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特許拒絶査定不服審判

2017-009079

遊技機

審判番号
2017-009079
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-246248外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年06月21日
審決日
2018年02月19日
公報発行日
2018年05月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-246248号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年6月22日出願公開、特開2017-108941号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年12月17日の出願であって、平成28年7月27日付け拒絶理由通知に対して、同年10月5日付けで手続補正がなされたところ、平成29年3月10日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年3月21日)、これに対して、同年6月21日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1について本件補正前に、 (平成28年10月5日付け手続補正) 「【請求項1】 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる遊技状態移行手段と、 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備する遊技機。」 とあったものを、 (本件補正である平成29年6月21日付け手続補正) 「【請求項1】 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させることが可能な遊技状態移行手段と、 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備し、 前記第1の特典はポイントであり、 前記遊技状態移行手段は、付与された前記ポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、前記ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、前記第3準備状態を介することなく前記第3遊技状態に移行させることが可能な遊技機。」 と補正することを含むものである(下線部は補正箇所を示す。)。 2 補正の適否 本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技状態移行手段」に関して、「前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる」とあったものを「前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させることが可能な」と限定し、かつ、「付与された前記ポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、前記ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、前記第3準備状態を介することなく前記第3遊技状態に移行させることが可能な」ことを加え、 補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「特典」に関して、「第1の特典はポイントであり」と限定するものである。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Fは、分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 B 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させることが可能な遊技状態移行手段と、 C 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 D 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備し、 E 前記第1の特典はポイントであり、 F 前記遊技状態移行手段は、付与された前記ポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、前記ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、前記第3準備状態を介することなく前記第3遊技状態に移行させることが可能な遊技機。」 (2)刊行物に記載された事項 ア 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-216930号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。 ・記載事項 (ア)「【0001】 本発明は、遊技機に関する。」 (イ)「【発明が解決しようとする課題】 【0010】 しかしながら、通常状態と比較して特定状態に移行し易い状態においては、特定状態に移行することに対する期待感を抱くことができる一方、通常状態と比較して特定状態に移行し易い状態を設けることにより、通常状態から特定状態に移行することに対する期待を抱くことが困難となる。このため、通常状態の遊技に対する興趣が低下してしまうという問題点がある。 【0011】 本発明は、このような問題点に鑑み、通常状態の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。」 (ウ)「【0015】 また、「高確率状態移行条件」とは、どのような条件を適用してもよい。