特許拒絶査定不服審判
2018-001365
順番管理システム、順番管理装置、およびプログラム
- 審判番号
- 2018-001365
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-117900外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年02月01日
- 審決日
- 2019年01月22日
- 公報発行日
- 2019年03月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-117900「順番管理システム、順番管理装置、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日出願公開、特開2018- 60515、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
本願は、平成29年6月15日(優先権主張 平成28年9月29日)の出願であって、平成29年9月14日付けで拒絶理由通知がなされ、平成29年10月12日に手続補正がなされたが、平成29年11月8日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、平成30年2月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成29年11月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-8に係る発明は、以下の引用文献1-11に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2007-264702号公報
2.特開2016-122355号公報
3.特開2004-38823号公報
4.特開2016-15047号公報
5.特開2002-259577号公報
6.特開2002-311170号公報
7.特開2005-228176号公報
8.国際公開第2014/13628号
9.特開2004-192297号公報
10.特開2001-306207号公報
11.杉浦 淳,例示によるデータベース問合せ,コンピュータソフトウェア,日本,日本ソフトウェア科学会,1997年5月15日,第14巻,61-74ページ
第3 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、平成30年2月1日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、
前記施設における順番待ち組のステータスの情報を含む順番待ちリストを保持する第1の記憶部と、
順番が到来した順番待ち客に対して提供される前記施設の複数の設備の使用状況の情報を保持する第2の記憶部と、
前記順番待ちリストの情報を表示する第1の表示部と、
各々の前記設備の配置と使用状況の情報を表示する第2の表示部と、
前記第1の表示部に表示された前記順番待ちリストの中から、順番が到来した順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組を前記第2の表示部に表示されたいずれかの設備へ割り当てる操作を受け付ける入力部と、
前記操作に基づいて、選択された順番待ち組のステータスを案内済に更新すると共に、順番待ち組が割り当てられた前記設備の使用状況を使用中に更新する管理部と、を備え、
前記第2の表示部は、前記第1の表示部上で順番待ち組が選択されると、当該順番待ち組の人数および当該順番待ち組が指定した設備の種類に基づいて、当該順番待ち組を案内可能な設備をその他の設備と区別可能に表示し、
前記管理部は、
ある設備の使用状況が使用中である状態が一定時間経過した場合に、順番待ち組に提示する待ち時間の再計算を行う、順番管理システム。」
本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2007-264702号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
ア.「【0011】
===システム構成例===
図1は、本発明を複数の客室を備えたカラオケ集合店舗に適用した場合のシステム構成を例示している。店舗のフロントに1台設置された客室管理端末(客席管理端末)1と、POSレジ端末2と、フロント周辺に設置された1~数台のタブレットタイプの事前注文端末3と、厨房に設置された厨房端末4と、各客室に設置されているタブレットタイプの客室端末5とを含み、各装置が店舗内LAN6に接続されて、飲食物の注文に関わる各種業務を担う周知のPOS店舗システムが構築されている。厨房端末はプリンタを付帯している。」
