特許拒絶査定不服審判
2021-005693
カプセル、そのようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、および飲料調製装置におけるそのようなカプセルの使用方法
- 審判番号
- 2021-005693
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-559327
- 請求日
- 2021年04月30日
- 審決日
- 2022年03月23日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
- 【請求人代理人】松井 光夫
- 【請求人代理人】村上 博司
- 審判長/審判官
- 審判長 平城 俊雅
- 審判官 槙原 進
- 審判官 林 茂樹
- 分類
- P18 .121-Z (A47J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-559327「カプセル、そのようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、および飲料調製装置におけるそのようなカプセルの使用方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月24日国際公開、WO2016/186492、平成30年 6月28日国内公表、特表2018-516655〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年5月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年5月15日(NL)オランダ国)を国際出願日とする特許出願であって、その後の手続の概要は以下のとおりである。
令和元年5月13日に手続補正書の提出
令和元年7月12日に手続補正書及び上申書の提出
令和2年3月30日付けで拒絶理由通知
令和2年10月7日に意見書及び手続補正書の提出
令和2年12月22日付け(発送日:令和3年1月4日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和3年4月30日に拒絶査定不服審判の請求
令和3年6月15日に審判請求書についての手続補正書(方式)の提出
第2 本願発明
本願の請求項1ないし12に係る発明は、令和2年10月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに願書に最初に添付された明細書及び図面の記載によれば、特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
カプセル内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムであって、
該カプセルを受け取るための囲み部材を備える飲料調製装置であって、該囲み部材は、加圧下の流体を該カプセル内に供給するための流体供給手段を備え、該飲料調製装置はさらに、該飲料調製装置の該囲み部材を閉じるための閉じ部材、例えば抽出プレートを備え、該飲料調製装置の該囲み部材はさらに、環状要素中心軸および自由接触端部を有する環状要素を備え、該環状要素の前記自由接触端部は半径方向に延在している複数の開放溝を任意的に備えていてもよい、上記飲料調製装置と、
加圧下の流体をカプセル内に供給することによって物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための該物質を容れるカプセルであって、該カプセルは、カプセル本体中心軸を有するアルミニウムカプセル本体を備え、該アルミニウムカプセル本体は、底と、側壁と、外向きに延在しているフランジとを備え、該カプセルはさらに、該外向きに延在しているフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を備え、該蓋は該カプセルを密閉的に閉じ、該カプセルはさらに、該飲料調製装置の囲み部材に流体封止接触を与えるために、該外向きに延在しているフランジに封止部材を備え、該カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に置かれ、かつ該囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられる場合に、該カプセルの該外向きに延在しているフランジと該カプセルの該封止部材の少なくとも1部分とが、該飲料調製装置の該囲み部材と該閉じ部材との間で封止的に係合し、上記カプセルにおいて、該封止部材は、該カプセルが該飲料調製装置の該囲み部材内に置かれかつ該囲み部材が閉じられた場合に変形可能である別途のクラッシュ可能な要素を備え、該別途のクラッシュ可能な要素は、アルミニウムから作製されており、かつ該アルミニウムカプセル本体と一体的に構成されていず、かつ該蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられている、ことを特徴とする、上記カプセルと
を備えている上記システム。」
第3 原査定の拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由の一部は、概略、以下のとおりである。
<理由2(特許法第29条第2項)について>
本願発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基いて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1:特表2012-530655号公報
引用文献2:欧州特許出願公開第2289820号明細書(周知技術を示す文献)
引用文献3:特表2011-515133号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の優先日前に頒布された引用文献1には、「摂取に適する所定量の飲料を用意するためのカプセル、システム及び方法」に関し、次の記載がある。
なお、下線は当審において付したものである(以下同様。)。
「【請求項1】
カプセルを受け取るための収容器を備えた飲料抽出デバイスによって、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するための該カプセルが、
外周壁と、該外周壁を第1の端部で閉じている底とを備えているカップ、および、
該底の反対側の該外周壁の第2の端部で使用中に該カップに結合される蓋
を備え、
該壁、底および蓋は、使用中に、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、さらに、
使用中に該収容器と協働するように作られた該カプセルの表面の少なくとも一部分は、該収容器と封止的係合を形成するための少なくとも1つの突出部を備えている、上記カプセル。
【請求項2】
該カップはさらに、第2の端部で該外周壁に外向きに延在しているフランジ様の縁を備えており、少なくとも1つの突出部が、該フランジ様の縁の上に備えられる、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
該少なくとも1つの突出部は、該カプセルに対して外周状である、請求項1~2のいずれか1項に記載のカプセル。」