例えば、(a)予め定められた当選役が決定されたこと、(b)決定された当選役に基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(c)予め定められた当選役が所定回数決定されたこと、(d)予め定められた当選役が所定回数決定されたことに基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(e)予め定められた当選役が連続して所定回数決定されたこと、(f)予め定められた当選役が連続して所定回数決定されたことに基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(g)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたこと、(h)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(i)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に所定回数表示されたこと、(j)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に所定回数表示されたことに基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(k)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に連続して所定回数表示されたこと、(l)予め定められた当選役に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に連続して所定回数表示されたことに基づいて抽選を行い、当該抽選に当選したこと、(m)予め定められたポイントを獲得したこと等を適用することができる。 【0016】 また、「特定状態」とは、通常状態と比較して遊技者にとって有利な状態であれば、どのような状態であってもよい。例えば、(a)停止ボタンの操作の順序に応じて、入賞に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるか否かが異なる当選役が決定された場合において、入賞に係る図柄の組み合わせを有効ライン上に表示するために必要な停止ボタンの操作の順序が報知される状態、(b)停止ボタンの操作の順序に応じて、有効ライン上に表示される入賞に係る図柄の組み合わせが異なる当選役が決定された場合において、遊技者にとって有利となる入賞に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示するために必要な停止ボタンの操作の順序が報知される状態を適用することができる。 【0017】 また、「高確率状態」とは、記憶手段により記憶されているポイントを使用して、特定状態に移行するか否かの抽選が行われる状態であって、通常状態と比較して特定状態に移行する確率が高い状態であれば、どのような状態であってもよい。例えば、高確率状態の終了条件等は適宜設定可能である。」 (エ)「【0098】 (サブ制御基板400) サブ制御基板400は、メイン制御基板300の正面視左側に設けられており、主として演出の制御を行うために設けられている。また、サブ制御基板400は、後述のサブCPU401、後述のサブROM402、後述のサブRAM403、後述のサブ乱数発生器404により構成されている。更に、サブ制御基板400には、メイン制御基板300、後述のバックライト中継基板450、後述の演出制御基板600、後述のコンパネLED中継基板700が接続されている。」 (オ)「【0460】 サブ制御基板により管理される状態の一覧は、状態名と、各状態名に対応する番号について規定されている。ここで、本実施形態におけるサブ制御基板により管理される状態は、状態番号が「01」の「通常状態」、状態番号が「02」の「第1チャンス前兆状態」、状態番号が「03」の「第2チャンス前兆状態」、状態番号が「04」の「第3チャンス前兆状態」、状態番号が「05」の「第4チャンス前兆状態」、状態番号が「06」の「第5チャンス前兆状態」、状態番号が「07」の「Bonus前兆状態」、状態番号が「08」の「第1チャンス状態」、状態番号が「09」の「第2チャンス状態」、状態番号が「10」の「第3チャンス状態」、状態番号が「11」の「第4チャンス状態」、状態番号が「12」の「Bonus準備状態」、状態番号が「13」の「第1Bonus状態」、状態番号が「14」の「第2Bonus状態」、状態番号が「15」の「第1転落待機状態」、状態番号が「16」の「ART準備状態」、状態番号が「17」の「ART状態」、状態番号が「18」の「ART中前兆状態」、状態番号が「19」の「必勝ストック前兆状態」、状態番号が「20」の「第1上乗せ状態」、状態番号が「21」の「ART中チャンス状態」、状態番号が「22」の「上乗せ前兆状態」、状態番号が「23」の「上乗せ準備状態」、状態番号が「24」の「第2上乗せ状態」、状態番号が「25」の「第2転落待機状態」、状態番号が「26」の「バトル状態」、状態番号が「27」の「RUSH準備状態」、状態番号が「28」の「第1RUSH状態」、状態番号が「29」の「第2RUSH状態」、状態番号が「30」の「第3Bonus状態」、状態番号が「31」の「第3転落待機状態」、状態番号が「32」の「第4転落待機状態」が規定されている。 【0461】 (サブ制御基板により管理される状態遷移図) 次に、図45に基づいて、サブ制御基板により管理される状態の遷移図についての説明を行う。 【0462】 本実施形態においては、メイン制御基板300により制御される遊技状態とは別に、サブ制御基板400により管理される状態が複数設けられている。以下、各状態についての説明と、各状態への移行条件等の説明を行う。」 ・・・ 【0467】 (第1チャンス前兆状態) 第1チャンス前兆状態は、通常状態から第3チャンス状態、または第4チャンス状態に移行する前に移行する状態である。ここで、第1チャンス前兆状態において、所定の遊技数の遊技が行われたことに基づいて、第3チャンス状態、または第4チャンス状態に移行する。 ・・・ 【0473】 (第3チャンス前兆状態) 第3チャンス前兆状態は、通常状態から第1チャンス状態に移行する前に移行する状態である。ここで、第3チャンス前兆状態において、所定の遊技数の遊技が行われたことに基づいて、第1チャンス状態に移行する。また、第3チャンス前兆状態において、第2チャンス状態に移行するか否かの抽選に当選した場合に、第2チャンス状態に移行する。 ・・・ 【0482】 (第1チャンス状態) 第1チャンス状態は、通常状態と比較して、後述の通常状態用ポイントを獲得し易い状態である。ここで、第1チャンス状態において、通常状態、第1チャンス前兆状態、第2チャンス前兆状態、第3チャンス前兆状態、第4チャンス前兆状態、第5チャンス前兆状態、及び第1チャンス状態で獲得した後述の通常状態用ポイントに基づいて、第2チャンス状態に移行するか否かの判定を行い、当該第2チャンス状態に移行すると判定された場合、または、第2チャンス状態に移行するか否かの抽選に当選した場合に、第2チャンス状態に移行する。一方、第2チャンス状態に移行しないと判定された場合には、第1チャンス状態が終了する。 ・・・ 【0488】 (第3チャンス状態) 第3チャンス状態は、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行するか否かの抽選が行われる状態である。ここで、第3チャンス状態において、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行するか否かの抽選により、ART準備状態に移行することが決定された場合には、ART準備状態に移行する。また、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行するか否かの抽選により、RUSH準備状態に移行することが決定された場合には、RUSH準備状態に移行する。一方、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行するか否かの抽選により、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行することが決定されず、所定の遊技数の遊技が行われた場合には、通常状態に移行する。 ・・・ 【0499】 (ART準備状態) ART準備状態は、ART状態に移行する前に移行する状態である。また、ART準備状態においては、後述の内部抽選処理により当選番号「16」の当選役が決定された場合に、ARTリプレイに係る図柄の組み合わせを有効ライン上に表示するための情報が停止ボタン操作表示部35や、液晶表示装置46に表示される。そして、ART準備状態において、「ARTリプレイ」に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づいて、ART状態に移行する。 ・・・ 【0501】 (ART状態) ART状態は、後述の内部抽選処理により当選番号「32」~「39」の当選役が決定された場合に、「正解ベル」に係る図柄の組み合わせを有効ライン上に表示するための情報が停止ボタン操作表示部35や、液晶表示装置46に表示される状態である。ここで、ART状態において、第1上乗せ状態に移行することが決定された場合には、ART中前兆状態に移行し、ART状態において、後述の必勝ストックを獲得することが決定された場合には、必勝ストック前兆状態に移行する。」 (カ)「【0554】 通常状態用ポイント獲得抽選テーブルは、サブROM402に設けられている。また、通常状態用ポイント獲得抽選テーブルには、(a)通常状態に移行してから遊技した遊技数が「1」ゲームから「200」ゲームである場合に参照される通常状態用第1ポイント獲得抽選テーブル(図49(A)参照)と、(b)通常状態に移行してから遊技した遊技数が「201」ゲームから「400」ゲームである場合に参照される通常状態用第2ポイ ント獲得抽選テーブル(図49(B)参照)と、(c)通常状態に移行してから遊技した遊技数が「401」ゲームから「600」ゲームである場合に参照される通常状態用第3ポイント獲得抽選テーブル(図49(C)参照)と、(d)通常状態に移行してから遊技した遊技数が「601」ゲームから「800」ゲームである場合に参照される通常状態用第4ポイント獲得抽選テーブル(図49(D)参照)と、(e)通常状態に移行してから遊技した遊技数が「801」ゲーム以降である場合に参照される通常状態用第5ポイント獲得抽選テーブル(図49(E)参照)と、(f)前回所定の当選役に当選してから、所定の当選役に当選していない遊技数に応じて通常状態用ポイントを付与するか否かの抽選を行う際に用いられる通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(レア役間)(図49(F)参照)と、(g)第3チャンス状態、第4チャンス状態が終了し、通常状態に移行することが決定された場合に、通常状態用ポイントを付与するか否かの抽選を行う際に用いられる通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(チャンス状態失敗)(図49(G)参照)と、(h)複数の遊技にわたって行われる連続演出が実行され、最終的に、遊技者にとって有利な状態に移行しないことが報知された場合に、通常状態用ポイントを付与するか否かの抽選を行う際に用いられる通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(連続演出失敗)(図49(H)参照)と、(i)後述のポイントが「0」となり、第4転落待機状態から通常状態に移行した場合に、通常状態用ポイントを付与するか否かの抽選を行う際に用いられる通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(ART状態終了)(図49(I)参照)と、(j)遊技機1の設定値を変更した場合に、ポイントを付与するか否かの抽選を行う際に用いられる通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(設定変更時)(図49(J)参照)により構成されている。 ・・・ 【0564】 (通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(チャンス状態失敗)) 通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(チャンス状態失敗)は、サブROM402に設けられており、第3チャンス状態、または第4チャンス状態が終了し、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行せず、通常状態に移行することが決定された場合に、遊技者に対して付与する通常状態用ポイントを抽選する際に用いられる。