特許拒絶査定不服審判
2016-011654
ナビゲーション装置
- 審判番号
- 2016-011654
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-086930外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年08月03日
- 審決日
- 2017年07月18日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G01C) / P18 .571-Z (G01C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012- 86930「ナビゲーション装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月24日出願公開、特開2013-217713〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成24年4月6日の出願であって、平成27年11月16日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月26日に意見書が提出されたが、平成28年6月3日付けで拒絶査定がされ、これに対して、平成28年8月3日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に明細書及び特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
2.平成28年8月3日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)について
(1)本件補正の内容
平成28年8月3日提出の手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の(すなわち、出願当初の)特許請求の範囲の請求項1ないし16の下記アの記載を、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし14の下記イの記載へと補正するものである。
ア 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし16
「【請求項1】
地図画像を表示する描画データを作成する地図描画手段と、
交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記交通情報受信手段によって交通情報を受信したときに、所定のネットワークを介して、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段と、
前記地図画像とともに、前記交通情報受信手段によって受信した交通情報と、前記発言情報取得手段によって取得した発言情報とを表示する表示処理手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
発信される前記発言情報の中から所定の検索条件を満たす前記発言情報を抽出する外部装置に対して、前記発言情報取得手段による取得の対象となる前記発言情報を抽出するための検索条件を指定して検索依頼を行う発言情報検索依頼手段をさらに備え、
前記発言情報取得手段は、前記発言情報検索依頼手段の検索依頼に応じて抽出された前記発言情報を前記外部装置から取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、前記交通情報受信手段によって前記交通情報を受信した時刻に対して発言時刻が所定時間以内の前記発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
車両位置を検出する車両位置検出手段をさらに備え、
前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、前記車両位置検出手段によって検出された車両位置周辺の所定範囲内の地名、道路名、位置情報の少なくとも一つが含まれる前記発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2~4のいずれかにおいて、
前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、道路状況を連想するキーワードが含まれる前記発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記表示処理手段による前記発言情報の表示は、前記キーワードに対応する文字列を強調表示して行われることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかにおいて、
前記表示処理手段は、発言時刻とともに前記発言情報の表示を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかにおいて、
前記表示処理手段は、前記地図画像上に前記交通情報と前記発言情報とを重ねて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示処理手段は、前記発言情報において特定される位置に対応付けて前記発言情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1~7のいずれかにおいて、
前記表示処理手段は、前記地図画像上に前記交通情報を重ねた第1の画像と、前記発言情報が配置された第2の画像とを1画面内で並べて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記表示処理手段は、前記第2の画像内において、画面上方から下方に向かって発言時刻が新しい順に前記発言情報を配置することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記表示処理手段は、前記発言情報の数が多くて前記第2の画像内に収まらない場合に前記第2の画像内にスクロールバーを配置し、このスクロールバーが操作されたときに前記発言情報をスクロールして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項10~12のいずれかにおいて、
前記表示処理手段は、前記発言情報に位置情報が付与されている場合に、前記発言情報とともにこの位置情報に対応する住所を示す文字列を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかにおいて、
利用者の操作を受け付ける操作手段をさらに備え、
前記発言情報取得手段による前記発言情報の取得動作、あるいは、前記表示処理手段による前記発言情報の表示動作は、前記操作手段を用いた利用者の指示に応じて行われることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかにおいて、
前記交通情報は、道路交通情報通信システムセンタから送られてくる渋滞情報、事象情報、規制情報を含む交通情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかにおいて、
前記発言情報は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。」
イ 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし14
「【請求項1】
地図画像を表示する描画データを作成する地図描画手段と、
交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記交通情報受信手段によって交通情報を受信したときに、所定のネットワークを介して、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段と、
前記地図画像とともに、前記交通情報受信手段によって受信した交通情報と、前記発言情報取得手段によって取得した発言情報とを表示する表示処理手段と、
発信される前記発言情報の中から所定の検索条件を満たす前記発言情報を抽出する外部装置に対して、前記発言情報取得手段による取得の対象となる前記発言情報を抽出するための検索条件を指定して検索依頼を行う発言情報検索依頼手段と、
を備え、前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、道路状況を連想するキーワードが含まれる前記発言情報であり、前記発言情報取得手段は、前記発言情報検索依頼手段の検索依頼に応じて抽出された前記発言情報を前記外部装置から取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、前記交通情報受信手段によって前記交通情報を受信した時刻に対して発言時刻が所定時間以内の前記発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
車両位置を検出する車両位置検出手段をさらに備え、
前記検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、前記車両位置検出手段によって検出された車両位置周辺の所定範囲内の地名、道路名、位置情報の少なくとも一つが含まれる前記発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項において、
前記表示処理手段による前記発言情報の表示は、前記キーワードに対応する文字列を強調表示して行われることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項において、
前記表示処理手段は、発言時刻とともに前記発言情報の表示を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項において、
前記表示処理手段は、前記地図画像上に前記交通情報と前記発言情報とを重ねて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記表示処理手段は、前記発言情報において特定される位置に対応付けて前記発言情報を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項において、
前記表示処理手段は、前記地図画像上に前記交通情報を重ねた第1の画像と、前記発言情報が配置された第2の画像とを1画面内で並べて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示処理手段は、前記第2の画像内において、画面上方から下方に向かって発言時刻が新しい順に前記発言情報を配置することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記表示処理手段は、前記発言情報の数が多くて前記第2の画像内に収まらない場合に前記第2の画像内にスクロールバーを配置し、このスクロールバーが操作されたときに前記発言情報をスクロールして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項において、
