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特許拒絶査定不服審判

2016-010433

タービン排気拡散システムおよび方法

審判番号
2016-010433
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2011-233867外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年07月11日
審決日
2017年05月17日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (F01D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2011-233867号「タービン排気拡散システムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年5月17日出願公開、特開2012- 92837号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成23年10月25日(パリ条約による優先権主張 2010年(平成22年)10月27日(US)米国)の出願であって、平成27年9月8日付けで拒絶理由が通知され、平成27年10月30日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成28年3月8日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年7月11日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 本願発明について [1]本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、出願当初の明細書及び平成27年10月30日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに出願当初の図面からみて、次のとおりのものである。 「【請求項1】 燃焼セクション(162)と、 前記燃焼セクション(162)に結合されたタービンセクション(130)であって、 ロータに結合された複数のタービンブレード(180)を有するタービン段(178)と、前記複数のタービンブレード(180)のまわりに配置された固定シュラウド(196)と、前記固定シュラウド(196)と前記複数のタービンブレード(180)の各ブレード端(204)の間のクリアランス(194、238、244)とを備えるタービンセクション(130)と、 前記タービンセクション(130)に結合されたディフューザセクション(188)であって、前記複数のタービンブレード(180)の下流に膨張流路を画定する外壁(198)を備え、前記外壁(198)が、前記複数のタービンブレード(180)の回転軸(210)に対して第1の角度(218)を有する第1の壁部分(214)を備え、前記クリアランス(194、238、244)が、翼端上漏れ流(212)が前記外壁(198)に沿って境界層を付勢できるように構成された、ディフューザセクション(188)と、 を備え、 前記ブレード端(204)はシュラウドで覆われ且つカバー(304)を備える、 ガスタービンエンジン(118) を備えるシステム。」 [2]引用例 1.引用例 (1)引用例の記載事項 原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平6-173707号公報(以下、「引用例」という。)には、「ターボ装置用の多区域ディフューザ」に関して図面とともに以下の記載がある。 1a)「【0024】 【実施例】図面には本発明の複数実施例が略示されている。軸流排気ガスディフューザを有する図1のガスタービンには、本発明の理解にとって重要な部品のみが示されている。装置のうち、たとえば圧縮機部分、燃焼室、完全な排気ガス管、炉は示されていない。 【0025】各実施例で等しい部材には等しい符号を付してあるが、区別するためアルファベットを加えてある。図1~図3の実施例にはアルファベットは付加されていない。見やすくするために、屈折角度は図2にだけ示されている。作動媒体の流れ方向は矢印で示してある。 【0026】図1に軸方向貫流段階の最後の3段階だけが示されているガスタービンは、実質的に、動翼付きロータ1と静翼付きの保持部2から成っている。保持部2はタービンのハウジング3内に懸架されている。ロータ1は保持軸受4内に軸受けされ、保持軸受4は排気ガスハウジング内に支承されている。排気ガスハウジングは、この実施例の場合、実質的にボス側の内側部材6と外側の部材7とから成っている。これらの部材6,7によりディフューザ13が制限されている。これらの部材6,7は、軸線高さに分離平面を有する鉢形ハウジングである。これらの部材6,7は、また、付加溶接された複数の支持整流リブ8により結合されている。整流リブ8は周方向に一様に分配配置され、その断面は符号9で示されている。排気ガスハウジングは排気ガス流と接触しないように構成されている。本来の流れ案内はディフューザが受持っている。ディフューザは、その第1拡散区域が排気ガスハウジングとして用いられるように構成されている。この目的のために、ディフューザの外側制限壁14と内側制限壁15が整流リブ8を介して保持されている。そのさい、これら壁14,15には支持体10が貫通し、支持体10は整流リブ8内を延び、排気ガスハウジング6,7を保持している。」(段落【0024】ないし【0026】) 1b)「【0027】ディフューザの所望の機能形式にとって決定的に重要なものは、翼出口のところでの双方の制限壁14,15の屈折角度である。