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特許拒絶査定不服審判

2016-017525

ビームフォーミング・フィードバック・フォーマット

審判番号
2016-017525
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-177199外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月24日
審決日
2017年10月02日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-177199「ビームフォーミング・フィードバック・フォーマット」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月12日出願公開、特開2015- 29282、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成23年11月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年11月3日、米国、2011年11月2日、米国)を出願日とする特願2013-537824号の一部を平成26年9月1日に分割した出願であって、平成26年9月25日付けで手続補正がされ、平成27年4月16日付けで拒絶理由通知がされ、平成27年7月24日付けで手続補正がされ、平成27年10月30日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年2月16日付けで手続補正がされ、平成28年7月20日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年11月24日に拒絶査定不服の審判請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年7月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-22に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特表2006-524966号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 審判請求時の補正によって請求項1に「前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、」という事項を追加する補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に該当する。 また、当初明細書の段落【0007】(下線は当審が付与。)に、 「【0007】 本開示のある態様は、無線通信のための装置を提供する。この装置は一般に、フィードバックを求める要求を受信するように構成された受信機と、フィードバックを求める要求に応じて、フィードバック・レポート・フレームがビームフォーミング(BF)拡張フィールドを含んでいるか否かを示す少なくとも1つのBF拡張ビットを有する複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドを備えたフィードバック・レポート・フレームを生成するように構成された回路と、フィードバック・レポート・フレームを送信するように構成された送信機と、を含む。」 と記載されている事項であるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 さらに、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たす。 そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-22に係る発明は、独立特許要件を満たすものであるから、特許法第17条の2第6項に規定する要件を満たす。 第4 本願発明 本願請求項1-22に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明22」という。)は、平成28年11月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-22に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 無線通信のための装置であって、 ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成するように構成された回路と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記フィードバック・メッセージを送信するように構成された送信機と、 を備える装置。 【請求項2】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットを備える、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記回路は、前記装置に送信する際にビームフォーミングを利用することを送信機にさせないようにする少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成するように構成された、請求項1に記載の装置。 【請求項4】 無線通信のための装置であって、 デバイスから、ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記デバイスが備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを受信するように構成された受信機と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、前記装置からのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記ビットを検出することに応答して、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)を控えるように構成された回路と、 を備える装置。 【請求項5】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットである、請求項4に記載の装置。 【請求項6】 前記フィードバック・メッセージを受信する前に、ビームフォーミングを用いて前記デバイスへ送信するように構成された、請求項4に記載の装置。 【請求項7】 無線通信のための方法であって、 ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成することと、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記フィードバック・メッセージを送信することと、 を備える方法。 【請求項8】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットである、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備える前記フィードバック・メッセージは、前記装置に送信する際にビームフォーミングを利用することを送信機にさせないようにするために生成される、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 無線通信のための方法であって、 デバイスから、ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記デバイスが備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを受信することと、ここで、前記フィードバック・メッセージは、前記装置からのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記ビットを検出することに応答して、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)を控えることと、 を備える方法。 