審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2016-015035

情報処理装置、情報処理方法、および記録媒体

審判番号
2016-015035
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-258409外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年10月06日
審決日
2017年09月28日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-258409「情報処理装置、情報処理方法、および記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月18日出願公開、特開2013-140568、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続きの経緯 本願は、平成24年11月27日(優先権主張平成23年12月9日)の出願であって、平成28年3月17日付けで拒絶理由が通知され、平成28年4月18日付けで手続補正され、平成28年7月27日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年10月6日付けで拒絶査定不服審判の請求がされ、同時に手続補正され、平成29年6月12日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成29年6月23日付けで手続補正されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年7月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-20に係る発明は、以下の引用文献1―4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2009-89068号公報 2.特開2011-44061号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2009-75685号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2011-186730号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献) 第3 当審拒絶理由の概要 本願請求項1-20に係る発明は、以下の引用文献1-3に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-186730号公報(拒絶査定時の引用文献4) 2.特開2011-44061号公報(拒絶査定時の引用文献2) 3.特開2009-89068号公報(拒絶査定時の引用文献1) 4.特開2009-75685号公報(拒絶査定時の引用文献3) 第4 本願発明 本願請求項1-20に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明20」という。)は、平成29年6月23日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-20は以下のとおりの発明である。 【請求項1】 ユーザにジェスチャ認識をフィードバックするための合成された画像を生成するために、撮像画像と操作対象画像との合成を制御する処理部を備え、 前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、 前記処理部は、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御し、 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像を平滑化する平滑化の度合いが変化することを含む、情報処理装置。 【請求項2】 前記合成された画像では、前記撮像画像の一部が、可視化の程度が変えられてみえる、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記撮像画像の一部は、合成された画像において操作対象オブジェクトの操作対象画像における位置に応じて決定された位置を有している、合成された画像の領域に対応する、請求項2に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記撮像画像の可視化の程度は、操作対象画像に含まれている操作対象オブジェクトに基づいて変えられる、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記撮像画像の可視化の程度は、撮像画像の領域の可視化の程度の減少を含み、 前記領域は、操作対象画像内の操作対象オブジェクトの位置に応じて決定される、請求項4に記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記撮像画像の可視化の程度は、前記撮像画像から認識される所定の対象に基づいて変えられる、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記撮像画像の可視化の程度は、少なくとも、撮像画像から切り出された一部のサイズによって変えられる、請求項6に記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記所定の対象は、少なくとも顔または手のうちの1つである、請求項6に記載の情報処理装置。 【請求項9】 前記撮像画像の可視化の程度は、前記合成された画像において、撮像画像が等級分けされてみえるように変えられる、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項10】 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像が透明である程度を変えることを含む、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項11】 撮像画像が透明である程度を変えることは、動的に撮像画像が透明である程度を変えることを含む、請求項10に記載の情報処理装置。 