特許異議申立
2016-700275
手荷物用タグ
- 審判番号
- 2016-700275
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2011-129960
- 登録番号
- 特許第5789420号(P5789420)
- 請求日
- 2016年04月06日
- 審決日
- 2017年09月04日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社日立システムズ
- 【権利者代理人】筒井 大和
- 【権利者代理人】菅田 篤志
- 【権利者代理人】筒井 章子
- 【権利者代理人】坂次 哲也
- 【異議申立人】石原 隆
- 審判長/審判官
- 審判長 黒瀬 雅一
- 審判官 吉村 尚
- 審判官 畑井 順一
- 分類
- P1652.121-YAA(G09F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第6項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5789420号発明「手荷物用タグ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5789420号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について、訂正することを認める。
特許第5789420号の請求項1、3乃至5に係る特許を維持する。
特許第5789420号の請求項2に係る特許についての申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
特許第5789420号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成23年6月10日に特許出願され、平成27年8月7日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人石原隆により特許異議の申立てがされ、当審において平成28年9月8日付けで取消理由を通知し、その指定期間内である同年11月10日付けで意見書の提出及び訂正の請求がなされ、当審において平成29年2月27日付けで特許異議申立人に対して通知書を通知し、その指定期間内である同年3月30日付けで意見書の提出がなされたものである。
第2.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「折り曲げ線と、を有し、」を、
「折り曲げ線と、を有し、
前記剥離シートの他端部を残留部とし、当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け、」(下線は審決で付した。以下同じ。)と訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1の
「前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記表面本体部の内面側に貼り付け、」を、
「前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記剥離シートの外面に貼り付け、」と訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1の
「前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付けることができることを特徴とする手荷物用タグ。」を、
「前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付け、
前記剥離本体部を前記表面シートから除去し、前記残留部により覆われる部分を残して露出される粘着層により前記表面シートを手荷物に貼り付けることができることを特徴とする手荷物用タグ。」と訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(5)訂正事項5
明細書の段落【0012】の、
「前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記表面本体部の内面側に貼り付け、前記露出部分は前記剥離領域を前記折り曲げ線で折り曲げると露出され、前記剥離領域が一体となった前記顧客用控部を、前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付けることができることを特徴とする。」を、
「前記剥離シートの他端部を残留部とし、当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け、前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記剥離シートの外面に貼り付け、前記露出部分は前記剥離領域を前記折り曲げ線で折り曲げると露出され、前記剥離領域が一体となった前記顧客用控部を、前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付け、前記剥離本体部を前記表面シートから除去し、前記残留部により覆われる部分を残して露出される粘着層により前記表面シートを手荷物に貼り付けることができることを特徴とする。」と訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0013】の、
「本発明の手荷物用タグは、前記剥離シートの他端部を残留部とし当該残留部と前記剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け、前記表面シートを手荷物に貼り付ける際に、前記剥離本体部を前記表面シートから除去することを特徴とする。」の記載を削除する。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、「剥離シート」に関して、具体的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1は、願書に添付した明細書(段落【0013】)に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
請求項1の「外面に荷物情報が印刷され内面に粘着層が設けられる帯状の表面シートと、前記粘着層に剥離自在に粘着される帯状の剥離シートとを有し、手荷物に取り付けられる手荷物用タグであって、
前記表面シートの一端部に設けられ、前記表面シートの表面本体部から分離用スリットにより分離される顧客用控部と、
前記表面シートの他端部に設けられ、前記剥離シートから剥離されるとともに、前記表面本体部から分割用スリットで分割される複数の航空会社用控部」との発明特定事項から、「表面本体部」とは「表面シート」から「顧客用控部」と「複数の航空会社用控部」をそれぞれ「分離」、「分割」したものであり、訂正前の「表面本体部の内面側」とは、「表面本体部」からみて「粘着層」側であり、「剥離シート」は「粘着層」に粘着されるから、上記「表面本体部の内面側」とは、「表面本体部」からみて「剥離シート」側であるとともいえる。
訂正前の「表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、貼付部を前記表面本体部の内面側に貼り付け」るには、表面本体部の内面側に設けられている粘着層に剥離シートが粘着されているから、前記「貼付部」は、必然的に剥離シートの粘着層側の反対側の外面に貼り付けることになる。
よって、訂正事項2は、訂正前の上記「表面本体部の内面側」を「剥離シート30の外面」と、貼り付け箇所をより具体的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1は、願書に添付した明細書の「貼付部28は、手荷物用タグ1が手荷物の取手にループ状に巻き付けられるときには剥離シート30の外面に粘着される」(段落【0026】)に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項3
訂正事項3は、表面シートの貼り付ける態様を具体的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項3は、願書に添付した明細書(段落【0039】)に記載した事項の範囲において訂正をするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は、請求項の削除であり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(5)訂正事項5について
訂正事項5は、訂正事項1乃至3で特許請求の範囲を減縮する訂正をしたことに伴って、発明の詳細な説明の記載と、訂正後の特許請求の範囲の記載との整合性を図ったものである。
したがって、訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(6)訂正事項6
訂正事項4で特許請求の範囲を減縮する訂正をしたことに伴って、発明の詳細な説明の記載と、訂正後の特許請求の範囲の記載との整合性を図ったものである。
したがって、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものであり、また実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(7)一群の請求項について
訂正前の請求項1乃至5は、請求項2乃至5が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。