【請求項11】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットである、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 前記フィードバック・メッセージを受信する前にビームフォーミングを用いて前記デバイスへ送信することをさらに備える請求項10に記載の方法。 【請求項13】 無線通信のための装置であって、 ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成する手段と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記フィードバック・メッセージを送信する手段と、 を備える装置。 【請求項14】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットである、請求項13に記載の装置。 【請求項15】 少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備える前記フィードバック・メッセージは、前記装置に送信する際にビームフォーミングを利用することを送信機にさせないようにするために生成される、請求項13に記載の装置。 【請求項16】 無線通信のための装置であって、 デバイスから、ビームフォーミングされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記デバイスが備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを受信する手段と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、前記装置からのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記ビットを検出することに応答して、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)を控える手段と、 を備える装置。 【請求項17】 前記ビットは、前記受信機が最大尤度(ML)受信機であることを示す機能ビットである、請求項16に記載の装置。 【請求項18】 前記フィードバック・メッセージを受信する前にビームフォーミングを用いて前記デバイスへ送信する手段をさらに備える請求項16に記載の装置。 【請求項19】 無線通信のためのコンピュータ・プログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体であって、 前記コンピュータ・プログラムに含まれる命令群は、 ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成し、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記フィードバック・メッセージを送信する、 ようにコンピュータに実行させる、コンピュータ読取可能記憶媒体。 【請求項20】 無線通信のためのコンピュータ・プログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体であって、 前記コンピュータ・プログラムに含まれる命令群は、 デバイスから、ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記デバイスが備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを受信し、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記ビットを検出することに応答して、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)を控える、 ようにコンピュータに実行させる、コンピュータ読取可能記憶媒体。 【請求項21】 アクセス端末であって、 少なくとも1つのアンテナと、 ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを生成するように構成された回路と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記少なくとも1つのアンテナを介して前記フィードバック・メッセージを送信するように構成された送信機と、 を備えるアクセス端末。 【請求項22】 アクセス・ポイントであって、 少なくとも1つのアンテナと、 デバイスから、ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記デバイスが備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージを前記少なくとも1つのアンテナを介して受信するように構成された受信機と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、前記アクセス・ポイントからのフィードバックを求める要求に直接的に応じており、また、前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビットであり、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせるためのビットである、 前記ビットを検出することに応答して、前記デバイスに送信する際にビームフォーミング(BF)を控えるように構成された回路と、 を備えるアクセス・ポイント。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された特表2006-524966号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審が付与。)。 「【0007】 本発明によれば、基地局は、この明細書で時々、パイプと称する複数の通信チャネルを支援する。通信チャネルの品質、従って、情報を伝達する容量は通常、特定のチャネルに割り当てられた資源の量と、チャネルを実装するのに用いられる技術の種類との双方の関数である。信号干渉のような物理状態も、無線送信に、従って、チャネルの品質に影響を及ぼす。しかし、チャネルへの物理状態の影響は、特定の通信チャネルを実装するのに用いられるアクセス技術の種類に応じてしばしば異なる。」 「【0049】 パイプB108、C110及びD112の選択は、送信機で追跡できるチャネル品質を有するこれらユーザーを支援する。高速で移動するユーザーに対して、フィードバックの遅延のため、チャネル品質を基地局送信機で常に追跡できるというわけではない。これらユーザーは、上述した切り換え型の便宜的なビームフォーミング方式から利点を得ることができない。この状況では、複数の独立したフェージング過程にわたって平均化することによりダイバーシティ利得を増大するように作用するダイバーシティ技術が適している。多くのこのような技術は典型的に、チャネルを推定し、受信機で追跡するだけで足り、送信機へのフィードバックを必要としない。 【0050】 ユーザーのこの範疇を作用するように図1のパイプA106を最適化できる。本発明に従って送信ダイバーシティ利得を発生させるのにパイプA106で用いることができる1つの時空間符号は、エス.エム.アラモウティ(S.M.Alamouti)著「無線通信用単一送信機のダイバーシティスキーム」(A simple transmitter diversity scheme for wireless communications)アイイーイーイー・ジャーナル・オン・セレクテッド・エリアズ・イン・コミュニケーション(IEEE Journal on Selected Areas in Communication),1998年10月,第16巻,p.1451-1458に記載されているアラモウティ方式である。この技術では、2つの送信アンテナが以下のように用いられている。「A」106と付したパイプが2つの送信アンテナを有すると仮定する。パイプにわたって伝達される信号をS(t)で示すとする。ここで、tは離散的瞬間であると仮定する。アラモウティ方式では、2つの連続的なシンボルが遮断され、2つの瞬間に2つのアンテナを用いて送信される。X1(t)及びX2(t)がそれぞれ、2つのアンテナからの出力信号を表すとする。これにより、 として表すことができる。」 「【0055】 基本的な実施形態では、各移動受信機は、それ自体のチャネル特性を異なったパイプで監視し、選択を行う。