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商標拒絶査定不服審判

2018-008622

カーブ

審判番号
2018-008622
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2017-005951
請求日
2018年06月25日
審決日
2018年11月27日
公報発行日
2019年04月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ズーム・ティー
  • 【請求人代理人】早津 貴久
審判長/審判官
  • 審判長 薩摩 純一
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 須田 亮一
分類
T18 .261-Z (W10) / T18 .262-Z (W10) / T18 .263-Z (W10) / T18 .264-Z (W10)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第50条、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

商願2017-5951拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

【理 由】 1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第10類「ほ乳瓶保管用容器,ほ乳瓶ケース,ほ乳瓶保温ケース,ほ乳瓶用保温ケース,ほ乳瓶ホルダー,ほ乳瓶及び乳首の消毒用ケース,哺乳びん消毒ケース・袋」を指定商品として,平成29年1月24日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第5383543号(以下「引用商標」という。)は,「カーブ」の文字を標準文字で表してなり,平成22年8月18日に登録出願,第21類「デンタルフロス,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具」を指定商品として,同23年1月14日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審における証拠調べ 本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中「デンタルフロス」が同一の店舗で販売されている別掲2の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,平成30年9月3日付けで証拠調べ通知書を通知し,相当の期間を指定して,意見を述べる機会を与えた。 4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見 指摘の販売例には,本願商標に係る商品は一件も挙げられていないため,本件に係る個別具体的な判断は出来ず,逆に,本件に係る商品が同一の店舗では販売されていないという証左であるとも言える状況である。 また,たとえ商標が近似する場合でも,ウェブサイト上の店舗においては,対象商品について,商標のみならず,商品画像,商品名,メーカー名,商品説明など様々な情報が一画面に表示されることから,商品の出所混同が生じることは現実的にはあり得ない。 他方,改めて確認及び調査を行ったところ,引用商標「カーブ」は,商品「歯間ブラシ」のみに使用されていて,指定商品中の「デンタルフロス」には使用されていないため,本来的に商標法第50条の商標登録の取消しの審判によって取り消されるべきものであることが判明した。 このように,類似するとされる引用商標に係る商品はそもそも市場に存在しないことから,実際の取引において商品の出所混同が生じるおそれは皆無である。 以上より,本願商標に係る商品と引用商標に係る商品とは出所の混同が生じるおそれは全く無く,この商標登録出願に係る商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 5 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,別掲1のとおり,語頭の「C」の文字を大文字にし,その他の文字を小文字で書した「Curve」の欧文字をアーチ状に横書きし,その下方に「Curve」の文字よりも小さな文字で,「ブ」の濁音を四芒星図形で表した「カーブ」の片仮名を配し,該欧文字と該片仮名文字の間に,左右に向かって太くなる中央部がやや隆起した緩やかな曲線図形(以下,「曲線図形部分」という。)を配し,かつ,右側下部に哺乳瓶と思しき図形(以下,「哺乳瓶図形部分」という。)を配してなるところ,その構成中「Curve」の文字は「曲線」等の意味を有する英語(ランダムハウス英和大辞典 第2版 小学館)として広く知られているものである。 そして,本願商標は,その構成中,「Curve」の文字部分が,大きく目立つように表されており,その下の「カーブ」の片仮名は,「Curve」の文字部分の読みを表すものであることが明らかである。 また,曲線図形部分は,格別特異な形状ではなく,むしろ「Curve」の文字部分を強調するアンダーラインとして認識されるものである。 さらに,哺乳瓶図形部分は,他の部分と間に観念的な繋がりがあるとはいえず,該図形部分と他の部分とが常に一体のものとして把握しなければならない事情は見出せない。 そうすると,本願商標は,「Curve」の文字部分と哺乳瓶図形部分とが,それぞれ独立して他商品識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当であるから,本願商標は,その構成中の「Curve」の文字部分をも要部として抽出することが許されるものである。 したがって,本願商標は,その構成中の「Curve」の文字部分(以下,「本願商標要部」という。)から「カーブ」の称呼を生じ,「曲線」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は,「カーブ」の文字からなるところ,該文字は「曲線」等の意味を有する語(広辞苑 第6版 岩波書店)として広く知られているものであることから,引用商標はその構成文字に相応して,「カーブ」の称呼を生じ,「曲線」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標要部と引用商標とを比較すると,外観については,構成文字及び文字種の違いがあり相違するものの,称呼及び観念については,本願商標要部及び引用商標は,「カーブ」の称呼及び「曲線」の観念を共通にするものである。 