この場合、翼は開角の大きい、高負荷を受ける反動翼である。最終動翼列は高いマッハ数で流過される。翼基部のところの流路形状は円筒形であり、翼先端の流路形状は約30°の角度で傾斜している。このテーパをディフューザ内まで継続する場合、前記の約30°の角度は、流れを減速し、所望の圧力上昇を達成するには全く不適である。この角度であれば、流れは壁から剥離されるであろう。純構造的に考量するならば、ディフューザの30°の角度は7°に減じられるのが普通だろう。しかし、それによってディフューザ入口の屈折個所で流線が変向され、それに関連して不都合な圧力が発生し、この結果、勾配、すなわち翼のところでのガスの仕事が低減せしめられる。この結果、出力が低下する。そのさい利用されなかったエネルギーは、ディフューザ出口のところで局部的に超過速度を生じ、排気ガス管内へ放出される。 【0028】ディフューザは、したがって、もっぱら流体工学的な観点から構成される。この観点からすれば、流路の全高にわたって、要するにボスのところでもシリンダのところでも、出来るだけ均一の全圧力プロフィルが達成されるようにせねばならない。双方の屈折角度は、したがって、翼とディフューザ内の流れの全体にもとづいて決定される。」(段落【0027】及び【0028】) 1c)「【0029】半径方向の平衡を得るための方程式は、前述の圧力上昇の規模を決定する要因が、第一に流線の経線の曲率であることを教えている。要するに、圧力上昇は、全圧力を均一に分配するためには、先ず第一に流入角度を適合させることを通じて影響を与えられねばならない。ディフューザ入口のところの内側制限壁14の屈折角度αN(図2)は、原則として、前記の観点により決定されている。この結果、図示の例の場合には、屈折角度αNは水平面からプラス方向に上昇せしめられ、約15°とされている。この措置は、とりわけ冷却空気の影響にも帰することができる。なぜなら、周知のように、ボス、すなわちロータ表面並びに翼基部は、通例、冷却空気によりかなりの程度まで冷却されるからである。この冷却空気の一部は、ロータ表面に沿って主流路内へ流入する。この冷却空気は、主流より低温であり、このことのため、最終動翼後方のボスのところにエネルギーの乏しい区域が生じる。このガスタービン特有の事情の結果、このエネルギーの乏しい個所に前述の圧力勾配を強制的に生ぜしめなばならない。そして、この目的は、内側制限壁15の角度を増し、それによって流れの経線を変向させることによって達成される。こうすることにより得られたエネルギーによって、ディフューザのボスのところでの流れの剥離が防止される。こうしたすべてのことから得られる知見は、ディフューザの内側制限壁を任意に、たとえば円筒形にして続けることは、排気ガス流の欠乏を補償するには、不適であるということである。」(段落【0029】) 1d)「【0030】シリンダのところの、すなわち外側制限壁14のところの屈折角αZも、同じ観点で見なければならない。この制限壁14の場合は、もちろん、翼先端と翼保持部2との間の隙間流のため、極めて流れのエネルギーが豊富であることを考慮に入れなければならない。加えて、この流れは、強力な回転流れである。したがって、この場合、均一のエネルギー配分は、シリンダのところの屈折角度αZが、翼流路の傾斜に対して常に外方へ開いている場合にのみ達成される。図示の例では、これが10°だけ付加されることで可能となる。 【0031】この結果、ディフューザの合計開角は、翼の開角区域では翼の開角より大きくできることが分かる。純構造的な考量からでは、この値は決して得られない。 【0032】こうすることによって、造出された条件により、後続するディフューザ内で圧力変換が行われ、ディフューザ出口で均一で一様の排出流が得られることになる。 【0033】いまや明らかとなった点は、30°の開角を有するディフューザは、流れを減速するには不適当であるという点である。冒頭に挙げた公知のディフューザの場合、流路は、したがって、流れ案内リングを介して半径方向に複数の部分ディフューザに分割され、これら部分ディフューザが公知の規定に従って寸法づけされている。 【0034】しかしながら、本発明の基本思想によれば、第1拡散区域50は単一流路として構成される。この第1拡散区域50の流れ案内部材は、図2に示されている。単一流路を実現するため、いわゆる鐘形ディフューザが用いられている。このことは、経線の輪郭の相当開角θが、前記基準に従って定められた屈折角度αZとαNの下流で、流れの剥離防止のために、小さくされることを意味している。この角度の減少は、先ず比較的著しく、次いで比較的僅かに行われ、その結果、図示の鐘形が生ぜしめられる。・・・」(段落【0030】ないし【0034】) (2)上記(1)及び図面から分かること 1e)上記(1)1a)「【0024】・・軸流排気ガスディフューザを有する図1のガスタービンには、本発明の理解にとって重要な部品のみが示されている。装置のうち、たとえば圧縮機部分、燃焼室、完全な排気ガス管、炉は示されていない。」の記載及びガスタービンに関する技術常識から、ガスタービンにおけるタービンの部分は、燃焼室に結合されることが分かる。 1f)上記(1)1a)「【0026】図1に軸方向貫流段階の最後の3段階だけが示されているガスタービンは、実質的に、動翼付きロータ1と静翼付きの保持部2から成っている。・・」の記載及び図1の記載から、タービンは、ロータ1に結合された複数の動翼を有することが分かる。 1g)図1の記載から、複数の動翼のまわりに翼保持部2が配置されていることが分かる。 1h)上記(1)1d)「【0030】・・翼先端と翼保持部2との間の隙間流のため、極めて流れのエネルギーが豊富であることを考慮に入れなければならない。・・」の記載から、翼保持部2と動翼の翼先端の間には隙間が存在することが分かる。 