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特許拒絶査定不服審判

2018-005088

偏光板及びこれを備える液晶表示装置

審判番号
2018-005088
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-144957外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月12日
審決日
2019年04月26日
公報発行日
2019年06月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-144957「偏光板及びこれを備える液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月 5日出願公開、特開2014-102488、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年7月10日(パリ条約による優先権主張 2012年11月20日 韓国(KR))の出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。 平成29年 3月31日付け:拒絶理由通知書 平成29年 7月 7日提出:意見書 平成29年 7月 7日提出:手続補正書 平成29年12月 8日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 平成30年 4月12日提出:審判請求書 平成30年 4月12日提出:手続補正書 第2 原査定の概要 1 原査定に記載された拒絶の理由の概要は次のとおりである。 本願の請求項1,2,4~8に係る発明は、その優先権主張の日前に、日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記引用文献1~3に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 2 また、原査定の拒絶の理由を構成するものではないものの、原査定において<付記>として記載された、本願の請求項3に係る発明ついての拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願の請求項3に係る発明は、その優先権主張の日前に、日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記引用文献1,2に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:国際公開第00/34821号 引用文献2:米国特許出願公開第2010/0157195号明細書 引用文献3:特開2009-31746号公報 引用文献4:特開2012-103731号公報(周知技術を示すための文献) 引用文献5:特開2006-145884号公報(周知技術を示すための文献) 引用文献6:特表2008-537163号公報(周知技術を示すための文献) 第3 本願発明 本願の請求項1~7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明7」という。)は、平成30年4月12日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるとおりの、以下の発明である。 「  【請求項1】 屈折率が異なる第1の層および第2の層が繰り返し積層されている第1繰り返し積層構造、並びに、屈折率が異なる第3の層および第4の層が繰り返し積層されている第2繰り返し積層構造を備える反射型偏光板本体と、 前記反射型偏光板本体の一方の側面に配置され、厚さ方向の位相差を補償するRth位相補償層と、 を備え、 前記第1の層の屈折率は前記第2の層の屈折率より高く、前記第1の層は前記第2の層より薄く、 前記第3の層の屈折率は、前記第1の層の屈折率と同じであり、 前記第4の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率と同じであり、 前記第3の層の厚さおよび前記第4の層の厚さは同じであることを特徴とする偏光板。 【請求項2】 前記第1繰り返し積層構造は、前記Rth位相補償層に接していることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。 