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特許拒絶査定不服審判

2017-003766

キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システムで物理チャンネルの送受信タイミング及びリソース割り当てを定義する方法及び装置

審判番号
2017-003766
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-513440外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年03月14日
審決日
2018年06月11日
公報発行日
2018年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (H04W) / P18 .121-Z (H04W) / P18 .575-Z (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-513440「キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システムで物理チャンネルの送受信タイミング及びリソース割り当てを定義する方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月 6日国際公開、WO2012/165875、平成26年 8月14日国内公表、特表2014-519757〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)5月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年5月31日 韓国、2011年7月12日 韓国、2011年12月20日 韓国)を国際出願日とする出願であって、平成28年2月24日付けで拒絶理由が通知され、同年6月7日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月7日付けで拒絶査定されたところ、平成29年3月14日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同時に手続補正されたものである。 第2 平成29年3月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年3月14日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について (1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおり補正された。 「 キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システムで基地局が端末からHARQ(hybrid automatic repeat request)を受信する方法であって、 ダウンリンクデータをSセルの第1サブフレームの物理的ダウンリンク共有チャンネル(physical downlink shared channel、PDSCH)を介して送信する段階と、 前記ダウンリンクデータに対するHARQをPセルの第2サブフレームを介して受信する段階と、を含み、 前記Pセルのアップリンク/ダウンリンク(uplink/downlink、UL/DL)設定と前記SセルのUL/DL設定が既に設定された関係である場合、前記第2サブフレームは、前記PセルのUL/DL設定によって決定され、 前記既に設定された関係は、前記PセルのUL/DL設定と前記SセルのUL/DL設定が異なり、前記SセルのUL/DL設定による前記Sセルの任意のアップリンクサブフレームに対応する前記PセルのUL/DL設定の設定による前記Pセルのサブフレームがアップリンクサブフレームの関係であることを特徴とする受信方法。」(当審注:下線は補正箇所を示す。) (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成28年6月7日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1は次のとおりである。 「 キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システムで基地局が端末からHARQ(hybrid automatic repeat request)を受信する方法であって、 ダウンリンクデータをSセルの第1サブフレームの物理的ダウンリンク共有チャンネル(physical downlink shared channel、PDSCH)を介して送信する段階と、 前記ダウンリンクデータに対するHARQをPセルの第2サブフレームを介して受信する段階と、を含み、 前記Pセルのアップリンク/ダウンリンク(uplink/downlink、UL/DL)設定と前記SセルのUL/DL設定が既に設定された関係である場合、前記第2サブフレームは、前記PセルのUL/DL設定によって決定されることを特徴とする受信方法。」 2.補正の適否 (1)新規事項の有無、シフト補正の有無、補正の目的要件 上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「既に設定された関係」に関し、「前記既に設定された関係は、前記PセルのUL/DL設定と前記SセルのUL/DL設定が異なり、前記SセルのUL/DL設定による前記Sセルの任意のアップリンクサブフレームに対応する前記PセルのUL/DL設定の設定による前記Pセルのサブフレームがアップリンクサブフレームの関係である」と限定する補正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 したがって、上記補正は特許法17条の2第5項2号(補正の目的)の規定に適合する。また、特許法17条の2第3項(新規事項)及び同法17条の2第4項(シフト補正)の規定に違反しないことも明らかである。 (2)独立特許要件 上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下に検討する。 ア.本件補正発明 本件補正発明は、上記1.(1)に記載したとおりのものと認める。 イ.引用例の記載事項及び引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された、「Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation、Cell specific TDD configuration with inter-band CA、3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #74 R2-112946、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg2_rl2/tsgr2_74/Docs/R2-112946.zip>2011年5月3日アップロード)」(以下、「引用例」という。)には以下の記載がある。 (ア)「1 Introduction The WI for LTE CA enhancement was agreed at RAN#51 meeting [1]. One of the objectives is to “Support of inter-band carrier aggregation for TDD DL and UL including different uplink-downlink configurations on different bands”. In this contribution, we provide our view on this feature.」(1頁) (当審訳:1 はじめに LTE CA強化のためのWIがRAN#51会議で合意された[1]。その目的の1つは、「異なるバンド上の異なるアップリンク-ダウンリンク設定を含むTDD DL及びULのためのバンド間キャリアアグリゲーションのサポート」である。この寄稿では、この特徴について私たちの見解を提供する。) (イ)テーブル1として以下のテーブルが記載されている。 「 」(1頁) (ウ)図1、図2として以下の図面が記載されている。 「 Figure 1: Possible use case for cell-specific TDD configuration」(1頁) 「 Figure 2: Possible use case for cell-specific TDD configuration 」(2頁) (エ)図4として以下の図面が記載されている。 「 Figure 4: Non-transparent solution for CA UE 」(3頁) (オ)「For example, as illustrated in Figure 4, the A/N for a PDSCH transmission in SF#9 on Cell#1 should be in SF#3 according to normal timing of TDD configuration 1 on Cell#0, the PCell, but there is no UL resource in SF#3 on Cell#0. If the restriction that PUCCH can only be transmitted on PCell is still valid in Rel-11, the A/N for a PDSCH transmission in SF#9 on Cell#1 can only be transmitted in SF#7 on Cell#0, which breaks the timing rule for TDD configuration 1. 」(3頁11~15行) (当審訳: 例えば、図4に示すように、セル#1上のSF#9におけるPDSCH伝送に対するA/Nは、Pセルであるセル#0上でのTDD設定1の通常のタイミングに従って、SF#3においてなされなければならないが、セル#0上のSF#3にはULリソースは存在しない。Pセル上でのみPUCCHを伝送できるという制限がリリース11において依然として有効である場合、セル#1上のSF#9におけるPDSCH伝送に対するA/Nは、セル#0上のSF#7においてのみ伝送可能であり、それはTDD設定1のタイミングルールを破ることになる。) 上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、引用例には、次の技術的事項が記載されている。 a 上記(ア)によれば、引用例は、TDDでDL及びULの送受信を行うものにおけるキャリアアグリゲーションのサポートに関するものといえ、そして、上記(オ)によればA/NをどのセルのどのSF(サブフレーム)で伝送するかについて記載されている。そうしてみると、引用例は、キャリアアグリゲーションをサポートするTDDシステムにおいてA/Nを伝送する方法について記載されているということができる。 b 上記(エ)によれば、図4には、SF#9を指して「PDSCH」と記載されており、また上記(オ)に「セル#1上のSF#9におけるPDSCH伝送に対するA/Nは・・・」との記載が存在し、セル#1はSセルであるから、引用例は、Sセルであるセル#1においてPDSCH伝送を行う段階を有しているといえる。 c 上記(エ)によれば、図4には、SF#9を指して「PDSCH」、SF#3を指して「A/N as old timing」(当審訳:古いタイミングとしてのA/N)、及びSF#7を指して「A/N as new timing」(当審訳:新しいタイミングとしてのA/N)と付記されていること。そして、上記(オ)によれば、「Pセル上でのみPUCCHを伝送できるという制限がリリース11において依然として有効である場合、セル#1上のSF#9におけるPDSCH伝送に対するA/Nは、セル#0上のSF#7においてのみ伝送可能」であると記載されており、セル#0はPセル、セル#1はSセルであるから、引用例には、Pセル上でのみPUCCHを伝送できるという制限に従って、Sセルであるセル#1上のPDSCH伝送に対するA/Nを、Pセルであるセル#0上のULリソースにおいて伝送することが開示されているといえる。 d 上記(エ)及び(オ)の記載によれば、Pセルであるセル#0ではアップリンク-ダウンリンク設定はTDD config #2にしたがっているのに対して、Sセルであるセル#1ではアップリンク-ダウンリンク設定はTDD config #1にしたがっている。そうしてみると、Pセルであるセル#0と、Sセルであるセル#1とでは、アップリンク-ダウンリンク設定が異なっていることが明らかである。 e 上記(エ)及び(オ)の記載によれば、A/NはSF#3で伝送されなければならないところ、Pセルであるセル#0が採用するアップリンク-ダウンリンク設定であるTDD config #2ではSF#3にULリソースがないため、A/Nはセル#0がULリソースを有するSF#7において伝送される。そうしてみると、引用例では、A/Nが伝送されるSF#7は、Pセルであるセル#0が採用するアップリンク-ダウンリンク設定に基づいて決められているということができる。 したがって、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「 キャリアアグリゲーションをサポートするTDDシステムにおいてA/Nを伝送する方法であって、 Sセルであるセル#1においてPDSCH伝送を行う段階と、 Pセル上でのみPUCCHを伝送できるという制限に従って、前記PDSCH伝送に対するA/Nを、Pセルであるセル#0上のULリソースにおいて伝送する段階を有し、 Pセルであるセル#0と、Sセルであるセル#1とでは、アップリンク-ダウンリンク設定が異なっており、 A/Nが伝送されるULリソースは、Pセルであるセル#0が採用するアップリンク-ダウンリンク設定に基づいて決められている方法。」 ウ.引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 a 引用発明の「キャリアアグリゲーションをサポートするTDDシステム」は、本件補正発明の「キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システム」に相当する。 