特許拒絶査定不服審判
2018-002241
クロモリンを送達する方法
- 審判番号
- 2018-002241
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-515079外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年02月16日
- 審決日
- 2019年09月18日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アズセラピーズ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人 大島特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (A61K) / P18 .537-WZ (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-515079「クロモリンを送達する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月 8日国際公開、WO2015/002703、平成28年11月10日国内公表、特表2016-534976〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年 5月22日(パリ条約による優先権主張 2013年 5月23日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 1月26日受付:手続補正書
平成29年 5月10日付け:拒絶理由通知書
同年 8月11日受付:意見書、手続補正書
同年10月 5日付け:拒絶査定
平成30年 2月16日受付:審判請求書、手続補正書
同年 4月13日付け:前置報告書
同年10月 5日付け:拒絶理由通知書
平成31年 4月 9日受付:意見書、手続補正書
第2 本願発明
本願の請求項1ないし17に係る発明は、平成31年4月9日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1、8及び9に係る発明(以下「本願発明1」、「本願発明8」及び「本願発明9」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
吸入用組成物であって、
(i)粒子状の有効成分、及び1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤、又は(ii)粒子状の有効成分、1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤、及び非ステロイド系抗炎症剤のみからなり、
能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって、ステージ4以上で次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置によって測定されたとき、前記粒子の少なくとも30%が約1~4マイクロメートルの空気力学的質量中央径(MMAD)を有し、前記有効成分が、クロモリンまたはその薬学的に許容可能な塩若しくはエステルであり、前記組成物における前記クロモリンまたはその薬学的に許容可能な塩若しくはエステルの量が少なくとも3mgであることを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物を含む噴霧器デバイス。
【請求項9】
当該デバイスが、ドライパウダー吸入器(DPI)デバイス、定量噴霧式吸入器(MDI)デバイス、またはドライパウダー噴霧器(DPN)デバイスであることを特徴とする請求項8に記載の噴霧器デバイス。」
第3 拒絶の理由
平成30年10月5日付けで当審が通知した拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
1-1 この出願の請求項1~10、14~17に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術(要すれば、引用文献2等参照)に基づいて、
請求項11~14に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術(要すれば、引用文献2、6~8等参照)に基づいて、並びに、
請求項7に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術(要すれば、引用文献2~4等参照)に基づいて、
その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1-2 この出願の請求項1~10、14~17に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献5に記載された発明に基づいて、並びに、