イ.「【0021】
===客室管理===
客室管理端末1は、店舗内の各客室の利用状況を客室管理テーブルとして適宜な記憶部に作成し管理している。客室管理テーブルはその論理構成を図4に例示しているように、客室番号をキー情報として、定員数、空室か使用中か、使用中の場合には入室時間・退室予定時刻・入室客の人数・性別などの客室情報が記憶されている。客室管理端末1のディスプレイ25には、フロント係員の所定の操作により、それらの客室情報がわかるように表示させる。たとえば画面の右半面に、空室は青字/使用中は赤字などで、客室番号と各客室の定員数とを一覧表示させ、フロント係員がいずれかの客室番号をクリックするとその客室の情報の詳細を表示させたりする」
ウ.「【0022】
===入室待ち管理===
客が来店して空室待ちを申し出ると、フロント係員は適宜な番号が表記された番号札を渡す。また、客室管理端末1の操作入力部23を介して所定の操作入力を行うことにより、その番号札に表記された番号を受けて客番号を生成し、その客番号に対応付けて来店時間・利用時間・その客グループの人数や性別などの情報を入力できる。
【0023】
客室管理端末1は、図5に例示した入室待ち管理テーブルをメモリ上に作成して、客番号とそれに対応する客グループの来店時間・利用時間・人数・性別などの客情報を管理している。新たな客番号が生成されると、入室待ち管理テーブルにその客番号とそれに対応する客情報を書き込む更新処理を随時行っている。
なお、客を入室させた際には、フロント係員の所定の操作入力により、客番号と対応する客情報は入室待ち管理テーブルから削除する更新処理を随時行っている。」
エ.「【0029】
===客室割当処理===
たとえば105号室が空いた際に、フロント係員が8番の番号札を渡した客にこの105号室を利用してもらうことにしたとする。この場合、フロント係員は、フロントで待っている8番の番号札を持った客を呼び出し、105号室に案内させるとともに、客室管理端末1を操作して客室割当処理を行う。図7に客室割当処理のフロー図を例示している。
【0030】
フロント係員が、入室時間を操作入力するとともに、たとえば客室管理端末1の画面左半面に一覧表示されている客番号の中から8番の番号札に対応する客番号を選択して、画面右半面に一覧表示されている客室番号の中から105号室にドラッグするなどして、客番号と客室番号とを選択して指定する所定の操作入力を行うと(s1)、入室待ち管理テーブルのその客番号に対応する客情報に基づいて、客室管理テーブルのその客室番号に対応付けて所定の客情報を入力する(s2)。本実施例では、フロント係員が入力した入室時間と、入室待ち管理テーブルの人数・利用時間に基づいて、客室管理テーブルに入室時刻・退室予定時刻(入室時刻+利用時間)・入室人数が入力される。
また、入室待ち管理テーブルの当該客番号を解放する更新処理も行う。」
前記ア.~エ.によれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
<引用発明>
「複数の客室を備えたカラオケ集合店舗に適用したPOS店舗システムであって(【0011】)、
店舗のフロントに設置された客室管理端末1を含み(【0011】)、
客室管理端末1は、各客室の利用状況を客室管理テーブルとして記憶部に作成し管理し、客室管理テーブルには、客室番号をキー情報として、空室か使用中か、使用中の場合には入室時間・退室予定時刻・入室客の人数・性別の客室情報が記憶され(【0021】)、
客室管理端末1のディスプレイ25は、画面の右半面に、空室は青字/使用中は赤字などで、客室番号と各客室の定員数とを一覧表示し(【0021】)、
客室管理端末1は、入室待ち管理テーブルをメモリ上に作成して、客番号とそれに対応する客グループの来店時間・利用時間・人数・性別の客情報を管理し(【0023】)、
客が来店して空室待ちを申し出ると、フロント係員は番号札を渡し、また、客室管理端末1の操作入力を行うことにより、その番号札に表記された番号を受けて客番号を生成し、その客番号に対応付けて来店時間・利用時間・その客グループの人数や性別の情報を入力して、入室待ち管理テーブルにその客番号とそれに対応する客情報を書き込み(【0022】【0023】)、
