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特許拒絶査定不服審判

2017-002889

イベントに関連付けられる情報を人に供給するための方法

審判番号
2017-002889
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-526938外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年02月28日
審決日
2018年03月05日
公報発行日
2018年04月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-526938「イベントに関連付けられる情報を人に供給するための方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月20日国際公開、WO2014/026901、平成27年10月29日国内公表、特表2015-531130、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年8月8日(優先権主張2012年8月16日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成28年3月16日付けで拒絶理由が通知され、それに対して同年8月22日付けで手続補正がなされたが、同年10月27日付けで拒絶査定がなされ、それに対して平成29年2月28日に拒絶査定不服の審判請求がされたものである。 第2 原査定の理由の概要 原査定(平成28年10月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-12に係る発明は、以下の引用文献2―5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 2.特開2010-39333号公報 3.特開2010-15076号公報 4.特開2011-33993号公報 5.特開2009-111833号公報(新たに引用された文献;周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、平成28年8月22日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-12は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 イベントに関連付けられる情報を人に供給するための方法であって、 a.人が前記イベントを見ている時間に基づいて前記イベントに関連している前記人を検出するステップと、 b.前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定するステップと、 c.前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置だけで、指向性情報の供給を制御するステップとを備えることを特徴とする、方法。 【請求項2】 指向性情報供給制御手段(IPCM)の制御下で、前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置で、前記イベントに関連付けられる前記情報だけを供給するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 イベントに関連付けられる情報を人に供給するためのシステムであって、 a.人が前記イベントを見ている時間に基づいて前記イベントに関連している前記人を検出するように構成されたイベント検出手段(EDM)と、 b.前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定するように構成された位置決定手段(LDM)と、 c.前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置だけで、前記イベントに関連付けられる前記情報の供給を制御するように構成された指向性情報供給制御手段(IPCM)とを備えることを特徴とする、システム。 【請求項4】 前記指向性情報供給制御手段(IPCM)の制御下で、前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置で、前記イベントに関連付けられる前記情報だけを提供するように構成された情報供給手段(IPM)をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。 【請求項5】 前記イベント検出手段(EDM)が、前記イベントに関連している人を、少なくとも前記イベントに関連している前記人を含む場面の画像に基づいて検出するように構成され、 前記画像が少なくとも1台のカメラによってキャプチャされることを特徴とする、請求項3または4に記載のシステム。 