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特許無効審判

2016-800050

スリットを完全に覆う引き出し部材を有する後部窓用ローラブラインド

審判番号
2016-800050
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2006-170193
登録番号
特許第4393480号(P4393480)
請求日
2016年04月19日
審決日
2017年04月03日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】芦森工業 株式会社
  • 【請求人代理人】吉竹 英俊
  • 【請求人代理人】有田 貴弘
  • 【請求人代理人】竹下 明男
  • 【被請求人】ベーオーエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
  • 【被請求人代理人】木村 満
  • 【被請求人代理人】齋藤 悟郎
  • 【被請求人代理人】長野 正
  • 【被請求人代理人】宮本 哲也
  • 【被請求人代理人】長谷川 陽子
  • 【被請求人代理人】大神田 梢
  • 【被請求人代理人】後藤 稔
審判長/審判官
  • 審判長 氏原 康宏
  • 審判官 小原 一郎
  • 審判官 和田 雄二
分類
P1113.113-YAA(B60J) / P1113.121-YAA(B60J) / P1113.536-YAA(B60J) / P1113.537-YAA(B60J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第1項、特許法第134条の2第9項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第134条の2第3項、特許法第29条、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第4393480号発明「スリットを完全に覆う引き出し部材を有する後部窓用ローラブラインド」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第4393480号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲の6、15、16、[17~18]、19、24、26のとおり訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第4393480号(以下「本件特許」という。)についての特許出願は、平成18年6月20日(パリ条約による優先権主張 2005年6月23日 (DE)ドイツ連邦共和国)になされ、平成21年10月23日にその特許権が設定登録された。 そして、本件無効審判請求に係る手続の経緯は、以下のとおりである。 平成28年 4月19日付け 本件無効審判請求 同年 8月31日付け 審判事件答弁書、訂正請求書提出 同年10月21日付け 審理事項通知 同年11月25日付け 請求人より口頭審理陳述要領書提出 同年12月22日付け 被請求人より口頭審理陳述要領書提出 平成29年 1月24日   口頭審理 同年 2月 7日付け 請求人より上申書提出 同年 2月24日付け 被請求人より上申書提出 第2 訂正請求について 1 訂正請求の趣旨及び訂正の内容 被請求人が平成28年8月31日付け訂正請求書により請求する訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり請求項ごと又は一群の請求項ごとに訂正しようとするものであって、その請求の内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所である。以下同様。)。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項6において、 「前記案内レール(16、25)は前記自動車(1)の内部ライニング部材(15)内に一体化されており、当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれている、ことを特徴とする請求項5に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記案内レール(16、25)は前記自動車(1)の内部ライニング部材(15)内に一体化されている、ことを特徴とする請求項5に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項15において、 「前記終端部材(41)は、樋状に近い形状をしており、ベース(48)と、当該ベース(48)上に形成される2つの側壁(49)とを備え、前記側壁(49)は、前記終端部材(41)の長さ方向に伸びる開口部(51)を有し、当該開口部(51)は2つの開口辺(52、53)により形づけられている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記終端部材(41)は、樋状に近い形状をしており、ベース(48)と、当該ベース(48)上に形成される2つの側壁(49)と、前記中心部材(39)の方向に突出し、当該中心部材(39)の対応する空間内を長さ方向に伸縮自在である案内バー(56)と、を備え、前記側壁(49)は、前記終端部材(41)の長さ方向に伸びる開口部(51)を有し、当該開口部(51)は2つの開口辺(52、53)により形づけられている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項16において、 「前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも一つの溝(44)に支持されている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも一つの溝(44)に支持されている、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (4) 訂正事項4 ア 訂正事項4-1 特許請求の範囲の請求項17において、 「案内部材(28)が前記終端部材(41)のベース(48)から突き出している、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「案内部材(28)が前記終端部材(41)の前記ベース(48)から突き出している、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 イ 訂正事項4-2 特許請求の範囲の請求項18において、 「前記案内部材(28)は前記終端部材(41)と固定されている、ことを特徴とする請求項17に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記案内部材(28)は前記終端部材(41)と固定されており、前記中心部材(39)と前記案内部材(28)の隙間は、前記終端部材(41)の前記側壁(49)によって上部を視覚的に覆われている、ことを特徴とする請求項17に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項19において、 「前記終端部材(41)には細長い案内バー(56)が存在し、当該案内バー(56)は前記終端部材(41)の前記開口部(51)と整列して配置され、前記中心部材(39)の対応する通路(47)内を長さ方向に伸縮自在に動けるように案内される、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記終端部材(41)には細長い前記案内バー(56)が存在し、当該案内バー(56)は前記終端部材(41)の前記開口部(51)と整列して配置され、前記中心部材(39)の対応する通路(47)内を長さ方向に伸縮自在に動けるように案内され、前記終端部材(41)は、前記案内バー(56)を含めて一つの部材として射出成形されたプラスチック製鋳造部材である、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項24において、 「棒状の前記作動要素(37,38)は前記歯付きラック(66、71)を構成し、当該歯付きラック(66、71)は回転的に対称で、柔軟にたわむことができる、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「棒状の前記作動要素(37,38)は歯付きラックを構成し、当該歯付きラックは回転的に対称で、柔軟にたわむことができる、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項26において、 「前記作動要素(37、38)を、関連する前記案内レール(16、25)と前記ギアモータ(35)の間の領域でたわまないように案内する、案内チューブ(29、31)が存在する、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。」 との記載を、 「前記作動要素(37、38)を、関連する案内レール(16、25)と前記ギアモータ(35)の間の領域でたわまないように案内する、案内チューブ(29、31)が存在する、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。」 に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 (1) 訂正事項1について ア 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6の「おり、当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれて」との記載を削除するものであって、不明瞭な記載を削除するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第3号)。 イ また、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 (2) 訂正事項2について ア 訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項15に、「、前記中心部材(39)の方向に突出し、当該中心部材(39)の対応する空間内を長さ方向に伸縮自在である案内バー(56)と、」との発明特定事項を本件明細書等の段落【0023】を根拠にして追加するものである。これは、終端部材の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 イ また、上記訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 (3) 訂正事項3について ア 訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項16が請求項1を引用するものであったのを、請求項15を引用するようにしたものであって、請求項16の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 イ また、上記訂正事項3は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 (4) 訂正事項4について ア 訂正事項4-1について (ア) 訂正事項4-1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項17が請求項1を引用するものであったのを、請求項15を引用するようにしたものであって、請求項17の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 (イ) また、訂正事項4-1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項17の「ベース(48)」を、「前記ベース(48)」とするものである。これは、上記「(ア)」に伴って「ベース(48)」が請求項15のそれと同一のものを指すことを明確にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第3号)。 (ウ) そして、上記訂正事項4-1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 イ 訂正事項4-2について (ア) 訂正事項4-2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項18に、「おり、前記中心部材(39)と前記案内部材(28)の隙間は、前記終端部材(41)の前記側壁(49)によって上部を視覚的に覆われて」との発明特定事項を本件明細書等の段落【0053】を根拠にして追加するものである。これは、案内部材及び終端部材の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 (イ) また、上記訂正事項4-2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 ウ 一群の請求項について 訂正前の請求項18は、請求項17を引用して記載されているから、訂正前の請求項17及び18は一群の請求項である。よって、訂正事項4は、一群の請求項ごとに特許請求の範囲の訂正を請求するものであって、特許法第134条の2第3項の規定に適合する。 (5) 訂正事項5 ア 訂正事項5は、訂正前の特許請求の範囲の請求項19に、「、前記終端部材(41)は、前記案内バー(56)を含めて一つの部材として射出成形されたプラスチック製鋳造部材であ」との発明特定事項を本件明細書等の段落【0050】を根拠にして追加するものである。これは、終端部材の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 イ また、訂正事項5は、訂正前の特許請求の範囲の請求項19が請求項1を引用するものであったのを、請求項15を引用するようにしたものであって、請求項19の構成を訂正前の記載よりも限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第1号)。 ウ さらに、訂正事項5は、訂正前の特許請求の範囲の請求項19の「案内バー(56)」を「前記案内バー(56)」とするものである。これは、上記「イ」に伴って「案内バー(56)」が請求項15のそれと同一のものを指すことを明確にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第3号)。 エ また、上記訂正事項5は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 (6) 訂正事項6 ア 訂正事項6は、訂正前の特許請求の範囲の請求項24の「前記歯付きラック(66、71)」を「歯付きラック」とし、「当該歯付きラック(66、71)」を「当該歯付きラック」とするものである。これは、請求項24が引用する請求項に「歯付きラック」が記載されておらず、また、請求項24の歯付きラックは本件明細書等の段落【0037】に記載のもの(符号なし)を指すものであって、歯付きラック(66、71)とは異なるものであるためにその符号を削除するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第3号)。 イ また、上記訂正事項6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 (7) 訂正事項7 ア 訂正事項7は、訂正前の特許請求の範囲の請求項26の「前記案内レール(16、25)」を「案内レール(16、25)」とするものである。これは、請求項26が引用する請求項に「案内レール(16、25)」が記載されておらず、その意味が不明瞭であったものを明瞭にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する(特許法第134条の2第1項ただし書き第3号)。 イ また、上記訂正事項7は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない(特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項及び第6項)。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、訂正を認める。 第3 本件発明 上記のとおり、本件訂正が認められたので、本件特許の請求項1~26に係る発明(以下「本件発明1~26」という。)は、訂正請求書に添付された特許請求の範囲の請求項1~26に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 回転可能に取り付けられた巻き取りシャフト(23)と、 スリット(12)から引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフト(23)に固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインド(19)と、 前記ローラブラインド(19)の自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材(21)であって、 中心部材(39)と、当該中心部材(39)に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材(41)とを有しており、 前記ローラブラインド(19)が前記巻き取りシャフト(23)に巻き取られ、完全に前記スリット(12)内に後退したとき、前記中心部材(39)と前記終端部材(41)とが、前記スリット(12)を閉じるような形状の断面を有している引き出し部材(21)と、 前記巻き取りシャフト(23)に前記ローラブラインド(19)を巻き取るために、前記巻き取りシャフト(23)を回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置(24、35)と、 を有する自動車(1)の後部窓用ローラブラインド。 【請求項2】 前記巻き取りシャフト(23)は後部座席棚(11)の下に回転可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項3】 前記スリット(12)は前記後部座席棚(11)内に存在し、前記後部座席棚(11)の全幅にわたって伸びている、ことを特徴とする請求項2に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項4】 前記ローラブラインド(19)は台形部分を有しており、その短い方の辺を前記引き出し部材(21)に固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項5】 前記引き出し部材(21)は案内レール(16、25)内を案内される、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項6】 前記案内レール(16、25)は前記自動車(1)の内部ライニング部材(15)内に一体化されている、ことを特徴とする請求項5に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項7】 前記引き出し部材(21)は、スリット辺(17、18)の距離として計測される、前記スリット(12)と同じかそれ以上の幅を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項8】 前記引き出し部材(21)の前記中心部材(39)はアルミ製の押し出し成形部材である、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項9】 前記中心部材(39)は、長さ方向に連続した空間(47)を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項10】 前記引き出し部材(21)の前記中心部材(39)はその側面に、前記中心部材(39)の長さ方向に連続している、少なくとも2つの案内溝(44,45)を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項11】 前記中心部材(39)は、そこに前記ローラブラインド(19)が固定されている、連続的な溝(46)を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項12】 前記中心部材(39)の長さは、少なくとも前記巻き取りシャフト(23)から遠い方の前記ローラブラインド(19)の辺の長さにほぼ一致する、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項13】 前記中心部材(39)は、その長さ方向と垂直にみた時、高さが幅よりも小さい外形を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項14】 適切な前記終端部材(41)の部材(52、55)は、前記中心部材(39)内を長さ方向に延びている溝(44、45)内で、可動式に支持されている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項15】 前記終端部材(41)は、樋状に近い形状をしており、ベース(48)と、当該ベース(48)上に形成される2つの側壁(49)と、前記中心部材(39)の方向に突出し、当該中心部材(39)の対応する空間内を長さ方向に伸縮自在である案内バー(56)と、を備え、前記側壁(49)は、前記終端部材(41)の長さ方向に伸びる開口部(51)を有し、当該開口部(51)は2つの開口辺(52、53)により形づけられている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項16】 