特許拒絶査定不服審判
2016-010562
保持金具、コネクタ接続体およびコネクタ
- 審判番号
- 2016-010562
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-079204外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年07月12日
- 審決日
- 2017年04月26日
- 公報発行日
- 2017年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】伊藤 正和
- 分類
- P18 .121-WY (H01R)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-79204「保持金具、コネクタ接続体およびコネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成27年7月16日出願公開、特開2015-130363、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月9日(優先権主張平成23年2月7日、特願2011-24199号)に出願した特願2011-196665号(以下「もとの出願」という。)の一部を平成27年4月8日に新たな特許出願としたものであって、平成27年11月16日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内の平成28年1月25日に手続補正されたが、同年4月5日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。発送日:同年4月12日)され、これに対し、同年7月12日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正され、その後、平成29年1月6日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、その指定期間内の同年3月3日に手続補正されたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。
本願の平成28年1月25日に手続補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1 請求項1について
刊行物Aに記載された発明(特に、段落【0029】~段落【0039】及び図1、図8~図9)は、アンカー部31a(アンカー部)に対してハウジングの高さ方向に突出する引っ掛かり部が設けられていない点で、請求項1に係る発明とは相違する。
上記相違点を検討するに、刊行物B、Cに記載されるように、コネクタにおいて、ハウジングに対してインサート成形により一体成形される平板状の金属部材に関して、上記平板状の金属部材の上記ハウジングに埋設される部分の縁部に対して引っ掛かり用の突部を設け、上記板状の金属部材の抜け防止を図ることは、従来周知の技術といえる。
ここで、上記刊行物Aに記載された発明におけるアンカー部31aと上記刊行物B、Cに示される周知技術における平板状の金属部材とは、ともに、コネクタのハウジングの内部にインサート成形により埋設される部材との点で、共通するものである。
したがって、上記刊行物Aに記載された発明において、上記刊行物B、Cに示される周知技術を採用し、上記アンカー部31aの縁部に対して抜け止め用の突出部を設け、上記アンカー部31aの抜け止めを図ることは、当業者であれば容易に想到できたことである。
2 請求項2、3
刊行物Aに記載された発明における底板部32が請求項B、Cに係る発明における「底板部」に相当する。
3 請求項4
刊行物Aに記載された発明におけるアンカー部32bが、請求項4に係る発明における「係止片部」に相当する。
4 請求項5、6
刊行物Aに記載された発明において、側板部(本体部)31と底板部32とは、ソケットハウジング11の外壁側面から露出して配置されている。
また、請求項6に係る発明における「引っ掛かり部」については、請求項1に対して述べた相違点に対する記載を参照のこと。
5 請求項7
刊行物Aに記載された発明において、刊行物B、Cに示される周知技術を採用し、アンカー部31aの縁部に対して抜け止め用の突出部を設ける際に、上記アンカー部31aの縁部のうち、どの部分に上記突出部を設けるかは、上記アンカー部31aに作用する引張力の向きや大きさを考慮して、当業者が任意に選択し得る事項にすぎず、設計的事項の範ちゅうである。
6 請求項12
刊行物Aに記載された発明において、保持金具30は、インサート成形によりソケットハウジング11に設けられている。
7 請求項13、14
刊行物Aに記載された発明において、保持金具30を備えたソケット10は、コネクタ接続体である。
刊行物A:特開2008-270099号公報
刊行物B:特開平9-161866号公報(周知技術を示す文献)
刊行物C:特開平7-230864号公報(周知技術を示す文献)
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、次のとおりである。
請求項1ないし8、12ないし14に係る発明は、その優先日前に日本国内において頒布された下記の刊行物1に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
刊行物1:特開2008-270099号公報(拒絶査定時の刊行物A)
第4 本願発明
本願の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、平成29年3月3日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】
コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部を有した本体部と、前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記側板部から突出して当該ハウジング内に食い込んで前記本体部が前記ハウジングから外れてしまうのを抑制するアンカー部と、を備えた保持金具において、
前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向に突出する引っ掛かり部を設け、
前記本体部に底板部を設け、
前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて突出する係止片部を設け、
前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させたことを特徴とする保持金具。
【請求項2】
前記底板部は、前記側板部から前記ハウジングの長手方向に向けて延設されており、前記本体部が略L字状をしていることを特徴とする請求項1に記載の保持金具。
【請求項3】
前記側板部または前記底板部の少なくともいずれか一方が前記ハウジングの外壁側面に露出して配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保持金具。
【請求項4】
前記側板部は、前記ハウジングの外壁側面に露出して配置され、