3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正事項1乃至3、5、6は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合し、本件訂正請求による訂正事項4は特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するので、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正を認める。
第3.特許異議の申立てについて
1.本件訂正特許発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1~5に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(以下、それぞれ「本件訂正特許発明1」~「本件訂正特許発明5」という。)。
【請求項1】
外面に荷物情報が印刷され内面に粘着層が設けられる帯状の表面シートと、前記粘着層に剥離自在に粘着される帯状の剥離シートとを有し、手荷物に取り付けられる手荷物用タグであって、
前記表面シートの一端部に設けられ、前記表面シートの表面本体部から分離用スリットにより分離される顧客用控部と、
前記表面シートの他端部に設けられ、前記剥離シートから剥離されるとともに、前記表面本体部から分割用スリットで分割される複数の航空会社用控部と、
前記剥離シートの一端部に設けられ、前記剥離シートの剥離本体部から剥離用スリットで分離されるとともに、前記顧客用控部が粘着された状態で前記表面本体部の貼付部から剥離される剥離領域と、
前記分離用スリットよりも前記剥離シートの一端側にずれて前記剥離領域に設けられ、前記顧客用控部の粘着層を前記剥離領域が粘着される粘着部分と、粘着層が露出される露出部分とに区分する折り曲げ線と、を有し、
前記剥離シートの他端部を残留部とし、当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け、
前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記剥離シートの外面に貼り付け、
前記露出部分は前記剥離領域を前記折り曲げ線で折り曲げると露出され、前記剥離領域が一体となった前記顧客用控部を、前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付け、
前記剥離本体部を前記表面シートから除去し、前記残留部により覆われる部分を残して露出される粘着層により前記表面シートを手荷物に貼り付けることができることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項3】
請求項1または2記載の手荷物用タグにおいて、前記剥離用スリットの長手方向中央部に両端部よりも前記剥離本体部に向けて突き出すように湾曲した凸部を設け、前記剥離シートが外側となるように前記剥離用スリットの両端部を中心に折り曲げると前記凸部が前記貼付部から剥離されることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記剥離シートに前記剥離用スリットの位置を表示する剥離表示マークを設けることを特徴とする手荷物用タグ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の手荷物用タグにおいて、前記顧客用控部の前記表面本体部側の角部と、前記表面本体部の前記顧客用控部側の角部とをそれぞれ円弧状に形成することを特徴とする手荷物用タグ。
2.取消理由の概要
当審において、訂正前の請求項1~5に係る特許に対して平成28年9月8日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
請求項1に係る発明は、甲1、2、5号証に記載された発明に基づき、請求項2に係る発明は、甲1号証記載の発明に、甲2、5号証記載の発明及び甲6、7号証記載の周知技術を適用することにより、請求項3に係る発明は、甲1号証記載の発明に、甲2、5号証記載の発明及び甲6、7号証、甲8乃至10号証記載の周知技術を適用することにより、請求項4に係る発明は、甲1号証記載の発明に、甲2、5号証記載の発明及び甲6、7号証、甲8乃至10号証、甲11、12号証記載の各周知技術を適用することにより、請求項5に係る発明は、甲1号証記載の発明に、甲2、5号証記載の発明及び甲6、7号証、甲8乃至10号証、甲11、12号証、甲13、14号証記載の各周知技術を適用することにより容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1乃至5に係る特許は、取り消されるべきものである。
3.甲各号証の記載
(1)甲1号証
甲1号証(米国特許第6219947号明細書)には、次の事項が記載されている。(和訳は審決で付した。以下同じ)
ア.The present invention provides a baggage tag attachable to the handle of a piece of baggage for displaying indicia of the identification and destination of a passenger owning the baggage.」(2欄25~28行)
(和訳:本発明は、手荷物の所有者である乗客の身元情報及び目的地の標識を印字するために、当該手荷物のハンドル部分に取り付けが可能な手荷物タグを提供する。)
イ.A preferred embodiment of the present invention is illustrated in the exploded perspective view of FIG. 1. As seen in this view, there are two main components to the baggage tag apparatus 10 of the present invention, namely, the claim stub portion 60 and the tag handle portion 70. (3欄27~31行)
(和訳:本発明の好適な実施例は、Fig.1の展開側面図にて示されている。この図で示すとおり、本発明に係る手荷物タグ装置10には、二つの主要な要素がある。すなわち、荷物受取半券の部分60及びタグのハンドル部分70である。)
ウ.The tag handle portion 70 comprises a first, base ply 20 and a second, liner ply 30.(3欄38~39行)
(和訳:タグのハンドル部分70は、第一のベース層20及び第二のライナー層30で構成される。)
エ.「The second ply or liner 30 serves two purposes. First, it provides a means for covering the majority of the adhesive 26 (FIG. 2) disposed between the two plies. A portion of this adhesive at the end of the tag 70 may be exposed to permit the securement of the two ends together around a handle as described below. Thus, the tag handle portion 70 may be looped around the baggage handle 82 and joined only at the ends of the tag 70 (FIG. 5), permitting the free movement of the tag 70 along the handle 82.」(3欄63行~4欄4行)
(和訳:第二層すなわちライナー30には、二つの目的がある。第一に、当該ライナーは、二つの層の間に付された接着剤26(Fig.2)の大部分をカバーする手段となる。この接着剤のうち、タグ70の端の部分は、下記に説明する通り、ハンドルの周辺で両端を一緒にしっかりと止めるために露出が可能である。このため、タグのハンドル部分70は、荷物のハンドル82の周囲に巻き付け、タグ70(Fig.5)の端でのみ接合し、これにより、タグ70をハンドル82に沿って自由に動かすことができる。)
オ.「In the preferred embodiment shown in FIGS. 1 and 2, the cut 28 in ply 20 is straight. Thus, the base portion 50 of claim stub 60 is generally rectangular or square in shape. Conversely, the cut 38 in liner 30 is generally U-shaped. Thus, the liner portion 40 of claim stub 60 has an extended U-shaped tongue portion 44 corresponding to cut 38. Since the U extends inwardly toward the center of the ply 30 with the open end of the U opening toward the adjacent end, a portion of adhesive 26 is left exposed when the claim stub 60 is peeled away.
