特許異議申立
2016-700599
表示装置
- 審判番号
- 2016-700599
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2015-015630
- 登録番号
- 特許第5843024号(P5843024)
- 請求日
- 2016年07月07日
- 審決日
- 2017年07月31日
- 公報発行日
- 2017年11月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】大日本印刷株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人 安富国際特許事務所
- 【異議申立人】浜 俊彦
- 審判長/審判官
- 審判長 和田 雄二
- 審判官 一ノ瀬 覚
- 審判官 出口 昌哉
- 分類
- P1651.121-YAA(F21S) / P1651.537-YAA(F21S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5843024号発明「表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5843024号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕について訂正することを認める。
特許第5843024号の請求項1~3に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5843024号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成27年1月29日(優先権主張 平成26年8月22日)に特許出願され、同年11月27日に特許の設定登録がされ、その後、平成28年7月7日に特許異議申立人浜俊彦(以下「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年9月28日付けで取消理由が通知され、同年12月5日に意見書が提出され、平成29年2月6日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、同年4月10日に特許権者から意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)があり、同年5月11日付けで訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)がされ、その本件訂正請求に対して同年6月15日に異議申立人から意見書が提出されたものである。
第2 本件訂正請求の趣旨及び訂正内容
本件訂正請求の趣旨は、特許第5843024号の明細書及び特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~3について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである(下線は訂正後の変更部分を示す。なお、訂正請求書において、これらをまとめて「訂正事項1」、「訂正事項2」としているが、本決定においては、個別の訂正事項毎に分けることとする。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の粒径の3~50%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており、」と記載されているのを、「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の粒径の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており、」に訂正し、請求項2、3も減縮する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「配設されており、前記表示装置は、」と記載されているのを、「配設されており、前記光拡散積層体による光エネルギー変換効率が53.1%であり、前記表示装置は、」に訂正し、請求項2、3も減縮する。
3 訂正事項3
明細書の段落【0083】に「実施例6~9」と記載されているのを、「実施例6、参考例7~9」に訂正する。
4 訂正事項4
明細書の段落【0083】に「実施例7」、「実施例8」、「実施例9」と記載されているのを、それぞれ「参考例7」、「参考例8」、「参考例9」に訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0085】の【表1】に「実施例7」、「実施例8」、「実施例9」と記載されているのを、それぞれ「参考例7」、「参考例8」、「参考例9」に訂正する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0086】に「実施例3及び4~9」と記載されているのを、「実施例3及び4~6、参考例7~9」に訂正する。
第3 訂正の適否についての判断
1 訂正の目的について
訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
