特許拒絶査定不服審判
2016-018341
基板処理システム、フォーカスリングの温度制御方法及び基板のエッチング方法
- 審判番号
- 2016-018341
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-197094外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月06日
- 審決日
- 2017年08月21日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】東京エレクトロン株式会社
- 【請求人代理人】河野 英仁
- 【請求人代理人】河野 登夫
- 分類
- P18 .121-WY (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-197094「基板処理システム、フォーカスリングの温度制御方法及び基板のエッチング方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月12日出願公開、特開2016- 26401、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成23年3月28日に出願した特願2011-70947号の一部を平成27年10月2日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成27年10月 2日 審査請求及び上申書の提出
平成28年 5月12日 拒絶理由通知(起案日)
平成28年 6月28日 意見書及び手続補正書の提出
平成28年 9月 1日 拒絶査定(起案日)
平成28年12月 6日 審判請求
第2 本願発明
本願の請求項1~10に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」~「本願発明10」という。)は,平成28年6月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
処理容器と,
該処理容器内で基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と,
前記基板を載置する載置台と,
前記基板の周辺に配置するフォーカスリングと,
前記載置台に配置し,前記基板及びフォーカスリングを静電吸着する静電チャックと,
前記フォーカスリングを加熱するヒータと,
前記フォーカスリングを冷却するために熱伝導性ガスを供給する温調ガス供給部と,
前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給部と,
前記処理容器内を所定の真空度に減圧する排気手段と,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記フォーカスリングを前記ヒータによる加熱と前記温調ガス供給部からの冷媒の供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御して,前記基板をエッチングする制御部と,
エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段と
を備え,
測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
前記熱伝導性ガスは,前記フォーカスリングと前記静電チャックの接触境界に供給される構成からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
処理容器と,
該処理容器内で基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と,
前記基板を載置する載置台と,
前記基板の周辺に配置するフォーカスリングと,
前記載置台に配置し,前記基板及びフォーカスリングを静電吸着する静電チャックと,
前記フォーカスリングを加熱するヒータと,
前記フォーカスリングを冷却するために熱伝導性ガスを供給する温調ガス供給部と,
前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給部と,
前記処理容器内を所定の真空度に減圧する排気手段と,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記載置台に前記フォーカスリングを静電吸着する工程と,前記フォーカスリングの温度を設定する工程と,前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程とを行い前記フォーカスリングの温度を制御する制御部と,
エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段と
を備え,
測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
前記熱伝導性ガスは,前記フォーカスリングと前記静電チャックの接触境界に供給される構成からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
載置台上に静電吸着された基板上の膜をエッチングした際に,面内均一性を高めるために該基板の周囲に配置されるフォーカスリングの温度制御方法において,
前記載置台に前記フォーカスリングを静電吸着する工程と,
前記フォーカスリングの温度を設定する工程と,
前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,
前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程と
を有し,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記ヒータによる加熱とHeガスの供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御することとし,
エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し,
測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とするフォーカスリングの温度制御方法。
【請求項6】
前記基板は,前記基板上に膜が形成され,前記エッチングによりパターンを形成される ことを特徴とする請求項5に記載のフォーカスリングの温度制御方法。
【請求項7】
前記パターンの形状又は寸法を測定する工程は,複数の位置における前記パターンの形状又は寸法を測定し,
前記複数の位置におけるパターンの形状又は寸法のデータのばらつきが所定の閾値より大きい場合,前記フォーカスリングの温度へフィードバックして前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とする請求項5または6に記載のフォーカスリングの温度制御方法。
【請求項8】
載置台上に静電吸着された基板のエッチング方法において,
前記載置台に前記基板を静電吸着する工程と,
前記基板の周囲に配置されるフォーカスリングを前記載置台に静電吸着する工程と,
前記フォーカスリングの温度を設定する工程と,
前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,
前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程と,
前記基板上にプラズマを生成する工程と,
前記基板を前記プラズマによりエッチングする工程と
を有し,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記ヒータによる加熱とHeガスの供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御して,前記基板をエッチングすることとし,
エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し,
測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とする基板のエッチング方法。
【請求項9】
前記基板は,前記基板上に膜が形成され,前記エッチングによりパターンが形成される ことを特徴とする請求項8に記載の基板のエッチング方法。
【請求項10】
前記パターンの形状又は寸法を測定する工程は,複数の位置における前記パターンの形状又は寸法を測定し,
前記複数の位置におけるパターンの形状又は寸法のデータのばらつきが所定の閾値より大きい場合,前記フォーカスリングの温度へフィードバックして前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の基板のエッチング方法。」
第3 原査定の概要
1 原査定
原査定(平成28年9月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
「この出願については,平成28年5月12日付け拒絶理由通知書に記載した理由2によって,拒絶をすべきものです。
なお,意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが,拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。
備考
●理由2(特許法第29条第2項)について
・請求項 1-10
・引用文献等 1-2
請求項1-7に係る発明は,補正前の請求項7に記載された発明特定事項を,補正前の請求項1-6,8に付加したものであって,請求項8-10に係る発明は,補正前の請求項11に記載された発明特定事項を,補正前の請求項9-10,12に付加したものである。
請求項1-10に係る発明の進歩性についての判断は,平成28年5月12日付け拒絶理由通知書の理由2に記載した通りである。
次に,出願人は,意見書において以下の主張を行っている。
「・・・エッチングにより形成されるパターンの形状又は寸法を測定し,測定したパターンの形状又は寸法に基づいて,フォーカスリングの温度を制御することは,引用文献1に開示も示唆もなされていない。
・・・本願の請求項1では,「ヒータ」の温度を制御するのではなく,「フォーカスリング」の温度を制御している。よって,本願の請求項1と引用文献2とでは,温度制御の対象が明らかに異なっている。
したがって,エッチングにより形成されるパターンの形状又は寸法を測定し,測定したパターンの形状又は寸法に基づいて,フォーカスリングの温度を制御することは,引用文献2に開示も示唆もなされていない。
本願の請求項1に係る発明では,測定したパターンの形状又は寸法に基づいてフォーカスリングの温度を制御するようにしたので,パターンの面内均一性を高めることができ,フォーカスリングの寿命を伸ばすことができるという効果を奏する。
以上のように,引用文献1及び2は何れも本願の請求項1の上述したような発明特定事項を開示も示唆もしておらず,また本願の請求項1に係る発明はこの発明特定事項により顕著な効果を奏することから,本願の請求項1に係る発明が引用文献1及び2に基づきその進歩性を否定される理由はない。」
上記の出願人の主張について検討する。
上記拒絶理由通知書に記載した通り,引用文献1には,エッチング特性の面内均一性の向上を目的としてフォーカスリングの温度制御を行うことが記載されている(段落0082-0085)。
