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商標異議申立

2017-900214

インフィニワン、インフィニ、アンフィニ

審判番号
2017-900214
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-093074
登録番号
商標登録第5936073号(T5936073)
請求日
2017年06月30日
審決日
2018年05月18日
公報発行日
2018年06月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】フューチャー株式会社
  • 【権利者代理人】下山 冨士男
  • 【権利者代理人】前田 和男
  • 【異議申立人】インフィニオン テクノロジーズ アーゲー
  • 【異議申立人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【異議申立人代理人】山崎 和香子
  • 【異議申立人代理人】齋藤 宗也
審判長/審判官
  • 審判長 田中 幸一
  • 審判官 榎本 政実
  • 審判官 大森 友子
分類
T1651.261-Y (W0942) / T1651.262-Y (W0942) / T1651.263-Y (W0942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5936073号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5936073号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5936073号商標(以下「本件商標」という。)は,「InfiniOne」の欧文字を標準文字で表してなり,平成28年8月25日に登録出願,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電線及びケーブル,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子出版物,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成・保守又はそれらに関するコンサルティング,電子計算機端末装置による情報処理システムコンピュータプログラム及び通信ネットワークシステムコンピュータプログラムの設計・作成又は保守及びそれらに関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供及びそれに関するコンサルティング,電子計算機及び電子計算機周辺機器の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定商品及び指定役務として,同29年2月8日に登録査定,同年3月31日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は,以下の2件であり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)。 1 登録第4435722号商標(以下「引用商標1」という。)は,「Infineon」の欧文字を標準文字で表してなり,1999年2月24日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成11年8月24日に登録出願,第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」,第35類「経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定商品及び指定役務として,同12年11月24日に設定登録されたものである。 2 国際登録第883838号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,2005年8月30日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2006年(平成18年)2月7日に国際商標登録出願,第9類「Electric regulating apparatus and electronic apparatus and instruments (included in this class); luminous or mechanical signals; measuring apparatus; money counting and sorting machines; cash registers; monitoring apparatus, electric; apparatus and instruments for controlling, switching electricity; electrical data input, processing, transmission, storage and output apparatus; parts of the aforementioned apparatus and instruments; electronic components; data processing programs.」,第35類「Commercial business management; business administration; business management; marketing research; distribution of products for advertising purposes; advisory services relating to purchasing of goods; advertising.」及び第42類「Scientific and technological research; industrial design; design and development of computer hardware and software.」を指定商品及び指定役務として,平成20年1月25日に設定登録されたものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。 1 商品の抵触について 本件商標の指定商品及び指定役務は,前記第1のとおりである。 一方,引用商標の指定商品及び指定役務は,前記第2のとおりである。 したがって,本件商標の指定商品及び指定役務中,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成・保守又はそれらに関するコンサルティング,電子計算機端末装置による情報処理システムコンピュータプログラム及び通信ネットワークシステムコンピュータプログラムの設計・作成又は保守及びそれらに関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供及びそれに関するコンサルティング,電子計算機及び電子計算機周辺機器の貸与」は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似である。 2 商標の類似について (1)外観について 本件商標と引用商標の外観を対比すると,本件商標は,標準文字による小文字混じりの欧文字で「InfiniOne」と書してなる。 引用商標1は,標準文字による小文字混じりの欧文字で「Infineon」と書してなる。 引用商標2は,三日月型の円弧と,その内側へ,頭文字の「i」を一段大きく表示しつつその一部分が円弧と重なるように,小文字のみからなる欧文字「infineon」の文字列を配してなる。 いずれの商標も欧文字「i」「n」「f」「i」「n」「o」「n」「e」の8文字を含んでおり,特に本件商標と引用商標は,語頭からの5文字「Infin」が一致する上に,後半が順序こそ異なるものの同じ3文字で構成される「One」と「eon」であるから,その全体構成は極めて近似している。 そのため,本件商標を一見したとき,引用商標と共通する文字の数の多さから,引用商標と同じつづりの文字列であると錯覚して,両者を混同して認識するおそれが極めて高い。 