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特許拒絶査定不服審判

2016-014247

押圧検出センサ

審判番号
2016-014247
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-530869外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年09月23日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .575-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-530869「押圧検出センサ」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月12日国際公開、WO2015/019981、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)8月4日(優先権主張2013年(平成25年)8月6日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年3月22日付けで拒絶理由が通知され、平成28年5月30日付けで手続補正がされ、平成28年6月20日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年9月23日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成28年11月1日に前置報告がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年6月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 1.本願請求項1-5に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2012/137897号 2.特開2012-203895号公報 3.特開2013-043372号公報 4.特開2012-158135号公報 第3 本願発明 本願請求項1-4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、平成28年9月23日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 一方主面が操作面となる板部材と、 前記板部材の他方主面に装着されており、ポリ乳酸を含む圧電性フィルムおよび該圧電性フィルムの両主面に形成された検出用電極を含む平膜状の圧電センサと、 前記平膜状の圧電センサを前記板部材に装着する装着部材と、を備え、 前記平膜状の圧電センサは、前記板部材の端辺の付近に装着されており、 前記装着部材は、押圧位置によってセンサ出力が正負反転しない弾性定数が106Pa以下である粘着材からなり、 前記平膜状の圧電センサは長手方向と短手方向を有する形状であり、長手方向の長さが短手方向の長さの2.5倍以上であり、 前記圧電性フィルムの配向方向は、前記圧電センサの長手方向に対して略45°である、 押圧検出センサ。 【請求項2】 前記装着部材は、前記圧電センサにおける前記板部材に対向する面の略全面に配置されている、 請求項1に記載の押圧検出センサ。 【請求項3】 前記粘着材は、1つの材料からなる、 請求項2に記載の押圧検出センサ。 【請求項4】 前記板部材は長手方向と短手方向とを有する形状であり、 前記平膜状の圧電センサは、該平膜状の圧電センサの長手方向に対して前記板部材の短手方向が沿うように、前記板部材に装着されている、 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の押圧検出センサ。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「[0065] 本発明の第1の実施形態に係る変位センサについて、図を参照して説明する。図1は本実施形態の変位センサ10の外観斜視図である。図2(A)は変位センサ10の平面図であり、図2(B)はその側面図である。図2(B)に示す側面図は、変位センサ10の長手方向が図の横方向となるように見た(短手方向の端面を見た)側面図である。 [0066] 変位センサ10は、平板状の弾性体20と、平膜状の圧電素子30とを備える。弾性体20は、所定の厚みを有し、平面視して、一方向に長く、この方向に直交する方向に短い、長手方向と短手方向を有する矩形状からなる。弾性体20は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やアクリル樹脂(PMMA)等の比較的強度が高いポリマーで形成されている。この場合、弾性体20の厚みは、例えば0.5mm~2mm程度にするとよい。なお、弾性体20は、圧電素子30を構成する圧電性シート300の機械的強度よりも、少なくとも高い機械的強度を有するものであればよい。 [0067] 圧電素子30は、弾性体20と同様の矩形状からなる圧電性シート300を備える。圧電性シート300は、L型ポリ乳酸(以下、PLLAと称する。)によって形成されている。なお、圧電性シート300は、D型ポリ乳酸(以下、PDLAと称する。)によって形成されていてもよい。 [0068] 圧電性シート300の第1主面には、略全面に電極301が形成されている。圧電性シート300の第2主面には、略全面に電極302が形成されている。