請求項7に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献5に記載された発明及び周知技術(要すれば、引用文献3~4等参照)に基づいて、並びに、
請求項7に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献5に記載された発明及び周知技術(要すれば、引用文献3、4等参照)に基づいて、
その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2 この出願は、請求項1~17について、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
引用文献等一覧
1.特開2001-151673号公報
2.KONA No.16 p.7-45、1998.発行(周知技術を示すための文献)
3.特表2012-516356号公報(周知技術を示すための文献)
4.日薬理誌 vol.123 p.421-427、2004.発行(周知技術を示すための文献)
5.特表2001-517691号公報
6.特表2002-524107号公報(周知技術を示すための文献)
7.特表2005-532091号公報(周知技術を示すための文献)
8.特表2000-503866号公報(周知技術を示すための文献)
第4 理由1-1(特許法第29条第2項)についての当審の判断
1 引用文献の記載及び引用発明
(1)引用文献1について
ア 引用文献1には、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】 ドライパウダー吸入器に用いられる吸入用粉末製剤の製造方法であって、(a)薬物(トロンボキサン拮抗作用を有するアズレン誘導体を除く)と補助物質とを混合した後、微粒子状に混合粉砕して微粒子混合物を得る工程、及び(b)上記微粒子混合物と担体粒子とを混合する工程を含む方法。
【請求項2】 混合粉砕を高速気流中で行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】 微粒子混合物の凝集体を破壊しつつ担体粒子と混合する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】 該補助物質が糖類、糖アルコール類、及びアミノ酸類からなる群から選ばれる1又は2以上の物質である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】 該補助物質が乳糖である請求項4に記載の方法。
【請求項6】 該微粒子混合物の粒子径が1~5μmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】 該担体粒子が糖類及び糖アルコール類からなる群から選ばれる1又は2以上の物質を含む担体粒子であるである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】 該担体粒子が乳糖を含む粒子である請求項7に記載の方法。
【請求項9】 該担体粒子の粒子径が50~125μmである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】 該微粒子混合物及び該担体粒子を重量比で1:19~10:10の範囲で含む請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】 該微粒子混合物及び該担体粒子を重量比で3:17~6:14の範囲で含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】 薬物が肺胞部位からの吸収により薬効を示す薬物である請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】 薬物が抗アレルギー剤、β2刺激薬、ステロイド化合物、又は抗コリン薬である請求項12に記載の方法。
【請求項14】 薬物がクロモリン、硫酸サルブタモール、又はプロピオン酸ベクロメタゾンである請求項13に記載の方法。」
(イ)「【0004】もっとも、微粉末のみで構成される吸入用粉末製剤では、吸入器からの十分な薬物排出量が得られず、投与量が不確実になる場合が多い。また、吸入用粉末製剤を吸入器から吸入する場合、疾患病変部である気道、細気道、肺胞に薬物微粉末が到達するためには1~5μm程度のMMADを有していなければならないが、微粒子は非常に凝集しやすいため、1次微粒子として1~5μm程度の粒子径を有していても微粒子の大部分が凝集してしまい、しかも凝集体は口腔内および上気道において再分散されないため、結果としてMMADが大きくなり肺到達率は低いものとなってしまう。