【請求項6】 前記イベント検出手段(EDM)が、少なくとも1台のカメラによってキャプチャされた前記場面をカバーする前記画像から決定された複数の人のうちのある人の顔検出、視線検出、頭部追跡のうちの少なくとも1つに基づいて、前記イベントに関連している人を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。 【請求項7】 前記位置決定手段(LDM)が、少なくとも1台のカメラによってキャプチャされた場面をカバーする画像に基づいて、前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定することができることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。 【請求項8】 イベントに関連付けられる情報を人に供給するためのデバイスであって、 a.人が前記イベントを見ている時間に基づいて前記イベントに関連している前記人を検出するように構成されたイベント検出手段(EDM)と、 b.前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定するように構成された位置決定手段(LDM)と、 c.前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置だけで、前記イベントに関連付けられる前記情報の供給を制御するように構成された指向性情報供給制御手段(IPCM)とを備えることを特徴とする、デバイス。 【請求項9】 前記デバイスが、 d.前記指向性情報供給制御手段(IPCM)の制御下で、前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置で、前記イベントに関連付けられる前記情報を提供するように構成された情報供給手段(IPM)をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載のイベントに関連付けられる情報を人に供給するためのデバイス。 【請求項10】 前記イベント検出手段(EDM)が、前記イベントに関連している人を、少なくとも前記イベントに関連している前記人を含む場面の画像に基づいて検出するように構成され、 前記画像が少なくとも1台のカメラによってキャプチャされることを特徴とする、請求項8または9に記載のイベントに関連付けられる情報を人に供給するためのデバイス。 【請求項11】 前記イベント検出手段(EDM)が、少なくとも1台のカメラによってキャプチャされた前記場面をカバーする前記画像から決定された複数の人のうちのある人の顔検出、視線検出、頭部追跡のうちの少なくとも1つに基づいて、前記イベントに関連している人を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載のイベントに関連付けられる情報を人に供給するためのデバイス。 【請求項12】 前記位置決定手段(LDM)が、少なくとも1台のカメラによってキャプチャされる場面をカバーする画像に基づいて、前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定することができることを特徴とする、請求項8に記載のイベントに関連付けられる情報を人に供給するためのデバイス。」 第3 引用文献 1.引用文献2・引用発明 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審において付与した。以下、同様。) 「【0006】 以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 図1は、本実施形態に係る広告システムの機能的構成を示すブロック図である。 広告システム1は、制御装置10に、超指向性スピーカ40、メインスピーカ45(主スピーカ)、カメラ50、表示装置60、香り(匂い)生成送出ユニット70を各々接続して構成される。 広告装置としての広告システム1は、表示装置60によって、広告の画像を表示するとともに、この広告の画像と同期する広告音声を、メインスピーカ45から出力する。 この広告画像及び広告音声の出力中に、広告システム1は、表示装置60の広告画像を視認可能な範囲をカメラ50により撮影し、この範囲にいる人を、撮影画像に基づいて検出する。さらに広告システム1は、検出した人の属性(性別、年齢層など)を判別し、当該人に向けて、判別した属性に対応する広告音声(副音声)を超指向性スピーカ40から出力するとともに、属性に対応する広告用香りを香り生成送出ユニット70により生成して、送出することとなる。」 「【0013】 図2は、店舗に広告システムを設置した一例を示す外観斜視図である。 