また、PDSCH伝送は基地局から端末への送信であることは技術常識であり、PDSCH伝送に対するA/Nは基地局が端末から受信するものである。 b 引用発明の「PDSCH伝送」は、本件補正発明の「ダウンリンクデータ」をPDSCHを介して送信することに相当する。また引用発明の「Sセルであるセル#1におけるPDSCH伝送とは、データがDLリソースにおいてPDSCH伝送されていることは明らかであり、当該DLリソースに係るサブフレームが、本件補正発明の「Sセルの第1サブフレーム」に相当する。 c 引用発明の「前記PDSCH伝送に対するA/N」は、本件補正発明の「前記ダウンリンクデータに対するHARQ」に相当する。また、引用発明の「Pセルであるセル#0上のULリソース」は、A/Nを伝送するサブフレームであるから、本件補正発明の「Pセルの第2サブフレーム」に相当する。 d 引用発明の「アップリンク-ダウンリンク設定」は、本件補正発明の「アップリンク/ダウンリンク(uplink/downlink、UL/DL)設定」に相当する。 そして、引用発明において、「Pセルであるセル#0と、Sセルであるセル#1とでは、アップリンク-ダウンリンク設定が異なって」いることを「既に設定された関係」と称することは任意である。 そして、引用発明は、上記「既に設定された関係」にあるとき、「A/Nが伝送されるULリソースは、Pセルであるセル#0が採用するアップリンク-ダウンリンク設定に基づいて決められている」ことになるが、これは本件補正発明の「前記第2サブフレームは、前記PセルのUL/DL設定によって決定され」ることに対応する。 したがって、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりと認める。 [一致点] 「 キャリアアグリゲーションをサポートするTDD通信システムで基地局が端末からHARQ(hybrid automatic repeat request)を受信する方法であって、 ダウンリンクデータをSセルの第1サブフレームの物理的ダウンリンク共有チャンネル(physical downlink shared channel、PDSCH)を介して送信する段階と、 前記ダウンリンクデータに対するHARQをPセルの第2サブフレームを介して受信する段階と、を含み、 前記Pセルのアップリンク/ダウンリンク(uplink/downlink、UL/DL)設定と前記SセルのUL/DL設定が既に設定された関係である場合、前記第2サブフレームは、前記PセルのUL/DL設定によって決定され、 前記既に設定された関係は、前記PセルのUL/DL設定と前記SセルのUL/DL設定が異なることを特徴とする受信方法。」 [相違点] 本件補正発明では「既に設定された関係」が「前記SセルのUL/DL設定による前記Sセルの任意のアップリンクサブフレームに対応する前記PセルのUL/DL設定の設定による前記Pセルのサブフレームがアップリンクサブフレームの関係であること」を含むのに対して、引用発明は当該構成を有しない点。 エ.判断 上記相違点について検討する。 引用例においては、テーブル1(上記イ.(イ)参照。)に示されるようにアップリンク-ダウンリンク設定には7つの種類があり、PセルとSセルとしてこれらの任意の組合せが想定されるところ、例えば、引用例の図1及び図2(上記イ.(ウ)参照。)には、相違点に係る「前記SセルのUL/DL設定による前記Sセルの任意のアップリンクサブフレームに対応する前記PセルのUL/DL設定の設定による前記Pセルのサブフレームがアップリンクサブフレームの関係」を満たす組合せが記載されていることからみても、上記任意の組合せとして上記相違点に係る関係を有するPセルとSセルの組合せを採用することは格別困難な事項であったということはできない。 そして、このようなPセルとSセルの組合せを採用した場合であっても、Pセル上でのみPUCCHを伝送できるという制限に従って、PセルがアップリンクサブフレームとなっているサブフレームでしかA/Nを伝送することはできないから、A/Nを伝送するサブフレーム(本件補正発明における「第2サブフレーム」)は、Pセルのアップリンク-ダウンリンク設定によって決められるということができる。 そして、本件補正発明が奏する効果も、当業者が引用発明及び引用例に記載された事項から容易に予想できる範囲内のものである。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用例に記載された事項に基づき、当業者が容易に想到できたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3.本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成29年3月14日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成28年6月7日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1.(2)に記載のとおりのものと認める。 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 理由1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 理由1、2について ・請求項 1-2,4-6,8-9,11-13に対して 引用文献等 1 ・請求項 1-2,5-6,8-9,12-13に対して 引用文献等 2 <引用文献等一覧> 1.Intel Corporation,Support of Mixed Inter-Band TDD Configurations in Rel-11 CA,3GPP TSG RAN2#74 meeting R2-113216,2011年5月3日 2.Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation,Cell specific TDD configuration with inter-band CA,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #74 R2-112946,2011年5月3日 3.引用発明 引用発明は、前記第2[理由]2.(2)イ.の項で認定したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は本件補正発明から本件補正に係る限定を省いたものである。そして、本件補正により限定された事項は引用発明との相違点とした構成である。 そうすると、本件補正発明から相違点とした構成を除いた本願発明は引用発明と実質的に同一の発明であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明と同一の発明であるから特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-003766

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