特許拒絶査定不服審判
2017-008144
ディスプレイ用イルミネータ
- 審判番号
- 2017-008144
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-013349外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月06日
- 審決日
- 2018年02月06日
- 公報発行日
- 2018年03月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 【請求人代理人】本田 淳
- 分類
- P18 .121-WY (G09G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014- 13349「ディスプレイ用イルミネータ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月17日出願公開、特開2014-132346、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2004年12月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年12月23日、米国)を国際出願日とする特願2007-547111号の一部を平成24年1月20日に新たな特許出願とした特願2012-10436号の一部を平成25年8月30日に新たな特許出願とした特願2013-179714号の一部を平成26年1月28日に新たな特許出願としたものであって、平成27年1月22日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月22日付けで手続補正がされ、同年8月26日付けで拒絶理由通知がされ、同年12月1日付けで手続補正がされ、平成28年5月27日付けで拒絶理由通知がされ、同年8月31日付けで手続補正がされ、平成29年1月31日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月6日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成29年1月31日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
本願請求項1-20に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2001-142409号公報
2.特開平7-226536号公報
第3 本願発明
本願請求項1-20に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明20」という。)は、平成29年6月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
ディスプレイ用イルミネータであって、
別個の色で独立に制御可能な2次元配置の半導体の発光器を含む光源層であって、第1の組の前記発光器は、第1の色の光を照射するように構成され、第2の組の前記発光器は、第2の色の光を照射するように構成され、第3の組の前記発光器は、第3の色の光を照射するように構成される、前記光源層と、
画像データに応じて前記発光器の光出力を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記第1~第3の組のうちの1つの組の発光器の点像強度分布関数は、前記第1~第3の組のうちの他の組の発光器の点像強度分布関数よりも広く、
前記第1~第3の組の各々の発光器において、複数の発光器のうちの近接する複数の発光器の点像強度分布関数は重なり合い、
前記第1~第3の組のうちの少なくとも1つの組は、他の組の発光器よりも多くの発光器を備え、
各組の発光器の数は、前記発光器のフラックスの比に反比例し、
各組において、複数の発光器は間隔が異なり、各組において、複数の発光器の各点像強度分布関数は、当該組の複数の発光器の間隔に応じて増大する幅を有する、イルミネータ。」
本願発明2-20は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(特開2001-142409号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明光を映像信号に応じて変調することにより映像を表示する映像表示装置およびこの映像表示装置における照明制御方法に関する。」
「【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、照明に必要とされる消費電力を低減することができる映像表示装置および映像表示装置における照明制御方法を提供することにある。」