【請求項12】 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、撮像画像を切り出すことを含む、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項13】 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、さらに、切り出された画像をスケーリングすることを含む、請求項12に記載の情報処理装置。 【請求項14】 変えられた撮像画像と操作対象画像とを合成することは、操作対象画像の表示位置に対して変えられた撮像画像の表示位置を変えることを含む、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項15】 前記撮像画像は、複数のユーザの画像を含み、 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、認識された複数のユーザごとに切り出された領域を生成するために、撮像画像を切り出すことを含む、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項16】 表示部をさらに備え、 前記処理部は、前記合成された画像の表示を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項17】 撮像部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項18】 前記操作対象画像は、Webページを示す画像、メニュー画面を示す画像、操作画面を示す画像のうちの1つである、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項19】 ユーザにジェスチャ認識をフィードバックするための合成された画像を生成するために、撮像画像と操作対象画像とを合成するステップを有し、 前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、 前記合成するステップでは、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成が制御され、 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像を平滑化する平滑化の度合いが変化することを含む、情報処理方法。 【請求項20】 コンピュータにユーザにジェスチャ認識をフィードバックするための合成された画像を生成するために、撮像画像と操作対象画像とを合成するステップを実行させ、 前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、 前記合成するステップでは、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成が制御され、 前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像を平滑化する平滑化の度合いが変化することを含む、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 平成29年6月12日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審において付与した。以下、同様。) 「【0001】 本発明は情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、バックグラウンドで実行されているアプリケーションをジェスチャに基づいて操作するようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。」 「【0081】 図10の例のフィードバックモードの表示例では、表示部12上に軌跡81、ミラー画像82、ジェスチャコマンド一覧表83、ジェスチャコマンド84(具体的には84-1乃至84-6)、ジャケット写真85(具体的には85-1乃至84-7)、歌手名86-2、および曲名87-2が表示されている。 【0082】 フィードバックモードでは、カメラ11により撮像されたユーザの画像に画像処理を施したミラー画像82が背景に表示されている。ミラー画像とは、画像の左右を反転させた画像である。すなわちユーザが右手を動かしたとき、ミラー画像に表示されているユーザ71の画像では、左の手72が動かされる。ユーザの左手が動かされると、ミラー画像82では、右手が動かされる。 【0083】 このようにミラー画像82を表示させることで、ユーザが手でジェスチャを入力する動きと、表示部12に表示されるユーザ71の手72の動きが対応するので、ユーザはジェスチャによる操作を容易に確認することができる。 【0084】 なお、ミラー画像82の代わりに、手、体、顔、動き等が検出された領域を表示したり、または、ミラー画像82にさらに他の画像処理を施した画像を表示することもできる。 【0085】 ミラー画像82に他の画像処理を施した画像とは、例えば、モノクロームやセピアのように画像の色を変えた画像、顔や体のパーツを認識してパーツに対応するアバターに変更した画像、または鉛筆のスケッチや絵画風の画像などである。 【0086】 画像処理を施すことにより、顔が直接表示されることを不快に思うユーザが、快適に操作を行うことができる。 【0087】 ジェスチャコマンド一覧表83には、ユーザが入力することができるジェスチャの一覧、すなわちジェスチャコマンド84-1乃至84-6が表示されている。 【0088】 ジェスチャコマンド84-1乃至84-6には、それぞれのジェスチャに対する簡単な入力方法、すなわち、手の動かし方および操作内容が示されている。 ・・・中略・・・ 【0095】 このようにジェスチャコマンド一覧表83には、ジェスチャとジェスチャに対応する操作を簡単に示したジェスチャコマンド84が表示されるので、ユーザはジェスチャの種類と対応する操作内容を容易に確認することができる。 【0096】 ジャケット写真85の画像としては、音楽プレイヤに記憶されているそれぞれの曲に対応するジャケット画像が表示される。 【0097】 ジャケット写真85-1乃至85-7のうち、ジャケット写真85-2が現在選択されている曲のジャケットを示している。