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特許拒絶査定不服審判

2018-003052

音響映像コンテンツを処理する方法及び対応する装置

審判番号
2018-003052
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-276876外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年03月02日
審決日
2019年04月09日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-276876「音響映像コンテンツを処理する方法及び対応する装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月27日出願公開、特開2013-128284〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年12月19日(パリ条約による優先権主張2011年12月19日、フランス)の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 平成27年12月21日:手続補正書の提出 平成28年11月21日:拒絶理由通知書 平成29年 5月22日:意見書、手続補正書の提出 平成29年10月30日:拒絶査定 平成29年11月 2日:拒絶査定の謄本の送達 平成30年 3月 2日:審判請求書の提出 平成30年 3月 6日:手続補正書(審判請求書の請求の理由)の提出 第2 本願発明 本願の請求項1ないし8に係る発明は、平成29年5月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項6に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 なお、A~Eについては、説明のために当審にて付したものである。(以下、「構成A」~「構成E」という。) (本願発明) 「A 複数の音響映像セグメントを含む音響映像コンテンツのための再生装置であって、前記音響映像セグメントの各々は、関連付けられた時間間隔中に表示されるように意図される、再生装置であって、 B 前記音響映像コンテンツ及び前記音響映像コンテンツに関連付けられ且つ前記音響映像コンテンツに同期された音響説明信号の取得手段であって、前記音響説明信号は、前記音響映像コンテンツ中に現れるイベントを説明する音響説明データと呼ばれるデータを含む、取得手段を含み、 A 前記再生装置はまた、 C 前記音響映像セグメントの中で、センシティブなセグメント基準と呼ばれる予め定められた基準に対応する少なくとも1つの音響映像セグメントを検出する手段と、 D 前記音響映像コンテンツにおける前記センシティブなセグメント基準を満たす前記音響映像セグメントを削除する手段と、 E 前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントを除いて音響映像セグメントを再生し、かつ前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に、前記音響説明信号の音響データを再生する手段と、 A を含む、前記再生装置。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次のとおりのものである。 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項:1-8 ・引用文献等:1-2 <引用文献等一覧> 1.特開2004-32612号公報 2.特開2001-94897号公報(周知技術を示す文献) 第4 引用文献について (1)引用文献1について (ア)引用文献1の記載事項 原審の拒絶査定に、引用文献1として引用された、特開2004-32612号公報には、「デジタルバーサタイルディスク再生装置および記録媒体再生装置」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。 なお、下線は、説明のために当審にて付したものである。 【0011】 そこで、本発明は、ユーザのストーリの内容理解を損なうことなく、個々のユーザに応じて柔軟に、かつ必要最低限の部分だけに視聴制限を課すことができるDVD再生装置および記録媒体再生装置を提供することを目的とする。 【0018】 (構成) 図1は、本実施の形態に係わるDVD再生装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、DVD再生装置100は、入力部101と、制御部102と、記憶部103と、表示部104と、デコード部105と、ディスクドライブ106と、DVD107とから構成される。 【0020】 DVD107は、映像データ、音声データ、副映像データを記憶する。図2は、DVDのナビゲーションデータフォーマットを示す。