While this is the preferred design for cut 38, other designs are also possible. For example, cut 38 could just as well be straight (FIG. 7). This would result in a tongue 44 on claim stub liner portion 40 generally rectangular in shape.
While the shape of the cut is not particularly important, the preferred U-shaped cut has the following advantage. As seen in the Figure, the U-shaped cut in liner 30 creates two fingers 36a and b extending along the outer edge of the end portion of liner 30 when the claim stub 60 is removed. Of course fingers 36a and b are composed of the same tear-resistant, VALERON.RTM. material making up the remainder of the liner ply 30. Consequently, the fingers 36a and b provide resistance to tearing along the edge of the tag 70. If the cut were straight (FIG. 7), there would be no such fingers and the propensity of the tag to tear in this area would be greater. While the particular shape of cut 38 is not critical, it is important that at least a portion of the cut should extend inwardly of cut 28 in ply 20 so that a quantity of adhesive 26 is exposed to permit opposite ends of tag 70 to be secured together around handle 82.
As mentioned, the straight cut 28 of the first ply 20 results in a generally rectangular portion 50. The top surface 52 of portion 50 provides the surface upon which the identification information would be printed. This portion is adhesively fixed to the remaining portion 40 of the claim stub.The tongue portion 44 of the claim stub liner 40 provides a means for securing the claim stub to a ticket folder or the like. Obviously, the tongue 44 assumes the same shape as cut 38. Consequently, if cut 38 is U-shaped, tongue 44 will also be U-shaped. If the cut 38 is made more straight, then the tongue will assume a more rectangular shape. Either shape provides a means for securing the claim stub to the ticket.」(4欄18~60行)
(和訳:Fig1、2にて示される好適な実施例では、層20の切れ目28は直線状である。このため、荷物受取半券60のベース部分50は、通常は長方形又は正方形となる。これとは逆に、ライナー層30の切れ目38は原則としてU字型である。従って、荷物受取半券60のライナー部分40は、切れ目38に対応する、延長されたU字型の舌片部分44を有する。「U」の字は層30の中央に向かって内側に伸びて、「U」の開いた側は隣接する端に向かって開いており、荷物受取半券60が切り取られた際には接着部分26は露出したままである。
これが切れ目38の好適なデザインであるが、他のデザインとすることも可能である。例えば、切れ目38も直線としてもよい(Fig.7)。これにより、荷物受取半券のライナー部分40の舌片44は原則として長方形となる。
先行技術から明らかな通り、本発明に係るタグ10の通常の利用方法では、チケット係が、乗客情報を入力した後に、当該タグ10を印字機に挿入する。当該印字機により、タグの部分70に、目的地情報及び一定の乗客識別情報が印字される。このような情報は、通常はバーコード形式である。好適な実施例では、この情報は、タグ10の第一のベース層20の露出表面22に印字される。上記で述べた通り、この層は、上記情報の印字が容易な紙素材とするのが望ましい。この印字プロセスにより、荷物受取半券50の露出表面52にも乗客識別情報が印字される。この50の部分は、切れ目28によりベース層20から分離された部分で構成される。荷物受取半券ライナー40の舌片部分44は、当該半券をチケットホルダー等に取れないよう固定する手段となる。当然、舌片44は切れ目38と同じ形状となる。従って、切れ目38がU字型であれば、舌片44もU字型となる。切れ目38がより直線的であれば、舌片は長方形により近い形状となる。いずれの形状も、荷物受取半券をチケットにしっかりと付けるための手段を提供する。)