フロント係員は、フロントで待っている客を呼び出し、空いた客室に案内すると(【0029】)、客室管理端末1に入室時間を操作入力するとともに、画面左半面に一覧表示されている客番号の中から対応する客番号を選択して、画面右半面に一覧表示されている客室番号の中から案内した客室番号にドラッグすることで、入室待ち管理テーブルのその客番号に対応する客情報に基づいて、客室管理テーブルのその客室番号に対応付けて客情報を入力し(【0030】)、すなわち、フロント係員が入力した入室時間と、入室待ち管理テーブルの人数・利用時間に基づいて、客室管理テーブルに入室時刻・退室予定時刻(入室時刻+利用時間)・入室人数を入力し(【0030】)、
客を入室させた際には、フロント係員の操作入力により、客番号と対応する客情報を入室待ち管理テーブルから削除する(【0023】)、
POS店舗システム。」
2.引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2016-122355号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献2の記載事項>
「複合型ショッピングセンター内のレストランや居酒屋において、従業員および顧客が閲覧することができる場所に設置される待機時間管理装置20であって(【0010】)、
席管理情報テーブル261、待機管理テーブル262、待機個別情報テーブル263を記憶する記憶装置25を有し(【0014】)、
待機個別情報テーブル263は、待機顧客が発生するごとに待機顧客に採番する番号である待機IDの項目と、顧客が希望する席の禁煙/喫煙の区分を記憶する禁煙/喫煙の項目と、待機登録後の顧客の状態が案内中あるいは案内済みの場合は「0」、待機中の場合は「2」、を記憶するステータス(1)の項目とを有し(【0020】)、
席管理情報テーブル261は、席番号の項目と、該当する席番号の席に案内可能な最大人数の項目と、禁煙/喫煙の項目と、空席か否かの状態を示すステータスの項目と、所定時間後に該当する席が空席になると予測がなされた席であるか否かを示す空席予測の項目を有し(【0015】~【0017】)、
待機管理テーブル262は、最大人数の項目、禁煙/喫煙の項目を含む席情報と、該当する席情報の何れかの席に対して待機している顧客に採番した待機IDを記憶する待機リストの項目を有し(【0019】)、
待機時間管理装置20は、空席予測処理の結果、空席になると予測した席番号を抽出し(【0039】)、待機管理テーブル262において、抽出した席番号の席情報(最大人数、禁煙/喫煙)と合致する席情報の待機リストの項目に記憶した待機IDに対して、記憶した順に席を割り当てて決定する(【0040】)、
待機時間管理装置20。」
3.引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2004-38823号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献3の記載事項>
「ボーリング場の順番待ち管理システムであって(【0010】)、
ボーリング場に設けられたサーバ1と(【0011】)、サーバ1に対して順番待ちの登録を行う登録端末3a,3bと(【0015】【0016】)、利用者にレーンを割り当てて当該レーンの占有を入力したり、ゲーム終了時にレーンが空いたことを入力する利用状況入力端末2とから構成され(【0014】)、
サーバ1は、利用状況テーブルと順番待ちテーブルとを記憶し(【0013】)、利用状況テーブルは、レーン番号毎に利用中か否かを示す利用中/空きと、利用者氏名と、人数と、開始時刻のデータを記憶し(【0018】)、順番待ちテーブルは、登録順の待ち番号毎に氏名と、連絡先アドレスと、人数と、メッセージ送信/未送信とを記憶しており(【0020】)、
サーバ1は、利用状況テーブルを定期的にチェックして、利用中/空きのデータが空きになったレーンが出た場合に、順番待ちテーブルに登録されているデータ中で、まだ順番が来ていない利用者、すなわちメッセージ送信/未送信のデータが未送信である先頭の利用者を見つけ出し、当該利用者に対応する連絡先アドレス宛に順番が来たことを報知する案内メールを送信する(【0027】)、
順番待ち管理システム。」
4.引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2016-15047号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献4の記載事項>
「飲食店に設置され、客を空いた座席に案内する飲食店業務を支援する飲食店支援システムであって(【0008】)、
POS端末2と、ストアサーバ5と、ハンディターミナル7とが通信可能に接続され(【0011】)、