「【0011】[第1の実施の形態]図2は、本発明の第1の実施の形態に係る映像表示装置としての液晶表示装置の要部構造を示す断面図である。同図に示したように、本実施の形態に係る液晶表示装置は、照明光を映像信号に応じて光学的に変調させることにより表示面5に映像信号に応じた映像を形成する液晶パネル1と、この液晶パネル1に対向配置されると共に、液晶パネル1の背面から照明光を照射するためのバックライトパネル2とを備えている。なお、同図(B)に示したように、本実施の形態に係る液晶表示装置において、更に、液晶パネル1とバックライトパネル2との間に、バックライトパネル2からの照明光を均一化するための光拡散板6を設けるようにしても良い。ここで、液晶パネル1は、本発明における「光変調素子」の一具体例に対応する。」
「【0013】バックライトパネル2は、液晶パネル1と対向する側に、照明光を発する光源となる複数のLED3が配置された基板4を有している。LED3は、液晶パネル1の背面から白色光を発するようになっており、単独で白色光を発する白色LEDまたは色毎に独立駆動可能な赤(Red =R),緑(Green =G),青(Blue=B)の3色のLEDを組み合わせたもので構成されている。LED3は、例えば所定の分割領域単位でスイッチング素子に接続され、後述するように、所定の分割領域単位で駆動制御がなされるようになっている。なお、複数のLED3から発せられる個々の光にムラが生じて問題となる場合には、同図(B)に示したように、液晶パネル1とバックライトパネル2との間に光拡散板6を配置して光量の均一化を図ることが望ましい。ここで、LED3は、本発明における「発光手段」の一具体例に対応する。また、LED3を独立駆動可能なR,G,Bの各色のLEDで構成した場合における各色のLEDのそれぞれが、本発明における「発光素子」の一具体例に対応する。」
「【0016】なお、分割領域の分割数と各分割領域内に配置するLED3の数は、表示画面全体の大きさや総画素数等を考慮して任意の数に設定可能であり、図示したものに限定されるものではない。例えば、表示画面全体の大きさが小さい場合には、表示画面が大きい場合に比べて、各分割領域内に配置するLED3の数を少ない数に設定することが可能である。また、図では各分割領域を矩形状に設定すると共に、各分割領域の大きさを全て同一にした例について示したが、各分割領域の形状および大きさは、図示したものに限定されず、部分的に大きさが異なるように各分割領域の大きさを設定したり、各分割領域の形状を矩形以外の多角形等の他の形状に設定することも可能である。
【0017】図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の制御系の回路構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る液晶表示装置は、その制御回路として、データ線13を介して液晶パネル1に映像信号に応じた信号電圧を印加する信号駆動回路11と、データ線14を介して液晶パネル1に循環的に走査電圧を印加する走査駆動回路12と、データ線23を介してバックライトパネル2のLED3を制御するための制御信号を印加する水平駆動回路21と、データ線24を介してバックライトパネル2のLED3を制御するための制御信号を印加する垂直駆動回路22とを備えている。
【0018】本実施の形態に係る液晶表示装置は、更に、入力された映像信号Vsが液晶パネル1の駆動に適した信号となるように信号処理を施す映像信号処理回路31と、映像信号処理回路31において信号処理された所定単位(例えば1フレームまたは1ライン)の映像信号を一時的に記憶する映像メモリ32と、映像メモリ32に記憶された映像信号に基づいて信号駆動回路11および走査駆動回路12を介して液晶パネル1を駆動制御する液晶パネル制御回路33と、水平駆動回路21および垂直駆動回路22を介してバックライトパネル2を駆動制御するLED制御回路34と、映像信号処理回路31、液晶パネル制御回路33およびLED制御回路34を含む液晶表示装置の各部の構成要素の制御を行うコントローラ35とを備えている。」
「【0028】LED制御回路34は、映像信号に応じて、液晶パネル1において少なくとも照明光が必要とされる画素領域に照明光が照射されるよう、水平駆動回路21および垂直駆動回路22を介してバックライトパネル2におけるLED3を、設定された分割領域単位で駆動制御する。バックライトパネル2では、水平駆動回路21からの制御信号が印加されたデータ線23と、垂直駆動回路22からの制御信号が印加されたデータ線14との交点に位置する分割領域内のLED3が駆動され、駆動されたLED3から液晶パネル1の背面に向けて、設定された分割領域単位で照明光が照射される。コントローラ35は、バックライトパネル2のLED3が液晶パネル1における画素の駆動周期に同期して駆動されるよう、液晶パネル制御回路33とLED制御回路34とを同期制御する。」