また,引用文献2には,エッチング深さのばらつきのばらつきの低減を目的として,干渉計による測定で得られるエッチング深さの情報を基に,ウェーハを保持するチャック内に配置される発熱体の温度を制御することが記載されている(第5欄第44行-第6行第24行)。
そして,引用文献1に記載されたフォーカスリングと引用文献2に記載された発熱体は,共にエッチング特性の面内均一性の向上という課題を解決するために設けられるものであり,温度が制御可能であるという点で共通の機能を有している。
したがって,出願人が主張する事項が引用文献1又は引用文献2に記載されていないとしても,引用文献1に記載された発明のフォーカスリングに,引用文献2に記載された発熱体の温度制御方法を適用して,請求項1-10に係る発明とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。また,同じ構成を有していれば,それによって奏される効果も同様であると言える。
したがって,出願人の主張は,採用できない。
よって,請求項1-10に係る発明は,引用文献1-2に記載された発明に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,依然として,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2010-251723号公報
2.米国特許第6770852号明細書」
2 拒絶理由通知
原査定の根拠となった平成28年5月12日付けの拒絶理由通知の概要は次のとおりである。
「2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
……(中略)……
●理由2(進歩性)について
・請求項 1-6,9,10
・引用文献等 1
・備考
請求項1-6,9,10に係る発明は,引用文献1に記載された発明に基づいて,当業者が容易になし得たものである。
・請求項 7,8,11,12
・引用文献等 1,2
・備考
請求項7,8,11,12に係る発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると,請求項7,8,11,12に係る発明では,測定されたパターンの形状又は寸法に基づいてフォーカスリングの温度を制御するのに対し,引用文献1に記載された発明では,測定されたパターンの形状又は寸法に基づいてフォーカスリングの温度が制御されていない点で相違する。
上記相違点について検討する。
引用文献2の第5欄第44行-第6欄24行及び図3,4には,エッチング・システム400において,干渉計416によってウェーハ404上の複数の位置におけるエッチングの深さ(「パターンの形状又は寸法」に相当)を測定し,その情報をウェーハの温度プロファイルへフィードバックし,発熱体410の温度を調整することで,ウェーハ404の溝のエッチング深さのばらつきを低減することが記載されている。
そして,引用文献1,2に記載された発明は,ともに,エッチング特性の均一性の向上を課題として,その解決手段として温度制御を行うものである。
したがって,引用文献1に記載されたプラズマ処理装置に,引用文献2に記載されたエッチング・システム400と同様の構成を採用して,干渉計によって測定されたパターンの形状又は寸法に基づき,フォーカスリングの温度のフィードバック制御を行うことは,当業者が容易に想到し得たことである。
なお,取得したデータが所定の閾値よりも大きい場合にフィードバックを行うことは,フィードバックに関する技術分野における慣用技術である。
よって,請求項7,8,11,12に係る発明は,引用文献1,2に記載された発明に基づいて,当業者が容易になし得たものである。
<引用文献等一覧>
1.特開2010-251723号公報
2.米国特許第6770852号明細書」
第4 当審の判断
1 引用刊行物の記載
(1)引用例1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2010-251723号公報(以下「引用例1」という。)には,「プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法」(発明の名称)について,図1~図20とともに次の事項が記載されている(下線は,参考のため,当審において付したもの。以下,同様である。)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,被処理基板にプラズマ処理を施す技術に係り,特に基板を保持する電極にフォーカスリングを取り付けるプラズマ処理装置およびそれを用いるプラズマ処理方法に関する。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のプラズマ処理装置においては,上記のように基板の温度を制御してはいるが,フォーカスリングについては特に個別の温度制御を行ってはいない。このため,RFパワーが弱いプロセスではイオンフラックスが弱く,フォーカスリングの温度は共通のサセプタ上に載置されている基板の温度に近い値になる。
【0007】
しかしながら,フォーカスリングの温度が基板温度並みに低いと,プラズマプロセスの特性が却って悪化する場合もある。たとえば,今日のリソグラフィ工程では,レジストパターンの微細化・解像度向上のために多層レジスト法が多用されている。多層レジストプロセスにおいて,BARC(反射防止膜)や中間マスク層のエッチング(マスク処理)を行うときは,選択性や垂直形状加工性よりも上層レジストパターンの転写精度つまり形状維持(損傷・変形の防止)の方がより重視されるため,プラズマ生成に用いられる高周波のパワーは低めに設定される。また,プラズマから基板へのイオンの引き込みを制御するために比較的低い周波数の高周波を用いる装置では,マスク処理を行う間はそのようなイオン引き込み用高周波のパワーが更に低め(極端には0ワット)に設定される。このため,プラズマから基板への入熱は少なく,基板の温度はそれほど高くはならず,フォーカスリングの温度も基板温度並みに低い。しかしながら,このような条件下のエッチングプロセスでは,エッチングレートが基板中心部よりも基板エッジ部で相対的に高くなるプロファイルで,基板上のエッチング特性が不均一になりやすい。
【0008】
上記の問題に対しては,フォーカスリングの温度を基板温度よりも一段高くすると,基板エッジ部のエッチングレートが相対的に抑制され,エッチング特性の均一性が改善されることが実験的に実証されている。
【0009】
しかしながら,量産装置において,サセプタにフォーカスリング専用のヒータを組み込むことは機構的にもコスト的にも非常に困難である。また,フォーカスリングを常時加熱すれば済むものでもなく,プロセスによっては冷却して温度を下げる方が好ましい場合もある。たとえば,上記のような多層レジストプロセスでは,マスク処理の後に続けて多層レジストの下地膜つまり本来の被加工膜のエッチングを行うときは,高選択性および良好な垂直形状加工性を得るためにフォーカスリングの温度を下げるのがよい。
【0010】
このように,量産型のプラズマ処理装置においては,フォーカスリングの温度を任意かつ簡便に制御(特に昇温)できる温度制御機構が望まれている。
【0011】
本発明は,上記のような従来技術の事情および問題点に鑑みてなされたものであって,被処理基板の周囲を覆うようにサセプタ(通常は下部電極)に取り付けられるフォーカスリングをサセプタ温度から独立して任意・簡便かつ効率的に加熱することが可能であり,さらにはフォーカスリングの温度を自在に制御できるようにしたプラズマ処理装置を提供する。
【0012】
さらに,本発明は,多層レジストプロセスにおいてフォーカスリングの温度を自在に制御して各工程段階でエッチング特性の均一性を図れるプラズマ処理方法を提供する。」
ウ 「【発明を実施するための形態】
【0038】
以下,添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0039】
図1に,本発明の一実施形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す。図2にこのプラズマ処理装置の要部の構成を示す。
【0040】
このプラズマ処理装置は,下部RF2周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置として構成されており,たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属製の円筒型チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は保安接地されている。
【0041】
チャンバ10内には,被処理基板としてたとえば半導体ウエハWを載置する円板状のサセプタ12が下部電極として水平に配置されている。このサセプタ12は,たとえばアルミニウムからなり,チャンバ10の底から垂直上方に延びる絶縁体たとえばセラミックスの筒状支持部14に支持されている。この筒状支持部14の外周に沿ってチャンバ10の底から垂直上方に延びる導体つまりアルミニウムの筒状支持部16とチャンバ10の内壁との間に環状の排気路18が形成され,この排気路18の底に排気口20が設けられている。
【0042】
排気口20には排気管22を介して排気装置24が接続されている。排気装置24は,ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており,チャンバ10内の処理空間を所望の真空度まで減圧することができる。チャンバ10の側壁には,半導体ウエハWの搬入出口を開閉するゲートバルブ26が取り付けられている。
【0043】
サセプタ12には,第1および第2の高周波電源28,30がマッチングユニット32および給電棒34を介して電気的に接続されている。ここで,第1の高周波電源28は,主としてプラズマの生成に寄与する所定周波数(通常27MHz以上)の第1高周波HFを出力する。一方,第2の高周波電源30は,主としてサセプタ12上の半導体ウエハWに対するイオンの引き込みに寄与する所定周波数(通常13.56MHz以下)の第2高周波LFを出力する。マッチングユニット32には,第1の高周波電源28側のインピーダンスとプラズマ生成用負荷(主に下部電極,プラズマ,上部電極,チャンバ)側のインピーダンスとの間で整合をとるための第1整合器32Aと,第2の高周波電源30側のインピーダンスとイオン引き込み用負荷(主に下部電極,プラズマ,上部電極,チャンバ)側のインピーダンスとの間で整合をとるための第2整合器32Bとが収容されている。
【0044】
サセプタ12は半導体ウエハWよりも一回り大きな直径または口径を有している。サセプタ12の上面は,ウエハWと略同形状(円形)かつ略同サイズの中心領域つまりウエハ載置部と,このウエハ載置部の外側に延在する環状の周辺部とに区画されている。ウエハ載置部の上に,処理対象の半導体ウエハWが載置される。環状周辺部の上には,半導体ウエハWの口径よりも大きな内径を有するリング状の板材いわゆるフォーカスリング36が取り付けられる。
【0045】
フォーカスリング36の材質は,サセプタ12とプラズマとの間で高周波HF,LFを良く通し,イオンの入射でスパッタされても基板上のプロセスに実質的な影響を与えず,かつ高周波加熱によって発熱する適度な抵抗分を有する材質が好ましく,たとえばSi,SiC,C等を好適に使用できる。また,SiO2,Al2O3等の誘電体に導電性物質を混ぜたものも使用可能である。
【0046】