ハンディターミナル7は、店員が各々携帯する小型情報端末であり(【0022】)、テーブルの座席の使用状況(空席/在席状況)を示すデータを入力し、当該使用状況を示すテーブル情報は、ハンディターミナル7からストアサーバ5経由でPOS端末2に送信され(【0024】)、
POS端末2は、HDD206にテーブル情報ファイル214a記憶し(【0031】)、テーブル情報ファイル214aは、テーブル識別情報に、禁煙席/喫煙席の別を示す情報、空席/在席の別である稼働状況に関する情報、座席数に関する情報を対応付けて記憶するファイルであり(【0031】)、
POS端末2は、テーブル情報ファイル214aの情報に基づいて空席画面S1を表示し(【0061】)、
空席画面S1は、実際の店舗内のテーブルの配置を表現した仮想店舗内のテーブル配置を表示して、客からのテーブル指定を受け付けるテーブル配置表示エリア100を有し(【0069】)、
当該テーブル配置表示エリア100は、禁煙スペース100aと喫煙スペース100bから構成され、両スペースには、それぞれテーブルを模したテーブルオブジェクト100cが実際のテーブル数分だけ表示され(【0070】)、さらに、空席/在席を判別できるように、各テーブルオブジェクト100cを空席/在席に応じて色分け表示する(【0071】)、
飲食店支援システム。」
5.引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開2002-259577号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献5の記載事項>
「ホテル施設の座席管理装置であって(【0016】)、
優先席等の座席属性と現空席状況を示す座席管理テーブル23を設定し(【0016】、図4)、
座席属性を含んだ座席配置や座席管理テーブルを表示する専用の表示器を配し(【0016】)、
ホテル施設がレストランである場合(【0021】)、前記座席配置には、実際のレイアウトに近い形で、空席の有無と座席属性が、施設のレジ担当者にわかるよう表示される(【0027】、図6)、
座席管理装置。」
6.引用文献6
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6(特開2002-311170号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献6の記載事項>
「飲食店の空席案内に用いられる待ち時間表示システムであって(【0012】)、
テーブルまたはカウンタの使用状況を表示する集中表示装置8と(【0013】)、顧客の食事時間を計時するテーブルタイマ21(【0014】)とを含み、
テーブルタイマ21は、顧客グループがテーブルまたはカウンタについてから、食事を終え、そのテーブルまたはカウンタが次の顧客グループのために整うまでの時間を、その顧客グループの食事時間として計時し(【0028】)、
前記食事時間は経過時間として集中表示装置8に表示され、さらにデータベース4に蓄積されている過去の食事時間データに基づいて、顧客グループが退席する時間が予測され、退席予測時間として集中表示装置8に表示され(【0029】)、過去の食事時間データの平均時間から、後どのくらいの時間で退席するかを予測して表示してもよく(【0030】)、
さらに、集中表示装置8に表示される経過時間を確認し、平均時間を大きく上回って在席している顧客に対して退席を促すことができ、この場合、経過時間を確認した店員が退席を促すタイミングを判断してもよいし、待ち時間表示システムが退席を促すタイミングを判断し、店員は、集中表示装置8に表示された退席を促すタイミングの表示に従い、退席を促すことができる(【0081】)、
待ち時間表示システム。」
7.引用文献7
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献7(特開2005-228176号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献7の記載事項>
「厨房を揚げ物コーナ,焼き物コーナ,ドリンク・デザートコーナ及びサラダコーナの4つのコーナに区分してなる飲食店に適用した飲食店システムであって(【0009】【0010】)、
厨房データベース74には、厨房の各コーナ毎に、その厨房コーナの識別情報である厨房コーナコードと、遅延製造数と、製造必要数と、警告フラグとが1レコードとして記憶され(【0036】)、前記製造必要数は、その厨房コーナに対して製造指示がなされたが現時点で製造が完了していないメニュー品目の数であり、前記遅延製造数は、製造必要数の警告しきい値として任意に設定された値であり、製造必要数がこの遅延製造数を上回ると遅延警告が発生して、警告フラグがセットされ(【0036】)、
