特許拒絶査定不服審判
2016-014154
放熱装置および放熱装置の製造方法
- 審判番号
- 2016-014154
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-095485外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月21日
- 審決日
- 2017年07月11日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012- 95485「放熱装置および放熱装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月28日出願公開、特開2013-222930、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年4月19日に特許出願したものであって、平成28年3月25日付け拒絶理由通知に対して同年5月25日付けで意見書が提出されたが、同年6月13日付けで拒絶査定がなされた。これに対し、同年9月21日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされたものである。
第2 原査定の概要
本願の請求項1ないし6に係る発明は、下記の引用文献1ないし3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・引用文献1:特開2007-173405号公報
・引用文献2:特開2011-91417号公報
・引用文献3:特開2008-235672号公報
第3 本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明(以下、「本願発明1」、「本願発明2」、「本願発明3」、「本願発明4」という。)は、平成28年9月21日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定され、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の表面に接続され、半導体素子を接合可能な金属層と、
表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、前記絶縁基板の裏面に接続される応力緩和部材と、
前記応力緩和部材の裏面に接続される冷却器と、
を有する放熱装置であって、
前記応力緩和部材は、純度が99.99wt%以上のアルミニウムからなり、
前記絶縁基板と前記金属層とは第一のロウ材で接続され、前記絶縁基板と前記応力緩和部材とは第二のロウ材で接続され、前記応力緩和部材と前記冷却器とは第三のロウ材で接続され、
前記第二のロウ材および第三のロウ材の少なくとも一方は、開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置する状態で前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なる貫通孔を有することを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記冷却器における前記応力緩和部材が接続される部位とは異なる部位に位置する第2の絶縁基板と、
前記第2の絶縁基板の表面に接続され、半導体素子を接合可能な第2の金属層と、
表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、前記第2の絶縁基板の裏面に接続されるとともに前記冷却器に接続される第2の応力緩和部材と、を有し、
前記第2の応力緩和部材は、純度が99.99wt%以上のアルミニウムからなり、
前記第2の絶縁基板と前記第2の金属層とは第四のロウ材で接続され、前記第2の絶縁基板と前記第2の応力緩和部材とは第五のロウ材で接続され、前記第2の応力緩和部材と前記冷却器とは第六のロウ材で接続され、
前記第五のロウ材および第六のロウ材の少なくとも一方は、開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置する状態で前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なる貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
絶縁基板の表面に第一のロウ材を介して金属層を配置し、表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、純度が99.99wt%以上のアルミニウムからなる応力緩和部材の表面と前記絶縁基板の裏面との間に第二のロウ材を、また、前記応力緩和部材の裏面と冷却器との間に第三のロウ材を、前記第二のロウ材および第三のロウ材の少なくとも一方に形成した貫通孔が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なるとともに前記貫通孔の開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置するようにして配置する配置工程と、
前記第一のロウ材を溶かして前記絶縁基板と前記金属層とを接続し、前記第二のロウ材を溶かして前記応力緩和部材と前記絶縁基板とを接続し、前記第三のロウ材を溶かして前記応力緩和部材と前記冷却器とを接続する接続工程と、を有することを特徴とする放熱装置の製造方法。
【請求項4】
