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商標異議申立

2016-900284

ピューラー

審判番号
2016-900284
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-009162
登録番号
商標登録第5857818号(T5857818)
請求日
2016年09月07日
審決日
2017年03月08日
公報発行日
2017年04月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ピューラー フェインマールテクニック ゲーエムベーハー
  • 【権利者代理人】安達 友和
  • 【異議申立人】ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト
  • 【異議申立人代理人】江崎 光史
  • 【異議申立人代理人】佐久間 洋子
審判長/審判官
  • 審判長 酒井 福造
  • 審判官 田中 幸一
  • 審判官 冨澤 武志
分類
T1651.261-Y (W07) / T1651.262-Y (W07) / T1651.263-Y (W07) / T1651.271-Y (W07) / T1651.222-Y (W07) / T1651.22 -Y (W07)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第7号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5857818号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5857818号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第5857818号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成28年1月28日に登録出願され,同年5月27日登録査定,第7類「化学機械器具,破砕機,磨砕機,攪拌機,化学機械器具としての分散機,製粉機(機械),金属加工機械器具」を指定商品として,同年6月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 本件登録異議の申立てにおいて,登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続している。 (1)登録第4077910号商標(以下「引用商標1」という。)は,「BUHLER」の文字を横書きしてなり,平成7年5月29日に登録出願,第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同9年10月31日に設定登録されたものである。 (2)登録第2708447号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成3年12月11日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同7年7月31日に設定登録され,その後,同19年6月13日に,指定商品を第6類,第7類,第11類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 (3)登録第2713522号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成4年3月12日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同8年4月30日に設定登録され,その後,同19年6月27日に,指定商品を第6類,第7類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 (4)登録第2703189号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成4年3月12日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同7年1月31日に設定登録され,その後,同17年8月10日に,指定商品を第7類及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (5)登録第2703188号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成3年12月11日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同7年1月31日に設定登録され,その後,同17年8月10日に,指定商品を第7類及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。 (以下,引用商標1ないし5をまとめていうときは,「引用各商標」という。) 3 登録異議申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第11号該当性 本件商標は,その構成中の文字部分から「ピューラー」又は「プーラー」の称呼を生ずる。 これに対して,引用商標1ないし3は,その構成中の文字部分から「ビューラー」又は「ブーラー」の称呼を生ずる。 したがって,本件商標と引用商標1ないし3は,称呼において類似する。 また,本件商標及び引用商標1ないし3の指定商品は,同一又は類似のものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性 引用各商標は,申立人の業務に係る製粉設備,穀物搬送設備,モルト製造設備,チョコレート製造設備,ダイカストマシン,粉砕・分散機,乾燥機械設備等を表示するものとして,広く一般に知られている(甲7~甲13)。引用各商標と類似する本件商標をその指定商品について使用した場合は,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号該当性 本件商標は,周知・著名な引用各商標と類似する商標であり,本件商標の採択が偶然とは考えられない。本件商標は,引用各商標の顧客吸引力にただ乗り又はこれを希釈化し不正の利益を得る等の目的のもとに出願されたものと推認せざるを得ないものであり,不正の目的をもって使用する商標である。 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)による本件商標の使用・登録は,国際信義に反し,公正な取引秩序を害するものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号及び同第7号に該当する。