前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも一つの溝(44)に支持されている、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項17】 案内部材(28)が前記終端部材(41)の前記ベース(48)から突き出している、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項18】 前記案内部材(28)は前記終端部材(41)と固定されており、前記中心部材(39)と前記案内部材(28)の隙間は、前記終端部材(41)の前記側壁(49)によって上部を視覚的に覆われている、ことを特徴とする請求項17に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項19】 前記終端部材(41)には細長い前記案内バー(56)が存在し、当該案内バー(56)は前記終端部材(41)の前記開口部(51)と整列して配置され、前記中心部材(39)の対応する通路(47)内を長さ方向に伸縮自在に動けるように案内され、前記終端部材(41)は、前記案内バー(56)を含めて一つの部材として射出成形されたプラスチック製鋳造部材である、ことを特徴とする請求項15に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項20】 歯付きラック(66、71)が前記終端部材(41)のそれぞれと接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項21】 2つの前記終端部材(41)の2つの前記歯付きラック(66、71)と前記中心部材(39)に回転可能に取り付けられているギア(67)とは差動歯車を構成し、前記中心部材(39)に対する前記終端部材(41)の動きは、もう片方の前記終端部材(41)に対して、逆方向に同じ大きさの動きを生じる、ことを特徴とする請求項20に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項22】 前記ローラブラインド(19)を巻き取る用途で前記巻き取りシャフト(23)にバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフト(23)に接続されたばねモータ(24)が前記駆動装置(24、35)に含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項23】 前記駆動装置(24、35)は棒状の作動要素(37、38)を介して前記引き出し部材(21)と接続されているギアモータ(35)を備える、ことを特徴とする請求項22に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項24】 棒状の前記作動要素(37,38)は歯付きラックを構成し、当該歯付きラックは回転的に対称で、柔軟にたわむことができる、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項25】 前記作動要素(37、38)は移動要素(slide elements)として実現されている、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。 【請求項26】 前記作動要素(37、38)を、関連する案内レール(16、25)と前記ギアモータ(35)の間の領域でたわまないように案内する、案内チューブ(29、31)が存在する、ことを特徴とする請求項23に記載の後部窓用ローラブラインド。」 第4 請求人の主張 請求人は、「本件特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めており、審判請求書、平成28年11月25日付け口頭審理陳述要領書、及び、平成29年2月7日付け上申書において主張する無効理由と証拠方法は次のとおりである。 1 無効理由 (1) 無効理由1 本件特許の請求項1、2、4~9、12、17~19及び22~25に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるか、甲第1号証に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条1項第3号、或は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2) 無効理由2 本件特許の請求項3に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証、甲第3号証及び甲第4号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (3) 無効理由3 本件特許の請求項10、14~16に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (4) 無効理由4 本件特許の請求項11に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証、甲第3号証及び甲第5号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (5) 無効理由5 本件特許の請求項13に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証、甲第3号証及び甲第6号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (6) 無効理由6 本件特許の請求項20、21に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証、甲第3号証及び甲第7号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (7) 無効理由7 本件特許の請求項26に係る発明は、甲第1号証に、甲第2号証、甲第3号証及び甲第8号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (8) 無効理由8 本件特許請求の範囲の請求項6の「当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれている」との記載、請求項16の「前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも1つの溝(44)に支持されている」(下線は審判請求書における明らかな誤記を補って記載した。以下同様。)との記載、請求項17の「案内部材(28)が前記終端部材(41)のベース(48)から突き出している」との記載、請求項19の「前記開口部(51)」との記載、請求項24の「前記歯付きラック(66、71)」の記載、請求項26の「前記案内レール(16、25)」との記載は不明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。これらの請求項のいずれかを引用する請求項18に係る発明についても、不明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 また、請求項6の「当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれている」との構成は、発明の詳細な説明に、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。このため、本件特許は、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。 なお、上記無効理由1に関し、請求項8以外の請求項については審判請求書の具体的な主張において甲第1号証に記載された発明と同一であるとの主張をしているのに対し、請求項8に係る発明は、審判請求書(6ページの表及び第34ページ第8行~第18行)においてそのような主張をしていないから、上記無効理由1は、「請求項1、2、4~7、9、12、17~19及び22~25に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一」(下線は当審で付与。)であるか又は「請求項1、2、4~9、12、17~19及び22~25に係る発明は甲第1号証に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された技術等を適用して、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである」との趣旨であると解される。 また、上記無効理由8に関し、審理事項通知において「訂正後の請求項6、16~19、24、及び26の記載は特許法第36条第4項第1号及び同条第6項第2号に規定する要件を満たすものであるから、特許法第36条第4項第1号及び同条第6項第2号に関する無効理由は解消されたと考えられる。かかる無効理由を維持する場合は、具体的に根拠を述べて主張されたい。」と記載して追加の主張を求めたが、請求人は訂正後の本件発明1~26に対しては、特段追加の主張をしていない。 2 請求人の主張の要点 請求人は、特に、本件発明1の「前記中心部材(39)と前記終端部材(41)とが、前記スリット(12)を閉じるような形状の断面を有している引き出し部材(21)」との事項に関し、概略次のように主張している。 (1) 甲第1号証には、上記事項が記載されていること 甲第1号証の第3ページ右下欄第6行~同ページ同欄第10行には、「…このときリヤパーセル201には遮光幕2の引出し用開口203が設けられ、遮光幕2を収納した状態では長尺部材3は第5図(a)に示すようにその両側ロッド32及び33を前記開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となっている。」と記載され、また、第5図(a)には、引出し用開口203は十分に細い開口として描かれている。 また、遮光幕2を引出すための引出し用開口203の開口幅を、引出対象となる遮光幕2の厚さよりも僅かに大きくすることは技術常識である(甲第2号証及び甲第3号証)。 引出し用開口203の開口幅を、引出し対象となる遮光幕2の厚さよりも僅かに大きい程度とすれば、上記パイプ31、ロッド32及び33は、必然的に引出し用開口203を閉じることになる。(審判請求書第23ページ第14行~同ページ第28行参照) (2) 「閉じる」との語は、隙間が生じている場合を含むものと解釈すべきこと 本件発明1の「閉じる」との語を「スリットの全ての箇所において開いた部分がないこと」と解釈することは妥当でない。 本件特許の明細書では、「閉じる」と「覆う」が同義で用いられているから、【0056】の「引き出しスリット12に物が落ちない程度に、または、引き出し部材21と引き出しスリット12との間のどのような隙間にも、人が、特に子供が指を挿入することができない程度に、引き出しスリット12を覆うこともできる」との記載より、「閉じる」とは「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含むものと解されるべきである。(口頭審理陳述要領書第3ページ第14行~第6ページ第26行参照) (3) カバーを使用しないでスリットを閉じることは当業者にとって一般的な要請に過ぎないこと ア 甲第2号証には、「引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成し」(第2ページ右下欄第20行~第3ページ左上欄第1行)と記載され、第2図をみると、引出具9は、長孔7を閉じる形状を有している。このため、「カバーを使用しないでスリットを閉じる」という課題は当業者にとってごく一般的な課題に過ぎない。(審判請求書第31ページ第8行~同ページ第12行参照) イ 本件発明の「カバーを使用しないでスリットを閉じる」ということは、当業者にとってごく一般的な要請に過ぎない。 この点について、甲第2号証、甲第3号証に加えて、甲第5号証を引用し、さらに、補強証拠として甲第9号証及び甲第10号証を提出する。甲第5号証の図2~図4には、先端桟材93の幅寸法は、口金部材50に形成されたスリットより幅広であり、カバーを使用しないでスリットを閉じる構成となっている。甲第9号証の図2には、ステイ26がスリット内に配設されて当該スリットを閉じる構成が記載されている。甲第10号証の図1の収納箱3の開口は、支持板4及び補助板7、7’の幅に合わせており、カバーを使用しないで開口を閉じる構成が記載されている。(口頭審理陳述要領書第9ページ第19行~第10ページ第20行参照) ウ 「カバーを使用しないでスリットを閉じる」との課題について、甲第4号証の【0003】、【0006】、【0007】の記載、及び、【0063】の「引出ロッド21は、実質的に円形の断面を有し、その直径は、後部ウィンドウシェルフ11のスリット12を実質的に埋めるような程度の大きさである」との記載及び図9を補強的に引用する。(上申書第5ページ第8行~第25行参照) 3 証拠方法 請求人は、審判請求書に添付して甲第1号証ないし甲第8号証を提出し、口頭審理陳述要領書に添付して甲第9号証及び甲第10号証を提出した。 甲第1号証:特開平4-140279号公報 甲第2号証:特開平1-306318号公報 甲第3号証:特開平7-17245号公報 甲第4号証:特開2004-58992号公報 甲第5号証:特開平9-254690号公報 甲第6号証:特開平10-24734号公報 甲第7号証:特開2002-192943号公報 甲第8号証:実願昭63-1094(実開平01-106310号公報)のマイクロフィルム 甲第9号証:実用新案登録第2607254号公報 甲第10号証:登録実用新案第3029542号公報 第5 被請求人の主張 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする」との審決を求めており、審判事件答弁書、平成28年12月22日付け口頭審理陳述要領書、及び、平成29年2月24日付け上申書において概ね以下のとおり主張している。 1 訂正について 平成28年8月31日付け訂正請求による訂正は、全ての訂正要件に適合しており、訂正は認められるものである。 2 無効理由1~8について 本件発明1、2、4~7、9、12、17~19及び22~25は、甲第1号証に記載された発明ではない。また、本件発明1~26は、甲第1号証~甲第8号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 訂正後の本件発明6、16~19、24及び26は不明確ではないし、訂正後の本件発明6は当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない、ということもない。 3 請求人の主張に対する反論 被請求人は、請求人の上記「第4 2」の(1)~(3)の主張に対し、概略次のようにそれぞれ反論している。 (1) 甲第1号証の第5図(a)において、ロッド32、33(本件発明1の終端部材(41)に相当)の太さは明らかに引出し用開口203の幅よりも小さいから、少なくともロッド32、33は引出し用開口203を閉じる形状の断面を有していない。(答弁書第5ページ第13行~同ページ第16行参照) (2) ア 請求人の主張する課題は、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第9号証及び甲第10号証に記載された構成の目的には何ら関係のない課題であって当該主張は失当である。(口頭審理陳述要領書第10ページ第13行~第16行参照) イ 甲第4号証から、「カバーを使用しないでスリットを閉じる」という課題が公知だっとしても、それによりなぜ本件発明1が容易に想到できたかという論理が不明である。甲第2~5号証、甲第9号証及び甲第10号証には、請求人が主張する事項も、本件発明1の構成に至る動機付けとなるに足りる技術的事項も記載されていない。(上申書第4ページ第5行~同ページ第15行参照) (3) 本件発明1の「閉じる」とはスリットの全ての箇所において開いた部分がないことを意味すると解釈することは妥当である。本件特許の明細書には、「本発明の課題はカバーを使用しないでスリットを閉じることのできる後部窓用ローラブラインドを創作すること」(【0008】)であり、その理由は「美観上、そして安全上の理由」(【0005】)であって、物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じ得るようにわざわざ構成する理由がないことからも明らかである。(口頭審理陳述要領書第3ページ第8行~第5ページ第20行参照) 第6 当審の判断 1 無効理由1~7について (1) 甲各号証に記載された事項 ア 甲第1号証 甲第1号証には、以下の記載がある(下線は当審で付与。以下同様。)。 (1a) 「[実施例] 以下、本発明をサンシェードの実施例に基づいて具体的に説明する。 第1図はサンシェード(シート状物巻取装置)の要部構造を示す。このサンシェードは巻取り本体1と、この巻取り本体1に巻取り収納される遮光幕(シート状物)2と、この遮光幕2の引出先端に固着された長尺部材3と、この長尺部材3の両端を案内するガイド部材4,5と、前記長尺部材3に連係する可撓性ラック部材6,7と、この可撓性ラック部材6,7を駆動させる駆動部8とで大略構成されている。 そしてこのサンシェードは例えば第2図のように、上方が巾狭くなる略台形の変形窓100に取付けられる。この取付けは巻取り本体1を窓100の下枠101に固着し、ガイド部材4、及び5をそれぞれ窓100の縦枠102及び103の外側に平行させて固着し、かつ長尺部材3の両端を縦枠102及び103の外方へ突出させて各ガイド部材4、及び5に連係させて長尺部材3を取付けると共に、駆動部8を下枠101の下方に固着することによって行われる。」(第2ページ右上欄第17行~同ページ左下欄第18行) (1b) 「巻取り本体1は第2図に示すように巻取りドラム11と、この巻取りドラム11を回転付勢する捩りばね12とを具備しており、巻取りドラム11は捩りばね12により付勢されて回転軸13回りに回転するようになっている。」(第2ページ左下欄第19行~同ページ右下欄第3行) (1c) 「遮光幕2は布あるいはフィルムからなり、殊に車両用で後方視界を阻げることのできない場合はメシュ地,多数の穴の明いた布地,あるいは半透明フィルムの透視可能な幕が用いられる。この遮光幕2は基端部が巻取りドラム11に固定されており、捩りばね12による巻取りドラム11の回転で巻取りドラム11に巻取られて収納されるようになっている。」(第2ページ右下欄第4行~同ページ同欄第11行) (1d) 「長尺部材3はパイプ材からなりその両端は伸縮自在な二重構造になっている。長尺部材3はパイプ31と、このパイプ31の両側開口端からパイプ31内に軸方向に摺動可能に挿入される2個のロッド32,33とを具備している。そしてパイプ31が遮光幕2の引出し先端に固着されることによって長尺部材3が遮光幕2に取着される。ロッド32及び33は挿入端部32a及び33aがパイプ31の内周壁に摺接する程度に大径になっており、かつパイプ31の両端開口を覆うキャップ34を透通して挿入されている。そしてロッド32,33は挿入端部32a,33aとキャップ34の透通孔に案内されてパイプ31に対して摺動自在になっており、このロッド32,33の摺動によって長尺部材3は伸縮可能となっている。このように構成された長尺部材3はその両端にあるロッド32及び33の外側端がそれぞれガイド部材4及び5に連係される。 この連係構造は第3図に示すようにガイド部材5に摺動自在に取付けられた摺動子9にロッド33の外側端が枢支された構造になっている。尚、ロッド32側も同一の連係構造になっている。 ガイド部材5は第3図(a)に示すように一側面にスリット51を有する角C字形断面に形成された長尺材で形成されており、中空部52内を摺動子9が摺動するようになっている。」(第2ページ右下欄第12行~第3ページ左上欄第18行) (1e) 「摺動子9には第3図(b)に示すように可撓性ラック部材7が連結されている。この場合ガイド部材4内を摺動する摺動子には可撓性ラック部材6が連結されている。 可撓性ラック部材7(6)は第3図に示すように矩形断面の長尺基材71の一側面に等ピッチの歯72,72,…が設けられたものであり、合成樹脂等の可撓性材料で一体形成され、窓等の形状に沿った折曲が容易となっている(第2図参照)。 これら可撓性ラック部材6,7は駆動部8によって駆動するようになっている。 駆動部8はピニオン81とこのピニオン81を回動させるモータ等を含む機構部82とがケーシング83内に組み込まれて形成されている(第4図参照)。そして可撓性ラック部材6,7は第4図に示すように各部材6,7の歯71を対抗させて平行に駆動部8内に導入され、ピニオン81に噛合している。このような構造においては機構部82の駆動によりピニオン81をA方向へ回転させると可撓性ラック部材6及び7はそれぞれC及びE方向へ移動し第1図の張設状態にある遮光幕2を長尺部材3を介して引き下ろし、遮光幕2が巻取り本体1に収納される。前記したA方向とは反対のB方向へピニオン81を回転させた場合は可撓性ラック部材6及び7はそれぞれD及びF方向へ移動し長尺部材3を介して収納状態にある遮光幕2を引出して、遮光幕2で窓を遮蔽することができる。また、遮光幕2で窓を部分的に覆う場合はピニオン81の回転を停止させて可撓性ラック部材6及び7の移動を停止させ、長尺部材3を適宜の中途位置に保持させることによって容易に行うことができる(第2図参照)。」(第3ページ右上欄第11行~同ページ右下欄第2行) (1f) 「次に以上のように構成されたサンシェードを自動車のリヤウインドウ200に適用した場合を述べる。 この場合第5図に示すように、巻取り本体1,及び駆動部8はリヤパーセル201の下方に固定され、ガイド部材4,5は両側のピラーに設けたスライド溝202内に固定される。