特許異議申立
2016-700044
沈砂池の集砂装置
- 審判番号
- 2016-700044
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2010-119374外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年01月20日
- 審決日
- 2017年07月24日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】アクアインテック株式会社
- 【権利者代理人】アイアット国際特許業務法人
- 【権利者代理人】石井 光正
- 【異議申立人】小橋 末子
- 【異議申立人代理人】井上 勉
- 分類
- P1651.121-YAA(B01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5754081号発明「沈砂池の集砂装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5754081号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3について訂正することを認める。
特許第5754081号の請求項1、3に係る特許を維持する
特許第5754081号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本件特許第5754081号の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成22年5月25日に出願され、平成27年6月5日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人 小橋 末子より特許異議の申立てがなされ、平成28年5月10日付けで取消理由が通知されたところ、平成28年7月12日に訂正請求がなされ、平成28年10月5日に特許異議申立人の意見書の提出がなされ、平成28年12月26日付けで取消理由(決定の予告)が通知されたところ、平成29年3月2日に訂正請求及び意見書の提出がなされ、平成29年4月13日に特許異議申立人の意見書の提出がなされたものである。
2.訂正の適否
(1)訂正の内容
特許権者は、平成29年3月2日付け訂正請求書において、次の訂正事項1~12に係る訂正を請求した(下線部は請求人の付した訂正箇所。なお、当該訂正請求がされたことにより、平成28年7月12日付け訂正請求は取り下げられたものとみなされる。)。
ア.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「ノズルから沈砂池の底面に低圧力水を噴射してその底面に堆積している土砂を主トラフに流し、」とあるのを、「ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して前記沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、」に訂正する。
イ.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記ノズルを前記沈砂池内の側壁の上部近傍に設置し、」とあるのを、「前記ノズルには、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びるものを用い、前記ノズルを前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置し、」に訂正する。
ウ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「前記沈砂池を沈砂池の水面が集砂ピット内にある排水状態として前記ノズルを前記沈砂池の水面から上方に位置させた後、」とあるのを、「前記沈砂池を沈砂池の水面が前記集砂ピット内にある排水状態とした後、」に訂正する。
エ.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に「前記ノズルから水を前記側壁の壁面の上部に噴射させて、」とあるのを、「前記ノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の水を前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射させて、」に訂正する。
オ.訂正事項5
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
カ.訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3に「ノズルから排水状態の沈砂池の底面に低圧力水を噴射してその底面に堆積している土砂を主トラフに流し、」とあるのを、「ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して前記沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、」に訂正する。
キ.訂正事項7
特許請求の範囲の請求項3に「前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる各領域の側壁の近傍に設置したノズルヘッダーに等間隔で取付けられたノズルを、そのノズルからの噴射水が前記側壁の上部の壁面に対して15-60度の入射角度をもって噴射されるように取り付けた」とあるのを、「前記ノズルに、母管に接続され、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れる基管と、その基管に結合されたエルボと、そのエルボに結合され、前記側壁に向かって斜め下方に延びるノズルヘッドとからなるノズルを用い、前記ノズルを、前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる各領域の側壁の近傍に前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において設置したノズルヘッダーに、等間隔をもって、そのノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の噴出水が前記側壁の上部の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射されるように取り付けた」に訂正する。
