特許拒絶査定不服審判
2016-013278
微生物由来物の抽出方法
- 審判番号
- 2016-013278
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-523043外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月06日
- 審決日
- 2017年06月26日
- 公報発行日
- 2018年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】クォンタム エナジー カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】新保 斉
- 【請求人代理人】特許業務法人朝日奈特許事務所
- 分類
- P18 .536-Z (C12N) / P18 .537-Z (C12N) / P18 .575-Z (C12N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条4項1号特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第6項、特許法第2条第3項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-523043「微生物由来物の抽出方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月18日国際公開、WO2014/200218、平成27年 8月 6日国内公表、特表2015-522291〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
この出願は、2014年6月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年6月11日(KR)大韓民国)を国際出願日とする出願であって、平成27年9月15日付けで拒絶理由が通知され、同年12月28日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年4月28日付けで拒絶査定がされ、同年9月6日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正書が提出され、同年9月7日に手続補足書が提出されたものである。
第2 平成28年9月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成28年9月6日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 本件補正
平成28年9月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲(平成27年12月28日に提出された手続補正書により補正されたものである。)の請求項1である
「微生物由来物の抽出方法において、
(a)SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石を採掘する鉱物採鉱段階、
(b)前記採掘した天然鉱石を320メッシュ以下に粉砕しパウダー状で構成する鉱物粉砕段階、
(c)パウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属や放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階、
(d)精製済みの鉱物パウダーを鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダーを燃焼する燃焼段階、
(e)燃焼済みの鉱物パウダー70重量%と、H2O25重量%及び天草からなる天然植物の根、茎、葉の抽出物5重量%を混合して鉱物混合粉末を構成し、該鉱物混合粉末を容器に入れた後、熟成庫内で-10℃~200℃以内の温度で、10~90日間熟成して発酵する発酵工程段階、
(f)熟成発酵した鉱物混合粉末を焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させて滅菌し、その後150℃~200℃の温度で乾燥させる滅菌乾燥段階、
(g)乾燥した鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁石の間を通した水である磁化水、ブドウ糖や糖類を添加した溶液を加え、該鉱物混合粉末に糖類や微生物培養のための栄養培地を添加し1時間以上培養するセラミック混合粉末培養段階、
(h)前記(g)段階によって培養した鉱物混合粉末の中から、微生物を分離して抽出し、該微生物に含まれた微生物由来物を分離して抽出する微生物由来物抽出段階、
とを含むことを特徴とする、微生物由来物の抽出方法。」を、
「微生物由来物の抽出方法において、
(a)生体に有害な重金属や放射能物質がなく、汚染されていないSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石を採掘する鉱物採鉱段階、
(b)前記採掘した天然鉱石を320メッシュ以下に粉砕しパウダー状で構成する鉱物粉砕段階、
(c)パウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属や放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階、
(d)精製済みの鉱物パウダーを鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダーを燃焼する燃焼段階、
(e)燃焼済みの鉱物パウダー70重量%と、H2O25重量%及び天草からなる天然植物の根、茎、葉の抽出物5重量%を混合して鉱物混合粉末を構成し、該鉱物混合粉末を容器に入れた後、熟成庫内で-10℃~200℃以内の温度で、10~90日間熟成して発酵する発酵工程段階、
(f)熟成発酵した鉱物混合粉末を焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させて滅菌し、その後150℃~200℃の温度で乾燥させる滅菌乾燥段階、
(g)乾燥した鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁石の間を通した水である磁化水、ブドウ糖や糖類を添加した溶液を加え、該鉱物混合粉末に糖類や微生物培養のための栄養培地を添加し1時間以上培養するセラミック混合粉末培養段階、
(h)前記(g)段階によって培養した鉱物混合粉末の中から、微生物を分離して抽出し、該微生物に含まれた微生物由来物を分離して抽出する微生物由来物抽出段階、
とを含むことを特徴とする、微生物由来物の抽出方法。」
とする補正を含むものである(注:補正部分に下線を付した。)。
2 補正の適否
(1)補正の目的の適否
上記補正は、発明を特定するために必要な事項である、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石について、「生体に有害な重金属や放射能物質がなく、汚染されていない」と限定するものであり、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(2)独立特許要件について
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。
ア 特許法第36条第4項第1号について
(ア)はじめに
本願補正発明は、「天然鉱石」を原料として、(b)~(h)の処理によって「微生物由来物」を抽出しているから、特許法第2条第3項第3号に規定される「物を生産する方法」に該当する。そして、物を生産する方法の発明における発明の「実施」とは、「その方法の使用をする行為」のほか、「その方法により生産した物の使用」等をする行為をいう(特許法第2条第3項第3号)から、特許法第36条第4項第1号の「その実施をすることができる」(実施可能要件)とは、(i)原材料、(ii)その処理工程及び(iii)生産物の三つから成る「物を生産する方法」の発明については、当業者がその方法により物を生産できなければならず、明細書の記載及び出願時の技術常識に基づき当業者がその物を生産できるように、原則として、これら三つが明細書に記載されなければならない(特許・実用新案審査基準 第II 部 第1 章 第1 節 実施可能要件 3.1.3(2))。
(イ)発明の詳細な説明の記載
a 技術分野、背景技術、発明が解決しようとする課題、発明の効果についての記載
この出願の明細書(以下「本願明細書」という。)の段落【0001】~【0039】に、以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物性ソマチッドの抽出方法及びそれを用いた多機能先端素材の製造方法に関するものである。更に詳しくは鉱物中に存在する鉱物性ソマチッドを分離して培養し、該鉱物性ソマチッドを用いて有害性と生体に副作用がなく、癌細胞の抑制、免疫増強、皮膚再生、その他の自己発熱、冷減、VOC脱臭、有害電磁波の遮蔽吸収機能を有する、鉱物性ソマチッドの抽出方法及びそれを用いた多機能先端素材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にソマチッド(Somatid)は、パスツールと同時代のべシャン(Bechamp)が発酵の原因となる極微小な生命体を発見し、それを微小生命体(tiny body)、或いは小発酵体という意味を持つマイクロザイマス(Microzyma)と命名し、発酵を起こす生命体としてこれがなければ発酵が起こらない。つまり人間が作成した純粋な素材には存在しない。また死滅せず自然界で生成及び消滅過程を担っており、生命体に存在する独立的な解剖学的要素、血液の第3構成要素として表している。
また、べシャンはマイクロザイマスが天然鉱物中にも存在すると述べたが、その特性や応用については発酵外に明らかにしていなかった。
【0003】
さらに、べシャン以来、エンダーライン(Gunther Enderlein)、バーナード(Claude Bernard)、ライヒ(Wilhelm Reich)、ライフ(Royal Reif)、リビングストン(Virginia Livingston-Wheeler)などが類似な内容の研究結果を発表し、カナダのネサン(Gaston Naessens)博士が独自で開発した倍率30,000倍以上の特殊光学顕微鏡で血液を観察し、生命体を発見したとし、それをソマチッド(somatid)と命名した。
一方、ネセン(Gaston Naessens)は数十年間一生研究を行った結果に基づいてソマチッドの特性を下記のように発表した。
1.ソマチッドはDNAの前駆体(precursor)であり、それはソマチッドが物質分子と生命体の特性を表すDNA間の繋がりであることを意味する。
【0004】
2.物質と生命の中間と評価されるウイルスは宿主がなければ存在し続くことができないが、ソマチッドは外部からの栄養供給がなくても独立的に存在することができる。生体内でも、ガラス(glass)の中でも生き続ける特性がある。
【0005】
3.ソマチッドはエネルギーの凝結体(concretization of energy)であり、これがなければ細胞分裂を誘導する細胞増殖ホルモン(trephone)が生成されないため、細胞分裂ができない。従って、ソマチッドは生命体の源となる。
【0006】
4.ソマチッドはDNAやRNAがなくても遺伝情報を有している。ウイルスはDNA粒子、或いは断片のみを有しているが、ソマチッドはDNAの生成を誘導する前駆体である。
【0007】
5.基本的に電気的特性を有しており、ソマチッドの核は陽、膜は陰に帯電されている。細胞と類似した特性を有するが、細胞より小さい0.2m以下の大きさであって、生命体の最小基本単位である。
【0008】
6.最小の生きているエネルギー凝結体(tiny living condensers of energy)であるため幹細胞よりもさらに根源的な生命単位であり、そのため幹細胞のような応用が可能である。
【0009】