なお、本実施例では店舗における広告システムで説明するが、これに限らず、駅、通路などの広告システムにも本発明は適用できる。 店舗は、壁101に沿って通路102が形成されており、通路102には、表示装置60がその表示画面としての表示パネル65を通路102に向けて、壁101に掛けられており、通路102を通る人(客)から表示パネル65を視認できるよう設置されている。 さらに表示パネル65の中央上方には、超指向性スピーカ40、カメラ50および香り生成送出ユニット70を収納した指向性ユニット80が設置されている。 図2に示すように、超指向性スピーカ40及びカメラ50(=第1カメラ50Aおよび第2カメラ50B)は、指向性ユニット80の上部に取り付けられている。」 「【0023】 制御部20は、制御装置10の各部を中枢的に制御するものであり、CPU、CPUによって実行される基本制御プログラムや処理されるデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUによって実行されるプログラムや処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM、及び、その他の周辺回路等を備えている。制御部20は、ROMに記憶された基本制御プログラムを読み出して実行することにより、制御装置10の各部を制御する。さらに、制御部20は、ROMや記憶部30に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、制御装置10に接続された各部を制御することにより、制御装置10の各種機能を実現する。 すなわち、制御部20は、顔位置判定部21、属性判別部22、送出制御部23、台座制御部24及び広告条件設定部25の各機能部を有する。これらの機能部は、制御部20が有するCPUが所定のプログラムを実行することで、実現される。 【0024】 顔位置判定部21は、カメラ50(第1カメラ50A、第2カメラ50B)から入力される撮影画像データを解析して、カメラ50の撮影画像に写っている人毎に、顔の位置を判定する処理を行う。 顔位置判定部21は、カメラ50(第1カメラ50A、第2カメラ50B)の撮影画像における人の姿を検出し、例えば、パターンマッチングにより顔の位置を判定する。 【0025】 属性判別部22は、カメラ50から入力される撮影画像データを解析して、カメラ50の撮影画像に写っている人毎に、属性を判別する処理を行う。属性判別部22は、少なくとも、各々の人の顔が表示パネル65を向いているか否かを判定する。 属性判別部22は、カメラ50の撮影画像から人の姿の部分を検出し、その人の姿の部分について特徴を検出する。ここで検出される特徴は、画像中の頭髪の占める割合、頭髪及び皮膚の色調、身長及び身幅とその比、顔の特徴、服装の色調等である。続いて属性判別部22は、検出した画像の特徴に基づいて、その人の属性として、例えば、性別や年代を判別する。 【0026】 送出制御部23は、超指向性スピーカ40による広告音声の出力および香り生成送出ユニット70の広告用香りの送出を制御する。具体的には、送出制御部23は、カメラ50の撮影画像に写っている人の中から、属性判別部22により判別された人毎の属性に基づいて、超指向性スピーカ40によって広告用音声を聴かせるとともに、広告用香りを届けるべき広告対象者を選択する。 そして、送出制御部23は、広告対象者に適した広告用音声を、広告条件設定部25により設定された広告条件および記憶部30に記憶された選択用テーブル33に基づいて選択し、選択した広告用音声のデータを広告音声・香りデータ32から読み出して音声出力部11に出力し、この広告用音声を出力するための音声信号を、音声出力部11から超指向性スピーカ40へ出力させる。 また、送出制御部23は、広告対象者に適した広告用香りを広告条件設定部25により設定された広告条件および記憶部30に記憶された選択用テーブル33に基づいて選択し、選択した広告用香りのデータを広告音声・香りデータ32から読み出して香り生成送出ユニット70に出力し、この広告用香りを香り生成ユニット71により生成させ、香り送出ユニット72に出力させる。 【0027】 台座制御部24は、送出制御部23によって選択された広告対象者に超指向性スピーカ40の広告用音声を聴かせ、香り送出ユニット72により送出させた広告用香りを嗅覚に訴えるため、カメラ50を構成する第1カメラ50A、第2カメラ50Bの撮影画像における広告対象者の位置(広告対象者が移動中の場合、移動予測位置)に基づいて、回動台座41を駆動する方向及び駆動量を算出し、算出結果に基づいて台座駆動部12を制御し、回動台座41を動作させる。 この送出制御部23及び台座制御部24の動作により、カメラ50によって撮影された人のうち、特定の広告対象者に対して超指向性スピーカ40から広告用音声が出力され、香り生成送出ユニット70から広告用香りが送出される。 