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特許拒絶査定不服審判

2016-012614

電気炊飯器

審判番号
2016-012614
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-108995外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月22日
審決日
2017年10月10日
公報発行日
2018年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A47J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-108995号「電気炊飯器」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月21日出願公開、特開2013-233361号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年5月11日の出願であって、平成28年6月30日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年8月22日に拒絶査定不服審判請求が請求され、同時に手続補正がされ、当審において平成29年6月1日付けで拒絶理由を通知し、平成29年8月7日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明は、平成29年8月7日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「 水と米とを収納可能な内鍋を着脱自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉可能に覆蓋すべく該上部開口の後部側にヒンジユニットを介して取り付けられた蓋体と、上記内鍋を加熱する加熱手段とを備え、上記炊飯器本体の底部内面側に位置して、上記加熱手段への電源供給用のコードリールを略水平に配置してなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体の重心位置が上記炊飯器本体の前部側に偏位するように上記コードリールを上記炊飯器本体の前部側に寄せて配置するとともに、該コードリールの電源コード引き出し口を上記炊飯器本体の側部側に位置させ、かつ後方に向けて開口させたことを特徴とする電気炊飯器。」 第3 引用文献 1 これに対して、当審において通知した平成29年6月1日付け拒絶理由に引用され、本願出願日前に頒布された刊行物である、実用新案登録第2518021号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「産業上の利用分野 本考案は炊飯器等の調理器に関し、電源電線の電線巻取り機構の取り付け構造に関するものである。」(1ページ1欄8行ないし10行) (2)「実施例 以下、本考案の一実施例を炊飯器と例として図面を用いて詳細に説明する。第1図は本考案による炊飯器の断面図である。 図中1は本体部、2はフタ部、3は内釜、4はフタリング、5はシールパッキン、6はホウネツバン、7は固定ねじ、8はフタ、9は蒸気孔、10はフタヒーター、11はフタ温度センサー、12は本体上枠、13は外釜、14は炊飯ヒーター、15は釜底温度センサー、16の保温用ヒーター、17は遮熱板、18はケース、19は電線巻取り機構、20はソトワク、21は電源プラグ引き出し口、22は電源プラグ、23は制御部、24は通電制御手段、25はヒンジ部である。 その構成の概略は本体部1とフタ部2から構成され、ヒンジ部25によって開閉自在にフタ部2が本体部1に取り付けられている。本体部1の内部には着脱自在に内釜3が収納される。」(2ページ3欄26行ないし同4欄1行) (3)「 本体部1は上端を為す本体上枠12に外釜13が取り付けられ、外釜13底部に炊飯ヒーター14及び釜底温度センサー15が取り付けられている。前記内釜3を本体部1に収納すると炊飯ヒーター14及び釜底温度センサー15に当接し、炊飯ヒーター14で内釜3を加熱すると同時に、釜底温度センサー15で釜底温度を検出出来るよう構成されている。外釜13側面には保温用ヒーター16が巻き付けられている。外釜13底面には炊飯ヒーター14の熱を遮断する遮熱板17が取り付けられ、遮熱板17にはケース18を介して電線巻取り機構19が取り付けられている。 本体部1の外郭を為す上部開口有底筒上のソトワク20は底部に電源プラグ引き出し口21を有している。ソトワク20上端は本体上枠12と嵌合し固定される。このとき、電線巻取り機構19の電源プラグ22がソトワク20の電源プラグ引き出し口21より外部に出る。