7.芽細胞(subcellular)の状態であって再生が可能であり、200℃以上の炭化が生じることで高温でも死なず、強酸でも耐え、50,000remの放射線でも死なず、乾燥した状態では結晶に類似の形態になるが、ダイヤモンド、刀の種類でも切れないほど固く、適切な環境になるまで胞子と類似した形態で数百万年も耐えることができる特性がある。
このような人体に順機能を提供するソマチッドを獲得する方法として、特開2006-166738号公報(2006.06.29)に開示している。
【0010】
上記の先行特許は貝化石を粒径0.1~5μmの微粒子にする工程と、当該微粒子の貝化石1gに対し少なくとも5ccの割合で水と混合する工程と、上記の微粒子と水の混酸液を少なくとも4時間を保つ工程と、上記4時間経過した混酸液から、炭酸カルシウムを主成分とする沈殿物と上澄液を分離し、さらに上澄液を古代ソマチッド含有水にすることを特徴とする古代ソマチッドの採取方法によってソマチッドを得ている。
【0011】
しかし、従来技術の場合、ソマチッドを得るための材料が古代貝化石に限られており、獲得量も非常にわずかな状況であって、単なる研究目的には活用が可能であるかも知れないが、実生活に必要な素材に活用するには多少難しい問題点があった。
【0012】
さらに、前述したソマチッドは最近、ソウル大学のソグヮンソプ教授らが研究して多数の論文を発表したボンハンダクト、サンアルの細胞増殖との関連性はソマチッドと類似した点がある。
【0013】
上記のような先行技術によるソマチッドは、人や動植物の生体内に存在するソマチッドを用いて研究してきたところ、生体環境の特性上、多量のソマチッドを培養して抽出することが容易ではなく、ソマチッドを融複合した素材に活用することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のような問題点を解決すべく、本発明は鉱物中に存在する鉱物性ソマチッドを分離して培養し、そして培養した鉱物性ソマチッドを天然植物抽出物と融合することにより、鉱物性ソマチッドが生命活動を通して発散するエネルギー作用によって有害性及び生体に副作用がなく、癌細胞の抑制、免疫増強、皮膚再生を始とした自己発熱、冷減、VOC脱臭、有害電子波の遮蔽機能及び吸収機能を有する融複合多機能先端素材を提供する。
【0015】
また、本発明は生命活動が活発であり、治療などを含めて様々な機能が優れており、1000℃の高温で、10時間加熱しても死なずに生きて活動する量子エネルギー生命体(鉱物性ソマチッド)と多種の微生物素材よりなる天然植物抽出物を溶融複合させた融複合多機能先端素材をより簡単、便利、且つ低コストで容易に大量の生産が行われるようにすることにその目的がある。
【0016】
さらに、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いて癌、糖尿、血圧、脳卒中、エイズ、パーキンソン病、代謝性疾病、心臓疾病、臓器移植に使用する製薬、バイオ及び食品を製造することにその目的がある。
【0017】
また、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いてレーダーの遮蔽及び吸収、無機熱分散コーティング剤、国防武器、非武器関連の融複合素材、及び宇宙船、飛行機、船舶、自動車用の融複合素材を製造することにその目的がある。
【0018】
また、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いてセメント、タイル、レンガ、ペンキ、保温材、床材、建具、及びその他の建築資材、土壌改良剤、エコ肥料、農薬、ビニール保温材などの農業用資材を製造することにその目的がある。
【0019】
また、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いて水質改善、緑藻改善、廃水浄化、毒性煤煙浄化、白化現象の改善、油洗浄剤を製造することにその目的がある。
【0020】
また、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いてIT、電子、半導体、LCD、LED、3Dなどの先端素材用溶融複合素材を製造することにその目的がある。
また、本発明は分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いて繊維、衣類、化学、高分子素材を製造することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
かかる課題を解決すべく、本発明は、鉱物性ソマチッドケルビーを用いた融複合多機能先端セラミック素材の製造方法であって、(a)生体に有害な重金属や放射能物質がなく、該汚染されていない天然鉱石を土中から採掘する鉱物採鉱段階、(b)上記採掘された天然鉱石を320メッシュ~2ナノ粒子に粉砕してパウダー状で構成する鉱物粉砕段階、(c)パウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属と放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階、(d)精製済みの鉱物パウダーを鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダー燃焼段階、(e)燃焼済みの鉱物パウダーと、H2O及び天然植物抽出物を一定の割合で混合し、該混合された鉱物混合粉末を一定の時間にわたって発酵して鉱物性ソマチッドと微生物が活性化されるようにする混合及び発酵段階、(f)熟成発酵した鉱物混合粉末を滅菌して乾燥させる滅菌及び乾燥段階、(g)乾燥した鉱物混合粉末に添加溶液を加え、該溶液を添加した鉱物混合粉末に栄養培地を添加して培養するセラミック混合粉末培養段階、(h)上記(g)段階によって培養した鉱物混合粉末の中から微生物を分離して抽出し、該抽出された微生物に含まれた鉱物性ソマチッドを分離して抽出する鉱物性ソマチッド分離抽出段階、を含むことを特徴とする、鉱物性ソマチッドを含むことを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0022】
また、本発明において、上記天然鉱石はSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO3などの無機物が複合した鉱石であることを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0023】
また、本発明において、上記(d)段階の鉱物パウダー燃焼段階は50℃~300℃の温度で、2~3時間加熱して焼成する1次燃焼工程と、該1次燃焼工程が完了した後、1次燃焼した天然鉱石を300℃~850℃の温度で30分~10時間加熱し2次燃焼が行われるようにする2次燃焼工程を含むことを特徴とする、鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端セラミック素材の製造方法を提供する。
【0024】
また、本発明において、上記(e)段階の混合工程段階は320メッシュ~2ナノの大きさに粉砕した鉱物パウダー70%、H2O25%、毒性のない天然植物の根、茎、葉の抽出物5%を混合して鉱物混合粉末を構成することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0025】
また、本発明において、上記(e)段階の発酵工程段階は、上記鉱物混合粉末を容器に入れた後、熟成庫内で-10℃~200℃以内の温度で10~90日間熟成して鉱物性ソマチッドと微生物が活性化できるように発酵することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0026】
また、本発明において、上記鉱物混合粉末中の鉱物粉末は320メッシュ~2ナノの大きさになるまで粉砕し、重金属及び有害成分を取り除いた状態の粉末のみを抽出して使用することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0027】
また、本発明において、上記(f)段階の滅菌および乾燥段階は焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させて滅菌し、150℃~200℃の温度で乾燥させることを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0028】
また、本発明において、上記(g)段階は乾燥された鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁化水、ブドウ糖や糖類を加えた溶液を添加し、該溶液を添加した鉱物混合粉末に糖類や微生物培養のための栄養培地を添加して1時間以上培養することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0029】
また、本発明において、上記微生物を培養するための培養条件には、 YEM (Yeast Extract Minimal;酵母エキス最少)培地、TSB(Tryptic Soy Broth、トリプチックソイブロス)培地、M9培地、LB(Luria broth、ルリアブロス)培地などの培地を備えること、培養温度の範囲は30℃~37℃の範囲であること、培地中のYEMを構成する造成物はNa2HPO4・12H2O 3.5g、K2HPO4 1.0g、MgSO4・7H2O 0.03g、NH4Cl 0.5g、酵母抽出物(Yeast extract)4.0g、寒天(Agar)15.0g、蒸留水(Distilled water)1.0Lを含有することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【0030】
また、本発明において、上記鉱物性ソマチッド採取段階は1000℃以上の高温で10時間以上オートクレーブ滅菌後も死滅せず生きて動きながら生命活動をしてエネルギーを発散する鉱物性ソマチッドのみを採取することを特徴とする、鉱物性ソマチッドの抽出方法を提供する。
【発明の効果】
【0031】
上記のような本発明によれば、鉱物中に存在する鉱物性ソマチッドを分離して培養し、該培養した鉱物性ソマチッドをパウダーと融合することにより、有害性及び生体に副作用がなく、癌細胞抑制、免疫増強、皮膚再生を始とした自己発熱、冷減、VOC脱臭、有害電子波の遮蔽及び吸収が可能であり、且つ発酵及び熟成を促進して香味増進及び有益な成分を増量させる効果がある。
【0032】
また、本発明によれば、生命活動が活発であり、治療などを含めて多様な機能が優れた量子エネルギー生命体(鉱物性ソマチッド)と、1000℃の高温で10時間加熱しても死滅しない多種の微生物素材よりなるセラミックパウダーを融合した融複合多機能先端素材をより簡単、便利、且つ低コストで大量の生産が容易な効果がある。
【0033】
また、本発明によれば、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材と繊維、ケミカルなどの高分子素材の融合が容易であり、鉄、非鉄、セラミックを始とした産業に利用する物質と融複合素材に開発が可能な効果がある。
【0034】
また、本発明によれば、生体に有益若しくは無害な細胞や微生物は攻撃したり殺さず、高温や極限環境で生存できるように保護する作用をし、生物体に有害な病原性細菌や抗生剤に耐性が生じたスーパーバクテリアを抑制(抗菌)する効果がある。
【0035】
また、本発明によれば、高分子素材、金属素材、無機素材、有機素材などの様々な素材と結合して素材本来の特性をアップさせる触媒作用をし、且つ酸化作用を抑制し、逆に還元させる効果がある。
【0036】
また、本発明によれば、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いて癌、糖尿、血圧、脳卒中、エイズ、パーキンソン病、代謝性疾患、心臓疾患、臓器移植に使用する製薬、バイオ、及び食品を製造して人間のみならず、動物及び植物を健康に治療することができる効果がある。
【0037】
また、本発明によれば、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いてレーダーの遮蔽及び吸収、無機熱分散コーティング剤、国防武器、非武器関連の融複合素材、及び宇宙船、飛行機、船舶、自動車用の融複合素材を製造することにより、世界経済の発展及び雇用創出に大きく貢献することができる効果がある。
