審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
意匠拒絶査定不服審判

2017-012737

排ガス浄化用触媒担体

審判番号
2017-012737
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2016-019964外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年08月29日
審決日
2018年03月08日
公報発行日
2018年04月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .3 -WY (K9-2)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法10条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第10条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

意願2016- 19964「排ガス浄化用触媒担体」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願の手続の経緯は,以下のとおりである。 平成28年 9月15日  :意匠登録出願 平成29年 2月24日付け:拒絶理由 平成29年 4月 3日  :意見書 平成29年 5月22日付け:拒絶査定 平成29年 8月29日  :審判請求書 第2 本願意匠 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとし,本意匠の出願番号を意願2016-019963号とする関連意匠の意匠登録出願であって,その意匠は,意匠に係る物品を「排ガス浄化用触媒担体」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,本願意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す。」としたものである(別紙第1参照)。 第3 原査定における拒絶の理由 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,願書に記載した本意匠に類似する意匠と認められないので,意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。 第4 本意匠 本意匠の意匠登録出願(意願2016-019963号)は,本願意匠の出願日と同日の平成28年9月15日の意匠登録出願であって,その意匠は,意匠に係る物品を「排ガス浄化用触媒担体」とし,その形態を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,本意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本意匠部分」という。)を,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す。」としたものである(別紙第2参照)。 第5 当審の判断 本願意匠と本意匠について類否判断を行い,原査定の適否について,以下判断する。 1.類否判断に当たって 本願意匠及び本意匠の意匠に係る物品は,いずれも自動車エンジン等から排気される排ガス中に含まれる有害物質を除去するために,触媒成分を含んだ泥漿(以下「スラリー」という。)を,長手方向に貫通する多数の孔(以下「セル」という。)に塗布し,それを保持するために用いられる「排ガス浄化用触媒担体」である。 そして,この「排ガス浄化用触媒担体」においては,セル内部に塗布されたスラリーの表面積を,浄化性能を高めるために大きくする必要から,突出部(以下「フィン」という。)をセル内部の長手方向に形成することが求められ,また,スラリーが触媒溜まりを作ることなく,フィン表面に均一に塗布することも求められている。 本願意匠に係る物品の需要者は,排ガスの浄化効率向上を求める自動車部品メーカー等の者であるところ,この需要者は触媒性能に影響を与えるフィンの具体的形態について特に注目し,スラリーの表面積に影響を与える場合には,フィンの配置態様についても考慮するといえる。一方,セル内部に形成されるフィンの数に関しては,セルを通過する排ガスの流量に応じて決定される事項であって,フィンの形態に比較して重視されるとはいえないものである。 したがって,本願意匠と本意匠の類否判断に際しては,需要者は,フィンの具体的形態に最も関心を持って観察するとの前提に基づいて,共通点及び相違点における類否判断に及ぼす影響を評価することとする。 2.本願意匠と本意匠の対比 (1)意匠に係る物品の対比 本願意匠及び本意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,いずれも「排ガス浄化用触媒担体」であるから,両意匠の意匠に係る物品は,用途及び機能が一致する。 (2)本願部分と本意匠部分の用途及び機能の対比 本願部分と本意匠部分(以下「両部分」という。)は,いずれもスラリーを塗布し保持するために用いられる排ガス浄化用触媒担体のセルの部分であり,排ガス中に含まれる有害物質を除去することを主たる機能とする部分であるから,両部分の用途及び機能は一致する。 (3)両部分の位置,大きさ及び範囲の対比 両部分は,いずれも略円柱状の排ガス浄化用触媒担体の正面視中央付近に設けた,隣接する一辺を共有して隣り合う2つの正面視正方形枠状の長手方向に連続する部分であるから,両部分の位置,大きさ及び範囲は一致する。 (4)両部分の形態の対比 ア.形態の共通点 (共通点1)両部分は,部分全体の形状が,いずれもその内壁に長手方向に連続するフィンが形成された,長手方向に連続する正面視正方形枠状の2つの枠体を,隣接する一辺を共有して左右に並設した態様である点で共通する。 (共通点2)両部分は,フィンの形態が,頂点部分が隅丸の略角丸二等辺三角形状である点で共通する。 イ.形態の相違点 (相違点1)本願部分は,フィンの配置態様が,各セルの水平方向に設けられた上下辺及び垂直方向に設けられた左右辺の中央部分に1つずつ形成した配置態様であるのに対し,本意匠部分は,各セルの水平方向に設けられた上下辺中央部分に1つずつ,垂直方向に設けられた左右辺に等間隔に2つずつ形成した配置態様である点で相違する。 3.判断 (1)両意匠の意匠に係る物品の類否判断 両意匠の意匠に係る物品は,用途及び機能が一致するものであるから同一である。 (2)両部分の用途及び機能の類否判断 両部分の用途及び機能は,一致するものであるから同一である。 (3)両部分の位置,大きさ及び範囲の類否判断 両部分は,物品全体の形態の中における位置,大きさ及び範囲が一致するものであるから同一である。 (4)両部分の形態の共通点及び相違点の評価 ア.形態の共通点の個別評価 共通点1は,両部分の形態全体に係るものではあるが,フィンをその内壁に長手方向に連続して形成した,正面視正方形枠状の長手方向に連続する枠体は,この種物品分野におけるセルの形態としてごく一般的なものに過ぎず,これら2つを隣接する一辺を共有して左右に並設した態様も,既に存在するものに過ぎないから,この共通点1の形態は,両部分のみに認められる格別の特徴とはいえない。 共通点2は,この物品分野の需要者にとって特に注目するフィンの部分の形態であって,両部分全体の美感に強く影響するものであるから,この共通する形態が両部分に共通する美感を強く与えるものである。 イ.形態の相違点の個別評価 相違点1は,フィンの配置態様であるが,フィンの形態に比較して重視されるものではない上に,その数はセルを通過する排ガスの流量に応じて決定される事項であるから,各セルの垂直な左右辺に1つずつ形成した本願部分の与える印象と,同部位に2つずつ形成した本意匠部分の与える印象が,両部分全体の美感に与える影響は小さいといえる。 (5)両意匠の類否判断 両部分の形態における各共通点及び相違点についての個別評価に基づき,両部分の部分全体として全ての共通点及び相違点を総合的に観察した場合,両部分は,需要者の注意を最も強く引く部分であるフィンの形態における美感が共通するものであり,フィンの数及び配置態様が一部相違することを考慮しても,両部分を全体として観察した際には共通する美感を起こさせるものといえる。 したがって,両意匠は,意匠に係る物品が同一であり,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲も同一であり,両部分の形態においても,相違点の与える印象は共通点のそれに埋没し,両部分全体として需要者に共通する美感を起こさせるものであるから,本願意匠は本意匠に類似するものと認められる。 4.小括 上記のとおり,本願意匠は本意匠に類似するものであり,本意匠の意匠権について専用実施権が設定されていないから意匠法第10条第1項の条件規定である同法同条第2項の要件を充足し,かつ,本意匠の意匠権者と本願意匠の出願人とは同一の者であるから,本意匠については出願人の自己の登録意匠と認められ,なおかつ,本願意匠の出願日がその本意匠の意匠登録出願の日以後であって,その本意匠の意匠公報の発行の日前であるので,意匠法第10条第1項の要件を充足しているものである。 よって,本願意匠は,意願2016-019963号を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができるものである。 第6 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,本意匠に類似し,意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるから,原査定の拒絶理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-012737