【請求項3】 前記反射型偏光板本体は、3つの前記第1繰り返し積層構造を備え、 前記3つの前記第1繰り返し積層構造の間及び外側にはバッファ層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。 【請求項4】 前記Rth位相補償層は、TAC層を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板。 【請求項5】 前記Rth位相補償層は、ネガティブCプレートまたはシクロオレフィンポリマー(COP)を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板。 【請求項6】 前記Rth位相補償層は前記反射型偏光板本体に配備され、 前記3つの前記第1繰り返し積層構造の外側のうちの一方の外側には前記バッファ層が配置され、他方の外側には前記Rth位相補償層が配置されることを特徴とする請求項3に記載の偏光板。 【請求項7】 吸収型偏光板である上偏光板及び上絶縁基板を備える上パネルと、 下偏光板及び下絶縁基板を備える下パネルと、 前記上パネルと前記下パネルとの間に配置される液晶層と、 前記下パネルの下に配置され、光を提供するバックライトユニットと、 を備え、 前記下偏光板は、 屈折率が異なる第1の層および第2の層が繰り返し積層されている第1繰り返し積層構造、並びに、屈折率が異なる第3の層および第4の層が繰り返し積層されている第2繰り返し積層構造を備える反射型偏光板本体と、 前記反射型偏光板本体の一方の側面に配置され、厚さ方向の位相差を補償するRth位相補償層と、 を備え、 前記第1の層の屈折率は前記第2の層の屈折率より高く、前記第1の層は前記第2の層より薄く、 前記第3の層の屈折率は、前記第1の層の屈折率と同じであり、 前記第4の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率と同じであり、 前記第3の層の厚さおよび前記第4の層の厚さは同じであることを特徴とする液晶表示装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1 原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1(国際公開第00/34821号)には、次の事項が記載されている。 (当合議体注:下線は、当合議体が付したものである。また、行数は空行を除いて数えたものとした。また、引用文献1の記載中の不要なスペースは削除している。) ア 明細書1頁3~8行 「技 術 分 野 この発明は、透明な一対の基板の間に液晶層を封入し、その液晶層に電圧を印加することにより入射光に対して光学変化を与える液晶セルと、その液晶セルの視認側とその反対側にそれぞれ設けた偏光板とからなる液晶表示パネルと、その視認側と反対側に設けた補助光源とを備えた液晶表示装置、すなわち透過型液晶表示装置および半透過反射型液晶表示装置に関するものである。」 イ 明細書1頁9行~7頁16行 「背 景 技 術 現在、液晶表示装置には、液晶表示装置内に設けた補助光源を常に点灯して表示する透過型液晶表示装置と、外部光源(太陽や照明用光源など)の光を利用して表示する反射型液晶表示装置と、外部光源が明るい状況では外部光源の光を利用してその反射光で表示し、外部光源が暗い場合には内部の補助光源を点灯してその透過光で表示する半透過反射型液晶表示装置とがある。 液晶表示装置の消費電力が低く薄型である利点を生かすには、反射型液晶表示装置が最も有効であるが、外部環境が暗い場合には表示できないため、内部に補助光源を設けて外部環境が暗い場合でも表示できるようにした半透過反射型液晶表示装置が多く利用されている。 従来の半透過反射型液晶表示装置の構造と機能の一例を、第17図と第18図によって説明する。・・・略・・・以下の説明では、観察者による視認側を上側とする。 この半透過反射型液晶表示装置は、これらの図に示すように、それぞれガラス等の透明な材料からなる第1の基板2と第2の基板5とを所定の間隔で対向させて配置し、・・・略・・・その間隙に液晶層15を封入し、その液晶層15に電圧を印加することにより入射光に対して光学変化を与える液晶セル(光学可変器)1を構成している。 その液晶セル1の視認側にある第1の基板2の外側(第18図で上側)に第1の偏光板(偏光分離器)21を、視認側と反対側にある第2の基板5の外側(第18図で下側)に第2の偏光板(偏光分離器)22をそれぞれ配設し、その第2の偏光板5の液晶セル1と反対側に補助光源31を備えている。 ・・・略・・・ この液晶セル1の第1の基板2の上側に設けた第1の偏光板21は、一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板(吸収性偏光分離器)であり、第2の基板5の下側に設けた第2の偏光板22は、一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が反射軸である反射型偏光板(反射性偏光分離器)である。この第1の偏光板21と第2の偏光板22は、互いに透過軸が直交するように配置されている。 その第2の偏光板22と第2の基板5との間に、屈折率の異なる透明樹脂とポリビニル樹脂製ビーズを混ぜた散乱層4が設けられ、さらにこの第2の偏光板の下面には、半透過性インキからなる印刷層23が設けられている。 この印刷層23の吸収と透過の比率により、反射型表示のときの暗表示の状態と透過型表示のときの明表示の明るさが決定される。 そして、この第2の偏光板22のさらに下側に、補助光源31が配設されており、その補助光源31は、この例では蛍光灯32と反射板34と拡散板33と図示しないプリズムシ一トとによって構成されている。 このように構成された半透過反射型液晶表示装置によれば、第18図に示すように、主光源による外部光である例えば太陽光が、第1の入射光L1として第1の偏光板21と液晶セル1の第1の基板2とを透過して液晶層15の電圧が印加されていない部分(背景部)へ入射すると、液晶層15により旋光されるか又は位相差を与えられてカラーフィルタ9へ入射し、さらに第2の基板5と散乱層4を透過して第2の偏光板へ至る。 第1の入射光L1は、このような光路を通過するため、各部材による吸収が発生し、第2の偏光板22への入射光となるときには光の減衰が生じている。 また、第1の入射光L1の第1の偏光板21を透過した直線偏光成分は液晶層 15により90度旋光され、第2の偏光板22の透過軸に平行に入射してそれを透過するが、第2の偏光板22の下面に設けられた印刷層23により吸収が発生し、印刷層23で反射される第1の反射光L3は非常に弱い光強度となり観察者側には殆ど出射されない。 また、外部光源からの第2の入射光L2も第1の入射光L1と同様な経路を通過して第2の偏光板22へ至るが、液晶セル1の信号電極3と走査電極11によって液晶層15に電圧が印加されている部分(表示部)を通過して第2の偏光板22へ至る。 この場合、第2の入射光L2の第1の偏光板21を透過した直線偏光成分は液晶層15を通過する際に90度旋光されることなく、そのまま第2の偏光板22に入射する。したがって、その入射光は反射型偏光板である第2の偏光板の反射軸に平行な方向に振動する直線偏光となっているため、第2の偏光板22によって全反射される。そして、散乱層4によって散乱性が付加され、それぞれカラーフィルタ9を透過する第2の反射光L5、第3の反射光L6、第4の反射光L7などとなり、観察者側に出射する。 したがって、暗い背景内に明るい色のカラー表示を視認することができる。 また、補助光源31の蛍光灯32を点灯したときには、その補助光源31による出射光L4は印刷層23により一部吸収され、第2の偏光板22の透過軸に平行な方向に振動する直線偏光成分が第2の偏光板22を透過し、散乱層4により散乱性が付加された後、液晶セル1のカラーフィルタ9を透過して液晶層15に入射する。その入射光が、液晶層15の電圧が印加されていない部分(背景部)を通過すると直線偏光が90°旋光され、第1の偏光板21にその透過軸に平行な方向に振動する直線偏光となって入射するため、第1の偏光板21を透過して観察者側に出射する。しかし、液晶層15の電圧が印加されている部分(部分)を通過すると、その直線偏光が90°旋光されずに、吸収型偏光板である第1の偏光板21にその吸収軸に平行な方向に振動する直線偏光として入射するため、第1の偏光板21によって吸収され、観察者には殆ど出射しない。 したがって、この場合には、明るい色の背景内に暗い色(黒)の表示を視認することができる。 このような半透過反射型液晶表示装置において、外部光源を利用する表示の場合に、第2の偏光板22として反射型偏光板を使用することにより、吸収型偏光板と半透過反射板とを組み合わせて使用する場合と比較して、次のような利点がある。まず、吸収型偏光板を用いた場合には、明表示は、吸収型偏光板の下側に配置される半透過反射板による反射光を利用するため、吸収型偏光板を2度透過することになるので光の吸収による減衰が多くなる。 また、半透過反射板は透過特性をも有するため反射強度が低下する。あるいは反射性能を高めると透過性能が低下し、透過性能を高めると反射性能が低下することになる。これらのために、観察者側への出射光量が減少し、表示の明るさが低下する。 