サセプタ12の上記ウエハ載置部には,ウエハ吸着用の主静電チャック38が設けられている。この主静電チャック38は,円形の膜状または板状誘電体38aの中にシート状またはメッシュ状のDC電極38bを封入したものであり,サセプタ12に一体形成または一体固着されている。DC電極38bは,チャンバ10の外に配置される直流電源40に高圧配線およびスイッチ42を介して電気的に接続されている。直流電源40からの高圧の直流電圧がDC電極38bに印加されることにより,半導体ウエハWを静電チャック38上に静電吸着力で保持できるようになっている。
【0047】
サセプタ12の半径方向外側の周囲には,フォーカスリング36の下面の外寄り部分(半径方向の中心部から外側エッジに至る部分)および外周面と両筒状支持部14,16の上面との間に介在するリング状の周辺誘電体44が設けられている。この周辺誘電体44の材質はたとえば石英である。
【0048】
一実施例として,図2に示すように,フォーカスリング36の温度を検出するための温度センサ43を周辺誘電体44の中または近傍に設けてもよい。この温度センサ43には,たとえば蛍光温度計(商品名:ラクストロン)あるいは焦電型赤外線センサ等を使用できる。焦電型赤外線センサを使用するときは,フォーカスリング36下面の被検出点付近を黒等で着色してよい。温度センサ43の出力信号は,フォーカスリング36の温度を制御する際のフィードバック信号として,信号線45を介して制御部66に送られる。
【0049】
フォーカスリング36の下面の内寄り部分(内側エッジから半径方向の中心部に至る部分)は,サセプタ12上面の環状周辺部に設けられた周辺静電チャック46の上に載っている。この周辺静電チャック46は,リング形状の膜状または板状誘電体46aの中にDC電極46bを封入している。DC電極46bもスイッチ42を介して直流電源40に電気的に接続されており,直流電源40からの直流電圧がDC電極46bに印加されることにより,フォーカスリング36を周辺静電チャック46上に静電吸着力で保持できるようになっている。
……(中略)……
【0051】
サセプタ12の内部には,たとえば円周方向に延びる環状の冷媒室48が設けられている。この冷媒室48には,チラーユニット(図示せず)より冷媒供給管50,52を介して所定温度の冷媒たとえば冷却水が循環供給される。冷媒の温度によってサセプタ12の温度を下げる方向に制御できる。そして,サセプタ12に半導体ウエハWおよびフォーカスリング36をそれぞれ熱的に結合させるために,伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスたとえばHeガスが,別々のガス供給管54,56およびサセプタ12内部のガス通路58,60を介して主静電チャック38と半導体ウエハWとの接触界面および周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面に供給されるようになっている。」
エ 「【0054】
この実施形態では,フォーカスリング36の温度を制御するために,マッチングユニット32内において,図2に示すように,第1整合器32Aまたは第2整合器32Bのいずれかにスイッチ82を介して直列または並列に接続可能なインピーダンス付加回路84がマッチングポイント調節用の付加回路として設けられる。
【0055】
一例として,プラズマ生成用の第1整合器32Aにスイッチ82を介してインピーダンス付加回路84を接続できるものとする。この場合,制御部66は,フォーカスリング36を加熱する時にスイッチ82をオンにしてインピーダンス付加回路84を第1整合器32Aに接続し,それ以外の時は,特にサセプタ12上の半導体ウエハWに対してドライエッチング加工を行う時は,スイッチ82をオフにしてインピーダンス付加回路84を電気的に切り離しておく。インピーダンス付加回路84の作用は,後に説明する。
【0056】
制御部66は,このプラズマエッチング装置内の各部たとえば排気装置24,第1および第2高周波電源28,30,第1および第2整合器32A,32B,静電チャック用のスイッチ42,チラーユニット(図示せず),伝熱ガス供給用の開閉弁62,64,処理ガス供給部78,マッチングポイント調節用のスイッチ82等を制御するもので,マイクロコンピュータを含んでおり,ホストコンピュータ(図示せず)等の外部装置とも制御信号やデータをやりとりする。特に,この実施形態における制御部66は,サセプタ12の温度から独立してフォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,さらにはフォーカスリング36の発熱とサセプタ12側からの冷却とをバランスさせてフォーカスリング36の温度を最適制御するためのソフトウェアを装備している。
【0057】
このプラズマエッチング装置における枚葉ドライエッチングの基本動作は次のようにして行われる。先ず,ゲートバルブ26を開けて加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入し,中心静電チャック38の上に載置する。そして,チャンバ10を密閉状態にして処理ガス供給部78よりエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ10内に導入し,排気装置24によりチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに,第1および第2の高周波電源28,30をオンにして第1高周波HFおよび第2高周波LFをそれぞれ所定のパワーで出力させ,これらの高周波HF,LFをマッチングユニット32および給電棒34を介してサセプタ12に印加する。また,伝熱ガス供給系の開閉弁62をオンにして,主静電チャック38と半導体ウエハWとの間の接触界面に伝熱ガス(Heガス)を供給すると同時に,静電チャック用のスイッチ42をオンにして,静電吸着力により伝熱ガスを上記接触界面に閉じ込める。シャワーヘッド68より吐出されたエッチングガスは両電極12,68間で高周波の放電によってプラズマ化し,このプラズマで生成されるラジカルやイオンによって半導体ウエハW表面の被加工膜が所望のパターンにエッチングされる。
……(中略)……
【0059】
また,このプラズマエッチング装置では,サセプタ12の上面に,半導体ウエハWおよびフォーカスリング36をそれぞれ吸着するための主静電チャック38および周辺静電チャック46を設けている。そして,主静電チャック38と半導体ウエハWとの接触界面には開閉弁62を介して,周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面には開閉弁64を介して,伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスをそれぞれ個別に供給している。ここで,主静電チャック38側の開閉弁62は如何なるプロセスでもエッチング中は半導体ウエハWの温度制御(冷却)のためにオン状態に切り換えられるが,周辺静電チャック46側の開閉弁64はプロセスの種類によってはエッチング中もオフ状態に保持されることがある。」
オ 「【0068】
このプラズマエッチング装置において,第1高周波電源28をオンにして第1整合器32Aを作動させても,チャンバ10内の処理空間にエッチングガスを供給しない限りは高周波放電が起こらず,つまりプラズマは生成されず,したがってイオンシースは形成されず,プラズマ生成用負荷90は実質的に存在しない。この場合,プラズマ生成用負荷90に置き換わってフォーカスリング加熱用負荷92が第1高周波電源28に対して実質上の負荷となり,第1整合器32Aは第1高周波電源28に対してフォーカスリング加熱用負荷92をインピーダンス整合させるように動作する。こうして,図4に示すように,第1高周波電源28からの高周波電流iHFの全部または大部分が第1整合器32Aを通ってフォーカスリング加熱用負荷92に流れる。この時,フォーカスリング36は抵抗R1で発生するジュール熱によって発熱する。この発熱量は,第1高周波電源28の出力パワーを可変することによって増減できる。こうして,第1高周波電源28からの第1高周波HFを利用した高周波加熱によってフォーカスリング36の温度をサセプタ温度から独立して任意に上げることができる。」
カ 「【0078】
次に,図8および図9につき,この実施形態のプラズマエッチング装置を用いるアプリケーションの一実施例を説明する。
【0079】
図8に,HARC(High Aspect Ratio Contact)プロセスに含まれる多層レジストプロセスの工程手順を示す。図中,上から第1層の膜100は通常のレジストであり,フォトリソグラフィによってパターニングされる。第2層の膜102はBARC(反射防止膜),第3層の膜104は中間マスクに用いられるSiN膜,第4層の膜106は本来(最終)の被加工膜である絶縁膜のSiO2層である。108は下地基板である。
【0080】
多層レジストプロセスにおいては,最初にマスク処理として,レジストパターン100をエッチングマスクにしてBARC102およびSiN膜104を順次エッチングする(図8の(a)→(b))。このマスク処理のBARCエッチングおよびSiNエッチングでは,上層レジストパターン100の転写精度つまり形状維持(損傷・変形の防止)が重視されるため,プラズマ生成用の第1高周波HFのパワーは低め(たとえば1000W以下)に設定され,イオン引き込み制御用の第2高周波LFのパワーは更に低め(たとえば100W以下)に設定される。
【0081】
上記のようなマスク処理の後に,アッシングによりレジストパターン100およびBARC102の残膜を除去する(図8の(c))。次いで,SiN膜104をエッチングマスクとしてSiO2層を異方性エッチングして,コンタクトホール109を形成する(図8の(d))。
【0082】
この実施例によれば,上記のような多層レジストプロセスにおいて,フォーカスリング36の温度をたとえば図9に示すような特性で個別に制御することができる。
【0083】
より詳細には,マスク処理の開始時点をt1とすると,その直前の所定時間(t0~t1)の間にフォーカスリング36を上記のような第1高周波HFを用いた高周波加熱によって発熱させ,フォーカスリング36の温度を所定温度Taまで上昇させる。このフォーカスリング加熱期間中は,上記のように処理ガス供給部78を停止させておくだけでなく,静電チャック用のスイッチ42および伝熱ガス供給系の開閉弁62,64をオフにしてフォーカスリング36に対する冷却機構を停止させておく。フォーカスリング36の温度制御を正確に行うために,温度センサ43よりフォーカスリング36の温度を制御部66にフィードバックすることができる。なお,フォーカスリング加熱期間中に,半導体ウエハWは任意の場所に在ってよく,たとえばチャンバ10に搬入される途上に在ってもよい。
【0084】
時点t1でマスク処理が開始された後は,フォーカスリング36の加熱を止めて,第1高周波電源28からの第1高周波HFをドライエッチングのために,つまりプラズマ生成のために用いてよい。そして,マスク処理のBARCエッチングおよびSiNエッチングを行う間は,静電チャック用のスイッチ42および伝熱ガス供給系の片方の開閉弁62をオンにして主静電チャック38上の半導体ウエハWに対してはサセプタ12との熱的結合による冷却機構を作動させる一方で,伝熱ガス供給系のもう片方の開閉弁64をオフ状態に保持してフォーカスリング36への伝熱ガス供給を止めておく。これによって,フォーカスリング36は,サセプタ12と熱的結合を持たないため,減圧下でマスク処理直前の初期温度Taからの温度低下を最小限に食い止めることができる。
【0085】