カ.「FIGS. 5 and 6 show the tag handle portion 70 in various stages of installation around the handle 82 of a bag 80. As seen in the Figures, all of the surface in contact with the handle 82 is the exposed surface 32 of the liner ply 30. Since this is composed of VALERON.RTM. or other similar non-stick material, the tag 70 is able to move freely along the handle 82. FIG. 6 shows with particular clarity the exposed portion of adhesive 26. As mentioned above, it is this exposed portion of the adhesive which is used to secure the two ends of tag 70 together around handle 82. Also seen in the Figure are the two fingers 36a and b which, as mentioned, provide a resistance to tearing of the tag 70 prior to its installation around the handle 82.」(5欄58~6欄3行)
(和訳:Fig5及びFig6は、バッグ80のハンドル82周辺への取付けの各段階における、タグのハンドル部分70を示している。Figに示す通り、ハンドル82と接する面はすべて、ライナー層30の表面32である。この部分はVALERON.RTM.又はその他これに類する接着防止素材でできているため、タグ70はハンドル82の周囲で自由に動かすことができる。Fig6は、接着層26の露出部分を特に具体的に示したものである。上記で述べた通り、タグ70の両端をハンドル82にしっかりと付けるために使用されるのは、この接着層の露出部分である。さらに、このFigで示されているのは二つのフィンガー36a及びbであり、これらは、既に説明した通り、タグ70がハンドル82に取り付けられる前に、当該タグに耐引裂性を与える。)
キ.Fig1、2をみると、第一のベース層20と第二のライナー層30は帯状であるといえる。
ク.Fig2、6をみると、接着剤26の露出箇所は、荷物受取半券60が切り取られた部分である。
ケ.Fig5、6をみると、目的地情報及び一定の乗客識別情報が印字される露出表面22と、接着剤26は、それぞれ第一のベース層20の外面、内面にあるから、第一のベース層20の外面に目的地情報及び一定の乗客識別情報が印字される露出表面22があり、接着剤26はベース層20の内面に設けられるといえる。
コ.FiG1、2をみると、荷物受取半券50は、ライナー部分40に粘着されているといえる。
Fig1、2、5、6は次のものである。
上記には符号「10」、「70」の部材について複数の表記が存在しているので、整理のためそれぞれを「手荷物タグ装置10」、「タグのハンドル部分70」と統一する。
これらの記載を総合すると、甲1号証には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「乗客の身元情報及び目的地の標識を印字する手荷物タグは、荷物受取半券の部分60及びタグのハンドル部分70からなり、タグのハンドル部分70は、帯状の第一のベース層20及び帯状の第二のライナー層30で構成され、ライナー30は、接着剤26の大部分をカバーし、この接着剤のうち、タグのハンドル部分70の端の部分は、ハンドルの周辺で両端を一緒にしっかりと止めるために、荷物受取半券60が切り取られた部分の接着剤が露出し、タグのハンドル部分70は、荷物のハンドル82の周囲に巻き付け、タグのハンドル部分70の端でのみ接合し、ハンドル82と接する面はすべて、ライナー層30の表面32であり、ライナー層30の切れ目38はU字型であり、荷物受取半券60のライナー部分40は、切れ目38に対応する、延長されたU字型の舌片部分44を有し、目的地情報及び一定の乗客識別情報が手荷物タグ装置10の第一のベース層20の露出表面22に印字され、荷物受取半券50の露出表面52にも乗客識別情報が印字され、この50の部分は、切れ目28によりベース層20から分離された部分で構成され、ベース層20の外面に目的地情報及び一定の乗客識別情報が印字される露出表面22があり、接着剤26はベース層20の内面に設けられ、荷物受取半券50は、ライナー部分40に粘着される手荷物タグ。」
(2)甲2号証
甲2号証(特開2008-305125号公報)には、次の事項が記載されている。
ア.「【0001】本発明は、ICタグを利用したラベルの技術分野に属し、詳しくは、航空手荷物に貼り付けて使用するための荷物タグに関するものである。」
イ.「【0015】図示の荷物タグ1は、OPPフィルムからなる基材層2の表面側に感熱紙からなる感熱材層3を有するとともに裏面側に粘着剤層4を介して剥離紙5を積層した層構成になっており、スリット6、ミシン目7等の荷物タグとして必要な各種の加工が施されている。」
ウ.「【0020】このような工程で荷物タグの巻取が製造される。そして、荷物タグ1を手荷物に貼着するに際しては、巻取から荷物タグ1を繰り出してミシン目7で1つずつ切り離した後、感熱材層3に所定事項を記載してから、剥離紙5を剥がして粘着剤層4を露出させるが、この時にスリット9で囲まれた剥離紙5の一部分が荷物タグ側に残り、それに貼着されたICタグインレット8も荷物タグ側に残ることになる。このようにICタグインレット8が付いた状態の荷物タグ1を使用し、そのまま貼り付けるか或いはリング状にして荷物に取り付けることができ、取付け状態においてICタグインレット8は従来の荷物タグと同様に隠蔽された状態となる。」
エ.図1をみると、荷物タグ1の左端部に、2本のスリット6で区切られた2つの部分と、同右端部に、1本のスリット6で区切られた1つの部分が示されている。
図1は次のものである。
これらの記載を総合すると、甲2号証には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。
「荷物タグ1は、OPPフィルムからなる基材層2の表面側に感熱紙からなる感熱材層3を有するとともに裏面側に粘着剤層4を介して剥離紙5を積層した層構成になっており、スリット6、ミシン目7等の荷物タグとして必要な各種の加工が施され、荷物タグ1の左端部に、2本のスリット6で区切られた2つの部分と、同右端部に、1本のスリット6で区切られた1つの部分があり、剥離紙5を剥がして粘着剤層4を露出させ、荷物タグ1を、そのまま貼り付けるか或いはリング状にして荷物に取り付けることができる航空手荷物に貼り付けて使用するための荷物タグ。」
(3)甲5号証
甲5号証(米国特許5411294号明細書)には、次の事項が記載されている。
ア.「The strip baggage tag 1 comprises a continuous upper web 4 and a lower-web section 5 which serves as a protective covering. The strip baggage tag 1 comprises a tag part 6 and a control section 7. The control section 7 comprises a tear-off part 4 which can be detached from the tag part 6 along a transversely extending separating line 8 provided in the upper web 4, for instance a separation cut or a separation perforation. 」(4欄39~46行)