モニタ10の店内監視画面11には、厨房の各コーナにおける仕事量をインジケータとしてコーナ別に示す厨房レイアウト画像18が表示され(【0013】【0014】)、
厨房データベース74に厨房コーナコード別に記憶管理されている製造必要数が増減されたことを検知すると、それに応じて当該厨房コーナコードによって特定される厨房コーナの仕事量インジケータ25を増減し(【0057】)、
警告フラグがセットされた場合には、仕事量インジケータ25の周囲の円26内を所定の色で色付けすることによって警告表示し(【0057】)、
店内監視画面11を監視している店舗管理者は、この店内監視画面11上の情報から製造遅れが予測される厨房コーナを特定でき、そのコーナの担当者を増員するなどの対策を迅速に講じることができる(【0062】)、
飲食店システム。」
8.引用文献8
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献8(国際公開第2014/13628号)には、次の事項が記載されている。
<引用文献8の記載事項>
「複数の動画に描かれた奥行情報を伴うオブジェクトを1つの動画にまとめる動画処理装置であって([0001])、
ユーザのドラッグアンドドロップ操作により、第1動画Xに対して第2動画Yをずらしてから重ねるための上下左右の平行移動量を指定する場合に([0233][0165])、
第2動画Yに対して採用可能なずらし量の候補[ps,qt]について、第1動画Xと、第2動画Yをずらした中間動画move(ps,qt,Y)との間でオブジェクトの衝突判定を行い、衝突判定の結果を配列Fの要素F[ps,qt]に代入する処理を繰り返し([0238])、
前記衝突判定は、第1の動画Xに第2の動画Yを重ねたときに、第1の動画Xにおけるオブジェクトiと、第2の動画Yにおけるオブジェクトjとが、同じ3次元位置を占める瞬間がある場合に衝突すると判定するものであり([0089]-[0092])、
この後、第1動画Xのウィンドウ411と第2動画Yのウィンドウ412とを画面に表示し、ドラッグの開始を受け付け([0239])、
ここで、ユーザがマウスを用いて第2動画Y内の位置[s,t](水平方向の座標値s、垂直方向の座標値t)をクリックしてドラッグが開始されると([0240][0036])、
第1動画X内の各位置[p,q]について、衝突判定の結果を代入した前記配列F[p-s,q-t]の値に応じて、第1動画X内の各位置[p,q]の画素の色彩を変化させる処理を繰り返し([0243])、これにより、ドロップが可能な領域と不可能な領域とが区別され、一方が強調表示され([0244])、
ユーザは、カーソル413をドロップ可能領域内にドラッグしてからドロップ処理を行えば、オブジェクトが衝突しない第3動画が得られる([0249])、
動画処理装置。」
9.引用文献9
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献9(特開2004-192297号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献9の記載事項>
「ネットワークに接続された状態通知用端末と状態表示用端末間において、人間や物の状態、状況、個人の気持ち、現在連絡ができる通信可能手段に関する状態情報を送信して、それを表示する状態表示システムであって(【0001】)、
通信可能手段の情報および状態情報を状態通知用端末11に入力し(【0032】)、
状態通知用端末11は、入力された通信可能手段の情報および状態情報を含むメッセージを状態表示用端末21に送信し(【0032】)、
状態表示用端末21は、画面に、表示グループに属するメンバに関するプレゼンティティアイコンの表示手段203と、通信可能手段の表示手段206とを配置し(【0014】)、
状態表示用端末21は、状態情報の受信時に、該状態情報とプレゼンティティアイコンごとに付与されたキーワードとを比較し、比較の結果、一致している場合、もしくは部分的に一致している場合に、当該プレゼンティティアイコンを切り替えて表示し(【0023】)、
状態表示用端末21の通信可能手段の表示手段206においては、プレゼンティティアイコンをドラッグの方法で指定すると、プレゼンティティアイコンに対応する状態通知用端末の、通信可能手段に対応するアイコン(メール、チャット、電話)を、ハイライトの方法で強調表示するとともにドロップできるようにして、ドラッグしたプレゼンティティアイコンを強調表示されたアイコンにドロップの方法で選択指定すると、選択された通信可能手段により状態表示用端末への通信を開始する(【0016】)、
