファに記憶された後,ステップ206において,グラフィカルパスコードテンプレートの異なるパラメータの各々について許容パラメータ値の様々なエンベロープとともにパスコードテンプレートをメモリから取り出すことができる。それぞれの取り出されたパラメータエンベロープの各々は,パスコード中のそれぞれの測定されたパラメータについて各時間および/または位置増分の許容値の範囲を画定する。ステップ207において,入力されたグラフィカルパスコードの測定されたパラメータ値の各々を,パスコードテンプレートのそれぞれの取り出されたパラメータエンベロープと比較し,判定208において,入力されたグラフィカルパスコードがパスコードテンプレートの許容範囲内に入るかどうかに関する判断を行う。バッファに記憶されたそれぞれの測定されたパラメータ値の各々が,それぞれのエンベロープの許容値の範囲内にある場合(すなわち,判定208=「Yes」),ステップ209において電子デバイス70へのアクセスを許可する。バッファに記憶されたそれぞれの測定されたパラメータ値のいずれかのまたは何らかの部分が,パスコードテンプレートのそれぞれのエンベロープの許容値の範囲内にない場合(すなわち,判定208=「No」),ステップ210において電子デバイス70へのアクセスを拒否する。電子デバイス70へのアクセスが拒否された場合,随意に,ステップ203においてグラフィカルパスコードを再入力するようにユーザに促して,ステップ203~210を繰り返すことができる。」
E.「【0055】
グラフィカルパスコードのエントリからのすべての測定されたパラメータは,図11に示すようなデータテーブルフォーマットを使用するなどによって,単一の相関データセットに記憶できる。この例示的なデータ構造では,ミリ秒単位で測定されるパスコードエントリの開始以来の相対時間が,X軸位置,Y軸位置,圧力および速度を記録しているデータフィールドを含むデータレコードをインデックス付けするための独立キーとして使用される。他のパラメータを記憶し,異なるデータ構造または編成を使用することができる。図11が明らかにしているように,時間または任意のインデックスを使用して,すべての測定されたパラメータは,電子デバイスのメモリ内にコンパクトなフォーマットで記憶できる。これと同様のデータ構造を使用して,トレーニングセッション中に複数のパスコードエントリをメモリに記憶し,その後,得られたパスコードテンプレートとして同様のデータテーブルに記憶された平均のおよび許容トレランス値などの結果を用いた統計的処理のために個々のパラメータ記録を呼び戻すことができる。これと同様のデータ構造を使用して,後で入力されたグラフィカルパスコードを記憶し,次いで単純なテーブルルックアップルーチンを使用してパスコードテンプレートと比較することができる。」
F.「
」
(2)引用文献2には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。
G.「[0007] Broadly speaking, the invention relates to authentication techniques for authenticating one or more entities associated with a computing environment. In accordance with one aspect of the invention, authentication can be performed based on one or more attributes associated with an image effectively provided for authenticating one or more entities associated with a computing environment. It will be appreciated that the one or more attributes associated with the image can include at least one attribute associated with the manner the image has been created and/or traced. In one embodiment, a person initially registers with an authentication system by creating and/or tracing an image. For example, the authentication system can effectively measure one or more attributes associated with the manner in which a person creates and/or traces an image (e.g., measure the pressure, velocity and/or acceleration as a picture and/or text is drawn, written and/or traced). Those skilled in the art will appreciate that the attributes associated with the image can be stored and used for subsequent authentication of the person. For example, the person who has registered with the authentication system can be provided with the same, similar and/or completely different image for authentication. In one embodiment, the authentication system effectively measures one or more attributes associated with the manner the second image has been created and/or traced. The attributes can, for example, be compared with the attributes initially obtained in order to authenticate the user (e.g., a person can be authenticated by determining whether the difference between the measured values is within an acceptable rage(当審注;“range”の誤記)).」
([0007] 大まかに言って,この発明は,計算環境に関連する,1以上のエンティティの認証を行うための,認証技術に関連している。この発明の1つの側面に従い,認証は,計算環境に関連する,1以上のエンティティの認証を行うために効果的に備えられた画像に関連する,1以上の特性に基づいて行われ得る。画像に関連する1以上の特性は,画像が生成された,及び/または,トレースされた方法に関連する,少なくとも1つの特性を含み得ることが,理解されるであろう。1実施例において,人は,最初に,画像を生成,及び/または,トレースすることで,認証システムに登録する。例えば,認証システムは,人が,画像を生成,及び/または,トレースする方法に関連する,1以上の特性を,効率的に測定(例えば,絵や,テキストが描かれる,記載される,及び/または,トレースされる際の,圧力,速度,及び/または,加速度を測定)し得る。当業者は,画像に関連する特性が,次の,人の認証のために,格納され,用いられ得ることを理解するであろう。例えば,認証システムに登録された人は,認証のために,同じ,類似,及び/または,完全に異なる画像を用いられ得る。1実施例において,認証システムは,第2の画像が,生成,及び/または,トレースされた方法に関する特性を,効率良く測定する。その特性は,例えば,ユーザを認証するために,最初に取得された特性と比較され得る(例えば,人は,測定された値との間の相違が,許容範囲内であるかどうかを決定することで,認証され得る。)<当審にて訳出。以下,同じ。>)
H.「[0081] FIG.6B depicts exemplary images that can be displayed for authentication of a person. Initially, the person can select an image (6B(1)) as a security code. Next, the user is effectively prompted to trace along the outside edge of the selected image so that one or more attributes associated with the manner the image is traced can be measured and stored for subsequent authentication of the user. If the correct image is selected, then it is determined that the user retrace the outside edge of the image as was done earlier 6B(4).