ク.訂正事項8
明細書の段落【0007】に「沈砂池の底面に低圧力水を噴射して、底面に堆積した土砂を流すためのノズルを備えた沈砂池の集砂装置において、」とあるのを、「排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して、前記沈砂池の底面に堆積した土砂を流すためのノズルを備えた沈砂池の集砂装置において、」に訂正する。
ケ.訂正事項9
明細書の段落【0008】に「ノズルから沈砂池の底面に低圧力水を噴射してその底面に堆積している土砂を主トラフに流し、その主トラフの土砂を沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集める低圧集砂方式の集砂方法において、前記ノズルを沈砂池の水面から上方に位置させた後、前記ノズルから水を前記側壁の壁面の上部に噴射させて、その壁面を洗浄するとともに、その壁面を流下する水により沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに向けて流すことを特徴としている。」とあるのを、「ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、その主トラフの土砂を沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集める低圧集砂方式の集砂方法において、前記ノズルには、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びるものを用い、前記ノズルを前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置し、前記沈砂池を沈砂池の水面が前記集砂ピット内にある排水状態とした後、前記ノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の水を前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射させて、その壁面を洗浄するとともに、その壁面を流下する水により前記沈砂池の底面に堆積している土砂を前記主トラフに向けて流すことを特徴としている。」に訂正する。
コ.訂正事項10
明細書の段落【0008】の末尾にある記載「本発明の他の特徴は、ノズルの吐出量を0.15~0.3m3/分としたことである。」を削除する。
サ.訂正事項11
明細書の段落【0009】に「沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる各領域の側壁の近傍に設置したノズルヘッダーに等間隔で取付けられたノズルを、そのノズルからの噴射水が前記側壁の上部の壁面に対して15-60度の入射角度をもって噴射されるように取り付けた」とあるのを、「前記ノズルに、母管に接続され、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れる基管と、その基管に結合されたエルボと、そのエルボに結合され、前記側壁に向かって斜め下方に延びるノズルヘッドとからなるノズルを用い、前記ノズルを、前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる各領域の側壁の近傍に前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において設置したノズルヘッダーに、等間隔をもって、そのノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の噴射水が前記側壁の上部の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射されるように取り付けた」に訂正する。
シ.訂正事項12
明細書の段落【0010】に「本発明によれば、壁面に付着した汚れを除去することができる。ノズルからの噴射水が位置エネルギーを利用して勢い良く側壁の壁面に沿って流下するため、壁面の汚れを洗浄できるばかりでなく、底面の側壁至近位置から土砂を流し去ることができる。沈砂池の非排水状態のときも、ノズルを下水中に浸漬させないことができるので、ノズルの特にヘッド内に汚れが付着することを避けることができる。また、ノズルから噴射される水が沈砂池の側壁の壁面の上部から下端部まで流下し、さらに、沈砂池の底面を流れるので、沈砂池の底面の側壁側部分に土砂を残留させることなく沈砂池の底面に堆積している全ての土砂の集砂を行なうことができる。噴射水が前記側壁の上部の壁面に対して15-60度の入射角度をもって噴射させると、ノズルから噴射される水を側壁から離れる方向に跳ね返らせずに、壁面に沿って流下させることができるので、壁面洗浄効果が向上する。」とあるのを、「本発明によれば、ノズルは沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側に設けられ、そのノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の水が側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射されるので、その壁面が通常の水面以下の広い範囲において洗浄されるとともに、噴射水は側壁から離れる方向に跳ね返らずに、壁面を流下するため、壁面洗浄効果が向上する。