ここで、通常状態用ポイント獲得抽選テーブル(チャンス状態失敗)は、(a)第3チャンス状態が終了し、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行せず、通常状態に移行することが決定された場合に、遊技者に対して付与する通常状態用ポイントに応じた抽選値と、(b)第4チャンス状態が終了し、RUSH準備状態に移行せず、通常状態に移行することが決定された場合に、遊技者に対して付与する通常状態用ポイントに応じた抽選値が規定されている。」 (キ)「【0712】 (ART準備状態用ポイント獲得抽選テーブル) ART準備状態用ポイント獲得抽選テーブルは、サブROM402に設けられており、ART準備状態において、ARTポイントを獲得するか否かを抽選する際に用いられる。具体的には、ART準備状態用ポイント獲得抽選テーブルは、当選役と、リールロック演出や、回胴演出を実行するか否かに応じて、遊技者が獲得することとなるARTポイントに抽選値が規定されている。例えば、後述の内部抽選処理により、当選役として「スイカ」が決定された場合であって、リールロック演出や、回胴演出を実行しない場合には、「512/65536」の確率でARTポイントを「1」獲得し、「256/65536」の確率でARTポイントを「2」獲得し、「128/65536」の確率でARTポイントを「3」獲得することとなる。」 ・刊行物発明 上記(ア)~(キ)の記載事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(記号a~fは、本願補正発明の記号A~Fに対応させて付した。)。 「a 通常状態、第1チャンス前兆状態、第3チャンス前兆状態、ART準備状態、第1チャンス状態、第3チャンス状態、及び、ART状態を含む状態を管理し、主として演出の制御を行うサブ制御基板400(【0098】、【0460】)と、 b 第3チャンス前兆状態は、通常状態から第1チャンス状態に移行する前に移行する状態であり(【0473】)、 第1チャンス前兆状態は、通常状態から第3チャンス状態に移行する前に移行する状態であり(【0467】)、 ART準備状態は、ART状態に移行する前に移行する状態であって(【0499】)、 ART状態は、「正解ベル」に係る図柄の組み合わせを有効ライン上に表示するための情報が停止ボタン操作表示部35や、液晶表示装置46に表示される状態であり(【0501】)、 c、e 第1チャンス状態は、通常状態と比較して通常状態用ポイントを獲得し易い状態であり、通常状態、第1チャンス前兆状態、第3チャンス前兆状態で通常状態用ポイントを獲得し(【0482】)、 第3チャンス状態は、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行することが決定されず、所定の遊技数の遊技が行われた場合には、通常状態に移行し(【0499】)、第3チャンス状態が終了し、ART準備状態や、RUSH準備状態に移行せず、通常状態に移行することが決定された場合に、遊技者に対して付与する通常状態用ポイントを抽選し(【0488】、【0564】)、 d ART準備状態において、ARTポイントを獲得するか否かを抽選し(【0712】)、 f 遊技者にとって有利な状態である「特定状態」に移行するか否かの抽選が行われる「高確率状態」への移行条件として、予め定められた当選役が決定されたことや、予め定められたポイントを獲得したこと等を適用することができ(【0015】~【0017】)、 第3チャンス状態は、ART準備状態に移行するか否かの抽選が行われる状態であり、ART準備状態において、「ARTリプレイ」に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づいて、ART状態に移行する(【0488】、【0499】) 遊技機(【0001】)。」 イ 当審にて新たに提示する、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-37493号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。 ・記載事項 (ア)「【0001】 本発明は、遊技機に関する。」 (イ)「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら従来の手法では、遊技者が正解打順に沿って停止操作を行わなくても遊技媒体を獲得できるため、遊技媒体の獲得状況の変化が緩やかなものとなり、遊技者の関心を十分に惹きつけることができないことが懸念されている。また従来の手法では、特定小役の当選時には、いかなる態様で停止操作を行った場合であっても特定小役が入賞するようにリールを停止させるため、停止態様のバリエーションに乏しく遊技者に飽きられやすいという懸念もある。 【0006】 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技媒体の獲得状況の変化を大きくすることができ、さらに停止態様のバリエーションも豊富にすることができる遊技機を提供することにある。」 (ウ)「【0081】 特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、通常演出状態、チャンスゾーン状態(CZ状態)、アシストタイム準備状態(AT準備状態)、アシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をAT状態に設定し、AT終了判定カウンタ197の記憶値に基づいてAT状態の終了条件を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。」 (エ)「【0091】 また演出制御手段180は、通常演出状態において内部抽選で弱スイカ、または強スイカが当選したことを契機としてCZ抽選を行う。CZ抽選では、0~32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されているCZ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてCZ抽選に当選したか否かを判定する。