状態表示システム。」
10.引用文献10
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献10(特開2001-306207号公報)には、次の事項が記載されている。
<引用文献10の記載事項>
「【請求項1】複数の表示領域間にてオブジェクトをドラッグアンドドロップする処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、前記オブジェクトのドラッグ処理が開始されると、前記複数の表示領域のうち、ドロップ処理が可能な表示領域を判断して、ドロップ処理不可能な表示領域と区別して表示させること、を特徴とするプログラムを記録した記録媒体。」
11.引用文献11
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献11(杉浦 淳,「例示によるデータベース問合せ」)には、次の事項が記載されている。
<引用文献11の記載事項>
「データベース問合せのための例示プログラミングシステムDADIEであって(63ページ右欄3-4行)、
データベースに含まれるデータ表である入力表と、ユーザが例示で作成する表である出力表とを有し(62ページ左欄30-32行)、
ユーザの作業により,入力表から必要なデータをドラッグアンドドロップによりコピーして所望の出力表を作成し(63ページ右欄10-12行、図3)、これにより、システムは、ユーザがどの入力表に対して問合せを行いたいのか、出力表上のデータがどの入力表から得られるのかを知ることができ(63ページ左欄14-17行)、
出力表にデータがコピーされるたびに問合せ文を生成し(63ページ右欄12-14行)、生成される問合せ文、すなわち、SQL SELECT文に含まれるべき節およびその節の内容は、出力表にコピーされたデータの組合せによって決められ(68ページ右欄20-22行)、
ユーザがデータをドラッグしている間、そのデータをドロップ可能なセルをハイライトし、ハイライトされているセルにドロップした場合には、システムが何らかの解釈を行なえることを保証する(73ページ左欄9-12行)、
例示プログラミングシステムDADIE。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
・引用発明の「複数の客室を備えたカラオケ集合店舗に適用したPOS店舗システム」は、入室待ち管理テーブルにおいて、空室待ちを申し出た客の客番号と、来店時間、その客グループの人数や性別の情報を管理することから、施設における順番待ちを管理するシステムといえる。
したがって、引用発明の上記システムは、本願発明1の「施設における順番待ちを管理する順番管理システム」に相当する。
・引用発明の、入室待ち管理テーブルが作成された客室管理端末1のメモリと、本願発明1の「前記施設における順番待ち組のステータスの情報を含む順番待ちリストを保持する第1の記憶部」は、「前記施設における順番待ち組の順番待ちリストを保持する第1の記憶部」の点で共通する。
・引用発明の客室管理端末1は、各客室の利用状況を客室管理テーブルとして記憶部に作成し管理し、客室管理テーブルには、客室番号をキー情報として、空室か使用中か、使用中の場合には入室時間・退室予定時刻・入室客の人数・性別の客室情報が記憶される。
前記「各客室」は、順番が到来した順番待ち客に対して提供される施設の複数の設備といえる。また、前記「空室か使用中か、使用中の場合には入室時間・退室予定時刻・入室客の人数・性別の客室情報」は、設備の使用状況の情報といえる。
したがって、引用発明の、客室管理テーブルが作成された客室管理端末1の記憶部は、本願発明1の「順番が到来した順番待ち客に対して提供される前記施設の複数の設備の使用状況の情報を保持する第2の記憶部」に相当する。
・引用発明の客室管理端末1は、画面左半面に、空室待ちの客番号を一覧表示する。当該一覧表示を行う表示手段は、本願発明1の「前記順番待ちリストの情報を表示する第1の表示部」に相当する。
・引用発明の客室管理端末1は、画面右半面に、空室は青字/使用中は赤字などで、客室番号と各客室の定員数とを一覧表示する。当該一覧表示を行う表示手段と、本願発明1の「各々の前記設備の配置と使用状況の情報を表示する第2の表示部」は、「各々の前記設備の使用状況の情報を表示する第2の表示部」の点で共通する。