前記配置工程は、更に、第2の絶縁基板の表面に第四のロウ材を介して第2の金属層を配置し、表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、純度が99.99wt%以上のアルミニウムからなる第2の応力緩和部材の表面と前記第2の絶縁基板の裏面との間に第五のロウ材を、また、前記第2の応力緩和部材の裏面と前記冷却器との間に第六のロウ材を、前記第五のロウ材および第六のロウ材の少なくとも一方に形成した貫通孔が前記第2の応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なるとともに前記第五のロウ材および第六のロウ材の少なくとも一方に形成した貫通孔の開口部の縁が前記第2の応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置するようにして配置し、
前記接続工程は、更に、前記第四のロウ材を溶かして前記第2の絶縁基板と前記第2の金属層とを接続し、前記第五のロウ材を溶かして前記第2の応力緩和部材と前記第2の絶縁基板とを接続し、前記第六のロウ材を溶かして前記第2の応力緩和部材と前記冷却器とを接続することを特徴とする請求項3に記載の放熱装置の製造方法。」
第4 引用文献
1.引用文献1
引用文献1には、「半導体モジュール」に関し、図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
ア.「【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1~図5にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、半導体モジュール10は、回路基板11と、当該回路基板11に接合される半導体素子12と、放熱装置としてのヒートシンク13とから構成されている。回路基板11は、セラミックス基板(絶縁基板)14の表裏両面に表金属板15と裏金属板16を接合して構成されている。また、セラミックス基板14は、図2において上側が半導体素子搭載面となる表面側とされており、当該半導体素子搭載面側には配線層として機能する表金属板15が接合されている。そして、半導体素子12は、表金属板15に接合されている。図2の符号「H」は、接合層(本実施形態では半田層)を示している。半導体素子12は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transisor )やダイオードからなり、回路基板11(表金属板15)には複数(本実施形態では4つ)の半導体素子12が接合されている。また、セラミックス基板14には、図2において下側となる裏面側にセラミックス基板14とヒートシンク13とを接合(金属接合)する接合層として機能する裏金属板16が接合されている。そして、ヒートシンク13は、裏金属板16に接合されている。裏金属板16は、ヒートシンク13に対して直接ロウ付けされている。」
イ.「【0019】
裏金属板16は、純アルミニウム(例えば、工業用純アルミニウムである1000系アルミニウム)からなる。そして、裏金属板16は、図3(a)に示すように平面視正方形の平板状に形成されており、セラミックス基板14に対して配置される範囲が27mm×27mmの正方形とされている。裏金属板16は、図2に示すように、セラミックス基板14の表金属板15が配置される面の反対面に、セラミックス基板14の厚み方向に重なって配置されている。また、裏金属板16の厚み(板厚)は、1.1mmとされている。図3(a)は、裏金属板16を接合面16b側から見た場合の平面図であり、ヒートシンク13を二点鎖線で示している。」
ウ.「【0025】
半導体素子12から発せられた熱がヒートシンク13に伝わった際には、回路基板11及びヒートシンク13は高温となり、熱膨張する。一方、半導体素子12からの発熱が停止すると、回路基板11及びヒートシンク13の温度は常温まで低下し、熱収縮する。そして、熱膨張及び熱収縮の際には、各部材(ヒートシンク13、セラミックス基板14、表金属板15、裏金属板16)の線熱膨張係数の相違に起因し、熱応力が発生する。しかし、本実施形態の半導体モジュール10では、裏金属板16に形成した各凹部18からなる非接合領域によって接合領域の熱応力が分散され、応力緩和される。すなわち、各凹部18からなる非接合領域は、接合領域の熱応力を緩和する熱応力緩和部として機能する。この結果、クラックの発生や反りなどの発生が防止され、放熱性能が長期間にわたって維持される。」
エ.「【0043】
○ 図3及び図5に示す凹部18は、貫通孔としても良い。また、図6~図8に示す溝部19~21は、貫通溝(裏金属板16を貫通して形成した溝)としても良い。なお、溝部19~21を貫通溝とする場合には、裏金属板16の周縁に連結部を形成し、裏金属板16が分離しないようにする。また、凹部18を貫通孔とする場合や溝部19~21を貫通溝とする場合には、図9(a)に示すように、裏金属板16の接合面16bからの最深部22(接合面16a側)をフィレット形状に形成すると良い。この部分は、裏金属板16の接合面16a側の開口部分となる。この構成によれば、セラミックス基板14と裏金属板16との接合において、孔又は溝の開口部分が角状に形成されている場合に比して裏金属板16を剥がれ難くすることができる。したがって、放熱性能を向上させることができる。」
上記アないしエ、図1ないし図2により、引用文献1の「半導体モジュール」には以下の事項が記載されている。
・上記ア、図2によれば、半導体モジュール10は、セラミックス基板(絶縁基板)14と、セラミックス基板14の表面(半導体素子12搭載面)に接合される表金属板15と、セラミックス基板14の裏面に接合される裏金属板16と、裏金属板16に接合されるヒートシンク13を有するものである。また、裏金属板16は、ヒートシンク13に直接ロウ付けされたものである。