前記表示処理手段は、前記発言情報に位置情報が付与されている場合に、前記発言情報とともにこの位置情報に対応する住所を示す文字列を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項において、
利用者の操作を受け付ける操作手段をさらに備え、
前記発言情報取得手段による前記発言情報の取得動作、あるいは、前記表示処理手段による前記発言情報の表示動作は、前記操作手段を用いた利用者の指示に応じて行われることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項において、
前記交通情報は、道路交通情報通信システムセンタから送られてくる渋滞情報、事象情報、規制情報を含む交通情報であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項において、
前記発言情報は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける発言情報であることを特徴とするナビゲーション装置。」
(なお、下線は、補正箇所を示すために請求人が付したものである。)
(2)本件補正の目的について
本件補正について、請求人は、審判請求書において、次のように述べている。
「(3-1b)補正の根拠の明示
請求項1の補正は、補正前の請求項1の内容を請求項2、5の内容で限定したものである。」
そこで、特許請求の範囲についてみると、本件補正は、実質的に、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項5を本件補正後の請求項1とし、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3を引用する請求項5を本件補正後の請求項2とし、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項4を引用する請求項5、又は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を本件補正後の請求項3とするとともに、本件補正前の請求項1ないし4を削除したものであるといえる。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものに該当する。
また、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところはない。
以上から、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に適合するので、適法な補正である。
3.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年8月3日付け手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに出願当初の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される上記2.(1)イの【請求項1】に記載されたとおりのものと認める。
4.引用文献
4-1.引用文献1
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開2006-47124号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の回転角速度、すなわち、旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示される。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、前記ナビゲーション装置においては、前記地図画面のほかに、受信した渋滞情報が図形として地図上に表示され、運転者が操作部を操作して図形を指定すると、渋滞についての詳細な情報が得られるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003-194568号公報」(段落【0001】ないし【0004】)
(イ)「【0005】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、運転者が操作部を操作して所望の図形を指定する必要があるので、運転中に詳細な情報を得ることが困難である。
【0006】
また、複数の渋滞箇所について、渋滞の詳細な情報を得る場合には、運転者は各図形を指定する必要があるので、操作が煩わしくなってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、運転者が操作部を操作することなく、渋滞の詳細な情報を得ることができる情報提供システム及び情報提供方法のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の情報提供システムにおいては、地図データ及び渋滞情報を取得する情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて表示部に道路地図を表示する道路地図表示処理手段と、前記渋滞情報に基づいて、道路に沿って渋滞指標を表示する渋滞指標表示処理手段と、前記渋滞情報に基づいて、渋滞の詳細な内容を表す渋滞詳細情報を表示する必要性を表示優先度として各渋滞箇所ごとに付与する表示優先度付与処理手段と、前記表示優先度に基づいて、特定の渋滞箇所について、渋滞詳細情報を前記道路地図上に表示する渋滞詳細情報表示処理手段とを有する。
【0009】
本発明の他の情報提供システムにおいては、さらに、前記表示優先度付与処理手段は、複数の評価項目について表示優先度を付与する。そして、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、各渋滞箇所ごとに表示優先度を加算することによって総和優先度を算出し、少なくとも、該総和優先度が最も高い渋滞箇所について渋滞詳細情報を表示する。
【0010】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記表示優先度付与処理手段
は、前記渋滞情報の渋滞度及び渋滞長に基づいて表示優先度を付与する。
【0011】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、地図データ及び渋滞情報を取得する情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて表示部に道路地図を表示する道路地図表示処理手段と、前記渋滞情報に基づいて、渋滞の詳細な内容を表す渋滞詳細情報を表示する必要性を、渋滞の発生箇所、渋滞の方向、道路種別、渋滞度、渋滞長及び渋滞の発生箇所までの距離のうちの少なくとも一つの評価項目について評価し、表示優先度として各渋滞箇所ごとに付与する表示優先度付与処理手段と、前記表示優先度に基づいて、特定の渋滞箇所について、渋滞詳細情報を前記道路地図上に表示する渋滞詳細情報表示処理手段とを有する。
【0012】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞詳細情報を道路地図上の所定の箇所に文字で表示する。
【0013】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞詳細情報を道路地図上の所定の箇所に図形で表示する。
【0014】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞の発生箇所までの道路の強調表示を行うことによって渋滞詳細情報を表示する。
【0015】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞箇所拡大図を形成することによって渋滞詳細情報を表示する。
【0016】
本発明の更に他の情報提供システムにおいては、さらに、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞詳細情報が表示される渋滞箇所について渋滞指標の強調表示を行う。
【0017】
本発明の情報提供方法のプログラムにおいては、コンピュータを、地図データ及び渋滞情報を取得する情報取得処理手段、前記地図データに基づいて表示部に道路地図を表示する道路地図表示処理手段、前記渋滞情報に基づいて、道路に沿って渋滞指標を表示する渋滞指標表示処理手段、前記渋滞情報に基づいて、渋滞の詳細な内容を表す渋滞詳細情報を表示する必要性を表示優先度として各渋滞箇所ごとに付与する表示優先度付与処理手段、並びに前記表示優先度に基づいて、特定の渋滞箇所について、渋滞詳細情報を前記道路地図上に表示する渋滞詳細情報表示処理手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、渋滞情報に基づいて、渋滞詳細情報を表示する表示優先度が各渋滞箇所ごとに付与され、前記表示優先度に基づいて、特定の渋滞箇所について、渋滞詳細情報が道路地図上に表示されるので、運転者が操作部を操作することなく、渋滞の詳細な情報を得ることができる。」(段落【0005】ないし【0018】)
(ウ)「【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【0021】
図において、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能し、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には、車速検出部としての車速センサ41も接続される。
【0022】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるが、該GPSセンサ15に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0023】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。また、前記地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。
【0024】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用される第1の記録媒体としてのRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録された第2の記録媒体としてのROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される第3の記録媒体としての図示されないフラッシュメモリを備える。なお、前記制御装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0025】