・引用発明の「画面左半面に一覧表示されている客番号の中から対応する客番号を選択して、画面右半面に一覧表示されている客室番号の中から案内した客室番号にドラッグする」ための操作入力手段は、本願発明1の「前記第1の表示部に表示された前記順番待ちリストの中から、順番が到来した順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組を前記第2の表示部に表示されたいずれかの設備へ割り当てる操作を受け付ける入力部」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりである。
<一致点>
「施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、
前記施設における順番待ち組の順番待ちリストを保持する第1の記憶部と、
順番が到来した順番待ち客に対して提供される前記施設の複数の設備の使用状況の情報を保持する第2の記憶部と、
前記順番待ちリストの情報を表示する第1の表示部と、
各々の前記設備の使用状況の情報を表示する第2の表示部と、
前記第1の表示部に表示された前記順番待ちリストの中から、順番が到来した順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組を前記第2の表示部に表示されたいずれかの設備へ割り当てる操作を受け付ける入力部と、を備えた、
順番管理システム。」
<相違点1>
順番待ちリストが、本願発明1では「ステータスの情報」を含むのに対し、引用発明は、当該ステータスの情報を含まない点。
<相違点2>
第2の表示部が、本願発明1では、設備の配置を表示するのに対し、引用発明では設備の配置を表示しない点。
<相違点3>
本願発明1は、「前記操作に基づいて、選択された順番待ち組のステータスを案内済に更新すると共に、順番待ち組が割り当てられた前記設備の使用状況を使用中に更新する管理部」を備えるのに対し、引用発明は上記管理部を備えない点。
<相違点4>
第2の表示部が、本願発明1では「前記第1の表示部上で順番待ち組が選択されると、当該順番待ち組の人数および当該順番待ち組が指定した設備の種類に基づいて、当該順番待ち組を案内可能な設備をその他の設備と区別可能に表示」するのに対し、引用発明では、上記表示を行わない点。
<相違点5>
本願発明1は「前記管理部は、ある設備の使用状況が使用中である状態が一定時間経過した場合に、順番待ち組に提示する待ち時間の再計算を行う」のに対し、引用発明は、上記再計算を行う管理部を備えていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点4、5について先に検討すると、相違点4に係る本願発明1の「前記第2の表示部は、前記第1の表示部上で順番待ち組が選択されると、当該順番待ち組の人数および当該順番待ち組が指定した設備の種類に基づいて、当該順番待ち組を案内可能な設備をその他の設備と区別可能に表示し」という構成、及び、相違点5に係る本願発明の「前記管理部は、ある設備の使用状況が使用中である状態が一定時間経過した場合に、順番待ち組に提示する待ち時間の再計算を行う」という構成は、上記引用文献1-11には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、他の相違点を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明、引用文献2-11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-6について
本願発明2-6も、本願発明1の「前記第2の表示部は、前記第1の表示部上で順番待ち組が選択されると、当該順番待ち組の人数および当該順番待ち組が指定した設備の種類に基づいて、当該順番待ち組を案内可能な設備をその他の設備と区別可能に表示し」、及び、「前記管理部は、ある設備の使用状況が使用中である状態が一定時間経過した場合に、順番待ち組に提示する待ち時間の再計算を行う」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-6は「前記第2の表示部は、前記第1の表示部上で順番待ち組が選択されると、当該順番待ち組の人数および当該順番待ち組が指定した設備の種類に基づいて、当該順番待ち組を案内可能な設備をその他の設備と区別可能に表示し」、及び、「前記管理部は、ある設備の使用状況が使用中である状態が一定時間経過した場合に、順番待ち組に提示する待ち時間の再計算を行う」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-11に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-001365