【0028】 広告条件設定部25は、送出制御部23が超指向性スピーカ40によって音声を聴かせ、かつ、香り生成送出ユニット70から送出された広告用香りを嗅覚に訴える広告対象者を選択する際の条件を設定する。送出制御部23は、上述したように、属性判別部22により判別された人毎の属性に基づいて広告対象者を選択するが、この選択の基準を、広告条件設定部25において設定することとなる。」 「【0032】 次に実施形態の主要部の動作について説明する。 図5は、実施形態の処理フローチャートである。以下の説明においては、広告用香りを先に選択し、その後、対応する広告用音声を選択する場合について説明する。 まず、第1カメラ50A及び第2カメラ50Bを用いて画像撮影を行う(ステップS11)。ここで、第1カメラ50Aは、主として右方向(図2中、左下方向)から移動する人物を撮影し、捉えることが可能であり、第2カメラ50Bは、左方向(図2中、右上方向)から移動する人物を撮影し、捉えることが可能である。 そして、制御部20は、第1カメラ50A及び第2カメラ50Bが撮像した画像の画像処理を行い、画像に含まれる人物を抽出する(ステップS)。このとき、顔位置判定部21は、画像に含まれる人物の顔位置を判定し、その位置を香り送出範囲内で追尾するように動作する。 これと並行して属性判別部22は、画像に含まれる人物の属性を検出する(ステップS13)。人物の属性としては、例えば、男性あるいは女性のいずれであるか、年齢層は、子供、大人、高齢者のいずれであるか、服装はカジュアルあるいはフォーマルのいずれであるか等が判別される。 【0033】 次に、送出制御部23は、ステップS13において判別した属性に基づいて、広告音声・香りデータ32を参照し、広告用香りとしていずれを用いるかを判別し、選択する(ステップS14)。 続いて、香り生成ユニット71により上述した手順により広告用香りを発生するとともに(ステップS15)、対応する広告対象者の位置を第1カメラ50A及び第2カメラ50Bが撮像した画像の画像処理により追尾する(ステップS16)。 続いて、制御部20は、香り送出ユニット72を駆動し、これにより、ケーシング74内に発生された香りは、空気砲の原理により、渦輪90(図4参照)として開口75より吐出され、広告対象者に向けて送出される(ステップS17)。このとき、開口75の方向は、広告対象者の移動に合わせて、到着位置及び到着予定時刻を算出して定められる。 【0034】 そして、当該広告用香りの到達予定時刻とほぼ同時に当該広告対象者に音声が到達する用の超指向性スピーカ40から音声が出力される(ステップS18)。 これらの結果、広告対象者に対し、当該広告対象者に向けて発生された広告用香りおよび耳元でささやくような広告用音声により、確実に広告情報を伝達することが可能となる。 換言すれば、広告システム1によれば、設定された属性に該当しない人には超指向性スピーカ40の広告用音声および香り生成送出ユニット70の広告用香りを送出せず、設定された属性の人に対してのみ広告用音声および広告用香りを確実に伝えることで、効果的に広告への注目を集めることができ、より高い広告効果が期待できる。 【0035】 以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係る広告システム1によれば、個々の人物(広告対象者)の属性(性別、年代層など)に応じたより好適な広告を、当該広告に関連する香りを含めて効果的に表現することができ、より多くの広告対象者の興味を引いて、効果的な広告配信を行い、ひいては、高い広告効果を得ることができる。」 上記記載(特に、下線部)によれば、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「表示装置60によって、広告の画像を表示するとともに、この広告の画像と同期する広告音声を、メインスピーカ45から出力し、広告画像及び広告音声の出力中に、表示装置60の広告画像を視認可能な範囲をカメラ50により撮影し、この範囲にいる人を、撮影画像に基づいて検出し、検出した人の属性(性別、年齢層など)を判別し、当該人に向けて、判別した属性に対応する広告音声(副音声)を超指向性スピーカ40から出力するとともに、属性に対応する広告用香りを香り生成送出ユニット70により生成して、送出するものであって、 まず、第1カメラ50A及び第2カメラ50Bを用いて画像撮影を行い(ステップS11)、第1カメラ50Aは、主として右方向から移動する人物を撮影し、捉えることが可能であり、第2カメラ50Bは、左方向から移動する人物を撮影し、捉えることが可能であり、 制御部20は、第1カメラ50A及び第2カメラ50Bが撮像した画像の画像処理を行い、画像に含まれる人物を抽出(ステップS)し、顔位置判定部21は、画像に含まれる人物の顔位置を判定し、その位置を香り送出範囲内で追尾するように動作し、 