同図において、Cellは、データの再生単位であり、0.4~1秒のデータからなる。1個のPGC(Program Chain)内での再生順にセル番号が定義されている。 【0021】 Cellは、1個以上のVOBU(Video Object Unit)で構成される。1個のVOBUは、GOP(Group Of Picture)整数個分の映像データ、音声データ、副映像データがパック化されて、時分割で挿入されている。 【0022】 また、1以上の連続するCellをまとめたものが、1つのPG(Program)となる。PGは、ランダム、シャッフル再生の単位となる。1以上の連続するPGをまとめたものが、1つのPTT(Part of Title)となる。PTTは、チャプターに相当する。1以上の連続するPTTをまとめたものが、1つのPGCとなる。単純なシングルストーリの映画などでは、1タイトルが1つのPGCとなる。 【0023】 ディスクドライブ106は、DVD107を駆動する。 表示部104は、たとえば、テレビで構成され、メニュー画面、映像データ、音声データ、副映像データなどが出力されて表示される。 【0024】 記憶部103は、たとえば、ハードディスクで構成され、パスワード情報記憶部115と、視聴制限ブロック記憶部116と、視聴制限情報記憶部117とを含む。 【0025】 パスワード情報記憶部115は、ユーザごとのパスワードを記憶する。本実施の形態では、ユーザ<A>~ユーザ<D>のパスワードが登録されているものとする。ユーザ<A>は、DVD再生装置100の管理者とし、このユーザ<A>だけが、視聴制限設定と視聴解除設定が行なえるものとする。また、複数人で視聴する場合には、架空のユーザ<E>が視聴するものとする。ユーザ<E>には、ユーザ<A>~<D>に設定されているすべての視聴制限を課すものとする。 【0027】 視聴制限情報記憶部117は、視聴制限設定部112で設定された視聴制限情報を記憶する。図4(a)は、視聴制限情報の例を示す。同図に示すように、視聴制限情報は、DVDの媒体番号と、ブロック番号と、ブロックの開始点のPGCおよびCell番号と、ブロックの終了点のPGCおよびCell番号と、ユーザを特定するユーザIDと、制限を課した再生方法を特定する再生方法IDとからなる。図4(b)は、再生方法IDに対する再生方法を示す。同図において、音声ミュートとは、音声の再生を中止することを意味し、静止画表示とは、映像再生の代わりに視聴制限ブロックの直前の画像(ピクチャ)を表示することを意味し、副映像再生とは、映像再生の代わりに副映像(サブピクチャ)を表示することを意味し、副映像再生&音声ミュートとは、副映像再生と音声ミュートとを同時に行なうことを意味し、静止画表示&音声ミュートとは、静止画表示と音声ミュートとを同時に行なうことを意味する。 【0028】 制御部102は、たとえば、搭載されたプログラムを実行するCPUで構成され、ユーザ判定部110と、視聴制限ブロック設定部111と、視聴制限設定部112と、視聴制限解除部113と、再生制御部114とを含む。 【0036】 再生制御部114は、視聴制限ブロック以外では、デコード部105に通常の再生を行なわせる。つまり、再生制御部114は、映像デコード部118に映像データをデコードさせ、音声デコード部119に音声データをデコードさせる。 【0037】 再生制御部114は、再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、その視聴制限ブロックに設定されている制限を課した再生方法に応じた再生を行なわせる。すなわち、再生制御部114は、再生方法が音声ミュートの場合には、音声デコード部119に音声データのデコードを中止させる。また、再生制御部114は、再生方法が副映像表示の場合には、映像デコード部118に映像データのデコードを中止させ、副映像デコード部120に、副映像データをデコードさせる。また、再生制御部114は、再生方法が静止画表示の場合には、映像デコード部118に映像データのデコードを中止させる。 【0038】 再生制御部114は、再生フレームが視聴制限ブロックの終了点に達したら、デコード部105に通常の再生を行なわせ、再生区間の終了点に達した場合や、再生中止の指示が入力された場合には、再生を終了させる。 【0047】 通常の再生中に、ユーザ<A>が入力部101に視聴制限ブロックの開始の指示を入力すると、視聴制限ブロック設定部111が、指示が入力された時点の再生フレームのPGCとCell番号とを視聴制限開始ブロックの開始点として視聴制限ブロック記憶部116に記憶する(ステップS202)。 【0048】 さらに、通常の再生が続行され、通常の再生中に、ユーザ<A>が入力部101に視聴制限ブロックの終了の指示を入力すると、視聴制限ブロック設定部111が、指示が入力された時点の再生フレームのPGCとCell番号とを視聴制限開始ブロックの終了点として視聴制限ブロック記憶部116に記憶する(ステップS203、S204)。 