1i)図1の記載から、タービンの部分には、ディフューザ13が結合され、ディフューザは、複数の動翼の下流に外側制限壁14を備えるものであることが分かる。 1j)図1及び上記(1)1d)の記載から、ディフューザ13の外側制限壁14が、複数の動翼の回転軸に対して角度を有する壁部分を備えることが分かる。 1k)図1及び上記(1)全体には、ガスタービンを備えるシステムが記載されていることが分かる。 (3)引用発明 上記(1)及び(2)並びに図面の記載から、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「燃焼室と、 燃焼室に結合されたタービンの部分であって、 ロータ1に結合された複数の動翼を有するタービンと、 複数の動翼のまわりに配置された翼保持部2と、翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間とを備えるタービンの部分と、 タービンの部分に結合されたディフューザ13であって、複数の動翼の下流に外側制限壁14を備え、外側制限壁14が、複数の動翼の回転軸に対して角度を有する壁部分を備え、翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間による隙間流が流れるディフューザ13とを備える、 ガスタービン を備えるシステム。」 [3]本願発明と引用発明との対比・判断 引用発明における「燃焼室」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「燃焼セクション」に相当し、以下同様に、「タービンの部分」は「タービンセクション」に、「ロータ1」は「ロータ」に、「動翼」は「タービンブレード」に、「タービン」は「タービン段」に、それぞれ相当し、引用発明における「翼保持部2」は、動翼のまわりに配置されるものであるから、本願発明における「固定シュラウド」に相当し、引用発明における「翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「固定シュラウドと複数のタービンブレードの各ブレード端の間のクリアランス」に相当し、以下同様に、「ディフューザ13」は「ディフューザセクション」に、「外側制限壁14」は「膨脹流路を画定する外壁」あるいは「外壁」に、「複数の動翼の回転軸」は「複数のタービンブレードの回転軸」に、「角度」は「第1の角度」に、「壁部分」は「第1の壁部分」に、「ガスタービン」は「ガスタービンエンジン」に、それぞれ相当する。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「燃焼セクションと、 燃焼セクションに結合されたタービンセクションであって、 ロータに結合された複数のタービンブレードを有するタービン段と、複数のタービンブレードのまわりに配置された固定シュラウドと、固定シュラウドと複数のタービンブレードの各ブレード端の間のクリアランスとを備えるタービンセクションと、 タービンセクションに結合されたディフューザセクションであって、複数のタービンブレードの下流に膨張流路を画定する外壁を備え、外壁が、複数のタービンブレードの回転軸に対して第1の角度を有する第1の壁部分を備えるディフューザセクションと、 を備える、 ガスタービンエンジン を備えるシステム。」 [相違点1] 本願発明においては、「固定シュラウドと複数のタービンブレードの各ブレード端の間のクリアランス」が、「翼端上漏れ流が外壁に沿って境界層を付勢できるように構成された」ものであるのに対して、引用発明においては、「翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間による隙間流」が外側制限壁14に沿って境界層を付勢できるように構成されたものであるか不明な点。(以下、「相違点1」という。) [相違点2] 本願発明においては、「タービンブレード」の「ブレード端はシュラウドで覆われ且つカバーを備える」のに対して、引用発明においては、動翼の翼先端が、シュラウドで覆われ且つカバーを備えるか不明である点。(以下、「相違点2」という。) 以下、相違点について検討する。 [相違点1について] まず、本願発明における「翼端上漏れ流が外壁に沿って境界層を付勢できるように構成された」(特に、「境界層を付勢する」こと)の技術的意義について検討する。 本願明細書における「【0024】・・・翼端上漏れ流212は、排気流240を外壁198に直接沿って向けるためのいくらかの追加運動量を付与する、高運動量の高エネルギー流である。翼端上漏れ流212は、排気流240に渦状の半径方向の運動量を付与し、それによって境界層を付勢する。境界層が付勢された結果、燃焼ガスの流れとディフューザセクション188の外壁198の間の剥離242が減少する。・・」(段落【0024】)及び「【0025】・・第2のクリアランス244の間の翼端上漏れ流212は、第1のクリアランス238により提供される流れより大きな、高運動量の高エネルギー240の流れを生じさせる。この翼端上漏れ流212は、ディフューザセクション188の外壁198を有する境界層を付勢し、かつ境界層に沿った剥離の形成を実質的に防止するのに十分な追加の運動量を燃焼ガスの排気流240に付与する。したがって、翼端上漏れ流212は、通常ディフューザセクション188内の大きな角度によって引き起こされる剥離に対処する。・・」(段落【0025】)によれば、「翼端上漏れ流が外壁に沿って境界層を付勢」するとは、高運動量の高エネルギー流である翼端上漏れ流212が、ディフューザセクション188の外壁198を有する境界層の排気流240に対して運動量を付与することにより、境界層の剥離を防止することである。 