一方,マスク処理中にサセプタ12上の半導体ウエハWの温度は,プラズマからの入熱とサセプタ12側からの冷却とのバランスの中で制御される。この実施例では,マスク処理時間(t1~t2)を通じて,フォーカスリング36の温度(Ta~Tb)が半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行うことができる。これにより,半導体ウエハW上で,エッジ部のエッチングレートを相対的に抑制して,エッチング特性の面内均一性を向上させることができる。
【0086】
マスク処理の後は,アッシングおよびSiO2エッチング(主エッチング)の処理時間(t2~t3)を通じて,静電チャック用のスイッチ42および伝熱ガス供給系の両開閉弁62,64をオン状態に保持し,フォーカスリング36に対してもサセプタ12との熱的結合による冷却機構を働かせてよい。これにより,SiO2エッチングでは,フォーカスリング36の温度を十分低くすることで,選択性,垂直形状加工性,コンタクトホール底の均一性を向上させることができる。
【0087】
次に,図10~図14につき,この実施形態のプラズマエッチング装置においてフォーカスリング36を加熱するための専用の加熱機構を備える実施例を説明する。
【0088】
図10に示す実施例は,フォーカスリング36を加熱するために専用の第3高周波電源110および第3整合器112を用いる。第3整合器112の出力端子は,下部給電棒34を介してサセプタ12に接続されてよい。
【0089】
第3高周波電源110より出力される高周波RFは,フォーカスリング加熱用負荷92のインピーダンスが最小または極小になるような周波数に設定されてよい。たとえば,フォーカスリング加熱用負荷92が図3および図4に示すようにコンデンサC1~C4と抵抗R1とで構成される場合は,コンデンサC1~C4のリアクタンスを可及的に低くするような高い周波数(たとえば200MHz以上)に設定されてよい。あるいは,フォーカスリング加熱用負荷92がインダクタンス成分を有する場合は,その直列共振周波数またはそれに近い値の周波数に設定されてよい。」
(2)引用例1に記載された発明
ア 第4の1(1)ア~カから,上記引用例1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「金属製の円筒型チャンバ(処理容器)10と,
前記チャンバ10内に搬入した半導体ウエハW表面の被加工膜を所望のパターンにエッチングするためのプラズマの生成に主として寄与する第1高周波HFを出力する第1の高周波電源28と,
その上面が,前記半導体ウエハWが載置されるウエハ載置部と,前記ウエハ載置部の外側に延在する環状周辺部とに区画されているサセプタ12と,
前記環状周辺部の上に取り付けられ,前記半導体ウエハWの口径よりも大きな内径を有するリング状のフォーカスリング36と,
前記サセプタ12の上面に設けている,前記半導体ウエハW及び前記フォーカスリング36をそれぞれ吸着するための主静電チャック38及び周辺静電チャック46と,
前記第1高周波電源28からの第1高周波HFを利用した高周波加熱によって発熱することで,前記フォーカスリング36の温度をサセプタ温度から独立して任意に上げることができるフォーカスリング加熱用負荷92と,
伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスたとえばHeガスを,周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面に供給してフォーカスリング36を冷却する冷却機構と,
前記チャンバ10を密閉状態にしてエッチングガスを所定の流量および流量比で前記チャンバ10内に導入する処理ガス供給部78と,
前記チャンバ10内の処理空間を所望の真空度まで減圧することができる排気装置24と,
前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて前記フォーカスリング36の温度を最適制御するためのソフトウェアを装備している制御部66と,
を備え,
前記制御部66は,レジストパターン100をエッチングマスクにしてBARC102およびSiN膜104を順次エッチングするマスク処理時間を通じて,前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行うことにより,前記半導体ウエハW上で,エッジ部のエッチングレートを相対的に抑制して,エッチング特性の面内均一性を向上させることができるプラズマ処理装置。」
イ 同様に,第4の1(1)ア~カから,上記引用例1には次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「チャンバ10内に搬入し,サセプタ12の上面のウエハ載置部に載置され半導体ウエハWを,主静電チャック38により静電吸着する工程と,
前記サセプタ12のウエハ載置部の外側に延在する環状周辺部上に取り付けられたフォーカスリング36を,周辺静電チャック46上に静電吸着力で保持する工程と,
フォーカスリング加熱用負荷92を高周波加熱によって発熱することで,前記フォーカスリング36の温度をサセプタ温度から独立して任意に上げる工程と,
伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスたとえばHeガスを,周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面に供給してフォーカスリング36を冷却する工程と,
主として第1の高周波電源28が出力する第1高周波HFによって,前記半導体ウエハW表面の被加工膜を所望のパターンにエッチングするためのプラズマを生成する工程と,
を含み,
前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて,前記フォーカスリング36の温度を最適制御して,レジストパターン100をエッチングマスクにしてBARC102およびSiN膜104を順次エッチングするマスク処理時間を通じて,前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行うことにより,前記半導体ウエハW上で,エッジ部のエッチングレートを相対的に抑制して,エッチング特性の面内均一性を向上させることができるプラズマ処理方法。」
(3)引用例2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である米国特許第6770852号明細書(以下「引用例2」という。)には,“CRITICAL DIMENSION VARIATION COMPENSATION ACROSS A WAFER BY MEANS OF LOCAL WAFER TEMPERATURE CONTROL”(発明の名称,訳「局所的なウェーハ温度の制御によるウェーハ全体における臨界寸法のばらつき補正」)について,Fig.1~Fig.5とともに次の事項が記載されている。
ア “FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and apparatus for varying a temperature profile for a wafer of material undergoing plasma processing in order to compensate for other non-temperature effects that cause dimensional variation of etched features across the substrate during plasma processing.”(第1欄第20~27行,当審訳:本発明は,プラズマ処理中の基板全体におけるエッチング形状の寸法のばらつきを引き起こす非温度要因を補償するために,プラズマ処理を受けるウェーハ材料の温度プロファイルを変化させる方法および装置に関する。)
イ “It is common practice to define test images in multiple locations over the wafer surface, and these test images are often referred to as“critical dimension features”or“CD’s”for short. A measurement of these CD’s after the photo imaging process can be used to determine the“CD shift”from the lithography operation. Likewise a measurement of the CD’s in the photoresist can be compared to the etched features that they define after the etching process, and a CD shift can be calculated and attributed to the etch process. It is desirable that these CD shifts be stable from wafer to wafer and uniform over a wafer surface, so that a simple correction bias to the original mask image can be used to compensate out the systematic CD shift.”(第1欄第66行~第2欄第11行,当審訳:ウェーハ表面上の複数の場所においてテスト画像を定めるのは一般的な慣行であり,これらの検査画像は,しばしば「臨界寸法形状」または略して「CD」と呼ばれる。写真撮影処理の後のこれらのCDの測定は,リソグラフィ工程からの「CDシフト」を決定するために用いられる。同様に,フォトレジストにおけるCDの測定値は,エッチング処理後に定められるエッチングされた形状と比較することができるので,エッチング処理に起因するCDシフトを算出できる。これらCDシフトは,どのウェーハにおいても安定し,かつ,ウェーハ表面にわたり均一であることが望ましく,したがって,元のマスク画像に対する単純な補正バイアスは体系的にCDシフトを補正するために用いられる。
ウ “BRIEF DESCRIPTION OF THE INVENTION
An etching system for etching a wafer of a material has a measuring device, an etching chamber, and a controller. The measuring device measures the critical dimension test feature (CD) along the profile of the wafer at a plurality of preset locations. The etching chamber receives the wafer from the measuring device. The etching chamber includes a chuck supporting the wafer and a plurality of heating elements disposed within the chuck. Each heating element is positioned adjacent to each preset location on the wafer. The etching system controller is coupled to the measuring device to receive the actual measured CD’s for a particular wafer. The etching system controller is also connected to the plurality of heating elements. The controller adjusts the temperature of each heating element during a process to reduce the variation of critical dimensions among the plurality of preset locations by using temperature dependent etching characteristics of the etch process to compensate for CD variation introduced by the lithography process preceding the etch process.”(第2欄第35~55行,当審訳:発明の簡単な説明