「【0035】例えば、図5(A)に示したように、LED3の駆動単位である4つの分割領域20A~20Dの全てにまたがるような表示画像51を表示する場合には、同図(B)に示したように、4つの分割領域20A~20D内の全てのLED3を点灯することになり、消費電力削減の効果が得られない。しかしながら、画面全体に画像が分散して表示されるような場合であっても、分割領域をより細分化することにより、消費電力削減の効果を得ることが可能である。」
「【0037】このように、分割領域を細分化することにより、画面全体に画像が分散するような複雑な画像表示を行う場合であっても、省電力の効果を高めることが可能となる。なお、分割領域を1画素に対して1つに設定することで、事実上、消費電力削減の効果が最も大きくなる。しかしながら、携帯型パソコン等に使用される液晶パネル1における1画素の大きさは、現状のLED3の大きさに比べてかなり小さいため、通常では、1つのLED3で複数画素に対して照明を行うことになり、分割領域を1画素に対して1つに設定することは難しい。但し、1画素の大きさが大きい場合や、デバイス技術の向上によっては、分割領域を1画素に対して1つに設定することも可能であることは勿論である。
【0038】以上説明したように、本実施の形態に係る液晶表示装置によれば、液晶パネル1に照射する照明光を発する光源となるLED3を、複数の分割領域に対して少なくとも1つずつ配置すると共に、映像信号に応じて、少なくとも照明光が必要とされる画面領域にのみ照明光が照射されるよう、LED3を分割領域単位で駆動制御するようにしたので、照明する必要のない画面領域に対しては照明光を照射しないようにすることが可能となり、照明に必要とされる消費電力を低減することができる。これにより、特に、電源としてバッテリを使用することの多い携帯型パソコン等の情報機器に対しては、バッテリの使用可能時間を延ばすことが可能となるという優れた効果を得ることができる。」
「【0052】なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、液晶パネル1に照射する照明光を発するLED3を、それぞれ独立駆動可能なR,G,Bの各色のLEDを組み合わせて構成し、LEDを各色毎に独立に制御するようにしても良い。これにより、液晶パネル1に照射する照明光を使用者の好みの色となるように制御することが可能となる。例えば、各色のLEDによる合成光を、色温度の低い赤っぽい白色、色温度の高い青っぽい白色または緑がかった白色等の好みの照明色に制御することができる。外部照明が蛍光灯のような青い照明である場合や、外部照明がナトリウム灯のような極端に赤い照明である場合等、異なる外部照明下で液晶パネル1に同一色の照明光を照射すると、外部照明の種類によっては画面が見にくくなるが、外部照明の種類に応じて液晶パネル1に照射する照明光の色を変えると、表示画面の視認性を改善することが可能となる。このように、LEDを各色毎に独立に制御することてにより、外部の照明環境に応じて表示画面の色温度を調節することができ、視認性の良い表示状態を提供することが可能となる。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「液晶表示装置は、照明光を映像信号に応じて光学的に変調させることにより表示面5に映像信号に応じた映像を形成する液晶パネル1と、この液晶パネル1に対向配置されると共に、液晶パネル1の背面から照明光を照射するためのバックライトパネル2とを備え(引用文献1の段落【0011】より。以下同様。)、
バックライトパネル2は、液晶パネル1と対向する側に、照明光を発する光源となる複数のLED3が配置された基板4を有し、LED3は、液晶パネル1の背面から白色光を発するようになっており、色毎に独立駆動可能な赤(Red =R),緑(Green =G),青(Blue=B)の3色のLEDを組み合わせたもので構成され、LED3は、例えば所定の分割領域単位でスイッチング素子に接続され、所定の分割領域単位で駆動制御がなされるようになっており(【0013】)、
分割領域の分割数と各分割領域内に配置するLED3の数は、表示画面全体の大きさや総画素数等を考慮して任意の数に設定可能であり(【0016】)、
液晶表示装置は、バックライトパネル2を駆動制御するLED制御回路34と、映像信号処理回路31、液晶パネル制御回路33およびLED制御回路34を含む液晶表示装置の各部の構成要素の制御を行うコントローラ35とを備え(【0018】)、
LED制御回路34は、映像信号に応じて、液晶パネル1において少なくとも照明光が必要とされる画素領域に照明光が照射されるよう、バックライトパネル2におけるLED3を、設定された分割領域単位で駆動制御し、駆動されたLED3から液晶パネル1の背面に向けて、設定された分割領域単位で照明光が照射され、コントローラ35は、バックライトパネル2のLED3が液晶パネル1における画素の駆動周期に同期して駆動されるよう、液晶パネル制御回路33とLED制御回路34とを同期制御し(【0028】)、