これに対して、反射型偏光板を用いた場合には、明表示は、反射型偏光板の反射軸による反射と、反射型偏光板と第2の基板5との間に設けた散乱層4による散乱性とによって達成するため、光の減衰を低減することができる。また透過性も偏光軸(透過軸)により維持できる。したがって、明るい明表示が可能である。 次に、暗表示の場合について説明する。第2の偏光板22として吸収型偏光板と半透過反射板を使用する場合には、吸収型偏光板にその吸収軸と平行な方向に振動する直線偏光成分が入射すると、その光が吸収されて半透過反射板へ到達しない。そして、吸収型偏光板の反射特性は弱いため、暗表示となる。 反射型偏光板を使用する場合には、反射型偏光板にその透過軸と平行な方向に振動する直線偏光が入射すると、その光が反射型偏光板を透過し、印刷層23により吸収されるので、反射型偏光板から観察者側へ反射する光の強度が弱くなり、暗表示となる。 このように、半透過反射型液晶表示装置を外部光源を利用する反射型液晶表示装置として使用する場合には、暗表示では視認性が低下するため明るさを重視する設計を採用することと、液晶表示パネルの表面での外部光の反射や外部環境の映り込みなどがあるため、コントラスト比は10:1程度であり、第2の偏光板の偏光度が小さくても(例えば92%程度でも)充分使用可能である。 また、反射型偏光板の偏光度、特に反射軸の偏光度が部分的に変化していても、コントラス卜が低いことと明るさが低いこと、および明表示に使用するので観察者の明るさの違いに対する感度が弱いため問題とはならない。 さらに、反射型偏光板の反射軸の偏光度が可視光領域で波長依存性を有し、波長により偏光度が悪い部分があっても、同様に観察者の感度は弱いので殆ど問題にならない。 しかし、第18図に示した第2の偏光板22の下側に配置した補助光源31を点灯して透過型液晶表示装置として使用する場合には、光源の強度にもよるがコントラスト比が向上し、反射型偏光板の反射軸は光を遮蔽する作用をするため暗表示となる。 そのため、わずかなコントラスト比の違い、あるいは色の違いも観察者に認識されてしまう。また、半透過反射型液晶表示装置の場合には補助光源は暗い環境で使用されるため、暗表示のむらや色付きに対して観察者の感度が高くなり、僅かな表示の不均一性でも認識されてしまう。 ・・・略・・・ そのため、消費電力を低減するために透過型液晶表示装置と比較して発光強度の弱い補助光源を使用しても、比較的明るい表示となる。それによつて、第2の偏光板22の偏光度の場所による分布は、コントラスト比の分布となって観察者に認識されてしまう。 また、可視光領域での波長による偏光度の差は暗表示の色付きとなってしまう。そこで、第2の偏光板2の偏光度を99.9%程度にして偏光度の差を1%程度にすることにより、コントラスト比の差および色の差を殆ど認識できない程度にすることができるが、薄型で廉価な反射型偏光板では偏光度には限界がある。 この発明は、従来の半透過反射型液晶表示装置の補助光源を点灯して透過型液晶表示装置として使用する場合における上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、半透過反射型液晶表示装置の反射表示と透過表示での表示品質を改善し、特に透過表示における表示のむらと色付きむらの低減を可能にし、且つ携帯性を損なわず、薄型で廉価な液晶表示装置を提供することを目的とする。」 ウ 明細書7頁17行~9頁19行 「発 明 の 開 示 この発明は、透明な第1の基板と第2の基板とを所定の間隔で対向させて配置し、その間隙に液晶層を封入してなり、その液晶層に電圧を印加することにより入射光に対して光学変化を与える液晶セルと、その液晶セルの視認側にある第1の基板の外側に設けた第1の偏光板と、その液晶セルの視認側と反対側にある第2の基板の外側に設けた第2の偏光板と、その第2の偏光板の液晶セルと反対側に設けた補助光源とを備えた液晶表示装置において、上記の目的を達成するため、上記第2の偏光板と補助光源との間に、補助光源からの出射光が第2の偏光板を通して偏光として液晶セル側へ出射する際にその偏光度を高めるための第3の偏光板を設けたものである。 そして、この液晶表示装置における上記第2の偏光板は、一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が反射軸である反射型偏光板であるのが望ましい。 