また、前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、第4の記録媒体としてのハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。なお、前記データ記録部16に第5の記録媒体としてメモリカード等を使用することができる。
【0026】
ところで、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をハードディスク等に記録することもできる。この場合、ハードディスク等から前記プログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ハードディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うために自動変速機制御装置が搭載されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ハードディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、フラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0027】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0028】
前記表示部35としてはディスプレイを使用することができる。そして、表示部35に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0029】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0030】
前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の図示されない道路交通情報センタから送信された各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。そして、前記ビーコンレシーバによって、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等の交通情報を受信したり、前記FM受信機によって前記交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報をFM多重情報として受信したりすることができる。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0031】
前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別データ、メッシュとしての2次メッシュを特定するための2次メッシュX、Yデータ、二つの地点(例えば、交差点)間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報等を含み、該リンク情報は、例えば、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞の度合いを表す渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離で表す渋滞長、各道路リンクの所要時間であるリンク所要時間等から成る。
【0032】
また、通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタ51から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記通信部38と情報センタ51とはネットワーク43を介して接続される。
【0033】
前記ナビゲーション装置14、道路交通情報センタ、情報センタ51、ネットワーク43等によってナビゲーションシステムが構成され、前記通信部38と情報センタ51の通信部57との間で各種の情報の送受信が行われる。
【0034】
また、前記ネットワーク43として、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信回線網等を使用することができる。
【0035】
前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された前記通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備え、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、前記データベース58に前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータを記録することができる。なお、前記サーバ53及びナビゲーション処理部17によってコンピュータを構成することもできる。また、CPU54に代えてMPU等を使用することができる。」(段落【0020】ないし【0035】)
(エ)「【0042】
次に、前記構成のナビゲーションシステムを情報提供システムとして使用したときの基本動作について説明する。
【0043】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された現在地、及び方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0044】
続いて、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、前記地図データをデータ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、情報センタ51から取得する場合、前記情報取得処理手段は、受信したナビデータをフラッシュメモリにダウンロードする。また、ナビデータを通信部38を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【0045】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の道路地図表示処理手段は、道路地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。なお、前記地図画面によって道路地図画面が構成され、前記地図によって道路地図が構成される。
【0046】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として入力することができる。
【0047】
そして、目的地が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地等を読み込むとともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を探索し、探索経路を表す経路データを出力する。この場合、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0048】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、運転者に探索経路の案内、すなわち、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って、前記地図画面に探索経路を表示する。
【0049】
なお、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0050】
ところで、情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は現在地、目的地等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51において、現在地、目的地を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。したがって、ナビゲーション装置14において、前記情報取得処理手段が情報センタ51からの経路データを受信すると、前記案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【0051】
ところで、前記ナビゲーション装置14は、前記道路交通情報センタ、情報センタ51からリアルタイムに供給された交通情報、一般情報等を前記通信部38を介して受信することができるようになっている。そのために、前記情報取得処理手段の付加情報取得処理手段は、付加情報取得処理を行い、前記交通情報、一般情報等を付加情報として受信して取得する。
【0052】
したがって、前記表示処理手段は、前記地図画面に付加情報を表示することができる。そのために、例えば、前記表示処理手段の渋滞指標表示処理手段は、渋滞指標表示処理を行い、交通情報のうちの渋滞情報を、例えば、渋滞が発生している道路の上り/下りの別、渋滞の発生箇所、渋滞長等を表す渋滞指標としての渋滞帯に変換し、該渋滞帯を前記地図画面上の道路に沿って表示する。この場合、渋滞度に応じて前記渋滞帯等の色が、赤、橙(だいだい)等に変更される。なお、前記渋滞指標として渋滞帯に代えて渋滞矢印を表示することができる。
【0053】
このようにして、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における渋滞状況を知ることができる。また、前記案内処理手段は、前記経路データ、統計データ、走行履歴データ、交通情報等に基づいて出発地から目的地までの全旅行時間を算出したり、目的地の到着時間を算出したりすることができる。」(段落【0042】ないし【0053】)
(オ)「【0054】
ところで、本実施の形態においては、渋滞情報を単に渋滞帯で表示するだけでなく、所定の渋滞については、渋滞の詳細な内容を表す渋滞詳細情報を文字、図形等で地図画面に表示することができるようになっている。
【0055】
図2は本発明の第1の実施の形態における表示処理手段の動作を示すフローチャート、図3は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【0056】
まず、前記表示処理手段は、交通情報を受信したかどうかを判断し、交通情報を受信した場合、一定時間内に操作部34(図1)の操作があったかどうかを判断する。そして、一定時間内に操作部34の操作がない場合、前記表示処理手段の表示優先度付与処理手段は、表示優先度付与処理を行い、各渋滞箇所のうちの、地図画面の地図上に表示される渋滞箇所ごとに、渋滞情報に基づいて渋滞詳細情報を表示する必要性を評価し、表示優先度として各渋滞箇所に付与する。
【0057】
本実施の形態においては、渋滞の発生箇所、渋滞の方向、道路種別、渋滞度、渋滞長、渋滞の発生箇所までの距離等が表示優先度の評価項目として設定され、各評価項目のうちの少なくとも一つ、本実施の形態においては、すべてについて表示優先度が評価される。なお、前記道路種別は、高速道路、有料道路及び都市高速道路から成る高速・有料道、都市道、一般道等の別を表す。