そして、ノズルからの全ての噴射水が位置エネルギーを利用して勢い良く側壁の壁面に沿って流下するため、壁面の汚れを良く洗浄できるばかりでなく、壁面を流下する水により沈砂池の壁面の側壁側部分に土砂を残留させることなく沈砂池の底面に堆積している全ての土砂の集砂を行うことができる。また、ノズルは沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側に設けられているので、沈砂池の非排水状態のときも、ノズルを下水中に浸漬させないことができるため、ノズルの特にヘッド内に汚れが付着することを避けることができる。」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
ア.訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1の沈砂池について「排水状態」との事項を付加し、「底面に低圧力水を噴射」との事項を削除するものである。
そして、「排水状態」との事項を付加する点は、沈砂池を「排水状態」の沈砂池に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とする。
また、「底面に低圧力水を噴射」との事項を削除する点は、請求項1の後段にある「ノズルから…の水を前記側壁の壁面に対して…噴射させて、…その壁面を流下する水により前記沈砂池の底面に堆積している土砂を前記主トラフに向けて流す」との記載と、低圧力水の噴射される部位の点で整合しない記載を削除するものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1は、訂正前の明細書の段落【0038】の記載等から導き出される事項であって新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号、並びに、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
イ.訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項1の「前記ノズル」を、「前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びる」構造であって、「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置」されるノズルに限定するのであって、特許請求の範囲の減縮を目的とする。
そして、訂正事項1のうち、「前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びる」構造は、訂正前の明細書に添付された図面の【図9】及び明細書の段落【0018】~【0020】の図9に係る記載等から導き出される事項であり、また、「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置」されることは、訂正前の明細書に添付された図面の【図8】及び明細書の段落【0017】の図8に係る記載等から導き出される事項であって新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
ウ.訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項1の「排水状態として前記ノズルを前記沈砂池の水面から上方に位置させた後」との記載を「排水状態とした後」とするものである。
ここで、「前記ノズル」は、訂正事項2によって「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置」されるもの、すなわち、通常の水面よりも上側に設置されるものに限定されたといえる。
しかるに、訂正前の請求項1の「排水状態として前記ノズルを前記沈砂池の水面から上方に位置させた後」との記載は、「前記ノズル」と通常の水面との位置関係は何ら問わないものであって、通常の水面よりも下側に設置されたものを含むとも解され得るものといえる。
そうすると、訂正事項3は、訂正事項2によって限定された「前記ノズル」の設置と整合するように請求項1の記載を訂正するものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
エ.訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の請求項1の「ノズルから水を前記側壁の壁面の上部に噴射」における「噴射」を、「吐出量0.15~0.3m3/分」であり、「壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射」されるものに限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とする。
そして、「噴射」を、「吐出量0.15~0.3m3/分」であり、「壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射」されるものとすることは、訂正前の明細書の段落【0040】の記載等から導き出される事項であって新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
オ.訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前の請求項2を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
カ.訂正事項6について