・上記イによれば、裏金属板16は、1000系アルミニウムからなるものである。
・上記ウ、エによれば、裏金属板16に形成された凹部18からなる非接合領域は、ヒートシンク13、セラミックス基板14、表金属板15、裏金属板16の線熱膨張係数の相違に起因して発生する熱応力を緩和するものである。そして、非接合領域である凹部18は、貫通孔としても良いものである。
したがって、上記摘示事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明という。)が記載されているものと認められる。
「セラミックス基板(絶縁基板)14と、
セラミックス基板14の表面(半導体素子12搭載面)に接合される表金属板15と、
セラミックス基板14の裏面に接合される貫通孔が形成された裏金属板16と、
裏金属板16に接合されるヒートシンク13と、
を有する半導体モジュール10であって、
裏金属板16は、1000系アルミニウムからなり、
裏金属板16は、ヒートシンク13に直接ロウ付けされている
半導体モジュール10。」
2.引用文献2
引用文献2には、「Al/AlN接合体、パワーモジュール用基板及びパワーモジュール並びにAl/AlN接合体の製造方法」に関し、図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
カ.「【0037】
次に、本発明の第1の実施形態におけるAlN/Al接合体及びその製造方法を、図4から図7を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第1実施形態のAlN/Al接合体(絶縁基板)10を示す断面図であり、このAlN/Al接合体10は、AlN基板(絶縁セラミック基板)11の両面のそれぞれに、ロウ材層14を介して、Al板(導電層)12、13を接合したものである。」
キ.「【0039】
Al板12、13は99.99質量%以上のAlを含有する。Al含有率を99.99質量%以上とすることで、Al板12、13の応力緩和効果が向上し、温度変化に曝された際のAlN/Al接合体10の反りやAlN基板11の割れが抑制される。Al板12、13の厚さは限定されないが、一例として0.25~0.6mmとされる。より具体的な実施形態では、AlN基板11は、例えば厚さ0.635mm、Al板12、13は、例えば厚さ0.4mmとされる。Al板12、13はAlN基板11の全面に接合されていてもよいし、図4に示すようにAlN基板11の周辺部を除く部分にのみ形成されていてもよい。これらの構成は、先に述べた参考実施形態にも適用できる。」
・上記カ、キによれば、引用文献2には以下の技術事項が記載されている。
「絶縁基板の両面にロウ材層を介して接合される導電層として、99.99質量%以上のAlを含有する」ものを使用する点。
3.引用文献3
引用文献3には、「半導体装置、及び半導体装置の製造方法」に関し、図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
ク.「【0022】
本実施形態においてろう材17は、図3(a),(b)に示すようにシート状(板状)に形成されており、ろう材17の厚み方向に貫通する平面視円形をなす複数個(本実施形態では36個)の貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、ろう材17の周縁部位を中心に配列されている。そして、図3(b)に示すように、ろう付けを行う際には、裏金属板16においてろう材17の貫通孔18に対応する部位に離型剤19を配置することにより、貫通孔18に対応する部位が非接合領域(ろう材17が濡れないところ)となる。図3(a)に示す二点鎖線の領域は、ヒートシンク13と裏金属板16が接合される接合領域を示し、二点鎖線を付していない領域が離型剤19の配置により非接合領域として形成される領域である。」
ケ.「【0028】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)裏金属板16(回路基板11)の接合界面に離型剤19を配置し、ろう付けを行う。これによれば、ろう付け時には、離型剤19を配置した部位にろう材17が濡れず、裏金属板16(回路基板11)とヒートシンク13とが接合されていない非接合領域が形成されることになる。このため、回路基板11(セラミックス基板14、表金属板15、裏金属板16)及びヒートシンク13との線熱膨張係数の相違に起因して熱応力が発生した場合でも接合領域の熱応力が分散され、その結果、応力が緩和される。このため、反りやクラックの発生が防止され、放熱性能が維持される。また、接合界面に離型剤19を配置する構成を採用したので、回路基板11に直接、熱応力を緩和させる構成を設ける必要がなく、回路基板11の構造を簡素化できる。」
・上記ク、ケによれば、引用文献3には以下の技術事項が記載されている。
「金属板をヒートシンクとろう付けする場合、ろう材に複数の貫通孔を形成」する点。
第5 対比、判断
本願発明1と引用発明とを対比する。
a.引用発明の「セラミックス基板(絶縁基板)14」は、本願発明1の「絶縁基板」に相当する。
b.引用発明の「セラミックス基板14の表面(半導体素子12搭載面)に接合される表金属板15」は、本願発明1の「前記絶縁基板の表面に接続され、半導体素子を接合可能な金属層」に相当する。
c.引用発明の裏金属板16に形成された「貫通孔」は、本願発明1の「表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔」に相当する。