[0082] Those skilled will appreciate that the manner in which said at least one image has been created and/or traced can, for example, be one or more of the following: a velocity and/or speed associated with creating and/or tracing said at least one image, an acceleration associated with creating and/or tracing said at least one image, time taken to create and/or trace said at least one image, pressure associated with creating and/or tracing said at least one image, and shape, size, length and/or thickness associated with one or more components of said at least one image. Generally, one or more attribute values for one or more attributes associated with an image and/or input provided in connection with the image can be determined. Examples of various entities that can be associated with a gaming environment include: active players, passive players, administrators and/or supervisors, dealers and/or hosts, and observers.」
([0081] 図6Bは,人の認証のために表示され得る,例となる画像を描写する。最初に,人は,セキュリティ・コードとしての画像(6B(1))を選択し得る。次に,ユーザは,引き続くユーザの認証のために,画像がトレースされた方法に関連する1以上の特性が,測定され,格納される得るように,選択された画像の外縁に沿ってトレースすることを,効果的に促される。もし,正しい画像が選択されれば,次に,ユーザが,以前に行われたように,画像のエッジの外縁を再トレースすることが決定される。
[0082] 当業者は,前記少なくとも1つの画像が作成され,及び/又はトレースされた方法は,例えば,以下の内の1つ以上であり得ることを理解するであろう:前記少なくとも1つの画像が,生成,及び/または,トレースされる事に関連する,速度,及び/または,早さ,前記少なくとも1つの画像が,生成,及び/または,トレースされる事に関連する,加速度,前記少なくとも1つの画像が,生成,及び/または,トレースされるのに使われる時間,前記少なくとも1つの画像が,生成,及び/または,トレースされる事に関連する圧力,前記少なくとも1つの画像の1以上の構成要素に関連する,輪郭,大きさ,長さ,及び/または,厚さ。通常,画像,及び/または,その画像に関連して提供された入力に関連した,1以上の属性のための,1以上の属性値を決定することができる。ゲーム環境に関連し得る,様々なエンティティの例を含む:能動的プレーヤ,受動的プレーヤ,管理者,及び/または,スーパーバイザ,ディーラ,及び/または,ホスト,および,オブザーバ。)
I.「
」
2.引用文献1に記載の発明
(1)上記Bの「タッチパッドは,たとえば,イメージディスプレイエリアの外部にある,電子デバイスの任意の表面上に実装できる。タッチスクリーンおよびタッチパッドは,本明細書では総称的に「タッチ表面」と呼ぶ。タッチ表面は,タッチスクリーンディスプレイなど,電子デバイスの一体部分とするか,あるいはワイヤードまたはワイヤレスデータリンクによって電子デバイスに結合できる別個のモジュールとすることができる」という記載,同じく,上記Bの「本発明は,一体型のタッチ表面,あるいは,ワイヤードデータリンク(たとえば,USBもしくはFireWire(登録商標)データケーブル)またはワイヤレスデータリンク(たとえば,BlueTooth(登録商標)データリンク)などによって電子デバイスに接続可能であるタッチ表面のいずれかを有する任意のタイプの携帯用または非携帯用の電子デバイスに適用可能である」という記載,同じく,上記Bの「グラフィカルパスコードは,電子デバイス,ネットワーク,ウェブサイトなどへのセキュアなアクセスを提供するためのパスワード,個人識別子,またはキーとして使用される」という記載,及び,同じく,上記Bの「様々な実施形態は,認証証明としてタッチ表面を介して入力されたグラフィカルパスコードを使用して電子デバイスに対してユーザを認証するための方法およびシステムを提供する」という記載から,引用文献1には,
“電子デバイスのタッチスクリーンを使用して,前記電子デバイスに対してユーザを認証するための方法”が記載されていることが読み取れる。