訂正事項6は、訂正前の請求項3の「ノズルから排水状態の沈砂池の底面に低圧力水を噴射して」を「ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して」とするものであるが、請求項1の後段にある「そのノズルから…の噴出水が前記側壁の上部の壁面に対して…噴射される」との記載と、低圧力水の噴射される部位の点で整合しない記載を削除するものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
キ.訂正事項7について
訂正事項7は、訂正前の請求項3の「ノズル」を「母管に接続され、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れる基管と、その基管に結合されたエルボと、そのエルボに結合され、前記側壁に向かって斜め下方に延びるノズルヘッドとからなる」構造であって、「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において設置した」ものに限定するとともに、訂正前の請求項3の「噴射水」を「吐出量0.15~0.3m3/分」のものに限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とする。
そして、「ノズル」を「母管に接続され、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れる基管と、その基管に結合されたエルボと、そのエルボに結合され、前記側壁に向かって斜め下方に延びるノズルヘッドとからなる」構造とすること、及び、「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において設置した」ものとすることは、訂正事項2について上記したとおり、前者については【図9】及び明細書の段落【0018】~【0020】の記載等、後者については【図8】及び明細書の段落【0017】の記載等から導き出される事項である。
また、「噴射水」を「吐出量0.15~0.3m3/分」とすることは、訂正事項4について上記したとおり、明細書の段落【0040】の記載等から導き出される事項であって新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
ク.訂正事項8~12について
訂正事項8~12は、明細書の記載を、訂正事項1~7による特許請求の範囲の訂正の内容に整合するように訂正するものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
よって、訂正事項8~12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号、及び、同条第9項で準用する第126条第5、6項に適合する。
(3)一群の請求項について
訂正前の請求項1、2は、請求項2が本件訂正の対象の請求項である請求項1を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものであって、訂正事項1~5は、一群の請求項についてされたものである。また、訂正事項6~7は、請求項1、2とは独立の請求項である請求項3についてされたものである。そして、訂正事項8~12は、請求項1、2と、請求項3とに関する明細書の記載についてされたものである。
よって、本件訂正は、特許法第120条の5第4項及び同条第9項で準用する第126条第4項に適合する。
(4)むすび
したがって、上記訂正事項はいずれも、特許法第120条の5第2項、第4項、及び、同条第9項で準用する第126条第4~6項に適合するので、訂正後の明細書及び特許請求の範囲の記載のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3について訂正することを認める。
3.当審の判断
(1)訂正後の請求項1、3に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1、3は、次のとおりである(以下、これらの請求項に係る発明を「本件発明1」、「本件発明3」という)。
【請求項1】
ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して前記沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、その主トラフの土砂を前記沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集める低圧集砂方式の集砂方法において、
前記ノズルには、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びるものを用い、前記ノズルを前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置し、
前記沈砂池を沈砂池の水面が前記集砂ピット内にある排水状態とした後、前記ノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の水を前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射させて、その壁面を洗浄するとともに、その壁面を流下する水により前記沈砂池の底面に堆積している土砂を前記主トラフに向けて流すことを特徴とする集砂方法。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
ノズルから排水状態の沈砂池に低圧力水を噴射して前記沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、その主トラフの土砂を前記沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集める低圧集砂方式の集砂装置において、