ウェーハ材料をエッチングするエッチング・システムは,測定装置,エッチングチャンバ,および制御装置を有する。測定装置は,複数の予め設定された位置におけるウェーハのプロファイルに沿ってテストフィーチャの臨界寸法(CD)を測定する。エッチングチャンバは測定装置からウェーハを受け取る。エッチングチャンバは,ウェーハを保持するチャックと,該チャックの内部に配置される複数の加熱要素とを有する。各加熱要素は,ウェーハ上の予め設定された位置に隣接して配置される。エッチング・システムの制御装置は,特定のウェーハの実測されたCDを受け取るために測定装置に接続される。また,エッチング・システムの制御装置は,複数の加熱要素にも接続される。制御装置は,エッチング処理に先行するリソグラフィ処理で導入されたCDばらつきを補正するために,エッチング処理において温度に依存するエッチング特性を用いて複数の予め設定された位置における臨界寸法のばらつきを減らす処理の間,各加熱要素の温度を調整する。)
エ “By altering the wafer temperature in accordance with FIG.2 (or its equivalent for the photoresist and etching chemistries in use)this temperature dependant CD shift in the etching process can be used to compensate the photolithographic induced CD shifts in each wafer or lot of wafers to generally improve the final CD’s fidelity to the intended dimensions.
In the near future it is expected that a single global correction, even if performed on each wafer individually, will be inadequate to correct CD shifts which result from the photolithography process. As such, the wafer can be divided into several segments and multiple local CD shifts can be calculated. Using this data and the curve in FIG.2, a multizone-heated pedestal can be used to perform CD shift corrections locally on a wafer.”(第3欄第51~65行,当審訳:図2に基づいてウェーハ温度を変えること(または,使用中のフォトレジストおよびエッチング化学物質の均等物)によって,エッチング処理における温度依存のCDシフトは,目標寸法に対する最終的なCDの忠実性を一様に向上させるために,各ウェーハまたは複数のウェーハにおけるフォトリソグラフィに起因するCDシフトを補正するために用いられる。
近い将来,たとえ個々のウェーハごとに実行される場合でも,単一的なグローバル補正では,フォトリソグラフィ処理から生じるCDシフトを修正するには不十分であることが想定される。このような場合は,ウェーハをいくつかの部分に分け,複数の局所的なCDシフトを算出することできる。この図2のデータおよびデータ曲線を用いることにより,ウェーハ上で局所的にCDシフトの補正を実行するためにマルチゾーン加熱ペデスタルが用いられる。)
オ “For illustration purposes, the etching system 100 may function as follows: The measuring device 114 measures feature dimensions on the wafer 104 at preset locations. Each preset location may define a region on the wafer 104. The controller 112 receives data from the measuring device 114 about the wafer 104 containing feature dimensions at preset locations. The controller 112 translates the data into a temperature profile based on known relationship between the feature dimension differences and the temperature of the wafer during processing. The temperature profile includes a specific temperature for each measured preset location on the wafer 104 and thus for each corresponding region on the chuck 110. The controller 112 thus adjusts the temperature of each region by adjusting its corresponding heating element 110.
In accordance with another embodiment of the present invention, FIG.4 illustrates an etching system 400 for controlling the temperature and etch rate of a wafer 404. The etching system 400 comprises a chamber 402 through which reactive gas or gases flow (not shown). Within the chamber 402, the gases are ionized into a plasma 406, by radio frequency energy generated by an RF antenna (not shown) disposed above and adjacent to a top window (not shown) of the chamber 402. The highly reactive ions of the plasma 406 are able to react with the surface of a semiconductor wafer 404 being processed. Prior to etching, the wafer 404 is placed in the chamber 402 and held in proper position by a chuck 408 that exposes a top surface of the wafer 404 to the plasma 406.
Several heating elements 410 are arranged at preset locations in the chuck 408. For illustration purposes, the heating elements 410 may include film heaters, or any other type of heaters small enough to fit in the chuck 408. The heating elements 410 are coupled to a controller 412 that adjusts the temperature of each heating element 410.
The interferometer 416 samples the etch depth at several preset locations periodically by means of switch 420 which sequentially directs light from one of the several fiber optics 418 to an interferometer 416. Since the time to acquire a spectrum is less than 0.1 seconds, the wafer can be sampled over e.g. seven sites in less than a second.
The controller 412 receives data from the interferometer 416 during processing. The interferometer 416 measures etch depth of the wafer 404 during an etching process. A number of optical fibers 418 aimed at the wafer 404 are positioned on top of the chamber 402. The number of optical fibers 418 corresponds to the number of heating elements 410 in the chuck 408 or to the number of thermal regions in the chuck 408 as illustrated above in FIG.3. An optical switch 420 relays the information from the fiber optics 418 to the interferometer 416. The optical switch time multiplexes the signals from the wafer 404, region by region, by taking a scan every few milliseconds, for example, 0.1 second.