CZ抽選テーブルでは、例えば、0~32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、CZ抽選で取得した乱数値がCZ抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、CZ抽選に当選したと判定される。なお本実施形態では、CZ抽選の実行契機となった内部抽選での当選役に応じてCZ抽選の当選確率が異なり、強スイカの当選時の方が弱スイカの当選時よりも当選確率が高くなるようにCZ抽選が行われる。なお弱チェリーや強チェリーの当選時においてもCZ抽選を行うようにしてもよい。 【0092】 そして演出制御手段180は、CZ抽選に当選したことに基づいて演出状態をCZ状態に移行させ、CZ状態ではCZ終了判定カウンタ198の記憶値に所定の遊技回数(例えば、8回)に相当する値(例えば、8)が設定され、CZ状態での遊技が1回行われる毎にCZ終了判定カウンタ198の記憶値から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)が減算され、CZ終了判定カウンタ198の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、CZ状態の終了条件が成立したものと判断してCZ状態を終了させて通常演出状態に復帰させる制御を行う。またCZ状態では、打順リプレイ1の当選に基づいて、演出状態がAT準備状態を経由せずにAT状態に設定され、演出制御手段180は、打順リプレイ1の当選時および打順リプレイ2の当選時において、各リールに赤7図柄「赤7」を狙って特定打順で停止操作を行うべきこと、または各リールに黒7図柄「黒7」を狙って特定打順で停止操作を行うべきことを報知する特定打順指示演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。このとき打順リプレイ1の当選時であれば、特定打順指示演出に従って停止操作を行うことによって「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せや「黒7・黒7・黒7」の図柄組合せが表示されることによってAT状態が開始されることを遊技者に認識させることができ、打順リプレイ2の当選時であれば、特定打順指示演出に従って停止操作を行っても「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せや「黒7・黒7・黒7」の図柄組合せが表示されることはないため、その遊技においてはAT状態へ移行しないことを遊技者に認識させることができる。またCZ状態では、演出制御手段180が、打順ベルの当選時に、正解打順を報知して正解ベルの入賞を補助する正解打順指示演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行い、遊技者は手持ちのメダルを消費しにくい状況でAT状態へ移行する権利を獲得するための遊技を行うことができるようになっている。」 ・刊行物2に記載された技術事項 上記(ア)~(エ)の記載事項を総合すると、刊行物2には、次の技術事項(以下「刊行物2に記載された技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「演出制御手段180は、チャンスゾーン状態(CZ状態)では、AT状態へ移行する権利を獲得するための遊技を行うことができ、CZ状態の終了条件が成立したものと判断するとCZ状態を終了させて、通常演出状態に復帰させる制御を行い(【0081】、【0092】)、 CZ状態では、打順リプレイ1の当選に基づいて、演出状態がAT準備状態を経由せずにAT状態に設定される(【0092】) 遊技機。」 (3)対比 本願補正発明と刊行物発明とを対比する(対比にあたっては、本願補正発明の構成A~Fと刊行物発明の構成a~fについて、それぞれ(a)~(f)の見出しを付けて行った。)。 (a)刊行物発明において、「第3チャンス前兆状態は、通常状態から第1チャンス状態に移行する前に移行する状態であ」るから、刊行物発明における「第3チャンス前兆状態」、「第1チャンス状態」は、それぞれ、本願補正発明における「第1準備状態」、「第1遊技状態」に相当する。 そして、刊行物発明において、「第1チャンス前兆状態は、通常状態から第3チャンス状態に移行する前に移行する状態であ」るから、刊行物発明における「第1チャンス前兆状態」、「第3チャンス状態」は、それぞれ、本願補正発明における「第2準備状態」、「第2遊技状態」に相当する。 また、刊行物発明における「状態を管理する」ことには、各状態間における「移行」を管理することや、「演出の制御」によって各遊技状態を管理すること等が含まれるから、刊行物発明における「状態を管理する」ことは、本願補正発明における「遊技を進行させる」ことに相当する。 さらに、刊行物発明において、「ART状態」は、「第3チャンス状態」等を経由して「ART準備状態」から移行される状態であることから、刊行物発明における「ART状態」は、本願補正発明における「第3遊技状態」に相当する。 そうすると、刊行物発明における「ART準備状態」は、本願補正発明における「第3準備状態」に相当する。 したがって、刊行物発明における構成aの「サブ制御基板400」は、本願補正発明における構成Aの「遊技制御手段」に相当する。 (b)上記(a)より、刊行物発明における「第3チャンス前兆状態は、通常状態から第1チャンス状態に移行する前に移行する状態であ」ることは、本願補正発明における「第1遊技状態に第1準備状態を介して移行させ」「ることが可能な」ことに相当する。 同様に、刊行物発明における「第1チャンス前兆状態は、通常状態から第3チャンス状態に移行する前に移行する状態であ」ること、「ART準備状態は、ART状態に移行する前に移行する状態であ」ることは、それぞれ、本願補正発明における「第1遊技状態に第1準備状態を介して移行させ」「ることが可能な」こと、「第3遊技状態に第3準備状態を介して移行させる」「ることが可能な」ことに相当する。 そして、刊行物発明における「サブ制御基板400」は、上記(a)より各状態間における移行を管理することを含むものである。 