このときリヤパーセル201には遮光幕2の引出し用開口203が設けられ、遮光幕2を収納した状態では長尺部材3は第5図(a)に示すようにその両側ロッド32及び33を前記開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となっている。そして駆動部8の機構部82は運転席の操作機構(図示せず)に連結しており、運転席での操作によりON,OFFすることができるようになっている。」(第3ページ右下欄第3行~同ページ同欄第18行) (1g) 「また、前記遮光状態を解除するには、駆動部8のピニオン81の回転を前記とは逆方向へ回転させて繰り出した可撓性ラック部材6,7を引き戻すようにすれば良く、これによって長尺部材3は引き下げられると共に、遮光幕2は捩りばね12のばね力により巻取本体1に巻取られて収納される。」(第4ページ左上欄第11行~同ページ同欄第17行) (1h) 「第7図は可撓性ラック部材の他の実施例を示す。 この可撓性ラック部材7’はケーブル71’にコイル72’を等ピッチで密接巻きして形成されている。この可撓性ラック部材7’はコイル72’が前述した可撓性ラック部材7の歯72に相当し、可撓性ラック部材7と同様に駆動部8のピニオン81に噛合してピニオン81の回転で直線運動する。 」(第4ページ右上欄第15行~同ページ左下欄第3行) (1i) 甲第1号証の第1図~第5図及び第7図にはそれぞれ以下の図が記載されている。 イ 甲第2号証 甲第2号証には、以下の記載がある。 (2a) 「(実施例) 以下に、本発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。なお、第4図で示した符号と共通のものには同符号を付し、その説明は省略する。 第1図において、4は本発明に係る遮光装置である。この遮光装置4は布材からなるロールブラインド5と、ロールブラインド5を巻き取るための巻き取り機構6と、インストルメントパネル2に穿設した長孔7とを主構成としている。ロールブラインド5と巻き取り機構6とは、第2図に示すようにインストルメントパネル2に内蔵してあり、インストルメントパネル2への収納時において乗車室3内から突出することがない。また、長孔7は長手方向をインストルメントパネル2上部のフロントウィンド1に沿わせて穿設してあり、長径はロールブラインド5の幅より長く、短径はロールブラインド5厚より長く設定してある。さらに、長孔7の開口部周縁はインストルメントパネル2の強度を増加させるため乗車室3側に折り曲げてある。 巻き取り機構6は巻取軸8と引出具9と取付具10とを主構成としており、巻取軸8は図示を省略したスプリングまたはモータによって、第2図においては反時計方向に回転付勢される。巻取軸8の長さはロールブラインド5の幅とほぼ等しく、巻取軸8にはロールブラインド5の一端部を巻取軸8の軸線方向に沿わせて固定しである。巻取軸8は通常時において、上記一端部を中心としてロールブラインド5を全て巻き取った状態に保持し、巻取軸8に巻き取られたロールブラインド5は取付具10によって支持されている。 」(第2ページ右上欄第16行~同ページ右下欄第6行) (2b) 「引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成し、乗車室3側にはハンドル17を設ける一方、引出具9のインメトルメントパネル2側にはロールブラインド5の他端部を固定するための固定突部18を突設してある。引出具9はロールブラインド5の他端部を固定突部18に熱処理または接着剤によって固定しており、ロールブラインド5が巻き取り機構6に巻き取られることを長孔7の開口部の周縁に係合することによって停止させる。また、引出具9は周縁をインストルメントパネル2側に折り曲げ、長孔7の開口部の周縁に係合する形状を形成している。」(第2ページ右下欄第20行~第3ページ左上欄第12行) (2c) 甲第2号証の第1図及び第2図にはそれぞれ以下の図が記載されている。 ウ 甲第3号証 甲第3号証には、以下の記載がある。 (3a) 「【0008】 【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の好適な実施例を説明する。図1が本発明の実施例リヤパーセルシェルフの斜視図、図2は図1中のA-A’線断面図である。両図によって、実施例の構成は裏面に裏打材22を積層した表皮材21と、表皮材の裏面に軟質で可撓性の緩衝材23を貼着してなり、緩衝材には溝23aが形成されて、この溝にサンシェード装置9が埋設されている。このサンシェード装置9はケース91内部の巻取軸93に、巻取り方向に付勢されたスクリーン92を巻取り収納している。サンシェード装置9の上方の表皮材にはスクリーン92を引き出すための細巾の開口6があけられ、縁取り材7および7’で縁取られている。縁取り材で縁取られた開口6の実質的開口巾はスクリーン92の厚さよりわずかに大きく3~5mm程度であり、スクリーンの巻取り方向と反対縁を係止縁92aとしてこの開口巾よりやや大きな玉縁構造とする。表皮材21はリヤパーセルシェルフを表装するもので、たとえばポリエステル繊維綿にニードリングをほどこし裏面に低密度ポリエチレン樹脂のシート裏打ち材22を裏打ちしてある。…」 (3b) 甲第3号証の図1及び図2にはそれぞれ以下の図が記載されている。 エ 甲第4号証 甲第4号証には、以下の記載がある。 (4a) 「【0003】 後部ウィンドウシェードが収納されたときに、いかなるアイテムも、後部ウィンドウシェード用スリットに落とされる可能性がないように、引出ロッドは、しばしば、可能な限り広範囲にスリットを覆うように設計される。このためには、比較的幅の広い引出ロッドが必要である。何故なら、スリットの幅は、後部ウィンドウシェルフの頂部から巻取シャフトまでの半径方向の距離の結果であり、また、後部窓の傾斜の結果でもある。しかし、そのような幅の引出ロッドは、後部ウィンドウシェードが延伸されたときには、目障りなものと考えられる。 … 【0006】 その動作が引出ロッドにより制御される移動可能なフラップが、スリットを閉じるために、後部ウィンドウシェルフ内に提供される。このフラップは、開放状態では、ばねにより付勢され、収納された引出ロッドにより閉じたまま維持される。このフラップ用の機械的取付装置は精巧であり、スペース条件のために、精緻である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 上述したことに基づいて、本発明の目的は、装備が簡単であると共に、後部ウィンドウシェルフのスリットを覆うことが可能で、頑丈な機械システムの使用を許容する、自動車の後部窓用後部ウィンドウシェードを製作することを目的とする。」 (4b) 「【0022】 非常に模式化された部分的な表示において、図1は、ノッチバック型セダンの後端部1を示す。トランクリッド4の一部と共に、ルーフ2が見られる。それに固定された内部トリムを有する左側のC-ピラー5が、トランクリッド4とルーフ2との間に見られる。そこに後部窓ガラス8が配置される後部窓カットアウト部7が、左側のC-ピラー5、ルーフ2の後端部6及びトランクの上部の間に見られる。後部ウィンドウシェルフ11は、後部窓カットアウト部7の下端とヘッドレスト10を有する後部座席9の背面との間に延在する。スリット12は、後部ウィンドウシェルフ11を通って横方向に延びて、これから述べる方法により閉成される。スリット12は、互いに平行に延在する2つのスリット端部13及び14により境界付けられる。スリットは、2つのC-ピラー5の間に延びる。 【0023】 さらに、ガイドレール15が左側のC-ピラー5の内部トリム内に見られる。その目に見える延伸部は、スリット12の高さから開始し、ルーフ2にできる限り近接して後部窓カットアウト部7の側面の輪郭部に続いている。 【0024】 後部ウィンドウシェード16の機械的部分は、スリット12の下方若しくはスリット12内に配置される。後部ウィンドウシェード16の構造は、図3及び図4に従って説明される。 【0025】 その中に巻取シャフト18が回転可能に取付けられるウィンドウシェード枠若しくは支持体17は、後部ウィンドウシェード16の一部である。ウィンドウシェードシート19の一端は、巻取シャフト18に固定され、その他端は、引出ロッド21に結合される。」 (4c) 「【0033】 図5は、ガイドレール15の正確なプロフィールを示す。これに対応して、ガイドレール15は、固定フランジ43を備え、該固定フランジ43には、ガイドスリット45で開放する管状成形体44がその一端に提供される。このスリット45は、ガイドレール15の全長さに亘って延在する。それは、固定フランジ43に対して垂直な方向に開放する。 【0034】 ガイドレール15は、同時に、直線状の押圧部材46用の座屈防止ガイド装置として使用され、これには、その外部に螺旋状に延びるリブ47が提供される。 【0035】 図示のように、引出ロッド21は、略楕円形のプロフィールを有し、ウィンドウシェードシート19は、その下端部に固定される。ウィンドウシェードシート19の形状は、後部窓カットアウト部7の形状の台形近似に概略対応する。 【0036】 2つのガイド部材48が引出ロッド21の前面端に挿入されており、このガイド部材48は、長手方向に取り外し可能な方法で、円筒状シャフト49を引出ロッド21に挿入する。球状頭部50は、円筒状シャフト49に配置され、頸部51を介して、シャフト49と結合される。球状部50の代わりに、ガイド部材48が固定リング52を有し、この固定リング52は、図示しない固定要素の助けにより、引っ張り及び圧下に対して固定されて、押圧部材46に結合される。固定リング52の外径、及び球状頭部50の直径は、管状成形体44のクリアランスに対応し、そのため、両者は、ガイドスリット45を通って逸脱することなく、管状成形体44内で案内された方法でスライド可能である。」 (4d) 「【0042】 この位置から開始して、ユーザが後部ウィンドウシェード16を延伸したい場合には、ユーザは、ギヤモータ54のスイッチを入れる。ギヤモータ54は、その出力ギヤ輪55を、ルーフ2に向かう方向のガイドレール15内で押圧部材46が前方に押される方向に作動させる。このことにより、引出ロッド21は、両端部で同一の方向に持ち上げられる。ブラケット23がスリット端部14の領域内の下方から後部ウィンドウシェルフ11に接触するまで、螺旋状圧力ばね41の作用のために、ウィンドウシェード枠17は、上方に回動する。このことにより、図4に対応する配置が達成され、そこでは、出口スリット32は、後部ウィンドウシェルフ11の上部全体に亘って実際に延在する。引出ロッド21の連続した動作中に、引出ロッド21は、今度は、それ自体を脚部29から離し、ガイドレール15内を案内されて、ルーフ2に向かう方向に移動することができる。」 (4e) 「【0062】 図9の例示的な実施形態では、ウィンドウシェード枠は、互いに分離された2つのレバー80を備え、このレバーは、巻取シャフト18の長さに対応するように、互いに離間されている。2つのレバーのそれぞれは、車体に固定された固有の軸受装置81の一端に取付けられ、そのため、各レバーは、巻取シャフト18に対して平行に延びる軸の回りに回動可能である。さらに、各レバー80は、固有の螺旋状圧力ばね82により、後部ウィンドウシェルフ11に向かう上部方向に付勢されている。巻取シャフト18は、レバー80の他端に回転可能に取付けられる。このため、この装置は、図3及び図4に示されたような装置と類似である。 【0063】 引出ロッド21は、実質的に円形の断面を有し、その直径は、後部ウィンドウシェルフ11のスリット12を実質的に埋めるような程度の大きさである。 【0064】 図示された装置は以下のように機能する。 【0065】 収納状態では、ギヤモータ54は、引出ロッド21がスリット12内に配置されるとすぐに停止される。この状態で、引出ロッド21自体は、巻取シャフト18上のウィンドウシェードシート19により形成される帯状部の外側に静止する。この点に関して、引出ロッド21が、そこでは、帯状部から離間されているものとして示されているので、図9は事態の実際の状態を表していない。このことにより、さもなければ見えないであろうウィンドウシェードシート19の一部を示すことが意図されている。しかし、収納状態において、巻取シャフトの両端部において2つのレバー80を上方に押し上げる2つの圧力ばね82の力のために、この上方への移動が帯状部と引出ロッド21との接触により停止されるまで、該帯状部は、実際に、引出ロッド21の下側に対して静止している。 【0066】 延伸するために、前述したようにモータ54が作動され、その結果、ガイドレール15内を案内される引出ロッド21は、スリット12から上方にルーフに向かう方向に移動する。このために、巻取シャフト18上の帯状部への圧下が終了するので、巻取シャフト18は、相対的に出口スリット32に近付くように移動される。2つの圧力ばね82は、この動作を提供する。 【0067】 2つのレバー80が独立に車体の所定の場所に固定された対応するストッパ83に接触するようになるとすぐに、巻取シャフト18の持ち上げ動作は終了する。ストッパ83の位置は、帯状部がスリット12の端部13若しくは14に対して、擦れないように好適に選択される。その上、この位置では、帯状部は、スリット12に非常に近接して移動されるので、これに沿ってウィンドウシェードシート19が帯状部から剥がされるラインは、実用的に、スリット12内で見られる。ウィンドウシェードシート19が実行する解放ラインの回りの回動動作が小さいので、狭い隙間にもかかわらず、引出ロッド21がガイドレール15に沿ってルーフ2に向かって移動するとき、ウィンドウシェードシート19はスリット端部13若しくは14に接触しない。 【0068】 巻取シャフトが固定して配置される装置と比較すると、後部ウィンドウシェルフ11直下の引出ロッド21の垂直な延伸に対応して、巻取シャフト18の垂直動作は、非常に狭いスリット12の使用を許容する。」 (4f) 甲第4号証の図1、図5及び図9にはそれぞれ以下の図が記載されている。 オ 甲第5号証 甲第5号証には、以下の記載がある。 (5a) 「【0013】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る遮光装置の一実施形態を示す分解斜視図であり、図2は、図1の遮光装置の組立て斜視図である。また、図3は、図2のA-A線断面図である。これらの図に示すように、遮光装置1は、ヘッドレスト2と、ヘッドレスト2内に形成されたシート収納機構6と、このシート収納機構6によってヘッドレスト2内に入出自在に収納される遮光部材9とを備えて形成されている。」 (5b) 「【0024】上記遮光部材9は、帯状の遮光シート91と、この遮光シート91を横断するようにその基端側に設けられた長尺のアンカー桟材92と、同先端側に設けられた先端桟材93とを備えて形成されている。 … 【0029】ついで、長孔43から遮光シート91の先端部を外部に引き出した状態でパッド材4をフレーム3に外嵌し、スリット51から遮光シート91を外部に引き出した状態でトリム5をパッド材4に被せて係止した後、遮光シート91の先端部を潜らせた口金部材50をスリット51を介してパッド材4の長孔43に嵌め込み、最後に遮光シート91の先端に先端桟材93を取り付けることにより、図2および図3に示すように、遮光装置1が完成する。」 (5c) 甲第5号証の図3には以下の図が記載されている。 カ 甲第6号証 甲第6号証には、以下の記載がある。 (6a) 「【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、自動車に装着可能な電動カーテン装置に、本発明を適用した場合の例であり、リヤウインドウに適用されるものである。 【0015】図1~図6に示すように、電動カーテン装置1は、カーテン2を常時巻取り方向へ付勢する巻取装置3、巻取装置3に固定的に設けられている左右1対のガイドレール4、巻取装置3から延びるカーテン2の先端が固定されガイドレール4と平行なステー5、1対のガイドレール4に夫々ガイドされた1対のスライダー6、ステー5の両端部に一端部が回転可能に夫々連結されるとともに1対のスライダー6に他端部が回転可能に夫々連結された1対のアーム7、1対のスライダー6を相互に離隔・接近する方向へ同期して移動駆動し1対のアーム7を介してステー5を昇降する電動駆動機構8、1対のアーム7をステー5と直交する姿勢の方へ夫々回動付勢する1対の付勢機構9等で構成されている。」 (6b) 「【0018】図3に示すように、カーテン2の先端が固定されたステー5の両端部には、1対のブラケット27が取付けられており、これら1対のブラケット27に、1対のアーム7の先端部が連結部材26を介して夫々回転可能に連結され、電動駆動機構8により、1対のスライダー6が相互に離隔・接近する方向へ同期して移動駆動されると、ステー5は1対のアーム7を介して巻取装置3に対して平行を保持して昇降される。前記1対のアーム7は、ステー5をリヤウインドーと略平行に昇降させる為に、前方へやや傾斜させた状態でガイドレール4とステー5とに連結され、ステー5の両端部には、リヤウインドーを転動可能な1対のコロ28が装着されている。尚、1対のアーム7は中空状の角パイプに構成されている。」 (6c) 甲第6号証の図1、図3及び図4にはそれぞれ以下の図が記載されている。 キ 甲第7号証 甲第7号証には、以下の記載がある。 (7a) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、窓ブラインド、特に引張り棒用芯決め装置を有する窓ブラインドに関する。 … 【0011】 【課題を解決するための手段】この課題は、自動車の内室に窓を通しての入光を制御するための窓ブラインドを回転可能に支承された少なくとも1つの巻取り軸と、該巻取り軸に一縁が固定される少なくとも1枚のブラインドシートと、張られた該ブラインドシートの側を横方向に延び、それぞれが少なくとも1個の案内溝を含む少なくとも1対の案内手段と、該巻取り軸から遠くにある該ブラインドシートの縁に接続され、1つの中央部材及びそれぞれが該案内溝内を案内される2つの端部材より成る長手方向へ変位可能な引張り棒と、該中央部材を該端部材に対して少なくとも近似的に芯決めする芯決め装置と、該引張り棒を該案内手段に沿って移動させかつ該巻取り軸を回転させるための駆動装置とで構成して解決される。 … 【0025】乗用車1の内部の、後窓ガラスの内側に、リヤシェル9があり、窓の下縁8と、図示していない後部座席の背もたれとの間に水平に延びているリヤシェルフ9に真直ぐな出口スロット11が延びている。 【0026】出口スロット11は後窓ブラインド12に属しており、その原理的な構造が図2に大幅に略図化されて側面図で示されている。」 (7b) 「【0036】面が後窓開口部6の形状に近い台形になっているブラインドシート24が一縁で巻取り軸22に固定されている。巻取り軸22から遠くにある縁は、図2に示されているように、引張り棒26を収容するホース状の管部25に形成されている。 【0037】図4に示すように、引張り棒26は、実質的に、1つの中央部材27と、これに対して入れ子式に移動可能な2つの端部材28,29とを含む。 【0038】中央部材27は、その長さにわたって一定の楕円状の断面を有する楕円状管31である。管31の長さはホース状の管部25の長さ、従って、ブラインドシート24の対応縁に対応している。」 (7c) 「【0041】管31のほぼ中央に差動伝動装置の形の芯決め装置35がある。管31の横断面の大軸と直角を成す軸を中心として自由に回転可能なピニオン36が芯決め装置35に設けられている。 【0042】ピニオン36の場所に、管31は互いに整合する孔37及び38が形成されている(図5)。孔37は、管31が対応しているピニオン36の頭部の直径又は外側直径よりも幾分大きいが、管31の反対側の側壁内の整合孔38は、ピニオン36と一体の構成部分であって、図示の通り管31から出る軸部39に一致する。ピニオン36の幅は管31の内法に対応する。 【0043】組立て状態では、軸部39は小さな遊びで孔38内を自由に回転する状態になっている。そのため、ピニオン36は軸部39を先にして孔37に挿入される。ピニオン36を挿入した後に、孔37をプレスによって円盤状の蓋41で閉じる。 【0044】芯決め装置35は、更に、ピニオン36に噛合する2つのラック42及び43を有する。両ラックの内の一つは、図示の通り、ピニオン36の下側を走行するが、他のラック43は管31の上側を案内される。ラック43は、一端で、図示の通り、一体に端部材29のアーム32に移行して行き、他方、他方のラック42は、実質的に同様に、一体に端部材28のアーム32に移行して行く。 【0045】芯決め装置35の機能及び作動の態様は、次の説明から容易に理解されよう。 【0046】端部材29が管31に対して長手方向に移動すると、ピニオン36は、ラック43を介して回転される。この回転は、ラック42の運動をラック43と逆向きに変え、これによって、ラック42は同量で反対方向へ移動される。この結果、端部材28は、端部材29とストロークは同じであるが方向が反対の運動を行う。従って、最初の状態で中央部材27が両案内部材33間の正確な中央にある場合、端部材28,29の一方が移動された時にはこの正確な芯決めが維持される。逆に、外力により両端部材28,29が互いに接近したり離れたりする場合にも、中央部材27の芯決めが維持される。 【0047】ラック42,43の長さが必要なストロークに相当し、アーム32の、ラックが係止されていない部分は、全差動ストロークにわたって締め付けが生じない入れ子式の案内が管31内で十分に行われるのを保証するような寸法になっている。」 (7d) 甲第7号証の図1、図4及び図6にはそれぞれ以下の図が記載されている。 ク 甲第8号証 甲第8号証には、以下の記載がある。 (8a) 「本考案は、自動車の車体に設けられているサンルーフ等のウインドをシェード本体により被覆する自動車用サンシェード装置に係り、特にこのシェード本体を電動で移動してウインドを開閉する自動車用サンシェード装置に関する。」