属性判別部22は、カメラ50から入力される撮影画像データを解析して、カメラ50の撮影画像に写っている人毎に、少なくとも、各々の人の顔が表示パネル65を向いているか否かを判定し、画像に含まれる人物の属性を検出(ステップS13)し、人物の属性としては、例えば、男性あるいは女性のいずれであるか、年齢層は、子供、大人、高齢者のいずれであるか、服装はカジュアルあるいはフォーマルのいずれであるか等が判別され、 次に、送出制御部23は、ステップS13において判別した属性に基づいて、広告音声・香りデータ32を参照し、広告用香りとしていずれを用いるかを判別し、選択(ステップS14)し、 続いて、香り生成ユニット71により広告用香りを発生するとともに(ステップS15)、対応する広告対象者の位置を第1カメラ50A及び第2カメラ50Bが撮像した画像の画像処理により追尾(ステップS16)し、香りは、空気砲の原理により、開口75より吐出され、広告対象者に向けて送出され(ステップS17)、開口75の方向は、広告対象者の移動に合わせて、到着位置及び到着予定時刻を算出して定められ、 そして、当該広告用香りの到達予定時刻とほぼ同時に当該広告対象者に音声が到達する用の超指向性スピーカ40から音声が出力(ステップS18)され、 これらの結果、広告対象者に対し、当該広告対象者に向けて発生された広告用香りおよび耳元でささやくような広告用音声により、確実に広告情報を伝達することが可能となり、設定された属性に該当しない人には超指向性スピーカ40の広告用音声および香り生成送出ユニット70の広告用香りを送出せず、設定された属性の人に対してのみ広告用音声および広告用香りを確実に伝えることで、効果的に広告への注目を集めることができ、より高い広告効果が期待できる、広告制御方法。」 2.引用文献5 原査定において周知技術を示す文献として引用された上記引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0010】 次に本発明の動作内容について説明する。提示情報記録部3の何らかの情報が画像情報提示部1に表示されているとき、この情報を注視している人が存在するかを調べるため、顔画像検出部6は、人物検出カメラ5で撮影された画像の中から、画像情報提示部1を向いている顔画像を探索する。顔画像の検出には、種々の方法が提案されているが、例えば・・・中略・・・画像処理の手法を使う事ができる。人物検出カメラ5が画像情報提示部1の中央部の直上に設置されている場合、例えば、顔画像検出部6は、この人物検出カメラ5で撮影された画像に映っている人物の顔の左右の輪郭からの口や目等までの距離を求める。この左右の距離が等しい場合、中心を見ている顔画像と推定できるため(正面顔画像)、当該人物は人物検出カメラ5及び画像情報提示部1の中心方向を見ていることになる。このような手法で、顔画像検出部6では、人物検出カメラ5で撮影された画像の中央や端等に写っている人物の中から画像情報提示部1の中心を向いている顔画像を検出し、画像中の顔の位置、および顔の大きさから、当該人物の立ち位置をカメラからの相対位置で推定し、提示内容制御部4に伝達する。提示内容制御部4では、顔画像検出部6から受け取った視聴者の位置情報に基づき、音声情報提示部2を制御し、当該位置に向けて音声情報を提示する。このとき、画像情報提示部1には、当初の情報や一般的な情報を流しつづけても良いし、視聴者が注視するタイミングに合わせ、音声にリンクした画像を最初から再生しても良い。」 「【0013】 また、画像情報提示部1を向いている顔画像の経過時間、視線の動き、まばたきの回数の少なくとも1つのデータに基づき、提示内容制御部4は、情報提示内容を変更してもよい。例えば、視線がふらふらと頻繁に移動する時は、提示情報に興味が薄いと思われるので、提示情報の内容を変えたり、容易な内容に切り替えると良い。一方、画像情報提示部1を注視している時間が長かったり、まばたきの回数が少なくなってきた時は、提示情報の内容に興味を示していると思われるので、情報を追加提示したり、専門的な内容に切り替えると良い。 【0014】 このような構成によれば、画像情報提示部1を見るタイミングに合わせて狭指向性のスピーカで音声情報を提示するので、視聴者の注目度が向上し情報伝達力に優れた情報提示装置が得られると共に、視聴者以外の人物に音声情報を提示することが無くなるため、視聴者以外の人物にとって騒音とならず静寂を保てるという効果がある。」 「【0017】 また、経過時間、視線の動き、まばたきの回数といった注視動作に応じて情報提示内容を変更するので、個人の興味に合った効率的な情報を伝達する事ができ、よりいっそう注目度を向上させることができるといった効果もある。」 上記記載(特に、下線部)によれば、引用文献5には、以下の技術的事項が記載されている。 