意匠拒絶査定不服審判
2018-002410
包装用容器
- 審判番号
- 2018-002410
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2017-000736外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年02月20日
- 審決日
- 2018年08月20日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】サントリーホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】永芳 太郎
- 分類
- D18 .113-WY (F4-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2017- 736「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成29年(2017年)1月18日の意匠登録出願であって,その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 8月21日付け 拒絶理由の通知
平成29年10月10日 意見書提出
平成29年11月15日付け 拒絶査定
平成30年 2月20日 審判請求
第2 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし,「添付図面中,実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分の境界のみを示す線である。」(以下,この意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2015年5月27日に受け入れた内国カタログ「PACKAGE DESIGN IN JAPAN BIENNIAL VOL.16」(発行日:2015年 5月20日),第553頁所載の包装用容器(特許庁意匠課公知資料番号第HC27501245号)の蓋を除く容器本体の意匠(以下「引用意匠」といい,本願部分に相当する部分を「引用部分」という。)であり,その形態を,同カタログに記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
第4 対比
1.意匠に係る物品
両意匠は,意匠に係る物品を,共に「包装用容器」としたものである。
2.両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
両部分は,共に上から順に口部,肩部,胴部及び底部から構成された包装用容器のうち,口部の中間付近から肩部を経て,胴部の上端から少し下がった高さまでの位置,大きさ及び範囲とするものであり,包装用容器における当該部分の用途及び機能を有するものである。
3.両部分の形態
両部分の形態については,主に以下の共通点及び相違点が認められる。
(1)共通点
(A)口部は,細口の略円筒形とし,その下端寄りに鍔部を設けたものであり,(B)肩部は,略円錐台形とし,上端の直径と下端の直径の比率を約3対8,傾斜角度を約50度としたものであり,(C)胴部は,略円筒形とし、下方へ向けて凹弧状に縮径しはじめるものである。
(2)相違点
(ア)口部について,本願部分は,鍔部の上方にもそれよりも小さい鍔部を有するものであるのに対して,引用部分は,鍔部の上方がキャップに覆われていて,その形態は不明である。
(イ)肩部と胴部との境界付近について,本願部分は,肩部の直下から胴部が凹弧状に縮径しはじめるものであり,境界部分が角張っているのに対して,引用部分は,胴部の肩部寄りに鉛直状のごく短い余地部を介して凹弧状に縮径しはじめるものであり,境界部分は丸みがある。
第5 判断
1.意匠に係る物品について
意匠に係る物品については,両意匠共に「包装用容器」であるから,同一である。
2.両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲について
両部分は,共に上から順に口部,肩部,胴部及び底部から構成された包装用容器のうち,口部の中間付近から肩部を経て,胴部の上端から少し下がった高さまでとするものであるから,その用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は,同一である。
3.両部分の形態について
(1)共通点の評価
共通点(A)ないし(C)は,いずれもこの種物品において普通に見られる形態であり,両部分のみの特徴とはいえないから,これらの共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,一定程度に止まる。
(2)相違点について
相違点(ア)の口部における相違は, 一方の引用部分の形態が不明であるとしても,本願部分のように口部において下端寄の鍔部の上方にそれよりも小さな鍔部を設けた形態は,この種物品において普通に見られるものであるし,部分全体から見ればその占める割合も高さにおいて約6分の1と小さいから,この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
相違点(イ)の肩部と胴部との境界付近の相違は,本願部分が,従来に見られないものであり,シャープな印象を与えるのに対して,引用部分は,従来から見られるものであり,ソフトな印象を与えるものであって,両部分から受ける印象は異なるから,この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
4.類否
両部分について部分全体として総合的に観察した場合,上述の両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づけば,共通点は,いずれも両部分の類否判断に及ぼす影響が一定程度に止まるものであるのに対して,相違点は,相違点(ア)の口部における相違が軽微なものであるとしても,相違点(イ)の肩部と胴部との境界付近の相違が需要者に異なる美感を起こさせるものといえる。
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が同一であり,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲も同一であるが、両部分の形態において需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。
第6 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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