したがって,本願商標と引用商標とは,外観において相違するものの,本願商標要部及び引用商標から生じる称呼及び観念を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本願商標の指定商品「ほ乳瓶保管用容器,ほ乳瓶ケース,ほ乳瓶保温ケース,ほ乳瓶用保温ケース,ほ乳瓶ホルダー,ほ乳瓶及び乳首の消毒用ケース,哺乳びん消毒ケース・袋」(以下,「本願指定商品」という。)は,乳児の体の衛生や調子を保ち健康に育てるための商品の一つである「ほ乳瓶」を衛生的に保管あるいは持ち運びするための商品であって一般家庭で使用される衛生用品の一つである。 他方,引用商標の指定商品中,第21類「デンタルフロス」は,歯間掃除用の糸であり,一般家庭で使用される衛生用品の一つである。 また,例えば別掲2の1(3)や4(5)のように「デンタルフロス」には,乳幼児用に特化した商品もあり,本願指定商品とともに同一の店舗で販売されているものも少なくないことから,両商品の需要者の範囲は,共通するものである。 このような取引の実情に徴すれば,同一又は類似の商標である本願商標と引用商標が前記それぞれの指定商品について使用された場合には,これに接する需要者,取引者は商品の出所について,誤認,混同を生ずるおそれが少なからずあるものといわざるを得ない。 そうすると,本願指定商品と,引用商標の指定商品中,第21類「デンタルフロス」とは,ともに衛生用品であり,その販売部門及び需要者の範囲を同じくする類似の商品と判断するのが相当である。 (5)小括 以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似の商標であって,かつ,その指定商品は,引用商標の指定商品と類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張について ア 請求人は,「本願商標は,『Curve』の英文字の下方に『カーブ』の片仮名文字を配し,当該英文字と片仮名文字の中間に,左右に向かって太くなる中央部がやや隆起した緩やかな曲線図形を配し,かつ,右側下部に哺乳瓶の図形を配して成る一方,引用商標は,『カーブ』の標準文字から成る。かかる構成より,両商標は,称呼,観念の点で共通するものの,外観は大きく異なる。」旨主張している。 しかしながら,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名,片仮名及びローマ字等相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があって,これより,商標より生ずる称呼及び観念において記憶し,これを頼りに取引に当たることがすくなくないというのが相当であることから,両商標の外観の差異が,称呼及び観念の一致を凌駕するほどに看者の印象に強く残るとはいえない。 したがって,両商標は,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。 イ 請求人は,「『デンタルフロス』については,医療等の現場や人に対する健康の保持を目的に使用するものであるが,『ほ乳瓶保管用容器,ほ乳瓶ケース,ほ乳瓶保温ケース,ほ乳瓶用保温ケース,ほ乳瓶ホルダー,ほ乳瓶及び乳首の消毒用ケース,哺乳びん消毒ケース・袋』は,哺乳瓶を安全・清潔に保管することを目的に使用するものであり,『デンタルフロス』の目的・用途とは大きく異なる。」旨主張している。 しかしながら,前記(4)のとおり,本願指定商品と「デンタルフロス」は,共に一般家庭でも使用される衛生用品の一つであり,「デンタルフロス」には,乳幼児に特化したものも使用されている実情があるから,その目的,用途は共通であると判断するのが相当である。 ウ 請求人は,「販売場所に関しては,『デンタルフロス』については,ドラッグストア等の日用・雑貨売り場が主な販売場所と言えるが,本願商標の使用商品である『ドクターベッタ哺乳びん専用ケース』については,直営店や直営ネット通販の他,例えば以下のような高級百貨店などが販売場所となる。各販売場所に係る画像から明らかなとおり,本願商標の使用商品である『ドクターベッタ哺乳びん専用ケース』は,高級哺乳瓶ブランドである“Betta\ベッタ”関連商品の専用の売り場,または,ベビー用品の専用売り場において販売されており,ドラッグストア等の日用・雑貨売り場では販売されていない。」また,「証拠調べ通知において,指摘の販売例には本願商標に係る商品は一件も挙げられていないため,本件に係る個別具体的な判断は出来ず,逆に,本件に係る商品が同一の店舗では販売されていないという証左であるとも言える。」旨主張している。 しかしながら,請求人の主張は,請求人が現在使用している限定された商品,限定された業態における事情を述べるものであるところ,商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は,当該商標が現に,当該指定商品に使用されている特殊的,限定的な実情に限定して理解されるべきではなく,当該指定商品についてのより一般的,恒常的な実情を指すものである(昭和47年(行ツ)第33号 昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決)と解されるところ,申立人の主張に係る取引の実情は,商標の類否判断に考慮すべき一般的,恒常的な実情ということはできないから,本件商標の上記判断が左右されるものではない。 また,別掲2には,例えば1(2)のように,「ドクターベッタ 哺乳びん専用ポーチ」など,請求人のいう「“Betta\ベッタ”関連商品」が販売されている事実も含まれている。 エ 請求人は,「たとえ商標が近似する場合でも,ウェブサイト上の店舗においては,対象商品について,商標のみならず,商品画像,商品名,メーカー名,商品説明など様々な情報が一画面に表示されることから,商品の出所混同が生じることは現実的にはあり得ない。」旨主張している, しかしながら,商標法第4条第1項第11号は,先願に係る他人の登録商標と同一又は類似する商標であって,その登録に係る指定商品若しくは指定役務と同一又は類似する商品若しくは役務について使用するものの登録を認めないとするものであるところ,商品画像等の情報は,商標の比較において考慮する要件ではない。 オ 請求人は,「引用商標『カーブ』は,商品『歯間ブラシ』のみに使用されていて,指定商品中の『デンタルフロス』には使用されていないため,本来的に商標法第50条の商標登録の取消しの審判によって取り消されるべきものであることが判明した。」旨主張しているが,引用商標が現に有効に存在していることは上記2のとおりであるし,引用商標に対する商標法第50条の商標登録の取消しの審判の請求がなされたという事実も確認することができない。 カ したがって,請求人の主張はいずれも採用することができない。 (7) まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-008622

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