そして、引用発明の「貫通孔が形成された裏金属板16」は、上記ウ及びエによれば、ヒートシンク13、セラミックス基板14、表金属板15、裏金属板16の線熱膨張係数の相違に起因して発生する熱応力を緩和する熱応力緩和部として機能するものである。そうすると、引用発明の「裏金属板16」は、本願発明1の「応力緩和部材」に相当する。
よって、引用発明の「セラミックス基板14の裏面に接合される貫通孔が形成された裏金属板16」は、本願発明1の「表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、前記絶縁基板の裏面に接続される応力緩和部材」に相当する。
d.引用発明の「裏金属板16に接合されるヒートシンク13」は、本願発明1の「前記応力緩和部材の裏面に接続される冷却器」に相当する。
e.引用発明の「半導体モジュール10」は、冷却器であるヒートシンク13を備えたものであるから、本願発明1の「放熱装置」に相当する。
f.引用発明の「裏金属板16は、1000系アルミニウムからなり」は、本願発明1の「前記応力緩和部材は、アルミニウムからなり」に相当する。
但し、応力緩和部材のアルミニウムとして、本願発明1は「純度が99.99wt%以上」であるのに対し、引用発明は「1000系(純度99%以上)」である点で相違する。
g.引用発明の「裏金属板16は、ヒートシンク13に直接ロウ付けされている」ことは、本願発明1の「前記応力緩和部材と前記冷却器とは第三のロウ材で接続され」ることに相当する。
但し、本願発明1は、「前記絶縁基板と前記金属層とは第一のロウ材で接続され、前記絶縁基板と前記応力緩和部材とは第二のロウ材で接続され」ているのに対し、引用発明はその旨の特定がされていない点で相違する。
更に、本願発明1は、「前記第二のロウ材および第三のロウ材の少なくとも一方は、開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置する状態で前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なる貫通孔を有する」のに対し、引用発明はその旨の特定がされていない点で相違する。
したがって、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。
<一致点>
「絶縁基板と、
前記絶縁基板の表面に接続され、半導体素子を接合可能な金属層と、
表裏方向に貫通して表面および裏面に開口する貫通孔を有し、前記絶縁基板の裏面に接続される応力緩和部材と、
前記応力緩和部材の裏面に接続される冷却器と、
を有する放熱装置であって、
前記応力緩和部材は、アルミニウムからなり、
前記応力緩和部材と前記冷却器とは第三のロウ材で接続され
る放熱装置。」
<相違点1>
応力緩和部材のアルミニウムとして、本願発明1は「純度が99.99wt%以上」であるのに対し、引用発明は「1000系(純度99%以上)」である点。
<相違点2>
本願発明1は、「前記絶縁基板と前記金属層とは第一のロウ材で接続され、前記絶縁基板と前記応力緩和部材とは第二のロウ材で接続され」ているのに対し、引用発明はその旨の特定がされていない点。
<相違点3>
本願発明1は、「前記第二のロウ材および第三のロウ材の少なくとも一方は、開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置する状態で前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なる貫通孔を有する」のに対し、引用発明はその旨の特定がされていない点。
上記相違点3について検討する。
引用文献2(上記「第4 2.」を参照。)には、絶縁基板の両面にロウ材を介して導電層を接合することが記載されているものの、該導電層及び該ロウ材に貫通孔が形成された旨の記載はなく、ましてや貫通孔の配置関係は記載されていない。
また、引用文献3(上記「第4 3.」を参照。)には、貫通孔が形成されたろロウ材を使用するものの、金属板には貫通孔が形成されていないから、該ロウ材に形成された貫通孔と該金属板に形成された貫通孔の配置関係は記載されていない。
よって、引用発明に引用文献2及び3に記載された技術事項を組み合わせたとしても、相違点3の構成を得ることはできない。
したがって、本願発明1は、相違点1、2を検討するまでもなく、引用発明、引用文献2及び3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。
また、本願発明2も、相違点3の構成を備えるものであり、更に他の発明特定事項を加えたものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2及び3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。
そして、本願発明3及び4は、放熱装置の製造方法であるところ、本願発明1の相違点3に対応する「前記第二のロウ材および第三のロウ材の少なくとも一方に形成した貫通孔が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部と重なるとともに前記貫通孔の開口部の縁が前記応力緩和部材の貫通孔の開口部の縁よりも外側に位置するようにして配置する」点を発明特定事項としているものである。よって、本願発明3及び4は、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2及び3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-014154