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特許異議申立

2015-700356

掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定用の装置

審判番号
2015-700356
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2011-542712
登録番号
特許第5744752号(P5744752)
請求日
2015年12月25日
審決日
2017年07月03日
公報発行日
2018年03月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】カール ツアイス メディテック アクチエンゲゼルシャフト
  • 【権利者代理人】恩田 誠
  • 【権利者代理人】恩田 博宣
  • 【権利者代理人】本田 淳
  • 【異議申立人】中條 澄子
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 ▲高▼橋 祐介
  • 審判官 渡戸 正義
分類
P1651.121-ZDA(A61B) / P1651.536-ZDA(A61B) / P1651.537-ZDA(A61B) / P1651.55 -ZDA(A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項2号特許法113条4号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第3項、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5744752号発明「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定用の装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5744752号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-23、26、27〕、24、25について訂正することを認める。 特許第5744752号の請求項8、10、14ないし23、26、27に係る特許を取り消す。 特許第5744752号の請求項1、3、4、6、7、9、11ないし13、24、25に係る特許を維持する。 特許第5744752号の請求項2、5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5744752号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~27に係る特許についての出願は、平成21年12月21日(優先権主張 平成20年12月23日)に特許出願され、平成27年5月15日に特許の設定登録がされ、その後、その請求項1~27に係る特許に対し、特許異議申立人中條澄子(以下、「申立人」という。)から特許異議の申立てがなされた。 その後、当審より、平成28年3月31日付けで取消理由を通知したところ、その指定期間内である同年7月5日付けで特許権者から意見書の提出及び訂正の請求(1回目)がなされ、その訂正請求に対して申立人から同年9月23日付けで意見書が提出され、同年12月1日付けで取消理由通知(決定の予告)がなされ、平成29年3月7日付けで特許権者から意見書の提出及び訂正の請求(2回目)がなされ、その訂正請求に対して申立人から同年4月29日付けで意見書が提出されたものである。 なお、申立人から提出された甲各号証を、以下、甲1などと省略して表記する。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 平成29年3月7日付け訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、同訂正請求書の記載によれば、以下の訂正事項1ないし26のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 また、平成28年7月5日付けの訂正請求は、本件訂正請求により取り下げられたものとみなされる。 (1)訂正事項1 訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る「前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、前記光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施される、ことを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記光源はδk<93m-1のレーザー線幅を有し、前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜および網膜からの信号が検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されていることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (2)訂正事項2 訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 訂正前の特許請求の範囲の請求項3に係る「前記スペクトル調整範囲Δkと前記レーザー線幅δkの比は360よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記スペクトル調整範囲Δkと前記レーザー線幅δkの比は360よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (4)訂正事項4 訂正前の特許請求の範囲の請求項4に係る「調整速度Δk/τと前記レーザー線幅δkとの割合は18kHzよりも大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「調整速度Δk/τと前記レーザー線幅δkとの割合は18kHzよりも大きいことを特徴とする請求項1または3に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (5)訂正事項5 訂正前の特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6)訂正事項6 訂正前の特許請求の範囲の請求項6に係る「前記光源の前記レーザー線幅δkは22m-1~50m-1にあることを特徴とする請求項2、3、4、または5に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、前記光源の前記レーザー線幅δkは22m-1~50m-1にあることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (7)訂正事項7 訂正前の特許請求の範囲の請求項7に係る「前記少なくとも1つのレシーバの帯域幅は2×Δk/(τ×δk)よりも大きく、80MHz未満であることを特徴とする請求項2、3、4、5、または6に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記少なくとも1つのレシーバの帯域幅は2×Δk/(τ×δk)よりも大きく、80MHz未満であることを特徴とする請求項1、3、4、または6に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (8)訂正事項8 訂正前の特許請求の範囲の請求項8に係る「参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜信号および角膜信号の位置と前記レーザー線幅δkとが互いに対応していることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されており、 参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができ、 前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源のδk<93m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源のδk<81m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を得ることができることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (9)訂正事項9 訂正前の特許請求の範囲の請求項9に係る「前記測定ビームは眼球に入る前に収束し、該収束のサイズは調整可能または切替可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記測定ビームは眼球に入る前に収束し、該直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (10)訂正事項10 訂正前の特許請求の範囲の請求項10に係る「前記測定ビームは眼球に入る前にコリメートされ、眼球を測定装置に合わせるか、または視軸上で眼球を固定することにより眼球を固定する手段が設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記測定ビームは眼球に入る前にコリメートされ、眼球を測定装置に合わせるか、または視軸上で眼球を固定することにより眼球を固定する手段が設けられていることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、8のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (11)訂正事項11 訂正前の特許請求の範囲の請求項11に係る「コリメートされた測定ビームと収束測定ビームとを切り替え可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 コリメートされた測定ビームと収束測定ビームとを切り替え可能であることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (12)訂正事項12 訂正前の特許請求の範囲の請求項12に係る「前記測定ビームは角膜頂点以外で眼球に当たり、前記測定ビームを眼球に対して位置決めするために、前記レシーバによって検出された光を評価することにより制御される装置が設けられることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記レシーバによって検出された光を評価することにより前記測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (13)訂正事項13 訂正前の特許請求の範囲の請求項13に係る「3×108~3×1013の光子束が前記光源の調整時間τの期間中に眼球に導かれることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 3×108~3×1013の光子束が前記光源の調整時間τの期間中に眼球に導かれることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (14)訂正事項14 訂正前の特許請求の範囲の請求項14に係る「前記測定は眼球の視軸に沿って実施されることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記測定は眼球の視軸に沿って実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~13のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (15)訂正事項15 訂正前の特許請求の範囲の請求項15に係る「前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施されることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~14のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (16)訂正事項16 訂正前の特許請求の範囲の請求項16に係る「モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用されることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「光源アームを有する前記光源、参照アーム及び検出アームを有する干渉計、および参照干渉計が設けられ、モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用されることを特徴とする請求項1、3、4、6~15のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (17)訂正事項17 訂正前の特許請求の範囲の請求項17に係る「参照信号およびサンプル信号が一定のスキャン速度でディジタル化され、前記参照信号およびサンプル信号に対して同じスキャン速度が使用されることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記光源の波数の較正のために用いられる、参照干渉計の参照信号および前記レシーバで受信されるサンプル信号が一定のスキャン速度でディジタル化され、前記参照信号およびサンプル信号に対して同じスキャン速度が使用されることを特徴とする請求項1、3、4、6~16のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (18)訂正事項18 訂正前の特許請求の範囲の請求項18に係る「前記測定ビームは600nm~1150nmの波長を有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記測定ビームは600nm~1150nmの波長を有することを特徴とする請求項1、3、4、6~17のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (19)訂正事項19 訂正前の特許請求の範囲の請求項19に係る「眼球に400nm~900nmの波長を有する照準マーカーを投影する装置が設けられることを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「眼球に400nm~900nmの波長を有する照準マーカーを投影する装置が設けられることを特徴とする請求項1、3、4、6~18のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (20)訂正事項20 訂正前の特許請求の範囲の請求項20に係る「眼球に対して前記測定ビームの調整をチェックするカメラが設けられ、前記カメラは前記測定ビームの波長と前記照準マーカーを検知することを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「眼球に対して前記測定ビームの調整をチェックするカメラが設けられ、前記カメラは前記測定ビームの波長と前記照準マーカーを検知することを特徴とする請求項19に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (21)訂正事項21 訂正前の特許請求の範囲の請求項21に係る「前記光源は眼球に対して移動可能であり、前記光源と参照干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記光源は眼球に対して移動可能であり、前記光源と参照干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1、3、4、6~20のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (22)訂正事項22 訂正前の特許請求の範囲の請求項22に係る「干渉計が眼球に対して移動可能であり、前記光源と干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「干渉計が眼球に対して移動可能であり、前記光源と干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1、3、4、6~21のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (23)訂正事項23 訂正前の特許請求の範囲の請求項23に係る「参照干渉計が前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の長さ較正のための波数基準を有することを特徴とする請求項1~22のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の波長較正のための波数基準を有する参照干渉計を備えることを特徴とする請求項1、3、4、6~22のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 (24)訂正事項24 訂正前の特許請求の範囲の請求項24に係る「角膜により後方散乱されて検出された光が、時間に依存する角膜位置に関する前記調整から評価され、評価された光が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれが角膜、水晶体、および/または網膜の位置データを補正するために使用されることを特徴とする、請求項15に記載の装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、 角膜により後方散乱され、個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正されることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。」に訂正する。 (25)訂正事項25 訂正前の特許請求の範囲の請求項25に係る「前記測定ビームが個々の調整の期間、または各調整間において横方向に偏向されることを特徴とする、請求項15に記載の装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。」を、「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、 前記測定ビームが前記光源の個々の調整中、または各調整間において横方向に偏向されることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。」に訂正する。 (26)訂正事項26 訂正前の特許請求の範囲の請求項26に係る「測定条件または再構成条件を変更する手段が設けられ、前記測定条件または再構成条件の変更はミラーアーチファクト信号を識別または抑制可能に実施されることを特徴とする請求項1~23のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」を、「測定条件または再構成条件を変更する手段が設けられ、前記測定条件または再構成条件の変更はミラーアーチファクト信号を識別または抑制可能に実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~23のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」に訂正する。 