【0005】そこで、薬剤の微粉末を大粒子表面に付着させて微粉末の凝集を抑制し、粉末の流動性を改善して薬物の肺到達率を向上させる手法が採用されている。しかしながら、このような吸入用粉末製剤では薬物の微粒子量に対して担体粒子を大量に用いるために、ほとんどの薬物微粒子は担体粒子表面に強く付着しており、薬物微粒子を担体粒子から離脱させるためには大きな外力(分散力)が必要となる。このため、薬物が1次微粒子として効率的に気道、細気道、肺胞に到達することができないという問題が生じる。一般的な吸入用粉末製剤の排出薬物量に対する肺薬物到達量(肺到達率)は10%程度であるとされており、標的部位である疾患部位(気道、細気道、肺胞)に薬物を効率よく送達させることを目的とする吸入用製剤として満足できる性能ではない。」
(ウ)「【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ドライパウダー吸入器に用いられる吸入用粉末製剤の製造方法を提供することにあり、より具体的には、薬物の排出性を高く保ちつつ良好な再分散性を有し、優れた粉末流動性を有するとともに、疾患部位への薬物到達率を高めた吸入用粉末製剤を製造する方法を提供することが本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために種々研究を行った結果、乳糖などの補助物質と薬剤とを混合粉砕して微粒子混合物を調製し、さらに担体粒子と混合することによって、上記の特徴を有する吸入用粉末製剤を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。」
(エ)「【0020】本発明の方法により製造される吸入用粉末製剤は、ドライパウダー吸入器を用いて吸入する場合に好適な流動性を有しており、80%~100%の排出率で吸入容器から排出させることができる。また、ドライパウダー吸入装置から排出された後、口腔内や上気道において薬物微粒子が1次粒子に容易に再分散され、約20%~30%の高効率で標的部位である気道、細気道、肺胞などに到達する。」
(オ)「【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
例1
薬物としてβ2刺激薬である硫酸サルブタモールを使用し、製剤20mgあたりの硫酸サルブタモールの含有量を100μgに固定し、硫酸サルブタモールと乳糖の混合粉砕により得られた微粒子混合物と担体粒子として用いる乳糖(担体乳糖)との比率を、4:16、8:12とした製剤を下記の方法に従い作成した。比較のため、乳糖の微粒子を含まず、硫酸サルブタモールと担体乳糖の比を0.1:19.9とした製剤も製造した。
【0022】硫酸サルブタモール(結晶、平均粒径:3.7μm)各1.0gと乳糖各39g、79gを金属容器に取り、均一になるまで混合した。次いでこの混合物を32メッシュの篩上で凝集体(団粒)を破砕しながら押し出す篩過工程を3回繰り返した。得られた混合物をジェットミル(Co-Jet:セイシン企業)でP圧(押し込み圧):5.0kg/cm2、G圧(グラインド圧):4.0kg/cm2、粉体送り速度:0.1g/secで混合粉砕を行い、平均粒径1.6μmの微粒子混合物2種類を得た。比較製剤の製造のために、乳糖の微粒子を含まない硫酸サルブタモール微粒子も同様に製造した。
【0023】上記の硫酸サルブタモール微粒子(比較用)1.0g、及び微粒子混合物各40g及び80gに対し、それぞれ199g、160g、及び120gの乳糖(担体乳糖)を金属容器中で均一になるまで混合した。その後、混合物を32メッシュの篩上で凝集体を破砕しながら押し出す篩過工程を3回繰り返した。ここで得られた各粉体を吸入用粉末製剤とした。なお、実施例において用いた乳糖はすべて平均粒子径65μmの結晶篩下乳糖である。
(中略)
【0026】例4
薬物としてクロモグリク酸ナトリウム(以下、「DSCG」と略す場合がある。)を用い、製剤20mg(1回投与量)あたりのDSCGの含有量を1mg、2mg、及び4mgとした製剤を下記に示した方法により製造した。DSCG原末及びDSCG原末と同量の乳糖(担体乳糖)をジェットミル(Co-Jet:セイシン企業)でP圧(押し込み圧):5.0kg/cm2、G圧(グラインド圧):4.0kg/cm2、粉体送り速度:0.1g/secで混合粉砕を行い、平均粒径2.5μmの微粒子混合物を得た。この微粒子混合物20g、40g、及び80gに対し、それぞれ180g、160g、及び120gの乳糖(担体乳糖)を金属容器中で均一になるまで混合した。その後、混合物を32メッシュの篩上で凝集体を破砕しながら押し出す篩過工程を3回繰り返した。ここで得られた各粉体を吸入用粉末製剤とした。
(中略)
【0028】試験例1
例1で得られた3種の吸入用粉末製剤を3号カプセルに20mgずつ充填後、ドライパウダー吸入器(MIAT社製の単回投与式吸入器)から排出されたドライパウダー量20mgに対する率〔排出率=(排出前後のカプセル重量の差/20)×100〕を求めた。微粒子混合物と担体粒子の比率が4:16の比率を越えると排出率が若干低下する傾向が認められた。