前記ノズルに、母管に接続され、前記沈砂池の側壁から斜め下方に離れる基管と、その基管に結合されたエルボと、そのエルボに結合され、前記側壁に向かって斜め下方に延びるノズルヘッドとからなるノズルを用い、
前記ノズルを、前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる各領域の側壁の近傍に前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において設置したノズルヘッダーに、等間隔をもって、そのノズルから吐出量0.15~0.3m3/分の噴出水が前記側壁の上部の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射されるように取り付けたことを特徴とする集砂装置。」
(2)刊行物の記載
特許異議申立人が提出した刊行物は、次のとおりである。
そして、平成28年5月10日付け取消理由で引用した刊行物は、これらの刊行物のうち、甲第1、3号証である。
甲第1号証:特開2008-126145号公報
甲第2号証:特公昭42-17554号公報
甲第3号証:特開平7-100305号公報
甲第1、3号証には、次の事項が記載されている。
[甲第1号証]
摘示1-1
「揚砂ポンプの砂吸込口を配設した集砂ピットに向かって低くなるよう傾斜した池底の形状を備えた沈砂池の底部に向かって水を噴射するように集砂ノズルを配設した沈砂池の集砂装置において、集砂ノズルを、水面上に配設するとともに、噴射水が沈砂池の側壁と池底とが接する隅角部の近傍域に到達するようにしたことを特徴とする沈砂池の集砂装置。」(【特許請求の範囲】【請求項1】)
摘示1-2
「 ・・・、さらに、この沈砂池1の側壁14の内面で、水位レベルWL(集砂時の水位レベルWL1(本実施例においては、傾斜した池底12が露出するレベル))よりも上方位置、すなわち、水面上に、集砂ノズル2を配設し、この集砂ノズル2に集砂用給水配管3を介して集砂用水を供給するための給水ポンプ4を接続するとともに、集砂ピット11内に集めた砂を揚砂するようにした揚砂ポンプ5の砂吸込口51を配設して構成する。」(段落【0022】)
摘示1-3
「集砂ノズル2は、図3(c)に示すように、集砂ノズル2より噴射される水が、沈砂池1の側壁14の内面に沿う噴射水Xとなるように配設し、これによって、集砂ノズル2からの噴射水が沈砂池1の側壁14と池底12とが接する隅角部10の近傍域に到達するようにする。
これにより、沈砂池1内に導入される汚水中の比較的軽量な汚砂やごみ等が沈砂池1のの側壁14の内面に付着しても、集砂ノズル2より噴射される噴射水によって除去することができるとともに、沈砂池1の側壁14と池底12とが接する隅角部10の近傍域を含む池底12に堆積する汚砂を、集砂ピット11に向けて強制的に移送することができる。」(段落【0025】)
摘示1-4
「…集砂ノズル2bからの噴射水の水量は、揚砂ポンプ5により揚水される水量よりも少なく設定するようにし、これにより、水位レベルWLを、集砂時の水位レベルWL1(本実施例においては、傾斜した池底12が露出するレベル)まで低下させるようにする。…
このように揚砂ポンプ5を所定時間駆動した後、給水ポンプ4及び揚砂ポンプ5を継続して駆動しつつ、…、同時に2つの集砂ノズル2a,2bより洗浄水が噴射されるようになり、ゾーンbより上流側のゾーンa内においては集砂ノズル2aからの噴射水にてゾーンa内の池底、特に、側壁14と池底12とが接する隅角部10に堆積することなく側壁下部より池底に沿って移送され集砂トラフ13内に集められるようになって沈降する。…
この場合、集砂ノズル2a,2bからの噴射水の水量と、揚砂ポンプ5により揚水される水量とを一致させることにより、集砂時の水位レベルWL1を一定にした状態に保持することができる(以下の場合も同様)。」(段落【0029】~【0030】)
摘示1-5
「このようにしてゾーンa内の沈砂が集砂ピット11内に集められ、揚砂ポンプ5の駆動にて揚砂された後、次にバルブを切り替える。すなわち、バルブ3aを閉じ、バルブ3cを開くようにするとゾーンcに配設された集砂ノズル2cより噴射水が噴射されることにより、ゾーンc内の沈降汚砂はゾーンa内において生じた同じ現象にて、すなわち、ゾーンc内の噴射水にてゾーンc内の側壁14と池底12とが接する隅角部10に堆積することなく側壁下部より池底に沿って移送され集砂トラフ内に集められ、この集砂トラフ内に沈降集砂された汚砂は該集砂トラフ内底の傾斜面に沿って集砂ピット11内に導かれ、集砂ノズル2bからの噴射水の噴流により攪拌されつつ、砂吸込口51より吸い込まれて揚砂配管52、揚砂ポンプ5、揚砂排出配管53を経て揚砂される。
次に、ゾーンc内の揚砂が完了するとバルブを切り替えてバルブ3cを閉じ、バルブ3dを開くようにするとゾーンdに配設された集砂ノズル2dより噴射水が噴射されることにより、ゾーンd内の沈降汚砂はゾーンa、c内において生じた同じ現象により同様にして揚砂される。このように、バルブの切り替えにて順次ゾーン内の集砂、揚砂を行うことで沈砂池1内の汚水も同時に排出され、順次池内の水位は低下していく。
そして、最終のゾーンe内の集砂及び揚砂が完了すると、給水ポンプ4を停止してすべてのバルブ3a,3b,3c,3d,3eを閉じ、揚砂ポンプ5のみを駆動するようにすると、集砂ピット11内の残量汚水と共に揚砂も行われ、最終的にほぼすべての沈砂池1内の汚水、集砂を排出することができ、集砂ピット11内の集砂が完了し、揚砂ポンプ5を停止する。」(段落【0031】~【0032】)
摘示1-6
「【図1】
」
摘示1-7
「【図3】
」
[甲第3号証]
摘示3-1
「すなわち、この実施例の第1の雨水沈砂池2の底部7においては、雨水沈砂池2の長さ方向の中央部分に底部7を幅方向に横断する第1のトラフ12が形成され、雨水沈砂池2の幅方向の中央部分には第2のトラフ13が形成されており、これらの第1および第2のトラフ12,13の交差部分に前記集砂ピット8が形成されている(図3)。