【0058】
そして、前記渋滞の発生箇所については、経路探索処理においてリンクコストの合計が探索経路の次に小さい経路を表す別ルートに渋滞が発生している場合、探索経路の周辺(例えば、所定の距離以内)に渋滞が発生している場合、及び探索経路上に渋滞が発生している場合の順に表示優先度が高くされ、渋滞の方向については、目的地と反対の方向に渋滞が発生している場合は表示優先度が低くされ、目的地の方向に渋滞が発生している場合は表示優先度が高くされる。
【0059】
また、道路種別については、現在走行している道路と異なる道路種別に渋滞が発生している場合は表示優先度が低くされ、現在走行している道路と同じ道路種別に渋滞が発生している場合は表示優先度が高くされる。
【0060】
そして、渋滞度については、例えば、渋滞、混雑及び非渋滞の3段階で設定されている場合、渋滞度が渋滞である場合に表示優先度が最も高くされ、混雑及び非渋滞の順に表示優先度が低くされる。なお、この場合、渋滞度は、車速によって決定される渋滞の度合いを表す。
【0061】
また、渋滞長については渋滞長が長いほど表示優先度が高くされる。例えば、10〔km〕以上の渋滞箇所について表示優先度が最も高くされ、5〔km〕以上で10〔km〕未満の渋滞箇所、1〔km〕以上で5〔km〕未満の渋滞箇所の順に表示優先度が低くされる。さらに、渋滞の発生箇所までの距離については、現在地からの距離が短いほど表示優先度が高くされる。
【0062】
続いて、前記表示処理手段の渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞詳細情報表示処理を行い、各渋滞箇所ごとに、各評価項目について付与された表示優先度を加算することによって総和優先度を算出し、少なくとも、総和優先度の最も高い特定の渋滞箇所について、本実施の形態においては、総和優先度の高い順に各渋滞箇所について渋滞詳細情報を所定の時間ずつ順次表示する。」(段落【0054】ないし【0062】)
(カ)「【0063】
本実施の形態においては、各評価項目のすべてについて表示優先度が評価されるが、運転者にとってその道路を迂回するべきかどうかの要因となる渋滞度及び渋滞長の二つの評価項目について表示優先度を評価することもできる。例えば、渋滞度について、渋滞は3の表示優先度を、混雑は1の表示優先度を、非渋滞は零(0)の表示優先度を設定し、渋滞長については、10〔km〕以上は3の表示優先度を、5〔km〕以上で10〔km〕未満は2の表示優先度を、1〔km〕以上で5〔km〕未満は1の表示優先度を設定する。そして、渋滞度及び渋滞長についての表示優先度を加算して総和優先度を算出し、該総和優先度に基づいて特定の渋滞箇所についての渋滞詳細情報を表示する。このように、運転者にとってその道路を迂回するべき要因となる渋滞度及び渋滞長の二つの評価項目について付与された表示優先度に従って、特定の渋滞箇所について渋滞詳細情報が表示されるので、運転者は迂回すべき道路の渋滞詳細情報を容易に確認することができる。
【0064】
この場合、地図画面の地図上に表示されるすべての渋滞箇所について渋滞詳細情報を表示するようになっているが、地図画面に表示されていないものも含めて、すべての渋滞箇所のうちから、総和優先度の高い順に所定の数の渋滞箇所について渋滞詳細情報を表示することができる。また、本実施の形態においては、総和優先度の高い順に各渋滞箇所について渋滞詳細情報が自動的に所定の時間ずつ順次表示されるようになっているが、操作者による所定のキーの操作に基づいて、各渋滞詳細情報を切り換えて順次表示することができる。
【0065】
ところで、この場合、渋滞詳細情報を文字で表示するか、又は図形で表示するかをあらかじめ初期メニューで設定することができるようになっている。したがって、渋滞詳細情報表示処理手段は、渋滞詳細情報の表示設定が文字による表示に設定されているかどうかを判断し、文字による表示に設定されている場合、図3に示されるように、前記表示優先度に基づいて渋滞詳細情報を文字で表示し、渋滞詳細情報の表示設定が図形による表示に設定されている場合、図4に示されるように、前記表示優先度に基づいて渋滞詳細情報を図形で表示する。
【0066】
すなわち、図3において、Prは現在地、bi(i=1、2、…)は渋滞帯であり、該渋滞帯b1、b2、…で表される各渋滞箇所の順に総和優先度が低くなる。前記各渋滞帯biで表される各渋滞箇所のうちの、少なくとも、総和優先度の最も高い渋滞箇所について、本実施の形態においては、地図画面に表示されているすべての渋滞箇所について総和優先度の高い順に渋滞詳細情報が所定の時間ずつ順次文字で表示される。そのために、前記渋滞詳細情報表示処理手段は、地図画面の所定の箇所の地図上に渋滞詳細情報表示領域AR1をポップアップで形成し、該渋滞詳細情報表示領域AR1に、各渋滞箇所について、渋滞の発生箇所、渋滞度、渋滞長、渋滞の発生箇所の通過状況等を表示項目として順次表示する。なお、該各表示項目として前記表示優先度の評価項目と共通のものが使用される。
【0067】
そして、例えば、図3に示される渋滞詳細情報の場合、渋滞の発生箇所については、渋滞の先頭を表す渋滞開始地点及び渋滞の末尾を表す渋滞終了地点が、渋滞度については、混雑及び渋滞の別が、渋滞長については、渋滞の距離が、渋滞の発生箇所の通過状況については、渋滞の発生箇所を通過する際の通過時間が「○○~○○:渋滞:×km:通過に△分」等のように表示される。」(段落【0063】ないし【0067】)
イ 引用文献1の記載から分かること
上記ア及び図面の記載から、以下のことが分かる。
(サ)上記ア(ア)ないし(カ)(特に(ウ)の段落【0021】)及び図1ないし8の記載から、引用文献1には、地図画面を表示する地図データを作成する表示処理手段を備えるナビゲーション装置14が記載されていることが分かる。
(シ)上記ア(ア)ないし(カ)(特に(ウ)の段落【0030】)及び図1ないし8の記載から、引用文献1に記載されたナビゲーション装置14は、道路交通情報センタから送信される交通情報を受信するためのVICSレシーバを備えることが分かる。
(ス)上記ア(ア)ないし(カ)(特に(ウ)の段落【0032】及び(オ)の段落【0056】ないし【0062】)及び図1ないし8の記載から、引用文献1に記載されたナビゲーション装置14において、通信部38は、ネットワーク43を介して、第2の情報提供者としての情報センタ51から交通情報(以下、「別の交通情報」という。)、一般情報等の各種の情報を受信できることが分かる。
(セ)上記ア(ア)ないし(カ)(特に(エ)の段落【0052】及び(オ)の段落【0056】ないし【0067】)及び図1ないし8の記載から、引用文献1に記載されたナビゲーション装置14において、表示処理手段は、前記地図画面とともに、前記VICSレシーバによって受信した交通情報と、前記通信部38によって取得した別の交通情報とを表示することが分かる。
ウ 引用発明
上記ア、イの記載及び図面の記載を総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
<引用発明>
「地図画面を表示する地図データを作成する表示処理手段と、
交通情報を受信するVICSレシーバと、
前記VICSレシーバによって交通情報を受信したときに、ネットワーク43を介して、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報を取得する通信部38と、
前記地図画面とともに、前記VICSレシーバによって受信した交通情報と、前記通信部38によって取得した別の交通情報とを表示する表示処理手段と、を備える
ナビゲーション装置。」
4-2.引用文献2
ア 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開2012-8969号公報(平成24年1月12日公開。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
この発明は、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を備えるシステムに関し、より具体的には、該車載機器を利用してコンテンツを自動的に投稿するためのシステムに関する。」(段落【0001】)
(イ)「【0005】
最近においては、双方向および対多数の通信が志向されてきている。その結果、電子メールだけでなく、たとえばインターネット環境においては、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)のような、コンテンツの投稿をサービスする投稿サービスが普及し始めている。これらの投稿サービスを、車内でも利用したいというユーザニーズは高い。たとえば、携帯機器のユーザが車両に乗車する際に、該携帯機器で利用している投稿サービスを、引き続き車内でも利用したいという要望がある。
【0006】
しかしながら、投稿サービスを介してユーザにより投稿されるコンテンツは、通常、キーボードやそれに類似する入力部を備えた、パーソナルコンピュータや携帯機器で作成されることを前提としており、操作機器が限定され、また操作環境も特殊な車内で、このような投稿サービスを利用することは容易ではない。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を利用してコンテンツを自動的に作成し、車両が走行中であっても、車内のユーザが投稿サービスを安全かつ快適に利用することができる手法を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的の他の一つは、車両から発信されるコンテンツを、ナビゲーション情報として利用したり、複数の車両間で広く共用したりすることができるような手法を提供することである。」(段落【0005】ないし【0008】)
(ウ)「【0009】
この発明の一つの側面によると、車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムは、前記携帯機器が、ネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む手段と、前記車載機器によって、前記車両の走行状態に関する情報を取得する手段と、前記プロファイル情報および前記取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する手段と、前記作成したコンテンツが前記投稿サイトに反映されるように、前記携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する手段と、前記サーバから前記携帯機器を介して受信した前記投稿サイト上のコンテンツを、前記表示装置上に表示する表示手段と、を備える。
【0010】