【0029】アンダーセンカスケードインパクター(COPLEY社)で28.3L/分で8秒間吸引後、各ステージに到達した薬物の到達量を測定することにより、肺到達率を調べた。肺到達率は、吸引後カプセル中の硫酸サルブタモールがステージ3~7に到達した到達量(4.7μm以下の硫酸サルブタモール微粒子の量に相当)のパーセントで表した。結果を図1に示す。
(中略)
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高い肺到達率を有し、ドライパウダー吸入器を用いて吸入する場合に吸入器から良好な排出性を有する吸入用粉末製剤を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法(例1)で製造した吸入用粉末製剤の肺到達率を示した図である。
【図1】
」
イ 引用発明1
上記アの(ア)及び(オ)の段落【0026】の記載からみて、引用文献1には、「ドライパウダー吸入器を用いて投与される吸入用粉末製剤であって、製剤20mg(1回投与量)あたりのクロモグリク酸ナトリウム(DSCG)の含有量が1、2又は4mgであり、以下の製法により製造される製剤。
DSCG原末及びDSCG原末と同量の乳糖(担体乳糖)をジェットミル(Co-Jet:セイシン企業)でP圧(押し込み圧):5.0kg/cm2、G圧(グラインド圧):4.0kg/cm2、粉体送り速度:0.1g/secで混合粉砕を行い、得られた平均粒径2.5μmの微粒子混合物20g、40g、及び80gに対し、それぞれ180g、160g、及び120gの乳糖(担体乳糖)を混合し、混合物を32メッシュの篩上で凝集体を破砕しながら押し出す篩過工程を3回繰り返して得る。」(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
2 対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「クロモグリク酸ナトリウム」及び「乳糖」は、本願発明1の「クロモリンまたはその薬学的に許容可能な塩若しくはエステル」及び「1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤」に相当し、
両者は、「(i)粒子状の有効成分、及び1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤のみからなり、前記有効成分が、クロモリンまたはその薬学的に許容可能な塩若しくはエステルである吸入用組成物。」である点で一致するものであり、
(1) 本願発明1は、組成物が「能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって、ステージ4以上で次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置によって測定されたとき、前記粒子の少なくとも30%が約1~4マイクロメートルの空気力学的質量中央径(MMAD)を有」していることが特定されているのに対して、引用発明1ではそのような特定がない点、及び、
(2) クロモリンまたはその薬学的に許容可能な塩若しくはエステルの量が、本願発明1は「少なくとも3mgである」のに対して、引用発明1は「1、2又は4mg」である点で、相違するものである。
3 判断
(1) 相違点(1)について
「能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって、ステージ4以上で次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置によって測定されたとき、前記粒子の少なくとも30%が約1~4マイクロメートルの空気力学的質量中央径(MMAD)を有し」との記載は、平成31年4月9日受付の手続補正により追加されたものである。
請求人が補正の根拠として指摘する出願当初の明細書の段落【0075】には、そのような記載はなされていない。
しかしながら、本願明細書段落【0033】の「30L/分の流量で合計約4秒間操作すると、NGIカスケードインパクタのステージ4以上において、約4ミクロン以下の空気力学的質量中央径(MMAD)を有する粒子が捕集される」との記載に鑑みれば、NGIカスケードインパクタのステージ4以上に到達する粒子のMMADは当然4マイクロメートル以下であると解されるから、手続補正により追加された「能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって、ステージ4以上で次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置によって測定されたとき、前記粒子の少なくとも30%が約1~4マイクロメートルの空気力学的質量中央径(MMAD)を有」しとの記載は、「能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって、ステージ4以上で次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置のステージ4以上への前記粒子の到達率が少なくとも30%であ」ることを意図したものと認められる。