Thus, the etching system 400 includes an in-situ feedback system in which it dynamically alters in real-time the temperature profile for each wafer based on the information from the interferometer 416. The controller 412 adjusts the temperature of each heating element 410 before and/or during the process to locally modify the etch rates and thereby to reduce the variation of trench etch depth on the wafer 404 among the preset locations on the wafer 404.”(第5欄第29行~第6欄第25行,当審訳:説明のために,エッチング・システム100は以下のように機能することができる。測定装置114は,予め設定された位置でウェーハ104上の特徴の寸法を測定する。各予め設定された位置は,ウェーハ104上の領域を画定することができる。制御装置112は,ウェーハ104に関する,予め設定された位置における特徴の寸法を含むデータを測定装置114から受け取る。制御装置112は,処理中に特徴の寸法差およびウェーハの温度の周知の関係に基づき,データを温度プロファイルに変換する。温度プロファイルは,ウェーハ104上の各測定された設定された位置,即ち,チャック108上の対応する各領域に関する特定の温度を含む。したがって,制御装置112は,その対応する加熱要素110を調整することによって,各領域の温度を調整する。
本発明の他の実施例によれば,図4は,ウェーハ404の温度およびエッチング速度を制御するエッチング・システム400を例示する。エッチング・システム400は,単一または複数の反応性ガス(図示なし)が通って流れるチャンバ402を含む。チャンバ402の中で,チャンバ402の一番上のウインドウ(図示なし)に隣接して配置されるRFアンテナ(図示なし)によって,発生する無線周波数エネルギによって,チャンバ402でガスはプラズマ406にイオン化される。プラズマ406の反応性の高いイオンは,処理される半導体ウェーハ404の表面と反応することができる。エッチングの前に,ウェーハ404は,チャンバ402内に置かれ,ウェーハ404の上面をプラズマ406に曝させるチャック408によって,適切な位置に保持される。
いくつかの加熱要素410は,チャック408の設定された位置に配置される。例として,加熱要素410は,フィルム・ヒーターまたはチャック408に嵌合するのに十分に小さいヒーターを含めてもよい。加熱要素410は,各加熱要素410の温度を調整する制御装置412に連結される。
干渉計416は,いくつかの光ファイバ418のうちの1つから干渉計416まで連続して光を導くスイッチ420によって,周期的にいくつかの設定位置でエッチングの深さをサンプリングする。スペクトルを取得する時間が0.1秒未満であるため,例えば,1秒未満で7箇所において,ウェーハのサンプリングが可能である。
制御装置412は処理中,干渉計416からデータを受け取る。干渉計416は,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さを測定する。ウェーハ404に向けられた多数の光ファイバ418は,チャンバ402上部に配置される。光ファイバ418の数は,チャック408の加熱要素410の数,または,図3で示すようなチャック408の温度領域の数に対応する。光スイッチ420は,光ファイバ418から干渉計416に情報を中継する。1回の走査で数ミリ秒,例えば0.1秒かけて光スイッチは,領域ごとにウェーハ404からの信号を時分割する。
したがって,エッチング・システム400は,干渉計416からの情報に基づいて,各ウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで動的に変換する,in-situフィードバックシステムを含む。制御装置412は,局所的にエッチング速度を修正し,これにより,ウェーハ404上の設定された位置に沿って当該ウェーハ404上のトレンチのエッチング深さのばらつきを減らす処理の,前および/または間に,各加熱要素410の温度を調整する。)
カ “FIG.5 is a schematic diagram illustrating a system for controlling the temperature and etch rate of the wafer in accordance with another embodiment of the present invention. An etching system 500 controls the temperature and etch rate of a wafer 504. The etching system 500 comprises a chamber 502 through which reactive gas or gases flow (not shown). Within the chamber 502, gases are ionized into a plasma 506, by radio frequency energy generated by an RF antenna (not shown) disposed above and adjacent to a top window (not shown) of the chamber 502. The highly reactive ions of the plasma 506 are able to react with the surface of a semiconductor wafer 504 being processed. Prior to etching, the wafer 504 is placed in the chamber 502 and held in proper position by a chuck 508 that exposes a top surface of the wafer 504 to the plasma 506.
The chuck 508 may include several distinct regions through which fluid may flow. The temperature of each region may be adjusted independently by controlling the temperature of the fluid passing through each region with a temperature controller 510. Each region may be arranged to correspond with each preset location on the chuck 508. Each temperature controller 510 is coupled to a controller 512 that adjusts each temperature controller 510.
A measuring device 514 coupled to the controller 512 measures critical dimension test feature dimensions (CDs) on each wafer prior to processing. The measuring device 514 sends data containing the measurements at several preset locations on the wafer 504 to the controller 512. The preset locations on the wafer 504 correspond to the different regions on the chuck 508.
The controller 512 includes an algorithm containing the relationship between a feature dimension measurement and the temperature of a wafer under process, similar to the relation shown in FIG.2. Once the controller 512 receives the data from the measuring device 514, the controller 512 applies the above algorithm to translate the measured data into temperature data. Therefore, the data containing measurements at several locations on the wafer 504 may be used to produce a custom temperature profile for the measured wafer 504. Thus, for a particular measurement at a particular location on the wafer 504, the controller 512 adjusts the temperature of the heating element 510 corresponding to that particular location on the wafer in accordance with the above-defined relationship.
Thus, the etching system 500 includes a feedforward system in which it dynamically alters in real-time the temperature profile for each wafer after accepting information about the particular feature dimensions on the wafer. The controller 512 adjusts the temperature of each heating element 510 before and/or during the process to reduce the variation of Critical Dimensions on the wafer 504 among the preset locations on the wafer 504.”(第6欄第25行~第7欄第10行,当審訳:図5は,本発明の別の実施形態に係るウェーハの温度およびエッチング速度を制御するシステムを例示している構成図である。エッチング・システム500は,ウェーハ504の温度およびエッチング速度を制御する。エッチング・システム500は,単一または複数の反応性ガス(図示なし)が通って流れるチャンバ502を含む。チャンバ502の中では,チャンバ502の頂部の窓(図示なし)の上に隣接して配置されたRFアンテナ(図示なし)によって励起される無線周波数エネルギから,ガスはプラズマ506にイオン化される。プラズマ506の反応性の高いイオンは,処理される半導体ウェーハ504の表面で反応する。エッチングの前に,ウェーハ504は,チャンバ502内に置かれ,チャック508によってウェーハ504の上面がプラズマ506に曝されるような適切な位置で保持される。
チャック508は,流体が流れることができるいくつかの異なった領域を含むことができる。各領域の温度は,温度調節器510によって各領域を流れる流体の温度を制御して,独立的に調整される。各領域は,チャック508上の各予め設定された位置に対応するように構成できる。各温度調節器510は,各温度調節器510を調整する制御装置512に連結される。
制御装置512に連結される測定装置514は,処理の前に,各ウェーハ上のテストする特徴の寸法の臨界寸法(CD)を測定する。測定装置514は,ウェーハ504上のいくつかの設定位置における測定値を含むデータを制御装置512に送る。ウェーハ504上の設定位置は,チャック508上の異なる領域に対応する。
制御装置512は,図2に示す関係と同様に,特徴の寸法の測定値と処理下のウェーハの温度との関係を含むアルゴリズムを含む。制御装置512が測定装置514からデータを受け取ると,制御装置512は,上記のアルゴリズムを適用して,測定データを温度データに変換する。したがって,ウェーハ504にいくつかの位置での測定値を含むデータを用いて,測定されたウェーハ504のカスタム温度プロファイルを作成することができる。したがって,ウェーハ504上の個々の位置における測定のために,制御装置512は,上記の定義された関係に従い,ウェーハ上のその位置に対応する加熱要素510の温度を調整する。
したがって,エッチング・システム500は,ウェーハ上の個々の寸法に関する情報を受信した後,各ウェーハの温度プロファイルをリアルタイムで動的に変換する,フィードフォワード・システムを含む。制御装置512は,ウェーハ504上の設定された位置におけるウェーハ504上の臨界寸法のばらつきを低減するための処理の前および/または処理中に,各加熱要素510の温度を調整する。)
(4)引用例2に記載された技術
