特許拒絶査定不服審判
2018-007625
供給源の認証、商品とサービスの認証システム、そのためのコンポーネント
- 審判番号
- 2018-007625
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-052886外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年06月04日
- 審決日
- 2019年11月13日
- 公報発行日
- 2020年05月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-WZ (G06T)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016- 52886「供給源の認証、商品とサービスの認証システム、そのためのコンポーネント」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月 6日出願公開、特開2016-177798〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2008年3月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年3月27日、米国)を国際出願日とする特願2010-504037号の一部を平成26年3月3日に新たな特許出願とした特願2014-41028号の一部を平成28年3月16日に新たな特許出願としたものであって、平成28年7月13日付けで手続補正がされ、平成29年2月20日付けで拒絶理由が通知され、平成29年8月23日付けで手続補正がされ、平成30年1月30日付けで拒絶査定がされ、これを不服として平成30年6月4日に本件審判請求がされ、同時に手続補正がされ、その後、当審により、令和1年6月12日付けで拒絶理由が通知され、令和1年9月12日付けで手続補正がされたものである。
第2 本願発明
本願発明は、令和1年9月12日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は次のとおりである。
[本願発明]
ブランド供給源認証装置であって、
a)人が見ることができる第1表面を少なくとも有するキャリヤと、
b)前記人が見ることができる前記第1表面によって保持される認証装置用証印であって、
c)前記ブランド供給源認証装置の供給源を示す認証装置用証印と、
d)前記キャリヤによって更に保持されている認証用証印と、を有し、
e)前記キャリヤの選択された部分は、製品のブランド供給源の認証を可能にするように前記キャリヤを前記製品に取り付けるために使用可能であり、
f)前記認証用証印は、復号化された場合に、前記キャリヤが取り付けられるべき前記製品の前記ブランド供給源を示す、二次元バーコードからなる符号化された記号を少なくとも1つ含み、
前記認証装置用証印は、前記ブランド供給源認証装置のブランドのグラフィカル表現を含み、
前記ブランド供給源認証装置は、前記記号を符号化するための前記製品上の刻印エリア及び非刻印エリアの配列を備えることを特徴とするブランド供給源認証装置。
第3 引用文献、引用発明
1.引用文献1の記載事項
当審による拒絶の理由で引用された特開2006-285540号公報(以下、「引用文献1」という)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、当審により付与したものである。
「【0047】
〔二次元コードシールの構成例〕
図7は、本実施形態にかかる流通情報管理システムに用いる偽造防止粘着シールの構成例の模式断面図である。上記のように偽造防止粘着シールは、製品などの物品を形成する面やこれを梱包する部材(袋、箱など)に貼付される。
【0048】
図7に示されているように、偽造防止粘着シールは、ホログラム樹脂層101と、再帰反射材層102と、接着剤層103とからなる。接着剤層103上には再帰反射材層102が積層されている。また、再帰反射材層102上には、再帰反射材層102の保護層としてホログラム樹脂層101が積層されている。
【0049】
また、ホログラム樹脂層101表面には、CO2レーザにより二次元コードが刻印されている。二次元コードは、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであるが、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれていてもよい。偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になる。
【0050】
なお二次元コードは、スタック型二次元コードであってもよいし、マトリックス型二次元コードであってもよい。」
「【0068】
図9は、本構成例において、CO2レーザ照射により、二次元コード(データマトリックス)が形成された偽造防止粘着シールを示す図である。図9に示されているように、偽造防止粘着シールのホログラム樹脂層101上には、複数のドット104が形成されている。その複数のドット104により二次元コードが形成される。」
2.引用発明
以上の記載(特に、下線部)、及び、【図7】、【図9】の記載によれば,引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、引用発明の各構成について符号を付し、以下、構成ア~構成オと称する。
[引用発明]
(ア)偽造防止粘着シールであって、
(イ)偽造防止粘着シールは、ホログラム樹脂層101と、再帰反射材層102と、接着剤層103とからなり、接着剤層103上には再帰反射材層102が積層されており、また、再帰反射材層102上には、再帰反射材層102の保護層としてホログラム樹脂層101が積層されており、
(ウ)ホログラム樹脂層101表面には、CO2レーザにより二次元コードが刻印されており、二次元コードは、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであり、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれており、
(エ)偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になり、
(オ)二次元コードは、マトリクス型二次元コードである、
(ア)偽造防止粘着シール。
第4 本願発明と引用発明との対比
1.本願発明の「ブランド供給源認証装置」について