「【請求項11】
複数の細長い個別の突出部が備えられ、前記突出部はブラシ様の領域を形成している、請求項1~5のいずれか1項に記載のカプセル。」
「【請求項23】
少なくとも1つの該突出部は塑性的に変形可能である、請求項1~22のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項24】
該突出部は該カップと同じ材料で作られている、請求項1~23のいずれか1項に記載のカプセル。」
「【0001】
本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を用意するためのカプセル、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1回分の飲料成分を備えているカプセルへ、圧力下で液体、例えば水を供給するための抽出器具を使って、飲料、例えばコーヒーを用意するためのシステムは、知られている。一般には、抽出器具は、カプセルを受け取るための収容器、例えば、カプセルを取り囲むための囲い部材を備えている。使用中に、液体、例えば水または飲料の漏洩を防ぐために、封止的係合がカプセルと囲い部材との間に提供される。通常は、この封止的係合は、外周状の接触線に沿ってカプセルと囲い部材とを相互に圧迫することによって得られる。
【0003】
封止的係合の位置での囲い部材の材料、例えばエラストマー材料は、封止的係合の位置でのカプセルの材料、例えばアルミニウムよりもより柔らかいことが可能である。そのようなシステムは、例えば欧州特許第1203554号から知られる。そのようなケースでは、封止的係合の位置での囲い部材の材料は圧縮されうる。そのようなシステムは、封止的係合の位置での囲い部材の材料が、摩耗、劣化及び/又は汚染に曝され、抽出器具の使用年数が増加すると、封止的係合の質が劣化しうるという不利な点を有しうる。
【0004】
この欠点は、他の既知のシステムにおいて、封止的係合の位置での囲い部材の材料、例えば金属が、封止的係合の位置でのカプセルの材料、例えばプラスチック材料より固いことによって、少なくとも部分的には克服されているように思われる。例えば、そのようなシステムは、仏国特許第2617389号によって公知である。このケースにおいては、封止的係合の位置でのカプセルの材料は圧縮されうる。このようなシステムは、封止的係合の位置での囲い部材の材料が、摩耗、劣化及び/又は汚染に曝されにくいという利点を有しており、その上、良好な封止的係合が得られうる。特に、封止的係合の位置でカプセルの材料が外周壁の材料と同一であるときは、カプセルは大変容易に製作されうる。しかし、このことは、もし封止的係合の位置で囲い部材が不規則性、例えば掻き傷、裂け目、こびり付いた汚染、突出などを有していると、そのような封止的係合が駄目にされる可能性があるという不利な点をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の欠点の少なくとも1つに、少なくとも部分的に対処することが本発明の目的である。特に、カプセルと協働するための収容器を備えている飲料抽出デバイス内で使用するように作られた抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を用意するためのカプセルを提供することが、本発明の目的である。ここで、収容器及び/又はカプセルの表面不規則性に起因して生じうる漏洩を緩和するために、カプセルと収容器との間に改善された係合が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明に従えば、カプセルを受け取るための収容器を備えている飲料抽出デバイスによって、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためにカプセルが提供され、該カプセルは、外周壁と該外周壁を第1の端部で閉じている底とを備えているカップ、および該底の反対側の外周壁の第2の端部で使用中にカップに結合される蓋を備え、該壁、底および蓋は、使用中に、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、かつ使用中に収容器と協働するように作られたカプセルの表面の少なくとも一部分は、収容器と封止的係合を形成するための少なくとも1つの突出部を備えている。
【0007】
収容器の表面と協働するように作られた領域におけるカプセル表面上に局部的な突出部を与えることによって、収容器の表面不規則性が効率的に緩和されうることが見出された。局部的凹所、局部的突出、割れ目、裂傷、局部的摩耗などを含む(しかしこれらに限定されない)様々なタイプの表面不規則性が意図されることが理解されるであろう。したがって、少なくとも1つの突出部が、そのような不規則性が生じてしまったまたは生じそうな位置で、カプセルの表面上に備えられうる。例えば、少なくとも1つの突出部は、カップの外側表面上に備えられうる。カップが、第2の端部で外周壁の外向きに延在しているフランジ様の縁を備えており、この場合には、例えば、少なくとも1つの突出部は、フランジ様の縁の上に備えられうる。収容器は、囲い部材の形で備えられることができ、該囲い部材は、カプセルを少なくとも部分的に取り囲むように配置され、かつ使用中にカプセルの縁に対して押し付けられうる。収容器が、通常は射出プラスチックから製作されるという事実に起因して、僅かな製作上の欠陥が生じうる。このことは、使用中にカプセルのフランジ様の縁と係合するように作られた収容器の外側表面のさらなる局部的な不規則性を導きうる。そのようなさらなる局部的不規則性は、凹所、すなわち収容器の外側表面上の局部的なへこみ、または突出部、すなわち収容器の外側表面上の局部的な隆起と関連しうる。
【0008】
カプセルのフランジ様の縁に、使用中に収容器の表面と協働するように作られた少なくとも1つの突出部を備え、それにより収容器と封止的係合を形成することにより、上記した不規則性は緩和されうる。」
「【0014】
本発明に従うカプセルの更に別の実施態様においては、複数の細長い個別の突出部が備えられ、上記突出部はブラシ様の領域を形成している。
【0015】
多体の突出部が構想されるときは、例えば、ブラシ様の構造体がカプセルのフランジ様の縁上に備えられるときは、信頼できる封止的係合が実現されうることが見出されている。このことは、隣接している細長い突出部の空間的位置に実質的に影響を与えること無しに、細長い個別の突出部が収容器によって曲げられまたは別の仕方で変形されうるという理由を有しうる。この結果として、例えば、使用中にカプセルと接触するように作られた収容器の表面が、凹所を備えているとき、そのような凹所は、1つまたは幾つかの細長い突出部、例えば、毛によって満たされまたは別の仕方で軽減されうるが、隣接している細長い突出部は実質的には影響を受けない。」
「【0034】
一般的には、少なくとも1つの突出部は、カップと同じ材料で作られることが可能である。したがって、比較的低価格の少なくとも1つの突出部が提供されうる。」
「【0056】