ここで、「薬学的なドライパウダーエアゾールの分散と特徴」との表題の総説である引用文献2には、以下の記載がなされている(翻訳は、合議体が付したもの)。
ア 「ドライパウダー吸入器は、肺性及び全身性疾患の治療のために、薬物を肺に送達するために利用されるだろう。ドライパウダー吸入器は、製剤、計量システム及び輸送デバイスからなる。製剤は、通常大きな賦形剤粒子(30~125μm)と共に、小さな薬剤粒子(空気力学的中央粒子径<5μm)からなる。(中略)能動型デバイスはエアゾールを送達するために独立したエネルギー源を利用する。(中略)微粒子の1回分の投与量、または、計量された1回分の投与量の微粒子分画(FPF)が、エアゾール粒子サイズの最も単純な表現方法である。受動型吸入器は、50%までのFPFを、能動型吸入器は、70%までのFPFを投与することが報告されている。(以下、略)」(7頁要約)
イ 「3.吸入器による分散のメカニズム
(中略)
呼吸に適したサイズの範囲内でエアロゾールを生成することは、静止した粒子の流動化と脱凝集を必要とする。」(18頁左欄第11行、同頁右欄第4~6行)
ウ 「3.2 能動型ドライパウダー吸入器における分散
(中略)
パウダーの流動化と分散のための基本原理は、受動型デバイスと同じである。しかしながら、追加のエネルギーが患者の呼吸パターンへのエアゾール化プロセスの依存を減少または消滅させ、1回分の投与量と粒子サイズの変動を減少させる。」(22頁左欄第1~10行)
引用文献2のこれらの記載からみて、ドライパウダー吸入器の中でも能動型のものは、外部からのエネルギーを利用して微粒子の再凝集を抑制し、投与量の減少と粒子サイズの変動を減少させるデバイスであることは、当該分野における周知技術であり、能動型デバイスとしては、乾燥粉末の凝集を解消して分散させる振動型デバイス(要すれば、引用文献6~8の要約、特許請求の範囲等参照)等様々なデバイスが知られている。
引用文献1の1(1)ア(オ)には、引用発明1の微粒子と同じ条件下でジェットミルを用いて混合粉砕された微粒子混合物と担体乳糖との混合物(例1)について、試験例1として、ドライパウダー吸入器(MIAT社製の単回投与式吸入器)から排出されたドライパウダーを、アンダーセンカスケードインパクターで28.3L/分で8秒間吸引後、各ステージに到達した薬物の到達量を測定したところ、「ステージ3~7に到達した到達量(4.7μm以下の硫酸サルブタモールの微粒子の量に相当)」は図1のとおりであったことが記載されている。
例1の薬剤は、有効成分が硫酸サルブタモールであるという点で引用発明1とは異なるものであるが、1(1)ア(ア)の請求項12の引用形式で記載される請求項14に記載されるように、硫酸サルブタモールとクロモリンは肺胞部位からの吸収により薬効を示す薬物である。加えて、引用文献1の上記1(1)ア(ウ)及び(エ)の記載等をも勘案すると、同様の方法で調製された引用発明1の粉末製剤も、例1の薬剤と同程度ステージ3~7へ到達し得る蓋然性が極めて高いものといえる。
本願発明1と引用発明1は、測定に用いる吸入器デバイス、測定に用いられる装置と時間及び測定対象のステージが異なるため、一律に比較できないものである。
しかしながら、ドライパウダー吸入器の中でも能動型のものは、外部からのエネルギーを利用して微粒子の再凝集を抑制し、投与量の減少と粒子サイズの変動を減少させるデバイスであることは、当該分野における周知技術である(要すれば、上記引用文献2の記載等参照)ところ、引用発明1では受動型ドライパウダー吸入器デバイスによる送達においても、図1に示されるとおり50%近くがステージ3以上に到達しているのであるから、引用発明1の製剤を本願発明1と同様の本願明細書段落【0075】に記載の能動型デバイスを用いて、本願の請求項1に記載の測定条件で測定した際には、粒子の少なくとも30%がステージ4以上へ到達するものと認められる。
また、仮にそうでないとしても、引用文献1の1(1)ア(イ)には、疾患病変部である気道、細気道、肺胞に薬物微粉末が到達するためには、吸入器からの十分な薬物排出量に加え、1~5μm程度のMMADを有していなければならないが、微粒子は非常に凝集しやすく、一次微粒子として1~5μm程度の粒子径を有していても微粒子の大部分が凝集してしまい再分散されないため、結果としてMMADが大きくなり肺到達率が低くなってしまうという問題点が認識されていたことが記載されるように、吸入による治療において、十分な排出量を確保すると共に、微粒子の再凝集を抑制することは、当該分野における周知の課題である。