(2)上記Cの「電子デバイス70は,グラフィカルパスコードの始点または終点をユーザに与えることができる。たとえば,電子デバイス70は,グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示することができる」という記載,及び,上記Dの「電子デバイス7は,プロセッサ71およびディスプレイ40を介して,認証証明として使用されているグラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促す」という記載と,上記(1)において検討した事項から,引用文献1においては,
“電子デバイスは,タッチスクリーンを介して,グラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促し,前記タッチスクリーンに,グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示するステップ”を有するものであることが読み取れる。
(3)上記(2)において引用した上記Cの記載,同じく,上記Cの「ユーザがグラフィカルパスコードをより正確に描画するのを助けることができる。グラフィカルパスコードの入力をどこで開始しまたは終了すべきかをユーザに示す」という記載,上記Dの「ユーザはグラフィカルパスコードを入力し,プロセッサ71がその入力されたグラフィカルパスコードをタッチ表面40を介して受け取る。ステップ205において,タッチ表面上にパスコードが描かれているとき,プロセッサ71は,入力されたグラフィカルパスコードの様々な特性パラメータ(たとえば,圧力,力,速度,XまたはY座標データ)を測定し,その測定されたパラメータ値をメモリバッファに記憶する」という記載と,上記(2)において検討した事項から,引用文献1においては,
“電子デバイスのタッチスクリーンを介して,ユーザが前記タッチスクリーンに表示されたターゲット記号にしたがって描くグラフィカルパスコードを受け取るステップ”が示されることが読み取れる。
(4)上記Bの「本明細書で使用する「グラフィカルパスコード」は,ユーザの指またはスタイラスなどによってタッチ表面上に入力される図形,図,文字,または形状である。グラフィカルパスコードは,本質的に,圧力,速度および位置が変化する,タッチ表面上での一連のタッチ,スワイプおよび/またはタップである」という記載から,引用文献1において,
“入力されるグラフィカルパスコードは,速度および位置が変化する”ものあること,
同じく,上記Bの「測定されたパラメータは,タッチ表面上に時間および/または位置の関数としてプロットできる。代替的に,測定されたパラメータは,測定された各パラメータが相対時間値(たとえば,パスコードの開始以降の時間)および/またはタッチスクリーン上のX-Y座標などの位置座標と相関された,データベースとしてフォーマッティングできる。これらの測定されたパラメータおよびプロットまたは相関データセットは,テンプレートグラフィカルパスコードファイルの一部として記憶できる。その後,あるグラフィカルパスコードが入力されると,同じパラメータが測定され」という記載から,引用文献1において,“テンプレートグラフィカルパスコードは,タッチスクリーン上に時間および位置の関数としてプロットできる態様を含む”ものであることと,
上記(3)に引用した上記Dの記載,及び,同じく,上記Dの「特性パラメータ値の測定は,相関データセットなど,テーブルに記憶された未加工パラメータデータの測定を備えることができる。代替的に,パラメータ値対場所または時間の様々なプロットを生成し,バッファに記憶できる」という記載,及び,上記において「テンプレートグラフィカルパスコード」に関して検討した事項と,上記Fに引用した【図11】に開示されている,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係を示す表から,引用文献1においては,
“グラフィカルパスコードとして,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係が記憶されるステップ”が存在することが読み取れる。
(5)上記Aの「測定されたパラメータ値をメモリに記憶されたパスコードテンプレートと比較する」という記載,同じく,上記Aの「入力されたグラフィカルパスコードの前記測定されたパラメータ値が前記パスコードテンプレートに実質的に一致する場合,前記アセットへのアクセスを許可する」という記載,上記Bの「本明細書で使用する「認証」は,入力されたグラフィカルパスコードが,記憶されたまたは知られているグラフィカルパスコードに一致するかどうかを判断するプロセスを表す。一般に,認証は,入力されたグラフィカルパスコードの特徴をメモリに記憶されたグラフィカルパスコードの対応する特徴と比較することによって実行される」という記載,上記(4)に引用された上記Bの記載内容,上記Bの「時間および/または位置の関数としてプロットされ,テンプレートグラフィカルパスコードのプロットと比較される。代替的に,後続のグラフィカルパスコードがデータセットに変換され,そのデータセットが,記憶されているデータセットと比較される」という記載,上記Dの「ステップ207において,入力されたグラフィカルパスコードの測定されたパラメータ値の各々を,パスコードテンプレートのそれぞれの取り出されたパラメータエンベロープと比較し,判定208において,入力されたグラフィカルパスコードがパスコードテンプレートの許容範囲内に入るかどうかに関する判断を行う。バッファに記憶されたそれぞれの測定されたパラメータ値の各々が,それぞれのエンベロープの許容値の範囲内にある場合(すなわち,判定208=「Yes」),ステップ209において電子デバイス70へのアクセスを許可する」という記載と上記(1)~上記(3),において検討した事項から,引用文献1においては,