2 訂正事項についての判断 (1)訂正事項1 ア 訂正事項1-1 訂正事項1における「前記光源はδk<93m-1のレーザー線幅を有し、」と訂正する点を訂正事項1-1とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の段落【0070】には、「図3aでは、参照面は、網膜(R)の後方で設定されており、結果は93m-1の最大レーザー線幅である(曲線として図式的に表わされる54mmの全測定範囲にわたって80dBの信号レベル低下)。R’、C’は、ここでも以下でもミラーアーチファクトを示す。」と記載されている。 したがって、訂正事項1-1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項1-1は、訂正前の請求項1における光源の構成である「δk<168m-1のレーザー線幅を有」する点を、「δk<93m-1のレーザー線幅を有」する点に限定するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項1-2 訂正事項1における「前記光源の調整は重心波長k0を中心として時間τ<44s/(D×k0)で実施され、」と訂正する点を訂正事項1-2とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0014】には、「サンプル表面には結合装置を介して直径Dの測定ビームが照射され、光源はδk<168m-1のスペクトル線幅を有し、光源の調整はτ<44s/(D×k0)で実施される。」と記載されている。そしてτが時間を表すことは、当業者にとって明らかである。 したがって、訂正事項1-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項1-2は、特許請求の範囲の記載と明細書の記載を整合させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 ウ 訂正事項1-3 訂正事項1における「前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、」と訂正する点を訂正事項1-3とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 訂正事項1-3は、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項2の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項1-3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項1-3は、訂正前の請求項1における光源の構成に「少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有」する点を限定するものである。 よって、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 エ 訂正事項1-4 訂正事項1における「前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、」と訂正する点を訂正事項1-4とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 訂正前の請求項5には、「前記レシーバで検出される前記後方散乱光はΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化されることを特徴とする」と記載されている。 また、本件特許明細書等の段落【0044】には、「制御および評価ユニット10は、データ収集装置9を介してレーザー1の調整を(調整時間τのスペクトル調整範囲Δkで)制御し、サンプル3によって後方散乱され検出器4によって測定される光はディジタル化され、Aスキャンを再構成するために、周知のようにフーリエ変換、たとえば、離散フーリエ変換(DFT)される。」との記載があり、「測定される光」の「ディジタル化」が「制御および評価ユニット10」で行われる点が記載されている。 よって、訂正事項1-4は、訂正前の請求項5の記載及び本件特許明細書等の段落【0044】の記載より明らかである。 したがって、訂正事項1-4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項1-4は、訂正前の請求項1に係る発明の構成に「制御および評価ユニットが設けられている」点を付加するものであるから、発明特定事項を直列的に付加するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 オ 訂正事項1-5 訂正事項1における「参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜および網膜からの信号が検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されている」と訂正する点を訂正事項1-5とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0069】には、「参照アームを有する装置を使用すると、サンプル内の参照面を適当に定義することによって、1.角膜、水晶体、および網膜からの信号が十分な強度で検出され、しかも、2.ミラーアーチファクトが計算によって抑圧されまたは識別および排除されうることを保証することが可能である。」と記載されており、干渉計が、参照面と参照アームを有するものであることは、当業者にとって明らかである。 したがって、訂正事項1-5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項1-5は、訂正前の請求項1に係る発明の構成に「参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜および網膜からの信号が検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されている」点を付加するものであるから、発明特定事項を直列的に付加するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 カ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項1に係る訂正事項1-1ないし1-5の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 キ 小括 以上のことから、請求項1に係る訂正事項1-1ないし1-5の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同第3号に掲げるを明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」及び「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項3は、訂正前の請求項2が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」及び「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項4は、訂正前の請求項2が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (5)訂正事項5 訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項5を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (6)訂正事項6 訂正事項6の「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ」「ることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」と訂正する点について以下に検討する。 上記訂正は、訂正前の請求項6が請求項2、3、4、または5のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、上記訂正は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2ないし訂正事項1-4の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」及び「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 さらに、「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、「ウ 訂正事項1-3」「(イ)訂正の目的の適否」及び「エ 訂正事項1-4」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 加えて、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (7)訂正事項7 訂正事項7は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」及び「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項7は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (8)訂正事項8 ア 訂正事項8-1 訂正事項8における「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され」「ることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 と訂正する点を訂正事項8-1とし、以下に検討する。 訂正事項8-1は、訂正前の請求項8が請求項1~7のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、訂正事項8-1は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、さらに、「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 イ 訂正事項8-2 訂正事項8における「参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されており、 参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができ、 前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源のδk<93m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源のδk<81m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を得ることができる」と訂正する点を訂正事項8-2とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0068】ないし【0072】には、次の記載がある。 「【0068】 最大レーザー線幅δkは測定領域に依存することが明らかになっている。レーザー線幅は、自己相関関数を測定する場合に162m-1よりも小さくなければならず、すなわち、参照アームが阻止される。 【0069】 参照アームを有する装置を使用すると、サンプル内の参照面を適当に定義することによって、1.角膜、水晶体、および網膜からの信号が十分な強度で検出され、しかも、2.ミラーアーチファクトが計算によって抑圧されまたは識別および排除されうることを保証することが可能である。図3はこれを参照面の様々な位置に対して図式的に示しており、参照面は参照光路とサンプル光路の波長差によって設定される。 【0070】 図3aでは、参照面は、網膜(R)の後方で設定されており、結果は93m-1の最大レーザー線幅である(曲線として図式的に表わされる54mmの全測定範囲にわたって80dBの信号レベル低下)。R’、C’は、ここでも以下でもミラーアーチファクトを示す。 【0071】 図3bでは、参照面は、角膜(C)の前方で設定され、結果は81m-1の最大レーザー線幅である(角膜は網膜よりもよく反射するので、54mmの全測定範囲にわたって60dBの信号レベル低下が考えられる)。 【0072】 図3cでは、参照面は角膜(C)と網膜(R)の間で設定されており、結果は162m-1の最大レーザー線幅である。 図3aの場合と同様に、図3dでは、54mmの全測定範囲にわたってわずか20dBの目標信号レベル低下を想定して、参照面は網膜(R)の後方で設定されており、結果は47m-1の最大レーザー線幅である。これは好ましいレーザー線幅δkである。ここでは、参照面と眼球の最も近くにありかつ測定ビームによって横断される光学素子との間に64mmの最小間隔を実現する必要がある。」 訂正前の請求項8には、「参照アームを有する干渉計が設けられ」との記載があり、また、上記段落【0069】に、「サンプル内の参照面を適当に定義する」との記載があり、さらに、干渉計が参照アームと参照面を有することは、当業者にとって明らかである。 また、訂正前の請求項8には、「干渉計が」「測定対象である角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように」「設けられ」る点が記載されている。 そして、上記段落【0070】~【0072】には、参照面の設定部位とレーザー線幅との対応関係についての記載が存在する。 したがって、訂正事項8-2が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正でないとまではいえず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合していないとまではいえない。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項8-2は、訂正前の請求項8の記載における「網膜信号の位置」及び「角膜信号の位置」と「レーザー線幅δk」を対応させる点について本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項8に係る訂正事項8-1及び8-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 エ 小括 以上のことから、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明、及び、同第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (9)訂正事項9 ア 訂正事項9-1 訂正事項9における「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され」「ること特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」と訂正する点を訂正事項9-1とし、以下に検討する。 訂正事項9-1は、訂正前の請求項9が請求項1~8のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、訂正事項9-1は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、さらに、「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 イ 訂正事項9-2 訂正事項9における「前記測定ビームは眼球に入る前に収束し、該直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができる」とする訂正のうち、訂正前の「該収束のサイズ」を「該直径Dの測定ビームの収束のサイズ」に訂正する点を訂正事項9-2とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0026】には、「測定ビーム直径Dがサンプル入口の領域において3mmよりも小さいときは眼球のSS-OCDR用の装置が特に好都合である。 また、測定ビームは眼球に入る前に収束していることが好ましく、収束のサイズの設定または切替えが可能であることが好ましい。」と記載されており、この記載より、収束のサイズが測定ビームの直径Dであることは明らかである。 したがって、訂正事項9-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項9-2は、訂正前の請求項9における「収束サイズ」及び「測定ビーム」の「直径D」について、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 ウ 訂正事項9-3 訂正事項9における「前記測定ビームは眼球に入る前に収束し、該直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができる」とする訂正のうち、訂正前の「調整可能または切替可能」を「切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができる」に訂正する点を訂正事項9-3とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0026】には、「また、測定ビームは眼球に入る前に収束していることが好ましく、収束のサイズの設定または切替えが可能であることが好ましい。特に、収束を切り替えることによって、様々な眼球の領域(網膜、水晶体、角膜)から検出された信号の相対強度を互いに適合させ、あるいは最適化して信号の測定距離および目視評価の統合処理を容易にすることが可能である。」と記載されている。 したがって、訂正事項9-3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項9-3は、訂正前の請求項9における「測定ビーム」の「収束のサイズ」が「調整可能または切替可能」である点について、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 エ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項9に係る訂正事項9-1ないし9-3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 オ 小括 以上のことから、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同第3号に掲げるを明瞭でない記載の釈明、及び、同第4号に掲げる請求項間の引用関係を解消し、他の請求項の記載を引用する記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (10)訂正事項10 訂正事項10は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項10は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (11)訂正事項11 訂正事項11における「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ」「ることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」と訂正する点について以下に検討する。 