【0038】
また、本発明によれば、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いてIT、電子、半導体、LCD、LED、3Dなどの先端素材用溶融複合素材を製造することにより、世界経済の発展及び雇用創出に大きく貢献することができる効果がある。
【0039】
また、本発明によれば、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材を用いて繊維、衣類、化学、高分子素材を製造し生活に便利な衣類を提供する効果がある。」
b 鉱物性ソマチッドの抽出方法についての記載
段落【0041】~【0055】に、以下の記載がある。
「【0041】
以下、本発明の望ましい実施例を添付した図を参照して詳しく説明する。まず各図の構成要素に参照符号を付すにあたって、同一の構成要素については他の図面上に表示されても、できれば同符号を有していることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたっては、かかる公知構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曇らせる恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0042】
図1は、本発明の好ましい実施例による鉱物性ソマチッドの抽出方法を示すフローチャートである。
【0043】
本発明の融複合多機能先端素材は、生命活動が活発であり、治療などを含む様々な機能が優れた量子エネルギー生命体(鉱物性ソマチッド)と、1000℃の高温で10時間加熱しても死滅しない多種の微生物素材からなるセラミックパウダーを融合した融複合多機能先端素材をより簡単、便利、且つ低コストで大量の生産を容易にするために、図1に示すような工程を行った。
【0044】
天然鉱石中でSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO3などの無機物が複合しており、生体に有害な重金属や放射能物質がなく、その汚染されていない天然鉱石を土中から採掘する鉱物採鉱段階(S110)を行う。
【0045】
そして、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO3などの無機物を多量含有した天然鉱石を320メッシュ~2ナノ粒子に粉砕してパウダー状で構成する鉱物粉砕段階(S120)を行う。
また、鉱物粉砕が完了したらパウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属や放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階(S130)を行う。
さらに、精製済みの鉱物粉末を鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダー燃焼段階(S140)を行う。
【0046】
鉱物パウダー燃焼段階は、50℃~300℃の温度で、2~3時間加熱して焼成する1次燃焼工程と、その1次燃焼工程が完了した後、1次燃焼した天然鉱石を300℃~850℃の温度で30分~10時間加熱して2次燃焼する2次燃焼工程とを行う。
【0047】
その後、燃焼済みの鉱物パウダーにH2O、天然植物中の天草抽出物を一定の割合で混合した鉱物混合粉末を一定時間発酵させ鉱物性ソマチッドと微生物が活性化できるようにする混合及び発酵の工程段階を行う(S150)。
【0048】
混合及び発酵の工程段階は、320メッシュに粉砕した鉱物パウダー粉末70%、H2O25%、天草からなる天然植物の根、幹、葉の抽出物5%を混合し容器に入れた後、熟成庫内で-10℃乃至200℃以内の温度で10乃至90日間熟成し鉱物性ソマチッドと微生物が活性化できるように発酵させる。
この時、鉱物混合粉末は320メッシュ以下の大きさになるまで粉砕して重金属及び有害成分を取り除いた状態の粉末のみを抽出して使用する。
【0049】
また、熟成発酵された鉱物混合粉末を焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させ、その後乾燥機内で150℃~200℃の温度で乾燥させる、滅菌及び乾燥段階(S160)を行う。
【0050】
その後、乾燥した鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁化水、ブドウ糖や糖類が加えられた溶液を添加し、該鉱物混合粉末に(混合粉末に含まれた)糖類や微生物培養のための栄養培地を加えて1時間以上培養するセラミック混合粉末の培養段階を行う( S170)。
【0051】
一方、本発明の微生物を培養するための培養条件として、YEM(Yeast Extract Minimal、酵母エキス最少) 培地、TSB(Tryptic Soy Broth、トリプチックソイブロス)培地、M9培地、LB(Luria broth、ルリアブロス)培地などの培地を備え、30℃~37℃の温度範囲で培養を行う。
【0052】
そして、培地中のYEMを構成する組成物はNa2HPO4・12H2O 3.5g、K2HPO4 1.0g、MgSO4・7H2O 0.03g、NH4Cl 0.5g、酵母抽出物(Yeast extract)4.0g、寒天(Agar)15.0g、蒸留水(Distilled water)1.0Lを含有する。
【0053】
また、培養されたSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO3を含有するセラミック混合粉末中から、1000℃以上の高温で10時間以上オートクレーブ滅菌後も死なずに生きて動きながら生命活動をしてエネルギーを発散する鉱物性ソマチッド(量子エネルギー生命体)を含む多種の微生物を分離して抽出する微生物分離及び抽出段階(S180)を行う。
さらに、抽出した微生物に含まれた鉱物性ソマチッドを分離して抽出する段階(S190)を行う。
【0054】
かかる本発明は、前記S110段階乃至 S190段階によって抽出された鉱物性ソマチッドを用いて癌細胞抑制、免疫増強、皮膚再生、その他の自体発熱、冷減、VOC脱臭、有害電磁波の遮蔽吸収機能を有する多機能先端素材を製造することができる。
【0055】
即ち、本発明は前記鉱物性ソマチッドとH2Oを一定の量で混合して製造する多機能先端素材の製造段階を行うことによって、様々な産業分野に用いることができる先端セラミック素材に製造するものであり、該多機能先端製造段階は鉱物性ソマチッド65重量%、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO3の全てを含むセラミックパウダー15重量%及びH2O20重量%を混合して製造する。」
c 鉱物性ソマチッドの機能及び効果についての記載
段落【0056】~【0181】に、以下の記載がある。
「【0056】
一方、上述した段階によって抽出された鉱物性ソマチッドの機能及び効果を把握するために、下記のような実験を行った。
【0057】
(実験1)
鉱物性ソマチッドが夫々大腸癌細胞及び胃癌細胞などの腫瘍細胞の活性に及ぼす影響、及び活性化した免疫細胞の増殖に及ぼす影響
本発明における鉱物性ソマチッドが腫瘍細胞の活性に及ぼす影響を人の腫瘍細胞株を用いて検討すると同時に免疫細胞の活性化状態に及ぼす影響を確認するために、次のような実験を行った。
【0058】
1.癌細胞及び実験群の構成
鉱物性ソマチッドを添加した群と、対照のためのゲルマニウム添加群における細胞活性状態は次のような癌細胞株を用いて分析した。
(1)癌細胞株
-SNU1:human gastric cancer(人の胃癌細胞株)
-SNUC2A:human colon cancer(人の大腸癌細胞株)
実験物質としては鉱物性ソマチッドと石粉対照群としてのゲルマニウムゲル製剤、そして量子エネルギーに関連する鉱物性ソマチッドに陽地植物を1:1の割合で混合した試料を用いた。
【0059】
【表1】
(省略)
【0060】
2.癌細胞の培養
実験に用いる腫瘍細胞を適正な培養液(RPMI 1640、10%FBS;GIBCO Inc.、USA)に加えて37℃で、CO25%の培養条件で維持した。鉱物性ソマチッドゲル、及び石粉対照群としてゲルマニウムゲルを濃度に合わせて実験計画に従って培養した細胞プレートに分注した。この際、細胞は細胞株に応じて濃度を決め96-ウェルプレート(well plate)で培養した。3日間培養しながら24時間の間隔で癌細胞数の増加、或いは減少を細胞数の分析と共に生存率の分析を通じて確認した。生存率はCCK-8アッセイキット( assay kit(Dojindo Molecular Technologies、Inc.、USA))を用いてOD450値を測定して非処理対照群を100%で決めた後、非処理対照群との相対的比較を通じて定量化した。
【0061】
SNUC2A細胞は、3.3×104cells/ml濃度で96ウェルプレート(well plate)に100ul/wellの割合で分注した後、鉱物性ソマチッド及びゲルマニウムを各ウェル当り0.25mg/mlの濃度で処理した。
【0062】
SNU1細胞は、1×105cells/ml濃度で96ウェルプレートに100 ul/wellの割合で分注した後、鉱物性ソマチッド及びゲルマニウムを各ウェル当り1.0mg/mlの濃度で処理した。
本実験においては鉱物性ソマチッドとゲルマニウム試料以外にも鉱物性ソマチッドに陽地植物を1:1の割合で混合した試料を実験に用いた。
【0063】
3.正常免疫細胞の培養及び活性化
正常免疫細胞として、約20週齢のBALB/c mouse(中央実験動物、大韓民国)から脾臓細胞を抽出してRPMI 1640培地で、37℃、CO25%の培養条件で最大培養した。
【0064】
脾臓細胞は2×106cells/ml濃度で細胞活性誘導物質としてマトジェン(mitogen)であるコンカナバリンA(Concanavalin A(ConA;Sigma Chemical Co.、USA))を2.5ug/ml濃度で処理し、3日間培養した。細胞数は24時間の間隔で測定し、生存率は癌細胞の場合と同様にCCK-8アッセイキットを用いて吸光度を測定し非処理対照群を100%で決めた後、非処理対照群との相対的比較を通じて表した。
【0065】
各実験において、全ての実験は計3回(トリプリケート;triplicate)で行って平均値及び標準偏差を求めており、必要に応じて数回繰り返し実験を行った。
前述した実験条件に従って研究した結果、下記のような研究結果が得られた。
【0066】
1.腫瘍細胞及び活性化した免疫細胞に及ぼす影響
(1) 腫瘍細胞の生長分析
-大腸癌細胞SNUC2Aの場合、腫瘍細胞の培養後、3日間、24時間の間隔で生存率を測定した結果、48時間、72時間目で、ゲルマニウム処理群に比べて鉱物性ソマチッド処理群において生存率が有意性を持って低下していることが観察された(図2)。
【0067】
-胃癌細胞SNU1の場合、各実験群において3日間、24時間の間隔で生存率を測定したが、24時間、48時間でゲルマニウム処理群に比して鉱物性ソマチッド処理群において生存率が有意性を持って低下したことが観察された(図3)。
【0068】
2.活性化した免疫細胞の増殖に及ぼす影響
析出して分離した脾臓細胞に鉱物性ソマチッドなどの試料を0.25mg/ml濃度で処理し、72時間培養後、生存している細胞数を測定した結果、鉱物性ソマチッド処理群はゲルマニウム処理群に比して細胞数が有意性を持って減少した(図4)。
【0069】
3.結論
癌細胞において非処理群とゲルマニウム処理群を比較した際、鉱物性ソマチッド処理群において有意性を持って腫瘍細胞の成長を阻害した。これは鉱物性ソマチッドが癌細胞の活性、増殖を抑制する効果を有していることが考えられる。本実験の条件でこのような効果はゲルマニウムによって現れなかった。
【0070】
上記のような抗腫瘍細胞の増殖に対する鉱物性ソマチッドの効果は、大腸癌と胃癌何れも観察されたが、その効果を発現させる作用時間に差が見られており、大腸癌については処置後2~3日目、胃癌細胞については処置後1~2日目に有意性を持って現れた。
【0071】
(実験2)