訂正事項3~6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
2 新規事項について
訂正事項1~6は、願書に添付した明細書(特に段落【0085】の【表1】)、特許請求の範囲及び図面に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1~6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 拡張・変更の存否について
訂正事項1は、「光拡散粒子」の「光拡散層の最表面から突出」する「該光拡散粒子の粒径」の「範囲」の発明特定事項を、訂正前の「3~50%」から「3~20%」に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項2は、訂正前に「光拡散積層体による光エネルギー変換効率」について具体的数値範囲の特定がなかったのを、当該光エネルギー変換効率が「53.1%以上」であることを限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項3~6は、訂正事項1及び2に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項1及び2と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 一群の請求項について
訂正事項1、2は、訂正前の請求項1~3を訂正するものであり、訂正前の請求項2、3は請求項1を直接的又は間接的に引用するため、請求項1~3は一群の請求項である。
したがって、本件訂正請求は、一群の請求項に対して請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項に適合するものである。
5 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項について
明細書の段落【0083】、【0085】、【0086】には請求項1に対応する実施例が記載されており、訂正事項3~6による明細書の訂正に係る請求項は請求項1である。したがって、これを含む一群の請求項、すなわち請求項1~3の全てが訂正事項3~6の対象となる。
よって、訂正事項3~6は、特許法120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。
6 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項の規定に適合するので、訂正後の〔請求項1~3〕について訂正を認める。
第4 特許異議の申立てについて
1 本件特許発明
特許第5843024号の請求項1~3に係る特許は、それぞれ、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1~3に係る特許発明(以下「本件特許発明1」~「本件特許発明3」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】
光学的等方な半導体粒子を用いた波長変換層の少なくとも片面に、光拡散層が配設された光拡散積層体を有する表示装置であって、
前記光拡散層は、有機材料又は無機材料からなる光拡散粒子とバインダー成分とを含有するとともに、最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し、
前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の粒径の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており、
前記光拡散層の膜厚は、1~30μmであり、
前記光拡散層は、前記波長変換層の光源側と反対側面、又は、前記波長変換層の両面に配設されており、
前記光拡散積層体による光エネルギー変換効率が53.1%以上であり、
前記表示装置は、液晶表示装置である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
光拡散層に含まれる光拡散粒子は、70%以上が積層されず1段で存在している請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
光拡散層のバインダー成分と光拡散粒子との屈折率差が、0.02~0.15である請求項1又は2記載の表示装置。」
2 取消理由の概要
訂正前の請求項1~3に係る特許に対して平成29年2月6日付けで通知した取消理由(決定の予告)(以下「取消理由」という。)の概要は、次のとおりである。
本件特許の請求項1~3に係る発明は、本件特許の優先日前に頒布されたないし電気通信回路を通じて利用可能になった下記の引用例1に記載された発明及び引用例2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用例1:韓国公開特許第10-2013-0123718号公報
(異議申立人が提出した甲第1号証)
引用例2:特表2014-500983号公報(同甲第2号証)
