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特許拒絶査定不服審判

2017-015614

デュアルメタルの、一部が凹んだ電極を有する、GaN系ショットキーダイオード

審判番号
2017-015614
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-543022外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年10月20日
審決日
2019年03月25日
公報発行日
2019年09月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .537-WZ (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-543022「デュアルメタルの、一部が凹んだ電極を有する、GaN系ショットキーダイオード」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月22日国際公開、WO2014/077860、平成28年 1月18日国内公表、特表2016-501442〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2012年(平成24年)12月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年(平成24年)11月16日 米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年10月 5日付け 拒絶理由通知書 平成29年 4月14日   意見書,手続補正書の提出 平成29年 6月12日付け 拒絶査定 平成29年10月20日   審判請求書,手続補正書の提出 平成30年 9月26日付け 最後の拒絶理由通知書 平成30年12月27日   意見書,手続補正書の提出 第2 本願発明について 本願の請求項に係る発明は,平成30年12月27日提出の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定される発明であり,その請求項1に係る発明は,以下のとおりのものである。 「半導体デバイスであって: 基板と; 前記基板上に配置された第1活性層と; 前記第1活性層上に配置された第2活性層であって、前記第2活性層は、前記第1活性層よりも高いバンドギャップを有し、これによって前記第1活性層と前記第2活性層との間に二次元電子ガス層が生じる、第2活性層と; その間にショットキー接合が形成されるように、前記第2活性層が完全に除去された凹みに配置される第1部分、及び前記第2活性層上に配置された第2部分を有する第1電極であって、前記第1電極の前記第1部分は、平坦な前記第1活性層上に配置され、前記第1活性層に接触し、前記第1電極の前記第2部分よりも低いショットキー電位障壁を有する、第1電極と; 前記第1活性層と接触する第2電極であって、前記第2電極は前記第1活性層とオーミック接合を形成する、第2電極とを含み、 前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する、第1の複数の区分を含む、半導体デバイス。」 第3 当審の拒絶理由通知の概要 当審の拒絶理由通知である,平成30年9月26日付け拒絶理由通知書の理由のうち,補正前の請求項1の記載に対する理由は,概略,次のとおりのものである。 補正前の請求項1に記載された発明の「凹み」は,「前記第2活性層が完全に除去された凹み」であり,また,「前記第2活性層の前記凹み内の互いに異なる深さ」を有するものとなるが,これら二つの記載は矛盾しいる。 つまり,第2活性層が完全に除去された部分が,第2活性層内に互いに異なる深さを有することは,基板等の平面に配置された平坦な活性層において,あり得ない。 従って,両者の記載は矛盾している。 そうすると,補正前の請求項1に記載された発明が明確であるとは言えない。 そのため,本願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 第4 当審判断 請求項1の, 「前記基板上に配置された第1活性層と; 前記第1活性層上に配置された第2活性層であって、前記第2活性層は、前記第1活性層よりも高いバンドギャップを有し、これによって前記第1活性層と前記第2活性層との間に二次元電子ガス層が生じる、第2活性層と; その間にショットキー接合が形成されるように、前記第2活性層が完全に除去された凹みに配置される第1部分、及び前記第2活性層上に配置された第2部分を有する第1電極であって、前記第1電極の前記第1部分は、平坦な前記第1活性層上に配置され、前記第1活性層に接触し、前記第1電極の前記第2部分よりも低いショットキー電位障壁を有する、第1電極と」 の記載では,「第2活性層」は「前記第1活性層上に配置され」たものであり,「第1部分」は「前記第2活性層が完全に除去された凹みに配置される」部分であり,かつ,「平坦な前記第1活性層上に配置され、前記第1活性層に接触」する部分になる。 そうすると,「前記第2活性層が完全に除去された凹み」とは,「平坦な前記第1活性層上」に達した凹みではあるものの,該「凹み」自体が「平坦な前記第1活性層上」に達するまでに複数の区分の高さを有する構成とはいえないので,請求項1に記載された発明の「前記第2活性層が完全に除去された凹み」の記載と,「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する、第1の複数の区分を含む」の記載は矛盾しており,明確であるとは言えない。 