ユーザー端末は、適切なチャネル状態フィードバックと一緒にこの選択を基地局へ報告し返す。例えば、ユーザーが、低移動性を有すると決定すれば、便宜的なビームフォーミングパイプB108、C110またはD112の最善のものを選択し、好ましいパイプに関して受信された合計のSNRを報告できる。ユーザーが高移動性の状況にあり、高速フェージングを経験すれば、アラモウティ技術を用いるパイプA106の選択を、パイプA106のチャネル品質と一緒に基地局に知らせる。基地局スケジューラは、選択されたパイプにわたってトラフィックセグメントをこのユーザーへ割り当てることを選択でき、この場合、割り当てチャネルを介してユーザーに報告する。」 上記によれば、 移動受信機は、それ自体のチャネル特性を異なったパイプで監視し、選択を行い、適切なチャネル状態フィードバックと一緒にこの選択を基地局へ報告し返す構成となっているから、「フィードバック」には「選択した情報」が含まれているといえる。 そして、ユーザが高移動性の状態にある場合は、切り換え型の便宜的なビームフォーミング方式から利点を得ることができず、ダイバーシティ技術が適している状況であって、送信ダイバーシティ利得を発生されるための技術であるアラモウティ技術を用いるパイプA106の選択を、パイプA106のチャネル品質と一緒に基地局に知らせるから、「ユーザが高移動性の状態にある場合」は、移動受信機は「送信ダイバーシティ利得を発生されるための技術であるアラモウティ技術を用いるパイプA106の選択」を行うとともに、該「選択した情報」をパイプA106のチャネル品質と一緒にフィードバックしているといえる。 移動受信機が「フィードバックする」にあたり、「フィードバックを生成するように構成された回路」と、該「フィードバックを送信するように構成された送信機」を有していることは明らかである。 そして、高速で移動するユーザに対しては、切り換え型の便宜的なビームフォーミング方式からは利点を得ることができないために、ダイバーシティ利得を増大するように作用するダイバーシティ技術が適しているのであって、ダイバーシティ利得を発生させるのに使用する方法がアラモウティ技術であるから、「アラモウティ技術を用いるパイプA」は、「ビームフォーミング方式を使用しない通信チャネル」であるといえる。 そうすると、基地局が該「パイプA」を用いて送信する場合は、基地局はビームフォーミングを使用しないから、「パイプA106を選択した情報」を含むフィードバックは、基地局に対して、移動受信機に送信する際にビームフォーミングしないようにするための情報であるといえる。 したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「移動受信機であって、 選択した情報を含むフィードバックを生成するように構成された回路と、ここで、前記選択は、前記移動受信機がビームフォーミング方式から利点を得ることができない高移動性の状況にある場合にパイプA106を選択し、前記選択をフィードバックと共に受信する基地局に、前記移動受信機に送信する際にビームフォーミングしないようにするための選択であり、 前記フィードバックを送信するように構成された送信機と、 を備える端末。」 3.その他の文献について また、特開2007-335994号公報(以下、「引用文献2」という。)、特開2010-11261号公報(以下、「引用文献3」という。)、特開2010-81092号公報(以下、「引用文献4」という。)に記載されるように、、「フィードバック要求に応じてフィードバックを返す方法。」は周知である。(以下、「周知技術」という。) 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 引用発明の「移動受信機」は、本願発明1の「無線通信のための装置」に、 引用発明の「基地局」は、本願発明1の「送信デバイス」に、 引用発明の「選択した情報を含むフィードバック」は、本願発明1の「フィードバック・メッセージ」に、 それぞれ含まれる。 引用発明の「移動受信機」は、「基地局」とフィードバック等の信号を「送信」および「受信」するから、「送信機」と「受信機」を有するといえる。 また、引用発明の「移動受信機」は、基地局にフィードバックを報告するから、フィードバック・メッセージを生成するように構成された回路を有するといえる。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「無線通信のための装置であって、 受信機と、 フィードバック・メッセージを生成するように構成された回路と、ここで、前記フィードバック・メッセージは、前記フィードバック・メッセージを受信する前記送信デバイスに、前記装置に送信する際にビームフォーミング(BF)することを控えさせる、 前記フィードバック・メッセージを送信するように構成された送信機と、 を備える装置。」 (相違点) (相違点1) 一致点の「フィードバック・メッセージ」について、本願発明1は、「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージ」を生成し、前記ビットが「前記ビットは、複数入力複数出力(MIMO)制御フィールドのビット」であるという構成を備えるのに対し、引用発明は「選択した情報」を含み、前記選択は、前記移動受信機がビームフォーミング方式から利点を得ることができない高移動性の状況にある場合にパイプA106を選択し、前記選択をフィードバックと共に受信する基地局に、前記移動受信機に送信する際にビームフォーミングしないようにするための選択である点。 (相違点2) 本願発明1は、フィードバック・メッセージが「送信デバイスからのフィードバックを求める要求に直接的に応じて」いるとの構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点1について検討する。 引用発明は、「移動受信機がビームフォーミング方式から利点を得ることができない高移動性の状況にある場合に」、ビームフォーミングではなく「アラモウティ技術を用いるパイプA」を用いて、基地局が前記移動受信機への送信を行うように、移動受信機が基地局にフィードバックする発明である。 つまり、引用発明において前記移動受信機へのビームフォーミングが適切でないとされているのは、前記移動受信機が高移動性の状況にあるからであって、移動受信機が備えている受信機のハードウェア特性を理由とするものではない。したがって、引用発明における移動受信機が、「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機」を備えているとはいえない。 したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2,3について 本願発明2,3は本願発明1を引用して記載されており、本願発明1と同一の「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージ」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明4-22について 本願発明4,7,10,13,16,19-22は、本願発明1に対応する装置、方法、コンピュータ読取可能記憶媒体、アクセス端末、アクセス・ポイントの発明であり、本願発明1の「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージ」を備えるものである。 また、本願発明5,6,8,9,11,12,14,15,17,18も本願発明4、7、10、13、16のいずれかを引用して記載されており、同様に「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージ」という構成を備えるものである。したがって、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定について 本願発明1-22は「ビームフォームされている場合にパフォーマンスが低下する少なくとも1つの受信機を前記装置が備えていることを示すビットを備えるフィードバック・メッセージ」という事項を有しており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-017525

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