「提示情報記録部3の何らかの情報が画像情報提示部1に表示されているとき、この情報を注視している人が存在するかを調べるため、人物検出カメラ5で撮影された画像の中央や端等に写っている人物の中から画像情報提示部1の中心を向いている顔画像を検出し、画像中の顔の位置、および顔の大きさから、当該人物の立ち位置をカメラからの相対位置で推定し、視聴者の位置情報に基づき、音声情報提示部2を制御し、当該位置に向けて音声情報を提示し、 画像情報提示部1を向いている顔画像の経過時間、視線の動き、まばたきの回数の少なくとも1つのデータに基づき、提示内容制御部4は、情報提示内容を変更、例えば、視線がふらふらと頻繁に移動する時は、提示情報に興味が薄いと思われるので、提示情報の内容を変えたり、容易な内容に切り替え、画像情報提示部1を注視している時間が長かったり、まばたきの回数が少なくなってきた時は、提示情報の内容に興味を示していると思われるので、情報を追加提示したり、専門的な内容に切り替えること。」 第4 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の表示装置60によって表示された「広告の画像」、「広告画像」は、本願発明1の「イベント」に相当する。 (イ)引用発明の「広告用香り」および「広告用音声」は、本願発明1の「イベントに関連付けられる情報」及び「指向性情報」に相当するといえる。 (ウ)引用発明の「広告対象者に対し、当該広告対象者に向けて発生された広告用香りおよび耳元でささやくような広告用音声により、確実に広告情報を伝達する」「広告制御方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「イベントに関連付けられる情報を人に供給するための方法」に相当するといえる。 (エ)引用発明の「画像に含まれる人物の属性を検出(ステップS13)し、」「設定した属性の人」のみを「広告対象者」としているから、この構成は、本願発明1の「人が前記イベントを見ている時間に基づいて前記イベントに関連している前記人を検出するステップ」と、「前記イベントに関連している前記人を検出するステップ」である点では共通するといえる。 (オ)引用発明の「対応する広告対象者の位置を第1カメラ50A及び第2カメラ50Bが撮像した画像の画像処理により追尾(ステップS16)」する構成は、本願発明1の「前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定するステップ」に相当するといえる。 (カ)引用発明の「香りは、空気砲の原理により、開口75より吐出され、広告対象者に向けて送出され(ステップS17)、開口75の方向は、広告対象者の移動に合わせて、到着位置及び到着予定時刻を算出して定められ、」「そして、当該広告用香りの到達予定時刻とほぼ同時に当該広告対象者に音声が到達する用の超指向性スピーカ40から音声が出力(ステップS18)」される構成は、本願発明1の「前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置だけで、指向性情報の供給を制御するステップ」に相当するといえる。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点があるといえる。 (一致点) 「イベントに関連付けられる情報を人に供給するための方法であって、 a.前記イベントに関連している前記人を検出するステップと、 b.前記イベントに関連している前記人の地理的位置を決定するステップと、 c.前記イベントに関連している前記人の前記地理的位置だけで、指向性情報の供給を制御するステップとを備えることを特徴とする、方法。」 (相違点) 「前記イベントに関連している前記人を検出するステップ」が、本願発明1では「人が前記イベントを見ている時間に基づいて」いるのに対し、引用発明では、そのような特定はない点。 (2)判断 引用文献5には、「画像情報提示部1を向いている顔画像の経過時間」のデータに基づき「情報を追加提示したり、専門的な内容に切り替える」という技術的事項が記載されているが、上記相違点に係る本願発明1の「人が前記イベントを見ている時間に基づいて前記イベントに関連している前記人を検出する」という構成は記載されておらず、示唆されてもいない。また、上記相違点に係る本願発明1の構成は、引用文献3、4にも記載されておらず、本願優先日前に周知技術であったともいえない。 したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 2.本願発明2-12について 本願発明2-12は、上記相違点に係る本願発明1の構成と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-002889

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