引用例3:特開2003-107214号公報(同甲第3号証)
引用例4:国際公開第2011/148823号(同甲第4号証)
3 取消理由についての判断
(1)引用例の記載事項、認定事項及び引用発明
ア 引用例1の記載事項
取消理由で通知した引用例1には、次の事項が記載されている。なお、文章は当審で翻訳した。また、下線は当審で付与した。以下同様。
(ア)「請求項1
複数の量子ドットが分散される高分子樹脂層と、
上記樹脂層の上下面に形成される保護層と、
上記保護層の外表面に形成されて光を散乱させるコーティング層と、
を含む拡散シート。」
(イ)「[0012]本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、液晶表示装置の色再現率を向上させるために、LEDと導光板との間に個別に具備される量子レールを省略しながらも、これと同じ色再現率を有する拡散シート及びこれを含むバックライトユニットを提供することをその目的とする。
[0013]また、本発明は、多数の光学部材の一部を省略して、高輝度画像を実装して、製造コストを削減した拡散シート及びこれを含むバックライトユニットを提供することを他の目的とする。」
(ウ)「[0029]図示されたように、本発明の液晶表示装置モジュール(100)は、画像を表示する液晶パネル(110)と、液晶パネル(110)に光を提供するバックライトユニット(120)と、これを実装するガイドパネル(130)で構成されている。」
(エ)「[0037]導光板(124)は、LED(121)から入射される光を液晶パネル(110)の全領域に均一に広がるように上面方向に導く役割をする。LED(121)から放出された光は、導光板(124)の入射面から他側面まで進行し、導光板(124)の内部で反射や屈折され、上面の拡散シート(125)の背面に均一に光を提供することになる。
[0038]拡散シート(125)は、導光板(124)から出射された光が内部の通過に伴い、光を散乱させて上面のプリズムシート(126)に提供する役割をする。このような拡散シート(125)は、多層構造で構成され、中央の樹脂層と、その上下面に形成された保護層に区分される。特に、前述した樹脂層は、特定の波長帯域の光を選択的に変換する複数の量子ドットが分散されており、LED(121)が放出された青色の波長帯域を変化させ上面に提供することになる。
[0039]したがって、拡散シート(125)を通過する光は、元の波長である青色光と、変換された緑色光と赤色光が混合されて白色光となってプリズムシート(126)に入射される。このような拡散シート(125)の構造の詳細な説明は後述する。」
(オ)「[0044]図示されたように、本発明の拡散シート(125)は、量子ドットが分散された樹脂層(1251)と、これを囲む保護層(1254)とコーティング層(1277)で構成されている。また、樹脂層(1251)と保護層(1254)との間には、バリア層(1252)が介在されることができる。」(合議体注:コーティング層の符号「(1277)」は「(1257)」の誤記と認める。)」
(カ)「[0050]また、上部保護層(1254)の上面と下部保護層(1254)の下部、すなわち拡散シート(125)の外表面には、コーティング層(1257)が形成される。コーティング層(1257)は、拡散シート(125)を通過する光を散乱して出光する光が上部方向に均一分布を持つようにする役割をする。その厚さは、約5μm程度に形成することができる。」
(キ)「[0052]前述した構成に基づいて、本発明のバックライトユニットに含まれる拡散シートは、多層構造を有し、導光板から入射される青色光の一部はそのまま通過し、残りは緑色光と赤色光に変換して、最終的に白色光が液晶パネルに達することになる。特に液晶パネルに入射する光の量を波長帯域ごとに調整することができるので、高い色再現率を実現することができる。」
イ 引用例1に記載された発明
上記アの各摘示事項及び図2、図3の記載からみて、引用例1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「量子ドットが分散された樹脂層1251の上下面に、保護層1254とコーティング層1257が配設された拡散シート125を有する液晶表示装置モジュール100であって、
前記コーティング層1257の厚さは約5μm程度であり、
LED121から入射される光を拡散シート125の背面に均一に光を提供する導光板124を有する液晶表示装置モジュール100。」
ウ 引用例2の記載事項
取消理由で通知した引用例2には、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
屈折率が1.4~1.8である光学的に透明な材料からなる透明基板と、前記透明基板の上面に配置された、屈折率が1.4~1.7である拡散コーティングとを備える光拡散膜であって、
屈折率が1.4~1.7である拡散粒子が前記拡散コーティング中に分散され、
前記拡散粒子は互いに密接し、前記拡散粒子は、それぞれの質量パーセントでそれぞれの直径を有する以下の球状粒子:10~30質量%の直径1~10μmの球状粒子、50~80質量%の直径11~20μmの球状粒子、および0~20質量%の直径21~35μmの球状粒子からなり、
