意匠拒絶査定不服審判
2017-001022
庭園灯
- 審判番号
- 2017-001022
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2015-027725外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年01月24日
- 審決日
- 2017年09月13日
- 公報発行日
- 2017年11月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .121-WY (D3-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2015- 27725「庭園灯」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 本願意匠
本願は,平成27年(2015年)12月11日の意匠登録出願であり,その意匠(以下「本願意匠」という。)の意匠に係る物品は,願書の記載によれば「庭園灯」であり,本願意匠の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」ともいう。)は,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりであって,願書の【意匠の説明】には,「透光部を示す参考B-B部分拡大図や透光部を示す参考斜視図において,二重斜線で表す部分は透光性を有する。」と記載されている(別紙第1参照)。
第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。なお,「(別紙○○参照)」は当審が付したものである。
「本願意匠の属する物品分野においては,全体を照明部とケース部とで柱状とした上で,照明部に対するケース部の長さを種々のものとすることは,本願出願前からありふれた造形手法です(例えば意匠1及び2,3)。
そうすると,下記意匠4の態様をほとんどそのまま用い,照明部に対するケース部の長さを,例えば意匠5に表されている様な長いものとしたに過ぎない本願意匠は,当業者ならば容易に創作できたといわざるを得ません。
なお,意匠4は下方の態様が表されておらず,したがって本願意匠のように下端近傍に水平に延設された円柱状のポールを有しているか否かは不明ですが,下端近傍にポールを設けた態様は,本願意匠の属する物品分野においては極めてありふれているところ(例えば意匠6),この点についても,格別の創作がなされているものとは評価できません。
(意匠1) (別紙第2参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2007年10月22日
受入日 特許庁意匠課受入2007年10月26日
掲載者 アイリスオーヤマ株式会社
表題 【人感センサーで自動点灯】電池式ガーデン
センサーLEDライト 庭園灯 ZSL-
MT(丸型)・ ZSL-KT(角型)
ブラック・グレー-アイリス
掲載ページのアドレス http://www.irisplaza.co.jp/Index.asp?KB=SHOSAI&SID=G243001F
に掲載された「庭園灯」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ19063709号)
(意匠2) (別紙第3参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2007年10月22日
受入日 特許庁意匠課受入2007年10月26日
掲載者 アイリスオーヤマ株式会社
表題 【人感センサーで自動点灯】電池式ガーデン
センサーLEDライト 足下灯 ZSL-
MA(丸型)・ ZSL-KA(角型)
ブラック・グレー-アイリス
掲載ページのアドレス http://www.irisplaza.co.jp/Index.asp?KB=SHOSAI&SID=G243000F
に掲載された「庭園灯」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ19063712号)
(意匠3) (別紙第4参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2010年 5月31日
受入日 特許庁意匠課受入2010年 6月 4日
掲載者 東芝ライテック株式会社
表題 http://www.tlt.co.jp/tlt/new/shinsyouhin/pdf/e-core_led_okugai_bkt_gdn
掲載ページのアドレス http://www.tlt.co.jp/tlt/new/shinsyouhin/pdf/e-core_led_okugai_bkt_gdnl_201004-05.pdf
に掲載された「庭園灯」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ22013750号)
(意匠4)(別紙第5参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2012年 4月20日に受け入れたエクステリア総合カタログ 2012年度版
第238頁所載
庭園灯の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC24005245号)
(意匠5)(別紙第6参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2007年10月26日に受け入れたGiola Life ジオーラ ライフ 2007秋号 UNISON GARDEN ACCENTS CATALOGUE
第55頁所載