この発明によれば、投稿サイトおよび(または)投稿者の特性を規定したプロファイル情報と車両の走行状態から、コンテンツを自動的に作成して、これを投稿サイトに投稿すると共に、該投稿サイトのコンテンツを車載の表示装置上に表示させることができる。たとえば、「○○付近が渋滞」というようなコンテンツを自動的に生成して該投稿サイト上に投稿し、これを閲覧することができる。したがって、車内であっても、投稿サイトへの投稿および閲覧を利用することができる。また、プロファイル情報を用いることにより、投稿サイトに固有の制限や投稿者に固有の特徴を満たすコンテンツを作成することができる。
この発明の一実施形態によると、前記プロファイル情報は、前記携帯機器が前記所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、自動的に作成される。こうして作成されたプロファイル情報を、コンテンツ作成に用いることができる。また、一実施形態によると、プロファイル情報は、前記投稿サイトの特性として、該投稿サイトにコンテンツを投稿する際の制限に関する情報を含むと共に、前記投稿者の特性として、該投稿者によるコンテンツの表現方法に関する情報を含む。
【0011】
投稿サイトは、その種類によって、たとえば投稿するコンテンツの文字数等の制限がある。また、投稿者によって、たとえば常体を使った文体とするのか、敬体を使った文体とするのか等、表現方法が異なる。この発明によれば、このような制限および表現方法をプロファイル情報として規定するので、その投稿サイトおよび投稿者の特徴を満たしたコンテンツを自動的に作成することができる。
【0012】
この発明の一実施形態によると、前記走行状態に関する情報は、前記車両に搭載された所定のセンサからの出力、および、該車両または携帯機器に搭載されたナビゲーション手段によって出力される情報、の少なくとも一方から取得される。
【0013】
車両には、様々なセンサが搭載されることができ、これらのセンサの出力に基づいて、車両がどのような走行状態にあるのかを見極めることができる。したがって、この発明によれば、該走行状態に基づくコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。たとえば、雨滴センサによって雨滴が検出されたならば、雨が降ってきたという趣旨のコンテンツを自動的に生成して投稿することができる。
【0014】
また、ナビゲーション機能は、車両の現在位置、目的地、走行経路等の情報を有している。したがって、この発明によれば、これらの情報に基づいて、たとえば車両が現在どこを走行しているのか等に関するコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。
【0015】
この発明の一実施形態によると、前記投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、ナビゲーション情報として利用可能なコンテンツを抽出し、前記ナビゲーション手段に送る手段を備える。
【0016】
投稿サイトには、様々な投稿者からコンテンツが投稿され、その中には、車両のナビゲーションに役立つ情報も含まれる可能性がある。この発明によれば、このような情報を自動的に抽出して、ナビゲーションの利用に供することができる。これにより、車両の乗員は、リアルタイムに、たとえば交通や天気に関する情報等を取得することができる。
【0017】
この発明の一実施形態によると、前記ナビゲーション手段は、前記抽出されたコンテンツに基づいて生成されたナビゲーション情報を、該ナビゲーション手段に接続される表示装置上に表示すると共に、所定のサーバを経由して他の車両に配信する。
【0018】
この発明によれば、投稿サイトから抽出されたコンテンツに基づくナビゲーション情報を、車両や携帯機器の表示装置上に表示したり、他の車両に配信したりすることができる。したがって、従来のプローブシステムのように、車両間で、たとえば交通や天気に関するナビゲーション情報を共有することができる。」(段落【0009】ないし【0018】)
(エ)「【0033】
一実施形態では、車両には、ナビゲーション装置30が搭載される。この場合、上記の表示装置21は、ナビゲーション装置30用に設置された表示装置とすることができる。ナビゲーション装置30は、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えたコンピュータで実現される。ナビゲーション装置30は、たとえば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS信号を、該ナビゲーション装置30に備えられた通信装置(図示せず)を介して受信し、該GPS信号に基づいて、車両の現在位置を検出する。ナビゲーション装置30は、車両の周辺の地図情報に、該現在位置を示す画像を重畳させて、表示装置21上に表示する。また、表示装置21のタッチパネルを介して、またはキーやボタン等の他の入力操作部23を介して、乗員はナビゲーション装置30に目的地を入力することができる。ナビゲーション装置30は、地図情報を用いて、該目的地までの車両の最適経路を算出し、該最適経路を示す画像を地図情報に重畳させて、表示装置21上に表示することができる。
【0034】
ナビゲーション装置30には、スピーカ22が接続されており、必要に応じて、たとえば一時停止や交差点等の経路案内を行う際に、表示装置21上への表示だけでなく、スピーカ22を介して音または音声によって乗員に知らせることができる。
【0035】
また、一実施形態では、ナビゲーション装置30は、インターネット31等の外部のネットワークに接続するための通信装置(図示せず)を備えており、該ネットワークを介して、ナビゲーションに関する様々なサービスを提供する所定のナビサーバ33に接続可能なように構成されることができる。この場合、上記の地図情報は、ナビゲーション装置30の記憶装置に記憶されることもできるし、該ナビサーバ33に記憶されてもよい。ナビサーバ33に記憶された地図情報を利用する場合、ナビゲーション装置30は、該ナビサーバ33に適宜接続して、車両の現在位置の周辺の地図データを取得し、これを表示装置21上に表示する。また、上記の最適経路の算出を、ナビサーバ33で行ってもよい。この場合、ナビゲーション装置30が、入力された目的地のデータを該ナビサーバ33に送信し、その後、ナビサーバ33によって算出された最適経路のデータを受信し、表示装置21上に表示することができる。
【0036】
また、ナビゲーション装置30は、渋滞、事故、一時停止の案内等の交通に関する情報、車両の現在位置の周辺に関する様々な情報(たとえば、施設や観光等の情報)をナビサーバ33から受信し、これらを、表示装置21上に表示したりスピーカ22を介して出力したりすることができる。最近のナビゲーション機能には、様々なものがあり、この実施形態では、任意の適切なナビゲーション装置を用いることができる。
(中略)
【0050】
以上のように、この実施形態では、携帯電話と車載機器が一体的なシステムを構成し、互いに通信可能なようになっている。本願発明は、このような通信形態を利用し、携帯電話10がインターネット31を介して接続するウェブサーバ32により提供される投稿サイトを、車内で利用可能なようにする手法を提案するものである。具体的には、コンテンツを自動的に作成して所望の投稿サイト上へ投稿する手法を提案する。さらに、該投稿サイトから所定のコンテンツを抽出してナビゲーションに利用する手法を提案する。なお、「コンテンツ」は、投稿サイト上へユーザが投稿する情報を示す。
【0051】
投稿サイトは、サービスプロバイダによって提供される投稿サービスを利用したサイトであり、ユーザが所望のコンテンツについて所定の投稿操作を行うことにより、該コンテンツを、他のユーザが閲覧可能なように該サイト上に表示させることができる。このような投稿サービスの種類として、たとえば、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)等があり、本願発明は、任意の投稿サイトについて適用可能である。」(段落【0033】ないし【0051】)
(オ)「【0103】
図8の表示例では、メタデータは非表示となっているが(しかしながら、該投稿サイトを提供するサービスプロバイダの投稿コンテンツのファイルには格納されている)、該メタデータをサイト上に表示するようにしてもよい。メタデータを用いることにより、該投稿サイトを利用するユーザは、たとえば投稿サイト上でのグルーピングを容易に行うことができる。たとえばTwitterなどでは、コメント(コンテンツ)にハッシュタグ#を付加して投稿することにより、グルーピングを簡単に行うことができるようになっている。たとえば、ユーザが、或る興味のある話題について付される特定のハッシュタグを検索することにより、該話題に関するコンテンツのみを容易に抽出することができる。これと同様に、メタデータを自動的に付加して投稿することにより、carinfoが付加されたコンテンツをグルーピングすることができる。ユーザは、carinfoが付加されたコンテンツのみを検索して、車両情報のみをまとめて閲覧することができる。また、メタデータ中のパラメータ毎の検索を行うことにより、車両情報のうちの特定の情報についてのみ閲覧することもできる。たとえば、jamというパラメータが付加されたコンテンツのみを抽出して閲覧することにより、渋滞がどこで起こっているかを見極めることができる。」(段落【0103】)
(カ)「【0108】
次に、投稿されたコンテンツをナビゲーション機能に利用する手法について説明する。
【0109】
図4に戻り、コンテンツ抽出部56は、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、上記のメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。任意の適切な手法で、コンテンツを抽出することができる。
【0110】
一実施形態では、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイトのウェブページをウェブサーバ32から受信する際に、該ウェブページに含まれるメタデータ付きコンテンツのファイルも共に受信する。携帯電話10の送受信制御部117は、前述したように該ウェブページの画面データを車載機器20に送信する際に、一緒に、該コンテンツのファイルを車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信された該コンテンツのファイルを調べ、メタデータ付きのコンテンツを抽出する。
【0111】
代替的に、該画面データの送信とは別個(非同期)に、メタデータ付きのコンテンツのファイルを車載機器20に送信してもよい。たとえば、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイト上のコンテンツの最新のファイル(たとえば、最新の1画面分のコンテンツのファイル、最新の所定件数のコンテンツのファイル、または現時点から所定時間内に投稿されたコンテンツのファイル)を、ウェブサーバ32から定期的に受信し、これを、送受信制御部117を介して車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信されたコンテンツファイルを調べ、メタデータ付きコンテンツを抽出する。