図5は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの創傷治癒効果実験による治癒経過の状態を示す図である。図6は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの真皮損傷における傷口の治癒経過を表すグラフである。
【0072】
また、図7は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの皮膚損傷実験による治癒経過の状態を示す図である。図8は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの皮膚損傷の際、創傷治癒能力を表すグラフである。図9は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの体重比較分析を表すグラフである。
【0073】
図示したように、本発明の鉱物性ソマチッドが創傷による皮膚損傷において皮膚再生に及ぼす影響を調べるために、マウスを用いた動物モデルから創傷の治癒効果を比較し、分析した。
【0074】
1.実験動物
6週齢BALB/c mouseを購入して1週間順化させた後、本実験に用いた。実験において比較検討した群は下記の通りである(表2)。ここで使用した創傷治癒における陽性試料としては同一な目的で現在、広く市販されている一般的な商用軟膏剤(マデカソル;東国製薬、大韓民国)を使用し、石粉対照群としてゲルマニウムゲルを処理した。
【0075】
実験に陽性試料として用いた市販製品であるマデカソルは、すでに当国の許認可を得て商用化されている物質として、抗生剤が含まれて炎症を減らしてくれるものでも知られている。主な機能は主成分であるセンテラアジアチカ定量抽出物が新しい結滞組織が生成される過程に作用して良質の肉芽組織(肉芽)が生成するように助ける、且つ膠原纖維が形成される過程を正常に誘導することによって出来るだけ傷跡が残らないように助けることが知られている。
【0076】
【表2】
(省略)
【0077】
2.創傷誘導及び試料塗布方法
マウスたちが実験のために誘導された傷口を互いに捕食して実験結果に影響を及ぼすことを防ぐために、1ケージ当り1匹ずつ隔離して収容した。創傷誘導のための前処理として創傷を誘導しようとする部位を電気剃刀で除毛した後、除毛剤を塗布して毛を完全に除去した。
【0078】
真皮損傷実験ではマウスをエーテルで麻酔させた後、パンチ(punch)を利用して上皮層及び真皮層を除去し、根皮膜まで欠損された創傷を誘導した。一方、皮膚の損傷実験ではマウスをエーテルで麻酔させた後、紙やすりを利用して上皮層を除去することによって皮膚擦過傷を誘導した。傷口が十分に覆われる程度で鉱物性ソマチッド及びゲルマニウムゲール製剤を処理し、商用製品は製造メーカーの用法に合わせて使用した。
【0079】
創傷治癒効果の比較は、創傷誘導後7日目、14日目にリン酸緩衝生理食塩水(PBS;phosphate buffered saline)で傷跡を処置し、キムワイプ(Kim wipes)でゲール製剤を除去した後、副尺付きノギス(バーニヤキャリパス)で傷跡の面積を測定した。このような過程は個体群間の変数をなくすために非処理群と商用製品処理群にも同様に行われた。
【0080】
皮膚損傷においては写真を通して個体別に6日目の創傷程度と、1日目の創傷程度を比較して創傷の治癒経過をスコアリングすることによって定量化した。創傷治癒のスコアリング項目は下記の通りである。
1.発赤がなくなる程度
2.痂皮(crust)の程度
3.痂皮 の面積の減り方程度で決めた。
【0081】
治癒程度に応じて各項目当り点数はその程度に応じて1~5点にしており、非処理群の特定個体の点数を3点とし、これを基準に、各群の個体との比較を通じてスコアリングした後、各項目の点数を合計して各群の個体別点数を出した。試料処理によって実験動物の個体が受けるストレスによる影響を見るために実験動物個体の体重変化も測定した。
【0082】
前述した実験条件に従って研究を行った結果、下記のような研究結果が得られた。
1.真皮損傷実験
パンチ(Punch)を利用した真皮損傷実験を行い、真皮損傷誘発直後(0日目)と実験終了日(14日目)の創傷部位の様子は、図3に示す通りである。
【0083】
図5(a)は真皮損傷誘発直後(0日目)を示す図である。図5(b)は真皮損傷実験終了直後の非処理群(14日目)を示す図である。図5(c)は本発明の鉱物性ソマチッド処理群の真皮損傷実験終了直後(14日目)を示す図である。図5(d)は真皮損傷実験終了直後のゲルマニウム処理群(14日目)を示す図である。図5(e)は真皮損傷実験終了直後のマデカソル処理群(14日目)を示す図である。
【0084】
真皮損傷実験の場合、個体群間の差が大きいため群の間に有意な差が表れなかったが、非処理群の創傷治癒速度が最も速く、その次にゲルマニウム、鉱物性ソマチッド、マデカソル処理群の順で傷口が治癒される傾向を表した。下記の式1に示すように創傷残存率(Xd)は最初の傷口面積(S0)に対する処理後の傷口面積(Sd)をパーセンテージで表す(図6)。
Xd値が大きくなるほど創傷治癒が遅延されたことを意味する。
【0085】
【数1】
(省略)
【0086】
2-1.皮膚損傷実験
図7に示したように、皮膚損傷実験は紙やすりを使用して上皮損傷を起こした後、試料を処理したものであって、図7の(a)は非処理群の処置直後を示す図であり、図7の(b)は本発明の鉱物性ソマチッド処理群の処置直後を示す図であり、図7の(c)はマデカソル処理群の処置直後を示す図である。
【0087】
特に、皮膚損傷の場合、図8に示したように、傷跡治癒速度は何も処理しなかった非処理群が最も速く、その次にマデカソル、鉱物性ソマチッド、ゲルマニウムの順であった。各処理群間の平均値においては非処理群とゲルマニウム処理群との比較のみで有意な差が見られた。
【0088】
2-2.体重比較分析
体重比較分析は、図9に示したように創傷誘発直後(0日目)の体重と実験最終日(7日目)の体重を測って体重変化を各実験群別に比較した。鉱物性ソマチッド処理群の体重増加はマデカソル或いはゲルマニウム処理群との差に有意性があった。また、マデカソル処理群は非処理群との差に有意性があった。
【0089】
3.結論
正常な創傷治癒過程には最初に血小板凝固が起こり、その後創傷治癒に必要なサイトカインを放出する炎症期(inflammation)、繊維芽細胞が創傷部位に移動して新しい細胞外基質(extracellular matrix)を合成する肉芽期(granulation)、上皮が厚くなって基底細胞が大きくなる上皮化期(epithelialization)、膠原纖維が現れ創傷の内部構造を作成する線維増殖期(fibroplasia)、最後に創傷が収縮する収縮期(contraction)などを含む複雑な過程がある。
【0090】
真皮層の損傷においては非処理群(自然治癒群)が最も効果の良いものとして表れたが、ゲルマニウム、本発明の鉱物性ソマチッド、マデカソルの順で効果があった。
【0091】
マデカソルはその主成分の機能上、真皮層の創傷治癒効果は期待し難い。従って、本実験結果の意義は、鉱物性ソマチッドはゲルマニウムとは異なって真皮層の損傷回復においてマデカソルに類似した程度の影響を及ぼすという点である。このような傾向は上皮細胞実験でも同様に見られた。
【0092】
その他の実験である擦過傷による表皮層の創傷実験では対照群として加えたゲルマニウム処理群のみ他の群に比して有意的に低いことで表れており、本発明の鉱物性ソマチッド処理群は非処理群(自然治療群)、マデカソル処理群と有意な差が見られず、本発明の鉱物性ソマチッドが自然治癒及びマデカソルと類似の程度の効果を有することを知ることができる。
【0093】
また、鉱物性ソマチッドはゲル製剤として、写真撮影のためにゲル除去過程を経る間、PBSによって形成されるため傷口を覆っている瘡蓋が軟らかくなり、経度が弱くなった点を鑑みれば、マデカソルと類似の程度の皮膚損傷に対する治癒効果を現すことが考えられる。但し、非処理群が商用製品処理群に比しても早い回復力が得られたのは予想外の実験結果であって、これが動物細胞や動物種の差によるものなのかは不明である。
【0094】
一方、炎症反応に対するストレスレベルを調べるために体重の変化を測定した結果、鉱物性ソマチッド処理群の体重増加が他のマデカソル又はゲルマニウム処理群において表れた体重減少とは有意な差が見られており、非処理対照群に比して高い体重増加が見られたが、その差に有意性はなかった。このような非処理群と類似の体重増加傾向から見れば、抗生物質の処置などで見られる動物や人の体重減少などのような否定的な効果は、鉱物性ソマチッドにおいて観察されず、一般的な体重増加効能の可能性が示唆された。
【0095】
上記の結果をまとめて見れば、鉱物性ソマチッドは創傷治癒速度もやはり商用製品に比して同一であるか、効果的であることが明らかになった。鉱物性ソマチッドは真皮層損傷においてはマデカソルに比してより効果があるものであって、表皮層の損傷ではマデカソルと類似の効果があり、個体の体重変化ではゲルマニウムやマデカソル処置群とは違って、非処理群に類似の体重増加が見られた点を考慮すれば、副作用なしで商用製品と類似の程度の創傷治癒効果を有することが考えられる。
【0096】
(実験3)
図10は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの関節炎治癒のための試料処理状態を示す図である。図11は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの関節炎に対する重症度の経過を示す図である。図12は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドを介して関節炎の緩和度を示す表である。
また、図13及び図14は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドの炎症性サイトカインに関する測定結果を示すグラフ及び表である。
【0097】
図示したように、鉱物性ソマチッドが関節炎の治癒に及ぼす影響を調べるためにマウスを用いた動物モデルから関節炎の治癒効果を比較して分析しており、これに対するより確実な分析のために炎症性サイトカインであるTNF-αの血中濃度及び一酸化窒素(Nitric Oxide)も測定した。
【0098】
1.実験動物
6週齢DBA/1J mouse(中央実験動物、大韓民国)を購入して1週間順化させた後、本実験に用いた。実験で比較検討した群は表3のように設定して実験を行った。関節炎治癒における陽性試料としては同一の目的で現在広く市販されている商用パッチ剤(トラスト;SKケミカル、大韓民国)を使用しており、石粉対照群としてはゲルマニウムゲルを処理した。
【0099】
実験に陽性試料として用いた市販製品であるケトトップパッチ剤は主成分がピロキシカム(Piroxicam)であり、消炎、鎮痛、解熱機能をすることが知られている。
【0100】
ピロキシカムの詳細な機作としては、炎症と痛みを誘発するプロスタグランジン(prostaglandin)合成を阻害し、視床下部の体温調節中枢に作用して解熱作用をし、痛み受容体の感受性を低下させて陣痛機能を有することが明らかになっており、また好中球の活性抑制機転を介して抗炎活性を有することが考えられる。
【0101】
【表3】
(省略)
【0102】
2.関節炎の誘導及び試料塗布方法
実験動物に関節炎を誘導するために、第2型コラーゲン(Type collagen、Chondrex Inc.、USA)を0.05M酢酸(acetic acid)に2 mg/mlになるように溶かし、完全フロイントアジュバント(complete Freund´s adjuvant、CFA;Sigma Chemical Co.、USA)を準備して第2型コラーゲン溶液とCFAを1:1の割合(v/v)で冷たく保ちながら相互混合して乳化し、100ugの混合液を尻尾に注射した。その後、最初接種2週間後ブスティング(boosting)を行うために2次接種として第2型コラーゲンと不完全フロイントアジュバント(incomplete Freund´s adjuvant、IFA;Sigma Chemical Co.、USA)を1:1の割合(v/v)で混合して各個体当り100 ugずつ尻尾に注射した。