現在選択されているジャケット写真85-2の画像は、選択されていることがわかるように、例えば、上下に揺らされたり、選択されていないジャケットより大きくされる。 【0098】 歌手名86-2としての表示「redtallon」は、現在選択されているジャケット写真85-2の曲の歌手名である。現在選択されている曲名87-2「青春の森」は、現在選択されているジャケット写真85-2の曲の曲名である。 【0099】 このようにフィードバックモードを表示することで、ユーザはジェスチャの入力操作の確認、ジェスチャが認識されない原因の確認、ジェスチャの種類と操作内容の確認、および音楽プレイヤなど対応するアプリケーションの動作の確認をすることができる。」 上記下線部の記載及び図によれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「フィードバックモードでは、表示部12上に、ジェスチャコマンド一覧表83、ジェスチャコマンド84(具体的には84-1乃至84-6)、ジャケット写真85(具体的には85-1乃至84-7)、歌手名86-2、および曲名87-2が表示され、カメラ11により撮像されたユーザの画像に画像処理を施したミラー画像82が背景に表示され、 ユーザが手でジェスチャを入力する動きと、表示部12に表示されるユーザ71の手72の動きが対応するので、ユーザはジェスチャによる操作を容易に確認することができ、 ミラー画像82の代わりに、手、体、顔、動き等が検出された領域を表示したり、または、ミラー画像82にさらに他の画像処理を施した画像を表示することもでき、ミラー画像82に他の画像処理を施した画像とは、例えば、モノクロームやセピアのように画像の色を変えた画像、顔や体のパーツを認識してパーツに対応するアバターに変更した画像、または鉛筆のスケッチや絵画風の画像などであり、 ジャケット写真85の画像としては、音楽プレイヤに記憶されているそれぞれの曲に対応するジャケット画像が表示され、現在選択されているジャケット写真85-2の画像は、選択されていることがわかるように、例えば、上下に揺らされたり、選択されていないジャケットより大きくされ、 フィードバックモードを表示することで、ユーザはジェスチャの入力操作の確認、ジェスチャが認識されない原因の確認、ジェスチャの種類と操作内容の確認、および音楽プレイヤなど対応するアプリケーションの動作の確認をすることができる、情報処理装置。」 2.引用文献2について 平成29年6月12日付けの拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の記載がある。 「【0020】 (3)前記画像合成手段は、 前記撮像手段により撮影された情景画像を半透明化する半透明化手段と、 前記撮像手段により撮影された情景画像上に、前記画像作成手段により更新された表示画像をはめ込んだ更新画像を作成する更新画像作成手段と、 前記更新画像作成手段により作成された更新画像と、前記半透明化手段により半透明化した情景画像とを画像合成する合成手段と、 前記合成手段により画像合成した合成画像を出力する出力手段とを備えることを特徴とする(1)に記載の画像表示装置。 【0021】 (3)の画像表示装置によると、情景画像上に表示画像をはめ込んだ更新画像に半透明化した情景画像を合成する。これにより、アノテーションを行う操作者が映っている情景画像のうち、表示画像に重なっている領域だけが半透明化される。このため、更新画像を合成画像として出力する際に表示画面を遮る操作者の手や腕等の物体だけが半透明化され、表示画面の領域に重なっていない腕や手以外の操作者自身の体幹部等は半透明化されない。これにより、プレゼンテーション等において、聴取者の注意を促すアノテーションを行った場合、タブレットを操作する操作者自身の腕や手以外の姿を聴衆に対しはっきりと見せることができる。したがって、操作者の腕等により表示画面が遮られて表示画面に表示されている内容を部分的に見て取れなくなるという問題を解消すると共に、操作者自身の姿を聴衆に対し見せることによりアノテーションの効果を向上させることができる。」 3.引用文献3について 平成29年6月12日付けの拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の記載がある。 「【0033】 図2及び図3は、テレビジョン受像機1の画面構成を示す説明図である。同図に示すように、本実施形態に係る画面は、通常の映像信号S2上に、第1の混合画像M1oを混合して生成した第2の混合画像M2oを表示したものである。第1の混合画像M1oは、ユーザーインターフェースである操作用画像Gsに、ビデオカメラ2で撮影した操作者画像S1を混合して形成される。ここで、通常の映像信号S2は、例えば地上波放送や衛星放送、外部入力端子から入力されたビデオデッキやDVDプレイヤー等からの映像信号であり、操作者画像は、ビデオカメラ2で撮影されたユーザ3及びその背後にある風景である。 【0034】 操作用画像Gsは、テレビのチャンネルやページ遷移、メディア(放送方式)の切り替えを操作するための操作ボタン40,41が配列されている。この画面内において、操作者は、認識対象物Objである手を、操作ボタン40,41中の任意の操作ボタン(任意の放送局など)上にかざし、所定の動作(例えば、指を折り曲げたり、手を開いたり閉じたり等のサイン)をすることによって、所望する操作ボタンに対する操作を行うことができる。」 「【0083】 (変更例) なお、上述した実施形態では、表示装置に映されたグラフィックス上に展開される操作用画像を、それに重ね合わされた自分の鏡像を見ながら操作するものであるが、画像を重ね合わせるので見にくい場合がある。その場合は、検出器の画面上の領域を特定するタイミングパルス(水平垂直)で、第1の混合器16または第2の混合器20の混合割合を制御して見やすいようにする。例えば制御画像である操作ボタンを見やすくするためには第1の混合器16にて、制御値α1の値を小さくするようにタイミングパルスで制御すればよい。このように混合器をきめ細かく制御することによって視聴者と、制御画像(操作ボタン)の関係を分かり易くすることができる。」 4.引用文献4について 平成29年6月12日付けの拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の記載がある。 