その反射型偏光板は、所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とがほぼ等しい層と、所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とが異なる層との組み合わせによる複合層を、複数積層した構成からなるものを使用するとよい。 さらに、上記第1の偏光板と第2の偏光板との間に、可視光領域で透過強度が異なる複数色のカラーフィルタを配置し、上記補助光源は、その複数色のカラーフィ ルタの透過波長を含む光を発光する光源とし、上記第3の偏光板には、その補助光源からの発光の波長依存性をほぼ変更することなく第2の偏光板へ伝達するものを使用するようにしてもよい。 また、上記第1の偏光板の視認側、第1の偏光板と第1の基板との間、第1の基板と第2の基板との間、および第2の基板と第2の偏光板との間、のうちの少なくとも一箇所に光を散乱させる散乱層を設け、その散乱層は、その入射側と出射側で殆ど位相差がなく、且つ偏光度を変化することもなく光を透過する散乱層とするとよい。 上記第2の偏光板と補助光源との間に、補助光源からの出射光が第2の偏光板を通して偏光として液晶セル側へ出射する際に、その偏光度を高めるための第3の偏光板と、光の吸収または散乱を増加する光減衰層とを有するようにしてもよい。上記第1の偏光板は、一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が吸収軸である吸収型偏光板であるのが望ましい。 その場合、上記第2の偏光板の透過軸と第3の偏光板の透過軸とのオフセット角度が0度からプラスマイナス30度の範囲であるのが望ましい。なお、上記第2の偏光板の透過軸と第3の偏光板の透過軸とのオフセット角度がほぼ0度であるのが最も望ましい。 また、上記第1の偏光板と第1の基板の間、第2の基板と第2の偏光板との間、または第2の偏光板と第3の偏光板との間の少なくともいずれか一箇所に、位相差フィルムを設けてもよい。 上記第3の偏光板は、反射型偏光板あるいは吸収型偏光板のいずれでもよい。上記第3の偏光板はまた、上記反射型偏光板と吸収型偏光板のいずれか又は両方を複数枚重ねて構成したものであってもよい。 その場合、上記第3の偏光板を構成する各偏光板の透過軸が互いに異なる方向に配置されている方がよい。 さらに、上記第3の偏光板の表面には細かい凹凸が形成されている(粗面になっている)方がよい。上記第2の偏光板と第3の偏光板とを接着層により固定してもよい。 上記第2の偏光板側から補助光源側へ、上記第3の偏光板と上記光減衰層を順に配置し、第2の偏光板の透過軸と第3の偏光板の透過軸のなす角度が0度からブラスマイナス30度の範囲であるようにしてもよい。 上記第3の偏光板と補助光源との間に間隙を設ける方がよい。 上記補助光源の第3の偏光板と対向する面には、光の吸収または散乱を増加する光減衰層を設けるとよい。」 エ 明細書16頁19行~17頁13行 「 反射型偏光板は、例えば異なる高分子材料からなる層を2層ずつ組に積層した構造をしており、異なる高分子材料は、ある方向(X方向)に延伸すると、一方の高分子材料(M1)の屈折率(nx-M1)は増加し、他方の高分子材料(M2)の屈折率(nx-M2)はほとんど変化しない。 延伸する方向と直交する方向(Y方向)では高分子材料(M1)の屈折率(ny-M1)はほとんど変化せず、他方の高分子材料(M2)の屈折率(ny-M2)もほとんど変化していない。そのため、高分子材料M1とM2のX方向とY方向では屈折率に差が生じる。 すなわち、X方向の屈折率差(Δnx)はY方向の屈折率差(Δny)より大きく、Δnyは殆どゼロとなる。 そのため、X方向の光は屈折率差により高分子材料M1とM2の界面で反射が発生する。逆に Y方向の光は屈折率差がないため、高分子材料M1とM2を透過する。 すなわち、反射型偏光板に入射する光は、X方向に振動する直線偏光成分は反射され、Y方向に振動する直線偏光成分は透過する。 このような高分子材料M1とM2の組を複数層、たとえば200層を積層することにより、光の入射角に依存することなく、さらに可視光領域である波長380nmから800nmの範囲で、一方の偏光軸が透過軸で、それにほぼ直交する偏光軸が反射軸である反射型偏光板を得ることができる。 この複数層を積層した厚さにより反射型偏光板の可視光領域での偏光性を得ることができる。」 オ 「第18図 」 2 引用発明等 ア 引用発明 上記1ア~オで摘記した事項(特に、明細書9頁3~6行の記載を参照。)