(和訳:帯状荷物タグ1は連続的上ウェブ及び保護カバーの役目を果たす下ウェブ部5から成る。帯状荷物タグ1はタグ部品6及び制御部7から成る。制御部7は切り離し部品4”から成り、それは例えば切り離し線又はミシン目として上ウェブ4の横に伸びる切り離し線8に沿ってタグ部品6から分離できる。)
イ.「The control section 7 (FIG. 5a) comprises the tear-off part 4 of the upper web 4 which is detached along the separation line 8 and to which the right-hand part 5 of the lower web adheres firmly via the attachment bridge 13. Below the tear-off part 4 there is provided the right-hand lower web part 5 which has a transversely extending bend perforation line 14, along which the left-hand part 5' of the lower-web section 5 having a separation-active coating can be bent by 180.degree. in the manner shown in FIG. 5b. After bending in this fashion, as shown, the adhesive surface 10 is exposed over the length L.sub.2, whereby the control section 7 can be attached to an airplane ticket, for instance, by means of that adhesive surface 10.」(5欄22~35行)
(和訳:制御部7(図5a)は上ウェブ4の切り離し部品4”から成り、それは切り離し線8に沿って分離され、それに取り付けブリッジ13を経由して下ウェブの右手部品5”が強固に接着する。切り離し部品4”の下に、右手下ウェブ部品5”があり、それが横に伸びる曲げミシン目14を有し、それに沿って分離活性コーティングを有する下ウェブ部5の左手部品5’を図5bに示されたやり方で180度曲げることができる。示されたように、このように曲げた後、接着面10”は長さL2にわたって露出し、それによって制御部7を例えばその接着面10”によって搭乗券に貼り付けることができる。)
これらの記載を総合すると、甲5号証には、次の発明(以下、「引用発明5」という。)が記載されているものと認められる。
「帯状荷物タグ1は連続的上ウェブ及び保護カバーの役目を果たす下ウェブ部5から成り、帯状荷物タグ1はタグ部品6及び制御部7から成り、制御部7は上ウェブ4の切り離し部品4”から成り、それは切り離し線8に沿って分離され、それに取り付けブリッジ13を経由して下ウェブの右手部品5”が強固に接着し、切り離し部品4”の下に、右手下ウェブ部品5”があり、それが横に伸びる曲げミシン目14を有し、それに沿って分離活性コーティングを有する下ウェブ部5の左手部品5’を180度曲げることができ、このように曲げた後、接着面10”は長さL2にわたって露出し、それによって制御部7を例えばその接着面10”によって搭乗券に貼り付けることができる帯状荷物タグ。」
(4)甲6号証
甲6号証(特開2006-195446号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0007】
本発明の目的は、プリンタでの印字や、読み取り装置によるステッカー本体に記録されている情報の読み取りに適し、かつ剥離後の取り扱い性に優れた駐車違反ステッカーを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の駐車違反ステッカーは、表面を違反情報記録面としたステッカー本体の裏面全部に、再剥離粘着剤層と剥離紙が設けられ、前記剥離紙には、少なくとも1辺縁部の一部或いは全部又は1角隅部を未剥離部として残すためのスリットが形成されていることを特徴とする。」
これらの記載を総合すると、甲6号証には、次の技術事項(以下、「甲6の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「表面を違反情報記録面としたステッカー本体の裏面全部に、再剥離粘着剤層と剥離紙が設けられ、前記剥離紙には、少なくとも1辺縁部の一部或いは全部又は1角隅部を未剥離部として残すためのスリットが形成されている駐車違反ステッカー。」
(5)甲7号証
甲7号証(特開昭61-94084号公報)には、次の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】
1、多数のラベルを剥離ライナーに貼着してなる粘着ラベルにおいて、ラベルの端末片側を剥離ライナーと共に打ち抜き、ラベルを剥離ライナーから剥離した場合、剥離ライナーの一部が該端末に貼着したまゝ残存し非粘着部(b)を形成するよう、剥離ライナーの部分に切目(4)を設けてなる粘着ラベル。
2、粘着ラベルの非粘着部を形成する端末と反対側の端末における剥離ライナーに該端末部の剥離ライナー部分(a)のみを剥離できるよう切目(5)を設けてなる特許請求の範囲第1項記載の粘着ラベル。
3、ラベルの長さより巾の広い粘着剤(3)を塗布した粘着シートの粘着剤面に剥離ライナー(2)を貼着し、ついでラベルの長さより狭い間隔で長さ方向に剥離ライナーのみに二本の切目(4)、(5)を設けた後、粘着ラベルの端末片側の非粘着部を形成する部分は粘着シート及び剥離ライナーを共に打ち抜き、粘着ラベルの他の部分は粘着シートのみを打ち抜くことを特徴とする粘着ラベルの製造方法。」(1頁左欄4~11行)
「〔産業上の利用分野〕
本発明は粘着ラベル、特に電子部品製造工程における特定のものを保護するために用いる保護ラベル及びその製造方法に関する。
〔従来技術及びその問題点〕
従来、I.C.イメージセンサ-等の部品を組み込んで製品を製造する場合、機械的衝撃或いは熱に対しこれらの部品を保護するために、これら部品を組み込んだ後これら部品上に粘着ラベルを貼着した後火の工程に送られ、全工程終了後に該ラベルを剥離除去することが行われているが、ラベル全面に粘着剤が塗布されているためはがしにくいという問題があった。