引用発明の構成アの「偽造防止粘着シール」は、構成イによれば、「ホログラム樹脂層101」と、「再帰反射材層102」と、「接着剤層103」とが上からこの順に積層されており、構成ウによれば、「ホログラム樹脂層101表面には、CO2レーザにより二次元コードが刻印されており、二次元コードは、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであり、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれており」、構成エによれば、「二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易にな」るものである。
この二次元コードに含まれた「製造地など」は、偽造防止粘着シールが貼付された製品の製造地などであって、該製品の「ブランド供給源」といえる。
したがって、引用発明の「偽造防止粘着シール」は、「製造地など」を含む二次元コードにより、貼付された物品の製造地など(「ブランド供給源」)を認証することで物品の製造、流通の管理をして偽造を防止するものであり、本願発明の「ブランド供給源認証装置」に相当するといえる。
よって、本願発明と引用発明とは、「ブランド供給源認証装置」である点で一致する。
2.本願発明のa)d)について
引用発明の構成アの「偽造防止粘着シール」は、構成イ、ウによれば、最も上に「ホログラム樹脂層101が積層されており」、「ホログラム樹脂層101表面に二次元コードが刻印されて」いるから、「人が見ることができる第1表面を少なくとも有するキャリヤ」といえる。
また、上記「二次元コード」は、上記1.で述べたように、物品の認証を行うためのものであるから、本願発明の「認証用証印」に相当する。
よって、本願発明と引用発明とは、「a)人が見ることができる第1表面を少なくとも有するキャリヤ」と、「d)前記キャリヤによって更に保持されている認証用証印」とを有する点で一致する。
3.本願発明のe)について
引用発明の構成アの「偽造防止粘着シール」は、構成イによれば、「ホログラム樹脂層101」と、「再帰反射材層102」と、「接着剤層103」とを上からこの順に有し、構成エによれば、「偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理」(本願発明でいう「前記キャリヤが取り付けられるべき前記製品のブランド供給源の認証を可能にする」こと)を行うものである。
また、「接着剤層103」は、偽造防止粘着シールのうちの選択された部分といえる。
よって、本願発明と引用発明とは、「e)前記キャリヤの選択された部分は、製品のブランド供給源の認証を可能にするように前記キャリヤを前記製品に取り付けるために使用可能であ」る点で一致する。
4.本願発明のf)について
引用発明の構成ウの「二次元コード」は、上記2.で述べたように、本願発明の「認証用証印」に相当し、構成エによれば、「二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理」(本願発明でいう「前記キャリヤが取り付けられるべき前記製品のブランド供給源を示す」こと)を行うものであって、二次元コードリーダで読み取った二次元コードは、符号化された記号であり、復号化されて利用されるのは明らかである。
また、「二次元コード」は、構成オによれば、「マトリクス型二次元コードである」から、本願発明の「二次元バーコード」に相当する。
よって、本願発明と引用発明とは、「f)前記認証用証印は、復号化された場合に、前記キャリヤが取り付けられるべき前記製品の前記ブランド供給源を示す、二次元バーコードからなる符号化された記号を少なくとも1つ含」む点で一致する。
5.本願発明の「前記ブランド供給源認証装置は、前記記号を符号化するための前記製品上の刻印エリア及び非刻印エリアの配列を備える」について
引用発明の構成アの「偽造防止粘着シール」は、構成ウによれば、「ホログラム樹脂層101表面には、CO2レーザにより二次元コードが刻印され」ているものであって、構成オによれば、「二次元コードは、マトリクス型二次元コードである」から、記号を符号化するための刻印エリア及び非刻印エリアの配列を備えるといえる。
また、「偽造防止粘着シール」は、製品に貼付されるものであるから、シールが製品に貼付された状態では、上記刻印エリア及び非刻印エリアの配列は、製品上にあるといえる。
よって、本願発明と引用発明とは、「前記ブランド供給源認証装置は、前記記号を符号化するための前記製品上の刻印エリア及び非刻印エリアの配列を備える」点で一致する。
6.一致点、相違点
以上によれば、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
ブランド供給源認証装置であって、
a)人が見ることができる第1表面を少なくとも有するキャリヤと、
d)前記キャリヤによって更に保持されている認証用証印と、を有し、
e)前記キャリヤの選択された部分は、製品のブランド供給源の認証を可能にするように前記キャリヤを前記製品に取り付けるために使用可能であり、
f)前記認証用証印は、復号化された場合に、前記キャリヤが取り付けられるべき前記製品の前記ブランド供給源を示す、二次元バーコードからなる符号化された記号を少なくとも1つ含み、
前記ブランド供給源認証装置は、前記記号を符号化するための前記製品上の刻印エリア及び非刻印エリアの配列を備えることを特徴とするブランド供給源認証装置。
[相違点]
本願発明は、「b)前記人が見ることができる前記第1表面によって保持される認証装置用証印であって、c)前記ブランド供給源認証装置の供給源を示す認証装置用証印」
を有し、「前記認証装置用証印は、前記ブランド供給源認証装置のブランドのグラフィカル表現を含」むのに対し、引用発明は、そのような認証装置用証印を有していない点。
第5 判断
上記相違点について検討する。
引用発明は、物品に貼付され、該物品の製造、流通の管理を容易にするための偽造防止粘着シールであるが、製品の偽造防止をする(すなわち、製品の出所が正規のものであることを証明する)という目的を有しているから、このシール自体もシールの出所を明示するなどして信頼性を高める必要があることは明らかである。そのような目的のために、表面にグラフィカル表現を含む証印(商標)を保持することはごく普通に行われていることであるから、引用発明において、偽造防止粘着シールの表面(本願発明の「前記人が見ることができる前記第1表面」に相当)にグラフィカル表現(本願発明の「前記ブランド供給源認証装置のブランドのグラフィカル表現」に相当)を含み、シールの出所を明示する証印(本願発明の「ブランド供給源認証装置の供給源を示す認証装置用証印」に相当)を保持する構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。
また、上記構成としたものが偽物を低減するという本願発明の効果を奏することは当業者が予測し得ることである。
よって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-007625