前記拡散粒子はランダムに配置され、
前記拡散コーティングは、前記拡散粒子の最大粒径の1/2~2/3の厚さを有し、
前記拡散粒子のコーティング密度は、1平方ミリメートル当たり粒子103~106個であることを特徴とする、光拡散膜。」
(イ)「【0001】
本発明はディスプレイ技術の分野に関し、特に、光拡散膜およびそれを使用した液晶ディスプレイ(LCD)バックライトに関する。」
(ウ)「【0004】
本発明は当該技術における前述の欠点に鑑みて実行され、その目的は、より強い光集束力、向上したヘイズおよび輝度を有する光拡散膜を提供すること、およびそれを使用したLCDバックライトを提供することである。」
(エ)「【0017】
実施例1
図2に示されるように、光拡散膜100は、透明なPET基板110、球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120、および球状PMMAアンチブロッキング粒子150を含むアンチブロッキングコーティング130を含む。拡散コーティング120中の異なる粒径の拡散粒子は、表1に示される比率で組み合わせられる。大きな拡散粒子140は拡散コーティング120中にともに堅固に配置され、小さな拡散粒子140は拡散コーティング120内に分散され充填される。小さな拡散粒子140と基板110と拡散コーティングとの間の屈折率の相違によって、光を拡散させることができる。拡散コーティング120の厚さは、大きな拡散粒子140の粒径の半分に厳密に制御される。すなわち、大きな拡散粒子140の半分は拡散コーティング120に埋め込まれ、残りの半分は拡散コーティング120上に露出し、それによって、下から透過される光160を集束させるような光集束効果を有するレンズ構成を形成する。粒径5μmの球状PMMAアンチブロッキング粒子150は、アンチブロッキングコーティング130中にまばらにかつランダムに配置され、そのコーティング密度は1平方ミリメートル当たり粒子100個である。アンチブロッキングコーティング130の厚さはアンチブロッキング粒子150の粒径の半分であり、アンチブロッキング粒子150のアンチブロッキングコーティング130から突出した部分によって、アンチブロッキングコーティングとモジュールの他の部材との間に薄いエア層を形成し、この光拡散膜100と他の部材との付着を防ぐことができる。」
エ 引用例2に記載された技術的事項
上記ウの各摘示事項、【表1】及び【図2】の記載からみて、引用例2には次の技術的事項(以下「引用例2技術」という。)が記載されているものと認める。
「液晶ディスプレイ(LCD)バックライトに用いる光拡散膜100であって、前記光拡散膜100は、透明なPET基板110の上面に配置された球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120を含み、前記拡散粒子140は、小さな拡散粒子140と大きな拡散粒子140を組み合わせたものであって、小さな拡散粒子140は前記拡散コーティング120内に分散され、大きな拡散粒子140の半分は前記拡散コーティング120に埋め込まれ、残りの半分は拡散コーティング120上に露出しており、前記拡散コーティング120は、前記拡散粒子140の最大粒径の1/2~2/3の厚さを有する光拡散膜100。」
オ 引用例3の記載事項
取消理由で通知した引用例3には、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層を透明支持体上に積層してなる光拡散性シートであって、当該光拡散性シートの全光線透過率が70.0%以上、ヘーズが80.0%以上、透過の像鮮明度が21.0%以上25.0%未満であることを特徴とする光拡散性シート。」
(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光拡散性シートに関し、特に液晶ディスプレイのバックライト用に適する光拡散性シートに関するものである。」
(ウ)「【0015】本発明の光拡散性シート1は、バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2を透明支持体3上に積層してなる光拡散性シート1であって、当該光拡散性シート1の全光線透過率が70.0%以上、ヘーズが80.0%以上、透過の像鮮明度が21.0%以上25.0%未満であるようにすることにより、高価で傷つき易いプリズムシートなどを使用しなくとも、高光拡散性を発揮しつつ、且つ正面方向への輝度を高輝度化することができるようになったものである。」
(エ)「【0025】このような光拡散性シート1は、バインダー樹脂及び樹脂粒子を溶剤に分散又は溶解させた光拡散層用樹脂溶液を調整し、当該光拡散用樹脂溶液を透明支持体3上に従来公知の塗布方法によって塗布、乾燥、硬化などして積層することにより得ることができる。」