つまり,本件商標と引用商標とは,共通の欧文字を多く含む上に語頭から5文字までが一致していることで,その文字部分が視覚的に極めて近似しており,外観上,相紛らわしい類似の商標である。 (2)観念について 本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を想起できない造語である。 したがって,本件商標と引用商標は,その観念において対比できない。 (3)称呼について 本件商標と引用商標の称呼を対比すると,本件商標は,英語で「無限」,「無限の」を意味する「Infinity」(インフィニティ),「Infinite」(インフィニット)と語頭からの6文字が同じであり,後半は,平易な英単語の「One」(ワン)と同じつづりであることから,これらそれぞれの読みに相応して全体としては英語読みで「インフィニワン」の称呼が生ずるものと考えられる。 引用商標1は,「Infinity」,「Infinite」と語頭からの5文字が同じであり,後半は,英単語の「neon」と同じつづりである。 そして,「neon」は英語では,「ニオン」と発音されることから,これらそれぞれの読みに相応して,全体としては英語読みで「インフィニオン」の称呼が生ずる(甲4)。 引用商標2は,三日月型の円弧から称呼は生じないので,その文字部分の「infineon」より引用商標1と同じく「インフィニオン」の称呼が生ずる。 事実,申立人「インフィニオン テクノロジーズ アーゲー」,並びに日本法人の商号が「インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社」であることから,引用商標は,「インフィニオン」と称呼されているものである(甲5)。 そのため,引用商標は,「インフィニオン」の称呼を生ずる。 そうすると,本件商標と引用商標は,語頭からの5音「インフィニ」と語尾の1音「ン」が共通し,聴別し難い後半部において「ワ」と「オ」の1音のみが相違する称呼上,類似の商標である。 (4)小括 したがって,本件商標と引用商標は,観念においては対比できず,その外観・称呼が類似するものであるから,彼此相紛らわしい類似の商標とするのが相当である。 3 混同のおそれについて 1999年に誕生した申立人は,世界中で34ケ所の研究開発拠点,19ヶ所の製造拠点と,東京・名古屋・大阪を含む47ケ所の販売拠点を有し,従業員数約3万6千人を誇る規模の世界有数の半導体メー力ーである(甲5~甲7)。 そのマーケットシェアは,車載用半導体市場で約10%(2位),産業用半導体で18.7%(13年連続トップ),携帯電話用高周波パワートランジスタで約10%(3位),セキュリティ用チップカードICで約24.8%(2位)のシェアを有しており,売上高64億7千3百万ユーロ(2016年度)で,売上高による半導体メーカー世界ランキングでは,2009年が世界10位,2000年が世界9位,2015年が世界11位,2016年が世界12位,2017年1~3月期は世界10位である(甲6~甲12)。 そのため,申立人の名称(略称)「インフィニオン」並びに引用商標は,商品「半導体」について周知・著名である。 そうしたところ,その構成中に申立人の名称(略称)と極めて近似する「InfiniOne」からなる本件商標が,申立人の引用商標と同一又は類似の商品・役務について使用されたときは,申立人の業務と混同を生ずるおそれがある。 4 むすび 以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第11号の規定に該当するにもかかわらず登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標について 本件商標は,前記第1のとおり,「InfiniOne」の欧文字を標準文字で一連に表してなるところ,その構成文字全体が,英語等の辞書等には掲載されていないことから,特定の意味合いを想起させない造語と認められる。 そして,このような欧文字からなる造語に接する取引者,需要者は,我が国において広く親しまれている英語読みあるいはローマ字読みに倣って称呼するのが自然であり,本件商標の構成中,前半の「Infini」の文字部分は,英語の「infinity」(インフィニティ),「infinite」(インフィニット)に倣い「インフィニ」と称呼し,後半の「One」の文字部分は,「1」の意味を有する英語の「one」(ワン)と同じつづりであることから「ワン」と称呼するのが自然である。 そうすると,本件商標からは,「インフィニワン」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は,前記第2,1のとおり「Infineon」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,英語等の辞書等には掲載されていないことから,特定の意味合いを想起させない造語と認められる。 そして,引用商標の構成中「Infi」の文字部分からは,前記(1)に記載の英語の「infinity」(インフィニティ)等の称呼に倣い「インフィ」と称呼し,「neon」の文字部分は,英語の「neon」の発音に倣って「ニオン」,又はローマ字読みの「ネオン」と称呼するのが自然であるから,引用商標1からは「インフィニオン」又は「インフィネオン」の称呼を生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。 イ 引用商標2について 引用商標2は,別掲のとおり,「infineon」の欧文字と,該文字を囲むように右上に開口部のある円弧の図形を配した構成からなるところ,その文字部分は,語頭の「i」が小文字で表されているものの,その構成文字は引用商標1と同じつづりからなるものである。 また,円弧の図形部分からは,特定の称呼及び観念を生じないことから,引用商標2は,引用商標1と同様に,「インフィニオン」又は「インフィネオン」の称呼を生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について 本件商標と引用商標1とを比較すると,前者は9文字,後者は8文字であり,語頭から5文字までの「Infin」の文字部分を共通にするものの,6文字目以降の「iOne」と「eon」の文字に差異を有することから,両者は外観上,十分に区別できるものである。 また,本件商標と引用商標2とは,図形部分の有無に加え,本件商標と引用商標2の文字部分を比較しても,語頭の「I」と「i」の文字に大文字と小文字の差異がある他にも,後半部分の「iOne」と「eon」にも差異を有することから,両者は,外観上十分に区別できるものである。 イ 称呼について 本件商標から生じる「インフィニワン」と引用商標から生じる「インフィニオン」の称呼とは,5音目の「ワ」と「オ」の音に差異を有するところ,両称呼は共に6音構成と比較的少ない音からなることから,該相違音が全体に及ぼす影響は少なくなく,それぞれを一連に称呼する場合は,互いに聴別できるものといえる。 次に,本件商標から生じる「インフィニワン」と引用商標から生じる「インフィネオン」の称呼について比較してみると,4音目と5音目における「ニワ」と「ネオ」の2音に差異を有するところ,両称呼は共に6音構成と比較的少ない音からなることから,該差異音が称呼全体に与える影響は少なくなく,それぞれを一連に称呼する場合は,互いに聴別できるものといえる。 したがって,本件商標と引用商標とは,称呼上相紛れるおそれはない。 ウ 観念について 本件商標と引用商標は,共に特定の観念を有しないものであることから比較することができず,他に観念において相紛れるおそれがあるという特段の事情は見いだせない。 エ 小括 以上のとおり,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができず,外観及び称呼において相紛れるおそれのない商標であることから,両商標は非類似の商標と判断するのが相当である。 したがって,本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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2017-900214

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