【0112】
なお、さらなる代替として、メタデータが投稿サイト上で表示されている場合には、データ受信部51によって受信される画面データを調べ、carinfoのメタデータが付加されているコンテンツを抽出するようにしてもよい。
【0113】
抽出対象とするコンテンツを時間的に制限することができる。たとえば、コンテンツ抽出部56は、現在の時間から所定時間以内に投稿されたコンテンツのみを抽出することができる。これにより、後述するナビ情報の新鮮さを保つことができる。
【0114】
こうして、自車両から自動投稿されたコンテンツだけでなく、他車両において自動投稿されたコンテンツも抽出される。抽出されたメタデータ付きコンテンツは、ナビゲーション装置30に送られる。
【0115】
ナビゲーション装置30のナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータ付きコンテンツに基づいて、ナビ情報を生成する。ナビ情報は、位置と、該位置に関連づけられた所定の情報と、を含む。この実施形態では、該所定の情報は、渋滞情報と降雨情報である。
【0116】
したがって、ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにrain=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。rain=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では降雨中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”rain=ON”,”location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN,yyyyE」に、降雨という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0117】
渋滞についても同様のことが行われる。ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにjam=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。jam=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では渋滞中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”jam=ON”,“location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN yyyyE」に、渋滞という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0118】
ナビ情報は、ナビゲーション装置30によって、車両の乗員にその内容を知らせるのに任意に使用されることができる。
【0119】
一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73が、ナビ情報を、表示装置21および(または)スピーカ22を介して出力することができる。さらに、ナビ情報表示/配信部73は、該ナビ情報を、地図データ上に視覚的に表示させることができる。すなわち、降雨中および渋滞中という情報を、表示装置21上に表示される地図データ上の対応する位置に、視覚的に表示する。こうして、地図データを視認する乗員に、渋滞ないし降雨がどの場所で生じているかを知らせることができる。
【0120】
さらに、一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73は、ナビ情報を、ナビサーバ33に送信することができる。ナビサーバ33は、該サーバ33に接続している他の車両に対し、該ナビ情報を配信することができる。配信範囲を、該ナビ情報の位置(locationパラメータから得られた位置)の周辺に存在する他の車両に制限してもよい。該他の車両では、受け取ったナビ情報を、該車両内の表示装置ないしスピーカを介して出力することができる。
【0121】
ここで、配信先である「他の車両」は、より正確には、該サーバ33に接続しているナビゲーション装置を示しており、該ナビゲーション装置は、いわゆる車載専用に搭載された装置でもよいし、ナビゲーション機能を備えている携帯機器でもよい。
【0122】
いわゆるプローブ情報システムは、各車両をセンサに見立てて情報を収集し、加工し、配信するシステムとして知られているが、上記の実施形態によれば、このような専用システムを利用しなくとも、投稿サイトを利用して、簡単かつ安価に、車両情報を共有するネットワークを構築することができる。
【0123】
ここで、具体的なコンテンツ抽出とその表示の一例を、図9および図10を参照して説明する。
【0124】
図9には、所定の簡易投稿サイトに投稿された投稿データの内容、すなわち、該投稿サイトを提供するウェブサーバ32に格納されるコンテンツファイルの内容の一例を示している。
【0125】
この例において、「Aさん」が投稿者であるコンテンツ401は、自車両から自動投稿されたものであり、コンテンツ402~404は、他車両から自動投稿されたものである。
【0126】
コンテンツ抽出部56は、前述したように、carinfoというメタデータが付加されているコンテンツを抽出する。この例では、コンテンツ401は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、jam=ONとlocationのデータから、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中ということを示すナビ情報を生成する。
【0127】
同様に、コンテンツ402および403は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72により、コンテンツ402からは、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中というナビ情報が生成され、コンテンツ403からは、位置”zzzzN, wwwwE”において渋滞中というナビ情報が生成される。なお、コンテンツ402と403の間のCさんの投稿コンテンツは、メタデータが付加されていないため、抽出されない。
【0128】
コンテンツ404は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、rain=ONとlocationのデータから、位置”uuuuN vvvvE”において降雨中ということを示すナビ情報を生成する。
【0129】
ナビ情報表示/配信部73は、こうして生成されたナビ情報を、表示装置21上に表示する。図10は、該表示の一例を示す。表示装置21上には、地図データが表示されている。ナビ情報表示/配信部73は、コンテンツ401および402から抽出された位置情報に対応する位置(第1の位置)に、符号411に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ403から抽出された位置情報に対応する位置(第2の位置)に、符号412に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ404から抽出された位置情報に対応する位置(第3の位置)に、符号413に示すように、降雨を表すアイコンを重畳表示する。このようなアイコンの重畳表示により、車両の乗員は、どの場所で渋滞および降雨情報が発せられているかを、視覚的に認識することができる。
【0130】
また、この実施形態では、位置毎のコンテンツの投稿数が多いほど、アイコンの大きさを大きくしている。この例では、第1の位置に関するコンテンツ数は2であり、第2の位置に関するコンテンツ数は1であるので、第1および第2の位置には、渋滞を表す同じアイコンが表示されるものの、その大きさは、前者の方が後者よりも大きい。一般に、同じ趣旨のコンテンツを投稿している者が多いほど、その情報の信頼性は高い。したがって、このような表示形態を取ることにより、情報の信頼性を乗員に知らせることができる。
【0131】
なお、アイコンの大きさは、対応するコンテンツ数が多くなるほど、除々に大きくしてもよいし、該コンテンツ数が所定値以下の場合には小さいアイコンとし、所定値より多い場合には大きいアイコンとしてもよい。
【0132】
好ましくは、各アイコンには、対応するコンテンツが関連づけられる。この場合、各ナビ情報を生成する際に、対応するコンテンツを該ナビ情報に関連づけて記憶しておけばよい。こうして、たとえばアイコン411を選択すると、該アイコン411に対応するコンテンツ401および402が読み出されて表示される。これにより、ユーザは、渋滞情報を発したコンテンツの内容を閲覧することができる。
【0133】
さらに、この例では、ナビ情報表示/配信部73は、画面の上部に、テロップ415を表示する。テロップ415は、渋滞に関する情報を文字で表したものである。たとえば、ナビ情報には、位置と、該位置において渋滞中という情報が含まれているので、「○○で渋滞中」(○○には、位置に対応する地名が挿入される)という文を作成して、テロップ415として表示することができる。該テロップ表示により、渋滞のより詳しい情報を表示することができる。
【0134】
該テロップ415中の渋滞情報は、コンテンツ数が多い順番で表示されるのが好ましい。この例では、第1の位置のコンテンツ数が、第2の位置のコンテンツ数よりも多いため、第1の位置のアイコンに「1」という数字を付して、テロップ415の1番目に、第1の位置の渋滞情報を表示している。次に、第2の位置のアイコンに「2」という数字を付して、テロップ415の2番目に、第2の位置の渋滞情報を表示している。
【0135】
なお、或る場所で渋滞ないし降雨が発生して、これに関するコンテンツが複数の車両から投稿されても、locationパラメータに設定されている位置は経緯度情報で表されるため、実際には互いに異なることが多い。したがって、locationパラメータによって示される位置が属する場所の地名、通り名、交差点名等が同じであれば、同じ場所の渋滞情報を示すと判断するのがよい。こうして、図10のアイコン411に示すように、2つのコンテンツのlocationパラメータで示される位置が、○○交差点付近に属する場合には、該2つのコンテンツは同じ場所の渋滞情報を示していると判断して、第1の位置のアイコンに、該2つのコンテンツを関連づけることとなる。
【0136】
こうして、車両の周辺に関連する投稿コンテンツを、地図データ上でまとめて表示することができる。なお、ナビサーバ33によってナビ情報が配信されたならば、該配信されたナビ情報に基づいて、該配信先のナビゲーション装置の地図情報を用いて、図10のような表示を行うようにすることもできる。該配信には、各ナビ情報に対応するコンテンツを含めてもよい。