“入力されたグラフィカルパスコードを,メモリに記憶されたテンプレートグラフィカルパスコードと比較することで,ユーザの認証を行うステップ”が存在することが読み取れる。
(6)上記Bの「動作中,ユーザは,短い時間期間内に一連の移動およびタッチにおいてタッチ表面に接触することによってグラフィカルパスコードを作成する」という記載,及び,上記Bの「初期化手順中に作成されたグラフィカルパスコードは,すべての後で入力されたグラフィカルパスコードと比較すべきテンプレートグラフィカルパスコードと見なすことができる」という記載から,引用文献1においては,
“テンプレートグラフィカルパスコードは,ユーザによって初期化手順中に作成される”ものであることが読み取れる。
(7)以上,上記(1)~上記(6)において検討した事項から,引用文献1には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。
「電子デバイスのタッチスクリーンを使用して,前記電子デバイスに対してユーザを認証するための方法であって,
前記電子デバイスは,前記タッチスクリーンを介して,グラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促し,前記タッチスクリーンに,前記グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示するステップと,
前記電子デバイスの前記タッチスクリーンを介して,ユーザが前記タッチスクリーンに表示された前記ターゲット記号にしたがって描くグラフィカルパスコードを受け取るステップと,
前記グラフィカルパスコードとして,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係が記憶されるステップと,
入力された前記グラフィカルパスコードを,メモリに記憶されたテンプレートグラフィカルパスコードと比較することで,ユーザの認証を行うステップとを有し,
前記テンプレートグラフィカルパスコードは,前記ユーザによって初期化手順中に作成される,方法。」
第6.本願発明と引用発明との対比及び判断
1.引用発明における「電子デバイス」,「タッチスクリーン」,「ユーザ」,「テンプレートグラフィカルパスコード」が,
本願発明における「通信デバイス」,「ユーザインタフェース」,「個人」,「定義されたパターン」に相当する。
2.引用発明において,「ユーザを認証する」と言うことは,「ユーザ」の同一性を認証することにほかならず,以下において検討するように,引用発明における認証の操作と,本願発明における認証の操作とは,ほぼ同等であるので,引用発明における認証の操作も,本願発明と同じく,「ユーザの認証」を「安全」に行い得るものであることは,明らかであるから,
引用発明における「電子デバイスのタッチスクリーンを使用して,前記電子デバイスに対してユーザを認証するための方法」が,
本願発明における「通信デバイスを使用して,個人の同一性を安全に認証するための方法」に相当する。
3.引用発明において,「電子デバイス」が,「タッチスクリーンを介して,グラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促し,前記タッチスクリーンに,前記グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示する」ということは,「電子デバイス」が,「ユーザ」の入力すべき「グラフィカルパスコード」を特定し,当該「グラフィカルパスコード」の入力のガイドとなるよう「ターゲット記号を表示する」ことにほかならず,当該「ターゲット記号」は,「ユーザ」の入力すべき「グラフィカルパスコード」の形状に応じて,その「開始位置または終了位置」が定まると解されるので,
引用発明においては,“電子デバイスは,タッチスクリーンを介して,ユーザが入力すべきグラフィカルパスコードを特定している”といえる。
そうすると,引用発明における「電子デバイスは,前記タッチスクリーンを介して,グラフィカルパスコードを入力するようにユーザに促し,前記タッチスクリーンに,前記グラフィカルパスコードの開始位置または終了位置に「×」またはターゲット記号を表示するステップ」が,
本願発明における「通信デバイスのユーザインターフェースによって,前記個人に対する,前記個人が辿るべき定義されたパターンを識別するステップ」に相当する。
4.引用発明において,「電子デバイスの前記タッチスクリーンを介して,ユーザが前記タッチスクリーンに表示された前記ターケット記号にしたがって描くグラフィカルパスコードを受け取る」ことは,当該「ターゲット記号」が,当該「グラフィカルパスコード」の「開始位置」を表示する態様を含むものであることから,当該「グラフィカルパスコード」の描画の開始から終了までを受け取る態様を含むことは明らかである。
そうすると,引用発明における「電子デバイスの前記タッチスクリーンを介して,ユーザが前記タッチスクリーンに表示された前記ターケット記号にしたがって描くグラフィカルパスコードを受け取るステップ」が,