電極301,302には、ITO、ZnO、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いるのが好適である。これらの材料を用いることで、電極301,302は、透光性の高いものとなる。これにより、高い透光性を有する変位センサを実現することができる。 [0069] さらに、電極301,302に、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いれば、透光性を有するとともに、曲げによる電極の破損が殆ど生じ、より好適である。また、透光性を有する必要がない場合には、蒸着やめっきにより形成された金属被膜や銀ペーストによる印刷電極膜で電極301,302を形成してもよい。特に、アルミ蒸着被膜は安価に形成でき好適である。 [0070] 電極301には外部接続端子41が接続されており、電極302には外部接続端子42が接続されている。 [0071] このような構成からなる変位センサ10の圧電性シート300に用いられるPLLAは、キラル高分子であり、主鎖が螺旋構造を有する。このPLLAシートは、一軸延伸され、分子が配向すると、圧電性を有する。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。」(段落[0065]-[0071]。下線は当審で付した。以下同様。) (2)「[0077] さらに、PLLAは圧電性が異方性を有するため、次に示すような一軸延伸後の原反からの切り出しを行う。図3は印加電界方向、延伸方向とPLLAを用いた圧電性シートの伸縮状態との関係を示す図である。なお、ここでは、説明を分かりやすくするために、電界印加前の圧電性シート390を正方形とした場合を示す。 [0078] 図3の破線390で示す正方形状の圧電性シートは、図3の矢印シンボル901に示す方向(図3における横方向)に一軸延伸されている。この圧電性シート390に対して、図3の電界シンボル911の方向(図3の紙面手前から紙面奥に向かう方向)の電界が印加されると、d14 の効果により、実線392で示す平行四辺形に変形する。この際、圧電性シートが最も伸びる方向は一軸延伸方向に対して反時計回りに45°の方向となり、最も短くなる方向は一軸延伸方向に対して反時計回りに-45°の方向となる。 [0079] したがって、図3の二点鎖線391に示すように、一軸延伸方向に対して45°方向を長手方向として圧電性シートを切り出す。これにより、上述の圧電性シート300を、伸縮に対して最も高感度状態で形成することができる。 [0080] このように、本実施形態の圧電性シート300は、長手方向に対して、一軸延伸方向が45°の角度を成すように形成されている。このような形状からなる圧電性シート300の両面に、上述のように電極301,302が形成された圧電素子30は、図示しない透光性接着剤により、弾性体20の第1主面に取り付けられる。 [0081] なお、正確な45°に限ることなく、略45°であってもよい。略45°とは、例えば45°±10°程度を含む角度をいう。これらの角度は、変位センサの用途に基づき、曲げの検知精度など全体の設計に応じて、適宜決定されるべき設計事項である。 [0082] このような形状からなる変位センサ10は、図4に示すように、一軸延伸方向に対して45°を成す長手方向に沿った曲げを検出できる。図4(A)は曲げ変位が0の状態での変位センサの概略側面形状を示す図であり、図4(B)は所定の曲げ変位が生じた状態での変位センサ10の概略側面形状を示す図である。 [0083] 曲げ変位が0の場合、すなわち変位センサ10に対して曲げを生じさせる力が外部から加わっていない場合、弾性体20は図4(A)の記号10STに示すように、主面が平坦な状態となる。この場合、圧電素子30は伸縮せず、電圧が生じない。 [0084] 曲げ変位が所定値の場合、すなわち変位センサ10に対して曲げを生じさせる力が外部から加わった場合、弾性体20は図4(B)の記号10CSに示すように、主面の長手方向に沿って湾曲した状態となる。この場合、圧電素子30は、曲げ量に応じて長手方向に沿って伸びる。これにより、圧電素子30の電極301,302間に、伸張量に応じた電圧が発生する。この電圧を検出することで、圧電素子30の伸張、すなわち変位センサ10の曲がり量を検出することができる。」(段落[0077]-[0084]) (3)「[0134] 上述の平膜状の変位センサは、次に示すような各種の操作デバイスに利用される。」(段落[0134]) (4)「[0196] 上述のゲームコントローラのように筐体内に圧電素子を配置して操作デバイスを形成する場合には、次に示す態様を用いることもできる。図20は操作デバイス801における圧電素子30の配置を示す図である。図20(A)は、操作デバイス801の平面図であり、図20(B)は、図20(A)のA-A’断面図である。なお、図20では、筐体810と圧電素子30のみを図示しており、操作デバイス801を構成する他の構成要素は図示を省略している。 [0197] 筐体810は、平面視して、一方向が長く(以下、当該方向を長手方向とする。)、当該長手方向に直交する方向が短い(以下、当該方向を短手方向とする。)、直方体形状からなる。筐体810は、表面壁812F、裏面壁812Rが間隔を空けて対向する構造からなり、表面壁812Fの外周と裏面壁812Rの外周とに沿って、長手方向側壁821,822、短手方向側壁823,824が形成されている。この構造により、筐体810は、内部空間811を備える。内部空間811には、図示しない操作デバイス801を構成する各種の構成要素とともに、圧電素子30が配置されている。 [0198] 圧電素子30は、上述の第1の実施形態に示した変位センサ10に用いた圧電素子30と同じである。 [0199] 具体的には、圧電素子30は、平膜状で矩形状からなる圧電性シート300を備える。圧電性シート300は、PLLAによって形成されている。なお、ここでは、PLLAを用いているが、d14の圧電定数を有し、圧電性が異方性を有するものであれば、他の材質であってもより。圧電シート300は、当該圧電シート300の長手方向に対して、一軸延伸方向が45°の角度を成すように形成されている。 [0200] 圧電性シート300の第1主面には、略全面に電極301が形成されている。圧電性シート300の第2主面には、略全面に電極302が形成されている。電極301,302の材料は、第1の実施形態に示したものを用いればよく、例えば、ITO、ZnO、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極、蒸着やめっきにより形成された金属被膜や銀ペーストによる印刷電極膜を用いればよい。 [0201] このような構造からなる平膜状の圧電素子30は、筐体810を平面視して、長手方向の略中央で、且つ、短手方向の端部付近に配置されている。図20の例であれば、圧電素子30は、裏面壁812Rにおける長手方向側壁821の中央部付近で、且つ、長手方向側壁821に当接するように、配置されている。この際、圧電素子30は、当該圧電素子30の長手方向の側面が、長手方向側壁821に当接するように、配置されている。言い換えれば、圧電素子30の長手方向と筐体810の長手方向とが略一致するように、圧電素子30は、筐体810に配置されている。 [0202] このような圧電素子30の配置構造を採用することで、筐体810の表面壁812Fや裏面壁812Rが押し込まれたことを、効率的に検出することができる。」(段落[0196]-[0202]) また、上記引用文献1の記載、引用文献1の図20、及びこの分野の技術常識を考慮すると次のことがいえる。 ア.上記(1)に記載された「平板状の弾性体20と、平膜状の圧電素子30とを備える」「変位センサ10」のうち、平板状の弾性体20は、上記(4)に記載された筐体内に圧電素子を配置した操作デバイス801に適用されるに当たり、裏面壁812Rで置き換えられている。 イ.上記(1)及び(4)の記載によれば、圧電素子30は、長手方向と短手方向を有する矩形状である。 ウ.上記(4)の記載及び引用文献1の図20を参酌すると、圧電素子30は、裏面壁812Rの、押し込まれる面とは反対側の面における短手方向の端部付近に配置されている。 したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「裏面壁812Rと、平膜状の圧電素子30とを備える変位センサ10であって、 圧電素子30は、矩形状からなり長手方向に対して一軸延伸方向が略45°の角度を成すようにL型ポリ乳酸で形成された圧電性シート300と、圧電性シート300の第1主面に形成されている電極301と、圧電性シート300の第2主面に形成されている電極302とを備え、 圧電素子30は、透光性接着剤により裏面壁812Rに取り付けられ、 圧電素子30は、裏面壁812Rの、押し込まれる面とは反対側の面における短手方向の端部付近に配置され、 圧電素子30は、長手方向と短手方向を有する矩形状である、 変位センサ10。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の段落【0014】-【0020】及び図1-3の記載からみて、当該引用文献2には、入力を触覚で感知せしめるハプティック機能を備える電子機器において、振動を発生させる圧電振動素子40の長さが50mm、幅が3mmであって、粘着剤によって固定されるという技術的事項が記載されていると認められる。 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の段落【0072】-【0077】及び図3-4の記載からみて、当該引用文献3には、透明導電性フィルムをタッチパネルに適用するに際し、弾性係数が1~100N/cm2、すなわち、104~106Paの粘着剤層3を用いるという技術的事項が記載されていると認められる。 4.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4の段落【0022】、【0043】-【0050】の記載からみて、当該引用文献4には、透明プラスチックフィルムからなる基材上の片面に、無機物からなる無機薄膜層を積層したガスバリア性フィルムの無機薄膜層を有する面と、他の透明プラスチックフィルムとを粘着層を介して積層した積層体において、粘着層の弾性係数を1.0×10-2~1.0MPaの範囲とするという技術的事項が記載されていると認められる。 第5 当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア.引用発明の「裏面壁812R」は、押し込まれる面、すなわち操作面を有しているから、本願発明1の「一方主面が操作面となる板部材」に相当する。 イ.引用発明の「L型ポリ乳酸で形成された圧電性シート300」及び「圧電素子30」は、本願発明1のそれぞれ「ポリ乳酸を含む圧電性フィルム」及び「圧電センサ」に相当する。 ウ.引用発明の圧電性シート300の第1主面には「電極301」が、同第2主面には「電極302」がそれぞれ形成されている。