【0137】
上記の実施形態では、メタデータ付きのコンテンツを対象に抽出しており、該メタデータ付きコンテンツは、自動投稿されたものである。代替的に、手動で、メタデータをコンテンツに記述して投稿してもよく、この場合にも、該メタデータ付きコンテンツを抽出してナビ情報に用いてもよい。
【0138】
さらに、上記のようなメタデータが付加されていないコンテンツについても抽出できるようにしてもよい。たとえば、コンテンツを投稿する際、自動的に現在位置情報を付加する機能を提供するサービスがある(たとえば、ランブリンと呼ばれるサービス)。このようなサービスを提供する投稿サイトの場合には、上記のようなlocationというパラメータは必要とされない。したがって、コンテンツ抽出部56は、このような現在位置情報が自動的に付加される投稿サイトの場合には、たとえば、「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。こうして抽出された、現在位置情報付きのコンテンツに基づいて、上記のようなナビ情報を生成してもよい。
【0139】
また、上記のような投稿サービスには、所望の場所(スポット)に対してコンテンツを投稿するような機能もあり、該スポットに投稿されたコンテンツのみを閲覧することができる機能もある。このような機能を利用して、たとえばコンテンツ抽出部56は、携帯電話10を介して、車両の進行路上の或る場所(現在位置およびその周辺だけでなく、目的地や、ナビゲーション機能によって算出された最適経路上の任意の場所等を含むことができる)に対して投稿されたコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得する。該取得したコンテンツから、上記のように、「渋滞」や「雨」等のキーワード検索によって、渋滞ないし降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。
【0140】
さらに、上記のような投稿サービスにおいては、地図データも共に提供されることが多いため、ナビ情報を表示するのに、該投稿サービスから提供される地図データを用いてもよい。この場合、携帯電話10を介して該地図データを取得し、車載機器20において、上記のようなナビ情報を、該地図データ上に、たとえばアイコンによって重畳表示することができる。
【0141】
なお、上記の渋滞および降雨の情報は、ナビ情報として利用する情報の一例であり、他の様々な情報を、ナビ情報として利用できるようにしてもよい。また、それに応じて、メタデータのパラメータの種類を増やすようにしてもよい。」(段落【0108】ないし【0141】)
イ 引用文献2の記載から分かること
上記アの記載及び図面の記載から、以下のことが分かる。
(サ)上記ア(エ)(特に段落【0035】)等の記載から、引用文献2には、インターネット31等の外部のネットワークに接続するための通信装置を備えているナビゲーション装置30が記載されていることが分かる。
(シ)上記ア(エ)(特に段落【0035】及び【0036】)等の記載から、引用文献2に記載されたナビゲーション装置30は、渋滞、事故、一時停止の案内等の交通に関する情報及び車両の現在位置の周辺に関する様々な情報をナビサーバ33から受信し、これらを、表示装置21上に表示できることが分かる。
(ス)上記ア(イ)、(エ)(特に段落【0051】)等の記載から、引用文献2に記載されたナビゲーション装置30は、Twitter(登録商標)等の投稿サイトについて適用可能であることが分かる。
(セ)上記ア(カ)(特に段落【0109】)等の記載から、引用文献2に記載されたナビゲーション装置30は、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、任意の適切な手法で、コンテンツを抽出することができることが分かる。
(ソ)上記ア(カ)(特に段落【0138】)等の記載から、引用文献2に記載されたナビゲーション装置30は、投稿サイトから、「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができることが分かる。
(タ)上記ア(カ)(特に段落【0139】)等の記載から、引用文献2に記載されたナビゲーション装置30は、車両の進行路上の或る場所に対して投稿されたコンテンツをサーバー32に対して要求し、取得することができ、該取得したコンテンツから、上記のように、「渋滞」や「雨」等のキーワード検索によって、渋滞ないし降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができることが分かる。
ウ 引用文献2記載の技術
上記ア、イの記載及び図面の記載を総合すると、引用文献2には以下の技術(以下、順に「引用文献2記載の技術1」ないし「引用文献2記載の技術3」という。)が記載されているといえる。
<引用文献2記載の技術1>
「車載機器を備えるシステムにおいて、インターネット31等の外部のネットワークを介して、ツイッター(登録商標)等のソーシャル・ネットワーキング・サービスの投稿サイト上に投稿されたコンテンツを取得する技術。」
<引用文献2記載の技術2>
「車載機器を備えるシステムにおいて、所定の場所(すなわち、所定の検索条件)について投稿されたコンテンツをサーバー32に対して要求し、取得する技術。」
<引用文献2記載の技術3>
「車載機器を備えるシステムにおいて、所定のキーワードを検索して、渋滞(すなわち、道路状況を連想するキーワード)を示すコンテンツを抽出する技術。」
5.対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「地図画面」は、その構造、機能又は技術的意義からみて、本願発明における「地図画面」に相当し、以下同様に、「地図データ」は「描画データ」に、「表示処理手段」は「地図描画手段」及び「表示処理手段」に、「交通情報」は「交通情報」に、「VICSレシーバ」は「交通情報受信手段」に、「ネットワーク43」は「所定のネットワーク」に、「ナビゲーション装置」は「ナビゲーション装置」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報」は、「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報」という限りにおいて、本願発明における「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報」及び「発言情報」に相当し、同様に、「別の交通情報を取得する通信部38」は、「別の交通情報を取得する情報取得手段」という限りにおいて、本願発明における「第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段」に相当する。
以上から、本願発明の用語に倣って整理すると、本願発明と引用発明とは、
「地図画面を表示する描画データを作成する地図描画手段と、
交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記交通情報受信手段によって交通情報を受信したときに、所定のネットワークを介して、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報を取得する情報取得手段と、
前記地図画面とともに、前記交通情報受信手段によって受信した交通情報と、前記情報取得手段によって取得した別の交通情報とを表示する表示処理手段と、
を備える、ナビゲーション装置。」
という点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報を取得する情報取得手段」に関して、本願発明においては、「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段」を備えるのに対し、引用発明においては、「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む別の交通情報を取得する通信部38」を備えるものの、本願発明のような「この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段」を備えるか否か明らかでない点(以下、「相違点1」という。)。
<相違点2>
「発言情報検索依頼手段」に関して、本願発明においては、「発信される発言情報の中から所定の検索条件を満たす発言情報を抽出する外部装置に対して、発言情報取得手段による取得の対象となる発言情報を抽出するための検索条件を指定して検索依頼を行う発言情報検索依頼手段」を備え、「検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、道路状況を連想するキーワードが含まれる発言情報であり、発言情報取得手段は、発言情報検索依頼手段の検索依頼に応じて抽出された発言情報を外部装置から取得する」のに対し、引用発明においては、そのような発言情報検索依頼手段を備えるか否か明らかでない点(以下、「相違点2」という。)。
(2)判断
上記相違点について検討する。
<発明の課題について>
まず、本願発明の課題について検討する。
本願発明の課題は、本願の明細書の記載によれば、
「・・・特許文献1に開示されたナビゲーション装置では、VICSセンタから送信される交通情報の信頼性は高いが、例えば道路状況に関しては渋滞、混雑、順調のいずれかが特定されるだけであるため、それ以上の詳細な状況がわからないという問題があった。しかも、交通情報の送信間隔は比較的短い(例えば数分間隔)が、その交通情報がどの時点での道路状況を反映したものであるかが明確ではないという問題があった。
一方、特許文献2に開示されたナビゲーション装置では、WEBサイト上のブログ記事から道路状況データを取得することで、その内容にもよるが、詳細な道路状況を得たり、情報の発信時点が近い場合には最新の道路状況を得ることが可能となるが、ブログ記事の内容自体はその内容を検証しているわけではないため、道路状況の信頼性が低いという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、信頼性が高く、最新で詳細な内容を有する道路状況を表示することができるナビゲーション装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、地図画像を表示する描画データを作成する地図描画手段と、交通情報を受信する交通情報受信手段と、交通情報受信手段によって交通情報を受信したときに、所定のネットワークを介して、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報を取得する発言情報取得手段と、地図画像とともに、交通情報受信手段によって受信した交通情報と、発言情報取得手段によって取得した発言情報とを表示する表示処理手段とを備えている。」(段落【0005】ないし【0008】)