から、「第2の偏光板」と「第3の偏光板」と「位相差フィルム」からなる積層体であって、「位相差フィルム」の位置を「第2の基板と第2の偏光板との間」とし、「第3の偏光板」として「反射型偏光板」を用いた態様に関する積層体に関する発明を把握することができるところ、明細書9頁3行の「第2の基板と第2の偏光板との間」とは、明細書7頁23行~末行の記載からみて、「第2の偏光板」における「第3の偏光板」とは反対側のことであることが明らかであるから、当該発明の構成は次のとおりである(以下、「引用発明」という。)。 。 「液晶表示装置における液晶セルと補助光源との間に配置されて用いられる積層体であって、 上記補助光源からの出射光を偏光として上記液晶セル側へ出射するための第2の偏光板と、上記補助光源からの出射光が第2の偏光板を通して偏光として上記液晶セル側へ出射する際にその偏光度を高めるための第3の偏光板と、位相差フィルムとからなり、 上記第2の偏光板と上記第3の偏光板とは、上記第2の偏光板の透過軸と上記第3の偏光板の透過軸とのオフセット角度がほぼ0度となるように、接着層により固定され、 上記第2の偏光板及び上記第3の偏光板は、一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が反射軸である反射型偏光板であり、反射型偏光板は、所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とがほぼ等しい層と、所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とが異なる層との組み合わせによる複合層を、複数積層した構成からなり、 上記位相差フィルムが、上記第2の偏光板における上記第3の偏光板とは反対側に設けられた積層体。」 イ 引用液晶表示装置発明 上記1ア~オで摘記した事項及び上記アから、引用文献1には、「液晶表示装置」として、以下の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用液晶表示装置発明」という。)。 「透明な第1の基板と第2の基板とを所定の間隔で対向させて配置し、その間隙に液晶層を封入してなり、その液晶層に電圧を印加することにより入射光に対して光学変化を与える液晶セルと、その液晶セルの視認側にある第1の基板の外側に設けた第1の偏光板と、その液晶セルの視認側と反対側にある第2の基板の外側に、位相差フィルムが液晶セル側になるように設けた引用発明の積層体と、引用発明の積層体の液晶セルと反対側に設けた補助光源とを備え、 上記引用発明の第3の偏光板と上記補助光源との間に隙間を設けた、 液晶表示装置。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のとおりである。 ア 引用発明における「一方の偏光軸が透過軸で、その透過軸とほぼ直交する偏光軸が反射軸である反射型偏光板」は、「所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とがほぼ等しい層と、所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とが異なる層との組み合わせによる複合層を、複数積層した構成からな」るものであるところ、技術常識によれば、「反射型偏光板」は、「反射型偏光板」を構成する複数積層される「複合層」における「一方の層」の「反射軸」方向の屈折率を「高屈折率」とし、「他方の層」の「反射軸」方向の屈折率を「低屈折率」とし、両方の層の「透過軸」方向の屈折率を等しくしたものである(引用文献1の明細書16頁19行~17頁11行の記載(上記「第4」「1エ」参照)からも確認できる事項である。)。 イ 上記アより、引用発明の「反射型偏光板」である「第2の偏光板」は、「反射軸」方向の屈折率が「高屈折率」の「一方の層」と「反射軸」方向の屈折率が「低屈折率」の「他方の層」「との組み合わせによる複合層を」「複数積層した構成からな」るものであるから、その積層構造からみて、引用発明の「反射型偏光板」である「第2の偏光板」は、「反射軸」方向の屈折率が「高屈折率」の「一方の層」及び「反射軸」方向の屈折率が「低屈折率」の「他方の層」が繰り返し積層されたものということができる。 そうすると、引用発明の「反射型偏光板」である「第2の偏光板」は、本願発明1の「第1繰り返し積層構造」に対応させることができ、引用発明の「反射型偏光板」である「第2の偏光板」を構成する「反射軸」方向の屈折率が「高屈折率」の「一方の層」及び「反射軸」方向の屈折率が「低屈折率」の「他方の層」は、それぞれ本願発明1の「第1の層」及び「第2の層」に対応させることができる。 また、引用発明の「反射型偏光板」である「第2の偏光板」は、本願発明1の「第1繰り返し積層構造」の「屈折率が異なる第1の層および第2の層が繰り返し積層されている」との要件を満たす。