…
そして、これらの各領域の底部7の表面には、それぞれ前記第1のトラフ12と平行に多数の小トラフ14が形成されており、これらの小トラフ14の間となる底部7の表面上には、この雨水沈砂池2の側壁に沿った位置にそれぞれ対応して給水ノズル15が設置されている。」(段落【0024】~【0029】)
摘示3-2
「【図3】
」
摘示3-3
「【図5】
」
(3)甲第1号証に記載された発明
上記(2)に摘示した事項からみて、甲第1号証には、「揚砂ポンプの砂吸込口を配設した集砂ピットに向かって低くなるよう傾斜した池底の形状を備えた沈砂池の底部に向かって水を噴射するように集砂ノズルを配設した沈砂池の集砂装置において、集砂ノズルを、水面上に配設するとともに、噴射水が沈砂池の側壁と池底とが接する隅角部の近傍域に到達するようにしたことを特徴とする沈砂池の集砂装置。」(摘示1-1)が記載されている。
そして、段落【0022】(摘示1-2)の記載等からみて、ノズル(2a)を通常の水位レベルWLよりも上方に設置し得ることが開示されているといえる。
また、段落【0029】~【0030】、【図1】(摘示1-4、1-6)の記載からみて、「ノズル(2a)を沈砂池内に位置させること」、及び、「水位レベルを集砂時の水位レベルWL1まで低下させた後、ノズル(2a)から水を噴射すること」、すなわち、「沈砂池の水面が集砂ピット内にある排水状態としてノズル(2a)を沈砂池の水面から上方に位置させた後、水を噴射すること」が開示されているといえる。
さらに、段落【0025】、【図3】(c)(摘示1-3、1-7)の記載からみて、ノズル(2a)から噴射された水は、「側壁の内面に噴射されて、その内面を洗浄する」といえる。
そして、段落【0031】~【0032】(摘示1-5)の記載からみて、同様な「以下の場合」として、集砂ノズル2c、2d、2eに、集砂ノズル2aと同様の動作を行わせることが開示されているといえる。
以上の事項からみて、甲第1号証には、次の集砂装置の発明、
「a 集砂ノズル2a、2c、2d、2eから沈砂池1の底面に向かって水を噴射してその底面に堆積している土砂を集砂トラフ13に流し、その集砂トラフ13の土砂を前記沈砂池1の底部に設けた集砂ピット11に集める集砂方式の集砂装置において、
b 前記集砂ノズル2a、2c、2d、2eを前記沈砂池1の通常の水位レベルWLよりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置し、
c 沈砂池の水面が集砂ピット内にある排水状態とした後、
d 前記集砂ノズル2a、2c、2d、2eから水を前記側壁14の内面に沿って噴射させて、その内面を洗浄するとともに、
e その内面を流下する水により前記沈砂池1の底面に堆積している土砂を前記集砂トラフ13に向けて流す、
f 集砂装置。」
及び上記集砂装置を用いる集砂方法、すなわち、
「a’集砂ノズル2a、2c、2d、2eから沈砂池1の底面に水を噴射してその底面に堆積している土砂を集砂トラフ13に流し、その集砂トラフ13の土砂を前記沈砂池1の底部に設けた集砂ピット11に集める低動力集砂方式の集砂方法において、
b’前記集砂ノズル2a、2c、2d、2eを前記沈砂池1の通常の水位レベルWLよりも上側において前記沈砂池1内の側壁の上部近傍に設置し、
c’沈砂池の水面が集砂ピット内にある排水状態とした後、
d’前記集砂ノズル2a、2c、2d、2eから水を前記側壁14の内面に噴射させて、その内面を洗浄するとともに、
e’その内面を流下する水により前記沈砂池1の底面に堆積している土砂を前記集砂トラフ13に向けて流す、
f’集砂方法。」
が記載されていると認められる(以下、順に、「引用発明1」、「引用発明2」という。)。
(4)当審で通知した取消理由について
(4-1)本件発明1について
ア.対比
本件発明1と、集砂方法の発明である引用発明2とを対比すると、引用発明2の「集砂ノズル2a、2c、2d、2e」、「集砂トラフ13」、「前記沈砂池1の通常の水位レベルWLよりも上側」、「側壁14の内面」は、順に、本件発明1の「ノズル」、「主トラフ」、「前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側」、「壁面」に相当するから、両者は、
「ノズルから排水状態の沈砂池に水を噴射して前記沈砂池の底面に堆積している土砂を主トラフに流し、その主トラフの土砂を前記沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集める低圧集砂方式の集砂方法において、
前記ノズルを前記沈砂池に下水が貯留されているときの通常の水面よりも上側において前記沈砂池の側壁の近傍に設置し、
前記沈砂池を沈砂池の水面が前記集砂ピット内にある排水状態とした後、前記ノズルから水を前記側壁の壁面に噴射させて、その壁面を洗浄するとともに、その壁面を流下する水により前記沈砂池の底面に堆積している土砂を前記主トラフに向けて流すことを特徴とする集砂方法。」
の点で一致し、次の点で相違する。
相違点1:本件発明1はノズルとして「沈砂池の側壁から斜め下方に離れた後、前記側壁に向かって斜め下方に延びるもの」を用いるのに対して、引用発明2は如何なるノズルを用いるか不明である点。
相違点2:ノズルからの水に関し、本件発明1は「低圧力」である「吐出量0.15~0.3m3/分」の水を「前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射」させるのに対して、引用発明2は如何なる吐出量、如何なる壁面に対する入射角度で噴射させるのか不明である点。
イ.相違点の検討
まず、相違点2について検討する。