【0103】
関節炎は最初の第2型コラーゲンとCFA混合液を注射した後4週間から6週間の間で現れ、7週目で関節が十分に覆われる程度で鉱物性ソマチッド及びゲルマニウムゲル製剤を1日1回処理し、商用製品は製造メーカーの用法に合わせて使用した。
【0104】
3.関節炎の重症度(severity)評価
関節炎の発現程度は3週までは週1回、その後は週2回観察し、肉眼で評価した。浮腫の程度は試料塗布10日、20日、30日にマウスを補正した後、写真撮影をして評価した。
【0105】
客観的な測定のために四足の関節炎の重症度点数は0点から3点まで評価して、個体当り12点を最高点数とし、個体別に0日目の関節炎の症状と30日目の症状の程度をブラインド スコアリング(blind scoring)で定量化した後、各群の総個体数の中で症状が緩和した個体数で表して比較した。
【0106】
(絵1)
(省略)
a.score 0:正常の前足/後足、発赤や浮腫の観察がない。
b.score 1:発赤と浮腫が部分的に観察される。
c.score 2:発赤と浮腫がかなり観察されるが、筋肉強直(ankylosis)は観察されない。
d.score 3:発赤と浮腫が酷く、筋肉強直(ankylosis)が観察される。
【0107】
4.TNF-α(腫瘍壊死因子―アルファ;tumor necrosis factor-a)濃度測定
処置した後、最終日(30日目)に、マウスの心臓から血液を採取して血清を分離し、その後分離した血清から単クローン性抗体を用いたTNF-α ELISA キット(eBioscience Inc.、USA)を使用して炎症関連サイトカインであるTNF-αの濃度を製造メーカーの資料に従って測定した。
【0108】
5.一酸化炭素(Nitric Oxide、NO)測定
脾臓細胞を抽出して96ウェルプレートにウェル当り5×103cellsずつ分注し、RPMI 1640(10%FBS、1% antibiotics;GIBCO Inc.、USA)にて37℃、CO25%の培養条件で24時間安定化させた後、第2型コラーゲンを0ul/ml、200ul/ml濃度で処理した。その後、48時間後上澄液を回収して総一酸化窒素定量キット(R&D systems、USA)を利用して製造メーカーの指示に従って測定した。
前述した実験条件に従って、下記のような研究結果が得られた。
【0109】
1.関節炎の重症度経過
第2型コラーゲンで関節炎を誘導した後、図10に示すように試料を処理した結果、図11に示すような研究結果が得られた。
【0110】
図11は各実験群の処置後10日経過、20日経過、30日後の後足の浮腫程度を示すものであって、重症度を実験開始日(0日目)と実験最終日(30日目)にスコアリングで定量化して関節炎の緩和程度を調べた結果は、図12と同様な結果が出た。
【0111】
2.TNF-α発現
図11に示すように処置最終日(30日目)の実験動物個体内のTNF-α発現量を各実験群別に比較した。誘導後、非処理群に比して鉱物性ソマチッド、ゲルマニウム、トラスト処理群において血液中のTNF-α量が減少したが、鉱物性ソマチッド群、ゲルマニウム群、トラスト群の夫々の間に有意な差は現れず、3群いずれも炎症誘発を誘導しなかった対照群と類似の程度を示した。
【0112】
3.一酸化窒素(Nitric Oxide、NO)濃度
図12に示すように処置最終日(30日目)に各実験群の脾臓細胞から分泌される一酸化窒素(NO)の濃度を測定し、比較した。関節炎の誘導後、何も処理しなかった群に比して鉱物性ソマチッド、ゲルマニウム、トラスト処理群においてNO濃度が低く、鉱物性ソマチッド群のNO濃度が商用製品であるトラスト処理群に類似して見出された。しかし、鉱物性ソマチッド処理群と石粉対照群であるゲルマニウム処理群との比較でも有意な差は現れなかった。
【0113】
4.結果
関節リウマチの病原は、まだ明確に明らかになっていないが、関節リウマチに関わるリンパ球、大食細胞などから分泌される多様な炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β)と抗炎症性サイトカイン(TGF-β)の不均衡が、関節リウマチにおいて重要な免疫反応の特徴である。関節リウマチのもう一つの原因物質である一酸化窒素(NO)は自己免疫疾患である全身性エリテマトーデスと関節リウマチにおけるT細胞の機能障害を誘発するものとして知られている。
【0114】
第2型コラーゲンは、動物において関節リウマチと非常に類似した形態の関節炎を起こす恐れがあることが知られており、これを利用したコラーゲン誘導性関節炎(collagen induced arthritis、CIA)モデルがその例である。本研究においてもCIAモデルを利用して鉱物性ソマチッド処理によって起こる関節炎の臨床的経過とTNF-α、NOなどの炎症性媒介物質の変化を観察した。
【0115】
関節炎の臨床的経過を肉眼的に総体的な変化及び関節浮腫の程度で測定した後、各群別に比較した。対照群である関節炎誘導後の非処理群は時間が経つにも関わらず関節炎の症状が緩和されず、むしろ症状の程度は弱いが悪化する様相を示した。これに比して関節炎や筋肉痛の緩和を目的で市場に広く使用されている商用製品であるトラストが予想した通り浮腫を伴う関節炎の症状緩和に最も効果的であることが見出された。また鉱物性ソマチッド処理群は症状が改善されなかった非処理群に比して5匹中の2匹が症状が緩和される、約40%の症状緩和率を得た。
【0116】
次に、関節リウマチの炎症媒介物質であるTNF-α及び一酸化窒素(NO)の変化を観察した。各群におけるTNF-α及び一酸化窒素(NO)の様相は相関して示されたが、これは炎症性サイトカインであるTNF-α及びIL-1βが一酸化窒素(NO)の過剰な生成に強力な刺激因子であることを考慮すれば、当然の結果であると思われる。炎症媒介物質実験ではマウスの脾臓細胞数の不足によって炎症媒介物質の数値が全体的に減少した。それにより有意な差は見られなかったが、群の間に微弱な差は表れた。
【0117】
鉱物性ソマチッド処理群は何も処理しなかった群に比して炎症性指標物質やサイトカインが低く現れ商用製品と類似の程度の炎症緩和傾向が示されたことは特異的な結果であると言えるが、石粉対照群であるゲルマニウムとの比較においては有意な差が示されなかった。
【0118】
前述した結果をまとめて見れば、関節炎に及ぼす鉱物性ソマチッドの影響は肉眼的に商用製品のように明らかにされていないが、何も処理しなかったものより症状が緩和する傾向が見られており、炎症媒介物質などの詳細な機作から見た場合、その効果は微々たるが、商用製品と類似な程度の炎症緩和を示した。
【0119】
これはトラストの主要な機能が関節リウマチの完治ではなく症状或いは痛み緩和、即ち炎症反応とそれに伴う浮腫を緩和させる対症療法的な効能も加えたことを考慮すれば、鉱物性ソマチッドは浮腫を減少させる効能は有しないが、関節における炎症反応自体については一定な程度で阻害する効能を有していることが考えられる。
【0120】
(実験4)
図15は本発明の望ましい実施例による鉱物性ソマチッドが成長促進に及ぼす影響を示した表、及び各給餌群個体の消化器官を比較した図である。
図示のように、鉱物性ソマチッドの生理的効果を調べるためにマウスを用いた動物モデルでの鉱物性ソマチッドによる体重増加の効果を比較して分析し、より正確な影響を判断するために実験終了と共に消化管変化の観察も同時に行った。
【0121】
1.実験動物及び飼料給餌方法
体重増加において非特異的な干渉効果を防ぐために、9週後に高週齢の卵白アルブミン(OVA)特異的TCRトランスジェニックマウス(Ovalbumin TCR-Transgenic mouse;中央実験動物、大韓民国)を1週間動物実験室の環境に順化させた後、本実験に用いた。実験で比較検討した群は、表4のように設定した。対照群の飼料はマウス用の一般飼料を給餌し、実験群には鉱物性ソマチッド丸と一般飼料を1:3の割合(w/w)で混合して作製した飼料を給餌した群、及び鉱物性ソマチッド丸のみ給餌した群とした。飲水には対照群が水道水を、鉱物性ソマチッドが飼料として給餌された2群の実験群は鉱物性ソマチッド3g(1teaspoon)を100mlの水に入れて沸かした後、再度該上澄液と水を1:1の割合(v/v)で混合して作製した水(陽水)を与えた。さらに鉱物性ソマチッドを含む2群には追加して鉱物性ソマチッド敷物を敷いてあげた。
【0122】
【表4】
(省略)
給餌結果は0日目、1週間、2週間、3週間後の体重を測定して表し、実験最終日である3週目にマウスを解剖して消化器官を相互比較した。
前述した実験条件に従って研究を行った結果、次のような研究結果が得られた。
【0123】
図15に示すように、給餌実験開始直前(0日目)の体重と実験最終日(21日目)の各実験動物個体の体重を測り、総個体数中、体重が増加した個体数で表した。一般飼料給餌群では合計7匹中3匹のみ体重が増加していたことに対し、鉱物性ソマチッド添加飼料給餌群では5匹の体重が増加した。鉱物性ソマチッド丸のみ給餌した実験群は実験開始後3日目から同種同士で捕食し合う(カニバリズム、cannibalism)が現れ始め、12日間にわたって群に属する全てのマウスが死んでしまった。
【0124】
また、実験最終日(21日目)にマウスを解剖して、一般飼料給餌群と鉱物性ソマチッド添加飼料給餌群の消化器官を比較した結果、糞便の色を除いて特異的な消化管の変性のような所見は観察されなかった。
【0125】
上記のような研究結果によって、本発明の鉱物性ソマチッド丸のみ提供した群では3日目から同種同士で捕食し合うカニバリズム(cannibalism)が起こったことから見れば、鉱物性ソマチッド丸だけでは十分な栄養が足りないことを知ることができた。しかしながら、一般飼料に鉱物性ソマチッド丸を添加した飼料提供群は一般飼料を摂取した群に比して体重が有意的に増加した。
【0126】
現在、これに対する作用機転は不明であるが、鉱物性ソマチッドが一般飼料と一緒に生体内に入り飼料に含まれた栄養素を体内の吸収を助ける役割をする可能性が考えられる。さらに、鉱物性ソマチッドと一般飼料を同時に投与した群において消化管に対する肉眼的所見に全く異常が観察されなかったため、鉱物性ソマチッドの摂取による特異的な毒性の可否はないと判断される。
【0127】
即ち、これを纏めて見れば、本発明における鉱物性ソマチッドの処理は周囲とのバランスを失って増殖する腫瘍細胞の増殖を抑制すること、人為的に活性化させ過度な細胞分裂を誘導した状態の免疫細胞の増殖を抑制することが示された。従って、免疫反応に対して調整する作用があると考えられ、さらに体重増加を促進する効果が見られたことは鉱物性ソマチッド処理が生命体の均衡状態、即ち健康な状態を維持させる方向に作用すると考えられる興味深い結果を示した。
【0128】
従って、鉱物性ソマチッド処理が創傷治癒及び関節炎治癒において薬物と同レベルの効果を得ることはできなかったが、一定程度の炎症反応の抑制効果を現したことから、鉱物性ソマチッドの長期的な適用によるポジティブな効果は充分に予想することができた。特に、複数の実験結果は鉱物性ソマチッドによる効果が生体の恒常性維持に関わり、結果的にそれなりの治癒効果を現すことが推定される。かかる特性は、鉱物性ソマチッドが薬物とは異なって、日常生活の中で補助剤の一種として長期投与、若しくは適用することが必要であることが示唆され、さらに鉱物性ソマチッドの生体内摂取による特異的な消化障害や細胞毒性は観察されていないことも明記すべきである。
【0129】
従って、本実験に基づいた結果、鉱物性ソマチッドの処置は生命体における恒常性維持の活性を示すことと判断され、損傷されたり、バランスを失った状態の生体から正常な状態を復帰して生命体の健康性を維持するのに作用すると判断される。
【0130】
(実験5)
実験5には生体恒常性維持活性の機転研究であって、アレルギー(allergy)反応に対するマウス実験モデルを適用した。そのためにアレルギー誘発マウスから鉱物性ソマチッドがアレルギーの抑制に及ぼす効果を分析し、同時に細胞から分泌されるサイトカイン(cytokine)と免疫抑制効果を担っている制御性T細胞(Treg細胞)の変化を検討した。
【0131】
1.研究方法
1-1.動物