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第15号,同第19号及び同第7号の規定に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は,別掲1のとおり,幾何図形と「PUHLER」の文字を結合した構成からなるところ,これら図形と文字は,外観上まとまりよく一体的に表されているものといえる。また,本件商標を称呼及び観念の点から考察すると,図形部分は,特定の称呼,観念を生じないものであるから,本件商標に接する取引者・需要者は,比較的称呼しやすい「PUHLER」の文字部分を捉えて商品の取引に当たる場合が多いといえる。そして,「PUHLER」の文字(語)は,我が国において親しまれた外国語であるとはいえないから,我が国において,広く浸透している英語の読み方に倣い,「ピューラー」又は「プーラー」と称呼されるとみるのが相当である。 したがって,本件商標は,その構成中の「PUHLER」の文字部分より「ピューラー」又は「プーラー」の称呼を生じ,特定の観念は有しないものといえる。 イ 引用商標1ないし3 前記2のとおり,引用商標1は,「BUHLER」の文字を横書きしてなり,引用商標2は別掲2,並びに,引用商標3は別掲3のとおりの構成からなるものである。そして,引用商標2及び引用商標3は,「BUHLER」の文字部分(引用商標3は,「U」の文字の左右の縦線の間の上部に小さな点があるが,「BUHLER」の文字を表したと理解され得るものといえる。)とその上部から左側にかけて配された一種の幾何図形とが外観上まとまりよく一体的に表されているものといえる。また,引用商標2及び引用商標3における図形部分は,特定の称呼,観念を生じないものであるから,これら商標に接する取引者・需要者は,「BUHLER」の文字部分より生ずる称呼をもって商品の取引に当たるものとみるのが相当である。 そして,「BUHLER」の文字は,我が国において親しまれた外国語であるとはいえないから,上記アと同様に,英語の読み方に倣い,これより「ビューラー」又は「ブーラー」の称呼を生じ,特定の観念を有しないものといえる。 ウ 本件商標と引用商標1ないし3との対比 (ア)外観 前記アのとおり,本件商標は,幾何図形と「PUHLER」の文字とが外観上一体的に表されているものである。 これに対し,引用商標1は,「BUHLER」の文字を横書きしてなるものであり,引用商標2及び引用商標3は,幾何図形と「BUHLER」の文字とが外観上一体的に表されているものである。 してみると,本件商標と引用商標1ないし3は,外観において明らかに区別し得る差異を有するものであるから,これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても,外観上互いに紛れるおそれはないものである。 したがって,本件商標と引用商標1ないし3は,外観上類似するものではない。 (イ)称呼 本件商標より生ずる「ピューラー」又は「プーラー」の称呼と引用商標1ないし3より生ずる「ビューラー」又は「ブーラー」の称呼について検討するに,そのうちの「ピューラー」と「ブーラー」又は「プーラー」と「ビューラー」とは,称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において,音質,音調等が異なる拗音の半濁音と直音の濁音又は直音の半濁音と拗音の濁音の差異を有するものであるから,これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は大きいものといえるから,それぞれの称呼を全体として称呼するときには互いに紛れるおそれはないものである。また,「ピューラー」と「ビューラー」又は「プーラー」と「ブーラー」とは,上記と同様に,称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において,音質,音調等が異なる拗音の半濁音と濁音又は直音の半濁音と濁音の差異を有するものであるから,これらの差異が比較的短い音構成の部類に属する両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれの称呼を全体として称呼するときにおいても,その語調,語感が相違したものとなり,互いに聞き誤られるおそれはないものといえる。 したがって,本件商標と引用商標1ないし3は,称呼上類似するものではない。 (ウ)観念 本件商標と引用商標1ないし3は,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念においては比較することができず,観念上互いに紛れるおそれはない。 エ 以上によれば,本件商標と引用商標1ないし3は,その外観,称呼及び観念のいずれの点についても,互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用各商標の周知・著名性 (ア)申立人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記。なお,甲号証中の枝番を有する証拠において,枝番を特に明記しない場合は,枝番の全てを含むものである。)及び申立ての理由によれば,以下の事実が認められる。 a.申立人は,1860年にスイス国に設立された企業であり,その取扱いに係る商品は,製粉設備,穀物搬送設備,モルト製造設備,チョコレート製造設備,ダイカストマシン,粉砕・分散機,乾燥機械設備等(以下「申立人商品」という。)である。申立人は,1913年に,全世界に累計33,000台の製粉機を販売し(甲7等),2016年12月の時点において,世界140カ国以上で事業を展開している(甲8)。 b.申立人は,スイス国チューリッヒを本拠地とし,2010年には約21万5000部を発行した日刊紙「Blick」(2016年2月11日発行)に,「作物:ビューラーは世界最大の製粉業者。世界各国の作物の66パーセントはビューラー製の製粉機によって粉にされる。・・米:世界各国の収穫量の30パーセントがビューラー製の機械により洗われ,籾摺りされ,研がれる。・・チョコレート:ビューラー製の機械はカカオの世界各国の収穫量の60パーセントを加工する。・・ビール:・・世界各国の麦芽量の66パーセントはビューラー製の機械による。パスタ:ビューラー製のローラはパスタ製品の30パーセントを生産する。・・朝食のシリアル:ここではビューラーは断トツナンバー1。米国の巨人のケロッグ社もビューラーの顧客です。・・食品産業のほか,ビューラーは自動車産業にも関わっている。