また、引用発明は、本願発明1の「前記第1の層の屈折率は前記第2の層の屈折率より高」いとの要件を満たす。 ウ 上記イと同様、引用発明の「反射型偏光板」である「第3の偏光板」、「反射型偏光板」である「第3の偏光板」を構成する「複合層」における「反射軸」方向の屈折率が「高屈折率」の「一方の層」及び「反射軸」方向の屈折率が「低屈折率」の「他方の層」を、それぞれ本願発明1の「第2繰り返し積層構造」、「第3の層」及び「第4の層」に対応させることができる。 そうすると、上記イより、引用発明「反射型偏光板」である「第3の偏光板」は、本願発明1の「第2繰り返し積層構造」の「屈折率が異なる第3の層および第4の層が繰り返し積層されている」との要件を満たす。また、各層の屈折率の関係からみて、引用発明と、本願発明1とは、「第3の層の屈折率」は「第4の層の屈折率」より高い点で共通する。 エ 引用発明の「第2の偏光板」及び「第3の偏光板」は、「接着層により固定され」ているから、一体のものということができる。また、引用発明の「第3の偏光板」は、「補助光源からの出射光が第2の偏光板を通して偏光として上記液晶セル側へ出射する際にその偏光度を高めるため」のものである。 そうすると、引用発明の「接着層により固定され」た「第2の偏光板」及び「第3の偏光板」は、全体として、一体の「反射型偏光板」を構成しているということができる。 してみると、引用発明の「接着層により固定され」た「第2の偏光板」及び「第3の偏光板」は、本願発明1の「反射型偏光板本体」に相当し、引用発明の「積層体」は、本願発明1の「偏光板」と、「反射型偏光板本体を備える偏光板」である点で共通する。 また、引用発明の「接着層により固定され」た「第2の偏光板」及び「第3の偏光板」と、本願発明1の「反射型偏光板本体」は、「屈折率が異なる第1の層および第2の層が繰り返し積層されている第1繰り返し積層構造、並びに、屈折率が異なる第3の層および第4の層が繰り返し積層されている第2繰り返し積層構造を備える」点で共通する。 オ 上記ア~エより、引用発明は、本願発明1の「偏光板」に相当する。 カ 以上の対比結果を踏まえると、本願発明1と引用発明とは、 「屈折率が異なる第1の層および第2の層が繰り返し積層されている第1繰り返し積層構造、並びに、屈折率が異なる第3の層および第4の層が繰り返し積層されている第2繰り返し積層構造を備える反射型偏光板本体を備え、 前記第1の層の屈折率は前記第2の層の屈折率より高く、前記第3の層の屈折率は前記第4の層の屈折率より高い、 偏光板。」の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本願発明1は、「反射型偏光板本体」と、「前記反射型偏光板本体の一方の側面に配置され、厚さ方向の位相差を補償するRth位相補償層と、を備え」ているのに対して、 引用発明は、そのような構成を備えているかどうか不明な点。 (相違点2) 本願発明1においては、「前記第1の層は前記第2の層より薄く」、「前記第3の層の屈折率は、前記第1の層の屈折率と同じであり」、「前記第4の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率と同じであり」、「前記第3の層の厚さおよび前記第4の層の厚さは同じである」のに対して、 引用発明は、「反射型偏光板」である「第2の偏光板」における、「高屈折率」の「一方の層」(「第1の層」)の厚みと「低屈折率」の「他方の層」(「第2の層」)の厚みの関係、「反射型偏光板」である「第3の偏光板」における、「高屈折率」の「一方の層」(「第3の層」)の屈折率と「低屈折率」の「他方の層」(「第4の層」)の屈折率の関係、及び「高屈折率」の「一方の層」(「第3の層」)の厚みと「低屈折率」の「他方の層」(「第4の層」)の厚みの関係が、そのような関係となっているかどうか不明な点。 (2) 相違点についての判断 事案に鑑み、まず上記相違点2について検討する。 ア 引用文献1には、引用発明において、第2の偏光板」を構成する「所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とがほぼ等しい層」(以下、「等方性層」という。)の厚さと、「所定の方向での屈折率とそれに直交する方向での屈折率とが異なる層」(以下、「異方性層」という。)の厚さとをほぼ等しくするとともに、「第3の偏光板」を構成する「等方性層」の厚さと「異方性層」との厚さとを異ならせることは、記載も示唆もされていない。 