図1は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を準備するためのシステム(1)の第1の実施例の略図(断面図)を示す。本システム(1)は、交換可能なカプセル(2)および飲料抽出デバイス(4)を備える。本デバイス(4)は、交換可能なカプセル(2)を保持するために、囲い部材(6)の形状をした収容器を備えている。本実施例においては、さらにデバイス(4)はカプセル(2)を支持するための支持部材(8)を備えている。
【0057】
図1においては、カプセル(2)、囲い部材(6)および支持部材(8)の間に、明瞭のため隙間が描かれている。使用中に、カプセル(2)は、囲い部材(6)と支持部材(8)とに接触して置かれうることが理解されるであろう。一般に、囲い部材(6)はカプセル(2)の形状に相補的な形状を有している。さらにデバイス(4)は、ある量の流体、例えば水を(例えば9バールの圧力下で)交換可能なカプセル(2)へ供給するための流体供給器具(10)を備えている。
【0058】
図1に示された実施例においては、交換可能なカプセル(2)はカップ(12)および蓋(14)を備えている。本実施例においては、カップ(12)は、外周壁(16)、外周壁(16)を第1の端部で閉じている底(18)、および底(18)の壁の反対側の第2の端部で外周壁(16)に外向きに延在しているフランジ様の縁(20)を備えている。外周壁(16)、底(18)および蓋(14)は、抽出可能な製品を容れる内部空間(22)を取り囲んでいる。本実施例においては、カプセルは最初に封止され、すなわち、使用前に密閉されるように閉じられている。
【0059】
図1のシステム(1)は、カプセル(2)の底(18)に少なくとも1つの入口開口部(25)を作り出して、この入口開口部(25)を介して流体を抽出可能な製品へ供給するために、この底(18)を刺し貫くための底貫通手段(24)を備えている。
【0060】
さらに図1のシステム(1)は、カプセル(2)の蓋(14)を刺し貫くための蓋貫通手段(26)(これは支持部材(8)の突起として実施されている)を備えている。内部空間(22)の(流体)圧が閾値圧を超えて、蓋(14)を蓋貫通手段(26)に対して十分な力で押し付けると、蓋貫通手段(26)は、蓋(14)を切り裂くように配置されることが可能である。蓋(14)は、例えば切り裂きうる箔(例えばアルミニウムで作られた)を備えてよい。
【0061】
本実施例においては、さらにカップ(12)は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をした複数の突出部を備えている。本実施例においては、リッジ(28.i)は、フランジ様の縁(20)の上に配置されている。ここで、リッジ(28.i)は、蓋(14)から離れる方向を向くフランジ様の縁(20)の側に配置されている。より一般的には、リッジ(28.i)はカップ(12)の外側方向へ延在する。本実施例においては、リッジ(28.i)はカップ(12)と同じ材料で作られている。本実施例においては、リッジ(28.i)はカップ(12)と一体化されている。
【0062】
図1から分かるように、使用中に、リッジ(28.i)は囲い部材(6)の先端部(30)に当接しうる。本実施例において、少なくとも1つのリッジ(28.i)が囲い部材(6)の先端部(30)の少なくとも一部分に当接するとき、少なくとも1つのリッジ(28.i)が囲い部材(6)の先端部(30)の少なくとも一部分に当接する位置で、封止的係合が囲い部材(6)とカプセル(2)との間で得られる。
【0063】
図1に示されるシステム(1)は、一杯のコーヒー(この場合は、抽出可能な製品は焙煎され挽かれたコーヒーである)を用意するために、以下のように操作される。
【0064】
カプセル(2)は囲い部材(6)の中に置かれる。支持部材(8)はカプセル(2)と接触するようにされる。底貫通手段(24)は、入口開口部(25)を作るためにカプセル(2)の底(18)を刺し貫く。流体(ここでは圧力下の湯)は、この入口開口部(25)を介して、内部空間(22)内の抽出可能な製品に供給される。この湯は、コーヒー飲料を作るために、挽かれたコーヒーを濡らし且つ所望の物質を抽出するであろう。
【0065】
圧力下の湯を内部空間(22)へ供給する間に、カプセル(2)内部の圧力は、上昇しうる。この圧力の上昇は、蓋(14)を変形し、そして蓋貫通手段(26)に対して押し付けるであろう。一度圧力が一定の水準に達すると、蓋(14)の引裂強度を上回り、そして蓋は蓋貫通手段(26)によって破裂し、出口開口部を作るであろう。用意されたコーヒーは、この出口開口部および支持部材(8)の出口(32)を介して、カプセル(2)から流れ出るであろう。そして、容器、例えばカップ(図示されない)に供給されうる。」
「【0066】
図2は、本発明の1局面に従うカプセルの別の実施態様の概略図である。この図においては、カプセルの一部分の垂直断面の略図が示されている。カプセル(110)は、抽出可能な製品を容れておくための内部空間の少なくとも一部分を規定するように考えられた内表面(102b)を有している壁(102)を備えている。カプセルの外表面(102a)は、フランジ様の縁(104)に対して直交してまたは斜めに配置されうる。フランジ様の縁(104)は、飲料抽出デバイスの収容器(108)の表面(109)と協働するように考えられた上部表面(104a)を備えている。フランジ様の縁(104)は、壁(102a)の基底と終端リング(106)との間に実質的に平坦な部分を有しうる。終端リング(106)は、カプセルに対して収容器(108)を中心に置くために備えられうる。収容器(108)の部分が実質的にカプセルを包むように、収容器(108)はカプセル(110)を受け取るように形作られてよいことが理解されるであろう。」
「【0070】
図3は、本発明の1局面に従うカプセルの実施態様の概略図を示し、カプセル(120)と収容器(108)との幾何的形状は、図2を参照して議論したものと実質的に同じである。
【0071】
この特別な実施態様においては、突出部は、複数の個別の細長い部材(117)を備えており、これら個別の細長い部材は、同じ高さを有していてもよく、また異なる高さ(h1、h2)を有していてもよい。個別の細長い部材の様々な実施態様が想像されることが理解されるであろう。第1に、該部材は、ブラッシ様構造体、該構造体は適切な接着剤を使って表面(104a)に接着されうる、として提供されてよい。これら個別の部材は、プラスチック、合成毛髪等から製作されうる。これら個別の部材は、例えば、カップ(102、104、106)と同じ物質から作られうる。これら個別の部材は、例えばカップと該部材との同時の射出成形によって、例えばカップと一体化されうる。突出部(117)は、カプセルの縁の周辺に沿う外周構造体として提供されてもよい。好ましくは、この外周構造体は、カプセルの回転軸(図示されていない)と同心である。また、2以上の外周的に配置された突出部(117)が備えられうる。例えば、1つの外周突出部が、縁-壁境界にまたは近傍に備えられてよく、そして2番目の外周突出部が、縁/リング境界に備えられてよく、それによって、起こりうる微少な漏洩に対する2番目のバリアを提供する。追加的または代案として、突出部(117)は、表面(104a)に沿う多数の孤立した島として、備えられうる。そのような島は、2次元パターン、例えば、市松模様として備えられうる。または、それらの島は、他の適切なパターンに沿って備えられてもよい。図3の実施例においては、個別の部材は、真っ直ぐであるように描かれている。また、個別の部材は曲がりまたは渦巻いていることが可能であることも理解されるであろう。該部材が、結び合わされ、例えば、フリース様の構造体を形成しうることが理解されよう。そのようなフリース様の構造体は、カップと共に射出成形されてもよい。」