(明細書第2ページ第12行~同ページ第16行) (8b) 「前記シェード本体1は、布地の表面に遮熱材としてのアルミニウム皮膜を形成して構成されており、このシェード本体1は、長さの長いガイドレール9B側の先端縁が長さの短いガイドレール9A側の先端縁より前方に突出するように先端縁が巻取軸6の軸線に対し傾斜している。このシェード本体1の先端部には、シェード本体1の両端から突出する骨材19がシェード本体1の先端縁と平行になるように両ガイドレール9A,9Bの長手方向に直交する方向に対し多少傾斜している。さらに、前記骨材19の両端部には、ガイドレール9A,9B内を移動し得る被ガイド部材20,20が嵌着されている。」(明細書第10ページ第3行~同ページ第16行) (8c) 「前記ガイドレール9A内を走行し得る被ガイド部材20の円筒部26には、シェード本体1を駆動するための駆動部材の一例としての前記ギヤードワイヤ27Aの先端部が挿着されており、このギヤードワイヤ27Aはガイドレール9Aの後方に延在している。また、前記ガイドレール9B内を走行し得る被ガイド部材の円筒部26には、シェード本体1を駆動するための他のギヤードワイヤ27Bの先端部が同様に挿着されており、このギヤードワイヤ27Bはガイドレール9Bの後方に延在している。前記ガイドレール9A,9Bの後端には、第1図に示すように、各ギヤードワイヤ27A,27Bの走行をガイドするガイドチューブ48A,48Bが接続されており、このうちガイドチューブ48Aは、前記平歯車41の前方側においてこの平歯車41の接線方向に延在し、このガイドチューブ48A内を走行するギヤードワイヤ27Aがガイドチューブ48Aに形成された図示しない開口を介して平歯車41に噛合するようになっている。一方、前記ガイドチューブ48Bは、前記平歯車41の後方側において前記ガイドチューブ48Aと反対方向から平歯車41の接線方向に延在し、このガイドチューブ48B内を走行するギヤードワイヤ27Bが、ガイドチューブ48Bに形成された図示しない開口を介して平歯車41に噛合するようになっている。しがたって、前記モータ30の駆動に伴なう平歯車41の回転により両ギヤードワイヤ27A,27Bはガイドレール9A,9Bの前方あるいは後方の等しい方向へ等速度で走行されることになる。」(明細書第13ページ第19行~第15ページ第8行) (8d) 甲第8号証の第1図には以下の図が記載されている。 (2) 各甲号証に記載された発明及び技術事項等 ア 甲第1号証に記載された発明 甲第1号証には、 (ア) サンシェードの実施例に関し、サンシェードは巻取り本体1と、この巻取り本体1に巻取り収納される遮光幕2と、この遮光幕2の引出先端に固着された長尺部材3と、この長尺部材3の両端を案内するガイド部材4、5と、前記長尺部材3に連係する可撓性ラック部材6、7と、この可撓性ラック部材6、7を駆動させる駆動部8とで大略構成されていること(摘示(1a))、 (イ) サンシェードは、自動車のリヤウインドウ200に適用したものであること(摘示(1f))、 (ウ) 巻取りドラム11は回転軸13回りに回転すること(摘示(1b))、 (エ) a 遮光幕2は基端部が巻取りドラム11に固定されていること(摘示(1c))、 b リヤパーセル201には遮光幕2の引出し用開口203が設けられていること(摘示(1f))、 c 遮光幕2は、引出し先端を有するものであること(摘示(1d))、 (オ) a 長尺部材3はパイプ31と、このパイプ31の両側開口端からパイプ31内に軸方向に摺動可能に挿入される2個のロッド32、33とを具備していること(摘示(1d))、 b ロッド32、33の摺動によって長尺部材3は伸縮可能となっていること(摘示(1d))、 c パイプ31が遮光幕2の引出し先端に固着されることによって長尺部材3が遮光幕2に取着されること(摘示(1d))、 (カ) 遮光幕2を収納したときには、長尺部材3はその両側ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となっていること(摘示(1f))、 (キ) 遮光状態を解除する際には、駆動部8のピニオン81の回転を逆方向へ回転させ、遮光幕2を捩りばね12のばね力により巻取本体1に巻取ること(摘示(1g))、 (ク) a 巻取り本体1は巻取りドラム11と、この巻取りドラム11を回転付勢する捩りばね12とを具備すること(摘示(1b))、 b 巻取り本体1及び駆動部8はリヤパーセル201の下方に固定されること(摘示(1f))、 (ケ) サンシェードは上方が巾狭くなる略台形の変形窓100に取付けられること(摘示(1a))、 (コ) a 長尺部材3はその両端にあるロッド32及び33の外側端がそれぞれガイド部材4及び5に連係されること(摘示(1d))、 b ガイド部材5に摺動自在に取付けられた摺動子9にロッド33の外側端が枢支されること(摘示(1d))、及び、ロッド32側も同一の連係構造になっていること(摘示(1d))、 c ガイド部材4、5は両側のピラーに設けたスライド溝202内に固定されること(摘示(1f))、 (サ) ロッド32、33は挿入端部32a、33aとキャップ34の透通孔に案内されてパイプ31に対して摺動自在になっていること(摘示(1d))、 が記載されている。 また、甲第1号証において、 (シ) a 摘示(1i)の第2図、上記「(エ)a」、「(エ)c」、「(オ)c」より、遮光幕2の引出し先端は、基端部と反対側の辺をなすものであること、 b 摘示(1i)の第5図(b)及び上記「(エ)b」より、遮光幕2は開口203から引き出すことができること、 c 摘示(1i)の第5図(a)、第5図(b)及び上記「(オ)b」より、パイプ31の両側開口端から摺動可能に挿入される2個のロッド32及び33は、パイプ31に対して伸縮自在に可動であること、 d 上記「(ク)a」より、巻取り本体1は巻取りドラム11と、この巻取りドラム11を回転付勢する捩りばね12とを具備するから、上記「(キ)」の「遮光幕2を捩りばね12のばね力により巻取本体1に巻取ること」は、「遮光幕2を捩りばね12のばね力により巻取りドラム11に巻取ること」を意味していること、 e 摘示(1i)の第5図より、上記「(エ)b」の開口203はリヤパーセル201のほぼ全幅にわたって伸びているといえること、 f 摘示(1i)の第1図及び第2図より、遮光幕2は、上方の引出し先端の巾が狭くなる台形形状であること、 g 摘示(1i)の第2図より、パイプ31の長さが、パイプ31に取り付けられる位置での遮光幕2の辺の長さにほぼ一致すること、 が明らかである。 以上より、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「回転軸13回りに回転する巻取りドラム11と、 開口203から引き出すことができ、基端部が巻取りドラム11に固定され、基端部と反対側の辺である引出し先端を有する遮光幕2と、 遮光幕2の引出し先端が取着される長尺部材3であって、 パイプ31と、パイプ31に対して伸縮自在に可動である2個のロッド32及び33とを具備し、 遮光幕2を収納したときには、ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となる長尺部材3と、 遮光状態を解除する際にピニオン81の回転を逆方向へ回転させる駆動部8と遮光幕2をばね力により巻取りドラム11に巻取る捩りばね12と、 を有し、 巻取りドラム11を具備する巻取り本体1及び駆動部8はリヤパーセル201の下方に固定され、 開口203は、リヤパーセル201に設けられ、リヤパーセル201のほぼ全幅にわたって伸びており、 遮光幕2は、上方の引出し先端の巾が狭くなる台形形状であり、 長尺部材3のロッド32、33の外側端が枢支された摺動子9は、ガイド部材4、5に摺動自在に取付けられ、 ガイド部材4、5は両側のピラーに設けたスライド溝202内に固定され、 パイプ31の長さが、パイプ31に取り付けられる位置での遮光幕2の辺の長さにほぼ一致し、 ロッド32、33は挿入端部32a、33aとキャップ34の透通孔に案内されてパイプ31に対して摺動自在になっている、 自動車のリヤウインドウ200に適用したサンシェード。」 イ 甲第2号証に記載された技術事項 甲第2号証には、 (ア) 遮光装置4は布材からなるロールブラインド5と、ロールブラインド5を巻き取るための巻き取り機構6と、インストルメントパネル2に穿設した長孔7とを主構成とすること(摘示(2a))、 (イ) 長孔7は長手方向をインストルメントパネル2上部のフロントウィンド1に沿わせて穿設してあり、長径はロールブラインド5の幅より長く、短径はロールブラインド5厚より長く設定してあること(摘示(2a))、 (ウ) 巻き取り機構6は巻取軸8と引出具9と取付具10とを主構成としており、巻取軸8は第2図において反時計方向に回転付勢されること(摘示(2a))、 (エ) 引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成すること(摘示(2b))、 (オ) 引出具9にはロールブラインド5の他端部が固定されていること(摘示(2b))、 (カ) ロールブラインド5が巻き取り機構6に巻き取られることを長孔7の開口部の周縁に係合することによって停止させること(摘示(2b))、 が記載されている。 また、上記「(ウ)」及び摘示(2c)の第2図より、上記「(カ)」においてロールブラインド5が巻き取られるのは、巻き取り機構6の巻取軸8であること、 が明らかである。 以上より、甲第2号証には次の技術事項(以下「甲2技術」という。)が記載されていると認められる。 「ロールブラインド5と、ロールブラインド5を巻き取るための巻き取り機構6と、長孔7とを主構成とする遮光装置4において、 長孔7は長手方向をインストルメントパネル2上部のフロントウィンド1に沿わせて穿設し、長径はロールブラインド5の幅より長く、短径はロールブラインド5厚より長く設定し、 引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成し、引出具9にはロールブラインド5の他端部が固定され、 引出具9はロールブラインド5が巻き取り機構6の巻取軸8に巻き取られることを長孔7の開口部の周縁に係合することによって停止させる、技術。」 ウ 甲第3号証に記載された技術事項 摘示(3a)及び(3b)より、甲第3号証には次の技術事項(以下「甲3技術」という。)が記載されていると認められる。 「リヤパーセルシェルフ2において、 サンシェード装置9の上方の表皮材にスクリーン92を引き出すための細巾の開口6があけられ、縁取り材7および7’で縁取られており、 縁取り材で縁取られた開口6の実質的開口巾はスクリーン92の厚さよりわずかに大きく3~5mm程度であり、 スクリーンの巻取り方向と反対縁を係止縁92aとしてこの開口巾よりやや大きな玉縁構造とする、技術。」 エ 甲第4号証に記載された技術事項 甲第4号証には、 (ア) 自動車の後部窓用後部ウィンドウシェードに関し(摘示(4a)【0007】)、 a スリット12は、後部ウィンドウシェルフ11を通って横方向に延び、2つのC-ピラー5の間に延びること(摘示(4b)【0022】)、 b ガイドレール15がC-ピラー5の内部トリム内に配置されること(摘示(4b)【0023】)、 c ウィンドウシェードシート19の一端は、巻取シャフト18に固定され、その他端は、引出ロッド21に結合されること(摘示(4b)【0025】)、 d ガイドレール15は、固定フランジ43を備え、該固定フランジ43には、ガイドスリット45で開放する管状成形体44がその一端に提供されること(摘示(4c)【0033】)、 e ウィンドウシェードシート19の形状は、後部窓カットアウト部7の形状の台形近似に概略対応すること(摘示(4c)【0035】)、 f 2つのガイド部材48が引出ロッド21の前面端に挿入されており、このガイド部材48は、長手方向に取り外し可能な方法で、円筒状シャフト49を引出ロッド21に挿入すること(摘示(4c)【0036】)、 g ガイド部材48が固定リング52を有し、押圧部材46に結合され、管状成形体44内でスライド可能であること(摘示(4c)【0036】)、 が記載されている。 また、甲第4号証には、 (イ) 図9の実施形態(摘示(4e))に関し、 a 引出ロッド21は、実質的に円形の断面を有し、その直径は、後部ウィンドウシェルフ11のスリット12を実質的に埋めるような程度の大きさであること(摘示(4e)【0063】)、 b モータ54が作動され、その結果、ガイドレール15内を案内される引出ロッド21は、スリット12から上方にルーフに向かう方向に移動すること(摘示(4e)【0066】)、 が記載されている。 そして、甲第4号証において、 (ウ) a 摘示(4f)の図1より、上記「(ア)a」のスリット12は、後部ウィンドウシェルフ11の全幅にわたって延びているといえること、 b 摘示(4f)の図5より、上記「(ア)d」の管状成形体44はガイドレール15をなすものであること、 c 上記「(イ)」において、摘示(4e)で特定されていない構造は、上記「(ア)」と同様の構造であること、 が明らかである。 以上より、甲第4号証には次の技術事項(以下「甲4技術」という。)が記載されていると認められる。 「自動車の後部窓用後部ウィンドウシェードにおいて、 スリット12は、後部ウィンドウシェルフ11の全幅にわたって延び、 ガイドレール15がC-ピラー5の内部トリム内に配置され、 管状成形体44はガイドレール15をなすものであり、 2つのガイド部材48が引出ロッド21の前面端に挿入されており、このガイド部材48は、長手方向に取り外し可能な方法で、円筒状シャフト49を引出ロッド21に挿入し、 ガイド部材48が固定リング52を有し、押圧部材46に結合され、管状成形体44内でスライド可能であり、 ウィンドウシェードシート19の一端は、巻取シャフト18に固定され、その他端は、引出ロッド21に結合され、 ウィンドウシェードシート19の形状は、後部窓カットアウト部7の形状の台形近似に概略対応するものであり、 引出ロッド21は、実質的に円形の断面を有し、その直径は、後部ウィンドウシェルフ11のスリット12を実質的に埋めるような程度の大きさである、技術。」 オ 甲第5号証に記載された技術事項 甲第5号証には、 (ア) 遮光装置1は、ヘッドレスト2と、ヘッドレスト2内に形成されたシート収納機構6と、このシート収納機構6によってヘッドレスト2内に入出自在に収納される遮光部材9とを備えて形成されていること(摘示(5a))、 (イ) 遮光部材9は、遮光シート91と、その先端側に設けられた先端桟材93とを備えること(摘示(5b)【0024】)、 (ウ) 遮光シート91の先端に先端桟材93を取り付けること(摘示(5b)【0029】)、 が記載されている。 また、甲第5号証において、 (エ) 摘示(5c)より、先端桟材93には、遮光シート91を固定する連続的な溝が設けられていること、 が明らかである。 以上より、甲第5号証には次の技術事項(以下「甲5技術」という。)が記載されていると認められる。 「ヘッドレスト2と、ヘッドレスト2内に形成されたシート収納機構6と、このシート収納機構6によってヘッドレスト2内に入出自在に収納される遮光部材9とを備えた遮光装置1において、 遮光部材9は、遮光シート91と、その先端側に設けられた先端桟材93とを備え、 遮光シート91の先端に先端桟材93を取り付け、 先端桟材93には、遮光シート91を固定する連続的な溝を設ける、技術。」 カ 甲第6号証に記載された技術事項 甲第6号証には、 (ア) リヤウインドウに適用される電動カーテン装置に関し(摘示(6a)【0014】)、 (イ) 電動カーテン装置1は、カーテン2を常時巻取り方向へ付勢する巻取装置3、巻取装置3に固定的に設けられている左右1対のガイドレール4、巻取装置3から延びるカーテン2の先端が固定されガイドレール4と平行なステー5等で構成されること(摘示(6a)【0015】)、 (ウ) ステー5の両端部には、リヤウインドーを転動可能な1対のコロ28が装着されていること(摘示(6b))、 が記載されている。 以上より、甲第6号証には次の技術事項(以下「甲6技術」という。)が記載されていると認められる。 「リヤウインドウに適用される電動カーテン装置において、 電動カーテン装置1は、カーテン2を常時巻取り方向へ付勢する巻取装置3、巻取装置3に固定的に設けられている左右1対のガイドレール4、巻取装置3から延びるカーテン2の先端が固定されガイドレール4と平行なステー5等で構成され、 ステー5の両端部には、リヤウインドーを転動可能な1対のコロ28が装着されている、技術。」 キ 甲第7号証に記載された技術事項 甲第7号証には、 (ア) 窓ブラインドに関し(摘示(7a)【0001】)、 (イ) a 出口スロット11は後窓ブラインド12に属していること(摘示(7a)【0025】)、 b 面が後窓開口部6の形状に近い台形になっているブラインドシート24が一縁で巻取り軸22に固定され、巻取り軸22から遠くにある縁は、引張り棒26を収容するホース状の管部25に形成されていること(摘示(7b)【0036】)、 (ウ) a 引張り棒26は、実質的に、1つの中央部材27と、これに対して入れ子式に移動可能な2つの端部材28、29とを含むこと(摘示(7b)【0037】)、 b 中央部材27は、楕円状管31であること(摘示(7b)【0038】)、 c 管31のほぼ中央に差動伝動装置の形の芯決め装置35があり、自由に回転可能なピニオン36が芯決め装置35に設けられていること(摘示(7c)【0041】)、 (エ) a 芯決め装置35は、ピニオン36に噛合する2つのラック42及び43を有し、ラック43は、一端で、図示の通り、一体に端部材29のアーム32に移行して行き、他方、他方のラック42は、実質的に同様に、一体に端部材28のアーム32に移行して行くこと(摘示(7c)【0044】)、 b 端部材29が管31に対して長手方向に移動すると、ピニオン36は、ラック43を介して回転され、端部材28は、端部材29とストロークは同じであるが方向が反対の運動を行うこと(摘示(7c)【0046】)、 が記載されている。 また、甲第7号証において、 (オ) 摘示(7a)の【0011】及び上記「(イ)b」の「後窓開口部6」とから、上記「(ア)」の「窓ブラインド」は自動車の後部窓に用いられるものであること、 (カ) 摘示(7d)の図1及び図6より、上記「(イ)a」の「出口スロット11」からブラインドシート24が引き出されること、 (キ) 摘示(7d)の図4より、上記「(エ)a」のピニオン36に噛合する2つのラック42及び43は、それぞれ、端部材28のアーム32及び端部材29のアーム32と一体であること、 が明らかである。 以上より、甲第7号証には次の技術事項(以下「甲7技術」という。)が記載されていると認められる。 「自動車の後部窓に用いられる窓ブラインドにおいて、 台形のブラインドシート24が一縁で巻取り軸22に固定され、巻取り軸22から遠くにある縁は、引張り棒26を収容するホース状の管部25に形成され、 ブラインドシート24が引き出される出口スロット11を有し、 引張り棒26は、実質的に、1つの中央部材27と、これに対して入れ子式に移動可能な2つの端部材28、29とを含み、 中央部材27は、管31であり、そのほぼ中央に差動伝動装置の形の芯決め装置35があり、自由に回転可能なピニオン36が芯決め装置35に設けられ、 ピニオン36に噛合する2つのラック42及び43は、それぞれ、端部材28のアーム32及び端部材29のアーム32と一体であり、 端部材29のアーム32が管31に対して長手方向に移動すると、ピニオン36は、ラック43を介して回転され、端部材28のアーム32は、端部材29のアーム32とストロークは同じであるが方向が反対の運動を行う、技術。」 ク 甲第8号証に記載された技術事項 甲第8号証には、 (ア) 自動車用サンシェード装置に関し(摘示(8a))、 (イ) シェード本体1の先端部には、シェード本体1の両端から突出する骨材19が設けられており、骨材19の両端部には、被ガイド部材20、20が嵌着されていること(摘示(8b))、 (ウ) a ガイドレール9A、9B内を走行し得る被ガイド部材20には、ギヤードワイヤ27A、27Bが挿着されていること(摘示(8c))、 b ギヤードワイヤ27A、27Bはシェード本体1を駆動するための駆動部材であること(摘示(8c))、 (エ) a ガイドレール9A、9Bの後端には、ガイドチューブ48A、48Bが接続されていること(摘示(8c))、 b ガイドチューブ48A、48Bは、ギヤードワイヤ27A、27Bの走行をガイドすること(摘示(8c))、 (オ) a ギヤードワイヤ27A、27Bは平歯車41に噛合すること(摘示(8c))、 b モータ30の駆動に伴なう平歯車41の回転によりギヤードワイヤ27A、27Bは等速度で走行されること(摘示(8c))、 が記載されている。 以上より、甲第8号証には次の技術事項(以下「甲8技術」という。)が記載されていると認められる。 「シェード本体1の先端部に、シェード本体1の両端から突出する骨材19が設けられ、骨材19の両端部には、被ガイド部材20、20が嵌着され、 ガイドレール9A、9B内を走行する被ガイド部材20に、シェード本体1を駆動するための駆動部材であるギヤードワイヤ27A、27Bが挿着され、 ガイドレール9A、9Bの後端には、ギヤードワイヤ27A、27Bの走行をガイドするガイドチューブ48A、48Bが接続され、 ギヤードワイヤ27A、27Bは平歯車41に噛合し、 モータ30の駆動に伴なう平歯車41の回転によりギヤードワイヤ27A、27Bは等速度で走行される、技術。」 (3) 対比・判断 (3-1) 本件発明1について ア 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア) 甲1発明の「巻取りドラム11」は、その機能からみて、本件発明1の「巻き取りシャフト(23)」に相当するから、甲1発明の「回転軸13回りに回転する巻取りドラム11」は本件発明1の「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフト(23)」に相当する。 (イ) a 甲1発明の「開口203」は本件発明1の「スリット(12)」に、「遮光幕2」は「ローラブラインド(19)」に相当する。また、甲1発明の「基端部」は本件発明1の巻き取りシャフト(23)に固定された「一辺」に相当する。 b 甲1発明の「長尺部材3」は本件発明1の「引き出し部材(21)」に相当し、以下同様に、「パイプ31」は「中心部材(39)」に、「2個のロッド32及び33」は「2つの終端部材(41)」に相当する。 c 上記「a」及び「b」の相当関係より、甲1発明の遮光幕2の「引出し先端」は本件発明1の「自由な方の辺」に相当するといえる。 (ウ) a 上記「(イ)a」及び「(イ)c」より、甲1発明の「開口203から引き出すことができ、基端部が巻取りドラム11に固定される遮光幕2」は本件発明1の「スリット(12)から引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフト(23)に固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインド(19)」に相当する。 b 上記「(イ)a」及び「(イ)b」より、甲1発明の「遮光幕2の引出し先端が取着される長尺部材3であって、パイプ31と、パイプ31に対して伸縮自在に可動である2個のロッド32及び33とを具備」することは、本件発明1の「ローラブラインド(19)の自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材(21)であって、中心部材(39)と、当該中心部材(39)に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材(41)とを有して」いることに相当する。 (エ) a 甲1発明の「捩りばね12」は、「遮光幕2をばね力により巻取本体1に巻取る」ものであるから、本件発明1の「前記巻き取りシャフト(23)に前記ローラブラインド(19)を巻き取るために、前記巻き取りシャフト(23)を回転作動させる、巻き取りシャフト用に存在する駆動装置(24)」に相当する。 b 甲1発明の「ピニオン81の回転を逆方向へ回転させる駆動部8」は、その機能からみて本件発明1の「駆動装置(35)」に相当するものといえる。 c 上記「a」及び「b」より、甲1発明の「遮光状態を解除する際にピニオン81の回転を逆方向へ回転させる駆動部8と遮光幕2をばね力により巻取本体1に巻取る捩りばね12」は、本件発明1の「前記巻き取りシャフト(23)に前記ローラブラインド(19)を巻き取るために、前記巻き取りシャフト(23)を回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置(24、35)」に相当する。 (オ) 甲1発明の「自動車のリヤウインドウ200に適用したサンシェード」は本件発明1の「自動車(1)の後部窓用ローラブラインド」に相当する。 イ 以上のことから、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は次のとおりである。 [一致点1] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、 を有する自動車の後部窓用ローラブラインド。」 [相違点1] 本件発明1においては、引き出し部材(21)が、「前記ローラブラインド(19)が前記巻き取りシャフト(23)に巻き取られ、完全に前記スリット(12)内に後退したとき、前記中心部材(39)と前記終端部材(41)とが、前記スリット(12)を閉じるような形状の断面を有している」のに対し、甲1発明では、長尺部材3が、「遮光幕2を収納したときには、ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となる」点。 ウ 判断 上記相違点1について検討する。 (ア) 本件発明1のスリット(12)を「閉じる」との語の解釈について a 特許法施行規則(様式第29の2の備考9)には、特許請求の範囲に関し、「用語は、その有する普通の意味で使用し、かつ、明細書及び特許請求の範囲全体を通じて統一して使用する。ただし、特定の意味において使用しようとする場合において、その意味を定義して使用するときは、この限りでない。」と定められている。 そして、本件特許の明細書において、「閉じる」との語は特段定義されていないから、「その有する普通の意味」で使用されていると理解するのが相当であるところ、本件特許の優先権主張の日前である平成10年11月11日に発行された広辞苑第5版第1刷には「閉じる」との語について、自動詞として、「ふさがる。しまる。」、他動詞として「おおいふさぐ。とざす。しめる。」と記載されている。本件発明1においては、「スリット(12)を閉じる」と目的語を伴って用いられているから、他動詞としての「おおいふさぐ。とざす。しめる。」との意味が該当する。 また、何らかの限定語句(例えば「半分」や「一部」等)を伴って用いられる場合を除いては、「おおいふさぐ」、「とざす」又は「しめる」とは「扉をしめる」と用いられるように、開口等の全てを「おおいふさぐ」、「とざす」又は「しめる」ことであるというのが相当である。 b  ところで、本件特許の明細書をみると、次のような記載がある。 「【0005】 美観上、そして安全上の理由から、ローラブラインドが完全に巻き取られた時に、スリット(ローラブラインドは、取り付けられた際にここを通じて引き出される)を閉じることは有用である。 【0006】 過去において、これはカバーによって実現された。そのカバーは、スリット辺の片方にヒンジ留めされたブラインドを広げる際には、ばねの効力に反発して押し開き、ブラインドを後退させる際には、ばねの効力に反発して閉じるものであった。 … 【0008】 以上の背景から、本発明の課題はカバーを使用しないでスリットを閉じることのできる後部窓用ローラブラインドを創作することである。 … 【0011】 この手段により、以前利用されていたような、スリットを閉じるための付加的なカバーや側部カバーは不要になる。これらカバーや側部カバーでは、中心部材によってスリットは閉じられたが、端部においてはスリットが開いてしまっていた。」 … 【0056】 このような引き出し部材21を備える後部窓用ローラブラインド22が自動車に取り付けられた場合、前述したように、引き出しスリット12を閉じることが可能となり、あるいは、引き出しスリット12に物が落ちない程度に、または、引き出し部材21と引き出しスリット12との間のどのような隙間にも、人が、特に子供が指を挿入することができない程度に、引き出しスリット12を覆うこともできる。」 c 上記「b」より、本件特許の明細書には、 (a) 本件発明1の解決課題は、美観上、そして安全上の理由から、カバーを使用しないでスリットを閉じる(【0005】、【0008】)ことであって、それによって以前利用されていた、スリットを閉じるための付加的なカバーや側部カバーが不要になる(【0011】)ものであること、 (b) 以前利用されていた付加的なカバーや側部カバーは、中心部材によってスリットは閉じられたが、端部においてスリットが開いてしまう(【0011】)ものであったこと、 が記載されているといえる。 d 本件発明1の解決課題に照らしてみれば、カバーを使用しないでスリットを「閉じる」との語が意味するのは、「上記c(b)」のような現象を除いたものであると理解できるから、スリットを「閉じる」との語の技術的意味は、「端部においてスリットが開」かず、かつ、中心部材の部分においてもスリットが開かないこと、すなわち、「スリットの全ての箇所において開いた部分がない」状態にすることを意味すると解釈するのが相当であって、当該解釈は、上記「a」で検討したこととも整合しているし、また、本件特許の図面の図1においてスリットの開いた部分が描かれていないこととも矛盾がない。 e 請求人は上記「第4 2(2)」のように、「閉じる」との語は「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含むものとして解釈すべきと主張する。 しかしながら、請求人が主張の根拠とする本件特許の明細書の【0056】には、 (a) 「引き出しスリット12を閉じることが可能となる」 ことと、 (b) 「引き出しスリット12に物が落ちない程度に、または、引き出し部材21と引き出しスリット12との間のどのような隙間にも、人が、特に子供が指を挿入することができない程度に、引き出しスリット12を覆うこともできる」 こととの2つの事項が記載されているものであって、当該2つの事項の間には、「あるいは」との語があること、及び、「(b)」には「こともできる」と記載されていることからみて、当該【0056】の記載は、「(a)」が本件発明1の実施例について説明したもので、「(b)」は実施例に対する変形例を示したものと理解するのが相当である。 そうすると、請求人の主張のように解釈すべき理由はない。また、他に本件特許の明細書に、「閉じる」との語が(製造上不可避なもの等を除いて)意図的に設けた隙間を有してよいものと解釈すべき記載もない。 f 以上より、本件発明1のスリット(12)を「閉じる」とは、「スリットの全ての箇所において開いた部分がない」状態にすることを意味するものと解釈する。 (イ) そこで、改めて甲1発明についてみると、 a 甲1発明の長尺部材3が「遮光幕2を収納したときには、ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態」は、摘示(1f)の記載のとおり、「摘示(1i)の第5図(a)に示される状態」であるところ、第5図(a)においては、開口203は、右端のロッド32と重なる部分において、開口部203の一部に「隙間」が生じているようにも看取される。 b 当該「隙間」について念のためさらに検討すると、 (a) 第5図(a)において、パイプ31の径と開口203の幅(車体前後方向の距離)がほぼ等しいこと、及び、パイプ31よりもロッド32及び33の径が細いこと、が看取されるから、パイプ31よりも細いロッド32は、当然に開口203の幅よりも細いものといえる。 (b) また、「パイプ31の長さが、パイプ31に取り付けられる位置での遮光幕2の辺の長さにほぼ一致」するところ、「台形形状」の遮光幕2を引き出すために、開口部203の長さ(車体左右方向の距離)はパイプ31よりも必然的に長くなる(第5図(b)からも看取できる。)から、開口部203の長さ方向において、パイプ31によって覆うことができない部分が生じるものである。 よって、上記「(a)」及び「(b)」より、開口203には、パイプ31によっては覆うことができない(「スリットの全ての箇所において開いた部分がない」状態にすることができない)部分があり、当該部分は開口203よりも細い右端のロッド32が重なっているのであるから、当該部分には「隙間」が生じているものといえる。 c そうすると、当該隙間が生じている、甲1発明の「ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態」は、上記「(ア)」でいう「閉じ」られたものではないことが明らかである。 d なお、仮に請求人の主張するように、「閉じる」との語が「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含む意味であるとしても、甲第1号証には、当該「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とすることは記載も示唆もされていない。 e 以上より、本件発明1と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (ウ) 次に、上記相違点1に係る本件発明1の構成が、当業者が容易に発明をすることができたものかを検討する。 a 本件発明1と甲2技術を対比する。 (a) 甲2技術の「ロールブラインド5」は本件発明1の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「長孔7」は「スリット(12)」に、「引出具9」は「引き出し部材(21)」にそれぞれ相当する。 また、甲2技術の「引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成」するものであって、「引出具9は長孔7の開口部の周縁に係合する」状態においては、長孔7は「全ての箇所において開いた部分がない」といえるから、当該引出具9は長孔7を「閉じる」ような形状であるといえる。 そうすると、甲2技術の「引出具9」が「平板形状を形成」することは、本件発明1の「引き出し部材(21)」が「スリット(12)を閉じるような形状の断面を有している」ことに相当するといえる。 (b) しかしながら、甲2技術の「引出具9」は、本件発明1の「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないものであるから、甲2技術は「前記中心部材(39)と前記終端部材(41)とが」スリットを閉じるものでない点で上記相違点1に係る本件発明1の構成と相違する。 (c) 本件発明1の引き出し部材(21)は、「中心部材(39)に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材(41)」からなる複雑な構造を有するものであって、そのような複雑な構成を前提として「前記中心部材(39)と前記終端部材(41)とが、前記スリット(12)を閉じる」もの、すなわち、中心部材と可動な終端部材との両方の部材によって、スリットの全ての箇所において開いた部分がない状態を達成するものである。 一方、甲2技術の、可動な部材のない「引出具9」は、本件発明1のような複雑な構造を有するものではないのであるから、甲2技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできない。 (d) また、仮に「閉じる」との語が「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含む意味であるとしても、甲2技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲2技術を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 b 本件発明1と甲3技術を対比する。 (a) 甲3技術の「スクリーン92」は本件発明1の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「開口6」は「スリット(12)」に、「係止縁92a」は「引き出し部材(21)」にそれぞれ相当する。 (b) しかしながら、甲3技術の「係止縁92a」は、本件発明1の「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないから、上記「a」で検討した甲2技術と同様に、甲3技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできないし、甲3技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲3技術を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 請求人の主張について 請求人は上記「第4 2(3)」において、「カバーを使用しないでスリットを閉じる」という課題は当業者にとってごく一般的な課題に過ぎないことを主張しているから、この点について検討する。 (a) 請求人は「第4 2(3)ア」において、甲第2号証に「引出具9は長孔7をインストルメントパネル2の上方から覆う平板形状を形成し」との記載があり、また第2図より、引出具9が長孔7を閉じる形状が看取されることをもって、当該課題が当業者にとってごく一般的な課題に過ぎない、と主張するが、仮にその主張のとおりであったとしても、上記「a」で検討したとおり、甲1発明及び甲2技術からは、相違点1に係る本件発明1の構成に至らないものである。 (b) また、請求人は当該課題が当業者にとってごく一般的な課題に過ぎないことを、「第4 2(3)イ」において甲第5号証と、補強証拠として提出した甲第9号証及び甲第10号証とに基づいて主張し、さらに、「第4 2(3)ウ」では甲第4号証の記載を引用して主張する。 しかしながら、甲第4号証、甲第5号証、甲第9号証及び甲第10号証等から、仮に「カバーを使用しないでスリットを閉じる」という課題が当業者にとって一般的なものであったといえるとしても、「上記a(c)」で述べたのと同様に、当該課題は、中心部材と可動な終端部材とを有する複雑な構造を有するものにおいて、中心部材と可動な終端部材の両方の部材によって、スリットの全ての箇所において開いた部分がない状態を達成するというものではないから、請求人が主張するような課題を当業者が認識したとしても、上記「a」及び「b」の結論に影響を及ぼすものとはいえない。 エ 小括 以上より、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明1は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-2) 本件発明2について ア 本件発明2と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明2は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明2と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) a 甲1発明の「リヤパーセル201」は本件発明2の「後部座席棚(11)」に相当する。 b 甲1発明の「巻取りドラム11」は「回転軸13回りに回転する」ものであるから、上記「a」の相当関係より、甲1発明の「巻取りドラム11を具備する巻取り本体1」は「リヤパーセル201の下方に固定され」ることは、本件発明2の「巻き取りシャフト(23)は後部座席棚(11)の下に回転可能に取り付けられている」ことに相当する。 よって、本件発明2と甲1発明とは、次の一致点2で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点2] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記巻き取りシャフトは後部座席棚の下に回転可能に取り付けられている、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明2と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明2は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明2の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明2は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明2は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-3) 本件発明3について ア 本件発明3と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明3は請求項2を引用するから、上記「(3-2)」の本件発明2と甲1発明との相当関係は、本件発明3と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) 甲1発明の「開口203は、リヤパーセル201に設けられ、リヤパーセル201のほぼ全幅にわたって伸びて」いることは、本件発明3の「スリットは前記後部座席棚内に存在し、前記後部座席棚の全幅にわたって伸びている」ことと、「スリットは前記後部座席棚内に存在」する限度で一致する。 よって、本件発明3と甲1発明とは、次の一致点3で一致し、上記相違点1及び次の相違点3で相違している。 [一致点3] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記巻き取りシャフトは後部座席棚の下に回転可能に取り付けられ、 前記スリットは前記後部座席棚内に存在する、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 [相違点3] 「スリット」に関し、本件発明3は、「前記後部座席棚の全幅にわたって伸びている」のに対し、甲1発明の「開口203」は、「リヤパーセル201のほぼ全幅にわたって伸びて」いる点。 イ 判断 (ア) 相違点1について判断する。 a 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明3の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 本件発明3と甲4技術を対比する。 (a) 甲4技術の「ウィンドウシェードシート19」は本件発明3の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「スリット12」は「スリット(12)」に、「引出ロッド21」は「中心部材(39)」に、「2つのガイド部材48」は「終端部材(41)」に、「巻取シャフト18」は「巻き取りシャフト(23)」にそれぞれ相当する。 (b) しかしながら、甲4技術の「2つのガイド部材48」は、その間に空間が存在し(摘示(4f)の図5参照)、「2つのガイド部材48」によっては、スリット12を「閉じる」ことができないことが明らかであるから、甲4技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできない。 (d) また、仮に「閉じる」との語が「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含む意味であるとしても、甲4技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲4技術を適用して、相違点1に係る本件発明3の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 以上より、相違点1に係る本件発明3の構成は、甲1発明、甲第2号証~甲第4号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点3について検討する。 自動車の後部窓用ローラブラインドにおいて、そのスリットの幅は覆うべき窓の大きさ(ブラインドの幅)等に応じて当業者が適宜定めるものであって、例えば甲4技術も「スリット12は、後部ウィンドウシェルフ11の全幅にわたって延び」るものであるから、甲1発明において、開口203を、リヤパーセル201の「全幅」にわたって伸びるように構成することは、当業者にとって容易である。 ウ 小括 以上より、本件発明3は甲1発明、甲第2号証~甲第4号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-4) 本件発明4について ア 本件発明4と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明4は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明4と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) a 甲1発明の「遮光幕2は、上方の引出し先端の巾が狭くなる台形形状であ」ることは、本件発明4の「ローラブラインド(19)は台形部分を有して」いることに相当する。 b 甲1発明の「引出し先端」は、「長尺部材3」に「取着される」から、甲1発明の「遮光幕2は、上方の引出し先端の巾が狭くなる台形形状であ」ることは、本件発明4の「ローラブラインド(19)は台形部分を有しており、その短い方の辺を前記引き出し部材(21)に固定されている」ことに相当する。 よって、本件発明4と甲1発明とは、次の一致点4で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点4] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記ローラブラインドは台形部分を有しており、その短い方の辺を前記引き出し部材に固定されている、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明4と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明4は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明4の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明4は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明4は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-5) 本件発明5について ア 本件発明5と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明5は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明5と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) a 甲1発明の「ガイド部材4、5」は、本件発明5の「案内レール(16、25)」に相当する。 b 上記「a」の相当関係より、甲1発明の「長尺部材3のロッド32、33の外側端が枢支された摺動子9は、ガイド部材4、5に摺動自在に取付けられ」ることは、本件発明5の「引き出し部材(21)は案内レール(16、25)内を案内される」ことに相当する。 よって、本件発明5と甲1発明とは、次の一致点5で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点5] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 引き出し部材は案内レール内を案内される、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明5と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明5は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明5の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明5は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明5は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-6) 本件発明6について ア 本件発明6と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明6は請求項5を引用するから、上記「(3-5)ウ」の相当関係が成り立つ。 (イ) a 甲1発明の「ピラー」は、本件発明6の「自動車(1)の内部ライニング部材(15)」に相当する。 b 上記「a」の相当関係より、甲1発明の「ガイド部材4、5は両側のピラーに設けたスライド溝202内に固定され」ることは、本件発明5の「案内レール(16、25)は前記自動車(1)の内部ライニング部材(15)内に一体化されている」ことに相当する。 よって、本件発明6と甲1発明とは、次の一致点6で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点6] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 引き出し部材は案内レール内を案内され、 前記案内レールは前記自動車の内部ライニング部材内に一体化されている、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明6と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明6は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明6の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明6は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明6は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-7) 本件発明7について ア 本件発明7と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明7は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明7と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明7と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点7で相違している。 [相違点7] 本件発明7は、「前記引き出し部材(21)は、スリット辺(17、18)の距離として計測される、前記スリット(12)と同じかそれ以上の幅を有している」のに対し、甲1発明では、そのように特定されていない点。 イ 判断 (ア) 本件発明7と甲1発明との間には、上記相違点1及び7が存在するから、本件発明7は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明7の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ) 相違点7について検討する。摘示(1i)の第5図(a)においては、長尺部材3のパイプ31に相当する部分が、開口203に入り込んでいるように看取されるし、ロッド32の幅方向には、開口203の隙間が看取されるから、甲1発明のロッド32は開口203よりも狭い幅のものである。 そして上記「(3-1)ウ(ウ)」で述べたとおり、甲2技術及び甲3技術は、本件発明7の「引き出し部材(21)」を構成する「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないのであるから、甲2技術及び甲3技術は、上記相違点7に係る本件発明7の構成を充足しない。 よって、相違点7に係る本件発明7の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明7は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明7は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-8) 本件発明8について ア 本件発明8と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明8は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明8と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明8と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点8で相違している。 [相違点8] 本件発明8は、「前記引き出し部材(21)の前記中心部材(39)はアルミ製の押し出し成形部材である」のに対し、甲1発明の長尺部材3のパイプ31は、そのように特定されたものではない点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明8の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点8について検討する。 アルミ製の管状部材を押し出し成形によって製造することは慣用技術であるし、甲1発明のパイプ31の具体的な材質は、当業者が適宜定めるものといえるから、甲1発明において、パイプ31の材料として、自動車部品に慣用されているアルミを選択すること、及び、その際に上記慣用技術に鑑みて、パイプ31をアルミ製の押し出し成形部材とすることは、当業者が適宜なしうる設計変更の範囲の事項といえる。 相違点8に係る本件発明8の事項は、甲1発明、甲第2号証の記載事項、甲第3号証の記載事項及び慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 小括 本件発明8は甲1発明、甲第2号証の記載事項、甲第3号証の記載事項及び慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-9) 本件発明9について ア 本件発明9と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明9は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明9と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) 甲1発明のパイプ31は中空部材である(摘示(1i)の第2図参照)といえるから、「長さ方向に連続した空間」を有するものである。そうすると、甲1発明の「パイプ31」は本件発明9の「長さ方向に連続した空間(47)を有している」「中心部材(39)」に相当する。 よって、本件発明9と甲1発明とは、次の一致点9で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点9] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、 を有し、 中心部材は、長さ方向に連続した空間を有している、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明9と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明9は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明9の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明9は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明9は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-10) 本件発明10について ア 本件発明10と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明10は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明10と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明10と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点10で相違している。 [相違点10] 本件発明10は、「前記引き出し部材(21)の前記中心部材(39)はその側面に、前記中心部材(39)の長さ方向に連続している、少なくとも2つの案内溝(44,45)を有している」のに対し、甲1発明の長尺部材3は、そのように特定されていない点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明10の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点10について検討する。請求人は「長さ方向に連続した空間を、パイプ31の側面に設けるかどうか、少なくとも2つとするかどうかは設計的事項に過ぎない。」(審判請求書第35ページ第4行~第5行)と主張するが、請求人は当該事項が設計的事項である証拠等を一切示していないから、請求人の示した証拠によっては、相違点10に係る本件発明10の事項が、設計的事項であるとはいえない。また、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点10に係る本件発明10の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明10は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-11) 本件発明11について ア 本件発明11と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明11は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明11と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明11と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点11で相違している。 [相違点11] 本件発明11は、「前記中心部材(39)は、そこに前記ローラブラインド(19)が固定されている、連続的な溝(46)を有している」のに対し、甲1発明の長尺部材3は、そのように特定されていない点。 イ 判断 (ア) 相違点1について判断する。 a 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明11の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 本件発明3と甲5技術を対比する。 (a) 甲5技術の「遮光シート91」は本件発明13の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「先端桟材93」は「引き出し部材(21)」に相当する。 (b) しかしながら、甲5技術の「先端桟材93」は、本件発明11の「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないものであるから、上記「(3-1)ウ(ウ)a」で検討したのと同様に、甲5技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできない。 (c) また、仮に「閉じる」との語が「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含む意味であるとしても、甲5技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲5技術を適用して、相違点1に係る本件発明11の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 以上より、相違点1に係る本件発明11の構成は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第5号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点11について検討する。 甲5技術の「先端桟材93には、遮光シート91を固定する溝を設ける」との事項に関し、甲5技術の「先端桟材93」は本件発明11の「引き出し部材(21)」に相当し、同様に、「遮光シート91」は「ローラブラインド(19)」に、「連続的な溝」は「連続的な溝(46)」に相当するから、甲5技術の上記事項は、上記相違点11に係る本件発明11の構成と、「ローラブラインドを取り付ける部材には、そこに前記ローラブラインドが固定されている、連続的な溝を有している」限度で一致する。 そして、甲1発明と甲5技術はともに自動車の遮光装置に関する技術であるから、甲5技術を甲1発明に適用する動機付けも十分にあるといえ、その際に、甲5技術を、甲1発明の遮光幕2が取り付けられる部材である、パイプ31に対して適用することは、当業者が適宜なし得る設計変更である。 そうすると、甲5技術を甲1発明に適用して相違点11に係る本件発明11の構成に想到することは、当業者にとって容易である。 ウ 小括 本件発明11は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第5号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-12) 本件発明12について ア 本件発明12と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明12は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明12と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) 甲1発明の「パイプ31の長さが、パイプ31に取り付けられる位置での遮光幕2の辺の長さにほぼ一致」することは本件発明12の「中心部材(39)の長さは、少なくとも前記巻き取りシャフト(23)から遠い方の前記ローラブラインド(19)の辺の長さにほぼ一致する」ことに相当する。 よって、本件発明12と甲1発明とは、次の一致点12で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点12] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 中心部材(39)の長さは、少なくとも前記巻き取りシャフト(23)から遠い方の前記ローラブラインド(19)の辺の長さにほぼ一致する、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明12と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明12は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明12の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明12は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明12は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-13) 本件発明13について ア 本件発明13と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明13は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明13と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明13と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点13で相違している。 [相違点13] 本件発明13は、「前記中心部材(39)は、その長さ方向と垂直にみた時、高さが幅よりも小さい外形を有する」のに対し、甲1発明では、そのように特定されていない点。 イ 判断 (ア) 相違点1について判断する。 a 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明13の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 本件発明13と甲6技術を対比する。 (a) 甲6技術の「カーテン2」は本件発明13の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「ステー5」は「引き出し部材(21)」に相当する。 (b) しかしながら、甲6技術は、本件発明13の「スリット(12)」に相当する構成を有していないし、また、甲6技術の「ステー5」は、本件発明13の「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないものであるから、上記「(3-1)ウ(ウ)a」で検討したのと同様に、甲6技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできないし、甲6技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲6技術を適用して、相違点1に係る本件発明13の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 以上より、相違点1に係る本件発明13の構成は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第6号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点13について検討する。請求人は、甲第6号証にステー5の高さが幅より小さい構成が記載されている、と主張している(審判請求書の第36ページ第8行~第10行)。しかしながら、甲6技術のステー5は、コロ28が装着されたものであって、摘示(6b)の図3等によっては、その高さと幅の関係は必ずしも明らかではないし、また、甲6技術は、その両側に伸縮自在なロッド等を有するものではないし、また、カーテン2をスリット等の隙間を通過させる構造を有するものではないから、甲1発明に甲6技術を適用する動機付けがあるともいえない。 そうすると、相違点13に係る本件発明13の事項は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第6号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明13は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第6号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-14) 本件発明14について ア 本件発明14と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明14は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明14と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明14と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点14で相違している。 [相違点14] 本件発明14は、「適切な前記終端部材(41)の部材(52、55)は、前記中心部材(39)内を長さ方向に延びている溝(44、45)内で、可動式に支持されている」のに対し、引用発明1-14では、「ロッド32、33は挿入端部32a、33aとキャップ34の透通孔に案内されてパイプ31に対して摺動自在になっている」点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明14の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点14について検討する。請求人は「ロッド(32,33)を溝内で支持するかパイプ31内の空間で支持するかは設計的事項に過ぎない。」(審判請求書第36ページ第21行~第22行)と主張するが、請求人は当該事項が設計的事項である証拠等を一切示していないから、請求人の示した証拠によっては、相違点14に係る本件発明14の事項が、設計的事項であるとはいえない。また、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点14に係る本件発明14の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明14は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-15) 本件発明15について ア 本件発明15と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明15は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明15と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明15と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点15で相違している。 [相違点15] 本件発明15は、「前記終端部材(41)は、樋状に近い形状をしており、ベース(48)と、当該ベース(48)上に形成される2つの側壁(49)と、前記中心部材(39)の方向に突出し、当該中心部材(39)の対応する空間内を長さ方向に伸縮自在である案内バー(56)と、を備え、前記側壁(49)は、前記終端部材(41)の長さ方向に伸びる開口部(51)を有し、当該開口部(51)は2つの開口辺(52、53)により形づけられている」のに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明15の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点15について検討する。請求人は「ある長尺部材の端部に、他の部材を可動式に支持する構成としては、多種多様な構成が周知・慣用されており、上記構成も、そのような周知・慣用されている構成の一つに過ぎない。」(審判請求書第37ページ第8行~第11行)と主張するが、請求人の示した証拠によっては、相違点15に係る本件発明15の構成が周知・慣用されている構成の一つであるとはいえない。また、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点15に係る本件発明15の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明15は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-16) 本件発明16について ア 本件発明16と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明16は請求項15を引用するから、上記「(3-15)」の本件発明15と甲1発明との相当関係は、本件発明16と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明16と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1、相違点15及び次の相違点16で相違している。 [相違点16] 本件発明16は、「前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも一つの溝(44)に支持されている」のに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明15の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点15については、上記「(3-15)」で述べたとおりであるから、相違点15に係る本件発明15の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ) そして、相違点16に係る本件発明16の構成は、相違点15の「開口辺」をさらに限定するものであって、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点16に係る本件発明16の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明16は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-17) 本件発明17について ア 本件発明17と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明17は請求項15を引用するから、上記「(3-15)」の本件発明15と甲1発明との相当関係は、本件発明17と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明17と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1、相違点15及び次の相違点17で相違している。 [相違点17] 本件発明17は、「案内部材(28)が前記終端部材(41)のベース(48)から突き出している」のに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 本件発明17と甲1発明との間には、上記相違点1、相違点15及び相違点17が存在するから、本件発明17は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明17の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ) 相違点15については、上記「(3-15)」で述べたとおりであるから、相違点15に係る本件発明17の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ) そして、相違点17に係る本件発明17の構成は、相違点15の「終端部材」をさらに限定するものであって、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点17に係る本件発明17の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明17は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-18) 本件発明18について ア 本件発明18と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明18は請求項17を引用するから、上記「(3-17)」の本件発明17と甲1発明との相当関係は、本件発明18と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明18と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1、相違点15、相違点17及び次の相違点18で相違している。 [相違点18] 本件発明18は、「前記案内部材(28)は前記終端部材(41)と固定されており、前記中心部材(39)と前記案内部材(28)の隙間は、前記終端部材(41)の前記側壁(49)によって上部を視覚的に覆われている」のに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 本件発明18と甲1発明との間には、上記相違点1、相違点15、相違点17及び相違点18が存在するから、本件発明18は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明18の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ) 相違点15については、上記「(3-15)」で述べたとおりであるから、相違点15に係る本件発明18の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ) 相違点17については、上記「(3-17)」で述べたとおりであるから、相違点17に係る本件発明18の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (オ) そして、相違点18に係る本件発明18の構成は、相違点17の「案内部材」をさらに限定するものであって、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点18に係る本件発明18の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明18は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-19) 本件発明19について ア 本件発明19と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明19は請求項15を引用するから、上記「(3-15)」の本件発明15と甲1発明との相当関係は、本件発明19と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明19と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1、相違点15及び次の相違点19で相違している。 [相違点19] 本件発明19は、「前記終端部材(41)には細長い前記案内バー(56)が存在し、当該案内バー(56)は前記終端部材(41)の前記開口部(51)と整列して配置され、前記中心部材(39)の対応する通路(47)内を長さ方向に伸縮自在に動けるように案内され、前記終端部材(41)は、前記案内バー(56)を含めて一つの部材として射出成形されたプラスチック製鋳造部材である」のに対し、甲1発明では、そのような構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 本件発明19と甲1発明との間には、上記相違点1、相違点15及び相違点19が存在するから、本件発明19は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明19の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (ウ) 相違点15については、上記「(3-15)」で述べたとおりであるから、相違点15に係る本件発明19の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (エ) そして、相違点19に係る本件発明19の構成は、相違点15の「終端部材」をさらに限定するものであって、当該事項は、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも記載されていない。 そうすると、相違点19に係る本件発明19の事項は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明19は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-20) 本件発明20について ア 本件発明20と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明20は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明20と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明20と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1及び次の相違点20で相違している。 [相違点20] 本件発明20では、「歯付きラック(66、71)が前記終端部材(41)のそれぞれと接続されている」のに対し、甲1発明は、当該構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 相違点1について判断する。 a 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明20の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 本件発明20と甲7技術を対比する。 (a) 甲7技術の「台形のブラインドシート24」は本件発明20の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「出口スロット11」は「スリット(12)」に、「引張り棒26」は「引き出し部材(21)」に、「中央部材27」は「中心部材(39)」に、「2つの端部材28、29」は「終端部材(41)」にそれぞれ相当する。 (b) しかしながら、甲第7号証には、「中央部材27」及び「2つの端部材28、29」が「出口スロット11」を「閉じる」ことについては記載も示唆もされていないから、甲7技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできない。 (c) また、仮に「閉じる」との語が「物が落ちない程度、又は指を挿入することができない程度の隙間が生じている場合」を含む意味であるとしても、甲7技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲7技術を適用して、相違点1に係る本件発明20の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 以上より、相違点1に係る本件発明20の構成は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第7号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点20について検討する。 a 甲7技術と本件発明20を対比する。 (a) 甲7技術の「ラック42及び43」は本件発明20の「歯付きラック(66、71)」に相当し、同様に、「端部材28のアーム32及び端部材29のアーム32」は「終端部材(41)」に相当する。 (b) 以上より、甲7技術の「ピニオン36に噛合する2つのラック42及び43は、それぞれ、アーム32及び33と一体であ」ることは、本件発明20の「ラック42及び43を、端部材28、29のアーム32と一体に構成する」ことに相当する。 b そして、甲1発明と甲7技術は、ともに自動車の後部窓に用いられる窓ブラインドに関するものであるから、甲7技術を甲1発明に適用して相違点20に係る本件発明20の構成に想到することは当業者が容易になし得ることである。 ウ 小括 本件発明20は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第7号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-21) 本件発明21について ア 本件発明21と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明21は請求項20を引用するから、上記「(3-20)」の相当関係は、本件発明21と甲1発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明21と甲1発明とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1、相違点20及び次の相違点21で相違している。 [相違点21] 本件発明21では、「2つの前記終端部材(41)の2つの前記歯付きラック(66、71)と前記中心部材(39)に回転可能に取り付けられているギア(67)とは差動歯車を構成し、前記中心部材(39)に対する前記終端部材(41)の動きは、もう片方の前記終端部材(41)に対して、逆方向に同じ大きさの動きを生じる」のに対し、甲1発明は、当該事項を有していない点。 イ 判断 (ア) 相違点1については、上記「(3-1)」及び「(3-20)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明21の構成は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第7号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点20については、上記「(3-20)」で述べたとおりであるから、甲7技術を甲1発明に適用して相違点20に係る本件発明20の構成に想到することは当業者が容易になし得ることである。 (ウ) 相違点21について検討する。 a 本件発明21と甲7技術を対比する。 (a) 上記「(3-20)」で対比した事項に加えて、甲7発明の「中央部材27」及び「管31」は本件発明21の「中心部材(39)」に相当し、以下同様に、「ピニオン36」は「ギア(67)」に相当し、「ピニオン36」及び「ラック42及び43」は「差動歯車」に相当する。 (b) 以上より、甲7技術の「端部材29が管31に対して長手方向に移動すると、ピニオン36は、ラック43を介して回転され、端部材28は、端部材29とストロークは同じであるが方向が反対の運動を行う」ことは、本件発明21の「2つの前記終端部材(41)の2つの前記歯付きラック(66、71)と前記中心部材(39)に回転可能に取り付けられているギア(67)とは差動歯車を構成し、前記中心部材(39)に対する前記終端部材(41)の動きは、もう片方の前記終端部材(41)に対して、逆方向に同じ大きさの動きを生じる」ことに相当する。 b そして、甲1発明と甲7技術は、ともに自動車の後部窓に用いられる窓ブラインドに関するものであるから、甲7技術を甲1発明に適用して相違点21に係る本件発明21の構成に想到することは当業者が容易になし得ることである。 