【0051】 ユーザ<A>が、選択された視聴制限ブロックについて、図7(b)に示すような、視聴制限するユーザと制限を課した再生方法とを入力すると、視聴制限設定部112は、その入力に基づいて、視聴制限情報を作成し、視聴制限情報記憶部117に記憶する(ステップS207)。 【0055】 再生制御部114は、まず、デコード部105に通常の再生を行なわせる。つまり、映像デコード部118に映像データをデコードさせ、音声デコード部119に音声データをデコードさせる(ステップS402)。 【0056】 再生制御部114は、読み出した視聴制限情報に基づき、再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら(ステップS403)、その視聴制限ブロックに設定されている制限を課した再生方法に応じた再生を行なわせる。 【0057】 つまり、再生制御部114は、再生方法が音声ミュートの場合には、音声デコード部119に音声データのデコードを中止させて、音声ミュートを行なう(ステップS404、S405)。 【0058】 また、再生制御部114は、再生方法が副映像表示の場合には、映像デコード部118に映像データのデコードを中止させ、副映像デコード部120に、副映像データをデコードさせて、表示部104に、副映像を表示させる(ステップS407、S408)。 【0059】 また、再生制御部114は、再生方法が静止画表示の場合には、映像デコード部118に映像データのデコードを中止させて、表示部104に、視聴制限ブロックの直前の静止画(ピクチャ)のままを表示させておく(ステップS410、S411)。また、図示しないが、再生方法が静止画表示&音声ミュートであれば、これらを同時に行ない、再生方法が副映像表示&音声ミュートであれば、これらを同時に行なう。 【0060】 再生制御部114は、再生フレームが視聴制限ブロックの終了点に達したら、デコード部105に通常の再生を行なわせる(ステップS406、S409、S412、S402)。 【0075】 【発明の効果】 この発明に係わるデジタルバーサタイルディスク再生装置および記録媒体再生装置によれば、データの再生単位であるセルを少なくとも1つ含んだ視聴制限ブロックが設定されるので、タイトルやチャプターの単位ではなく、わいせつなシーンや暴力的なシーンなど必要最低限の部分だけに視聴制限を課すことができる。 (イ)引用発明 上記記載、並びにこの分野における技術常識を考慮し、引用文献1に記載される発明を以下に検討する。 (a)段落0018、0020、0023の記載から、引用文献1には、DVD107に記憶された映像データ、音声データ、副映像データなどを出力するDVD再生装置100が記載されている。 そして、段落0024、0028の記載から、引用文献1のDVD再生装置100は、視聴制限ブロック設定部111と、視聴制限設定部112と、再生制御部114とを含む制御部102と、視聴制限ブロック記憶部116と、視聴制限情報記憶部117とを含む記憶部103とから構成されている。 また、段落0020~0022の記載から、DVD107におけるCellは、データの再生単位であり、1個以上のVOBUで構成され、1個のVOBUは、GOP整数個分の映像データ、音声データ、副映像データがパック化されており、1以上の連続するCellをまとめたものが1つのPG(ランダム、シャッフル再生の単位)となり、1以上の連続するPGをまとめたものが1つのPTT(チャプター)となり、1以上の連続するPTTをまとめたものが1つのPGC(タイトル)となり、1個のPGC内での再生順にセル番号が定義されている。 (b)段落0025、0047、0048、0075の記載から、引用文献1の視聴制限ブロック設定部111は、タイトルやチャプターの単位ではなく、わいせつなシーンや暴力的なシーンなど必要最低限の部分だけに視聴制限を課すために、DVD再生装置100の管理者であるユーザ<A>が、視聴制限ブロックの開始及び終了の指示を入力すると、指示が入力された時点の再生フレームのPGCとCell番号とを視聴制限ブロックの開始点及び終了点として視聴制限ブロック記憶部に記憶することが記載されている。 また、段落0051の記載から、引用文献1の視聴制限設定部112は、視聴制限ブロックについて、制限を課した再生方法を入力すると、視聴制限情報を作成し、視聴制限情報記憶部に記憶することが記載されている。 なお、段落0047、0048には、「視聴制限開始ブロックの開始点として視聴制限ブロック記憶部116に記憶する(ステップS202)。」、「視聴制限開始ブロックの終了点として視聴制限ブロック記憶部116に記憶する(ステップS203、S204)。」と記載されているが、図6には「視聴制限ブロックの開始点として記録」(S202)、「視聴制限ブロックの終了点として記録」(S204)と記載され、段落0047、段落0048の当該記載の前に「視聴制限ブロックの開始の指示を入力すると、」、「視聴制限ブロックの終了の指示を入力すると、」と記載されていることから、「視聴制限開始ブロック」は「視聴制限ブロック」の誤記である。 (c)段落0027、0037、0038、0056~0060の記載から、引用文献1の再生制御部114は、再生方法が副映像表示&音声ミュートの場合には、再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、音声データと映像データのデコードを中止し、副映像データを表示し、視聴制限ブロックの終了点に達したら、通常の再生を行うことが記載されている。 (d)上記(a)~(c)より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。 なお、a~cについては、説明のために当審にて付したものである。 (以下、「構成a」~「構成c」という。) (引用発明) 「a DVDに記憶された映像データ、音声データ、副映像データなどを出力するDVD再生装置であって、前記DVD再生装置は、視聴制限ブロック設定部と視聴制限設定部と再生制御部とを含む制御部と、視聴制限ブロック記憶部と視聴制限情報記憶部とを含む記憶部とから構成され、DVDにおけるCellは、データの再生単位であり、1個以上のVOBUで構成され、1個のVOBUは、GOP整数個分の映像データ、音声データ、副映像データがパック化されており、1以上の連続するCellをまとめたものが1つのPG(ランダム、シャッフル再生の単位)となり、1以上の連続するPGをまとめたものが1つのPTT(チャプター)となり、1以上の連続するPTTをまとめたものが1つのPGC(タイトル)となり、1個のPGC内での再生順にセル番号が定義され、 b 前記視聴制限ブロック設定部は、タイトルやチャプターの単位ではなく、わいせつなシーンや暴力的なシーンなど必要最低限の部分だけに視聴制限を課すために、DVD再生装置の管理者であるユーザ<A>が、視聴制限ブロックの開始及び終了の指示を入力すると、指示が入力された時点の再生フレームのPGCとCell番号とを視聴制限ブロックの開始点及び終了点として前記視聴制限ブロック記憶部に記憶し、 前記視聴制限設定部は、視聴制限ブロックについて、制限を課した再生方法を入力すると、視聴制限情報を作成し、前記視聴制限情報記憶部に記憶し、 c 前記再生制御部は、再生方法が副映像表示&音声ミュートの場合には、再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、音声データと映像データのデコードを中止し、副映像データを表示し、視聴制限ブロックの終了点に達したら、通常の再生を行う a DVD再生装置。」 (2)引用文献2について (ア)引用文献2の記載事項 原審の拒絶査定に、引用文献2として引用された、特開2001-94897号公報には、「車載用デジタルテレビ放送受信装置」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。 なお、下線は、説明のために当審にて付したものである。 【0003】最近のテレビ放送は、その多くが多重音声で放送されており、番組の内容に応じて、ステレオ放送、二カ国語放送、主/副音声放送、モノラル放送の音声が放送されている。 【0004】特に、主/副音声を有する番組は、画像を見ることのできない弱視の人のための解説音声を放送している場合が殆どである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受信装置では、車載用に搭載された場合は、前述の通り、走行中の安全性を確保するために運転者の注意を奪うことの無いように、画面表示を行わない構成をとることが必要であり、一般のテレビ放送は画像と音声により情報を提供するものであるため、音声のみの放送では十分な情報を得られないという問題があった。 【0008】上記の問題は、受信している番組が副音声を有する多重放送である場合は、当該副音声を再生音声に選択することで放送されている番組についての十分な情報を得ることが可能であるが、当該番組が副音声を有しているかどうかについては、受信装置などへの表示で確認する必要があり、また、副音声を有する多重放送であっても現行のテレビ放送では、その放送が二カ国語で放送されているものか、あるいは、弱視者などのための解説のための副音声を有するものかの判別は操作者による判断が必要であり、番組の副音声の確認ならびに再生音声としての選択が非常に面倒であるとともに、走行中に操作を行うことは安全面からも問題がある。 【0009】本発明の目的は、上記の課題に鑑み、デジタルテレビ放送で放送されている番組とともに送信されている番組情報に織り込まれた情報を判別することで、受信中の番組が多重音声で放送され、主/副音声を有する放送の場合、走行中あるいは画面非表示の状態においては、再生音声として副音声のみを選択して再生するようにすることで、運転者に番組情報を十分に提供できるとともに走行中の安全性を確保できる受信装置を提供することにある。 (イ)引用文献2技術 上記(ア)より、引用文献2には、「デジタルテレビ受信装置において、主/副音声を有する番組は、画像を見ることのできない弱視の人のための解説音声を放送している場合が殆どであり、画面非表示の状態においては、音声のみの放送では十分な情報を得られないという問題があるため、再生音声として副音声である画像を見ることのできない弱視の人のための解説音声を選択して再生する技術。」(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されている。 第5 本願発明と引用発明の対比と、一致点・相違点の認定 (1)対比 (a)本願発明の構成Aと引用発明の構成aとの対比 構成aにおける「Cell」は、「1個以上のVOBUで構成され、1個のVOBUは、GOP整数個分の映像データ、音声データ、副映像データがパック化されて」おり、「Cellをまとめたものが」最終的に「1つのPGC(タイトル)」となることから、CellやPGC(タイトル)は、映像データ、音声データを含むものであり、PGC(タイトル)は複数のCellを含むものである。 そうすると、構成aの「Cell」と「PGC(タイトル)」は、それぞれ『映像データ、音声データを含むCell』と『複数のCellを含み、映像データ、音声データを含むPGC(タイトル)』であるといえるので、構成aの「Cell」と「PGC(タイトル)」は、それぞれ、構成Aの「音響映像セグメント」と「音響映像コンテンツ」に相当する。 また、構成aの「DVD再生装置」は、DVD内の『複数のCellを含み、映像データ、音声データを含むPGC(タイトル)』を再生するための装置であるといえるから、構成Aの「複数の音響映像セグメントを含む音響映像コンテンツのための再生装置」に相当する。 さらに、構成aは、「1個のPGC内での再生順にセル番号が定義され」ていることから、Cellの映像データの各々は、DVD再生装置で再生される際に決められた順に再生される、すなわち、決められた時間に表示されるものといえ、引用発明は、構成Aの「前記音響映像セグメントの各々は、関連付けられた時間間隔中に表示されるように意図される」構成を有するものである。 したがって、構成aの「DVD再生装置」は、構成Aの「複数の音響映像セグメントを含む音響映像コンテンツのための再生装置であって、前記音響映像セグメントの各々は、関連付けられた時間間隔中に表示されるように意図される、再生装置」に相当する。 (b)本願発明の構成Bと引用発明の構成a、cとの対比 構成aの「DVD再生装置」は、「DVDに記憶された映像データ、音声データ、副映像データなどを出力する」ものであり、出力するために、映像データ及び副映像データをDVDから取得する取得手段を有しているといえる。 また、構成aより「映像データ、音声データ、副映像データがパック化されており」、構成cより「音声データと映像データのデコードを中止し、副映像データを表示」するものであるから、副映像データは、映像データと関連付けられており同期されている信号といえる。 そうすると、引用発明と構成Bは、「前記音響映像コンテンツ及び前記音響映像コンテンツに関連付けられ且つ前記音響映像コンテンツに同期された信号の取得手段」を含む点で共通する。 しかし、「前記音響映像コンテンツに関連付けられ且つ前記音響映像コンテンツに同期された信号」に関して、引用発明は、副映像データであるのに対し、本願発明は、音響説明信号であり、音響説明信号は、前記音響映像コンテンツ中に現れるイベントを説明する音響説明データと呼ばれるデータを含むものである点で相違する。 (c)本願発明の構成Cと引用発明の構成bとの対比 引用発明の「視聴制限ブロック設定部」は、構成bより「わいせつなシーンや暴力的なシーンなど必要最低限の部分だけに視聴制限を課すために、DVD再生装置の管理者であるユーザ<A>が、視聴制限ブロックの開始及び終了の指示を入力すると、指示が入力された時点の再生フレームのPGCとCell番号とを視聴制限ブロックの開始点及び終了点として視聴制限ブロック記憶部に記憶」するものである。 ここで、視聴制限ブロックは、予め管理者が定めたわいせつなシーンや暴力的なシーンを含んだ1又は複数のCellであり、管理者が検出しているといえるので、引用発明の「視聴制限ブロック設定部」は、構成Cの「前記音響映像セグメントの中で、センシティブなセグメント基準と呼ばれる予め定められた基準に対応する少なくとも1つの音響映像セグメントを検出する手段」に相当する。 (d)本願発明の構成D、Eと引用発明の構成cとの対比 引用発明の「再生制御部」は、構成cより「再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、音声データと映像データのデコードを中止」するものであり、視聴制限ブロックを削除するものといえるので、引用発明の「再生制御部」は、構成Dの「前記音響映像コンテンツにおける前記センシティブなセグメント基準を満たす前記音響映像セグメントを削除する手段」に相当する。 