ア 第4の1(3)アから,引用例2には,プラズマ処理中の基板全体におけるエッチング形状の寸法のばらつきを引き起こす非温度要因を補償するために,プラズマ処理を受けるウェーハ材料の温度プロファイルを変化させる方法が記載されている。
イ 第4の1(3)ウ,エから,引用例2には,エッチング処理におけるCDシフト量はウェーハ温度に依存して変化するという特徴があること,この特徴を用いて,各ウェーハの複数の予め設定された位置におけるCDシフトのばらつきを補正すること,が記載されている。
ウ 第4の1(3)オ~カから,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)を測定し,この測定した情報に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換し,局所的にエッチング速度を修正してウェーハ404上の設定された位置に沿って臨界寸法(CD)のばらつきを減らす処理の前および/または間に各加熱要素410の温度を調整することが記載されている。
2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 本願発明1と引用発明1との対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「金属製の円筒型チャンバ(処理容器)10」は,本願発明1の「処理容器」に相当する。
引用発明1の「前記チャンバ10内に搬入した半導体ウエハW表面の被加工膜を所望のパターンにエッチングするためのプラズマの生成に主として寄与する第1高周波HFを出力する第1の高周波電源28」は,本願発明1の「該処理容器内で基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段」に相当する。
引用発明1の「その上面が,前記半導体ウエハWが載置されるウエハ載置部と,前記ウエハ載置部の外側に延在する環状周辺部とに区画されているサセプタ12」は,本願発明1の「前記基板を載置する載置台」に相当する。
引用発明1の「環状周辺部」は,「前記半導体ウエハWが載置されるウエハ載置部」の「外側に延在」している。したがって,引用発明1の「前記環状周辺部の上に取り付けられ,前記半導体ウエハWの口径よりも大きな内径を有するリング状のフォーカスリング36」は,本願発明1の「前記基板の周辺に配置するフォーカスリング」に相当する。
引用発明1の「前記サセプタ12の上面に設けている,前記半導体ウエハW及び前記フォーカスリング36をそれぞれ吸着するための主静電チャック38及び周辺静電チャック46」を併せたものは,本願発明1の「前記載置台に配置し,前記基板及びフォーカスリングを静電吸着する静電チャック」に相当する。
引用発明1の「前記第1高周波電源28からの第1高周波HFを利用した高周波加熱によって発熱することで,前記フォーカスリング36の温度をサセプタ温度から独立して任意に上げることができるフォーカスリング加熱用負荷92」は,本願発明1の「前記フォーカスリングを加熱するヒータ」に相当する。
引用発明1の「伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスたとえばHeガスを,周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面に供給してフォーカスリング36を冷却する冷却機構」は,本願発明1の「前記フォーカスリングを冷却するために熱伝導性ガスを供給する温調ガス供給部」に相当する。
引用発明1の「前記チャンバ10を密閉状態にしてエッチングガスを所定の流量および流量比で前記チャンバ10内に導入する処理ガス供給部78」は,本願発明1の「前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給部」に相当する。
引用発明1の「前記チャンバ10内の処理空間を所望の真空度まで減圧することができる排気装置24」は,本願発明1の「前記処理容器内を所定の真空度に減圧する排気手段」に相当する。
引用発明1の「制御部66」は,「前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて前記フォーカスリング36の温度を最適制御するためのソフトウェアを装備して」おり,これにより「レジストパターン100をエッチングマスクにしてBARC102およびSiN膜104を順次エッチングするマスク処理時間を通じて,前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行うことにより,前記半導体ウエハW上で,エッジ部のエッチングレートを相対的に抑制して,エッチング特性の面内均一性を向上」させると認められる。
したがって,「前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて前記フォーカスリング36の温度を最適制御する」ことにより,「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御」を行い「前記半導体ウエハW上」で「エッチング特性の面内均一性を向上」させている引用発明1の「制御部66」は,本願発明1の「前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記フォーカスリングを前記ヒータによる加熱と前記温調ガス供給部からの冷媒の供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御して,前記基板をエッチングする制御部」に相当する。
そして,引用発明1の「プラズマ処理装置」は,以下の相違点を除き,本願発明1の「基板処理システム」に相当する。
以上から,本願発明1と引用発明1とは,以下の点で一致するとともに,以下の点で相違する。
<一致点>
「処理容器と,
該処理容器内で基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と,
前記基板を載置する載置台と,
前記基板の周辺に配置するフォーカスリングと,
前記載置台に配置し,前記基板及びフォーカスリングを静電吸着する静電チャックと,
前記フォーカスリングを加熱するヒータと,
前記フォーカスリングを冷却するために熱伝導性ガスを供給する温調ガス供給部と,
前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給部と,
前記処理容器内を所定の真空度に減圧する排気手段と,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記フォーカスリングを前記ヒータによる加熱と前記温調ガス供給部からの冷媒の供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御して,前記基板をエッチングする制御部と,
を備えることを特徴とする基板処理システム。」
<相違点>
本願発明1は「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を備え,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」のに対して,引用発明1は,そのような構成を備えていない点。
イ 本願発明1についての判断
(ア)第4の1(1)ア~ウで指摘したように,引用例2には,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)を測定し,この測定した情報に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換することは記載されているものの,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することは,記載も示唆もされていない。
(イ)これに対して,引用発明1は「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行う」ことにより「エッチング特性の面内均一性を向上させる」ものであり,引用発明1には,前記(ア)の,エッチング処理の間に測定したウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換するという,引用例2に記載の技術事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
そして,仮に,引用発明1に引用例2に記載の技術事項を組み合わせることを想起したとしても,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することが,引用例2には記載も示唆もされていないのであるから,このとき,当業者といえども,相違点に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を「備え」て,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を想到できるとは認められない。
(ウ)一方,本願明細書の段落【0096】に記載されるように,「測定結果」から「フォーカスリング24の温度がパターンの面内均一性に関係する」という知見を見出し,これに基づいて,本願発明1は,前記相違点に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を「備え」て,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を採用したものである。
そして,上記の構成を備えることで,本願発明1は,「パターンの面内均一性を高めることができ,フォーカスリング24の寿命を更に伸ばすことができる。」という,本願明細書の段落【0100】に記載された作用効果を奏するものである。
(エ)したがって,本願発明1は,当業者であっても,引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(2)本願発明2について
本願発明2は,本願発明1を引用する発明であり,本願発明1をさらに限定した発明である。
したがって,本願発明2は,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(3)本願発明3について
ア 本願発明3と引用発明1との対比
本願発明3と引用発明1とを対比すると,以下の点で一致するとともに,以下の点で相違する。
<一致点>
「処理容器と,
該処理容器内で基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と,
前記基板を載置する載置台と,
前記基板の周辺に配置するフォーカスリングと,
前記載置台に配置し,前記基板及びフォーカスリングを静電吸着する静電チャックと,
前記フォーカスリングを加熱するヒータと,
前記フォーカスリングを冷却するために熱伝導性ガスを供給する温調ガス供給部と,
前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給部と,
前記処理容器内を所定の真空度に減圧する排気手段と,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記フォーカスリングの温度を設定する工程と,前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程とを行い前記フォーカスリングの温度を制御する制御部と,
を備えることを特徴とする基板処理システム。」
<相違点>
<<相違点1>>
本願発明3の「制御部」は「前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように」,前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程に加えて,「前記載置台に前記フォーカスリングを静電吸着する工程」と「前記フォーカスリングの温度を設定する工程」とを行うのに対して,引用発明1の「制御部66」は「前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて前記フォーカスリング36の温度を最適制御する」ことに基づいて「エッチング特性の面内均一性を向上させる」点。
<<相違点2>>
本願発明3は「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を備え,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」のに対して,引用発明1は,そのような構成を備えていない点。
イ 本願発明3についての判断
(ア)相違点2について検討する。
(イ)第4の1(1)ア~ウで指摘したように,引用例2には,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)を測定し,この測定した情報に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換することは記載されているものの,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することは,記載も示唆もされていない。
(ウ)これに対して,引用発明1は「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行う」ことにより「エッチング特性の面内均一性を向上させる」ものであり,引用発明1には,前記(ア)の,エッチング処理の間に測定したウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換するという,引用例2に記載の技術事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