してみれば、引用発明1において、十分な排出量を確保すると共に、再凝集を抑制し、肺胞部位への送達を目指して、より上位のステージへの到達率を上げるために、ドライパウダー吸入器として外部からのエネルギーを利用して微粒子の再凝集を抑制し、投与量の減少と粒子サイズの変動を減少させるデバイスであることが周知の能動型吸入器を用いて(要すれば、上記引用文献2、6~8等参照)測定を行うと共に、その測定条件を特定することは、当業者が容易に想到し得るものである。
(2) 相違点(2)について
引用発明1において、所望の効能の程度に応じて、有効成分の含有量の範囲を決めることは、当業者が実施に際して適宜なしえる範囲内の事項である。
(3) 本願発明1の効果について
周知の能動型ドライパウダー吸入器(要すれば、引用文献2、6~8等参照)を用いることにより、受動型吸入器を用いた場合と比較して、ステージ4以上への送達率が上昇するであろうことは、当業者が周知技術から予測しえる範囲内のものであり、本願発明1により、引用発明1、引用文献1に記載の事項及び周知技術から予測しえない有利な効果が奏されたとはいえない。
(4) 請求人の主張について
請求人は、平成31年4月9日付け意見書において、以下のように主張する。
ア 引用文献1のクロモグリク酸二ナトリウム粒子の2.5μmの直径は、幾何学的直径を指しています。引用文献1において粒子の幾何学的粒径が選択されていることは、段落0026に記載の、混合粉砕や、32メッシュの篩で粉末製剤を得るという製造工程の記載によって理解されます。これに対して、本願の請求項では、空気力学的質量中央径(MMAD)が用いられています。MMADという尺度は、粒子の直径に部分的に依存しますが、実際には、特に、エアロゾルの一部として移動する能力に重大な影響を及ぼす粒子の重量および不規則な形状を説明する明確なパラメータです。MMADは、粒子重量、サイズ、および形状の影響を受ける粒子慣性に基づいて、入ってくるサンプルを離散的な分画に分離する多段階カスケードインパクタで測定されます。したがって、当業者は、粒子のサイズが同じであっても、球形粒子が不規則形状の鱗片状粒子よりも異なる慣性を有することを容易に認識します。その結果、幾何学的粒径が2.5μmである引用文献1に開示された粒子が、同じMMADを有する可能性があると主張する根拠はありません。
イ 実際、引用文献1のデータは、開示された粒子のMMADが、本願請求項に記載のものと異なることを明確に示しています。1.6μmの幾何学的粒径(段落0022)を有する硫酸サルブタモール粒子は、50%がインパクタのステージ3~7に到達するために、流速23.8L/分(本出願の30L/分のパラメータに匹敵する)で8秒間の吸引を必要とします(段落0029)。本願請求項に係る発明ではステージ4以上への沈着が30%という同等のレベルに達するのに4秒間という半分の時間ですむことから明らかなように、本願請求項における1~4μmという範囲は、引用文献1に記載された事項の範囲外です。
ウ 対照的に、幾何学的粒径が1.5μmの化合物A粒子(引用文献1、段落0027)のMMADは6.4μmでした(引用文献1、段落0030)。これらのデータは、粒子の幾何学的直径とそのMMADとの間に直接の相関がないことを示唆しています。さらに、何らかの相関があったとしても、幾何学的粒径1.5μmがMAD6.4μmに相当するのだから、引用文献1に記載の粒径は、本願請求項で特定した粒径よりも大きいといえます。
エ したがって、引用文献1に記載のMMADは4.7μm~6.4μmであるため(段落0029及び0030)、引用文献1に開示されている粒子組成物は、本願請求項に記載の物と大きく異なります。この相違によって生じる顕著な効果は、明細書に記載されているように、下気道への粒子のより効率的な浸透、すなわち、薬剤のより効率的な送達です。
請求人の上記主張について検討する。
主張アについて
本願明細書の段落【0026】には、クロモリンの塩またはエステルの粒子は、通常、約2.5ミクロン未満・・の中央粒径(D50)を有すると記載されており、そのような粒径は引用発明1の平均粒径と同程度のものである。
しかしながら、請求人が主張するように、幾何学的粒径が同じ粒子が、必ず同じMMADを有するとはいえないことは、当該分野における技術常識であり、この点は、引用文献1の1(1)ア(イ)の記載からも明らかである。
そして、引用発明1は、1(1)ア(ウ)に記載されるとおり、疾患部位への薬物到達率を高めた吸入用粉末製剤を製造する方法を提供することを解決しようとする課題とするものであるところ、本願発明1との対比においては、引用文献1の記載から認定される引用発明1の粉末製剤のステージ3~7への到達率、及び、吸入デバイスに関する周知技術に基づいて、上述のとおり判断をしているのであり、幾何学的直径のみに基づき判断しているものではないことは明らかであるから、請求人の主張アは当を得たものとはいえない。