「【0073】 ステップS10において、合成部39は、視聴対象の画像の表示部13への表示を開始させる。具体的には、合成部39は、図示せぬ外部の装置からの視聴対象の画像の取得を開始し、その視聴対象の画像の表示部13への供給を開始する。 ・・・中略・・・ 【0080】 具体的には、合成部39は、視聴対象の画像の表示部13への供給を終了する。そして、合成部39は、UI情報およびUIの画像、並びに、抽出位置情報または特徴点情報、および特徴点ポインタの画像に基づいて、視聴対象画面の画像に1つの特徴点ポインタの画像とUIの画像を合成し、その結果得られる合成画像を表示部13に供給することを開始する。これにより、例えば、図5の特徴点ポインタ14とUI15が、表示部13の視聴対象画面に表示される。 【0081】 ステップS16において、合成部39は、画像取得部31から供給される撮像画像を用いた半透明の撮像画像の表示を開始させる。 【0082】 具体的には、合成部39は、撮像画像に対する鏡面処理を開始し、1つの特徴点ポインタの画像とUIの画像が視聴対象画面の画像に合成された合成画像の表示部13への供給を終了する。また、合成部39は、1つの特徴点ポインタの画像とUIの画像が合成された視聴対象画面上に、鏡面処理後の撮像画像が半透明で表示されるように、ステップS15で開始された合成の結果得られる合成画像と、鏡面処理後の撮像画像をさらに合成し、その結果得られる合成画像を表示部13に供給することを開始する。これにより、例えば、図5に示したように、撮像画像が、左右反転されて半透明で表示部13の視聴対象画面に表示される。」 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 (ア)引用発明の「カメラ11により撮像されたユーザの画像」は、本願発明1の「撮像画像」に相当する。 (イ)引用発明の表示部12上に、表示される「ジャケット写真85(具体的には85-1乃至84-7)、歌手名86-2、および曲名87-2」は、本願発明1の「操作対象画像」に相当するといえる。 (ウ)引用発明の「表示部12上に、ジェスチャコマンド一覧表83、ジェスチャコマンド84(具体的には84-1乃至84-6)、ジャケット写真85(具体的には85-1乃至84-7)、歌手名86-2、および曲名87-2が表示され、カメラ11により撮像されたユーザの画像に画像処理を施したミラー画像82が背景に表示」される「フィードバックモードを表示する」構成は、本願発明1の「撮像画像と操作対象画像との合成を制御する処理」に相当するといえ、引用発明の当該「フィードバックモードを表示する」制御を司る部分は、本願発明1の「撮像画像と操作対象画像との合成を制御する処理部」に相当するといえる。 引用発明は、「フィードバックモードを表示する」ことにより、「ユーザはジェスチャの入力操作の確認、ジェスチャが認識されない原因の確認、ジェスチャの種類と操作内容の確認、および音楽プレイヤなど対応するアプリケーションの動作の確認をすることができる」ものであるから、引用発明の「フィードバックモードを表示する」制御を司る部分は、本願発明1の「ユーザにジェスチャ認識をフィードバックするための合成された画像を生成するために、撮像画像と操作対象画像との合成を制御する処理部」に相当するといえる。 (エ)引用発明の「ミラー画像82の代わりに、手、体、顔、動き等が検出された領域を表示」する構成のうち「手、体、顔、動き等が検出された領域」は、「カメラ11により撮像されたユーザの画像」であって、本願発明1の「前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域」に相当し、引用発明の「カメラ11により撮像されたユーザの画像」のうち「手、体、顔、動き等が検出された領域」以外の領域は、本願発明1の「前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域」に相当するといえる。 したがって、引用発明の「ミラー画像82の代わりに、手、体、顔、動き等が検出された領域を表示」する構成は、本願発明の「前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、前記処理部は、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御し、前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像を平滑化する平滑化の度合いが変化することを含む」構成と、「前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、前記処理部は、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わるように、合成を制御する」構成である点では共通するといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点と相違点があるといえる。 (一致点) 「ユーザにジェスチャ認識をフィードバックするための合成された画像を生成するために、撮像画像と操作対象画像との合成を制御する処理部を備え、 前記合成された画像では、前記撮像画像の可視化の程度は変えられてみえ、 前記処理部は、前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わるように、合成を制御する、情報処理装置。」 (相違点1) 処理部は、本願発明1では、「前記撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御」するのに対し、引用発明では、そのように制御をすることは特定されていない点。 (相違点2) 本願発明1では、「前記撮像画像の可視化の程度が変わることは、前記撮像画像を平滑化する平滑化の度合いが変化することを含む」のに対し、引用発明では、そのような構成は特定されていない点。 (2)相違点についての判断 まず、相違点1について検討する。 引用文献2には、「更新画像を合成画像として出力する際に表示画面を遮る操作者の手や腕等の物体だけが半透明化され、表示画面の領域に重なっていない腕や手以外の操作者自身の体幹部等は半透明化されない。」