「【0115】
第1の実施態様においては、フランジ様の縁の表面は、全体としてレベルH3まで持ち上げられることができ、高さは0.8~1.0mmになりうる。このような仕方で、実質的に上昇された突出部が備えられ、カプセル(102a)の外側表面に継ぎ目無しに接続されうる。好ましくは、該突出部(104”)は、実質的に柔らかく変形可能な材料で作られる。一層好ましくは、カプセルは、同一の柔らかく変形可能な材料で作られ、それによって該突出部(104”)はカプセルと本質的に一体化される。例えば、そのような構造は適当な成形技術によって作られうる。」
「【0120】
もし囲い部材がカプセルのフランジ様の縁に接するための先端部を有するときは、この先端部はまた、複数の径方向に延在している溝の形の不規則性を備えうることが理解されるであろう。またそのような場合においては、封止的係合が、本発明に従う囲い部材の先端部とカプセルのリッジとの間に得られうる。」
「
[図:0001387905000001.jpg]
[図:0001387905000002.jpg]
[図:0001387905000003.jpg]
」
(2)上記(1)から分かること
ア 上記(1)の段落0001、0005及び0056並びに図1の記載によれば、引用文献1には、カプセル2内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセル2から摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムが記載されていることが分かる。
イ 上記(1)の段落0056及び0057並びに図1の記載によれば、摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムは、カプセル2を受け取るための囲い部材6を備える飲料抽出デバイス4を備えていることが分かる。
ウ 上記(1)の段落0057並びに図1の記載によれば、囲い部材6は、加圧下の流体をカプセル2内に供給するための流体供給器具10を備えていることが分かる。
エ 上記(1)の段落0056並びに図1の記載によれば、飲料抽出デバイス4はさらに、該飲料抽出デバイス4の囲い部材6を閉じるための支持部材8を備えていることが分かる。
オ 上記(1)の段落0057及び0061並びに図1の記載によれば、飲料抽出デバイス4の該囲い部材6はさらに、カプセル2の外周壁16を囲う部分の中心軸および先端部30を有するカプセル2の外周壁16を囲う部分を備えていることが分かる。
ここで、飲料抽出デバイス4の囲い部材6(収容器)が備えるカプセル2の外周壁16を囲う部分がその中心軸を有することについては、カプセル2の外周壁16を囲う部分が囲う対象であるカプセルのカップに関する段落0061の「本実施例においては、さらにカップ(12)は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をした複数の突出部を備えている。」との記載及び図1の記載から分かり、このことは、カップの他の実施態様に係る段落0066の「フランジ様の縁(104)は、壁(102a)の基底と終端リング(106)との間に実質的に平坦な部分を有しうる。終端リング(106)は、カプセルに対して収容器(108)を中心に置くために備えられうる。」との記載及び図2の記載並びに段落0071の「突出部(117)は、カプセルの縁の周辺に沿う外周構造体として提供されてもよい。好ましくは、この外周構造体は、カプセルの回転軸(図示されていない)と同心である。」との記載及び図3の記載からも分かる。
カ 上記(1)の段落0120の記載によれば、カプセル2の外周壁16を囲う部分の先端部30は径方向に延在している複数の溝を任意的に備えていてもよいことが分かる。
キ 上記(1)の段落0056~0058及び図1の記載によれば、摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムは、加圧下の流体をカプセル2内に供給することによって抽出可能な製品を抽出することによって摂取に適する所定量の飲料を用意するための該抽出可能な製品を容れるカプセル2を備えていることが分かる。
ク 上記(1)の段落0058及び0061並びに図1の記載によれば、カプセル2は、カプセルの回転軸を有するカップ12を備え、該カップ12は、底18と、外周壁16と、外向きに延在しているフランジ様の縁20とを備えていることが分かる。
カプセル2が、カプセルの回転軸を有するカップ12を備えることについては、カップの他の実施態様に係る段落0071の「突出部(117)は、カプセルの縁の周辺に沿う外周構造体として提供されてもよい。好ましくは、この外周構造体は、カプセルの回転軸(図示されていない)と同心である。」との記載からも分かる。
ケ 上記(1)の段落0058及び0060並びに図1の記載によれば、カプセル2は、外向きに延在しているフランジ様の縁20に取り付けられたアルミニウムで作られた蓋14を備え、該蓋14は該カプセル2を密閉的に閉じていることが分かる。
コ 上記(1)の段落0061及び0062並びに図1の記載によれば、カプセル2は、飲料抽出デバイス4の囲い部材6に封止的係合を与えるために、外向きに延在しているフランジ様の縁20に複数の突出部を備え、該カプセル2が飲料抽出デバイス4の囲い部材6内に置かれ、かつ該囲い部材6が該飲料抽出デバイス4の支持部材8によって閉じられる場合に、該カプセル2の該外向きに延在しているフランジ様の縁20と該カプセル2の該突出部の少なくとも1部分とが、該飲料抽出デバイス4の該囲い部材6と該支持部材8との間で封止的に係合していることが分かる。
サ 上記(1)の段落0061及び0062並びに図1の記載を上記コと合わせてみると、複数の突出部は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をしたものであり、該リッジ(28.i)は、カップ12と同じ材料で作られ、カップ12と一体化されており、かつ蓋14の反対側に、外向きに延在しているフランジ様の縁20の表面の上に設けられていることが分かる。
シ 上記(1)の請求項1~3及び11、段落0070及び0071並びに図3の記載を段落0066及び図2の記載及び上記ア~サと合わせてみると、引用文献1には、カプセル120内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセル120から摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムに備えられ、カップ102、104、106を備え、該カップ102、104、106の外向きに延在しているフランジ様の縁104に取り付けられたアルミニウムで作られた蓋14を備え、飲料抽出デバイス4の囲い部材6に封止的係合を与えるために、該外向きに延在しているフランジ様の縁104に複数の突出部を備えたカプセル120が記載されていることが分かる。