上記訂正は、訂正前の請求項11が請求項1~8のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、上記訂正は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2ないし訂正事項1-4の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」及び「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 さらに、「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、「ウ 訂正事項1-3」「(イ)訂正の目的の適否」及び「エ 訂正事項1-4」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 加えて、訂正事項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (12)訂正事項12 ア 訂正事項12-1 訂正事項12における「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ」「ることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」と訂正する点を訂正事項12-1とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 訂正事項12-1は、訂正前の請求項12が請求項1~11のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、上記訂正は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2ないし訂正事項1-4の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」及び「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項12-1は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2ないし訂正事項1-4の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、「ウ 訂正事項1-3」「(イ)訂正の目的の適否」及び「エ 訂正事項1-4」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 イ 訂正事項12-2 訂正事項12における「前記レシーバによって検出された光を評価することにより前記測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられる」と訂正する点を訂正事項12-2とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0028】ないし【0029】には、次の記載がある。 「【0028】 また、コリメートされた測定ビームと収束測定ビームを切り替えることが可能であると好都合である。 測定ビームが角膜頂点以外の部位で眼球に当たるとき本発明のさらに好都合な実施例が得られ、眼球に対して測定ビームを位置決めするために、特に、レシーバによって検出される光を評価することによって駆動されうる装置を提供することが好ましい。・・・」 「【0029】 測定ビームを位置決めするこのような装置は、特にレーザーの調整と同期しているとき、Bスキャンを得ることができ、したがって、眼球全体にわたるOCTの実施が可能になる。測定ビームのこのような位置決めは、たとえば、同様に周知である検流計スキャナー(特許文献4)による偏角との組合せでそれ自体が周知である光学的配置によって実施される。」 上記の記載より、測定ビームを位置決めするために、レシーバによって検出された光を評価し、駆動されうる装置を提供することが好ましい点が読み取れ、「前記レシーバによって検出された光を評価することにより」「制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられる」点が記載されている点が認められるとともに、段落【0028】には、その位置決めが、「測定ビームが角膜頂点以外の部位で眼球に当たるとき」が好ましい点も記載されている。 したがって、「前記レシーバによって検出された光を評価することにより前記測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられる」点は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正といえる。 よって、訂正事項12-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項12-2は、訂正前の請求項12の記載における「光を評価することにより制御される装置」について本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項12に係る訂正事項12-1及び12-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 エ 小括 以上のことから、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明、及び、同第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (13)訂正事項13 訂正事項13は、訂正前の請求項13が請求項1~12のいずれか1項を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 また、訂正事項13は、訂正前の請求項1に、訂正事項1-2の訂正を行ったものであり、上記「(1)訂正事項1」の「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、さらに、「イ 訂正事項1-2」「(イ)訂正の目的の適否」と同様の理由により、 特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (14)訂正事項14 訂正事項14は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項14は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (15)訂正事項15 訂正事項15は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」の「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項15は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (16)訂正事項16 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0024】には「本発明によると、眼球用のSS-OCDR装置は、波長可変レーザー光源と、サンプルから隔絶された参照アームおよびサンプルアームを有する干渉計と、干渉計出力の検出器と、検出信号の信号処理ユニットとである。」との記載が、段落【0032】には「ファイバー内を伝播する種々のモード間の妨害寄生干渉とこれらに由来するアーチファクトとを回避するために、モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用されると、本発明の好都合な改良版が得られる。同様に、ファイバーの開放端は、再帰反射の干渉を回避するために斜めに研磨された表面として設計される。」との記載が、段落【0041】には「ここで、参照干渉計5は、検出器6,7に接続される2つの出力を有する光ファイバー・マッハ・ツェンダー干渉計である。・・・」との記載がある。 したがって、参照アームとサンプルアーム(検出アーム)を有する干渉計が設けられた点は上記記載より明らかである。 よって、訂正事項16のうち、「光源アームを有する前記光源、参照アーム及び検出アームを有する干渉計、および参照干渉計が設けられ、モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用されることを特徴とする」とした点は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 また、その余の点は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 よって、訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項16は、訂正前の請求項16の記載における「参照アーム」、「光源アーム」、「検出アーム」、「参照干渉計」と、「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置」との関係について本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであり、また、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項16の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ)小括 以上のことから、訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (17)訂正事項17 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0033】には「参照信号およびサンプル信号が一定のスキャン速度でディジタル化されると好都合であり、参照信号およびサンプル信号に同じスキャン速度を採用することが好ましい。しかしながら、発生するデータ量を抑制するために、参照干渉計の適切な選択を前提として、参照信号をサンプル信号のスキャンよりも低いスキャン速度でスキャンすることも可能である。」との記載が、段落【0049】には「この目的のために、参照干渉計5からの信号の位相が一意的に再構成される程にレーザー光源1の波数の調整における統計誤差が小さくなるようにすることはさらに必要である。・・・」との記載が、段落【0044】には「制御および評価ユニット10は、データ収集装置9を介してレーザー1の調整を(調整時間τのスペクトル調整範囲Δkで)制御し、サンプル3によって後方散乱され検出器4によって測定される光はディジタル化され、Aスキャンを再構成するために、周知のようにフーリエ変換、たとえば、離散フーリエ変換(DFT)される。」との記載がある。 したがって、上記記載より、「参照信号」が「参照干渉計からの信号」である点、「参照信号」と「スキャン速度」が同じ一定のスキャン速度でディジタル化される点が読み取れる。 また、本件特許明細書等の段落【0025】には、「信号源の波数基準に対して、つまり、OCDR信号の長さ較正に対して参照干渉計を使用することは特に好ましい。」との記載があり、参照干渉計を該光源の波数の較正のために用いることが読み取れる。 よって、訂正事項17のうち、「前記光源の波数の較正のために用いられる、参照干渉計の参照信号および前記レシーバで受信されるサンプル信号が一定のスキャン速度でディジタル化され、前記参照信号およびサンプル信号に対して同じスキャン速度が使用されることを特徴とする」点は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 また、その余の点は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 よって、訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項17は、訂正前の請求項17の記載における「参照信号」及び「スキャン速度」に関して、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであり、また、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項17の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ)小括 以上のことから、訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (18)訂正事項18 訂正事項18は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項18は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (19)訂正事項19 訂正事項19は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項19は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (20)訂正事項20 訂正事項20は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項20は、訂正前に請求項1~19を引用していた請求項20に対し、請求項19のみを引用するものとした訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとともに、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (21)訂正事項21 訂正事項21は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項21は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (22)訂正事項22 訂正事項22は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項22は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (23)訂正事項23 (ア)新規事項の有無 本件特許明細書等の段落【0025】には、「信号源の波数基準に対して、つまり、OCDR信号の長さ較正に対して参照干渉計を使用することは特に好ましい。」との記載がある。 また、段落【0046】には、「参照干渉計5は、本例では、調整プロセスのタイミングを正確に決定する働きをする。この目的のために、データ収集装置9を用いた参照干渉計信号および測定信号の同時記録は、レーザーの瞬時相対波数を測定信号にきわめて正確に割り当てることができる。」との記載があり、参照干渉計がOCDR信号の波長較正のための波長基準を有することが記載されているといえる。 よって、訂正事項23のうち、「前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の波長較正のための波数基準を有する参照干渉計を備えることを特徴とする」点は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 また、その余の点は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 よって、訂正事項23は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項23は、訂正前の請求項23の記載における「参照干渉計が前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の長さ較正のための波数基準を有する」点に関して、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであり、また、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項23の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ)小括 以上のことから、訂正事項23は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (24)訂正事項24 ア 訂正事項24-1 訂正事項24のうち「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、」と訂正する点を訂正事項24-1とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 明細書の段落【0014】には、「この目的は、以下の装置で実現される。この装置は、可動サンプル、特に人間の眼球に対するAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波長が可変なレーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともに、サンプル長に対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置である。サンプル表面には結合装置を介して直径Dの測定ビームが照射され、光源はδk<168m-1のスペクトル線幅を有し、光源の調整はτ<44s/(D×k0)で実施される。」と記載され、段落【0026】には、「測定ビーム直径Dがサンプル入口の領域において3mmよりも小さいときは眼球のSS-OCDR用の装置が特に好都合である。」と記載され、段落【0019】には、「光源が少なくともΔk>18000m-1の重心波数k0を中心としてスペクトル調整範囲Δkを有する場合、好都合である。」と記載され、段落【0044】には、「制御および評価ユニット10は、データ収集装置9を介してレーザー1の調整を(調整時間τのスペクトル調整範囲Δkで)制御し、サンプル3によって後方散乱され検出器4によって測定される光はディジタル化され、Aスキャンを再構成するために、周知のようにフーリエ変換、たとえば、離散フーリエ変換(DFT)される。」と記載され、段落【0021】には、「角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出が光源の1回の調整の間に実施される場合、特に好都合である。この場合、レシーバで検出された後方散乱光がΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化されると好都合である。これによってスペクトル情報が適切にスキャンされるようになる。」と記載されている。 したがって、訂正事項24-1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項24-1は、訂正前の請求項24が請求項15を介して請求項1ないし14の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ 訂正事項24-2 訂正事項24のうち「角膜により後方散乱され、個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正されることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。」と訂正する点を訂正事項24-2とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 訂正前の請求項25には、「個々の調整の期間」との記載が存在しており、また、光学コヒーレンスドメイン反射率測定を行う場合において、個々の調整中に検出された光が用られて測定が行われることは、当業者にとって明らかである。 