また、原査定において周知例として例示された引用文献4~6を含め、屈折率が異なる第1の層及び第2の層が繰り返し積層されている繰り返し積層構造を有する反射型偏光板を2枚積層した偏光板において、一方の反射型偏光板では、第1の層の厚さと第2の層の厚さをほぼ等しく形成するとともに、他方の反射型偏光板では、第1の層の厚さと第2の層の厚さを異ならせて形成する技術が、本願の優先権主張の日の前に公知であったことを示す証拠は見当たらない。 そして、本願発明1は、相違点2に係る構成を採用することによって、「側面からの干渉色の問題を除去することができる」という、本件明細書の段落【0108】に記載された効果を奏するものと認められる。 イ 以上によれば、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成を採用することは、当業者が容易になし得たことではないから、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2~6について 上記1(2)のとおり、本願発明1が、引用発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないのであるから、本願発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加した本願発明2~6も同様に、引用発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 本願発明7について 本願発明7と引用液晶表示装置発明とを対比すると、両者は少なくとも上記相違点2と同じ相違点で相違する。 してみると、上記1(2)で示した理由と同じ理由により、本願発明7は、引用液晶表示装置発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 4 まとめ よって、本願発明1~7は、引用文献1に記載された発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 第6 引用文献2,3を主引用例とした場合の対比・判断 1 引用文献2について 上記「第5」「1」~「4」においては、本願発明1~7について、引用文献1を主引用例として検討したが、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献2(米国特許出願公開第2010/0157195号明細書)を主引用例として検討したとしても同様である。 すなわち、本願発明1~6と、引用文献2の段落[0044]、[0045]、[0076]、[0077]、[0080]、[0104]~[0111]、[0124]及びFig.3等の記載から把握される、複数枚の反射型直線偏光子をそれらの透過軸が平行となるように積層して偏光度を高めた偏光板とを対比すると、少なくとも上記相違点2と同じ相違点で相違する。 あるいは、本願発明7と、引用文献2の上記記載から把握される、複数枚の反射型直線偏光子をそれらの透過軸が平行となるように積層して偏光度を高めた偏光板を光源側偏光板として用いた液晶表示装置とを対比すると、少なくとも上記相違点2と同じ相違点で相違する。 そうすると、上記「第5」1(2)で示した理由と同じ理由により、本願発明1~7は、引用文献2に記載された発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 2 引用文献3について 上記1上記「第5」「1」~「4」においては、本願発明1~7について、引用文献1を主引用例として検討したが、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献3(特開2009-31746号公報)を主引用例として検討したとしても同様である。 すなわち、本願発明1~6と、引用文献3の記載(段落【0013】~【0028】、【0040】、図1~3等)から把握される偏光板とを対比すると、少なくとも上記相違点2と同様な相違点で相違する。 あるいは、本願発明7と、引用文献3の記載から把握される液晶表示装置とを対比すると、少なくとも上記相違点2と同様な相違点で相違する。 そうすると、上記「第5」1(2)で示した理由と同じ理由により、本願発明1~7は、引用文献3に記載された発明及び引用文献4~6等に例示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-005088

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