また、粘着ラベルは、多数の粘着ラベルを剥離ライナーの上に貼着した形態で供給されているが、これらを保護すべき物品上に貼着するためには1枚づゝ剥離ライナーから剥がす必要があるが、粘着ラベル全面に粘着剤が塗布されているため剥がしにくいという問題もあった。」(1頁右欄7行~2頁左上欄5行)
「先づ、第5図に示すように、剥離ライナーのaの部分を剥離し、ついで、第6図に示す粘着ラベルのcの部分を矢印の方向に引き剥がすことにより、第7図に示すように粘着ラベル1の突出端部bの部分には剥離ライナーの一部が貼着されたまゝの状態で非粘着部を形成した粘着ラベルが得られ、ついでこのラベルを被保穫部材、例えばセンサーの上に仮着して加工を行う。センサー等の組み込み加工等が完了した後は粘着ラベルを剥がす必要があるが、この場合本発明のラベルには非粘着部bが形成されており、この部分をつまんで容易に引きはがすことができる。」(2頁右下欄20行~3頁左上欄12行)
これらの記載を総合すると、甲7号証には、次の技術事項(以下、「甲7の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「粘着剤(3)を塗布した粘着シートの粘着剤面に剥離ライナー(2)を貼着し、剥離ライナーの一部が貼着したまゝ残存し非粘着部(b)を形成するよう、剥離ライナーの部分に切目(4)を設け、剥離ライナーの一部が貼着されたまゝの状態で非粘着部を形成した粘着ラベルが得られ、ついでこのラベルを被保穫部材、例えばセンサーの上に仮着して加工を行う粘着ラベル。」
(6)甲8号証
甲8号証(米国特許6303201号明細書)には、次の事項が記載されている。
ア.「FIG. 2 illustrates the backside (i.e. the liner side) of a bag tag made from the laminate of FIG. 1. As shown in this figure, bag tag 36 is composed of body section 38, projecting section 40 and attachment section 42. Liner 22 of the laminate is subdivided by cut 43 so that the portion 44 of liner 22 in attachment section 42 is removable, thereby exposing the adhesive of adhesive layer 32. Unique indicia 46, which matches the same indicia on the reverse side of the tag (not shown), is provided so that removable liner portion 44 also serves as a claim check. The reverse side of tag 36 in projecting section 40 is also provided with indicia (not shown) identifying the intended destination of the bag. In modern bag tags, this indicia is usually thermally printed on the tag at the check in or baggage counter when the customer checks his luggage.」(1欄32~46行)
(和訳:Fig.2はFig.1のラミネートから作成される荷物タグの裏面(剥離紙側)を示す。この図に示す通り、荷物タグ36は、本体部38、ラベル表示部40と貼着部42から構成される。ラミネートの剥離紙22は、その剥離部44が剥離容易になるようにカット43によって分割される。そしてそれらによって、粘着剤32が露出される。タグの他端部に同様の形状と合うように設けられた独特の形状46は、剥離可能な剥離部44が預かり証として利用されるように設けられている。ラベル表示部40を有するタグ36の他端部は、荷物の目的地を特定する表示がされている。最新の手荷物タグには、この表示は、たいてい顧客が自身の荷物を確認する際に、窓口または荷物カウンターでタグに感熱方式で印字される。)
これらの記載を総合すると、甲8号証には、次の技術事項(以下、「甲8の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「荷物タグ36は、本体部38、ラベル表示部40と貼着部42から構成され、ラミネートの剥離紙22は、その剥離部44が剥離容易になるように凹凸形状のカット43によって分割され、剥離可能な剥離部44が預かり証として利用されるように設けられている粘着剤32が露出される荷物タグ。」
(7)甲9号証
甲9号証(特開2003-136861号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0018】
【発明の効果】本発明は、送り状と受領書が1枚の用紙に形成されていて,配送品に貼付する伝票の表層紙から剥離紙を剥がす位置を波形スリットに形成したので、剥離紙を剥がすときは、該波形スリットを山形にして折り曲げると切り口が開いて剥がす位置が明確になるとともに、波形に形成した切り口が立ち上がり剥離紙が剥がし易くなることの効果がある。又、本発明は、波形スリットに沿って「ここからはがしてください」とのスリット位置表示文字を表記し、または、スリットに沿ってもしくはスリットに重合して一定幅のスリット位置表示帯を設けたものであるから、スリットを設けた位置が明確になって剥離紙の剥がし作業が容易となるものである。」
これらの記載を総合すると、甲9号証には、次の技術事項(以下、「甲9の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「剥離紙を剥がすときは、該波形スリットを山形にして折り曲げると切り口が開いて剥がす位置が明確になるとともに、波形に形成した切り口が立ち上がり剥離紙が剥がし易くなり、波形スリットに沿ってスリット位置表示文字を表記する伝票。」
(8)甲10号証
甲10号証(実願昭60-8449号(実開昭61-126276号)のマイクロフィルム)には、次の事項が記載されている。
「この考案のラベル用紙は剥離紙30の切れ目40を突出部41を有する形状としたので、ラベル用紙を少し反り返すだけで突出部41の先端部分が小面積であるため、基材10の粘着剤20より容易に剥離し、さらに反返せば先端部より剥離が徐々に進行し、突出部41全体が大きく浮き上り突出部41を指掛りとして容易につかむことができ、剥離紙の剥離が容易に行えるものであり、製造現場、倉庫、屋外等で手袋をしたままでも貼着作業を容易に行うことができるものであり、また、一時に大量の貼着を行う場合も効率よく貼着作業が行えるものである等種々の効果を有するものである。」(6頁3~15行)