よって、訂正前の「調整中に」の記載を「個々の調整中に」に、訂正前の「評価され」の記載を「個々に評価され」に訂正されることは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正といえる。 また、訂正前の請求項24には、「評価された光が予想プロファイルと比較され、」と記載されており、「評価された光」は、「角膜位置に関する前記調整から評価」されるのであるから、「角膜位置」の情報を有しているといえる。 そして、訂正前の請求項24に記載において「予想プロファイルからのずれ」が「角膜、水晶体、および/または網膜の位置データを補正するために使用される」のであるから、訂正後の「予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正されること」は、当然に導かれることである。 したがって、「角膜により後方散乱され、個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正されることを特徴とする」とした点は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正でないとまではいえない。 よって、訂正事項24-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項24-2は、訂正前の請求項24の記載における「角膜により後方散乱されて検出された光が、時間に依存する角膜位置に関する前記調整から評価され、評価された光が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれが角膜、水晶体、および/または網膜の位置データを補正するために使用される」点に関して、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項24に係る訂正事項24-1及び24-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 エ 小括 以上のことから、訂正事項24は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明、及び、同第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (25)訂正事項25 ア 訂正事項25-1 訂正事項25のうち「可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、」と訂正する点を訂正事項25-1とし、以下に検討する。 (ア)新規事項の有無 訂正事項25-1は、上記訂正事項24-1と同一の訂正である。 したがって、上記「(24)訂正事項24」の「ア 訂正事項24-1」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否 訂正事項25-1は、訂正前の請求項25が請求項15を介して請求項1ないし14の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立請求項としたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。 イ 訂正事項25-2 (ア)新規事項の有無 訂正前の「前記測定ビームが個々の調整の期間、または各調整間において横方向に変更される」を「前記測定ビームが前記光源の個々の調整中、または各調整間において横方向に変更される」と訂正することについて検討すると、調整される対象が「光源」であることは、明らかであるし、「調整の期間」と「調整中」は、実質的に同義であるといえるから、上記の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 よって、訂正事項25は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (イ)訂正の目的の適否及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項25は、訂正前の請求項25の記載における「個々の調整の期間、または各調整間」に関して、本件特許明細書等の記載に基づいて明確化するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 請求項25に係る訂正事項25-1及び25-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 エ 小括 以上のことから、訂正事項25は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、また、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明、及び、同第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (26)訂正事項26 訂正事項26は、上記「(1)訂正事項1」の「ア 訂正事項1-1」「(ア)新規事項の有無」、「イ 訂正事項1-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項1-3」「(ア)新規事項の有無」、「エ 訂正事項1-4」「(ア)新規事項の有無」、「オ 訂正事項1-5」「(ア)新規事項の有無」、上記「(8)訂正事項8」の「イ 訂正事項8-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(9)訂正事項9」「イ 訂正事項9-2」「(ア)新規事項の有無」、「ウ 訂正事項9-3」「(ア)新規事項の有無」、上記「(12)訂正事項12」の「イ 訂正事項12-2」「(ア)新規事項の有無」、上記「(16)訂正事項16」の「(ア)新規事項の有無」、上記「(17)訂正事項17」の「(ア)新規事項の有無」、及び、上記「(23)訂正事項23」の「(ア)新規事項の有無」と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項26は、訂正前の請求項2及び5が削除されたことに伴い、請求項の引用関係を訂正したものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (27)一群の請求項について 訂正前の請求項1及びそれを直接的又は間接的に引用する請求項2ないし27は、一群の請求項である。 (28)引用関係の解消の求めについて 引用関係の解消を目的とする訂正事項24及び訂正事項25は、上記のとおり認められるから、訂正後の請求項24、25について、訂正後の請求項〔1~23、26、27〕とは別途訂正することを認める。 3 訂正についてのまとめ 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するので、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~23、26、27〕、24、25についての訂正を認める。 第3 本件訂正発明 上記「第2 訂正の適否についての判断」に記したように、本件訂正は認められることとなったので、訂正後の本件特許の請求項1、3、4、6~27に係る発明は、次の事項により特定される発明であると認める。 なお、本件訂正により訂正された請求項1、3、4、6~27に係る発明を、それぞれ「本件訂正発明1」などという。 【請求項1】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<93m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜および網膜からの信号が検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されていることを特徴とする掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項2】削除 【請求項3】 前記スペクトル調整範囲Δkと前記レーザー線幅δkの比は360よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項4】 調整速度Δk/τと前記レーザー線幅δkとの割合は18kHzよりも大きいことを特徴とする請求項1または3に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項5】削除 【請求項6】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記光源の前記レーザー線幅δkは22m-1~50m-1にあることを特徴とする請求項1、3、または4に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項7】 前記少なくとも1つのレシーバの帯域幅は2×Δk/(τ×δk)よりも大きく、80MHz未満であることを特徴とする請求項1、3、4、または6に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項8】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されており、 参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができ、 前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源のδk<93m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源のδk<81m-1のレーザー線幅を得ることができ、 参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を得ることができることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項9】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記測定ビームは眼球に入る前に収束し、該直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項10】 前記測定ビームは眼球に入る前にコリメートされ、眼球を測定装置に合わせるか、または視軸上で眼球を固定することにより眼球を固定する手段が設けられていることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、8のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項11】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 コリメートされた測定ビームと収束測定ビームとを切り替え可能であることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項12】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記レシーバによって検出された光を評価することにより前記測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項13】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 3×108~3×1013の光子束が前記光源の調整時間τの期間中に眼球に導かれることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項14】 前記測定は眼球の視軸に沿って実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~13のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項15】 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~14のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項16】 光源アームを有する前記光源、参照アーム及び検出アームを有する干渉計、および参照干渉計が設けられ、モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用されることを特徴とする請求項1、3、4、6~15のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項17】 前記光源の波数の較正のために用いられる、参照干渉計の参照信号および前記レシーバで受信されるサンプル信号が一定のスキャン速度でディジタル化され、前記参照信号およびサンプル信号に対して同じスキャン速度が使用されることを特徴とする請求項1、3、4、6~16のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項18】 前記測定ビームは600nm~1150nmの波長を有することを特徴とする請求項1、3、4、6~17のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項19】 眼球に400nm~900nmの波長を有する照準マーカーを投影する装置が設けられることを特徴とする請求項1、3、4、6~18のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項20】 眼球に対して前記測定ビームの調整をチェックするカメラが設けられ、前記カメラは前記測定ビームの波長と前記照準マーカーを検知することを特徴とする請求項19に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項21】 前記光源は眼球に対して移動可能であり、前記光源と参照干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1、3、4、6~20のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項22】 干渉計が眼球に対して移動可能であり、前記光源と干渉計とが接続されることを特徴とする請求項1、3、4、6~21のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項23】 前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の波長較正のための波数基準を有する参照干渉計を備えることを特徴とする請求項1、3、4、6~22のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項24】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、 角膜により後方散乱され、個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正されることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。 【請求項25】 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法であって、 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有し、 前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられ、 前記角膜、水晶体、および網膜によって後方散乱される光の検出は前記光源の調整中に実施される装置を用いて、 前記測定ビームが前記光源の個々の調整中、または各調整間において横方向に偏向されることを特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法。 【請求項26】 測定条件または再構成条件を変更する手段が設けられ、前記測定条件または再構成条件の変更はミラーアーチファクト信号を識別または抑制可能に実施されることを特徴とする請求項1、3、4、6~23のいずれか一項に記載の眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 【請求項27】 前記測定条件または再構成条件を変更する手段は、干渉計のサンプルアームと参照アームとの経路長差を変更するユニットであることを特徴とする請求項26に記載の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 第4 申立理由 申立人は、下記甲1ないし25を提出した。 甲1:Chong, C. 外3名, Spectral narrowing effect by quasi-phase continuous tuning in high-speed wavelength-swept light source, Optical Society of America, OPTICS EXPRESS Vol.16, No.25 2008年12月8日, p.21105-21118 甲2:特表2007-510143号公報 甲3:Srinivasan, V. J. 外6名, High-speed, high-resolution optical coherence tomography retinal imaging with a frequency-swept laser at 850nm, Optical Society of America, Optics Letters Vol.32, No.4 2007年2月15日, P.361-363 甲4:特表2003-527914号公報 甲5:特表2002-515593号公報 甲6:国際公開第01/088573号 甲7:国際公開第2007/109127号 甲8:特表2004-530905号公報 甲9:国際公開第2007/065670号 甲10:特表2003-524758号公報 甲11:特開2007-101267号公報 甲12:特開2003-164483号公報 甲13:国際公開第2008/086017号 甲14:板谷正紀,「眼科における光干渉断層計の進歩」,日本レーザー医学会誌,2008年7月16日,第28巻第2号(2007),P.146-159 甲15:特開2005-198851号公報 甲16:再公表特許第2006/019181号 甲17:板谷正紀,「眼底用光干渉断層計の進歩」,メディカル・フォトニクス,No.7(2011年秋号),株式会社オプトロニクス社,P.58-64 甲18:特開平4-96727号公報 甲19:特表2007-508558号公報 甲20:特開2008-289643号公報 甲21:再公表特許第2008/029506号 甲22:米国特許出願公開第2006/0187462号明細書 甲23:米国特許出願公開第2007/0076217号明細書 甲24:特開2008-122295号公報 甲25:米国特許出願公開第2007/0013917号明細書 そして、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)の第36頁~第37頁「3.申立の理由」「(3)申立ての根拠」の項、及び、第165頁「(5)むすび」の項に記載された条文に鑑み、申立理由を整理すると、次の(申立理由1)ないし(申立理由5)を申立人は主張している。 (申立理由1) 本件特許の請求項1~10、12、13、16、17及び20~27に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (申立理由2) 本件特許の請求項1に係る発明の特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (申立理由3) 本件特許の請求項1~7、13、18及び19に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (申立理由4) 本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものである。 (申立理由5) 請求項1~27に係る発明は、甲1~5及び9~25に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 第5 訂正請求に伴い生じた取消理由について 1 平成28年12月1日付け取消理由通知(決定の予告)で通知した「訂正請求に伴い生じた取消理由」 平成28年12月1日付け取消理由通知(決定の予告)において、当審より、「訂正請求に伴い生じた取消理由」として通知した理由は、以下のとおりである。 「 本件特許の訂正後の請求項8及び請求項8を引用する請求項10~12、14~23、26、27は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。」 「 本件訂正発明8は、以下の点が規定されている。 (ア)「参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置と前記レーザー線幅δkとが互いに対応して」いる点。 (イ)「前記参照アームを阻止しつつ自己相関関数を測定する場合、前記光源はδk<162m-1のレーザー線幅を有」する点。 (ウ)「参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源はδk<162m-1のレーザー線幅を有」する点。 (エ)「前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源はδk<93m-1のレーザー線幅を有」する点。 (オ)「参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源はδk<81m-1のレーザー線幅を有」する点。 (カ)「参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を有する」点。 上記の各々の点について以下に検討する。 上記(ア)において、「Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置」と「レーザー線幅δkとが互いに対応」しているとは、どのような態様を表現しているのか依然として不明であり、本件特許明細書等の記載を参酌しても、その記載によって特定される構成が理解できない。 また、上記(イ)において、「参照アームを阻止しつつ自己相関関数を測定する」とは、どのような場合をさすのか不明であり、本件特許明細書等の記載を参酌しても、その記載によって特定される構成が理解できない。 さらに、上記(ウ)ないし(カ)において、参照面の位置と、光源のレーザー線幅の関係が規定されているが、それがどのような態様の規定であるのか、不明であり、本件特許明細書等の記載を参酌しても、その記載によって特定される構成が理解できない。 そして、訂正前の請求項8に係る発明に対して、平成28年3月31日付け取消理由通知書において、「請求項8において、「前記Aスキャンにおける網膜信号および角膜信号の位置と前記レーザー線幅δkとが互いに対応している」とあるが、「網膜信号の位置」及び「角膜信号の位置」と、「レーザー線幅δk」を対応させるとは、具体的にどのようなことを行うのか不明であるとともに、明細書の発明の詳細な説明の記載を参照しても、具体的な態様や、そのように対応させることの技術的な意味が不明であり、本件特許発明8の上記の構成が明確に把握できない。」と指摘したのに対して、特許権者は、訂正事項8の訂正を行ったが、それに伴い、新たに、「参照面の位置」と「レーザー線幅δkとが互いに対応している」点、「参照アームを阻止しつつ自己相関関数を測定する」点、及び、参照面の設定部位と光源のレーザー線幅の関係という、新たな不明な点が生じている。 これらの点に関して、特許権者は、平成28年7月5日付け意見書において、「この訂正により、干渉計の参照アームとレーザー線幅との関係または網膜および角膜に対する参照面の位置とレーザー線幅との関係が明らかとなって本件特許発明8の構成および技術的な意味が明確となった。」と主張しているが、依然として上記の点が不明であり、本件訂正発明8は取り消されるべきものである。 訂正後の請求項8の記載を引用している本件訂正発明10~12、14~27についても同様である。」 2 検討 本件訂正により、上記の取消理由が解消したか否かを以下に検討する。 本件訂正発明8は、a)ないしi)の符号を付与して分説すると、下記の事項により特定される発明である。 【請求項8】 a) 可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うために、重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 b) 前記サンプルは3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 c) 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 d) 前記光源の調整は重心波数k0を中心として時間τ<44sec/(D×k0)で実施され、 e) 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されており、 f) 参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができ、 g) 前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源のδk<93m-1のレーザー線幅を得ることができ、 h) 参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源のδk<81m-1のレーザー線幅を得ることができ、 i) 参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を得ることができること を特徴とする眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。 そして、本件訂正発明8は、以下の発明特定事項を含むと認められる。 「e) 参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜、水晶体、および網膜からの信号が充分な強度で検出されるように前記Aスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されて」いる点。 「f) 参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができ」る点。 「g) 前記参照面が網膜の後方で設定されている場合、前記光源のδk<93m-1のレーザー線幅を得ることができ」る点。 「h) 参照面が角膜の前方で設定されている場合、前記光源のδk<81m-1のレーザー線幅を得ることができ」る点。 「i) 参照面が網膜の後方で設定され、かつ参照面と眼球の最も近くにある光学素子との間に最小間隔が設定されている場合、前記光源はδk<47m-1のレーザー線幅を得ることができる」点。 そこで、上記e)の点を考慮した上で上記f)の点を検討すると、本件訂正発明8は、干渉計が設けられるものであり、干渉計の参照面は、測定対象に応じて、その位置を変更するものであることは当業者の技術常識であるから、角膜、水晶体、および網膜を測定するにあたって、参照面が測定対象に応じて適宜設定し得るものであることは理解できる。しかしながら、「レーザー線幅を得る」とは、何を意味するのか不明であることから、「参照面が角膜と網膜との間で設定されている場合、前記光源のδk<162m-1のレーザー線幅を得ることができる」とは、どのような態様を表現しているのか不明である。この点に関して、本件特許明細書等の段落【0069】ないし【0072】の記載を参酌しても、「参照面が角膜と網膜との間で設定されている」場合に、「δk<162m-1のレーザー線幅を得ることができる」ことの理由は不明であり、依然として本件訂正発明8の発明特定事項が明確に把握できない。そして、本件訂正発明8の技術的意義も理解できない。 同様のことは、上記g)、h)、及び、i)の点についてもいえる。 したがって、本件訂正発明8は明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 また、請求項8の記載を引用する本件訂正発明10、14ないし23、26、27についても、同様である。 3 特許権者による平成29年3月7日付け意見書の主張への反論 特許権者は、平成29年3月7日付け意見書の第4頁第17行ないし第22行において、「この訂正により、訂正前の記載「網膜信号および角膜信号の位置とレーザー線幅δkとが互いに対応している」が不明であるとの指摘事項について対処がなされ、網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されることが特定され、また、適当に設定された参照面の4箇所の各位置に応じて得ることができるレーザー線幅が特定されることで、上記訂正前の記載の意味が明確となった。よって、訂正後の本件特許発明8は明確である。」と主張している。 しかしながら、そもそも、「参照面の4箇所の各位置に応じて得ることができるレーザー線幅が特定される」ことの技術的意義が不明であり、上記意見書には、なぜ、「参照面の4箇所の各位置に応じて得ることができるレーザー線幅が特定される」ことによって、本件訂正発明8が明確であるといえるのか、具体的な理由が何ら示されていないことから、上記意見書の記載を参酌しても、先に示した取消理由を覆すに足る根拠を見いだすことができない。 4 まとめ 以上のことから、本件訂正発明8、10、14ないし23、26、27についての特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第1項第4号に該当し、取り消すべきものである。 第6 取消理由の概要 平成28年12月1日付けの取消理由(上記「第5 訂正請求に伴い生じた取消理由について」において検討した理由を除く)の概要は、次のとおりである。 本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の優先権主張日前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、その発明に係る特許は特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。 記 ・請求項1~5、7、9~11、13~23、26、27について ・下記刊行物等1ないし12 刊行物1:Chong, C. 外3名, Spectral narrowing effect by quasi-phase continuous tuning in high-speed wavelength-swept light source, Optical Society of America, OPTICS EXPRESS Vol.16, No.25 2008年12月5日, p.21105-21118(甲1) 刊行物2:Srinivasan, V. J. 外6名, High-speed, high-resolution optical coherence tomography retinal imaging with a frequency-swept laser at 850nm, Optical Society of America, Optics Letters Vol.32, No.4 2007年2月15日, P.361-363(甲3) 刊行物3:特開2008-122295号公報(甲24) 刊行物4:特表2007-510143号公報(甲2) 刊行物5:再公表特許第2006/019181号(甲16) 刊行物6:特開2005-198851号公報(甲15) 刊行物7:特開平4-96727号公報(甲18) 刊行物8:特開2007-101267号公報(甲11) 刊行物9:特開2003-164483号公報(甲12) 刊行物10:特開2008-289643号公報(甲20) 刊行物等11:国際公開第2008/086017号(甲13) 刊行物12:特表2007-508558号公報(甲19) 第7 取消理由についての判断 1 刊行物等の記載事項 (1) 刊行物1(甲1)の記載事項 刊行物1には、以下の記載がある。なお、下線は、申立人により、又は、当審において付与したものである。 刊1-1 「This paper reports on a technique to improve the coherence length of a high-speed wavelength swept laser. The wavelength swept laser comprises a pigtailed semiconductor optical amplifier and a wavelength-scanning filter in a fiber extended cavity configuration.」(第21105頁第1行-第4行)(当審仮訳:この論文は、高速な波長掃引レーザーのコヒーレンス長を改善するための技術を報告する。波長掃引レーザーは、ピグテール付き半導体光増幅器及び波長掃引フィルタをファイバで延長されたキャビティという構成で備える。) 刊1-2 「Fast wavelength-swept lasers are increasing being used as light sources for applications that require dynamic or real time measurements with high sensitivity and wide dynamic range. Examples include interferometric measurements such as swept-source optical coherence tomography(SS-OCT)[1-7]…. In the case of SS-OCT …coherence length, or instantaneous linewidth of swept source is a key parameters that determines the measurement depth range in cross-sectioned images. 」(第21106頁第2行-第8行。)(当審仮訳:高速波長掃引レーザーは、高い感度と広いダイナミックレンジのもとに動的又はリアルタイムに測定を行うことを必要とする用途のための光源として用いられることが増えている。例としては・・・波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)・・・などの干渉測定が挙げられる。SS-OCT・・・において、コヒーレンス長や波長掃引光源の瞬時線幅は、断層像の測定深さ範囲を決定する重要なパラメータである。) 刊1-3 「Scan range measured by optical spectral analyzer was 55nm, from 1271 nm to 1326 nm.」(第21112頁第11行-第12行)(当審仮訳:光学スペクトルアナライザによって測定されたスキャン範囲は1271nmから1326nmまでの55nmである。) 刊1-4 「… a high-speed receiver with 2.5 GHz bandwidth is used to detect the fringe signal.」(第21112頁第18行-第19行)(当審仮訳:2.5GHz帯の高速レシーバはフリンジ信号を検出するために使用される。) 刊1-5 「Figure 14 shows the measured OCT signal spectrum at different positions at two swept rates, 2.5, 20 kHz. Coherence length was 30 mm, and 17 mm, corresponding to 0.025 nm, 0.043 nm of linewidth respectively at center wavelength of 1289 nm.」(第21115頁第3行-第6行)(当審仮訳:図14は2つの掃引レート2.5と20kHzで異なる位置で測定されたOCT信号スペクトルを示している。1289nmの中心波長での線幅0.025nm、0.043nmそれぞれに応じたコヒーレンス長は30mmと17mmである。) 上記「刊1-1」ないし「刊1-5」より、以下の点が読み取れる。 a 波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)であり、波長可変レーザーを光源として使用する点。 b フリンジ信号を検出するために高速レシーバが使用される点。 c 掃引レートとして、2.5kHzと20kHzを採用した点。 d 1289nmの中心波長での線幅0.025nm、0.043nmを採用した点。 上記cより、2.5kHzの場合には、τ=1/2500=0.004secが導き出せる。 上記dと、公知のδk=2π・δλ/λ2 の関係式より、δλ=0.025nmであれば、δk=94.4m-1が導き出せる。 また、上記「刊1-3」には、Δλが55nmである点が記載されており、上記「刊1-5」より、中心波長λ0=1289nmが導き出せることから、Δk=2π・Δλ/λ2 の関係式より、スペクトルの調整範囲を示すΔkの値は207664m-1となる。 したがって、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「波長可変レーザーが光源として使用され、フリンジ信号を検出するために高速レシーバが使用される波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)であり、 δk=94.4m-1の線幅で、 τ=0.004secの掃引レートが採用され、 Δk=207664m-1である、 波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)。」 (2) 刊行物2(甲3)の記載事項 刊行物2には、以下の記載がある。なお、下線は申立人により、又は、当審において付与したものである。 刊2-1 「High-speed, high-resolution optical coherence tomography (OCT) imaging of human retina is demonstrated using a frequency-swept laser at 850nm. …The laser enables an effective 16kHz sweep rate with 10mm coherence length and a tuning range of ~35nm full width at half-maximum, yielding an axial resolution of 7μm in tissue..」(第361頁上段第1行-第5行) (当審仮訳:高速かつ高解像度の光コヒーレンス断層撮影法(OCT)による人間の網膜の撮像が、周波数掃引レーザーを850nmにおいて用いることによって実証される。