してみると,本願は,他の請求項について検討するまでもなく,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 第5 請求人の主張について 請求人は,平成30年12月27日提出の意見書において 「2)本願出願人は、拒絶理由に対し検討を行った結果、別途の手続補正書に基づいて補正を致しました。その結果、本願発明は特許を受けるに値すると判断しましたので、以下に意見を述べます。 (1)補正の説明 A)補正後請求項1について 請求項1を以下のように補正しました。 ・・・ 中 略 ・・・ ・「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の互いに異なる深さに位置する複数の区分を含む、」を「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する、第1の複数の区分を含む、」とする補正を行いました。 当該補正は、本願発明における「凹み」については、当該記載以前に特定が成されていた通り、「第2活性層が完全に除去された凹み」ではあるが、 当該記載においては、「凹み」が、「第2活性層の凹み内の互いに異なる深さ」を有するものであるとの記載が成されており、当該記載は、平坦な活性層において、あり得ない矛盾した記載となっていたため、当該矛盾を訂正したものであり、 図6において、第2活性層(240)が完全に除去された凹み(第1部分2601が配置された部分)が、互いに異なる深さを有したものでなく、一定の深さを有したものであり、また、複数の区分が、第2活性層内において凹み領域内の異なる深さ位置にそれぞれ配置されていること、即ち、第2活性層の凹み内の異なる深さにそれぞれ位置している記載に基づくものです。また、当該補正においては、複数の区分が、第1部分が含んだものであることを明確な記載とするために、「第1の複数の区分」とする補正を行いました。 ・・・ 中 略 ・・・ (2)拒絶理由について A)請求項1、12について 「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の互いに異なる深さに位置する複数の区分を含む、」を「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する、第1の複数の区分を含む、」と補正したことで、 補正前請求項1に成されていた「凹み」が、第2活性層の凹み内の互いに異なる深さを有するものであるという、平坦な清性層において,あり得ない矛盾した記載が訂正され、凹みが、互いに異なる深さを有したものとならない明確な記載となりましたので拒絶の理由は解消されたものと判断致します。 なお、当該「前記第1部分は、前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する、第1の複数の区分を含む、」との記載については、本件と類似案件であり、審判請求(不服2017-015418)を経て、登録査定(特許6308478)となった特願2015-543024における請求項1における末尾の記載と全く同様であるため、本件においても明確な記載となったものと確信致します。 ・・・ 中 略 ・・・ 3)結論 以上の通り、本願発明に関する拒絶理由は解消されたと考えます。つきましては、上述の出願人の意見を参考に再度審査をなされ、速やかに特許査定を賜りますようお願い致します。」 旨主張する。 上記において請求人は,要するに,請求項1に記載された発明は,【図6】に基づくものであり,【図6】において,「第2活性層(240)が完全に除去された凹み(第1部分2601が配置された部分)」は一定の深さを有したものであり,「複数の区分」とは,「第2活性層内において凹み領域内の異なる深さ位置にそれぞれ配置されている」記載に基づくものであり,当該補正により,「第1部分」が「複数の区分」を含んだものであることは明確であると主張する。 しかしながら,請求人の主張しているように,「第2活性層(240)が完全に除去された凹み」が【図6】の「2601」が配置された部分であるとしても,【図6】には「2601」の部分に「複数の区分」が配置された構成が記載されていない。そして,【図6】には,「2602」の部分に「複数の区分」が配置されている構成が記載されているところ,「2602」の部分は「第2活性層(240)上に配置され」,「2601」の部分は「2602」の部分よりも低いショットキー電位障壁を有するものと認められる。 そうすると,請求項1に係る発明の「第1部分」は【図6】の「2601」の部分であり,請求項1に係る発明の「第2部分」は「2602」の部分であり,【図6】では「複数の区分」を含むのは「第1部分」ではなく「第2部分」となることから,請求人の主張を採用することはできない。 また,発明の詳細な説明に記載された他の実施形態においても,「前記第2活性層が完全に除去された凹みに配置される第1部分」が,「前記第2活性層の前記凹み内の異なる深さにそれぞれ位置する」発明は記載されていないから,他の実施形態の記載を参酌したとしても,請求人の主張は採用できない。 なお,請求人の,登録査定(特許6308478)となった特願2015-543024号における請求項1に基づく主張は,本願と異なる出願に基づく主張であり,採用することはできない。 第6 むすび 以上のことから,この出願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 よって,結論のとおり審決する。

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2017-015614

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