(Vα3/Vβ15)を有する8乃至10週齢の雄、或は雌のマウスを米国ジャクソン研究室(Main,USA)から 輸入して実験を実施した。鉱物性ソマチッドが含有された布と一般布は(株)クォンタムエネルギーから提供して貰った。本実験では鉱物性ソマチッドが含有された布や一般布でマウスに服の形で着せて実験を行うつもりであったが、服の形として布を維持することが不可能であったため、飼育ケージに布を敷き置く方法に代替した。
【0132】
2. 研究結果
2-1.血清中の抗原特異的抗体の測定結果
図16に示すように、OVAを経口投与した後、i、pで再感作させたマウス血清中の総IgEとOVA特異的なIgG(OVA-specific IgG)発現、(a)総IgE値、(b) OVA特異的なIgG(OVA-specific IgG)、正常群(アレルギー非誘導群)、対照群(アレルギー誘導群)を対比した結果、オボアルブミン(Ovalbumin;OVA)を処理した全ての群において血清中のOVA特異的なIgG水準が正常群(control)に有意な差が見られており、大きく増加した。
【0133】
しかし、鉱物性ソマチッドが含有された布処理群、一般生地処理群、及び非処理群の間に有意な差は見られなかった。クォンタム生地処理群は他の正常群と対照群に比して総IgE値が高く、特に一般生地処理群に有意な差が見られた。
【0134】
OVAを処理した全ての群において血清中のOVA特異的なIgG水準が正常群に有意な差が見られており、大きく増加した。しかし、実験群及び対照群との間に有意な差は見られなかった。
【0135】
また、図17に示すように、総IgEの場合、OVAを処理した全ての群において正常群よりも高く、特にクォンタム生地処理群と非処理群において有意な差を示した。また、クォンタム生地処理群は一般生地処理群よりも有意的に高いIgE水準を示した。
【0136】
(実験6)
鉱物性ソマチッドの多薬剤耐性菌(スーパーバクテリア)に対する抗菌効果実験
【0137】
2.実験方法
1)対象細菌
ア.細菌種
○黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) N315株(4種の抗生剤に対する耐性保有):クリンダマイシン(Clindamycin)、エリスロマイシン(Erythromycin)、オキサシリン(Oxacillin)、ペニシリン(Penicillin)
イ.接種量
○初期接種濃度:4.53×105 CFU/ml
【0138】
2)本研究で用いた鉱物性ソマチッド
ア.種類
【0139】
【表5】
(省略)
【0140】
イ.実験培地及び処理容量
○ミューラーヒントンブロス(Muller-Hinton broth、MHB) 4 ml
○MHB液体培地4ml当り1小さじ(~0.1 grams)
【0141】
3)菌数測定の方法
○接種に用いる菌株を-80℃ ストックから5%羊血寒天にストリーキング(streaking)した後、37℃で20時間静置培養を実施
○一つのコロニーを選択して再度5%羊血寒天にストリーキングした後、37℃で20時間静置培養を実施
○上から一つのコロニーを選択してMHB3mlに接種した後、37℃で20時間振とう培養を実施
○翌日培養液を1:100の割合でMHBに希釈した後、40ulを取り、それを4mlのMHBに接種
○実験群には、石粉A或いはBを1小さじ加えた後、37℃で振とう培養を開始
○培養後、0、6、24時間のサンプルを100ulずつ取って10倍段階希釈する。
【0142】
○希釈液をミューラーヒントンブロス(Muller-Hinton Agar)上に100ul滴下してしみこませた後、37℃で20時間静置培養する。その後発生したコロニー数を計数して菌量を測定する。
【0143】
4)実験群の設定
【表6】
(省略)
【0144】
1.実験結果
【表7】
(省略)
【0145】
4.結論
図16に示すように、鉱物性ソマチッドA、Bいずれも多薬剤耐性菌であるStaphylococcus aureus N315の成長抑制効果を有した。
【0146】
(実験7)
鉱物性ソマチッドの酸化防止効能実験
1.実験条件
A( 図19の左側):一般水道水
B( 図19の中):セラミックボール5個(9gm)
C( 図19の右側):セラミック粉末1gm
ボトルは100ml容量、80mlの水を入れる。
ボトル+水の重さ
【0147】
2.実験結果
鉱物性ソマチッドの酸化防止効果実験は図20及び図21に示すように、
A:一般的に錆付くように赤い錆びが釘の表面に発生し、錆びの大きさが相対的に大きくて荒かった。錆び粒子が大きいため底に落下する。釘の周囲には錆びと錆びがクモの巣のようなもので繋がっているように見えるため軽く触れると、糸でくっ付いているように動く。
B:相対的に錆付く速度が遅く、錆の大きさも小さく、且つ繋がっているようなものは殆ど見えなかった。底面に赤い錆びが堆積した。釘の表面は黒色。
C:最も錆付きが遅く、錆びの量も少なく、且つ錆の粒子も最も小さい。表面に浮遊しているような錆びも見えなかった。
【0148】
(実験8)
重症疾患者を対象に本発明の鉱物性ソマチッドを含む纎維で製作した寝具及び衣類による免疫活性増加を確認するために臨床実験を行った。
【0149】
1.選定基準
(1)本臨床実験の参加に自発的に同意し、被験者情報利用同意書に署名した被験者(入院含む)
(2)満20歳以上である男性被験者及び女性被験者
(3)余命が6ヵ月以上である被験者
(4)重症疾患で入院中の被験者
【0150】
2.統計分析方法
(1)一次有効性評価
臨床実験用物質の処置を受けた後、基底時点(Visit 1)に対比して16週( Visit 1 )のCD4、CD25及びFoxP3(性因子)の変化が統計的に有意であるか検定するために、ペアT検定(Paired T-Test)又は符号付き順位検定(Wilcoxon Signed Rank Test)を両側の有意水準5%で行った。
【0151】
(2)安全性
被験者に報告された異常反応は副作用を経験した被験者数及び百分率を記述しており、異常反応の重大性(Seriousness)、臨床実験用物質との関連性、矯正治療及びその結果について被験者数及び百分率をまとめた。
【0152】
実験室検査及び生命徴候の結果は連続型データの場合、平均、標準偏差及び最小値、及び最大値で表しており、臨床実験用物質の処置前と処置後の差はペアT検定(Paired T-Test)或いは符号付き順位検定(Wilcoxon Signed Rank Test)で行った。
【0153】
3.結論
鉱物性ソマチッドの寝具類及び衣類を介した重症患者を対象に、免疫細胞(CD4、CD25、FoxP3)の改善に対する確認を当該臨床実験で確認することができた。
4ヵ月間の間、免疫細胞の代表的な種類であるCD4、CD25、FoxP3いずれも実験前と比較して、統計的に有意に増加する傾向を示した。
【0154】
(実験9)
本発明における鉱物性ソマチッドのVOC脱臭、アンモニア脱臭実験を行った。
1.VOC脱臭実験
(1)実験方法
1.依頼者が提示した試料20gを容積5Lの反応器に入れて密封する。
2.実験ガスの初期濃度を50μmol/molで注入する。さらに、実験ガスの濃度を初期(0分)、30分、60分、90分、120分で測定し、それをサンプル濃度とする。
3.実験ガスの濃度はKS I 2218:2009によって測定する。
4.実験中の温度は23℃±5℃、相対湿度は50%±10%を保つ。
5.その他、試料のない状態で上記の2~4に従って実験を行い、それをブランク濃度とする。
6.各時間帯別実験ガスの除去率は次の式によって計算する。
実験ガスの除去率(%)= [{(ブランク濃度)-(サンプル濃度)}/(ブランク濃度)]×100
【0155】
2.実験結果
図22及び図23に示すように、本発明における鉱物性ソマチッドを用いたVOC脱臭実験は最小30分が過ぎた後、87.8%の脱臭率を示しており、120分を経過すると、89.6%の脱臭率を示すことを知ることができる。
また、図22に示すようにアンモニア脱臭実験は、初期濃度100ppmで0.5時間が過ぎた後、1ppm未満に大きな変化が発生したことが確認された。
従って、本発明の鉱物性ソマチッドはVOC脱臭及びアンモニア脱臭に大きな効果を有することを知ることができる。
【0156】
(実験10)
実験10は、炭素、松脂、黄土を配合して平らに作製した電磁波吸収体に対するタイムドメイン反射率測定(Time Domain Reflectivity Test)の方法によって簡易施設を利用し電磁波吸収能力を検証し、電磁波遮蔽率に対するIEEE Std 299 & MIL-STD-188-125の方法によって遮蔽測定施設を利用し電子派遮蔽能力を検証した。
【0157】
上記実験10において電磁波吸収能力は、図25及び図26に示すように、本発明の鉱物性ソマチッドが60%、炭30%、及び松脂10%からなるパネルを利用しており、それによる実験結果、図27乃至図29に示したグラフのような電磁波吸収率を示している。
【0158】
また、図30に示すように、電磁波遮蔽率は鉱物性ソマチッドが60%、炭素35%、及び松脂5%からなるパネルを利用しており、それによる実験結果、図25及び図26に示したグラフのような電磁波遮蔽率を示している。
【0159】
(実験11)
実験11は本発明の鉱物性ソマチッドをEL610除雪剤の実験方法に従って検討した。また-12℃と-5℃で氷を溶かせるかを確認し鉱物性ソマチッドの発熱性能を調べた。
【0160】
[実験手順]
ア.オイルやグリースを除去するためにエタノールのような有機溶剤で実験用皿を洗浄した後、完全に乾燥させる。
イ.蒸留水、或いは脱イオン水130mLを皿に注ぎ、回したり振ったりして水が表面全体に分散されるようにする。
ウ.皿を温度調節型恒温器(5.1.3参照)の水平面上に置く。
エ.水が完全に凍結した際、厚さ12.7mmのアルミニウム円形(直径約21.6mm)の平板で表面氷を溶融させ、平らにする。
オ.再び皿を低温恒温器に入れて表面の水を再凍結させ、規定された作業中の温度に対して平衡になるようにする。
[実験試料分離、測定及び添加]
ア.実験試料(鉱物性ソマチッド)を分析用天秤(6.1.2参照)を使用して(10±0.1)g測定する。
イ.重さを測定した試料を5.2.1で備えた氷の上に均等に撒いて置く。
(溶けた氷の確認)
ア.実験試料が氷の試験片に撒かれる時タイマーを作動させる。
イ.24時間、48時間、72時間の間隔で、氷が溶けた程度を写真を撮って確認する。
(繰返し実験実施)
各実験試料について規定された夫々の温度当り3回実験を行う。
[実験結果]
【0161】
図31に示すように、-12℃の条件下で実験試料は、氷を完全に溶かすことはできなかったが、実験完了後、試料を確認した結果、試料の粒子が球形に固まっていることを確認することができる。
【0162】
(実験12)
実験12は鉱物性ソマチッドの電流発散効果に対する実験を行ったものである。図32乃至図34に示すように、0.1mV以下に放電された電気コンデンサーが鉱物性ソマチッドによって自体充電が行われていることを知ることができる。
【0163】
即ち、本発明の鉱物性ソマチッドから離隔される距離が夫々15cm(紫色)、1m(古代紫色)、1.8m(マグノリア色)、及び3.0m(薄い青色)に位するようにし、一定時間の間コンデンサーの充電可否を確認した結果、26.5時間~168時間の間、最小12.9mV~164.1mVの電流が自体充電されていることを確認することができた。
【0164】
(実験13)
実験13は鉱物系ソマチッドの中で超高温前処理工程が完了した鉱物粉末の微生物融合可能性を調査し、潜在的に存在する微生物種を探索及び同定することは勿論、様々な病原性細菌に対する抗菌能力を定性的及び定量的に実験を行った。
【0165】
ここで、鉱物粉末に含まれた微生物種の探索及び機能性を分析するために、図35に示すように2種の試料(試料A、試料B)の前処理工程を行った後、実験を実施した。
【0166】
その後、前処理工程が完了した試料A、及び試料Bに含まれた微生物培養を行っており、図36に示すように、微生物種の探索及び分離、同定のための戦略模式図に従って行った。
【0167】
さらに、鉱物系ソマチッドケルビー及び多数の微生物種が含まれた鉱物粉末の微生物融合可能性を調査するための微生物培養培地として、一般的に広く使用されている最少栄養培地と複合栄養培地を用いた。
【0168】