本願発明における「通信デバイスの前記ユーザインターフェースを介して,前記定義されたパターン上の最初のポイントから前記定義されたパターン上の最後のポイントへと前記個人が前記定義されたパターンを連続的に辿ることによって生成されるトレースパターンを受け取るステップ」に相当する。
5.引用発明において,「グラフィカルパスコードとして,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係が記憶される」ことは,「電子デバイス」が,「タッチスクリーン」を介して受け取った「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係が,「グラフィカルパスコード」として,決定されて記憶されることに他ならないので,
引用発明においても,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の相互の関係が決定される態様を有するものである。
そうすると,引用発明における「グラフィカルパスコードとして,「時間(ms)」,「x軸位置」,「y軸位置」,及び,「速度(nm/s)」の関係が記憶されるステップ」が,
本願発明における「定義されたパターンを連続的に辿る時に前記個人によって生成される動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係を決定するステップ」に相当する。
6.上記5.において検討したとおり,引用発明における「グラフィカルパスコード」とは,複数のパラメータから構成されたものであるから,
引用発明における「ユーザ」が「タッチスクリーン」を介して入力する「グラフィカルパスコード」が,
本願発明における「動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係」に相当し,上記1.で指摘したように,引用発明における「デンプレートグラフィカルパスコード」は,本願発明における「定義されたパターン」に相当すると共に,本願発明における「以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係」に相当するともいえるので,
引用発明における「入力された前記グラフィカルパスコードを,メモリに記憶されたテンプレートグラフィカルパスコードと比較することで,ユーザの認証を行うステップ」が,
本願発明における「動作ベースの挙動データの前記速度および前記座標の間の相互関係を,以前に取得された動作ベースの挙動データの速度および座標の間の相互関係と比較することによって,前記個人の前記同一性を認証するステップ」に相当する。
7.引用発明において,「テンプレートグラフィカルパスコード」は,「ユーザ」が,「電子デバイス」に促されて,「タッチスクリーン」を介して「グラフィカルパスコード」を入力する以前の,「初期化手順中」に,「タッチスクリーン」を介して,「電子デバイス」に,「グラフィカルパスコード」を入力することで設定されるものであるから,
引用発明における「テンプレートグラフィカルパスコードは,前記ユーザによって初期化手順中に作成される」が,
本願発明における「以前に取得された動作ベースの挙動データは,前記定義されたパターンの以前のトレースを完成した時に前記個人によって生成される」に相当する。
8.以上,上記1.~7.において検討したとおりであるから,本願発明と,引用発明との間に相違点はない。
9.なお,上記3.において検討した事項について,上記3.において指摘した本願発明の「個人が辿るべき定義されたパターン」という構成について,本願明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】に,
「個人は,自分の同一性が認証されるように,ユーザインターフェース140によって,パターン上に定義された」,
という記載における「ユーザインターフェース140によって,パターン上に定義された」を,
“ユーザインターフェース140によって,パターン上に表示された”
と解釈したとしても,
引用文献2には,上記G~上記Iに引用したとおり,「ユーザ」に「トレース」すべき「画像」を選択させることで,当該「トレース」すべき「画像」を識別し,当該識別した「画像」を「表示」して,当該「ユーザ」に,当該「画像」の外縁を「トレース」される態様が開示されており,引用発明も,引用文献2に記載の技術も共に,表示画面上をなぞった軌跡を,保存した情報と比較することで認証を行う技術である点で共通しているので,
引用発明において,上記3.において指摘した構成について,引用文献2に記載の技術を採用することは,当業者が適宜なし得る事項である。
そして,そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば当然に予測可能なものに過ぎず格別なものとは認められない。
第7.むすび
したがって,本願発明は,引用文献1に記載された発明であるから,特許法29条1項3号の規定により,特許を受けることができない。
本願発明を,本願明細書の発明の詳細な説明に記載の構成に限定解釈したとしても,
本願発明は,引用発明及び引用文献2に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
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2018-009303