ウ 小括 本件発明21は、甲1発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第7号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-22) 本件発明22について ア 本件発明22と甲1発明とを対比する。 (ア) 本件発明22は請求項1を引用するから、上記「(3-1)」の本件発明1と甲1発明との相当関係は、本件発明22と甲1発明においても同様に成り立つ。 (イ) 本件発明22の「ローラブラインド(19)を巻き取る用途で前記巻き取りシャフト(23)にバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフト(23)に接続されたばねモータ(24)」との事項に関し、 a 甲1発明の「捩りばね12」は、「遮光幕2をばね力により巻取本体1に巻取る」ものであるから、上記「(3-1)ア(オ)a」のとおり、本件発明1の「前記巻き取りシャフト(23)に前記ローラブラインド(19)を巻き取るために、前記巻き取りシャフト(23)を回転作動させる、巻き取りシャフト用に存在する駆動装置(24)」に相当するものである。 b そして、甲1発明の「捩りばね12」は、「巻取りドラム11は捩りばね12により付勢されて回転軸13回りに回転する」(摘示(1b))ものであるから、本件発明22の「ローラブラインド(19)を巻き取る用途で前記巻き取りシャフト(23)にバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフト(23)に接続されたばねモータ(24)」に相当する。 よって、本件発明22と甲1発明とは、次の一致点22で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点22] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記ローラブラインドを巻き取る用途で前記巻き取りシャフトにバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフトに接続されたばねモータが前記駆動装置に含まれる、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明22と甲1発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明22は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明22の構成は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明22は、甲第1号証に記載された発明(甲1発明)ではない。また、本件発明22は甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-23) 本件発明23について ア 甲第1号証には、さらに、 (ア) サンシェードは、長尺部材3に連係する可撓性ラック部材6、7と、この可撓性ラック部材6、7を駆動させる駆動部8を有すること(摘示(1a)及び「(2)ア(ア)」)、 (イ) 可撓性ラック部材7(6)は長尺基材71の一側面に等ピッチの歯72が設けられたものであり、窓等の形状に沿った折曲が容易となっていること(摘示(1e))、 (ウ) 駆動部8はピニオン81とこのピニオン81を回動させるモータ等を含む機構部82とがケーシング83内に組み込まれて形成されていること(摘示(1e))、 (エ) 可撓性ラック部材6、7は各部材6、7の歯71を対抗させて平行に駆動部8内に導入され、ピニオン81に噛合すること(摘示(1e))、 (オ) 可撓性ラック部材6、7は駆動部8によって駆動すること(摘示(1e))、 (カ) 可撓性ラック部材の他の実施例として、可撓性ラック部材7’はケーブル71’にコイル72’を等ピッチで密接巻きして形成され、コイル72’が前述した可撓性ラック部材7の歯72に相当し、可撓性ラック部材7と同様に駆動部8のピニオン81に噛合してピニオン81の回転で直線運動すること(摘示(1h))、 が記載されている。 そして、甲第1号証において、 (キ) 上記「(カ)」の可撓性ラック部材7’は、可撓性ラック部材6、7の代わりに用いることができること、 (ク) 上記「(カ)」の可撓性ラック部材7’は、技術常識に照らして、可撓性ラック部材6、7と同様に窓等の形状に沿った折曲(上記「(イ)」)が容易であること、 が明らかである。 イ 上記「ア」及び「(2)ア」より、甲第1号証には次の発明(以下「甲1-23発明」という。)が記載されていると認められる。 「回転軸13回りに回転する巻取りドラム11と、 開口203から引き出すことができ、基端部が巻取りドラム11に固定され、基端部と反対側の辺である引出し先端を有する遮光幕2と、 遮光幕2の引出し先端が取着される長尺部材3であって、 パイプ31と、パイプ31に対して伸縮自在に可動である2個のロッド32及び33とを具備し、 遮光幕2を収納したときには、ロッド32及び33を開口203の両側のリヤパーセル201の上面に当接させた状態となる長尺部材3と、 遮光状態を解除する際にピニオン81の回転を逆方向へ回転させる駆動部8と遮光幕2をばね力により巻取りドラム11に巻取る捩りばね12と、 を有し、 巻取りドラム11を具備する巻取り本体1及び駆動部8はリヤパーセル201の下方に固定され、 開口203は、リヤパーセル201に設けられ、リヤパーセル201のほぼ全幅にわたって伸びており、 遮光幕2は、上方の引出し先端の巾が狭くなる台形形状であり、 長尺部材3のロッド32、33の外側端が枢支された摺動子9は、ガイド部材4、5に摺動自在に取付けられ、 ガイド部材4、5は両側のピラーに設けたスライド溝202内に固定され、 パイプ31の長さが、パイプ31に取り付けられる位置での遮光幕2の辺の長さにほぼ一致し、 ロッド32、33は挿入端部32a、33aとキャップ34の透通孔に案内されてパイプ31に対して摺動自在になっており、 長尺部材3に連係する可撓性ラック部材7’と、この可撓性ラック部材7’を駆動させる駆動部8を有し、 可撓性ラック部材7’はケーブル71’にコイル72’を等ピッチで密接巻きして形成され、折曲が容易となっており、 駆動部8はピニオン81とこのピニオン81を回動させるモータ等を含む機構部82とがケーシング83内に組み込まれて形成され、 可撓性ラック部材7’は可撓性ラック部材7’のコイル72’を対抗させて平行に駆動部8内に導入され、ピニオン81に噛合し、 可撓性ラック部材7’は駆動部8によって駆動する、 自動車のリヤウインドウ200に適用したサンシェード。」(下線は甲1発明と異なる部分を示したものである。) ウ 本件発明23と甲1-23発明とを対比する。 (ア) 本件発明23は請求項22を引用するものであって、また、甲1-23発明は甲1発明の特定事項を全て含むものであるから、上記「(3-22)」の本件発明22と甲1発明との相当関係は、本件発明23と甲1-23発明においても同様に成り立つ。 (イ) 甲1-23発明の「可撓性ラック部材7’」は本件発明23の「棒状の作動要素(37、38)」に相当する。 (ウ) 甲1発明において、「駆動部8」は本件発明1の「駆動装置(35)」に相当するものであったところ(「(3-1)ア(オ)b」)、甲1-23発明の「駆動部8はピニオン81とこのピニオン81を回動させるモータ等を含む機構部82とがケーシング83内に組み込まれて形成され、可撓性ラック部材7’は各部材6、7のコイル72’を対抗させて平行に駆動部8内に導入され、ピニオン81に噛合」することは、本件発明23の「駆動装置(35)は棒状の作動要素(37、38)を介して前記引き出し部材(21)と接続されているギアモータ(35)を備える」ことに相当する。 よって、本件発明23と甲1-23発明とは、次の一致点23で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点23] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記ローラブラインドを巻き取る用途で前記巻き取りシャフトにバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフトに接続されたばねモータが前記駆動装置に含まれ、 前記駆動装置は棒状の作動要素を介して前記引き出し部材と接続されているギアモータを備える、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 エ 判断 (ア) 本件発明23と甲1-23発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明23は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明23の構成は、甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ 小括 本件発明23は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。また、本件発明23は甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-24) 本件発明24について ア 本件発明24と甲1-23発明とを対比する。 (ア) 本件発明24は請求項23を引用するから、上記「(3-23)」の本件発明23と甲1-23発明との相当関係は、本件発明24と甲1-23発明においても同様に成り立つ。 (イ) a 甲1-23発明の「コイル72’」は可撓性ラック部材7の「歯72」に相当すものである(上記「(3-23)ア(カ)」)から、「可撓性ラック部材7’」は本件発明24の「歯付きラック」に相当する。 b (a) 本件発明24の「回転的に対称」との事項に関し、本件特許の明細書の【0037】の「移動要素37と38は円形の断面を有し、螺旋状の歯をもった、歯つきラックの形をしている」との記載に照らしてみれば、「円形の断面を有し、螺旋状の歯をもった」形状は「回転的に対称」であるといえる。そうすると、甲1-23発明の「ケーブル71’にコイル72’を等ピッチで密接巻きして形成され」た「可撓性ラック部材7’」も「回転的に対称」であるといえる。 (b) したがって、甲1-23発明の「可撓性ラック部材7’はケーブル71’にコイル72’を等ピッチで密接巻きして形成され、折曲が容易となって」いることは、本件発明24の「棒状の前記作動要素(37,38)は歯付きラックを構成し、当該歯付きラックは回転的に対称で、柔軟にたわむことができる」ことに相当する。 よって、本件発明24と甲1-23発明とは、次の一致点24で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点24] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記ローラブラインドを巻き取る用途で前記巻き取りシャフトにバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフトに接続されたばねモータが前記駆動装置に含まれ、 前記駆動装置は棒状の作動要素を介して前記引き出し部材と接続されているギアモータを備え、 棒状の前記作動要素は歯付きラックを構成し、当該歯付きラックは回転的に対称で、柔軟にたわむことができる、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明24と甲1-23発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明24は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明24の構成は、甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明24は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。また、本件発明24は甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-25) 本件発明25について ア 本件発明25と甲1-23発明とを対比する。 (ア) 本件発明25は請求項23を引用するから、上記「(3-23)」の本件発明23と甲1-23発明との相当関係は、本件発明25と甲1-23発明においても同様に成り立つ。 (イ) 甲1-23発明の「可撓性ラック部材7’」は「駆動部8によって駆動する」ものであるから、本件発明25の「作動要素(37、38)は移動要素(slide elements)として実現されている」ことに相当する。 よって、本件発明25と甲1-23発明とは、次の一致点25で一致し、上記相違点1で相違している。 [一致点25] 「回転可能に取り付けられた巻き取りシャフトと、 スリットから引き出すことができ、その一辺は前記巻き取りシャフトに固定され、もう一辺は自由である、ローラブラインドと、 前記ローラブラインドの自由な方の辺に取り付けられている引き出し部材であって、 中心部材と、当該中心部材に対して伸縮自在に可動な2つの終端部材とを有している引き出し部材と、 前記巻き取りシャフトに前記ローラブラインドを巻き取るために、前記巻き取りシャフトを回転作動させる、少なくとも巻き取りシャフト用に存在する駆動装置と、を有し、 前記ローラブラインドを巻き取る用途で前記巻き取りシャフトにバイアスを掛けるため、前記巻き取りシャフトに接続されたばねモータが前記駆動装置に含まれ、 前記駆動装置は棒状の作動要素を介して前記引き出し部材と接続されているギアモータを備え、 作動要素は移動要素(slide elements)として実現されている、 自動車の後部窓用ローラブラインド。」 イ 判断 (ア) 本件発明25と甲1-23発明との間には、上記相違点1が存在するから、本件発明25は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。 (イ) また、相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明25の構成は、甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 小括 本件発明25は、甲第1号証に記載された発明(甲1-23発明)ではない。また、本件発明25は甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-26) 本件発明26について ア 本件発明26と甲1-23発明とを対比する。 (ア) 本件発明26は請求項23を引用するから、上記「(3-23)」の本件発明23と甲1-23発明との相当関係は、本件発明26と甲1-23発明においても同様に成り立つ。 よって、本件発明26と甲1-23発明とは、上記一致点23で一致し、上記相違点1及び次の相違点26で相違している。 [相違点26] 本件発明26では、「前記作動要素(37、38)を、関連する案内レール(16、25)と前記ギアモータ(35)の間の領域でたわまないように案内する、案内チューブ(29、31)が存在する」構成であるのに対し、甲1-23発明は、当該構成を有していない点。 イ 判断 (ア) 相違点1について判断する。 a 相違点1については、上記「(3-1)」で述べたとおりであるから、相違点1に係る本件発明26の構成は、甲1-23発明、甲第2号証及び甲第3号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 本件発明26と甲8技術を対比する。 (a) 甲8技術の「シェード本体1」は本件発明26の「ローラブラインド(19)」に相当し、以下同様に、「骨材19」は「引き出し部材(21)」に相当する。 (b) しかしながら、甲8技術は、本件発明26の「スリット(12)」に相当する構成を有していないし、また、甲8技術の「骨材19」は、本件発明26の「中心部材(39)」及び「終端部材(41)」に相当する部材を有していないものであるから、上記「(3-1)ウ(ウ)a」で検討したのと同様に、甲8技術によっては、当業者が甲1発明において、パイプ31とロッド32及び33の両方によって開口203を「閉じる」ような形状とすることはできないし、甲8技術は、甲1発明において、「隙間」を「物が落ちない程度」又は「特に子供が指を挿入することができない程度」とする動機付けを与えるものでもない。 よって、甲1発明に甲8技術を適用して、相違点1に係る本件発明26の構成に想到することは当業者にとって容易である、とはいえない。 c 以上より、相違点1に係る本件発明26の構成は、甲1-23発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第8号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ) 相違点26について検討する。 a 本件発明26と甲8技術を対比する。 (a) 甲8技術の「ガイドレール9A、9B」は本件発明26の「案内レール(16、25)」に相当し、以下同様に、「ギヤードワイヤ27A、27B」は「作動要素(37、38)」に、「ガイドチューブ48A、48B」は「案内チューブ(29、31)」に、それぞれ相当する。 (b) 甲8技術の「平歯車41」と「モータ30」とは、本件発明26の「ギアモータ(35)」に相当する。 (c) 摘示(8c)より、甲8技術のガイドチューブ48A、48Bは、「ガイドレール9A、9B」と「平歯車41」との間を、ギヤードワイヤ27A、27Bをたわまないように案内しているといえるから、上記「(a)」及び「(b)」の相当関係より、甲8技術の「ガイドレール9A、9Bの後端には、ギヤードワイヤ27A、27Bの走行をガイドするガイドチューブ48A、48Bが接続され」ることは、本件発明26の「前記作動要素(37、38)を、関連する案内レール(16、25)と前記ギアモータ(35)の間の領域でたわまないように案内する、案内チューブ(29、31)が存在する」ことに相当する。 b そして、甲1-23発明と甲8技術は、ともに自動車の窓ブラインドに関するものであるから、甲8技術を甲1-23発明に適用して相違点26に係る本件発明26の構成に想到することは当業者が容易になし得ることである。 ウ 小括 本件発明26は、甲1-23発明、甲第2号証、甲第3号証及び甲第8号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 無効理由8について (1) 特許法第36条第6項第2号に関する無効理由について ア 訂正前の請求項6における「当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれている」との記載は、訂正により削除された。そして訂正後の請求項6の「前記案内レール(16、25)は前記自動車(1)の内部ライニング部材(15)内に一体化されている」との記載は明確である。 イ (ア) 訂正前の請求項16における「前記開口辺(52)」との記載は、訂正後の請求項16が請求項15を引用するものとなったことによって、請求項15の「開口辺(52)」を指すことが明らかになった。よって当該記載は明確である。 (イ) また、「前記開口辺(52)の少なくとも1つは前記中心部材(39)の少なくとも1つの溝(44)に支持されている」との記載も、その構成は明確に把握できるから、当該記載は明確である。 ウ (ア) 訂正前の請求項17における「案内部材(28)が前記終端部材(41)がベース(48)から突き出している」との記載は、訂正後の請求項17が請求項15を引用するものとなったことによって、請求項15の「ベース(48)」との関係が明確になった。よって当該記載は明確である。 (イ) そして、請求項17の記載が明確になったことにより、請求項18の記載も同様に明確になった。 エ 訂正前の請求項19における「前記開口部(51)」との記載は、訂正後の請求項19が請求項15を引用するものとなったことによって、請求項15の「開口部(51)」を指すことが明らかになった。そして訂正後の請求項19の構成は明確に把握できるから、訂正後の請求項19の記載は明確である。 オ 訂正前の請求項24における「前記歯付きラック(66、71)」との記載は、訂正後の請求項24において「歯付きラック」となったから、請求項20の「歯付きラック(66、71)」とは異なるものであることが明確になった。そして訂正後の請求項24の構成は明確に把握できるから、訂正後の請求項24の記載は明確である。 カ 訂正前の請求項26における「前記案内レール(16、25)」との記載は、訂正後の請求項26において「案内レール(16、25)」となった。そして訂正後の請求項26の構成は明確に把握できるから、訂正後の請求項26の記載は明確である。 キ よって本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。 (2) 特許法第36条第4項第1号に関する無効理由について ア 訂正前の請求項6における「当該ライニング部材(15)に前記後部窓用ローラブラインド(22)が含まれている」との記載は、訂正により削除されたから、訂正後の請求項6に係る発明に関して、発明の詳細な説明に、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない、とはいえない。 イ よって本件特許の特許請求の範囲の記載は、第36条第4項第1号に規定する要件を満たしている。 第7 むすび 以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明1~26の特許を、無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条により、請求人が負担すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-800050

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