ス 上記(1)の請求項1~3、11及び23、段落0014、0015、0070、0071及び0115並びに図3の記載を上記ア~シと合わせてみると、カプセル120において、突出部は、該カプセル120が飲料抽出デバイス4の囲い部材6内に置かれかつ該囲い部材6が該飲料抽出デバイス4の支持部材8によって閉じられた場合に変形可能である個別の細長い部材117を備え、該個別の細長い部材117は、カップ102、104、106と同じ物質から作製されており、かつ該カップ102、104、106と一体的に構成されておらず、かつ該蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁104の表面の上に設けられていることが分かる。
ここで、個別の細長い部材117が、カップ102、104、106と一体的に構成されていない(一体成形されていない)ことは、段落0071において、接着剤を使ってカップ102、104、106の表面に接着する記載があることから分かる。
また、個別の細長い部材117が、蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁104の表面の上に設けられていることは、カプセル120はカップ102、104、106は図1の実施形態のカプセル2と同様に蓋14で密閉的に閉じられており、図3の記載から見て取れる。
(3)引用発明
上記(1)及び(2)のア~サを総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「カプセル2内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセル2から摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムであって、
該カプセル2を受け取るための囲い部材6を備える飲料抽出デバイス4であって、該囲い部材6は、加圧下の流体を該カプセル2内に供給するための流体供給器具10を備え、該飲料抽出デバイス4はさらに、該飲料抽出デバイス4の該囲い部材6を閉じるための支持部材8を備え、該飲料抽出デバイス4の該囲い部材6はさらに、カプセル2の外周壁16を囲う部分の中心軸および先端部30を有するカプセル2の外周壁16を囲う部分を備え、該カプセル2の外周壁16を囲う部分の前記先端部30は径方向に延在している複数の溝(開放溝)を任意的に備えていてもよい、上記飲料抽出デバイス4と、
加圧下の流体をカプセル2内に供給することによって抽出可能な製品を抽出することによって摂取に適する所定量の飲料を用意するための該抽出可能な製品を容れるカプセル2であって、該カプセル2は、カプセルの回転軸を有するカップ12を備え、該カップ12は、底18と、外周壁16と、外向きに延在しているフランジ様の縁20とを備え、該カプセル2はさらに、該外向きに延在しているフランジ様の縁20に取り付けられたアルミニウムで作られた蓋14を備え、該蓋14は該カプセル2を密閉的に閉じ、該カプセル2はさらに、該飲料抽出デバイス4の囲い部材6に封止的係合を与えるために、該外向きに延在しているフランジ様の縁20に複数の突出部を備え、該カプセル2が飲料抽出デバイス4の囲い部材6内に置かれ、かつ該囲い部材6が該飲料抽出デバイス4の支持部材8によって閉じられる場合に、該カプセル2の該外向きに延在しているフランジ様の縁20と該カプセル2の該複数の突出部の少なくとも1部分とが、該飲料抽出デバイス4の該囲い部材6と該支持部材8との間で封止的に係合し、上記カプセル2において、該複数の突出部は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をしたものであり、該リッジ(28.i)は、該カップ12と同じ材料で作られ、カップ12と一体化されており、かつ該蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁20の表面の上に設けられている、上記カプセル2と
を備えている上記システム。」
(4)引用文献1の技術事項
上記(1)並びに(2)のシ及びスを総合すると、引用文献1には、次の事項(以下「引用文献1の技術事項」という。)が記載されていると認める。
「カプセル120内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセル120から摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムに備えられ、カップ102、104、106を備え、該カップ102、104、106の外向きに延在しているフランジ様の縁104に取り付けられたアルミニウムで作られた蓋14を備え、飲料抽出デバイス4の囲い部材6に封止的係合を与えるために、該外向きに延在しているフランジ様の縁104に突出部を備えた上記カプセル120において、
該突出部は、該カプセル120が該飲料抽出デバイス4の該囲い部材6内に置かれかつ該囲い部材6が該飲料抽出デバイス4の支持部材8によって閉じられた場合に変形可能である個別の細長い部材117を備え、該個別の細長い部材117は、上記カップ102、104、106と同じ物質から作製されており、かつ該カップ102、104、106と一体的に構成されておらず、かつ該蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁104の表面の上に設けられていること」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に周知技術の例証として引用された引用文献であって、本願の優先日前に頒布された引用文献2には、「Capsule with relief-shaped sealing member(レリーフ状のシール部材を有するカプセル)」に関し、次の記載がある。なお、翻訳文は当審によるものである。
「[0019] The sealing member is preferably resilient due to its shape and/or the material used. However, the sealing member may as well be of rigid material. Thereby, the sealing member may for example be of a constituent material of the capsule body and/or rim portion.」
<翻訳文>
「[0019] 封止部材は、その形状および/または使用される材料のために弾性であることが好ましい。しかしながら、シール部材は、剛直な材料で作ることができる。これにより、封止部材は、例えば、カプセル本体および/または縁部の構成材料とすることができる。」
「[0031] The body and rim portion of the capsule according to the present invention are preferably made of plastics or a metal such as e.g. aluminum. 」
<翻訳文>
「[0031] 本発明に係るカプセルの本体及び縁部はプラスチック、または例えばアルミニウムのような金属から作られることが好ましい。」