そして,仮に,引用発明1に引用例2に記載の技術事項を組み合わせることを想起したとしても,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することが,引用例2には記載も示唆もされていないのであるから,このとき,当業者といえども,相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を「備え」て,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を想到できるとは認められない。
(エ)一方,本願明細書の段落【0096】に記載されるように,「測定結果」から「フォーカスリング24の温度がパターンの面内均一性に関係する」という知見を見出し,これに基づいて,本願発明3は,前記相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する測定手段」を「備え」て,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を採用したものである。
そして,上記の構成を備えることで,本願発明3は,「パターンの面内均一性を高めることができ,フォーカスリング24の寿命を更に伸ばすことができる。」という,本願明細書の段落【0100】に記載された作用効果を奏するものである。
(オ)したがって,相違点1について検討するまでもなく,本願発明3は,当業者であっても,引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(4)本願発明4について
本願発明4は,本願発明3を引用する発明であり,本願発明3をさらに限定した発明である。
したがって,本願発明4は,本願発明3と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(5)本願発明5について
ア 本願発明5と引用発明2との対比
本願発明5と引用発明2とを対比する。
引用発明2の「前記サセプタ12のウエハ載置部の外側に延在する環状周辺部上に取り付けられたフォーカスリング36を,周辺静電チャック46上に静電吸着力で保持する工程」は,本願発明5の「前記載置台に前記フォーカスリングを静電吸着する工程」に相当する。
引用発明2の「フォーカスリング加熱用負荷92を高周波加熱によって発熱することで,前記フォーカスリング36の温度をサセプタ温度から独立して任意に上げる工程」は,本願発明5の「前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程」に相当する。
引用発明2の「伝熱ガス供給部53からの伝熱ガスたとえばHeガスを,周辺静電チャック46とフォーカスリング36との接触界面に供給してフォーカスリング36を冷却する工程」は,本願発明5の「前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程」に相当する。
引用発明2の「前記サセプタ12の温度から独立して前記フォーカスリング36の温度を高周波加熱よって上げるフォーカスリング発熱動作,及び,前記フォーカスリング36の発熱と前記サセプタ12側からの冷却とをバランスさせて,前記フォーカスリング36の温度を最適制御して,レジストパターン100をエッチングマスクにしてBARC102およびSiN膜104を順次エッチングするマスク処理時間を通じて,前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行うことにより,前記半導体ウエハW上で,エッジ部のエッチングレートを相対的に抑制して,エッチング特性の面内均一性を向上させること」は,本願発明5の「前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記ヒータによる加熱とHeガスの供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御すること」に相当する。
そして,引用発明2は,「チャンバ10内に搬入し,サセプタ12の上面のウエハ載置部に載置され」て「主静電チャック38により静電吸着」された「半導体ウエハW」上の「SiN膜104を順次エッチングする」際に,「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行う」ことにより「前記半導体ウエハW上」で「エッチング特性の面内均一性を向上させる」方法である。したがって,引用発明2の「プラズマ処理方法」は,以下の相違点を除き,本願発明5の「載置台上に静電吸着された基板上の膜をエッチングした際に,面内均一性を高めるために該基板の周囲に配置されるフォーカスリングの温度制御方法」に相当する。
以上から,本願発明5と引用発明2とは,以下の点で一致するとともに,以下の点で相違する。
<一致点>
「載置台上に静電吸着された基板上の膜をエッチングした際に,面内均一性を高めるために該基板の周囲に配置されるフォーカスリングの温度制御方法において,
前記載置台に前記フォーカスリングを静電吸着する工程と,
前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,
前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程と
を有し,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記ヒータによる加熱とHeガスの供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御する
ことを特徴とするフォーカスリングの温度制御方法。」
<相違点>
<<相違点1>>
本願発明5は「前記フォーカスリングの温度を設定する工程」を有するのに対して,引用発明2は,そのような工程を有していない点。
<<相違点2>>
本願発明5は「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」のに対して,引用発明2は,そのような構成を備えていない点。
イ 本願発明5についての判断
(ア)相違点2について検討する。
(イ)第4の1(1)ア~ウで指摘したように,引用例2には,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)を測定し,この測定した情報に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換することは記載されているものの,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することは,記載も示唆もされていない。
(ウ)これに対して,引用発明2は「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行う」ことにより「エッチング特性の面内均一性を向上させる」ものであり,引用発明2には,前記(ア)の,エッチング処理の間に測定したウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換するという,引用例2に記載の技術事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
そして,仮に,引用発明2に引用例2に記載の技術事項を組み合わせることを想起したとしても,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することが,引用例2には記載も示唆もされていないのであるから,このとき,当業者といえども,相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を想到できるとは認められない。
(エ)一方,本願明細書の段落【0096】に記載されるように,「測定結果」から「フォーカスリング24の温度がパターンの面内均一性に関係する」という知見を見出し,これに基づいて,本願発明5は,前記相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を採用したものである。
そして,上記の構成を備えることで,本願発明5は,「パターンの面内均一性を高めることができ,フォーカスリング24の寿命を更に伸ばすことができる。」という,本願明細書の段落【0100】に記載された作用効果を奏するものである。
(オ)したがって,相違点1について検討するまでもなく,本願発明5は,当業者であっても,引用発明2及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(6)本願発明6及び7について
本願発明6及び7は,本願発明5を引用する発明であり,本願発明5をさらに限定した発明である。
したがって,本願発明6及び7は,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても,引用発明2及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(7)本願発明8について
ア 本願発明8と引用発明2との対比
本願発明8と引用発明2とを対比すると,以下の点で一致するとともに,以下の点で相違する。
<一致点>
「載置台上に静電吸着された基板のエッチング方法において,
前記載置台に前記基板を静電吸着する工程と,
前記基板の周囲に配置されるフォーカスリングを前記載置台に静電吸着する工程と,
前記フォーカスリングをヒータにより加熱する工程と,
前記フォーカスリングの下面にHeガスを供給して冷却する工程と,
前記基板上にプラズマを生成する工程と,
前記基板を前記プラズマによりエッチングする工程と
を有し,
前記基板をエッチングした際の面内均一性を高めるように,前記ヒータによる加熱とHeガスの供給による冷却とを制御することにより,前記フォーカスリングの温度を制御して,前記基板をエッチングすることとする
ことを特徴とする基板のエッチング方法。」
<相違点>
<<相違点1>>
本願発明8は「前記フォーカスリングの温度を設定する工程」を有するのに対して,引用発明2は,そのような工程を有していない点。
<<相違点2>>
本願発明8は「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」のに対して,引用発明2は,そのような構成を備えていない点。
イ 本願発明8についての判断
(ア)相違点2について検討する。
(イ)第4の1(1)ア~ウで指摘したように,引用例2には,エッチング処理の間,ウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)を測定し,この測定した情報に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換することは記載されているものの,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することは,記載も示唆もされていない。
(ウ)これに対して,引用発明2は「前記フォーカスリング36の温度が前記半導体ウエハWの温度よりも一段または適度に高い温度に維持されるような温度制御を行う」ことにより「エッチング特性の面内均一性を向上させる」ものであり,引用発明2には,前記(ア)の,エッチング処理の間に測定したウェーハ404のエッチングの深さ等の臨界寸法(CD)に基づいてウェーハの温度プロファイルにリアルタイムで変換するという,引用例2に記載の技術事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
そして,仮に,引用発明2に引用例2に記載の技術事項を組み合わせることを想起したとしても,測定した臨界寸法(CD)に基づいてフォーカスリングの温度を制御することが,引用例2には記載も示唆もされていないのであるから,このとき,当業者といえども,相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を想到できるとは認められない。
(エ)一方,本願明細書の段落【0096】に記載されるように,「測定結果」から「フォーカスリング24の温度がパターンの面内均一性に関係する」という知見を見出し,これに基づいて,本願発明8は,前記相違点2に係る「エッチングによるパターンの形状又は寸法を測定する工程を更に有し」,「測定した前記パターンの形状又は寸法に基づいて,前記フォーカスリングの温度を制御する」という構成を採用したものである。
そして,上記の構成を備えることで,本願発明8は,「パターンの面内均一性を高めることができ,フォーカスリング24の寿命を更に伸ばすことができる。」という,本願明細書の段落【0100】に記載された作用効果を奏するものである。
(オ)したがって,相違点1について検討するまでもなく,本願発明8は,当業者であっても,引用発明2及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
(6)本願発明9及び10について
本願発明9及び10は,本願発明8を引用する発明であり,本願発明8をさらに限定した発明である。
したがって,本願発明9及び10は,本願発明8と同じ理由により,当業者であっても,引用発明2及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり,本願発明1~10は,当業者が引用発明1ないし引用発明2,及び,引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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2016-018341