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決182件(日本碍子株式会社)
  • 2024-011241拒絶査定不服審判 / 2026-03-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)AlN接合体
    同じ当事者: 日本碍子株式会社
  • 2024-004620拒絶査定不服審判 / 2026-02-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)液体燃料合成システム及び液体燃料合成方法
    同じ当事者: 日本碍子株式会社
  • 2023-013295拒絶査定不服審判 / 2025-12-03 / 原査定取消(特許/登録すべき)リアクタ及び液体燃料合成方法
    同じ当事者: 日本碍子株式会社
  • 2025-012374拒絶査定不服審判 / 2025-10-27 / 請求不成立車両用空調システム、及び調湿デバイスの使用方法
    同じ当事者: 日本碍子株式会社
  • 2024-005527拒絶査定不服審判 / 2025-10-20 / 請求不成立ゼオライト膜複合体、ゼオライト膜複合体の製造方法および水熱合成装置
    同じ当事者: 日本碍子株式会社
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決310件(意匠法10条1項)
  • 2026-005471拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 原査定取消(特許/登録すべき)耳栓
    共通の条文: 意匠法10条1項
  • 2025-019352拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)包装用容器
    共通の条文: 意匠法10条1項
  • 2025-019353拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)包装用容器
    共通の条文: 意匠法10条1項
  • 2025-019354拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)包装用容器
    共通の条文: 意匠法10条1項
  • 2025-019355拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)包装用容器
    共通の条文: 意匠法10条1項
検索でもっと見る →

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存