本体部1内部には制御部23が設けられ、前記フタ温度センサー11、及び釜底温度センサー15が接続され、さらに炊飯ヒーター14、フタヒーター10、保温用ヒーター16の通電制御手段24が接続されている。」(2ページ4欄14行ないし同33行) (4)「電線巻取り機構19はケース18に取り付けられ、ケース18を遮熱板17に固定することによって、電線巻取り機構19が本体に固定される。ケース18には通電制御手段24も取り付けられており、電線巻取り機構19より出る電線はこの状態で炊飯ヒーター14、通電制御手段24、保温用ヒーター16等と配線、結束することができる。(第2図の状態)次にソトワク20を被せ本体上枠12と嵌合して固定する。ソトワク20には電源プラグ引き出し口21が設けられており、電線巻取り機構19の一部又はすべてが、ソトワク20を取り付けても外部に出るので電線巻取り機構19の電源プラグ22を引き出すことができる。」(2ページ4欄37行ないし同48行) (5)【第1図】の記載から、電線巻き取り機構19が本体部1の底部において、略水平であり、ヒンジ部25がある方向を調理器の後部とすると、調理器の前部側に寄せられて配置されていることが見て取れる。 (6)上記(1)ないし(4)の記載事項を総合すると、引用文献1には、以下の事項が記載されていることが把握される。 ア ヒンジ部25によって開閉自在にフタ部2が本体部1に取り付けられる。 イ 本体部1の内部には、着脱自在に内釜3が収納される。 ウ 炊飯ヒータ14で内釜3は加熱される。 エ 電線巻取り機構19は、炊飯ヒータ14と配線されている。 2 引用発明 引用文献1についての上記(4)、(5)及び(6)の事項から、引用文献1には、 「本体部1の内部に着脱自在に内釜3が収納され、ヒンジ部25によって開閉自在にフタ部2が本体部1に取り付けられ、炊飯ヒータ14で内釜3は加熱され、炊飯ヒータ14と配線する電線巻取り機構19は、本体部1の底部において、略水平であり、ヒンジ部25がある方向を炊飯器の後部とすると、炊飯器の前部側に寄せられて配置され、ソトワク20には電源プラグ引き出し口21が設けられており、電線巻取り機構19のすべてが、ソトワク20を取り付けても外部に出るので電線巻取り機構19の電源プラグ22を引き出すことができる炊飯器。」 の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 3 引用文献2 当審において通知した平成29年6月1日付け拒絶理由に引用され、本願出願日前に頒布された刊行物である、特開2012-75510号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1)「【0009】 実施の形態1. 図1は実施の形態1における炊飯器の断面図、図2は実施の形態1における炊飯器の回路構成を示すブロック図である。 実施の形態1の炊飯器は、炊飯器本体1と、調理容器である内釜2と、炊飯器本体1の外ケース4の上部に開閉自在に設けられた蓋体3とを備えている。 【0010】 炊飯器本体1は、上部に開口部を有する外ケース4と、外ケース4内に設けられ、内釜2が着脱自在に収容される内ケース5と、内ケース5の底部を構成する底枠5bの下面部およびコーナー部に設けられた加熱コイル6(誘導加熱手段)と、底枠5bの略中央に設けられ、内釜2の底面に接触して内釜2の温度を検出する温度センサー7と、外ケース4の底部4a上に設置されたコードリール8と、冷却ファン29と、電源基板20が収納された基板ケース32とを備えている。」 (2)上記(1)及び図1より、 引用文献2には、「コードリールを炊飯器本体の底部の上に配置した炊飯器。」が記載されている(以下「引用文献2記載の事項」という。)。 第4 対比 1 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「内釜3」、「ヒンジ部25」、「フタ部2」、「炊飯ヒータ14」、「電線巻取り機構19」及び「炊飯器」は、その機能からみて、それぞれ本願発明の「内鍋」、「ヒンジユニット」、「蓋体」、「加熱手段」、「コードリール」及び「電気炊飯器」に相当する。 引用発明の「ソトワク20」が外郭を為す「本体部1」は、本願発明の「炊飯器本体」に相当する。 炊飯は、水と米とを内釜に入れて加熱することが技術常識であることから、引用発明の「本体部1の内部に着脱自在に内釜3が収納され、」る態様は、本願発明の「水と米とを収納可能な内鍋を着脱自在に収納する炊飯器本体」に相当する。 引用発明の「ヒンジ部25によって開閉自在にフタ部2が本体部1に取り付けられ」る態様は、本願発明の「炊飯器本体の上部開口を開閉可能に覆蓋すべく該上部開口の後部側にヒンジユニットを介して取り付けられた蓋体」に相当する。 引用発明の「炊飯ヒータ14で内釜3は加熱され」る態様は、本願発明の「内鍋を加熱する加熱手段とを備え」ることに相当する。 引用発明の「炊飯ヒータ14と配線する電線巻取り機構19」は、本願発明の「加熱手段への電源供給用のコードリール」に相当する。 