したがって、刊行物発明における構成aの「サブ制御基板400」は、本願補正発明における構成Bの「遊技状態移行手段」にも相当する。 (c)刊行物発明における「通常状態用ポイントを獲得」することは、本願補正発明における「第1の特典を付与する」ことに相当する。 そして、刊行物発明は、「第1チャンス状態」、「第1チャンス前兆状態」、及び、「第3チャンス前兆状態」において、「通常状態用ポイント」が獲得されるものである。 また、刊行物発明における「第3チャンス状態」は、「通常状態に移行することが決定された場合に、遊技者に対して付与する通常状態用ポイントを抽選」するものであり、「通常状態に移行すること」の決定は、通常状態に移行する前の状態、すなわち、第3チャンス状態が終了することになる第3チャンス状態の最後のゲームにおいてなされるものである。 したがって、刊行物発明は、「第1チャンス状態」、「第1チャンス前兆状態」、「第3チャンス前兆状態」、「第3チャンス状態」において、「通常状態用ポイント」が「抽選」により「付与」されるものであるから、本願補正発明における「第1特典付与手段」を具備するものである。 (d)刊行物発明における「ART準備状態」は、上記(a)より、本願補正発明における「第3準備状態」に相当する。 そして、刊行物発明における「ARTポイント」は、「通常状態用ポイント」とは異なるポイントであることから、本願補正発明における「第1の特典とは異なる第2の特典」に相当する。 また、刊行物発明における「ARTポイントを獲得する」ことは、本願補正発明における「第2の特典を付与する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における「ART準備状態において、ARTポイントを獲得するか否かを抽選」することは、本願補正発明における「第3準備状態において、第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段」を具備することに相当する。 (e)刊行物発明における構成eの「通常状態用ポイント」は、ポイントであることから、本願補正発明における構成Eの「第1の特典はポイントであ」ることに相当する。 (f)刊行物発明における「第3チャンス状態」は、本願補正発明における「ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態」にも相当する。 そして、刊行物発明における「ART状態」は、上記(a)より、本願補正発明における「第3遊技状態」に相当する。 そうすると、刊行物発明における「第3チャンス状態は、ART準備状態に移行するか否かの抽選が行われる状態であり、ART準備状態において、「ARTリプレイ」に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づいて、ART状態に移行する」ことと、本願補正発明における「付与されたポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、第3準備状態を介することなく第3遊技状態に移行させることが可能な」「遊技状態移行手段」とは、「所定の条件が成立した場合、滞在する遊技状態から、第3遊技状態に移行させることが可能な」「遊技状態移行手段」である点で共通する。 上記(a)~(f)の検討により、本願補正発明と刊行物発明とは、 [一致点] 「A 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 B 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させることが可能な遊技状態移行手段と、 C 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 D 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備し、 E 前記第1の特典はポイントであり、 F’前記遊技状態移行手段は、所定の条件が成立した場合、滞在する遊技状態から前記第3遊技状態に移行させることが可能な遊技機。」 である点で一致し、構成Fに関して次の点で相違する。 [相違点](構成F) 遊技状態移行手段による所定の条件が成立した場合の滞在する遊技状態から第3遊技状態への移行に関して、 本願補正発明は、「付与された前記ポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、ポイントの累積値が特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、第3準備状態を介することなく第3遊技状態に移行させることが可能」であるのに対して、 刊行物発明は、「第3チャンス状態は、ART準備状態に移行するか否かの抽選が行われる状態であり、ART準備状態において、「ARTリプレイ」に係る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づいて、ART状態に移行す」るが、本願補正発明のような構成を備えない点。 (4)当審における判断 ア 相違点について 上記相違点について検討する。 刊行物発明は、遊技者にとって有利な状態である「特定状態」に移行するか否かの抽選が行われる「高確率状態」への移行条件を、予め定められた当選役が決定されたことや、予め定められたポイントを獲得したこととするものである。すなわち、刊行物発明は、予め定められた当選役が決定されたこと、あるいは、予め定められたポイントを獲得したことのうち、いずれも移行条件として採用可能であることが示されている。 そして、刊行物発明における「第3チャンス状態」は、ART準備状態へ移行可能な状態であり、「ART準備状態や、RUSH準備状態に移行することが決定されず、所定の遊技数の遊技が行われた場合には、通常状態に移行」する状態である。 一方、刊行物2に記載された技術事項の「演出状態がAT準備状態を経由せずにAT状態に設定される」ことは、本願補正発明における「第3準備状態を介することなく第3遊技状態に移行させることが可能な」ことに相当する。 したがって、刊行物2に記載された技術事項の「演出状態がAT準備状態を経由せずにAT状態に設定される」「CZ状態」は、本願補正発明の「第3準備状態を介することなく第3遊技状態に移行させることが可能な」「滞在する遊技状態」に相当する。 