(【0021】)すなわち、撮像画像の所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成表示することが記載されている。 しかしながら、「カメラ11により撮像されたユーザの画像」のうち「手、体、顔、動き等が検出された領域」のみを表示し、動き等が検出されないユーザの体幹部等の領域は表示しないようにする引用発明に、引用文献2記載の技術的事項を採用する動機付けはない。また、引用文献2に記載された技術的事項は、撮像手段により撮影された情景画像上に、画像作成手段により更新された表示画像をはめ込んだ更新画像と、撮像手段により撮影された情景画像を半透明化した情景画像とを画像合成する、すなわち2つの撮像画像を合成するものであり、撮像画像と操作対象画像との合成を制御する引用発明とは異なるから、この点においても、引用文献2に記載された技術的事項を引用発明に採用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。 そして、引用文献1、3、4にも、撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御する構成は記載されてなく、示唆されてもおらず、本願優先日前において周知の技術であったともいえない。 したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-4記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2-18について 本願発明2-18も、本願発明1の「撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御する」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.本願発明19、20について 本願発明19、20は、本願発明1に対応する方法、プログラムの発明であり、本願発明1の「撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~4記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第7 原査定についての判断 原査定は、請求項1-20について上記引用文献1-4に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、平成29年6月23日付け手続補正により補正された請求項1、19、20は、それぞれ「撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御する」という事項、「撮像画像から認識される所定の対象に対して設定された、前記所定の対象を含む一部の領域の可視化の程度と、前記撮像画像における前記一部の領域を除く他の領域の可視化の程度とが変わり、前記一部の領域と前記他の領域とが共に視認可能であり、かつ、前記一部の領域と前記他の領域との相対的な位置関係が変わらないように、合成を制御する」に対応する構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-20は、上記引用文献1―4に記載された技術的事項に基づいて、当業者であっても容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-015035

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決252件(ソニー株式会社)
  • 2018-002124拒絶査定不服審判 / 2021-04-27 / 請求不成立
    同じ当事者: ソニー株式会社
  • 2020-012569拒絶査定不服審判 / 2021-04-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)無線装置及び方法
    同じ当事者: ソニー株式会社
  • 2019-017696拒絶査定不服審判 / 2021-04-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)照明装置および表示装置
    同じ当事者: ソニー株式会社
  • 2019-017449拒絶査定不服審判 / 2021-03-19 / 請求不成立音響出力装置並びに音導装置
    同じ当事者: ソニー株式会社
  • 2020-001704拒絶査定不服審判 / 2021-03-10 / 原査定取消(特許/登録すべき)固体撮像装置及び電子機器
    同じ当事者: ソニー株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,453件(121・G06F)
  • 2025-005007拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)共有レコードのクライアント更新にルールの適用によるシステム生成更新のトリガ
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2024-009005拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)モジュール式空気冷却および分配システムおよび方法
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-008882拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、認証器、それら方法およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-007124拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)記憶装置
    共通の審決分類: 121・G06F
  • 2025-014602拒絶査定不服審判 / 2026-08-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)ペン入力装置用カバー部材、及びペン入力装置
    共通の審決分類: 121・G06F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存