前記アンカー部は、前記側板部の長手方向両端部上側から突出するように設けられるとともに、当該一対のアンカー部から前記ハウジングの外壁下面に向けて前記引っ掛かり部が突出していることを特徴とする請求項1~3のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項5】
前記引っ掛かり部を前記アンカー部の先端に設けたことを特徴とする請求項1~4のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項6】
前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に隙間を設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に前記ハウジング内の樹脂を挟み込ませるようにしたことを特徴とする請求項1~5のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項7】
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを接触させて設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを係止させるようにしたことを特徴とする請求項1~5のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項8】
前記保持金具はインサート成形によりハウジングに設けられていることを特徴とする請求項1~7のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項9】
請求項1~8のうち何れか1項に記載の前記保持金具を用いたコネクタ接続体。
【請求項10】
請求項9に記載の前記コネクタ接続体を、少なくとも一方のコネクタ接続体に用いたコネクタ。」
本願は、優先権の主張を伴う特許出願であるところ、本願発明1の発明特定事項のうち、「前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させた」ことは、その優先権主張の基礎となる特願2011-24199号の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていないから、本願発明1及び本願発明1を引用する本願発明2ないし本願発明10についての優先権の主張は認められない。
第5 刊行物
本願のもとの出願の出願日前に頒布された刊行物1(特開2008-270099号公報)には、「コネクタおよびコネクタ接続体」に関して、図面(特に、図1、図8、図9参照)とともに、次の事項が記載されている。
「【0029】
ここで、図1に示すように、ソケットハウジング11の長辺方向の両端部には保持金具30が取り付けられている。この保持金具30の取付片部32aを第1の回路基板に半田付けすることにより、ソケットコンタクト12の接続端子部12Tが半田付けされたことと相俟って、ソケット10が第1の回路基板に対して強固に結合されるようになっている。
【0030】
図8は、保持金具を(a)の正面図と(b)の平面図と(c)の側面図とで示す説明図である。この図8に示すように、保持金具30は、所定厚さの金属板をプレス成形して形成されたものであり、本体部として、ソケットハウジング11の短辺方向に延在する側板部(本体部)31と、この側板部31の両端部下側をソケットハウジング11の長辺方向中央側に向かって略直角に折曲した底側本体部(本体部)32と、を備えて概略構成されている。また、底板部32の両端部をソケットハウジング11の短辺方向両側から突出させて回路基板への取付片部32aが形成されている。
【0031】
図9は、保持金具の取付状態を(a)のソケットハウジングの側面図と(b)のソケットハウジングの端部平面図と(c)のソケットハウジングの端部底面図とで示す説明図である。この図9に示すように、ソケットハウジング11を型成形する際に、保持金具30がそのソケットハウジング11にインサート成形されるようになっており、このとき、保持金具30は、側板部31がソケットハウジング11の周壁部13の外壁面(11E1,11E2)に沿って露出された状態で、ソケットハウジング11に取り付けられている。
【0032】
すなわち、図9(a)に示すように、側板部31がソケットハウジング11の長辺方向の端面(外壁面)11E1,11E2に沿って当該端面11E1,11E2と略面一となる状態で露出されるとともに、図9(c)に示すように、底板部32がソケットハウジング11の底面(外壁面)11Bに露出される。
【0033】
また、第1の回路基板に半田付けされる取付片部32aが、ソケットハウジング11の幅方向(短手方向)両端面11S1,11S2から外方に所要量突出されている。
【0034】
そして、この保持金具30は、周壁部13の内部に食い込むアンカー部31a,32bを備えている。具体的には、アンカー部31aは、図8(c)にも示すように、側板部31の長手方向両端部を後方(ソケットハウジング11の長辺方向中央側)に折曲させることで形成され、また、アンカー部32bは、底板部32を後方に突設させて上方に折曲することで形成されており、これらアンカー部31a,32bは、双方とも、保持金具30をソケットハウジング11に対してインサート同時成形した際に、ソケットハウジング11内に食い込んで埋設されるようになっている。このとき、アンカー部31aとアンカー部32bは、相異なる方向に伸びている。
【0035】
以上の本実施形態によれば、保持金具30の側板部31をソケットハウジング11の端面11E1,11E2に沿って露出させるようにし、かつ底板部32をソケットハウジング11の底面11Bに沿って露出させるようにしたため、保持金具30によってソケットハウジング11の周壁部13が大きく二分されることが無くなって、当該周壁部13の剛性および強度を向上させることができる。また、保持金具30が設けられる部分のソケットハウジング11の肉厚Tを所要の大きさに設定しやすくなるため、インサート成形する場合における成形不良を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、ソケットハウジング11に食い込むアンカー部31aを保持金具30の側板部31の長手方向両端部に設けたため、保持金具30の自由端領域が減って、保持金具30がソケットハウジング11から外れにくくなる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、異なる方向に伸びる複数のアンカー部31a,32bを設けたため、複数方向の外力に対して、保持金具30のソケットハウジング11に対する結合強度を確保することができ、保持金具30がソケットハウジング11から外れにくくなる。
【0038】
そして、ソケット10に保持金具30による不具合(例えば、ソケットハウジング11の成形不良や剛性不足等)が生じにくくなる分、ひいては、ソケット10とヘッダ20とのアセンブリとしてのコネクタCに生じる不具合(例えば、結合強度不足や外観不良など)が抑制される。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では本発明にかかるコネクタ接続体をソケットとして具現化した場合について説明したが、ヘッダとしても具現化できることは言うまでもない。また、コネクタ接続体のハウジングや、コンタクト等の形状、大きさ、材質等のスペックも、適宜に変更可能である。」