最少栄養培地として YEM(Yeast Exract Minimal Medium;酵母エキス最少培地 )、Na2HPO4・12H2O 3.5g、K2HPO4 1.0g、MgSO4・7H2O 0.03g、NH4Cl 0.5g、酵母エキス(Yeast extract) 4.0g、D.W.upto 1Lの組成で作製し、滅菌後使用した。
【0169】
複合栄養培地としてTSB(Tryptic Soy Broth;トリプチックソイブロス、BD&Company)を使用し、固体培地はYEMとTSB組成に1.5%(w/v)バクト寒天(Bacto-agar)を追加して作製した。
【0170】
微生物培養は32℃で24乃至72時間保ちながら、好気性培養と嫌気性培養を試みており、液体好気性培養の場合は振とう培養器を利用して250rpmの条件で微生物培養を行ったが、嫌気性培養の場合は嫌気性及び微好気性細菌培養ジャーシステム(Anoxomat Mark II System)を利用して嫌気培養を実施した。
【0171】
分離した全微生物種は、図37に示すように、微生物種の同定のために顕微鏡で細胞の形態を観察した後、CTAB方法でゲノムDNA(genomic DNA)を分離精製し、BLASTプログラム(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を利用して分析した。
【0172】
実験結果、試料A及び試料Bから計53種の生体に無害な好気性微生物を純粋分離し、その中の24種に対する分子遺伝学的同定、即ち微生物種の同定を行った結果、24種の微生物種は鉱物性パウダーの試料中、A由来の微生物種が13種、B由来の微生物種が11種探索されており、培養の前に高温・高圧湿熱滅菌を行ったAとBから分離された微生物種は3種であったが、一方、滅菌を行わなかったAとBから分離された微生物種は21種であることを確認することができた。
【0173】
また、滅菌を行わなかったAとBから分離された微生物には1μm大きさの極小微生物も存在することが判明した。注目すべき点はここでも培養に使用したシャーレの底面に薄い膜状のものが形成されたことであり、これは上記S340段階に従った実験結果に類似した結果を示している。
【0174】
特に、実験の正確さを確認するために培養した微生物を別に分離して121℃で15分間オートクレーブで殺菌処理した後、再培養した結果、培養が行われなかったが、一方、培養されていない一般環境微生物を鉱物系ソマチッドケルビーの天然パウダーと一緒に培地に入れ、再び121℃で15分間殺菌処理した後、培養した結果、培養できることが明らかになった。
【0175】
このような結果から、鉱物系ソマチッドケルビーは一般微生物たちを極限の環境で保護して救う作用をし、それと同時に微生物のみを分離し鉱物系ソマチッドケルビー天然パウダーのない状態で加圧殺菌処理した後、増殖の可否を確認した結果、いずれも死滅し微生物増殖が全く起きなかったことが判明した。
【0176】
これは鉱物系ソマチッドケルビー天然パウダーが高温で一般環境微生物が耐えられるように避難先を提供した、若しくは鉱物系ソマチッドケルビー天然パウダーがエネルギー的作用によって一般微生物たちが高温で耐えられるようにしたか、を確認することができる。
【0177】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。従って、本発明に開示した実施例は本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈すべきであり、それと同じ範囲の内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0178】
上記のような本発明は、鉱物中に存在する鉱物性ソマチッドを分離して培養し、培養した鉱物性ソマチッドをセラミックパウダーと融合することにより、有害性及び生体に副作用がなく、癌細胞抑制、免疫増強、皮膚再生を始とした自己発熱、冷感、VOC脱臭、有害電子波遮蔽吸収が可能である。
【0179】
また、本発明の鉱物性ソマチッドは、生命活動が活発で、且つ治癒などを含めて様々な機能が優れた量子エネルギー生命体(鉱物性ソマチッド)と、1000℃の高温で10時間加熱しても死なない多種の微生物セラミック素材からなるセラミックパウダーとを融合した融複合多機能先端素材をより簡単、便利、且つ低コストで大量の生産が容易であり、分散性の優れた鉱物性ソマチッドを含む融複合多機能先端素材と繊維、ケミカルなどの高分子素材との融合が容易であり、鉄、非鉄、セラミックを始とした産業に利用する物質と溶融複合素材として開発が可能である。
【0180】
また、本発明の鉱物性ソマチッドは生体に有害か、無害な細胞や微生物は攻撃したり殺さず、高温や極限の環境で生存するように保護させる作用をし、生物体に有害な病原性細菌や抗生剤に耐性ができたスーパーバクテリア抑制(抗菌)させるだけでなく、創傷や床ずれなどの患者の外皮及び真皮再生完治、癌細胞抑制、免疫機能改善、生体を健康に維持する恒常性維持、病害に対する抵抗性を増加させる機能を有している。
【0181】
さらに、本発明の鉱物性ソマチッドは、高分子素材、金属素材、無機素材、有機素材などの様々な素材と結合して素材本来の特性を増進させる触媒作用をし、酸化作用を抑制し、逆に還元が可能な素材である。」
(ウ)判断
a 本願補正発明は、
「微生物由来物の抽出方法において、
(a)生体に有害な重金属や放射能物質がなく、汚染されていないSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石を採掘する鉱物採鉱段階、
(b)前記採掘した天然鉱石を320メッシュ以下に粉砕しパウダー状で構成する鉱物粉砕段階、
(c)パウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属や放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階、
(d)精製済みの鉱物パウダーを鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダーを燃焼する燃焼段階、
(e)燃焼済みの鉱物パウダー70重量%と、H2O25重量%及び天草からなる天然植物の根、茎、葉の抽出物5重量%を混合して鉱物混合粉末を構成し、該鉱物混合粉末を容器に入れた後、熟成庫内で-10℃~200℃以内の温度で、10~90日間熟成して発酵する発酵工程段階、
(f)熟成発酵した鉱物混合粉末を焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させて滅菌し、その後150℃~200℃の温度で乾燥させる滅菌乾燥段階、
(g)乾燥した鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁石の間を通した水である磁化水、ブドウ糖や糖類を添加した溶液を加え、該鉱物混合粉末に糖類や微生物培養のための栄養培地を添加し1時間以上培養するセラミック混合粉末培養段階、
(h)前記(g)段階によって培養した鉱物混合粉末の中から、微生物を分離して抽出し、該微生物に含まれた微生物由来物を分離して抽出する微生物由来物抽出段階、
とを含むことを特徴とする、微生物由来物の抽出方法。」
と特定されている。
ここで、審判請求書によれば、「微生物由来物」は、「鉱物性ソマチッド」なる用語を本願の発明内容を明確に表すために一般的な用語に改めたものである。
本願明細書には、上記(イ)に示したとおり、上記「微生物由来物」を抽出した実施例の記載がなく、実際に、本願補正発明の方法を用いて、上記「微生物由来物」を抽出し、生産物を得た具体例の記載は全くされておらず、「鉱物性ソマチッド」についても上記「微生物由来物」と同様である。
また、本願明細書には、上記(イ)に示したとおり、上記微生物由来物とは具体的にどのようなものであるか、及び、微生物由来物をどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されておらず、本願明細書の記載及び本願出願時の技術常識に照らしても、上記のような請求項1に規定される方法を採ることにより微生物由来物が抽出できたか否かについて判断できず、鉱物性ソマチッドについても上記微生物由来物と同様である。
そして、段落【0001】~【0039】には、鉱物性ソマチッドの特性が記載され、本願補正発明と同程度の記載の段階を含む鉱物性ソマチッドの抽出方法が記載され、鉱物性ソマチッドの一般的な効果が記載されている。しかし、当該段落に、鉱物性ソマチッドの存在を確認したことが、客観的な根拠に基づいて示されておらず、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されているとはいえない。
段落【0041】~【0055】には、鉱物性ソマチッドの一般的な抽出方法が記載されている。しかし当該段落に、鉱物性ソマチッドの抽出について具体的に記載があるとはいえず、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されているとはいえない。
段落【0056】~【0181】には、鉱物性ソマチッドの機能及び効果について記載されている。しかし、当該段落には、その確認に使用された鉱物性ソマチッドが、どのように抽出され、どのように同定されたのかは記載されておらず、鉱物性ソマチッドの抽出について具体的に記載があるとはいえず、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されているとはいえず、さらに、その効果の確認に使用された鉱物性ソマチッドについて具体的に記載されていない以上、鉱物性ソマチッドを何のために使用するかが記載されているとはいえない。
そして、出願時の技術常識に基づいて、上記段落の記載から鉱物性ソマチッドが抽出できるともいえず、あるいは、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、微生物由来物や鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかも理解できない。
そうすると、明細書の記載又はその示唆及び出願時の技術常識に基づき、当業者がその方法により鉱物性ソマチッド、すなわち、微生物由来物を生産することができたとはいえない。そして、生産物が不明である以上、段落【0057】~【0176】に記載された実験は、微生物由来物が使用できることを裏付けるものではない。
以上によれば、本願明細書には、実施例の記載がなく、実際に、本願補正発明の方法で、微生物由来物を抽出した具体例の記載は全くされておらず、明細書の記載又は示唆及び出願時の技術常識に基づき、当業者が、本願補正発明の方法により、微生物由来物を生産できるとはいえず、微生物由来物を使用することができるともいえない。したがって、発明の詳細な説明は、本願補正発明に関し、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
b 請求人の主張について
なお、請求人は、意見書において、「本日付の手続補正書により微生物由来物と改めた鉱物性ソマチッドがどのような材料からどのような段階を経て抽出したかについて、明細書の課題を解決するための手段には明確に記載されており、その記載は十分具体的であると思料する。
鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、について、背景技術に記載されているとおり、科学的に明らかになっているとは言えないことは確かである。同定方法や含量の測定については現時点では研究途上であるが、本発明は請求項記載の抽出方法を取ったときに抽出される物質が存在し、その作用効果が認められることに基づいている。ソマチッドは、DNAの前駆体(0003段落)と考えられているが、必ずしも明確ではないので、本日付手続補正書では微生物由来物と表現を改めた。本発明の対象となる物質は、請求項記載の抽出方法によって十分に特定されるものと思料する。」と主張している。