「[0041] The capsule further comprises a sealing member 8 which is arranged at the rim portion 2 of the capsule. The sealing member 8 can be integrally formed with the capsule 10 or formed as a separate piece. In the latter case the sealing member may be mounted releasably to the rim portion 2 or fixed thereto e.g. by a welding technique or by means of an adhesive.」
<翻訳文>
「[0041] カプセルはさらに、カプセルのリム部2に配置されたシール部材8を備えている。封止部材8は、一体的にカプセル10が形成されても良く又は別個の部品として形成することができる。後者の場合には、封止部材は、縁部2に着脱可能に取り付けられ、例えば溶接技術または接着等の手段で固定されてもよい。」
「
[図:0001387905000004.jpg]
[図:0001387905000005.jpg]
」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に周知技術の例証として引用された引用文献であって、本願の優先日前に頒布された引用文献3には、「使い捨てのカプセルから飲料を製造するための飲料製造装置」に関し、次の記載がある。
「【0030】
調製ユニットは、調製すべき飲料原料を収容している使い捨てのカプセル8を収容するように構成されている。用語「カプセル」は、任意の可撓、半剛体、および/または剛体容器を包含する。好ましくは、カプセルは、アルミニウムおよび/またはプラスチックで製作された気密容器であって、ユニットの適切な開放手段によって開かれて、水を受け入れる。」
「
[図:0001387905000006.jpg]
」
4 引用文献4について
本願明細書の段落0004において公知のシステムが記載された文献として挙げられた欧州特許第1700548号のファミリー文献であり、当審において周知技術及び周知事項の例証として新たに引用する文献であって、本願の優先日前に頒布された特表2008-517639号公報(以下「引用文献4」という。)には、「シール手段を有するカプセルを用いたシステム」に関し、次の記載がある。
「【0071】
本発明において、カプセル1の外面は専用のシール部材8を形成する。シール部材8は、使用される材料及び/又はシール部材8の幾何学的形状に起因して弾性を有することができる。
【0072】
また、シール部材8は、カプセル1と一体であってもよく或いは別個の部品であってもよい。後者の場合、シール部材は、ベース本体4に対して取り外し可能に装着することができ、或いは、例えば溶着又は接着剤によりベース本体に対して固定することができる。
【0073】
シール部材8がカプセル1に対して取り付けられる別個の部品である場合には、シール部材を1つの一体部品としてカプセルに対して取り付けることができる。或いは、シール部材は、流体又は粘り気のある形態で塗布することができ、その後、カプセルの外面に塗布されると直ぐに硬化することができ(例えば重合することができ)、これは例えばシリコンを塗布するケースである。
【0074】
シール部材8のために弾性材料が使用される場合には、ゴム弾性材料が使用されることが好ましい。「ゴム弾性」という用語は、エラストマー、シリコン、プラスチック、ラテックス、バラタ又は他のものを含むがこれらに限定されないゴム弾性を有する任意の適当な材料を意味している。特に、適した材料は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンモノマー)、NBR(アクリロニトリルゴム)、TPE(熱可塑性エラストマー)又はシリコンゴムである。これらの材料は、特定の良好な伸縮特性を有しており、クラッキングを伴うことなく高温に耐えることができる。
【0075】
シール部材の材料がカプセルのために使用される材料(例えば、アルミニウムやプラスチックなどの金属)と同じである場合には、シール部材の弾性的という性質がシール部材の幾何学的形状によって得られることが好ましい。」
「【0093】
図6は、図2の第1の実施形態の変形に実質的に対応する一実施形態を示している。この実施形態に係るシール部材8は圧縮でき及び/又は変位できる(すなわち、囲繞部材によって加圧されると僅かに「流れる」)。シール部材は、側壁7の一部及びカプセル1のフランジ状リム6の外端と上記側壁7との間の領域の両方を覆っている(シール部材は、カプセル1のベース本体4の側壁7の一部だけを覆うこともできる)。この実施形態に係るシール部材8は非対称な断面すなわちL字形状断面を有している。
【0094】
或いは、シール部材8は、例えばカプセルに貼り付けられる膜、Oリングなどの他の形状を有することができる。」
「
[図:0001387905000007.jpg]
[図:0001387905000008.jpg]
」
5 引用文献5について
当審において周知事項の例証として新たに引用する文献であって、本願の優先日前に頒布された国際公開第2014/198474号(以下「引用文献5」という。)には、「CARTRIDGE FOR SOLUBLE PRODUCTS WITH SEALING MEMBER(密封部材を用いた可溶性製品のカートリッジ)」に関し、次の記載がある。なお、翻訳文はファミリー文献である特表2016-526960号公報を参考にしたものである。
「Advantageous embodiments of the invention form the object of the dependent claims. Substantially the cartridge according to the invention, designed to be inserted in an extraction apparatus for the preparation of beverages and having a cup, cylindrical or truncated cone shape, with a perimeter flange at the side of output of the beverage, is provided with a sealing member at this flange, constituted by an annular seat open in the direction of output of the beverage from the cartridge, delimited on the base by a wall of smaller thickness with respect to the rest of the flange, so as to deform during the mechanical action of closure of the extraction chamber, going to adhere perfectly to the aforesaid irregularities, ensuring a hermetic seal.