照明する必要のない画面領域に対しては照明光を照射しないようにすることが可能となり、照明に必要とされる消費電力を低減することができ(【0038】)、
LEDを各色毎に独立に制御することにより、外部の照明環境に応じて表示画面の色温度を調節することができる(【0052】)、
液晶表示装置(【0011】)。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特開平7-226536号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている (下線は、当審で付与した。)。
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三原色のLEDを組合わせて画素とし、この画素を縦横列に並べて画面とし、テレビジョン画像、コンピュータ表示などのカラー表示を行うLEDカラー情報表示板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のLEDカラー情報表示板90の表示面部2の構成の例を示すものが図6であり、この表示面2には複数の画素3が例えば縦横列などとして配列され、この画素3中の適宜な位置のものを選択し点灯させることで任意の文字、図形などが表示できるものとなっている。
【0003】図7は前記画素3の一個の構成を示すものであり、この画素3は例えば4個の赤色LED4Rと、6個の緑色LED4Gと、9個の青色LED4Bとで構成されるものであり、例えば全てのLED4R、4B、4Gを点灯したときには白色光と言うように、混色により任意の色彩が得られるものとされている。
【0004】尚、赤色LED4R、緑色LED4G、青色LED4Bとに数の差が設けられているのは、それぞれのLEDに発光効率の差があるからであり、一般的に高効率である赤色LED4Rは数が少なく、低効率である青色LED4Bは数が多く配設され、全てを点灯したときには所望の色温度の白色が得られるようにされている。
【0005】また、図8は前記表示面部2を駆動する駆動回路部80の例であり、前記表示面部2には前記画素3を行方向および列方向に走査するドライバー回路81が接続されると共に、このドライバー回路81には走査により選択が行われた画素3に対して点灯/非点灯或いは混色の割合などの情報を与える信号回路82が接続され、これにより任意の文字、図形が任意の色彩で表示されるものとなる。」
よって、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三原色のLEDを組合わせて画素とし、この画素を縦横列に並べて画面とし、テレビジョン画像、コンピュータ表示などのカラー表示を行うLEDカラー情報表示板であって(引用文献2の段落【0002】より。以下同様)、この画素は例えば4個の赤色LED4Rと、6個の緑色LED4Gと、9個の青色LED4Bとで構成されるものであり、例えば全てのLED4R、4B、4Gを点灯したときには白色光と言うように、混色により任意の色彩が得られるものとされ(【0003】)、一般的に発光効率が高効率である赤色LED4Rは数が少なく、発光効率が低効率である青色LED4Bは数が多く配設され、全てを点灯したときには所望の色温度の白色が得られるようにされている(【0004】)、LEDカラー情報表示板(【0002】)。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明における「バックライトパネル2」は、「液晶表示装置」の「液晶パネル1に対向配置されると共に、液晶パネル1の背面から照明光を照射する」ものであるから、本願発明における「ディスプレイ用イルミネータ」に相当する。
イ 引用発明における「LED3」を「構成」する「3色のLED」のそれぞれは、「各色毎に独立に制御する」ことができるから、本願発明における「別個の色で独立に制御可能な」「半導体の発光器」に相当する。
ウ 引用発明における「バックライトパネル2」は、「液晶パネル1の背面から照明光を照射するための」ものであるから、該「照明光を発する光源」となる「LED3」を構成する「3色のLED」が、それぞれの「色」で「液晶パネル1の背面から照明光を照射」していることは明らかである。
よって、引用発明における「LED3」を「構成」する「3色のLED」のうちの、「独立駆動可能な赤(Red =R)」の「LED」が、「液晶パネル1の背面」から「赤」を「照射」することが、本願発明1における「第1の組の前記発光器は、第1の色の光を照射するように構成され」ることに相当する。
エ 次に、上記「ウ」で述べたことを踏まえると、引用発明における「LED3」を「構成」する「3色のLED」のうちの、「独立駆動可能」な「緑(Green =G)」の「LED」が、「液晶パネル1の背面」から「緑」を「照射」することが、本願発明1における「第2の組の前記発光器は、第2の色の光を照射するように構成され」ることに相当する。