ここで、一般論を検証すると、「日野幹雄著、「理工学基礎講座16 流体力学」、第9刷、株式会社朝倉書店、1980年4月15日、p.146」における「境界層が物体表面から剥離するのは,境界層とくにその壁の近くにエネルギーの少ない層が存在するためである.それゆえ,境界層の剥離を防ぐにはこのエネルギーの少ない層にエネルギーを補うかこの層を除去すればよい.具体的には (i)境界層の吸込み (ii)境界層への吹込み (iii)境界層を層流から乱流にする(後に示すように乱流境界層では流体混合運動が激しく主流の運動量は壁近くにまで輸送され,流速分布が一様化する.) このような方法を境界層制御(boundary layer control)と呼ぶ.」の記載によれば、ディフューザ等の表面から「境界層が剥離するのは,境界層とくにその壁の近くにエネルギーの少ない層が存在するためである.それゆえ,境界層の剥離を防ぐにはこのエネルギーの少ない層にエネルギーを補うかこの層を除去すればよい.」のであって、境界層の剥離を防止するためには、「具体的には(i)境界層の吸込み(ii)境界層への吹込み(iii)境界層を層流から乱流にする」方法を用いればよいことは、技術常識というべきもの(以下、「技術常識」という。)であり、このような方法は一般に、「境界層制御」と呼ばれていることが分かる。 そして、本願発明は、前述の(i)ないし(iii)の境界層制御の方法のうち、「(ii)境界層への吹込み」を採用したものであるといえる。 一方、引用発明における「翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間による隙間流」は、上記[2]1.(1)1d)における「【0030】・・翼先端と翼保持部2との間の隙間流のため、極めて流れのエネルギーが豊富であることを考慮に入れなければならない。加えて、この流れは、強力な回転流れである。・・」及びその前後の記載並びに図1及び2の記載からみると、「翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間による隙間流」は、ディフューザの外側制限壁14に近接しており、しかも「極めて流れのエネルギーが豊富」な流れであって、そのような流れが外側制限壁14に沿って境界層における排気の流れに対して運動量を付与するものとなることは明らかであるから、本願発明と同様に、上記(i)ないし(iii)の境界層制御の方法のうち、「(ii)境界層への吹込み」を採用することにより、境界層の剥離を低減あるいは防止するものであるといえる。 そうすると、上記相違点1は実質的な相違点ではない。 さらに、請求人は、審判請求書において「本願明細書の段落0022~0025の記載から明らかなとおり、境界層の剥離防止のためには、第1の角度を有する第1の壁部分を形成だけでなく、第1の角度を有する第1の壁部分に適したクリアランスの形成することが不可欠であります。 引用文献1および2には、外壁の回転軸に対する角度についての記載はありますが、クリアランスを当該角度を有する外壁に適したものにするとの技術的思想は何ら記載されておらず、また示唆するものでもありません。引用文献3および4にも上記特徴に関する記載はなく、また示唆するものでもありません。」(【請求の理由】の(3))と主張する。 本願発明において、クリアランスを第1の角度を有する第1の壁部分に適したものとすることについては明確に特定されていないが、上記請求人の主張についても予備的に検討すると、タービン装置において、境界層の剥離を防止できる程度のエネルギーを備えた流れをディフューザの外壁に供給することは、周知技術(例えば、特開2009-133254号公報(特に段落【0038】ないし【0040】)、特開2007-120499号公報(特に段落【0024】、【0041】等)を参照。以下、「周知技術1」という。)であり、ディフューザの外壁における境界層の剥離を防止するという課題もタービンの技術分野においては一般的なものであるから、引用発明において、外側制限壁14における境界層の剥離を防止するために前記周知技術1を適用して、翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間による隙間流を境界層の剥離を防止できる程度のエネルギーを備えたものとして外側制限壁14に供給し、その際に、翼保持部2と動翼の翼先端の間の隙間を、境界層の剥離を防止するに十分なエネルギーを備えた流れが得られる程度の大きさとすることにより上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 [相違点2について] ブレード端の捩れや振動を防止する等の目的で、タービンブレードのブレード端にカバーを設け、かつブレード端をシュラウドで覆うことは、周知技術(特公昭47-14161号公報、特開昭61-268803号公報、特開2004-108290号公報、以下「周知技術2」という。)である。 よって、引用発明において、ブレード端の捩れや振動を防止する等のために、上記周知技術2を適用して、動翼の翼先端がシュラウドで覆われ且つカバーを備えるものとして、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 そして、本願発明は、引用発明、周知技術1、周知技術2及び技術常識から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 第3 むすび したがって、本願発明は、引用発明、周知技術1、周知技術2及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-010433

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