本件訂正後の明細書の発明の詳細な説明の「上記いずれの領域におけるノズルヘッダーのノズル9bも、上述のように、沈砂池の排水状態において、・・・水をノズル1個当たり0.15m3/分の水量で側壁Wに向けて噴射するが、・・・壁面の上部に着地した水はその壁面に広がり、続いて壁面の下端部まで流下する。」(段落【0038】)、「ノズル9bから噴射される水を側壁Wから離れる方向に跳ね返らせずに、壁面に沿って流下させるため、ノズルからの噴射中心線の側壁の内面に対する入射角度(図8のθ1)を、15~60度の範囲に設定することが望ましい。ノズル9bからの吐出量は、0.15~0.3m3/分、・・・とすることができる。」(段落【0040】)との記載等からみて、本件発明1は、「ノズルの吐出量」を0.15~0.3m3/分という低圧力のものとし、かつ、「噴射水の沈砂池の壁面に対する入射角度」を15~60度とすることによって、噴射水が側壁から離れる方向に跳ね返らずに壁面を流下するため、壁面がごみ等の付着し易い通常の水面の高さ以下の広い範囲において洗浄される」という顕著な効果を奏するものと認められる。
これに対して、引用発明2は、水を「壁面に沿って」噴射するものであることからみて、壁面に対して15度以上の大きな入射角度での噴射を設定するものとは認められない。
また、引用発明2において、「壁面に沿って」噴射された水は、「底面に向か」うことからみて、壁面から離れる方向に跳ね返るものではないから、跳ね返りを考慮して、水の吐出量を0.15~0.3m3/分と設定するものとも認められない。
さらに、甲第3号証をみても(摘示3-1~3-3)、沈砂池の壁面へ噴射される水の入射角度及び吐出量について、何らの記載ないし示唆もない。
よって、ノズルからの水に関し、「低圧力」である「吐出量0.15~0.3m3/分」の水を「前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射」させることは、当業者が引用発明2及び甲第3号証に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たものとはいえない。
ウ.まとめ
以上のとおりであって、相違点2に係る点は当業者が容易になし得たものとはいえないから、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明、及び、甲第3号証に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(4-2)本件発明3について
上記(4-1)ア.で、本件発明1と引用発明2とを対比したのに準じて、本件発明3と引用発明1とを対比すると、両者は、少なくとも、次の点で相違する。
相違点:ノズルからの水に関し、本件発明3は「低圧力」である「吐出量0.15~0.3m3/分」の水を「前記側壁の壁面に対して15~60度の入射角度をもって噴射」させるのに対して、引用発明1は如何なる吐出量、如何なる壁面に対する入射角度で噴射させるのか不明である点。
そして、当該相違点は、上記(4-1)ア.において、本件発明1と引用発明2との対比に関してあげた相違点2と同様の相違点であって、上記(4-1)イ.に相違点2について記載した理由と同様の理由によって、当該相違点に係る本件発明1の構成の点は、引用発明1及び甲第3号証に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
よって、本件発明3は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(5)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、上記の甲第1、3号証の他に、甲第2号証を提出しているので、甲第2号証に記載された技術的事項から上記(4-1)ア.に記載した相違点2及び(4-2)に記載した相違点に係る点を当業者が容易に想到し得たといえるか否か検討する。
甲第2号証からは、消化法処理用汚水の前処理装置において、「洗浄水噴射ノズル5」から水が20~40度の範囲の入射角度で噴射されて壁面を洗浄することが視認される(第2図参照)。
しかしながら、引用発明1、2は、沈砂池を「排水状態」とした後に、側壁の壁面にノズルからの水を噴射するものであるのに対して、甲第2号証に記載された「洗浄水噴射ノズル5」は、沈砂池を「排水状態」とした後に側壁の壁面にノズルからの水を噴射するものではないから、仮に、甲第2号証に「洗浄水噴射ノズル5」から水が20~40度の範囲の入射角度で噴射することが開示されていたとしても、斯かる20~40度の範囲の入射角度を引用発明1、2に適用する動機付けが当業者においてあるとはいえない。
ましてや、「ノズルの吐出量」を0.15~0.3m3/分という「低圧力」のものとしたうえで、「噴射水の沈砂池の壁面に対する入射角度」を15~60度とすることを当業者が甲第2号証に記載された技術的事項に基づいて容易になし得たことであるとはいえない。
よって、甲第2号証に記載された技術的事項から、上記(4-1)ア.に記載した相違点2及び(4-2)に記載した相違点に係る点を当業者が容易に想到し得たものとはいえないから、当業者が、甲第1~3号証に記載された発明に基づいて、本件発明1、3を容易に想到し得たものとする特許異議申立理由は、採用することができない。
4.むすび
したがって、請求項1及び3に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。そして、他に請求項1及び3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件訂正により請求項2に係る特許は削除されたので、請求項2に係る特許についての特許異議の申立ては、対象となる特許が存在しないものとなった。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700044