(オ)「【0028】このような樹脂粒子としては、形状が実質的に真球状であって、平均粒子径が20.0~50.0μm、より好ましくは25.0~45.0μmであることが望ましい。また、その粒子径分布の変動係数は、上限として50.0%未満であることが好ましく、より好ましくは45.0%以下、更に好ましくは40.0%以下であることが望ましい。更に粒子系分布の変動係数は、下限として20.0%以上であることが好ましく、より好ましくは25.0%以上、更に好ましくは30.0%以上であることが望ましい。平均粒子径が、20.0μm未満となってしまうとヘーズと透過の像鮮明度とのバランスを調整し難いものになってしまい、50.0μmを越えてしまうと光拡散層用樹脂溶液の調製や、塗布がし難くなってしまい、やはりヘーズと透過の像鮮明度とのバランスを調整し難いものになってしまう。粒子径分布の変動係数が50.0%以上若しくは20.0%未満になってしまうと、やはりヘーズと透過の像鮮明度とのバランスを調製し難いものになってしまう。」
カ 引用例3に記載された技術的事項
上記オの各摘示事項及び【図1】の記載からみて、引用例3には、次の技術的事項(以下「引用例3技術」という。)が記載されているものと認める。
「液晶ディスプレイのバックライトに用いる光拡散性シート1であって、前記光拡散性シート1は、バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2を透明支持体3上に積層してなるものであり、前記樹脂粒子は、粒子径分布の変動係数が50%未満であり、バインダー樹脂及び樹脂粒子を溶剤に分散又は溶解させた光拡散層用樹脂溶液を塗布、乾燥、硬化などをして積層する光拡散性シート1。」
キ 引用例4の記載事項
取消理由で通知した引用例4には、次の事項が記載されている。
(ア)「[請求項1]
透明樹脂フィルム上に、バインダー樹脂中に平均粒径0.2μm以上1.0μm以下の光散乱性粒子が分散された光散乱層と、バインダー樹脂と平均粒径3μm以上10μm以下の球状粒子を含有する凹凸層を有することを特徴とする光取り出しシート。」
(イ)「[0036]
〔光散乱性粒子〕
本発明の光取り出しシートは、透明樹脂フィルム上に、バインダー樹脂中に光散乱性粒子が分散された光散乱層を有する。」
(ウ)「[0053]
本発明においては、塗布液に分散した球状粒子により凹凸構造が形成されることを特徴とする。本発明の球状粒子により形成された凹凸構造とは、透明樹脂フィルム1上の凹凸層平均面から球状粒子2の一部が突出することで形成された粒子形状に起因した凹凸構造であり、球状粒子表面の1/4以上、好ましくは球状粒子表面の1/2が突出した半球形状の凹凸構造であり、例えば、図1に示すような凹凸構造であることが好ましい。さらに、球状粒子が複数個重なって形成された、例えば、図2に示すような球状粒子表面の1/2以上が突出した凹凸構造であることが好ましい。本発明に係る凹凸構造を形成する球状粒子の表面は、樹脂に覆われていてもいなくてもよいが、薄い樹脂層により表面が覆われている方が、球状粒子の離脱防止や表面強度の点で好ましい。球状粒子を覆う樹脂層の膜厚は、1μm未満であることが、球状粒子由来の曲面形状を形成するため好ましい。」
(エ)「[0158]
このように、白色発光有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレイに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また、露光光源のような1種のランプとして、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。」
ク 引用例4に記載された技術的事項
上記キの各摘示事項及び[図3]の記載からみて、引用例4には、次の技術的事項(以下「引用例4技術」という。)が記載されているものと認める。
「液晶表示装置のバックライトに用いる光取り出しシートであって、前記光取り出しシートは、透明樹脂フィルム1上に、バインダー樹脂中に光散乱性粒子が分散された光散乱層と、バインダー樹脂と無機またはポリマーからなる球状粒子2を含有する凹凸層を有するものであり、前記球状粒子2は、凹凸層平均面からその一部が突出するものであり、球状粒子表面の1/4以上(好ましくは1/2)が突出したものである光取り出しシート。」
(2)本件特許発明1と引用発明との対比
ア 本件特許発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「液晶表示装置モジュール」は本件特許発明1の「表示装置」及び「液晶表示装置」に相当し、同様に「拡散シート125」は「光拡散積層体」に、「LED121」は「光源」に相当する。
イ 本件特許発明1の「光学的等方な半導体粒子」について検討するに、その定義として、本件特許明細書の段落【0010】に「本明細書において、上記光学的等方な粒子とは、光が照射されたときにレイリー散乱を生じる粒子を意味し、例えば、平均粒径が入射光の波長の1/10以下程度の粒子が挙げられる。」と記載されている。
一方、引用発明における「量子ドット」について検討するに、一般に量子ドットとは、ナノサイズの半導体粒子を意味するものであり、可視光線の光の波長(広くみて360nm~830nm程度)を考慮すれば、「量子ドット」も光が照射されたときにレイリー散乱を生じるものと解される。