そもそも、本願明細書の発明の詳細な説明には、特定のMMADを有する粒子を調製するための具体的な方法は記載されておらず、実施例として「4つの異なる吸入器デバイスによるクロモリンの送達を評価するために次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置(略)を使用した。」との記載の下、吸入器デバイスの種類によりステージへの送達やMMADが異なることが記載されている点からみても、本願発明1の粉末は吸入器デバイスの種類によらず「球形粒子が不規則形状の鱗片状粒子」等の特定の構造を有するものであることが明らかということもできない。
主張イ~エについて
主張イについて、引用文献1の試験例1のデータは、吸入器としては段落【0028】に記載のとおり、ドライパウダー吸入器(MIAT社製の単回投与式吸入器)を用いた際の結果であり、カスケードインパクタの測定条件も異なるため、本願明細書段落【0075】以降に記載される能動型ドライパウダー吸入器デバイスを用いた評価と一律に比較できないものである。
主張ウは、引用文献1の試験例2である、ドライパウダー吸入器(MIAT社製の単回投与式吸入器)から排出された、例5の製剤を3号カプセルに充填したものについての、ツインインビンジャー(COPLEY社)で60.0L/分で4秒間吸引後、ステージ2に到達した到達量(6.4μm以下の化合物Aの微粒子の量に相当)の記載に基づくものであり、本願明細書段落【0075】以降の記載とは、その調製方法、測定方法、及び、対象とするステージのいずれも異なるものであり、殊更、一律に評価できるものではない。
しかも、これらの引用文献1の試験例に基づき、「引用文献1に記載のMMADは4.7μm~6.4μmであるため(段落0029及び0030)」との主張エは、引用文献1の記載を正しく解釈するものとはいえないことは明らかである。
このようにイ~エの請求人の主張をもって、本願発明1は引用発明1から予測し得ないものであるとも、予測しえない有利な効果を奏するものであるともいうことはできない。
以上のとおりであるから、審判請求書における請求人の主張を勘案しても、依然として、本願発明1は、引用発明1並びに引用文献1の記載及び本願優先日当時の周知技術(要すれば、引用文献2、6~8等等参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 理由2(特許法第36条第6項第1号)についての当審の判断
特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第1号に規定する要件(いわゆるサポート要件)に適合するか否かは,特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
本願の請求項1~17に係る発明は、本願明細書の段落【0006】の記載からみて、クロモリンを所定の吸気流速範囲にわたって効率的にかつ一貫して吸入により送達するための改善された方法及び組成物の提供を解決しようとする課題とするものである。
そして、本願の請求項8が引用する請求項1には、「能動型ドライパウダー吸入器デバイスによって送達され、かつ30L/分の流量及び約4秒間の時間をもって~」との記載がなされるものの、当該記載は、請求人が意見書において主張するように、請求項1の組成物について、特定のデバイスを使用して測定した時のパラメータを特定しているにすぎない。
ここで、本願明細書段落【0065】には、「4つの異なる吸入器デバイスによるクロモリンの送達を評価するために次世代製薬向けインパクタ(NGI)カスケードインパクタ装置(MSP Corporation, Shoreview, Minnesota, US)を使用した」と記載され、具体的には以下の事項が記載されている。
1 クロモリン酸二ナトリウム(DSCG)(Cambrex)及びLactohale LH300ラクトース(Friesland Foods Domo)をアルピネ ピコライン高せん断ミキサ(module Picomix)(Hosokawa Alpine, Augsburg, Germany)中で4000rpmの速度で3分間混合することによって、DSCGとラクトースの混合物を作製し、受動型ドライパウダー吸入器デバイスに装填し、NGIカスケードインパクタ装置を用いて約100L/分の流量をもって2.4秒間テストしたところ(表1)、段落【0068】に、受動型吸入器デバイスでは、純粋なDSCGの初回投与量の3%及びクロモリン混合物の初回投与量のしかNGIカスケードインパクタ装置のステージ4以上に送達されなかったこと(段落【0067】、【0068】)、
2 クロモリン酸二ナトリウム(DSCG)(Cambrex)及びラクトース一水和物(DMV-Fonterra Excipients)(等級:13%が微粉体であるLactohale 200)を速度90rpmで60分間混合することによって2つの混合物を作製した。両混合物は、DSCGとラクトースとの相対量が異なっており、DSCG:ラクトースの含有比率が、一方は50:50(wt/wt)、他方は20:80(wt/wt)であった。混合物をブリスターストリップに充填し、その後、定量マルチドーズ受動型ドライパウダー吸入器デバイスであるPROHALER吸入器デバイスに組み込み、NGIカスケードインパクタ装置を用いて約35L/分の流量をもってテストしたところ(表2)、クロモリン混合物(50:50の混合)の初回投与量の約4.4%及びクロモリン混合物(20:80の混合)の初回投与量の約9.6%しかNGIカスケードインパクタ装置のステージ4以上に送達されなかったこと(段落【0069】~【0071】)、