また、引用発明の「再生制御部」は、構成cより「再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、音声データと映像データのデコードを中止し、」「視聴制限ブロックの終了点に達したら、通常の再生を行う」ものであるから、引用発明の「再生制御部」は、構成Eの「前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントを除いて音響映像セグメントを再生」する手段に相当する。 さらに、引用発明の「再生制御部」は、構成cより「再生フレームが視聴制限ブロックの開始点に達したら、音声データと映像データのデコードを中止し、副映像データを表示」するものであるから、引用発明の「再生制御部」と、構成Eの「前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に、前記音響説明信号の音響データを再生する」手段とは、「前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に、前記信号のデータを再生する」手段である点で共通する。 以上より、引用発明の「再生制御部」と、本願発明の構成D、Eは、「前記音響映像コンテンツにおける前記センシティブなセグメント基準を満たす前記音響映像セグメントを削除する手段と、前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントを除いて音響映像セグメントを再生し、かつ前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に、前記信号のデータを再生する手段」である点で共通する。 しかし、「前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に」再生するデータに関して、引用発明は、副映像データであるのに対し、本願発明は、音響説明信号の音響データである点で相違する。 (2)一致点・相違点 以上をまとめると、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「A 複数の音響映像セグメントを含む音響映像コンテンツのための再生装置であって、前記音響映像セグメントの各々は、関連付けられた時間間隔中に表示されるように意図される、再生装置であって、 B’前記音響映像コンテンツ及び前記音響映像コンテンツに関連付けられ且つ前記音響映像コンテンツに同期された信号の取得手段を含み、 A 前記再生装置はまた、 C 前記音響映像セグメントの中で、センシティブなセグメント基準と呼ばれる予め定められた基準に対応する少なくとも1つの音響映像セグメントを検出する手段と、 D 前記音響映像コンテンツにおける前記センシティブなセグメント基準を満たす前記音響映像セグメントを削除する手段と、 E’前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントを除いて音響映像セグメントを再生し、かつ前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に、前記信号のデータを再生する手段と、 A を含む、前記再生装置。」 (相違点) 「前記音響映像コンテンツに関連付けられ且つ前記音響映像コンテンツに同期された信号」に関して、本願発明は、音響説明信号であり、音響説明信号は、前記音響映像コンテンツ中に現れるイベントを説明する音響説明データと呼ばれるデータを含むものであるのに対し、引用発明は、副映像データであり、そのことに起因して、「前記センシティブなセグメント基準を満たす前記少なくとも1つの音響映像セグメントの表示のために意図された前記時間間隔中に」再生するデータに関して、本願発明は、音響説明信号の音響データであるのに対し、引用発明は、副映像データである点。 第6 判断 引用発明の目的は、段落0011に記載されているように、ユーザのストーリの内容理解を損なうことなく、必要最低限の部分だけに視聴制限を課すことができるDVD再生装置を提供することである。すなわち、視聴制限を課す際に、内容理解を損なわないようにするために、必要最小限の部分だけにするというものである。 ここで、画面非表示の状態において、内容理解を損なわないようにする場合に、引用文献2技術に接した当業者であれば、引用発明において、映像データと副映像データがパック化、すなわち同期されており、音声データと映像データのデコードを中止した場合に、副映像データを表示することに代えて、画像を見ることのできない弱視の人のための解説音声、すなわち、本願発明のように、音響映像コンテンツ中に現れるイベントを説明する音響説明データと呼ばれるデータを含む音響説明信号を同期させ、音響データを再生するように構成することは、容易に想到し得ることである。 したがって、相違点については、格別のものではなく、また、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-003052

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