すなわち、圧電性シート300の両主面に電極が形成されているから、引用発明の「圧電性シート300の第1主面に形成されている電極301」及び「圧電性シート300の第2主面に形成されている電極302」は、本願発明1の「圧電性フィルムの両主面に形成された検出用電極」に相当する。 エ.また、引用発明において、「圧電素子30は、裏面壁812Rの、押し込まれる面とは反対側の面」「に配置され」る、すなわち、裏面壁812Rの操作面(本願発明1の「一方主面」)とは反対側である面に装着されているといえる。 オ.したがって、本願発明1は引用発明と、「前記板部材の他方主面に装着されており、ポリ乳酸を含む圧電性フィルムおよび該圧電性フィルムの両主面に形成された検出用電極を含む平膜状の圧電センサ」を備える点で一致する。 カ.引用発明において、圧電素子30は、「透光性接着剤により裏面壁812Rに取り付けられ」るから、「透光性接着剤」は、後述する相違点を除き、圧電素子30を裏面壁812Rに装着するための「装着部材」といえる。 キ.したがって、本願発明1は引用発明と、「平膜状の圧電センサを前記板部材に装着する装着部材」を備える点で一致する。 ク.引用発明において、圧電素子30が、「裏面壁812Rの」「短手方向の端部付近に配置され」る構成は、本願発明1の「前記平膜状の圧電センサは、前記板部材の端辺の付近に装着され」る構成に相当する。 ケ.引用発明の「圧電素子30は、長手方向と短手方向を有する矩形状である」との構成は、本願発明1の「平膜状の圧電センサは長手方向と短手方向を有する形状であ」る構成に相当する。 コ.引用発明の圧電性シート300は、「長手方向に対して一軸延伸方向が略45°の角度を成すようにL型ポリ乳酸で形成された」ものであるから、当該構成は、本願発明1の「前記圧電性フィルムの配向方向は、前記圧電センサの長手方向に対して略45°である」構成に相当する。 サ.引用発明の「変位センサ10」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「押圧検出センサ」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「一方主面が操作面となる板部材と、 前記板部材の他方主面に装着されており、ポリ乳酸を含む圧電性フィルムおよび該圧電性フィルムの両主面に形成された検出用電極を含む平膜状の圧電センサと、 前記平膜状の圧電センサを前記板部材に装着する装着部材と、を備え、 前記平膜状の圧電センサは、前記板部材の端辺の付近に装着されており、 前記平膜状の圧電センサは長手方向と短手方向を有する形状であり、 前記圧電性フィルムの配向方向は、前記圧電センサの長手方向に対して略45°である、 押圧検出センサ。」 (相違点1) 本願発明1が「前記装着部材は、押圧位置によってセンサ出力が正負反転しない弾性定数が106Pa以下である粘着材からなる」との構成を有するのに対し、引用発明の「透光性接着剤」が当該構成を有することについて特定されていない点 (相違点2) 本願発明1の「前記平膜状の圧電センサ」は、「長手方向の長さが短手方向の長さの2.5倍以上であ」るとの構成を有するのに対し、引用発明の「圧電素子30」が当該構成を有することについて特定されていない点 (2)相違点についての判断 上記相違点1について検討する。 上記「第3 引用文献、引用発明等」で述べたとおり、引用文献2には、入力を触覚で感知せしめるハプティック機能を備える電子機器において、振動を発生させる圧電振動素子40の長さが50mm、幅が3mmであって、粘着剤によって固定されるという技術的事項が、引用文献3には、透明導電性フィルムをタッチパネルに適用するに際し、弾性係数が1~100N/cm2、すなわち、104~106Paの粘着剤層3を用いるという技術的事項が、引用文献4には、透明プラスチックフィルムからなる基材上の片面に、無機物からなる無機薄膜層を積層したガスバリア性フィルムの無機薄膜層を有する面と、他の透明プラスチックフィルムとを粘着層を介して積層した積層体において、粘着層の弾性係数を1.0×10-2~1.0MPaの範囲とするという技術的事項がそれぞれ記載されている。 しかしながら、引用文献2に記載の圧電振動素子40は振動を発生させるものであって、引用発明の変位を検出するためのセンサとしての圧電素子30とは性質を異にするものであり、引用文献3及び4に記載の粘着剤層3及び粘着層は圧電素子を固定するものではない。 また、本願発明1の「押圧位置によってセンサ出力が正負反転しない」構成については、引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項のいずれでも特定されていない。 したがって、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.請求項2-4について 本願発明2-4は、本願発明1をさらに限定したものであるので、本願発明1と同様に、当業者が引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、補正後の本願発明1-4は「前記装着部材は、押圧位置によってセンサ出力が正負反転しない弾性定数が106Pa以下である粘着材からなる」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-4に基づいて、容易に発明できたものとは認められない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-014247

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