したがって、引用発明の「量子ドット」は本件特許発明1の「光学的等方な半導体粒子」に相当するといえる。
ウ 本件特許発明1の「波長変換層」について検討するに、本件特許明細書の段落【0066】に「(波長変換積層体の作製)東レ社製ルミラーT60の片面に、以下の条件でシリカ蒸着層を形成したバリアフィルム基材を作製した。次いで、作製したバリアフィルム基材のシリカ蒸着層側の面に、下記組成の波長変換層用組成物を塗布し、乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜上に、上記と同様にして用意した別のバリアフィルム基材のシリカ蒸着面をラミネートし、紫外線照射により上記塗膜を硬化させることで、波長変換層の積層体を作製した。」との記載があることから、当該「波長変換層」は、積層体を含む概念のものと認める。
そして、引用発明の「樹脂層1251」は、その内部に分散された「量子ドット」により光の波長を変換させるものであるから(引用例1の摘示事項エの段落[0038])、引用発明の「樹脂層1251」及び「保護層1254」は、本件特許発明1の「波長変換層」に相当するといえる。
エ 引用発明の「コーティング層1257」は、光を散乱させるものであるから(引用例1の摘示事項(カ))、本件特許発明1の「光拡散層」に相当するといえる。
エ そうすると、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「光学的等方な半導体粒子を用いた波長変換層に、光拡散層が配設された光拡散積層体を有する表示装置であって、
前記表示装置は、液晶表示装置である
表示装置。」
[相違点1]
「光拡散層」の配設について、本件特許発明1が「波長変換層」の「少なくとも片面」であり、「前記波長変換層の光源側と反対側面、又は、前記波長変換層の両面に配設されており、」というものであるのに対し、引用発明は「樹脂層1251」の「LED121から入射される光を拡散シート125の背面に均一に光を提供する導光板124」に面する「上下面」に配設される点。
[相違点2]
「光拡散層」の構成について、本件特許発明1が「有機材料又は無機材料からなる光拡散粒子とバインダー成分とを含有するとともに、最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し、前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の粒径の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており、」というものであるのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。
[相違点3]
「光拡散層の膜厚」について、本件特許発明1が「1~30μm」であるのに対し、引用発明は「約5μm程度」である点。
[相違点4]
本件特許発明1が「前記光拡散積層体による光エネルギー変換効率が53.1%以上であ」るのに対し、引用発明は当該事項の特定がない点。
(3)本件特許発明1と引用発明との相違点の判断
事案に鑑み、相違点2及び4について検討する。
ア 引用例2技術における「液晶ディスプレイ(LCD)」は本件特許発明1における「表示装置」及び「液晶表示装置」に相当し、以下同様に、「球状PMMA拡散粒子140」を含む「拡散コーティング120」は「光拡散層」に、「球状PMMA拡散粒子」は「有機材料からなる光拡散粒子」に、「拡散コーティング120」は「バインダー成分」に相当する。そして、本件特許発明1において「最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し」という事項について、全ての「光拡散粒子」が突出していることの特定がないことから、引用例2技術の「前記拡散粒子140は、小さな拡散粒子140と大きな拡散粒子140を組み合わせたものであって、小さな拡散粒子140は拡散コーティング120内に分散され、大きな拡散粒子140の半分は拡散コーティング120に埋め込まれ、残りの半分は拡散コーティング120上に露出しており」という事項も本件特許発明1と同様の事項となっているものと認める。
イ 引用例3技術における「液晶ディスプレイ」は本件特許発明1における「表示装置」及び「液晶表示装置」に相当し、以下同様に、「光拡散層2」は「光拡散層」に、「樹脂粒子」は「有機材料からなる光拡散粒子」に、「バインダー樹脂」は「バインダー成分」に相当する。
ここで、本件特許発明1における「最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し」という事項について、本件特許明細書の段落【0022】に「また、本発明の表示装置において、上記光拡散層の最表面から突出した光拡散粒子は、該突出した部分に、極僅かな、例えば、厚み数nm程度のバインダー成分の薄膜が存在していてもよい。」と記載されていることから、「光拡散粒子」が「バインダー成分」に覆われているものを排除していないものと解される。