しかし、上記で述べたとおり、鉱物性ソマチッドがどのような材料からどのような段階を経て抽出したかについて、明細書の課題を解決するための手段には明確に記載されているとはいえない。また、意見書において「鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、について、背景技術に記載されているとおり、科学的に明らかになっているとは言えないことは確かである。同定方法や含量の測定については現時点では研究途上である」と出願人も認めるところ、本発明の対象となる物質が、本願補正発明の抽出方法によって十分に特定されるともいえない。
また、請求人は、手続補足書により甲第1号証及び甲第2号証を提出し、審判請求書において、手続補足書に基づいて、『甲1号証として本願の微生物由来物について信頼性のある第三者による研究結果報告書を提出する。甲1-1号証は、ソウル大学産学協力団作成の研究結果報告書であり、研究責任者はソウル大学獣医科大学研究部のユン、ジャンウォン教授である。作成日は本願出願前の2012年2月15日である。甲1-2号証には、日本語への翻訳文(機械翻訳)を添付する。
本研究結果報告書では、「微生物新素材セラミック粉末」について「(i)人体無害性と創傷、皮膚自生効果、(ii)量子増幅による天然クウィントムエネルギー発散の効果、(iii)外部温度による発熱や二分の効果、(iv)抗菌および抗ウイルス効果、(v)免疫T細胞活性化の効果、(vi)化学物質の毒性中和効果、(vii)除湿効果、(viii)ホルムアルデヒドとアンモニア歌手除去効果、(ix)抗酸化効果などが知られている」こと、韓国標準技術研究院において試料が提供されていることなどが記載されている。
このことから、学術的にも本願記載のような微生物由来物の存在が当業者において合理的に想定されていることは明らかである。
さらに、「量子エネルギー発散新素材の主な病原性細菌に対する抗菌効果の分析」として、「理由を知ることができないが、量子エネルギー発散新素材がS. aureusとK. pneumoniaeから比較的強い抗菌効果を発揮することを示唆している。」と結論づけられており、存在のみならず、その効果についても科学的に想定されている。言うまでもなく、特許発明としては、実証された効果に係る「抵抗性の源」が何であるかを特定する必要はなく、本願記載の方法によって抽出された「微生物由来物」が甲1-1号証に示す実験や、本願明細書に記載の各実験における効果を有することで、特許性は十分に認められるべきである。
次に、甲2号証としてBang gun woong, Lee Jong Doo, Lee Byoung Chen, Woo Hee Jongによる、「Energetic anti-oxidative properties of mineral somatid Qelby combined ceramic powder」の論文を提出する。甲2-1号証は原文、甲2-2号証は日本語訳(機械翻訳)である。
本論文でも「鉱物系ソマチッドケルビ融合素材の抗酸化特性」について実験されその効果が示されている。論文中では「詳細な作用機序」が明らかでないことが指摘されているが、少なくとも作用効果を有することは示されている。
以上に述べた通り、本願発明にかかる微生物由来物が存在し、かつ作用効果を有するものであることは十分に示されていると思料する。従って、本願は特許されるべきである。 』と主張している。
しかし、甲第1号証において本願補正発明の方法により得られた微生物由来物が使用されたことを示す記載はない。また、甲第2号証自体がどのような文書であるのか不明であり、さらに、甲第2号証においても本願補正発明の方法により得られた微生物由来物が使用されたことを示す記載はない。
そうすると、本願補正発明にかかる微生物由来物が存在し、かつ作用効果を有するものであることは十分に示されているとはいえない。
したがって、請求人の主張は、何れも採用できない。
(エ)まとめ
以上のとおり、発明の詳細な説明の記載は、当業者が本願補正発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということができないから、特許法第36条第4項第1号の規定に違反している。
イ 特許法第36条第6項第1号について
(ア)はじめに
特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件(いわゆる「明細書のサポート要件」)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
(イ)発明の詳細な説明の記載
上記ア(イ)に記載したとおりである。
(ウ)本願補正発明の課題について
上記ア(イ)aによれば、本願補正発明の課題は、鉱物中に存在する鉱物性ソマチッド、すなわち、微生物由来物を抽出する方法を提供することであると認められる。
(エ)発明の詳細な説明に記載された発明と特許請求の範囲の請求項1に記載された発明との対比・判断
本願補正発明が、発明の詳細な説明の記載又は示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討する。
上記アにおいて、実施可能要件について検討したとおり、発明の詳細な説明の記載又は示唆及び出願時の技術常識に基づき、当業者が、本願補正発明の抽出方法により微生物由来物を生産できるとはいえない。
したがって、本願補正発明は、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められない。
なお、請求人の主張については、上記ア(ウ)bに記載したとおりであり、何れも採用できない。
(オ)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえず、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
ウ 独立特許要件についてのまとめ
したがって、上記アおよびイに記載したとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないものである。
3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないものであるから、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 特許請求の範囲の記載
平成28年9月6日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、この出願の特許請求の範囲の記載は、平成27年12月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載されたとおりであるところ、その請求項1の記載は、上記第2の1に本件補正前の請求項1として示したとおりである(以下、請求項1の特許を受けようとする発明を「本願発明」という。)。以下に再掲する。
「微生物由来物の抽出方法において、
(a)SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石を採掘する鉱物採鉱段階、
(b)前記採掘した天然鉱石を320メッシュ以下に粉砕しパウダー状で構成する鉱物粉砕段階、
(c)パウダー状の鉱石粉末から生体に有害な重金属や放射能物質を精製及び分離する鉱物パウダー精製段階、
(d)精製済みの鉱物パウダーを鉱石本来の質量、比重、電子数、イオン数を変化させるために燃焼する鉱物パウダーを燃焼する燃焼段階、
(e)燃焼済みの鉱物パウダー70重量%と、H2O25重量%及び天草からなる天然植物の根、茎、葉の抽出物5重量%を混合して鉱物混合粉末を構成し、該鉱物混合粉末を容器に入れた後、熟成庫内で-10℃~200℃以内の温度で、10~90日間熟成して発酵する発酵工程段階、
(f)熟成発酵した鉱物混合粉末を焼成機内で180℃以内の高温で30分~2時間回転させて滅菌し、その後150℃~200℃の温度で乾燥させる滅菌乾燥段階、
(g)乾燥した鉱物混合粉末を容器に入れた後、一定量の水、蒸留水、磁石の間を通した水である磁化水、ブドウ糖や糖類を添加した溶液を加え、該鉱物混合粉末に糖類や微生物培養のための栄養培地を添加し1時間以上培養するセラミック混合粉末培養段階、
(h)前記(g)段階によって培養した鉱物混合粉末の中から、微生物を分離して抽出し、該微生物に含まれた微生物由来物を分離して抽出する微生物由来物抽出段階、
とを含むことを特徴とする、微生物由来物の抽出方法。」
第4 原査定の理由
原査定の理由である平成27年9月15日付けの拒絶理由通知における拒絶の理由は、理由1及び2である。
その理由1の概要は、「この出願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない」というものであり、「発明の詳細な説明には、請求項1~4に規定される方法によって実際に鉱物性ソマチッドを抽出したことについて何ら具体的に記載されていないし、本願明細書には、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されておらず、本願明細書の記載及び本願出願時の技術常識に照らしても、上記のような請求項1に規定される方法を採ることにより鉱物性ソマチッドが抽出できたか否かについて判断できることが明らかである根拠も見出せない。よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1~15に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでなく」と指摘したものである。
その理由2の概要は、「この出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない」というものであり、「発明の詳細な説明には、請求項1~4に規定される方法によって実際に鉱物性ソマチッドを抽出したことについて何ら具体的に記載されていないし、本願明細書には、鉱物性ソマチッドとは具体的にどのようなものであるか、及び、鉱物性ソマチッドをどのようにして同定し、また、その含量をどのようにして測定するかについても何ら具体的に記載されておらず、本願明細書の記載及び本願出願時の技術常識に照らしても、上記のような請求項1に規定される方法を採ることにより鉱物性ソマチッドが抽出できたか否かについて判断できることが明らかである根拠も見出せない。よって、請求項1~4に係る発明は、発明の詳細な説明に実質的に記載したものでない」と指摘したものである。
第5 当審の判断
本願発明は、上記第2で検討した本願補正発明と比べて、発明を特定するために必要な事項である、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの無機物が全て含まれた天然鉱石について、「生体に有害な重金属や放射能物質がなく、汚染されていない」態様に限定されないものであるから、微生物由来物の抽出方法としてより広範な態様を含むものである。
そして、上記第2で検討したとおり、発明の詳細な説明は、本願補正発明に関し、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえないのであるから、本願発明についても、同様の理由で、発明の詳細な説明は、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
したがって、この出願は、発明の詳細な説明が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
また、上記第2で検討したとおり、本願補正発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないのであるから、本願発明についても、同様の理由で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められない。
したがって、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
第6 むすび
したがって、この出願は、発明の詳細な説明が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、その余について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって結論のとおり審決する。
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2016-013278