これらの記載を総合すると、甲10号証には、次の技術事項(以下、「甲10の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「剥離紙30の切れ目40を突出部41を有する形状として、剥離紙の剥離が容易に行えるラベル用紙。」
(9)甲11号証
甲11号証(米国特許出願公開第2008/296886号明細書)には、次の事項が記載されている。
ア.「【0012】This description relates generally to an example label that, for example, may be used as a baggage identification tag in connection with travel. The example label described herein includes a substrate, a layer of adhesive on the substrate, a layer of release coating in contact with the layer of adhesive, and a release liner. ・・・」
(和訳:この発明は、旅行時の手荷物タグとして使用することができるラベルに関するものである。ここで例示的に記載されるラベルは、基材層、基材層に貼着した粘着剤層、粘着剤層に積層する剥離コート及び剥離層を含む。)
イ:「【0022】The release liner 204 may also include information such as, for example, instructions 238 . Similar to the information 234 on the substrate, the information or instructions 238 may be a variety of information, appear in one or more languages, etc.」
(和訳:剥離層204は、例えば指示238のような情報を含む。情報234と同様に、当該情報又は指示238は様々な情報があり得、一つ又は複数の言語等で表示されうる。)
これらの記載を総合すると、甲11号証には、次の技術事項(以下、「甲11の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「ラベルは、基材層、基材層に貼着した粘着剤層、粘着剤層に積層する剥離コート及び剥離層を含み、剥離層204は指示238のような情報を含み、指示238は一つ又は複数の言語等で表示される手荷物タグ。」
(10)甲12号証
甲12号証(特開2009-259181号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0010】
上記目的を達成するために、第1発明のタグテープは、複数の無線タグ本体と、テープ厚み方向において前記複数の無線タグ本体を挟むように互いに反対側に設けられた第1テープ及び第2テープとを有するタグテープであって、前記無線タグ本体は、シート状のアンテナ基材と、前記アンテナ基材に設けられ情報の送受信を行うタグアンテナと、情報を記憶するIC回路部、及び、前記IC回路部を前記アンテナ基材に対し保持する保持部材を含むIC保持体とを備えており、前記第2テープは、前記複数の無線タグ本体を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着剤層と、前記貼り付け用粘着剤層の前記貼り付け側に設けられ、貼り付け時に使用者により引き剥がされる剥離材層とを備えており、前記剥離材層は、前記使用者に対し前記剥離材層の引き剥がし態様を誘導するための引き剥がし表示部を備えることを特徴とする。」
これらの記載を総合すると、甲12号証には、次の技術事項(以下、「甲12の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「使用者に対し剥離材層の引き剥がし態様を誘導するための引き剥がし表示部を備えるタグテープ。」
(11)甲13号証
甲13号証(特開2008-197214号公報)には、次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明はハンディターミナルプリンタで使用可能なラベルシートに関する。」
イ.「【0028】
単片ラベル26,26同士の境界にはラベル切取線24が設けられているが、このラベル切取線24はラベル20の表面から剥離紙30の表面まで到達する深さのハーフカットによって、スリット24aとアンカット24bを交互に配置したものである。また、最も外側にあるスリット24aの先端にはRカット加工により単片ラベル26の四隅にラウンドコーナー25が形成されており、これにより個々の単片ラベル26を剥がす時のつまみができ、剥がしやすさを向上させてある。」
これらの記載を総合すると、甲13号証には、次の技術事項(以下、「甲13の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「最も外側にあるスリット24aの先端にはRカット加工により単片ラベル26の四隅にラウンドコーナー25が形成されており、これにより個々の単片ラベル26を剥がす時のつまみができ、剥がしやすさを向上させてあるラベルシート。」
(12)甲14号証
甲14号証(特開2011-33822号公報)には、次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は、剥離紙付きラベル、剥離紙付きラベルのラベル個体への印刷を行うラベルプリンタ及びラベルの印刷方法に関する。」
イ.「【0024】
<第1の実施の形態の剥離紙付きラベルの構成例>
次に、第1の実施の形態の剥離紙付きラベル1Aの詳細について説明する。剥離紙11は、帯状の台紙であって、本例では白色系のフィルムで構成される。ラベル個体12Aは、第1の実施の形態では四角形の感熱紙で構成される。ここで、ラベル個体12Aにおける四角形とは、4つの角部が直角な形態だけでなく、4つの角部の一部または全部を円弧状としてRを付けた形態や、4つの角部の一部または全部を斜めに切り欠いた形態等を含む。」
これらの記載を総合すると、甲14号証には、次の技術事項(以下、「甲14の技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
「ラベル個体12Aにおける四角形とは、4つの角部の一部または全部を円弧状としてRを付けた形態や、4つの角部の一部または全部を斜めに切り欠いた形態等を含む剥離紙付きラベル。」
4.判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア.本件訂正特許発明1について
(ア)対比
本件訂正特許発明1と引用発明1とを対比すると、