3 クロモリン酸二ナトリウム(DSCG)とラクトースとを含む混合物をカプセルベースのドライパウダー吸入器であるTWISTER吸入器デバイスに組み込み、NGIカスケードインパクタ装置を用いて約30L/分の流量をもってテストした(表3)ところ、クロモリン混合物の初回投与量の約24%しかNGIカスケードインパクタ装置のステージ4以上に送達されなかったこと(段落【0072】~【0074】)、及び、
4 クロモリン酸二ナトリウム(DSCG)(Cambrex)及びラクトース一水和物(DFE Pharma)(等級:Lactohale LH201)を速度150rpmで15分間混合して得られたDSCGとラクトース一水和物の混合物と純粋なDSCGをブリスターに充填し、圧電振動子の作動によって粉末粒子を解砕する能動型ドライパウダー吸入器デバイスに組み込み、NGIカスケードインパクタ装置を用いて約30L/分の流量をもって2秒間テストしたところ(表4)、純粋なDSCGの初回投与量の42%及びクロモリン混合物の初回投与量の43%がNGIカスケードインパクタ装置のステージ4以上に送達されたこと(段落【0075】~【0076】)。
これら本願の発明の詳細な説明の記載1~4は、測定方法や条件が一律でないため、厳密な対比はできないものの、これらの記載によれば、上記本願の請求項1~17に係る発明の課題を達成するためには、本願明細書段落【0075】に記載される能動型ドライパウダー吸入器デバイスの使用が、課題を解決するための手段として必須であると認められる。
しかしながら、請求項1は、組成物について、特定のデバイス使用による測定時のパラメータを特定しているにすぎず、請求項1に記載の組成物を含む噴霧器デバイスに関する請求項8に係る発明は、その従属請求項である請求項9の記載からも明らかなように、能動型以外のあらゆるDPIデバイス、MDIデバイス及びDPNデバイスを包含するものである。
そして、これらのデバイス自体は本願明細書の発明の詳細な説明に記載があるとしても、これらのデバイスについては、本願明細書段落【0075】に記載の能動型ドライパウダー吸入器デバイスとは異なり、上述のとおり本願明細書において、ステージ4以上への30%以上の到達はできず、クロモリンを効率的にかつ一貫して吸入により送達することができないことが本願明細書において確認されているものである。
すると、請求項8及び9に係る発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではなく、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものでもない。
よって、請求項8及び9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
請求人は意見書において、「請求項8-14に係る発明は、明細書の段落0065-0074に記載されています。また、補正後の請求項1では、特定のデバイスを使用して測定した時の成分のパラメータを特定しているに過ぎないので、請求項8-14に係る発明は、補正後の請求項1と矛盾しません。よって、補正後の請求項8-14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなりました。」と述べるにとどまり、補正後の請求項8~14に係る発明は、本願発明の課題を解決するものであるという点について、何ら具体的に説明するものではない。
したがって、請求人の意見書における主張を勘案しても、請求項8及び9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
第6 むすび
上記第4のとおり、本願請求項1に係る発明は、引用発明1並びに引用文献1の記載及び本願優先日当時の周知技術(要すれば、引用文献2、6~8等参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について進歩性の検討をするまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
また、上記第5のとおり、本願の請求項8及び9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでなく、本願は特許法第36条第6項第1号の規定を満たすものでないから、他の請求項に係る発明についてサポート要件の検討をするまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-002241