上記記載事項及び図面の図示内容を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「ソケット10のソケットハウジング11に埋設される保持金具30であって、側板部31を有した本体部(側板部31及び底板部32)と、前記ソケットハウジング11の外方に突出して回路基板に固定される取付片部32aと、前記側板部31から突出して当該ソケットハウジング11内に食い込んで前記本体部が前記ソケットハウジング11から外れてしまうのを抑制するアンカー部31aと、を備えた保持金具30において、
前記本体部に底板部32を設け、
前記底板部32から前記ソケットハウジング11の上方に折曲するアンカー部32bを設けた保持金具30。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比すると、後者の「ソケット10」は前者の「コネクタ接続体」に相当し、以下同様に、「ソケットハウジング11」は「ハウジング」に、「保持金具30」は「保持金具」に、「側板部31」は「側板部」に、「本体部(側板部31及び底板部32)」は「本体部」に、「底板部32」は「底板部」に、「取付片部32a」は「取付片部」に、「アンカー部31a」は「アンカー部」、「アンカー部32b」は「係止片部」に、ソケットハウジング11の「上方に折曲する」ことはハウジングの「外壁天面に向けて突出する」ことにそれぞれ相当する。
したがって、両者は、
「コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部を有した本体部と、前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記側板部から突出して当該ハウジング内に食い込んで前記本体部が前記ハウジングから外れてしまうのを抑制するアンカー部と、を備えた保持金具において、
前記本体部に底板部を設け、
前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて突出する係止片部を設けた保持金具。」
で一致し、次の点で相違する。
〔相違点〕
本願発明1は、「前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向に突出する引っ掛かり部を設け」「前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させ」たのに対し、
引用発明は、かかる構成を備えていない点。
そこで、相違点について検討する。
刊行物1の「ソケットハウジング11に食い込むアンカー部31aを保持金具30の側板部31の長手方向両端部に設けたため、保持金具30の自由端領域が減って、保持金具30がソケットハウジング11から外れにくくなる。」(段落【0036】)との記載及び【図9】からみて、引用発明のアンカー部31aは、ソケットハウジング11に埋設するものである。
また、本願のもとの出願の出願日前に、アンカー部に、当該アンカー部から突出する引っ掛かり部を設けることは、周知技術(例えば、特開平11-135363号公報の「端子本体31から首部321を介して立ち上げられた拡大頭部322からなるアンカー部材32」(段落【0022】)及び【図1】、特開平8-45584号公報の「突片33の端子長手方向基端部側の側縁に、端子31の板厚方向へ屈曲した屈曲部34が設けられている。」(段落【0027】)及び【図2】参照。)である。
そうすると、引用発明のアンカー部31aを強固に埋設するために、上記周知技術を適用して、相違点に係る本願発明1の構成のうち、「前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向に突出する引っ掛かり部を設け」ることは、当業者が容易に想到し得たことである。
しかしながら、刊行物1には、アンカー部31a、31bについて「アンカー部31aとアンカー部32bは、相異なる方向に伸びている」(段落【0034】)との記載、及び「異なる方向に伸びる複数のアンカー部31a,32bを設けたため、複数方向の外力に対して、保持金具30のソケットハウジング11に対する結合強度を確保することができ、保持金具30がソケットハウジング11から外れにくくなる」(段落【0037】)との記載があるものの、相違点に係る本願発明1の構成のうち、「前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させ」ることについて何ら記載も示唆もされていない。
また、本願発明1は、本願明細書の「これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを対向配置させたので、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまった場合に、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させることができるようになる。したがって、保持金具40Bのそれ以上の回動を抑制できるようになり、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをより抑制できるとともに、ソケットハウジング21のそれ以上の破損を食い止めることができるという利点がある。」(段落【0055】)との記載からみて、上記発明特定事項により、保持金具が回動してしまった場合に、回動を抑制できるとの効果を奏すると認められる。
したがって、引用発明に上記周知技術を適用しても、相違点に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
よって、本願発明1は、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。
2 本願発明2ないし10について
本願発明2ないし10は、本願発明1をさらに限定したものであるから、本願発明1と同様に、引用発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
第7 原査定についての判断
平成29年3月3日付けの手続補正により、補正後の請求項1ないし10は、「前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させ」るという発明特定事項を有するものとなった。当該発明特定事項は、原査定における刊行物AないしCには記載されておらず、本願のもとの出願の出願日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし10は、当業者であっても、原査定における刊行物AないしCに基いて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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