・・・そのレーザーは、効果的な16kHzの掃引速度を、10mmより大きいコヒーレント長および約35nmの半値幅と共に実現可能であり、それにより、組織内における7μmより小さい軸方向解像度という効果を生じさせる。) 刊2-2 「In this Letter, we demonstrate OCT retinal imaging using an external cavity tunable semiconductor laser at 850nm. Imaging is performed at 16,000 axial scans per second with 7μm resolution in tissue.」(第361頁右欄第3行-第7行)(当審仮訳:この報告で、我々は、外部共振波長可変半導体レーザーを850nmにおいて用いてOCT網膜撮像を実証する。撮像は、組織内において7μm未満の分解能で1秒当たり16,000回の軸方向スキャンで実行される。) 刊2-3 「The width of the filter function is estimated at 840.5nm as 0.089nm(38GHz)FWHM by measuring the stationary linewidth of the laser output when the gain element is driven with a current that is well below the lasing threshold.」(第362頁左欄第22行-第27行)(当審仮訳:利得素子がレージング閾値を十分に下回る電流により駆動させられた時のレーザー出力の静止状態の線幅を測定することにより、フィルタ機能の幅は、840.5nmにおいて0.089nm(38GHz)FWHMと推定される。) 刊2-4 「The output is collimated by a 4.5 mm focal length aspheric lens and coupled into a single-mode fiber by a 15.4 mm focal length aspheric lens.」(第362頁左欄第33行-第36行)(当審仮訳:その出力は、4.5mmの焦点非球面レンズによってコリメートされ、15.4mmの焦点距離を有する非球面レンズによってシングルモードファイバーに結合される。) 刊2-5 「The spot size at the cornea is 1.2mm FWHM. Dual-balanced detection is performed using a circulator and an 80MHz balanced receiver.」(第362頁左欄第46行-第49行)(当審仮訳:角膜におけるスポットサイズは、1.2mm(FWHM)である。デュアル・バランス検出は、サーキュレーターと80MHzのバランスレシーバーを用いて行われる。) 刊2-6 「The two fringe traces(the OCT trace and the calibration trace) are acquired simultaneously at 50 MHz by using a 14 bit analog-to-digital (A/D) converter.」(第363頁左欄第52行-第55行)(当審仮訳:2つのフリンジ・トレース(OCTトレース及びその較正トレース)は、14bitのアナログ-デジタル(A/D)コンバータを用いることによって、50MHzで同時に取得される。) 上記「刊2-1」より、掃引レートとして16kHzを採用することから、τ=1/16000=0.0000625secが導き出せる。 上記「刊2-3」と、公知のδk=2π・δλ/λ2 の関係式より、δλ=0.089nm、λ=840.5nmの条件から、δk=792m-1が導き出せる。 上記「刊2-6」には、OCTトレースをアナログ-デジタル(A/D)コンバータを用いることによって50MHzで取得する点が記載されている。 したがって、刊行物2には、以下の事項が記載されていると認められる。 「波長可変半導体レーザーを光源として使用し、撮像は、軸方向スキャンで実行され、 デュアル・バランス検出を行うサーキュレーターと80MHzのバランスレシーバーを備え、 角膜におけるスポットサイズは、1.2mm(FWHM)であり、 τ=0.0000625secであり、 δk=792m-1であり、 OCTトレースをアナログ-デジタル(A/D)コンバータを用いることによって50MHzで取得する、 光コヒーレンス断層撮影法(OCT)による人間の網膜の撮像装置。」 (3) 刊行物3(甲24)の記載事項 刊行物3には、以下の記載がある。なお、下線は当審において付与したものである。 「【0007】 これに対してOFDR-OCTは、分光器で干渉光を分光する代わりに、光源に狭帯域の可変波長光発生装置を用いその出射光の波数を走査することによって、干渉光の強度を波数毎に計測して断層像を構築する。この方式は本発明者によって発明されたものであるが、光源には波数が階段状(離散的)に変化する半導体可変波長レーザが用いられる(特許文献1)。その後、スウェプト光源(Swept Sorce)と呼ばれる可変波長レーザを用いたOFDR-OCTが報告された(非特許文献3,4)。スウェプト光源は、ファイバー・リング・レーザの一種であり装置構成が簡単でることが特徴である。また、スウェプト光源は出射光の波数が連続的に変化する点で本発明者等が用いた半導体可変波長レーザとは異なるが、両方式に本質的な相違はない。」 「【0020】 例えば、角膜、虹彩、水晶体等からなる前眼部の断層像を撮影する場合、被験者の前眼部は瞬きや眼球の運動によって頻繁に動いている。この様に動きの激しい組織の断層像撮影はTD-OCTでは困難であるが、OFDR-OCTを用いれば容易に撮影することができる(尚、眼底の断層像撮影では網膜のような薄い組織が断層像撮影の対象なので、TD-OCTであっても撮影時間は短く支障は生じない。)。」 したがって、刊行物3には、スウェプト光源(Swept Sorce)を用いたOCTにより、角膜、虹彩、水晶体等からなる前眼部の断層像を撮影することが記載されている。 (4) 刊行物4(甲2)の記載事項 刊行物4の段落【0101】には、「ビームをサンプル上又はサンプル内部で集束するためにレンズ336(非球面形、グレーデッド形、球面形、回折形、ボール形、円筒形など、但し、これだけに限らない)を使用してよい。」との記載があることから、ビームを収束させる点が記載されていると認められる。 (5) 刊行物5(甲16)の記載事項 刊行物5の第12頁第35行には、「可変焦点レンズ54の焦点距離が制御される。」との記載があり、また、図8にも「可変焦点レンズ54」が記載されており、ここにおいて、「可変焦点レンズ54の焦点距離が制御される」ことは、可変焦点レンズ54によって収束された測定ビームのサイズが調整され、ないしは切り替えられることを意味すると認められる。 (6) 刊行物6(甲15)の記載事項 刊行物6の段落【0014】には、「被検眼Eを固視させることによって被検眼の視軸を一定方向に固定するための固視灯9を備えている。」との記載があることから、「眼球を測定装置に合わせるか、または視軸上で眼球を固定することにより眼球を固定する手段が設けられている」構成が記載されている。 (7) 刊行物7(甲18)の記載事項 刊行物7の第3頁右下欄第16行-第20行には、「この対物レンズ56で、被検眼が正常眼のとき収束光束P1’は平行光束P1”となり、平行光束P2’は、収束光束P2”となり共に生体眼31に導かれる。収束光束P2”は、角膜曲率中心40に向かう光束となる。」との記載があり、第1図及び第2図の記載を勘案すると、刊行物7には、コリメートされた測定ビームと収束測定ビームとを切り替え可能とした点が記載されていると認められる。 (8) 刊行物8(甲11)の記載事項 刊行物8の段落【0019】には、「光断層画像化装置1は、たとえば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像をSS-OCT計測により取得する」ものである点が記載されており、段落【0020】には、「光源ユニット10は、周波数を一定の周期で掃引させながらレーザ光Lを射出するレーザ光源10Aと、・・・を有している。」と記載されていることから、刊行物8には、生体組織等で後方散乱される光の検出が光源の調整中に実施される点が記載されていると認められる。 (9) 刊行物9(甲12)の記載事項 刊行物9の、段落【0015】には、「XY方向のアライメントは、光源34により角膜光学系で定まる光学中心(以下、角膜中心とするが、これはほぼ視軸中心として扱うこともできる。)に形成される指標像61を、モニタ39に表示される照準マーカー60(図5参照)の中心に位置するようにする。」と記載されており、ここにおける「指標像61」は、本件特許発明19における「照準マーカー」に相当することから、刊行物9には、照準マーカーを投影する装置が設けられる点が記載されているといえる。 また、段落【0013】には、「・・・撮像素子であるCCDカメラ38が配置されており、CCDカメラ38は被検眼からの反射光を受光する。CCDカメラ38からの出力はモニタ39に入力され、撮影像が表示される。CCDカメラ38は前眼部観察用及びアライメント指標像の検出用として使用される・・・」と記載されている。 (10) 刊行物10(甲20)の記載事項 刊行物10の段落【0031】には、「図12の光画像計測装置は、光源1001、ビームスプリッタ1002、参照ミラー1003及び検出器1004を有し、マイケルソン型の干渉計を構成している。」と記載されていることから、光源と干渉計が接続される点が記載されている。また、段落【0032】には、「計測を実施する前に、被検眼Eに対する装置光学系のアライメントを行う。」と記載されている。 (11) 刊行物11等(甲13)の記載事項 刊行物等11の段落[0053]等を参照すると、参照干渉計がOCDR信号の長さ較正のための波数基準を有する点が記載されているといえる。 (12) 刊行物12(甲19)の記載事項 刊行物12の請求項1等を参照すると、物体ビーム及び参照ビームのうちの少なくとも一方を変位させる点が記載されている。 2 本件訂正発明について (1) 本件訂正発明1について ア 対比 本件訂正発明1と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「光源として使用され」る「波長可変レーザー」は、本件訂正発明1の「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源」に相当する。 (イ)引用発明1の「フリンジ信号を検出するため」の「高速レシーバ」は、本件訂正発明1の「サンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)」は、本件訂正発明1の「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置」に相当する。 (エ)引用発明1には、「サンプルサイズに対応する測定範囲を有する」旨の明記は無いが、サンプルサイズに対応する測定範囲を有さなければ、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)として十分な計測ができないことは明らかであるから、引用発明1は、サンプルサイズに対応する測定範囲を有するものであると認められる。 (オ)引用発明1が、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)を作動させるにあたって、測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであることは明らかである。 (カ)引用発明1の「δk=94.4m-1の線幅」と、本件訂正発明1の「δk<93m-1のレーザー線幅」は、「所定のレーザー線幅」である点で共通する。 (キ)引用発明1の「Δk=207664m-1」は、本件訂正発明1の「少なくともΔk>18000m-1」を満たす。 よって、本件訂正発明1と引用発明1とは、以下の点で一致する。 「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源は所定のレーザー線幅を有し、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有する、 掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 そして、以下の各点で両者は相違する。 <相違点1> 本件訂正発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであり、3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであって、光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施されるのに対して、引用発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであるかどうか不明であり、測定ビームの直径Dが不明であり、さらに、光源の波数の調整の時間についても不明である点。 <相違点2> 本件訂正発明1は、光源がδk<93m-1のレーザー線幅を有するのに対して、引用発明1は、光源の線幅δk=94.4m-1である点。 <相違点3> 本件訂正発明1は、光源の調整を制御し、レシーバで1回の調整の間に検出される後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられているのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 <相違点4> 本件訂正発明1は、参照面及び参照アームを有する干渉計が設けられ、角膜および網膜からの信号が検出されるようにAスキャンにおける網膜および角膜に対する参照面の位置が適当に設定されているのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 イ 相違点についての検討 上記各相違点について検討するにあたって、事案に鑑み、相違点4についてまず検討する。 上記「(1) 刊行物等の記載事項」「イ 刊行物2(甲3)の記載事項」を参照すると、刊行物2には、波長可変半導体レーザーを光源とする人間の網膜の撮像装置が記載されており、撮像は、軸方向スキャンで実行される点が記載されていることから、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うことが記載されているといえる。また、OCTの原理を採用する場合には、参照面を有する干渉計が必須の構成となることは、当業者の技術常識であるから、刊行物2に記載された事項も、何らかの参照面を有する干渉計を備えていると認められる。 しかしながら、刊行物2に記載された事項は、検査対象が人間の網膜に限られるものであるから、参照面は網膜の撮像に適した位置に限られ、参照面の位置を、「角膜および網膜からの信号が検出されるように」「設定されている」ものとは認められない。 また、「(1) 刊行物等の記載事項」「ウ 刊行物3(甲24)の記載事項」を参照すると、刊行物3には、「角膜、虹彩、水晶体等からなる前眼部の断層像を撮影する」ことについての開示はあるが、参照面の位置を、「角膜および網膜からの信号が検出されるように」「設定されている」点については、記載も示唆もされていない。 また、「(1) 刊行物等の記載事項」に列記した他の刊行物等及び他の各甲号証においても、上記の点について、記載も示唆もされていない。 してみると、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に接した当業者といえども、上記相違点4に係る本件訂正発明1の発明特定事項を想起することができない。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2) 本件訂正発明3、4について 本件訂正発明3及び4は、本件訂正発明1のすべての構成を含み、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 本件訂正発明6について ア 対比 本件訂正発明6と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「光源として使用され」る「波長可変レーザー」は、本件訂正発明6の「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源」に相当する。 (イ)引用発明1の「フリンジ信号を検出するため」の「高速レシーバ」は、本件訂正発明6の「サンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)」は、本件訂正発明6の「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置」に相当する。 (エ)引用発明1には、「サンプルサイズに対応する測定範囲を有する」旨の明記は無いが、サンプルサイズに対応する測定範囲を有さなければ、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)として十分な計測ができないことは明らかであるから、引用発明1は、サンプルサイズに対応する測定範囲を有するものであると認められる。 (オ)引用発明1が、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)を作動させるにあたって、測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであることは明らかである。 (カ)引用発明1の「δk=94.4m-1の線幅」と、本件訂正発明6の「δk<168m-1のレーザー線幅」であり「レーザー線幅δkは22m-1~50m-1にあること」は、「所定のレーザー線幅」である点で共通する。 (キ)引用発明1の「Δk=207664m-1」は、本件訂正発明6の「少なくともΔk>18000m-1」を満たす。 よって、本件訂正発明6と引用発明1とは、以下の点で一致する。 「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源は所定のレーザー線幅を有し、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有する、 掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 そして、以下の各点で両者は相違する。 <相違点5> 本件訂正発明6は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであり、3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであって、光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施されるのに対して、引用発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであるかどうか不明であり、測定ビームの直径Dが不明であり、さらに、光源の波数の調整の時間についても不明である点。 <相違点6> 本件訂正発明6は、光源のレーザー線幅δkは22m-1~50m-1にあるのに対して、引用発明1は、光源の線幅δk=94.4m-1であり、光源の調整を制御し、レシーバで1回の調整の間に検出される後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられているのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 イ 相違点についての検討 上記各相違点について検討するにあたって、事案に鑑み、相違点6についてまず検討する。 上記「(1) 刊行物等の記載事項」に列記した刊行物等1ないし12及び他の各甲号証には、眼球を測定対象とするOCT技術において、波長可変レーザー光源のレーザー線幅δkとして、22m-1~50m-1の範囲と重複する範囲は記載されていない。 ましてや、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うための掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置において、光源の調整を制御し、レシーバで1回の調整の間に検出される後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットを設けることが、当業者が容易になし得たこととはいえない。 ウ 申立人の意見書における主張への反論 申立人は、平成29年4月29日付け意見書の第59頁第8行ないし第63頁第17行において、申立人が提示した甲25には、SS-OCTに用いられる光源に関して、「10GHz未満であるが1GHzより広い光源線幅」との記載があり、この数値範囲に関して、本件訂正発明6における「22m-1~50m-1」の数値範囲をk=2π/λ、λ=c/f (c:光速)の式に当てはめると、甲25に記載された範囲と重複する旨を主張している。 そこで、甲25の記載を検討すると、甲25には、以下の記載がある。 「[0033]・・・it should have a wide tuning range, exceeding 5 THz, a source line width less than 10 GHz but more than 1 GHz wide, ・・・」(当審訳:5THzを超える同調範囲、10GHz未満であるが1GHzより広い光源線幅・・・が要される。) そして、k=2π/λ、及び、λ=c/fの式を用い、fに10GHz及び1GHzを代入し、甲25に記載された範囲を波数で表すと、 20.94~209.4m-1 程度の数値範囲が導き出せる。 しかしながら、甲25に記載された事項は、光源線幅の条件に加えて、5THzを超える広い同調範囲も同時に規定されており、同様にk=2π/λ、及び、λ=c/fの式を用いて計算すると、1.047×105m-1を超えるスペクトル範囲で同調されることも条件とされると認められる。 したがって、甲25に記載された事項から、スペクトル調整範囲の条件を考慮せずに、光源線幅の条件のみ採用し、引用発明1に適用することに、動機付けは見出せず、甲25に接した当業者といえども容易に想到し得るものとは認められない。 エ 小括 以上のことから、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に接した当業者といえども、相違点6に係る本件訂正発明6の発明特定事項について、当業者が容易になし得たこととはいえない。 したがって、本件訂正発明6は、他の相違点について検討するまでもなく、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4) 本件訂正発明7について 本件訂正発明7は、本件訂正発明1又は本件訂正発明6のすべての構成を含み、本件訂正発明1又は本件訂正発明6を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1又は本件訂正発明6についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5) 本件訂正発明9について ア 対比 本件訂正発明9と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「光源として使用され」る「波長可変レーザー」は、本件訂正発明9の「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源」に相当する。 (イ)引用発明1の「フリンジ信号を検出するため」の「高速レシーバ」は、本件訂正発明9の「サンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)」は、本件訂正発明9の「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置」に相当する。 (エ)引用発明1には、「サンプルサイズに対応する測定範囲を有する」旨の明記は無いが、サンプルサイズに対応する測定範囲を有さなければ、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)として十分な計測ができないことは明らかであるから、引用発明1は、サンプルサイズに対応する測定範囲を有するものであると認められる。 (オ)引用発明1が、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)を作動させるにあたって、測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであることは明らかである。 (カ)引用発明1の「δk=94.4m-1の線幅」は、本件訂正発明9の「δk<168m-1のレーザー線幅」を満たす。 よって、本件訂正発明9と引用発明1とは、以下の点で一致する。 「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有する、 掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 そして、以下の各点で両者は相違する。 <相違点7> 本件訂正発明9、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであり、3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであって、光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施されるのに対して、引用発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであるかどうか不明であり、測定ビームの直径Dが不明であり、さらに、光源の波数の調整の時間についても不明である点。 <相違点8> 本件訂正発明9は、測定ビームは眼球に入る前に収束し、直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができるものであるのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 イ 相違点についての検討 上記各相違点について検討するにあたって、事案に鑑み、相違点8についてまず検討する。 上記「(1) 刊行物等の記載事項」に列記した刊行物等1ないし12及び他の各甲号証には、眼球を測定対象とするOCT技術において、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化するために、測定ビームの収束のサイズを切り替える点については記載されていない。 ましてや、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うための掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置において、測定ビームは眼球に入る前に収束し、直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化するすることが、当業者が容易になし得たこととはいえない。 してみると、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に接した当業者といえども、上記相違点8に係る本件訂正発明9の発明特定事項について、当業者が容易になし得たこととはいえない。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明9は、他の相違点について検討するまでもなく、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (6) 本件訂正発明10について 本件訂正発明10のうち、請求項1、3、4、6、7を引用するものは、本件訂正発明1、又は、本件訂正発明6のすべての構成を含み、本件訂正発明1、又は、本件訂正発明6を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1又は本件訂正発明6についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (7) 本件訂正発明11について ア 対比 本件訂正発明11と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「光源として使用され」る「波長可変レーザー」は、本件訂正発明11の「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源」に相当する。 (イ)引用発明1の「フリンジ信号を検出するため」の「高速レシーバ」は、本件訂正発明11の「サンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)」は、本件訂正発明11の「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置」に相当する。 (エ)引用発明1には、「サンプルサイズに対応する測定範囲を有する」旨の明記は無いが、サンプルサイズに対応する測定範囲を有さなければ、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)として十分な計測ができないことは明らかであるから、引用発明1は、サンプルサイズに対応する測定範囲を有するものであると認められる。 (オ)引用発明1が、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)を作動させるにあたって、測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであることは明らかである。 (カ)引用発明1の「δk=94.4m-1の線幅」は、本件訂正発明11の「δk<168m-1のレーザー線幅」を満たす。 (キ)引用発明1の「Δk=207664m-1」は、本件訂正発明11の「少なくともΔk>18000m-1」を満たす。 よって、本件訂正発明11と引用発明1とは、以下の点で一致する。 「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有し、 前記光源は、少なくともΔk>18000m-1の、重心波数k0を中心とするスペクトル調整範囲Δkを有する、 掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 そして、以下の各点で両者は相違する。 <相違点9> 本件訂正発明11、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであり、3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであって、光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施されるのに対して、引用発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであるかどうか不明であり、測定ビームの直径Dが不明であり、さらに、光源の波数の調整の時間についても不明である点。 <相違点10> 本件訂正発明11は、測定ビームは眼球に入る前に収束し、直径Dの測定ビームの収束のサイズを切り替えて、様々な眼球の領域から検出された信号の相対強度を最適化することができるものであるのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 <相違点11> 本件訂正発明11は、光源の調整を制御し、レシーバで1回の調整の間に検出される後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられているのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 <相違点12> 本件訂正発明11は、コリメートされた測定ビームと収束測定ビームとを切り替え可能であるのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 イ 相違点についての検討 上記相違点9について検討する。 上記「(1) 刊行物等の記載事項」「イ 刊行物2(甲3)の記載事項」を参照すると、刊行物2には、波長可変半導体レーザーを光源とする人間の網膜の撮像装置が記載され、撮像は、軸方向スキャンで実行される点が記載されており、さらに、角膜におけるスポットサイズが1.2mm(FWHM)、τ=0.0000625sec、δk=792m-1の条件が導き出せる。 そこで、引用発明1に刊行物2に記載された事項を適用する動機付けの有無について検討すると、引用発明1は、人間の眼球を対象としているか否かは不明であり、上記「刊1-5」を参照すると、光源の中心波長はλ0=1289nmである。 一方、刊行物2に記載された事項は、上記「刊2-3」を参照すると、光源の波長λ=840.5nmである。そもそも、刊行物2は、そのタイトルが「High-speed, high-resolution optical coherence tomography retinal imaging with a frequency-swept laser at 850nm」(当審訳:周波数掃引レーザーを850nmにおいて用いる高速かつ高解像度の光コヒーレンス断層撮影法による網膜の撮像)であるから、引用発明1とは用いられる光源の周波数範囲が明らかに異なるものであるとともに、刊行物1には、引用発明1を人間の眼球に採用する場合に、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)に関する各パラメータをどのように設定すべきかに関して、何ら記載も示唆もされていないことから、刊行物2に記載された事項より角膜におけるスポットサイズの数値、及び、刊行物2に記載された事項より導き出された光源の波数の数値のみを引用発明1に適用する動機付けは見出せない。 また、上記「(1) 刊行物等の記載事項」に列記した他の刊行物等及び他の各甲号証においても、上記相違点9に係る本願訂正発明11の構成は、記載も示唆もされていない。 してみると、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に接した当業者といえども、上記相違点9に係る本件訂正発明11の発明特定事項について、当業者が容易になし得たこととはいえない。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明11は、他の相違点について検討するまでもなく、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (8) 本件訂正発明13について ア 対比 本件訂正発明13と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「光源として使用され」る「波長可変レーザー」は、本件訂正発明13の「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源」に相当する。 (イ)引用発明1の「フリンジ信号を検出するため」の「高速レシーバ」は、本件訂正発明13の「サンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)」は、本件訂正発明13の「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置」に相当する。 (エ)引用発明1には、「サンプルサイズに対応する測定範囲を有する」旨の明記は無いが、サンプルサイズに対応する測定範囲を有さなければ、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)として十分な計測ができないことは明らかであるから、引用発明1は、サンプルサイズに対応する測定範囲を有するものであると認められる。 (オ)引用発明1が、波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)を作動させるにあたって、測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであることは明らかである。 (カ)引用発明1の「δk=94.4m-1の線幅」は、本件訂正発明13の「δk<168m-1のレーザー線幅」を満たす。 よって、本件訂正発明13と引用発明1とは、以下の点で一致する。 「重心波数k0を中心として波数を調整可能な波長可変レーザー光源とサンプルから後方散乱される光に対する少なくとも1つのレシーバとを有するとともにサンプルサイズに対応する測定範囲を有する掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定(SSOCDR)装置であって、 測定ビームを用いて前記サンプルの表面に照射され、 前記光源はδk<168m-1のレーザー線幅を有する、 掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置。」 そして、以下の各点で両者は相違する。 <相違点13> 本件訂正発明13、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであり、3mmよりも小さな直径Dの測定ビームを用いてサンプルの表面に照射されるものであって、光源の波数の調整は重心波数k0を中心としてτ<44sec/(D×k0)の調整時間で実施されるのに対して、引用発明1は、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うものであるかどうか不明であり、測定ビームの直径Dが不明であり、さらに、光源の波数の調整の時間についても不明である点。 <相違点14> 本件訂正発明13は、3×108~3×1013の光子束が前記光源の調整時間τの期間中に眼球に導かれるのに対して、引用発明1は、その点が不明である点。 イ 相違点についての検討 上記相違点13について検討する。 上記相違点13は、本件訂正発明11と引用発明1との対比において示した「相違点9」と同じものである。 したがって、上記「(7) 本件訂正発明11について」の「イ 相違点についての検討」において示した理由と同様の理由で、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に接した当業者といえども、上記相違点13に係る本件訂正発明13の発明特定事項について、当業者が容易になし得たこととはいえない。