The aforesaid annular sealing seat is made in a single body with the cartridge, which can be in PP, coextruded PP/EVOH/PP, aluminium, PET, PBT, PLA or similar materials, and the aforesaid base wall has a thickness comprised between 0.1 and 0.8 mm. 」(3ページ2~14行)
<翻訳文>
「本発明の好適な実施形態は、従属請求項の対象物を構成する。本質的には、本発明に係るカートリッジは、飲料を調製する抽出装置内に挿入されるために設計され、飲料の出力側に配置された周縁フランジを備えた円柱形状のまたは先が切り捨てられた円錐形状のカップを有し、当該フランジに配置された密封部材が設けられる。密封部材は、カートリッジから飲料が出力する方向に開口した環状シートによって構成される。これにより、環状シートは、抽出室を塞ぐ機械的動作中に変形でき、上記フランジの残りの部分よりも厚さが薄い壁によって基部において区切られ、抽出室は上記凹凸に完全に付着し、凹凸は密封したシールを保証することが可能となる。
上記の環状密封シートは、カートリッジと合わせて単体として生成される。環状密封シートは、PP、共押出PP/EVOH/PP、アルミニウム、PET、PBT、PLA、または同様の材料から生成されることが可能である。上記基部壁は、0.1mmから0.8mmまでの厚さとして構成される厚さを有する。」
「7. Cartridge according to any one of the previous claims, wherein said sealing member (30) is made of PP, coextruded PP/EVOH/PP, PET, PBT, PLA, aluminium or the like. 」(8ページ33~34行)
<翻訳文>
「7. 上記密封部材(30)は、PP、共押出PP/EVOH/PP、PET、PBT、PLA、アルミニウム等から成ることを特徴とする先の請求項のいずれか1項に記載のカートリッジ。 」
「
[図:0001387905000009.jpg]
[図:0001387905000010.jpg]
[図:0001387905000011.jpg]
[図:0001387905000012.jpg]
」
第5 対比
本願発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者の「カプセル2」は、前者の「カプセル」に相当し、同様に、「流体」は「流体」に、「摂取に適する所定量の飲料」は「飲用可能な飲料」に、「用意する」は「調製する」に相当する。
そして、後者の、「カプセル2内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセル2から摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステム」は、前者の「カプセル内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム」に相当する。
・後者の「囲い部材6」は、前者の「囲み部材」に相当し、以下同様に、「飲料抽出デバイス4」は「飲料調製装置」に、「流体供給器具10」は「流体供給手段」に、「支持部材8」は「閉じ部材、例えば抽出プレート」に、「カプセル2の外周壁16を囲う部分の中心軸」は「環状要素中心軸」に、「先端部30」は「自由接触端部」に、「カプセル2の外周壁16を囲う部分」は「環状要素」に、「径方向」は「半径方向」に、「溝」は「開放溝」に、「抽出可能な製品」は「物質」に、「抽出」は「抽出及び/又は溶解」に、「カプセルの回転軸」は「カプセル本体中心軸」に、「底18」は「底」に、「外周壁16」は「側壁」に、「フランジ様の縁20」は「フランジ」に、「アルミニウムで作られた蓋14」は「アルミニウム蓋」に、「封止的係合」は「流体封止接触」に、「複数の突出部」は「封止部材」に、それぞれ相当する。
・後者の「カップ12」は、前者の「アルミニウムカプセル本体」に、「カプセル本体」という点で一致する。
・後者の「上記カプセル2において、該複数の突出部は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をしたものであり、該リッジ(28.i)は、該カップ12と同じ材料で作られ、カップ12と一体化されており、かつ該蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁20の表面の上に設けられている」態様は、前者の「上記カプセルにおいて、該封止部材は、該カプセルが該飲料調製装置の該囲み部材内に置かれかつ該囲み部材が閉じられた場合に変形可能である別途のクラッシュ可能な要素を備え、該別途のクラッシュ可能な要素は、アルミニウムから作製されており、かつ該アルミニウムカプセル本体と一体的に構成されていず、かつ該蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられている」態様に、「上記カプセルにおいて、該封止部材は、所定の要素を備え、該所定の要素は、所定の材料から作製されており、かつ該蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられている」点で一致する。
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「カプセル内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムであって、
該カプセルを受け取るための囲み部材を備える飲料調製装置であって、該囲み部材は、加圧下の流体を該カプセル内に供給するための流体供給手段を備え、該飲料調製装置はさらに、該飲料調製装置の該囲み部材を閉じるための閉じ部材、例えば抽出プレートを備え、該飲料調製装置の該囲み部材はさらに、環状要素中心軸および自由接触端部を有する環状要素を備え、該環状要素の前記自由接触端部は半径方向に延在している複数の開放溝を任意的に備えていてもよい、上記飲料調製装置と、
加圧下の流体をカプセル内に供給することによって物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための該物質を容れるカプセルであって、該カプセルは、カプセル本体中心軸を有するカプセル本体を備え、該カプセル本体は、底と、側壁と、外向きに延在しているフランジとを備え、該カプセルはさらに、該外向きに延在しているフランジに取り付けられたアルミニウム蓋を備え、該蓋は該カプセルを密閉的に閉じ、該カプセルはさらに、該飲料調製装置の囲み部材に流体封止接触を与えるために、該外向きに延在しているフランジに封止部材を備え、該カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に置かれ、かつ該囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられる場合に、該カプセルの該外向きに延在しているフランジと該カプセルの該封止部材の少なくとも1部分とが、該飲料調製装置の該囲み部材と該閉じ部材との間で封止的に係合し、上記カプセルにおいて、該封止部材は、所定の要素を備え、該所定の要素は、所定の材料から作製されており、かつ該蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられている、上記カプセルと