庭園灯の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC19025592号)
(意匠6)(別紙第7参照)
意匠登録第1138602号の意匠
意匠に係る物品,「庭園灯」 」
第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。
1 本願意匠
本願意匠の意匠に係る物品は「庭園灯」であり,本願意匠の形態は,次のとおりである。
(A)全体について
全体は,縦長角柱状であって,上部に照明部を設けて,その下方の大部分をケース部としたものである。
(B)照明部について
(B-1)照明部は,外観が略立方体状であって,全体が透光性を有する部材によって形成されており,中空ではなく,中実のものである。
(B-2)照明部の直下に,光源部と推認される部分を含む機構部が配されており,当該機構部はケース部の上端寄り内部に設けられている。
(B-3)上面の四辺が面取りされており,縦四辺の角が隅丸状である。
(C)ケース部について
(C-1)ケース部は略縦長四角柱状であって,背面側の中央やや下方に縁付き円形孔が設けられ,その下方に縦長長方形孔が設けられている。
(C-3)ケース部の下端寄りに,ケース部の幅の約4倍の長さの細丸棒状体が左右水平方向に貫通して設けられている。
(D)構成比について
全体の縦横比は約20:1であり,照明部とケース部の高さの比率は約1:19である。
2 引用意匠の認定
原査定における拒絶の理由で引用された,意匠1ないし意匠6についての認定は,概要以下のとおりである。
ア 意匠1
全体を縦長角柱状として,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長四角柱状ケース部としたものである。照明部は略正方形状であって,光源を覆うカバー部であると推認される。
イ 意匠2
全体を縦長角柱状として,上部に略正方形状の照明部を設けて,下部を略正方形状のケース部としたものであり,照明部とケース部の比率は約1:1である。照明部は,光源を覆うカバー部であると推認される。
ウ 意匠3
10種類の形態が表されており,いずれも全体が縦長円柱状であって,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長円柱柱状ケース部としたものであり,照明部とケース部の比率は約1:15又は約1:10である。照明部は,光源を覆うカバー部であると推認される。
エ 意匠4
全体を縦長角柱状として,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長四角柱状ケース部としたものである。照明部は略正方形状であって,光源を覆うカバー部であると推認される。
オ 意匠5
全体を縦長角柱状として,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長四角柱状ケース部としたものである。照明部は略正方形状であって,光源を覆うカバー部であると推認される。
カ 意匠6
全体を略縦長円柱状として,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長四角柱状ケース部としたものであり,照明部の上方に薄皿状笠部が支持部を介して配されている。照明部には,電球が上向きに剥き出しに配設されている。
3 創作非容易性の判断
「庭園灯」の意匠の物品分野において,全体を縦長角柱状として,上部に照明部を設けてその下方の大部分を略縦長四角柱状ケース部とした形態は,意匠1,意匠4及び意匠5に見られるように,本願の出願前に公然知られており,同様に,照明部とケース部の高さの比率にも様々なものが見受けられる(例えば,意匠2及び意匠3)。
また,ケース部背面側の中央やや下方に縁付き円形孔を設けて,その下方に縦長の孔を設けた形態は,「庭園灯」の意匠の物品分野において本願の出願前に見受けられ(例えば,意匠登録第1535721号の意匠。別紙第8参照),ケース部下端寄りにケース部の幅の約4倍の長さの細丸棒状体を左右水平方向に貫通して設けた形態も,同様である(例えば,意匠6。)。
そして,配線などを通す孔の形状を変更することや,照明部の各辺や角に面取りや丸みを施すことは,「庭園灯」を含む「照明器具」の物品分野においてありふれた造形手法であるということができる。
しかし,本願意匠に見られる(B-1)の形態,すなわち,照明部が,その全体が透光性を有する部材によって形成された,中実の略立方体状である形態は,本願意匠の形態上の顕著な特徴であり,全体が透光性を有する中実の略立方体を庭園灯の上部に配した創作は,(B-2)で指摘した光源部から照射される光によって略立方体全体が輝くこととなる使用の状態を踏まえると,評価できるといわざるを得ない。
また,前記認定したとおり,意匠1ないし意匠6はいずれも「庭園灯」ではあるものの,意匠1ないし意匠5の照明部は光源を覆うカバー部であると推認されるものであり,意匠6の照明部には電球が上向きに剥き出しに配設されているものであるから,本願意匠のような中実のものとは認められず,全体が透光性を有する部材によって形成されたものではないので,上述の本願意匠の創作とは異なるものである。そうすると,「庭園灯」の意匠の物品分野における当業者が,これらの意匠の照明部の形態に基づいて,本願意匠の照明部の形態を容易に創作することができたということはできない。
したがって,原査定における拒絶の理由で引用された,意匠1ないし意匠6に基づいて,当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。
第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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