また、上記アと同様に、全ての「光拡散粒子」が突出していることの特定がないことから、引用例3技術の「バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2を透明支持体3上に積層してなるものであり、前記樹脂粒子は、粒子径分布の変動係数が50%未満であり、バインダー樹脂及び樹脂粒子を溶剤に分散又は溶解させた光拡散層用樹脂溶液を塗布、乾燥、硬化などをして積層する」という事項も本件特許発明1の「最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し」という事項と同様となっているものと認める。
ウ 引用例4技術における「液晶表示装置」は本件特許発明1における「表示装置」及び「液晶表示装置」に相当し、以下同様に、「バインダー樹脂と球状粒子2を含有する凹凸層」は「光拡散層」に、「無機またはポリマーからなる球状粒子2」は「有機材料又は無機材料からなる光拡散粒子」に、「バインダー樹脂」は「バインダー成分」に相当する。
また、引用例4技術における「前記球状粒子2は、凹凸層平均面からその一部が突出するものであり、球状粒子表面の1/4以上(好ましくは1/2)が突出した」という事項は、本件特許発明1の「最表面に前記光拡散粒子が突出することにより形成された凹凸を有し」という事項と同様となっているものと認める。
エ しかしながら、引用例2技術の「球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120」は、「大きな拡散粒子140の半分は前記拡散コーティング120に埋め込まれ、残りの半分は拡散コーティング120上に露出しており、前記拡散コーティング120は、前記拡散粒子140の最大粒径の1/2~2/3の厚さを有する」という事項を有するものであるから、引用発明の「コーティング層1257」に代えて、引用例2技術の「球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120」を採用したとしても、上記相違点2に係る本件特許発明1の「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており」という事項を有するものとはならない。
オ さらに、引用例3技術の「バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2」の「樹脂粒子」が突出する値は明らかでないから、引用発明の「コーティング層1257」に代えて、引用例3技術の「「バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2」」を採用したとしても、上記相違点2に係る本件特許発明1の「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており」という事項を有するものとはならない。
カ 加えて、引用例4技術の「バインダー樹脂と無機またはポリマーからなる球状粒子2を含有する凹凸層」は、「前記球状粒子2は、凹凸層平均面からその一部が突出するものであり、球状粒子表面の1/4以上(好ましくは1/2)が突出した」という事項を有するものであるから、引用発明の「コーティング層1257」に代えて、引用例4技術の「バインダー樹脂と無機またはポリマーからなる球状粒子2を含有する凹凸層」を採用したとしても、上記相違点2に係る本件特許発明1の「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており」という事項を有するものとはならない。
キ そして、上記引用例2~4技術を採用する際に、上記相違点2に係る本件特許発明1の「前記光拡散粒子は、該光拡散粒子の3~20%の範囲で前記光拡散層の最表面から突出しており」という事項を有するものに変更する合理的な理由は見当たらない。
ケ また、本件特許発明1は、本件特許明細書の段落【0006】に記載される「光エネルギー変換効率に優れた表示装置を提供すること」を解決しようとする課題としていると認められ、同【0012】に「ここで、本発明の表示装置において、光エネルギー変換効率を向上させるには、波長変換層200に光源部20より放出された青色光を何回も透過させることが必要である。本発明の表示装置では、後述する光拡散層が、波長変換層200の少なくとも片面に配設されているため、波長変換層200に上記青色光を何回も透過させることが可能となり、その結果、光エネルギー変換効率を向上させることができる。本発明者らの研究によると、上記光拡散層を配設したことによる光エネルギー変換効率の向上は、該光拡散層の最表面に形成された凹凸形状と密接な関係があることが判明し、上記光拡散層の最表面に、半球状の凹凸形状を所定の状態で設けることで、光エネルギー変換効率を優れたものにすることができた。特に、本発明の表示装置では、粒子を用いて上記光拡散層の最表面に所定の凹凸形状が形成されていることが好ましい。」と記載されるように、当該課題を解決するために本件特許発明1の「光拡散層」に係る事項を採用しているものと認められる。
コ しかしながら、引用例1には、「コーティング層1257」に着目して「樹脂層1251」の光エネルギー変換効率を向上させることの記載や示唆は見当たらず、光エネルギー変換効率の具体的な値についても記載がない。また、引用例2技術の「透明なPET基板110」は、そもそも波長変換層としての機能を有するものではなく、引用例3技術の「透明支持体3」や引用例4技術の「透明樹脂フィルム1」についても同様である。