を備えている上記システム。」
[相違点1]
「カプセル本体」に関し、本願発明では、「アルミニウムカプセル本体」であるのに対して、引用発明では、「カップ12」が「カプセル本体」といえるものの、アルミニウム製であることは特定されていない点。
[相違点2]
「封止部材」に関し、本願発明では、「上記カプセルにおいて、該封止部材は、該カプセルが該飲料調製装置の該囲み部材内に置かれかつ該囲み部材が閉じられた場合に変形可能である別途のクラッシュ可能な要素を備え、該別途のクラッシュ可能な要素は、アルミニウムから作製されており、かつ該アルミニウムカプセル本体と一体的に構成されていず、かつ該蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられている」のに対して、引用発明では、「上記カプセル2において、該複数の突出部は、実質的に同心外周状リッジ(28.i)(i=1,2,3)の形状をしたものであり、該リッジ(28.i)は、該カップ12と同じ材料で作られ、カップ12と一体化されており、かつ該蓋14の反対側に、該外向きに延在しているフランジ様の縁20の表面の上に設けられている」ものであって、アルミニウムから作製された別途のクラッシュ可能な要素を備えるものではない点。
第6 判断
1 相違点の検討
(1)相違点1について
上記第4の1で摘記した引用文献1の段落0003の記載及び上記第4の2~4で摘記した引用文献2~4の記載から理解できるように、カプセル内に加圧下で供給された流体を用いて該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムにおいて、上記カプセルのカプセル本体をアルミニウム製とすることは、本願の優先日前に周知の技術(以下「周知技術」という。)である。
そして、引用発明と周知技術は、カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムという技術分野において共通しており、引用発明に周知技術を適用してカプセル2(カプセル)のカップ12(カプセル本体)をアルミニウム製とし、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(2)相違点2について
上記第4の1(4)で示した引用文献1の技術事項は、上記第5の対比を踏まえて本願発明の用語で表現すると、次のとおりのものといえる(なお、括弧内に引用文献1の技術事項の用語を示す。)。
「カプセル(カプセル120)内に加圧下で供給された流体(流体)を用いて該カプセルから飲用可能な飲料(摂取に適する所定量の飲料)を調整する(用意する)ためのシステム(システム)に備えられ、カプセル本体(カップ102、104、106)を備え、該カプセル本体の外向きに延在しているフランジ(フランジ様の縁104)に取り付けられたアルミニウム蓋(アルミニウムで作られた蓋14)を備え、飲料調整装置(飲料抽出デバイス4)の囲み部材(囲い部材6)に流体封止接触(封止的係合)を与えるために、該外向きに延在しているフランジに封止部材(突出部)を備えた上記カプセルにおいて、
該封止部材は、該カプセルが該飲料調製装置の該囲み部材内に置かれかつ該囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材(支持部材8)によって閉じられた場合に変形可能である別途のクラッシュ可能な要素(個別の細長い部材117)を備え、該別途のクラッシュ可能な要素は、上記カプセル本体と同じ物質から作製されており、かつ該カプセル本体と一体的に構成されておらず、かつ該アルミニウム蓋の反対側に、該外向きに延在しているフランジの表面の上に設けられていること」
この引用文献1の技術事項は、封止部材が備える別途のクラッシュ可能な要素が、アルミニウムから作製されていることを除き、上記相違点2に係る本願発明の構成と同様の構成を有するものである。
そして、引用文献1の技術事項は、引用発明におけるカプセル2の別の実施態様に関するものであり、引用発明の複数の突出部と代替可能な突出部の構成を特定したものであるから、引用発明に引用文献1の技術事項を適用することは、当業者にとって格別困難なことではない。
ここで、引用発明に引用文献1の技術事項を適用したものにおいて、カプセル2(カプセル)のフランジ様の縁20(フランジ)には個別の細長い部材117(別途のクラッシュ可能な要素)を備えた突出部(封止部材)が備えられ、当該突出部(封止部材)が備える個別の細長い部材117(別途のクラッシュ可能な要素)は、カップ12(カプセル本体)と同じ物質から作製されたものとなるところ、上記相違点1で検討したとおり、カップ12(カプセル本体)をアルミニウム製とすることは周知技術であるから、突出部が備える個別の細長い部材117は、アルミニウムから作製されたものとなる。
なお、上記第4の4及び5で摘記した引用文献4及び5の記載から理解できるように、複数の部材間で流体の封止を行うのに、アルミニウムから作製された封止部材を用いることは、本願の優先日前に周知の事項(以下「周知事項」という。)であるから、封止突出部が備える個別の細長い部材117をアルミニウムから作製されたものとすることは、技術的に困難であるとは認められない。
そうすると、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、引用文献1の技術事項及び周知技術に基づき、当業者が容易になし得たことである。
2 効果について
そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、引用文献1の技術事項及び周知技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。
3 請求人の主張について
請求人は、令和3年6月15日に提出された審判請求書についての手続補正書(方式)の2ページ25行から4ページ10行の3.(3)~(5)において、引用文献1には、カプセル本体(カップ)及び封止部材(リッジ又は個別の細長い部材)がプラスチックから作製されたものが記載されており、カプセル本体及び封止部材がアルミニウムから作製されたものは記載されていないとして、カプセル本体及び封止部材をアルミニウムから作製されたものとすることは容易に想到することではない旨を主張するが、引用文献1の段落0003、0004、0036、0071及び0099におけるカプセル本体及び封止部材をプラスチックから作製することの記載は、カプセル本体及び封止部材に用いられる材料の一例を示しているにすぎず、カプセル本体及び封止部材の材料としてアルミニウムを用いることを除外するものとはいえないこと、また、上記周知事項及びアルミニウムが変形可能で薄く成形することが可能であることを考慮すると、カプセル本体及び封止部材(個別の細長い部材)をアルミニウムから作製されたものとすることが格別困難であるとは認められないから、請求人の上記主張は採用することができない。
4 まとめ
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献1の技術事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-005693