後者における、「手荷物タグ」は、その構造、機能、作用等からみて、前者における「手荷物用タグ」に相当し、以下同様に「荷物受取半券」は、「顧客用控部」に、「露出表面22」は、「表面本体部」に、「帯状の第一のベース層20」は「帯状の表面シート」に、「帯状の第二のライナー層30」は「帯状の剥離シート」に、「接着剤26」は「粘着層」に、「『荷物受取半券60が切り取られた部分の接着剤が露出し』た『タグのハンドル部分70の端の部分』」は「貼付部」に、「荷物のハンドル82」は「手荷物の取手」に、「タグのハンドル部分70は、荷物のハンドル82の周囲に巻き付け、タグのハンドル部分70の端でのみ接合」することは、「表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付ける」に、「ライナー層30の表面32」は、「剥離シートの外面」に、「切れ目38」は「剥離用スリット」に、「ライナー部分40」は「剥離領域」に、「『目的地情報』及び『乗客識別情報』」は「荷物情報」に、「切れ目28」は「分離用スリット」に、それぞれ相当する。
したがって、両者は、
「外面に荷物情報が印刷され内面に粘着層が設けられる帯状の表面シートと、前記粘着層に剥離自在に粘着される帯状の剥離シートとを有し、手荷物に取り付けられる手荷物用タグであって、
前記表面シートの一端部に設けられ、前記表面シートの表面本体部から分離用スリットにより分離される顧客用控部と、
前記剥離シートの一端部に設けられ、前記剥離シートの剥離本体部から剥離用スリットで分離されるとともに、前記顧客用控部が粘着された状態で前記表面本体部の貼付部から剥離される剥離領域と、を有し、
前記表面本体部を手荷物の取手にループ状に巻き付けるときには、前記貼付部を前記剥離シートの外面に貼り付ける、手荷物用タグ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本件訂正特許発明1の「前記表面シートの他端部に設けられ、前記剥離シートから剥離されるとともに、前記表面本体部から分割用スリットで分割される複数の航空会社用控部」が、引用発明1には備えられていない点。
[相違点2]
本件訂正特許発明1の「前記分離用スリットよりも前記剥離シートの一端側にずれて前記剥離領域に設けられ、前記顧客用控部の粘着層を前記剥離領域が粘着される粘着部分と、粘着層が露出される露出部分とに区分する折り曲げ線」を有し、「前記露出部分は前記剥離領域を前記折り曲げ線で折り曲げると露出され、前記剥離領域が一体となった前記顧客用控部を、前記露出部分で使用者の持ち物に貼り付け」ることが、引用発明1には備えられていない点。
[相違点3]
本件訂正特許発明1の「前記剥離シートの他端部を残留部とし、当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け」ることと、「前記剥離本体部を前記表面シートから除去し、前記残留部により覆われる部分を残して露出される粘着層により前記表面シートを手荷物に貼り付けること」が、引用発明1には備えられていない点。
(イ)判断
上記相違点3について以下検討する。相違点3に係る発明特定事項は、訂正前の本件請求項2記載の「前記剥離シートの他端部を残留部とし、当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け」、「『前記剥離本体部を前記表面シートから除去し』、『前記表面シートを手荷物に貼り付ける』」事項と実質的に同じものであるので、取消理由で訂正前の本件請求項2に係る発明に対して通知した理由(請求項2に係る発明は、甲1号証記載の発明に、甲2、5号証記載の発明及び甲6、7号証記載の周知技術を適用することにより容易に発明をすることができたもの)について検討する。
上記「3.(2)」、「3.(3)」のとおり、上記相違点3に係る発明特定事項である「前記剥離シートの他端部を残留部と」すること、「当該残留部と剥離本体部とに前記剥離シートを区分する除去用スリットを前記剥離シートに設け」ること、「前記剥離本体部を前記表面シートから除去し、前記残留部により覆われる部分を残して露出される粘着層により前記表面シートを手荷物に貼り付けること」の各事項は、引用発明2、5には備えられていない。
例えば、上記「3.(4)(5)」の甲6、及び甲7の技術事項に示されているように、一般にラベルにおいて、ラベルに剥離部と未剥離部を設けて、未剥離部を残して剥離部を剥離して、ラベルを対象物に貼り付けることは、周知の技術事項である。
引用発明1のライナー30は、ライナー部分40と当該部分以外の部分(以下「その他の部分」という。)とから構成されて、ライナー部分40を剥離して、荷物のハンドル82に巻き付けるものであるが、本件訂正特許発明1のように荷物に直接貼り付けるものではない。
してみると、引用発明1と上記周知の技術事項とは、上記周知の技術事項の課題は明らかではなく、その課題が共通するとはいえないし、作用効果も異なるものである。
また、引用発明1は、荷重の取り付けに関して、荷物のハンドル82に巻き付けのみであって、本件訂正特許発明1のように手荷物の取手巻き付け、及び手荷物に直接貼り付けという2通りの取り付けを想定しているものではない。
してみると、引用発明1に上記周知の技術事項を適用するための動機付けをすることはできない。
また、仮に、引用発明1に、ラベルを対象物に貼り付けることを前提とした上記周知の技術事項を適用したとしても、引用発明1の「ライナー部分40」、及び「その他の部分」は、それぞれ上記周知の技術事項の「剥離部」、及び「未剥離部」に相当するものであるから、本件訂正特許発明1のように剥離シートを当該残留部と剥離本体部とに区分することはできない。
そして、上記周知の技術事項の「未剥離部」が、本件訂正特許発明1の「剥離本体部」に相当するとの理由もない。
よって、上記相違点1、2を検討するまでもなく、本件訂正特許発明1は、引用発明1、2、5並びに甲6ないし14に周知技術に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
イ.本件訂正特許発明2乃至5について
本件請求項2は削除され、本件訂正特許発明3は、本件訂正特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであり、本件訂正特許発明4は、本件訂正特許発明1、3の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであり、本件訂正特許発明5は、本件訂正特許発明1、3、4の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本件訂正特許発明3乃至5は、上記「ア.(イ)判断」と同様の理由により、引用発明1、2、5並びに甲6乃至14の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正請求項1、3乃至5に係る特許を取り消すことはできない。
本件請求項2は削除されたので、本件請求項2に係る特許についての特許異議については対象となる請求項は存在しない。
また、他に本件訂正請求項1、3乃至5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700275