そうすると、引用発明の「コーティング層1257」と、引用例2技術の「球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120」、引用例3技術の「バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2」、引用例4技術の「バインダー樹脂と無機またはポリマーからなる球状粒子2を含有する凹凸層」とは、光を拡散させる層という意味で共通することから、引用発明の「コーティング層1257」に代えて、引用例2技術の「球状PMMA拡散粒子140を含む拡散コーティング120」、引用例3技術の「バインダー樹脂及び樹脂粒子を含有して凹凸表面を有する光拡散層2」、引用例4技術の「バインダー樹脂と無機またはポリマーからなる球状粒子2を含有する凹凸層」を採用するという動機付けがあったとしても、上記相違点4に係る本件特許発明1の「前記光拡散積層体による光エネルギー変換効率が53.1%以上であ」るという事項を有するものとすることが容易になし得たということもできない。
サ よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、引用発明及び引用例2~4技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。
(4)本件特許発明2、3について
本件特許発明2、3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、引用発明及び引用例2~4技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、本件特許発明2、3は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。
(5)小括
以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。
4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立の理由について
(1)異議申立人は、特許異議申立書の第15ページ第14行~第17ページ第9行の「(4-6)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について」において、「本件の請求項1において、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えた特許が請求されたものとなっている。」として、「請求項1及びこれを引用する請求項2,3の記載は特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」と主張しているので以下検討する。
(2)特許法第36条第6項第1号は「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」というものであり、請求項に係る発明が発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであってはならない旨を規定するものである。
(3)ここで、本件特許発明1が解決しようとする課題は、上記3(3)エで述べたように「光エネルギー変換効率に優れた表示装置を提供すること」にあると認められるところ、発明の詳細な説明には、具体的な態様として本件訂正請求により訂正された段落【0085】の【表1】に各実施例の記載がある。
上記【表1】をみると、本件特許発明1の要件を満たす実施例1、3、4、5、6、10、11、12、13について、光拡散粒子を有さない比較例1に対する「変換向上率」が、それぞれ110.5%、115.6%、102.1%、104.2%、108.8%、101.3%、102.9%、103.8%、103.6%であることが示されており、本件特許発明1の要件を満たすものは、光エネルギー変換効率が向上することが把握できる。
そうすると、請求項1の記載は、課題を解決するための手段が反映されていないとはいえず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとはいえない。
(4)なお、異議申立人は、特許異議申立書の上記箇所において、上記【表1】の「参考例1」と「実施例1」を示して、「他の何らかのメカニズムによるものであると考えるのが技術的に自然であるところ、その何らかのメカニズムが本件の請求項1に反映されていない」と主張するが、特許法第36条第6項第1号は上記(2)のとおりのものであって、特許請求の範囲に発明の原理を記載することを求めるものではなく、当該主張は採用できない。
第5 むすび
以上検討したとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立の理由によっては、本件請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700599