シリンダー・ブロックの25パーセントはビューラー製プレス機械によるもの。今後ビューラーはバッテリー市場で大きな存在になることを目指している。・・」などと紹介された(甲10)。 c.申立人は,その日本法人であるビューラー株式会社を1974年(昭和49年)に設立した(甲7)。2013年(平成25年)1月8日に放映されたテレビ番組「賢者の選択」において,「製粉技術をはじめとする食品加工技術などを提供し,世界の食品製造現場を支えるビューラー株式会社」と紹介され,日清製粉株式会社の鶴見工場に,ビューラー製製粉機が導入されている様子や申立人の展開している事業等が放映された(甲11)。 d.ビューラー株式会社は,本件商標の登録査定日(平成28年5月27日)後の2016年(平成28年)11月30日から同年12月2日まで,東京ビッグサイトで開催された「国際粉体工業展 東京2016」に出展し,そのブース内に,引用商標3又は4を表示した。同展示会の入場者の合計は,16,789人であった(甲12)。 e.2012年(平成24年)4月10日付けのプライミクス株式会社のニュースリリースには,「ビューラーAGとリチウムイオン電池分野で技術提携」の見出しものと,「このたびプライミクス株式会社は,スイスウツヴィルに本社を置くBuhlerAGと,ヨーロッパおよび北米におけるリチウムイオン電池用電極スラリー製造プラント提供の独占契約を結びました。ビューラーAGは,プロセスエンジニアリングの世界的リーダーであり,特に食品製造技術と先端材料のプロセス技術に卓越している機械メーカーです。世界140カ国以上に拠点を持ち,従業員は8500人,2011年のグループの売上は20億スイスフラン(約1843億円)の規模を持ちます。」などと記載された(甲13)。 (イ)前記(ア)で認定した事実を総合すると,「BUHLER」の文字及び当該文字を含む引用各商標,特に引用商標3又は引用商標4は,「ビューラー」と称呼され,申立人商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時には,我が国の食品加工用機械器具,化学機械器具等を取り扱う分野の取引者・需要者の間において,一定程度知られていたといえるが,申立人の提出した証拠をもってしては,引用各商標が,申立人商品を表示するものとして,我が国の取引者・需要者の間において,著名といえる程度の広範な認識を得ていたと認めることはできない。 イ 出所の混同 (ア)前記ア認定のとおり,引用各商標は,申立人商品を表示するものとして,一定程度知られていたといえるものの,著名性を獲得していたとまでは認めることができない。 (イ)前記1認定のとおり,本件商標と引用商標1ないし3は,その外観,称呼及び観念のいずれの点についても非類似の商標であって,このことは,本件商標と引用商標4及び引用商標5との類否についても当てはまるというべきであるから,本件商標は,引用各商標とは,非類似のものといわなければならない。 (ウ)以上によれば,本件商標に接する取引者・需要者が,引用各商標を想起,連想するとはいえないから,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものということができる。 ウ したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 前記(2)認定のとおり,引用各商標は,申立人商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,我が国の食品加工用機械器具,化学機械器具等を取り扱う分野の取引者・需要者の間においては,一定程度知られていたといえる。 しかし,前記(2)認定のとおり,本件商標は,引用各商標とは,非類似の商標というべきである。 また,申立人が,本件商標が不正の目的をもって使用するものであるとして提出した証拠(甲14~甲20)のうち,本件商標権者のホームページと主張するもの(甲14)には,「BUHLER CHINA」の表示があり,また,本件商標権者のパンフレットと主張するもの(甲15)には,「MicroMedia」の表示があり,これには,トレードマークを意味する「TM」が付されていることを認めることができる。しかし,これらの証拠は,いずれもそのほとんどが中国語で記載されたものであり,中国で使用されることを目的に作成されたものと推認することができる。そして,これらの証拠が,真に本件商標権者によって使用されたものであるのか否か,また,ここに表示された商標が中国において正規に登録された商標であるのか否かなどは,これらの証拠から正確に把握することは困難であり,不明であるといわざるを得ない。さらに,その作成日なども明らかではない。 してみると,これらの証拠に,申立人の使用する商標と同一又は類似の商標が掲載されているという事実をもって,直ちに本件商標が我が国の商標法で規定する不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。その他,原簿に記載された本件商標権者の住所には,郵便受けしかなく,実体がないとして提出した甲第18号証等も,本件商標が不正の目的をもって使用する商標であることを裏付ける的確な証拠と直ちにいうことはできない。 以上によると,本件商標は,不正の目的をもって使用する商標であるといえず,その他,本件商標が不正の目的をもって使用する商標であることを認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第7号について 前記(3)で認定した事実からすると,本件商標は,商取引の国際的秩序を阻害し商道徳・国際信義に反するものとはいえない。さらに,本件商標権者による本件商標の登録出願は,その経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合にあたるものともいえない。 そうとすれば,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に規定する「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものとはいえず,その他,本件商標が公序良俗に反する商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第15号,同第19号及び同第7号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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2016-900284

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