というものである。つまり、VICSセンタから送信される交通情報では渋滞等の道路状況の詳細な状況がわからないという問題があり、WEBサイト上のブログ記事から取得した道路状況データから得た道路状況は信頼性が低いという問題があったので、本願発明のナビゲーション装置は、交通情報受信手段と、発言情報取得手段とを備えることにより、信頼性が高く、最新で詳細な内容を有する道路状況を表示することができるナビゲーション装置を提供するというものである。
これに対し、引用発明の課題は、
「本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、運転者が操作部を操作することなく、渋滞の詳細な情報を得ることができる情報提供システム及び情報提供方法のプログラムを提供することを目的とする。」(段落【0004】)
というものであるから、両者は、渋滞を含む道路状況に関する詳細な情報を得る装置を提供するという課題において軌を一にするものである。
また、両者は、渋滞に関する複数の情報を取得することにより、渋滞に関する詳細な情報を得てそれを表示するという、解決手段においても軌を一にするものである。
<相違点1>について
「別の交通情報」として、「所定の場所に関連する道路状況を含む第三者の発言情報」(例えばツイッター(登録商標)等のソーシャル・ネットワーキング・サービスの情報)を取得する技術は、本願出願前に周知の技術(以下、「周知技術1」という。例えば、引用文献2記載の技術1、特開2011-247831号公報(特許請求の範囲及び段落【0002】ないし【0005】、【0015】ないし【0019】、【0033】ないし【0056】、【0071】ないし【0089】及び【0097】等の記載を参照)、特開2011-247832号公報(特許請求の範囲及び段落【0002】ないし【0005】、【0015】ないし【0019】、【0063】及び【0064】等の記載を参照。)等を参照。)である。
また、交通情報の受信をトリガとして、交通情報によって特定される情報のさらなる取得を行う技術も、本願出願前に周知の技術(以下、「周知技術2」という。例えば、特開2005-315714号公報(要約、段落【0051】、【0052】、【0055】ないし【0058】等の記載を参照。)、特開2002-216293号公報(要約、段落【0012】等の記載を参照。)等を参照。)である。
してみれば、引用発明において、周知技術1及び2を適用することにより、相違点1に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到できたことである。
<相違点2>について
引用文献2には、「車載機器を備えるシステムにおいて、所定の場所(すなわち、所定の検索条件)について投稿されたコンテンツをサーバー32に対して要求し、取得する技術。」(上記「引用文献2記載の技術2」)が記載されている。これは、本願発明における「発信される発言情報の中から所定の検索条件を満たす発言情報を抽出する外部装置に対して、発言情報取得手段による取得の対象となる発言情報を抽出するための検索条件を指定して検索依頼を行う発言情報検索依頼手段」及び「発言情報取得手段は、発言情報検索依頼手段の検索依頼に応じて抽出された発言情報を外部装置から取得する」に相当する。
また、引用文献2には、「車載機器を備えるシステムにおいて、所定のキーワードを検索して、渋滞(すなわち、道路状況を連想するキーワード)を示すコンテンツを抽出する技術。」(上記「引用文献2記載の技術3」)も記載されている。これは、本願発明における「検索依頼に際して指定される検索条件の一つは、道路状況を連想するキーワードが含まれる発言情報であり」に相当する。
そうすると、相違点2に係る本願発明の発明特定事項は、引用文献2記載の技術2において、検索条件として、引用文献2記載の技術3を採用したものに相当する。なお、検索条件として、提示された検索条件のうちどの条件を採用するかは、当業者が必要に応じて行う設計事項にすぎない。
そして、引用発明と、引用文献2記載の技術2及び3とは、ともに、ナビゲーション機能を備える車載機器の技術分野において、渋滞に関する詳細情報を得て表示するという共通の課題を解決するためのものである。
してみれば、引用発明において、引用文献2記載の技術2及び3を適用することにより、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項をなすことは、当業者が容易に想到できたことである。
そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、引用文献2記載の技術2及び3並びに周知技術1及び2から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。
(3)請求人の主張に対して
請求人は、平成28年8月3日提出の審判請求書において、次のように主張している。
「請求項1の発明は、交通情報を受信したときに、この交通情報によって特定される場所に関連する道路状況を含む発信情報を取得する際に(構成要件C)、道路状況を連想するキーワードを含む検索条件を指定して外部装置に対して検索依頼を行い(構成要件E、F)、この検索条件に応じて抽出された発言情報を外部装置から取得するようにしたこと(構成要件G)に特徴がある。
上述した引用文献3、4の発明は、VICSセンターから交通情報を受信したタイミングで、この交通情報によって特定される場所を指定してデジタル放送から道路交通詳細情報を取得したり、放送受信機を用いて専用チャネルから最新の道路交通情報を受信するものである。
しかし、例えばSNSの発言情報は膨大な数があり、しかも、場所を特定した場合であっても道路状況に関係ない店舗の情報などが数多く含まれるため、道路状況に関するものだけを抽出する必要がある。
請求項1の発明では、道路状況を連想するキーワードを含む検索条件を設定して外部装置に検索依頼を行うことにより、外部装置からこの検索条件を満たす発信情報のみを取得することが可能となる。
なお、上述した引用文献2の段落番号「0138」には「「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。」という記載が含まれるが、この抽出動作は、コンテンツを受信した車両側の装置(携帯機器10)において行うものであって、携帯機器10が膨大な数のコンテンツを受信することに変わりはなく、上述した構成要件E、F、Gに対応するものではない。特に、発言情報そのものについてキーワードを用いた抽出を外部装置に対して依頼し、該当する発言情報を絞り込んで取得することについては、上述した引用文献1ないし4のいずれにも記載がない。なお、上述した引用文献2の発明ではメタデータを用いて検索を行っているが、このメタデータを用いた検索は、キーワードを指定した検索に拡張できるものではない。
このように、引用文献1ないし4には、構成要件E、F、Gやこれらの組み合わせに対応する直接的な記載やこれらを示唆する記載は一切ない。したがって、請求項1に係る発明は、引用文献1ないし4の発明が公知であったとしても当業者の容易に想到し得るものではない。」
しかしながら、引用文献2には、
「次に、投稿されたコンテンツをナビゲーション機能に利用する手法について説明する。
図4に戻り、コンテンツ抽出部56は、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、上記のメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。任意の適切な手法で、コンテンツを抽出することができる。」(段落【0108】及び【0109】)
と記載され、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、特定のメタデータ(carinfo)が付加されたコンテンツを抽出して受信することが記載されている。そして、引用文献2において、メタデータは、例えばcarinfo、jam、rainというものであり、コンテンツに付加されたキーワードのように用いられている。
また、引用文献2には、
「さらに、上記のようなメタデータが付加されていないコンテンツについても抽出できるようにしてもよい。たとえば、コンテンツを投稿する際、自動的に現在位置情報を付加する機能を提供するサービスがある(たとえば、ランブリンと呼ばれるサービス)。このようなサービスを提供する投稿サイトの場合には、上記のようなlocationというパラメータは必要とされない。したがって、コンテンツ抽出部56は、このような現在位置情報が自動的に付加される投稿サイトの場合には、たとえば、「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。こうして抽出された、現在位置情報付きのコンテンツに基づいて、上記のようなナビ情報を生成してもよい。」(段落【0138】)
と記載され、メタデータに代えて、キーワードにより検索する技術も記載されている。
さらに、引用文献2には、
「また、上記のような投稿サービスには、所望の場所(スポット)に対してコンテンツを投稿するような機能もあり、該スポットに投稿されたコンテンツのみを閲覧することができる機能もある。このような機能を利用して、たとえばコンテンツ抽出部56は、携帯電話10を介して、車両の進行路上の或る場所(現在位置およびその周辺だけでなく、目的地や、ナビゲーション機能によって算出された最適経路上の任意の場所等を含むことができる)に対して投稿されたコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得する。該取得したコンテンツから、上記のように、「渋滞」や「雨」等のキーワード検索によって、渋滞ないし降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。」(段落【0139】)
と記載され、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、車両の進行路上の特定の場所について投稿されたコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得することもできることが分かる。そして、引用文献2には、特定の場所について検索する技術とともに、特定のキーワードを用いて検索する技術も開示されているのだから、「特定の場所」に加えて、「特定のキーワード」に関連するコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得するように設定することは、当業者が必要に応じて行う設計事項にすぎない。
したがって、請求人の主張は失当である。
6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2記載の技術2及び3並びに周知技術1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
7.結語
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2016-011654