そして、刊行物発明と刊行物2に記載された技術事項とは、「滞在する遊技状態」から、「第3遊技状態」へ移行可能であり、「滞在する遊技状態」における終了条件の成立に基づき通常状態に移行する点で共通することに加え、遊技に対する遊技者の興趣を向上させという共通の課題を解決するものである。 したがって、刊行物発明に刊行物2に記載された技術事項を適用して、第3チャンス状態から、ART準備状態を介することなくART状態に移行させることは、当業者が容易になし得たものであって、その際の移行条件を、「第3チャンス状態」において「予め定められたポイントを獲得したこと」として、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が必要に応じてなし得たものである。 イ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、「文献1において、第3チャンス前兆状態、第1チャンス前兆状態、第1チャンス状態、および、第3チャンス状態の何れからも、ART状態には移行されない。したがって、ART状態は本願発明の第3遊技状態に相当しない。文献1において、通常状態用ポイントの累積値が特定の閾値に到達したことを契機に、特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から特定の遊技状態へ移行させる制御は行われていない。 したがって、文献1には構成A及び構成Bは開示されていない。本願発明は、構成A及び構成Bを備えるので、第1の特典であるポイントを用いて遊技状態の移行先に変化を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、通常の移行先が第3遊技状態である第3準備状態では、第1の特典とは異なる第2の特典を付与することで、第2の特典による恩恵を遊技者が感じ易くできる。これらは、構成A及び構成Bに基づく、本願発明の特有の効果である。」(第5頁下3行~第6頁第9行)と主張する。 しかしながら、請求人の上記主張に関しては、審決では、相違点として抽出し、相違点についての判断は、上記アにおいて検討したとおりである。 よって、請求人の上記主張を採用することはできない。 (5)まとめ 本願補正発明により奏される効果は、刊行物発明及び刊行物2に記載された技術事項から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、新たな効果を奏するものとはいえない。 そうすると、上記(4)において検討したとおり、本願補正発明は、刊行物発明及び刊行物2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。 4 むすび 上記1~3より、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年10月5日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 A 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 B 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる遊技状態移行手段と、 C 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 D 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備する遊技機。」 2 刊行物に記載された事項 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項及び刊行物発明の認定については、上記「第2[理由]3(2)刊行物に記載された事項」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から、「遊技状態移行手段」に関して、「前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる」とあったものを「前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させることが可能な」とあったものを、「前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる」とその限定を省くものであり、 同様に、「特典」に関する「第1の特典はポイントであり」との限定、及び、「遊技状態移行手段」に関する「付与された前記ポイントの累積値が特定の閾値に到達した場合、前記ポイントの累積値が前記特定の閾値に到達したときに滞在する遊技状態から、前記第3準備状態を介することなく前記第3遊技状態に移行させることが可能な」との限定を省くものである。 そうすると、本願補正発明における構成E及びFを備えない本願発明と刊行物発明とは、 「A 第1準備状態と第2準備状態と第3準備状態と第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む各遊技状態において、遊技を進行させる遊技制御手段と、 B 前記第1遊技状態に前記第1準備状態を介して移行させ、前記第2遊技状態に前記第2準備状態を介して移行させ、前記第3遊技状態に前記第3準備状態を介して移行させる遊技状態移行手段と、 C 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態において第1の特典を付与するとともに、前記第1準備状態および前記第2準備状態においても前記第1の特典を付与する第1特典付与手段と、 D 前記第3準備状態において、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と を具備する遊技機。」 の点で一致し、相違する点はない。 したがって、本願発明は、刊行物発明と同一のものであり、刊行物1に記載された発明である。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-009079

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