引用発明の電線巻取り機構19は、本体1の前部側に寄せられて配置されていることから、電線巻取り機構19を本体1に固定すると炊飯器の重心は前部側に偏位することは自明であるから、引用発明の「電線巻取り機構19は、本体部1の底部において、略水平であり、ヒンジ部25がある方向を炊飯器の後部とすると、炊飯器の前部側に寄せられて配置」する態様は、本願発明の「上記炊飯器本体の底部」「に位置して、上記加熱手段への電源供給用のコードリールを略水平に配置してなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体の重心位置が上記炊飯器本体の前部側に偏位するように上記コードリールを上記炊飯器本体の前部側に寄せて配置する」に相当する。 2 したがって、本願発明と引用発明とは、 「水と米とを収納可能な内鍋を着脱自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉可能に覆蓋すべく該上部開口の後部側にヒンジユニットを介して取り付けられた蓋体と、上記内鍋を加熱する加熱手段とを備え、上記炊飯器本体の底部に位置して、上記加熱手段への電源供給用のコードリールを略水平に配置してなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体の重心位置が上記炊飯器本体の前部側に偏位するように上記コードリールを上記炊飯器本体の前部側に寄せて配置する電気炊飯器。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> 本願発明は、コードリールを炊飯器本体の底部「内面側」に位置しているのに対して、引用発明は、電線巻取り機構19を本体部1の底部に配置し、電線巻取り機構19のすべてが、ソトワク20を取り付けても外部に出るので電線巻取り機構19の電源プラグ22を引き出すことができるものである点 <相違点2> 本願発明は、「コードリールの電源コード引き出し口を上記炊飯器本体の側部側に位置させ、かつ後方に向けて開口させ」ているのに対して、引用発明は、ソトワク20には電源プラグ引き出し口21が設けられており、電線巻取り機構19のすべてが、ソトワク20を取り付けても外部に出るので電線巻取り機構19の電源プラグ22を引き出すことができるように構成されているが、電線巻取り機構19の電源プラグ22のコードを引き出す引き出し口の配設については不明な点。 第5 判断 1 上記各相違点について検討する。 上記<相違点1>について検討する。 引用文献2には、本願発明の「コードリールを炊飯器本体の底部内面側に位置」させることに相当する「コードリールを炊飯器本体の底部の上に配置した炊飯器。」が記載されている(上記「第3 3(2))。 そして、電線巻取り機構の配置は、他の部品との関係やスペース効率等を考慮して適宜設定し得る事項であるといえるところ、引用発明において、上記引用文献2記載の事項を採用し、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 上記<相違点2>について検討する。 炊飯器において、コードリールのコード取り出し口の向きは、取扱い易さや電源コンセントの位置との関係で適宜選択し得る設計事項であり(実願平5-46116号(実開平7-16722号)のCD-ROMの【0003】ないし【0005】等参照。)、コードリールの電源コード引き出し口を炊飯器本体の側部側に位置させ、かつ後方に向けて開口させることは周知技術であるから(必要であれば、特開2011-136056号公報の【0033】、図1及び図17、特開平4-319314号公報の【0014】、図1及ぶ図2を参照。)、引用発明において、該周知技術を採用し、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 なお、仮に本願発明の「電源コード引き出し口」がコードリールに設けられているのではなく、底ケースに設けられている図3における開口18aを意図しているものであったとしても、該構成についても周知技術であり(特開2002-355843号の【0019】、図5及び図6等参照)、引用発明において、該周知技術を採用し、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 3 そして、本願発明が奏する効果についてみても、引用発明、引用文献2記載の事項及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものというほかない。 4 よって、本願発明は、引用発明、引用文献2記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-012614

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