オ 同様に、上記「ウ」で述べたことを踏まえると、引用発明における「LED3」を「構成」する「3色のLED」のうちの、「独立駆動可能」な「青(Blue=B)」の「LED」が、「液晶パネル1の背面」から「青」を「照射」することが、本願発明1における「第3の組の前記発光器は、第3の色の光を照射するように構成され」ることに相当する。
カ 引用発明における「バックライトパネル2」が有する「基板4」は、「照明光を発する光源となる複数のLED3が配置され」るものであって、該「LED3」は、「3色のLEDを組み合わせ」て構成されている。よって、上記「イ」で述べたことを踏まえると、引用発明における上記「基板4」が、本願発明における「別個の色で独立に制御可能な2次元配置の半導体の発光器を含む光源層」に相当する。
キ 引用発明における「バックライトパネル2を駆動制御するLED制御回路34」は、「映像信号に応じて」、「液晶パネル1において少なくとも照明光が必要とされる画素領域に照明光が照射されるよう、バックライトパネル2におけるLED3を、設定された分割領域単位で駆動制御し」、「照明する必要のない画面領域に対しては照明光を照射しないようにする」制御を行っているから、本願発明1における「画像データに応じて前記発光器の光出力を制御するように構成されたコントローラ」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ディスプレイ用イルミネータであって、別個の色で独立に制御可能な2次元配置の半導体の発光器を含む光源層であって、第1の組の前記発光器は、第1の色の光を照射するように構成され、第2の組の前記発光器は、第2の色の光を照射するように構成され、第3の組の前記発光器は、第3の色の光を照射するように構成される、前記光源層と、画像データに応じて前記発光器の光出力を制御するように構成されたコントローラとを備えた、イルミネータ。」
(相違点)
本願発明1では「前記第1~第3の組のうちの1つの組の発光器の点像強度分布関数は、前記第1~第3の組のうちの他の組の発光器の点像強度分布関数よりも広く、前記第1~第3の組の各々の発光器において、複数の発光器のうちの近接する複数の発光器の点像強度分布関数は重なり合い、前記第1~第3の組のうちの少なくとも1つの組は、他の組の発光器よりも多くの発光器を備え、各組の発光器の数は、前記発光器のフラックスの比に反比例し、各組において、複数の発光器は間隔が異なり、各組において、複数の発光器の各点像強度分布関数は、当該組の複数の発光器の間隔に応じて増大する幅を有する」のに対し、
引用発明では、「LED3」が、「3色のLEDを組み合わせたもので構成され」ているものの、3色のLEDの各組について、点像強度分布関数の広がりや、重なり合い、数及び間隔について何らについて記載されていない点。
(2)相違点についての判断
引用文献2に記載された技術的事項は、「LEDカラー情報表示板」の「画素」についての技術であって、該画素は「画素3に対して点灯/非点灯或いは混色の割合などの情報を与え」、「任意の文字、図形が任意の色彩で表示される」(引用文献2段落【0005】参照。)ようにするためものであるから、引用文献2に記載された技術的事項において、画素同士の間における光の重なり合いや混色は避けるべきものである。よって、引用文献2に、「画素」を、「赤色LED4R」、「緑色LED4G」及び「青色LED4B」で構成し、「発光効率」を考慮して、各「LED4R、4B、4G」の個数を異ならせる構成が記載されているからといって、上記相違点2に係る本願発明1の構成、つまり、「前記第1~第3の組の各々の発光器において、複数の発光器のうちの近接する複数の発光器の点像強度分布関数は重なり合」う構成、及び「各組において、複数の発光器は間隔が異なり、各組において、複数の発光器の各点像強度分布関数は、当該組の複数の発光器の間隔に応じて増大する幅を有する」構成は、引用文献2の記載から何ら示唆されるものでない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2.本願発明2-20について
本願発明2-20は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮した発明であるから、上記相違点1,相違点2に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものである。
よって、本願発明2-20は、本願発明1と同一の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-20は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-008144