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明13は、他の相違点について検討するまでもなく、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (9) 本件訂正発明14について 本件訂正発明14のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (10) 本件訂正発明15について 本件訂正発明15のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (11) 本件訂正発明16について 本件訂正発明16のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (12) 本件訂正発明17について 本件訂正発明17のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (13) 本件訂正発明18について 本件訂正発明18のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (14) 本件訂正発明19について 本件訂正発明19のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (15) 本件訂正発明20について 本件訂正発明20のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (16) 本件訂正発明21について 本件訂正発明21のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (17) 本件訂正発明22について 本件訂正発明22のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (18) 本件訂正発明23について 本件訂正発明23のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (19) 本件訂正発明26について 本件訂正発明26のうち、請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (20) 本件訂正発明27について 本件訂正発明27のうち、請求項26が請求項1、3、4、6、7、9、11、13を引用するものは、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13のすべての構成を含み、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1、本件訂正発明6、本件訂正発明9、本件訂正発明11、又は、本件訂正発明13についての判断と同様の理由により、刊行物等1ないし12及び他の各甲号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第8 取消理由以外の申立理由とその検討 1 申立理由1について 申立理由1の概要は、請求項1~10、12、13、16、17及び20~27に対する特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨の主張である。 (1)請求項1について ア 波数kの定義が不明確である点 申立人は、波数kには、 (ア)k=1/λ (イ)k=2π/λ (ウ)k=π/λ の3通りの定義ができ、本件特許明細書等を参酌しても不明であるから、波数kを一義的に解釈できない旨を主張している。 しかしながら、特許権者は、審査段階における平成26年10月17日付け意見書において、k=2π/λである旨を証拠をもって主張していることから、波数k=2π/λであると認定でき、本件訂正発明1は明確である。 イ 調整時間τが不明確である点 申立人は、調整時間τの定義が不明確であり、請求項1に係る発明が明確でない旨を主張している。 しかしながら、本件訂正により、「時間τ」が「光源の調整」の時間である点が明確にされ、本件訂正発明1は明確となった。 ウ 各種変数の数値範囲が不明確である点 申立人は、請求項1における直径D、レーザー線幅δk、調整時間τに関して、上限値の明記しかされておらず、下限値が明記されていないことから、数値範囲が不明確である旨を主張している。 しかしながら、それぞれの下限値は、技術的に可能な範囲で0に近い値であることは明白であり、下限値が明記されていないことのみで本件訂正発明1が明確でないとまではいえない。 以上のことから、請求項1に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 (2)請求項2について ア スペクトル調整範囲Δkの上限値が明記されていない点 申立人は、スペクトル調整範囲Δkの上限値が明記されていないことから、数値範囲が不明確である旨を主張しているが、上限値は、常識的な範囲で技術的に可能な数値であるとすべきことは、当業者にとって明らかであり、上限値が明記されていないことのみで発明が不明確であるとまではいえない。 イ 波数kの定義が不明確である点 上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 なお、本件訂正により、訂正前の請求項2の記載は訂正後の請求項1に付加された。 したがって、請求項2に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 (3)請求項3について ア スペクトル調整範囲Δkとレーザー線幅δkの比の上限値が明記されていない点 申立人は、スペクトル調整範囲Δkとレーザー線幅δkの比(Δk/δk)の上限値が明記されていないことから、数値範囲が不明確である旨を主張しているが、常識的な範囲で技術的に可能な数値であるとすべきことは、当業者にとって明らかであり、上限値が明記されていないことのみで本件訂正後の請求項3に係る発明が不明確であるとまではいえない。 イ 波数kの定義が不明確である点 上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 したがって、請求項3に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項3に係る特許を取り消すことはできない。 (4)請求項4について ア 調整速度Δk/τと前記レーザー線幅δkとの割合の上限値が明記されていない点 申立人は、調整速度Δk/τと前記レーザー線幅δkとの割合の上限値が明記されていないことから、数値範囲が不明確である旨を主張しているが、常識的な範囲で技術的に可能な数値であるとすべきことは、当業者にとって明らかであり、上限値が明記されていないことのみで本件訂正後の請求項4に係る発明が不明確であるとまではいえない。 イ 波数kの定義が不明確である点 上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 したがって、請求項4に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項4に係る特許を取り消すことはできない。 ない (5)請求項5について ア ディジタル化速度>Δk/(τ×δk)の上限値が明記されていない点 申立人は、ディジタル化速度>Δk/(τ×δk)の式において、ディジタル化速度の上限値が明記されていないことから、数値範囲が不明確である旨を主張しているが、常識的な範囲で技術的に可能な数値であるとすべきことは、当業者にとって明らかであり、上限値が明記されていないことのみで発明が不明確であるとまではいえない。 イ 波数kの定義が不明確である点 上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 なお、本件訂正により、訂正前の請求項5は削除され、訂正前の請求項1に「前記光源の調整を制御し、前記レシーバで1回の調整の間に検出される前記後方散乱される光をΔk/(τ×δk)よりも大きい速度でディジタル化する制御および評価ユニットが設けられている」との記載が付加されたことから、上記「ア」に関する記載は実質的に訂正後の請求項1に付加された。 したがって、請求項5に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 (6)請求項6について 申立人は訂正前の請求項6について、波数kの定義が不明確である点を主張しているが、その点についての判断は、上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 したがって、請求項6に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項6に係る特許を取り消すことはできない。 (7)請求項7について 申立人は訂正前の請求項7について、波数kの定義が不明確である点を主張しているが、その点についての判断は、上記「(1)請求項1について」の「ア」で検討したとおりである。 したがって、請求項7に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項7に係る特許を取り消すことはできない。 (8)請求項8について 申立人は、訂正前の請求項8における「参照アームを有する干渉計」の意味が不明である点、「干渉計」がどのように使用されるのか不明である点、「充分な強度」の明確な意味が不明である点、「網膜信号および角膜信号の位置」の意味が不明である点、「網膜信号および角膜信号の位置とレーザー線幅δkとが互いに対応している」の意味が不明である点、及び、波数kの定義が不明確である点を主張している。 そこで、訂正前の請求項8に対して、当審より、平成28年3月31日付けで、「請求項8において、「前記Aスキャンにおける網膜信号および角膜信号の位置と前記レーザー線幅δkとが互いに対応している」とあるが、「網膜信号の位置」及び「角膜信号の位置」と、「レーザー線幅δk」を対応させるとは、具体的にどのようなことを行うのか不明であるとともに、明細書の発明の詳細な説明の記載を参照しても、具体的な態様や、そのように対応させることの技術的な意味が不明であり、本件特許発明8の上記の構成が明確に把握できない」旨の取消理由を通知した。 そして、その後、本件訂正がなされたが、本件訂正後の請求項8にも、上記「第5 訂正請求に伴い生じた取消理由」において指摘した取消理由が依然として存在している。 したがって、請求項8に係る申立理由1について検討するまでもなく、本件訂正後の請求項8に係る発明は取り消すべきものである。 (9)請求項9について 申立人は訂正前の請求項9における「該収束のサイズ」の文言の意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、本件訂正により、「直径Dの測定ビームの収束サイズ」である旨が明確にされた。 したがって、請求項9に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項9に係る特許を取り消すことはできない。 (10)請求項10について 申立人は訂正前の請求項10における「測定装置」及び「視軸上で眼球を固定する」という文言が具体的な意味を特定しておらず、それ自体意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、当業者であれば、「眼球を測定装置に合わせる」こと、及び、「視軸上で眼球を固定することにより眼球を固定する手段が設けられていること」の意味は理解できると認められる。 したがって、請求項10に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項10に係る特許を取り消すことはできない。 (11)請求項12について 申立人は訂正前の請求項12における「光を評価する」及び「制御される装置」という文言が具体的な意味を特定しておらず、それ自体意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、本件訂正により、「測定ビームを眼球に対して位置決めする装置」が「レシーバによって検出された光を評価することにより前記測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される」点が明確になった。 また、「光を評価する」点も、その意味が当業者にとって理解できないとまではいえない。 したがって、請求項12に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項12に係る特許を取り消すことはできない。 (12)請求項13について 申立人は訂正前の請求項13における「光子束」の意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、「3×108~3×1013」と記載された数値範囲より、当業者がその物理量が推測できないとまではいえない。 したがって、請求項13に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項13に係る特許を取り消すことはできない。 (13)請求項16について 申立人は訂正前の請求項14における「参照アーム」、「光源アーム」、「検出アーム」及び「参照干渉計」という4つの用語が「および/または」によって接続されていることから、文言が不明である旨を主張している。 また、申立人は、「参照干渉計」という文言の意味自体が不明であり、この「参照干渉計」がどのように装置に使用されるのか不明である旨を主張している。 しかしながら、掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置が参照干渉計を備えることは当業者にとって周知の事項である。 また、本件訂正によって、「光源アームを有する前記光源、参照アーム及び検出アームを有する干渉計、及び、参照干渉計が設けられ、モノモードファイバーが、参照アームおよび/または光源アームおよび/または検出アームおよび/または参照干渉計で使用される」と訂正され、上記のそれぞれの点は明確になった。 したがって、請求項16に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項16に係る特許を取り消すことはできない。 (14)請求項17について 申立人は訂正前の請求項17における「参照信号」及び「スキャン速度」という文言の意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、本件訂正によって、「参照信号」が、「光源の波数の較正のために用いられる、参照干渉計の参照信号」である点、「スキャン速度」が、「レシーバで受信されるサンプル信号が」「ディジタル化」される「スキャン速度」である点が明確となった。 したがって、請求項17に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項17に係る特許を取り消すことはできない。 (15)請求項20について 申立人は訂正前の請求項20における「前記照準マーカー」について、同請求項によって引用される請求項1-19のうち、請求項1-18には、いずれにも「照準マーカー」の記載が存在しない旨を主張している。 しかしながら、本件訂正により、訂正後の請求項20によって引用される請求項が、請求項19のみとなった。 したがって、請求項20に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項20に係る特許を取り消すことはできない。 (16)請求項21について 申立人は訂正前の請求項21について、「光源」の「移動」の方向が不明である点、「前記光源と参照干渉計とが接続される」の「接続される」の意味が不明である点、「参照干渉計」の意味が不明である点、「参照干渉計」がどのように装置に使用されるのか不明である点等を主張している。 しかしながら、いずれの点も、技術常識を参酌すれば、当業者が理解できる程度のものである。 したがって、請求項21に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項21に係る特許を取り消すことはできない。 (17)請求項22について 申立人は訂正前の請求項22について、「干渉計」の「移動」の方向が不明である点、「前記光源と参照干渉計とが接続される」の「接続される」の意味が不明である点、「干渉計」がどのように装置に使用されるのか不明である点等を主張している。 しかしながら、いずれの点も、技術常識を参酌すれば、当業者が理解できる程度のものである。 したがって、請求項22に係る申立理由1により、本件訂正後の請求項22に係る特許を取り消すことはできない。 (18)請求項23について ア 参照干渉計が不明である点 申立人は訂正前の請求項23について、「参照干渉計」の意味が不明である点、及び、「参照干渉計」がどのように装置に使用されるのか不明である点を主張している。 しかしながら、いずれの点も、技術常識を参酌すれば、当業者が理解できる程度のものである。 イ 「前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の長さ較正のための波数基準」の意味が不明である点 申立人は訂正前の請求項23について「前記光学コヒーレンスドメイン反射率測定(OCDR)信号の長さ較正のための波数基準」の意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、本件訂正により、「長さ較正」が「波長較正」に訂正され、記載が明確となった。 以上のことから、請求項23に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項23に係る特許を取り消すことはできない。 (19)請求項24について 申立人は訂正前の請求項24について、「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法」としての特定の方法が不明である点、「時間に依存する角膜位置に関する前記調整から評価され」における「前記調整」及び「評価」の意味が不明である点、「予測プロファイル」の意味が不明である点、「予測プロファイルと比較され」の記載における「比較され」の文言の意味が不明である点を主張している。 しかしながら、本件訂正による、訂正後の請求項24には、「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法」として、「比較され」る工程、「補正される」工程を含むことが特定されており、方法の発明としての特徴も備えていると認められる。 また、「個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、」と訂正され、「前記調整」及び「評価」の意味が明確になった。 さらに、訂正後の請求項24は、「予測プロファイルと比較され」の記載における「比較され」の文言の意味は、「角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され」るのであるから、その記載内容が、当業者が理解できないほどのものであるとはいえない。 以上のことから、請求項24に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項24に係る特許を取り消すことはできない。 (20)請求項25について 申立人は訂正前の請求項25について、「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法」としての特定の方法が不明である点、「個々の調整の期間、または各調整間において」という文言が不明である点を主張している。 しかしながら、本件訂正による、訂正後の請求項25には、「掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法」として、「横方向に変更される」工程を含むことが特定されており、方法の発明としての特徴も備えていると認められる。 また、本件訂正により、「前記光源の個々の調整中、または各調整間」である点が明確になった。 以上のことから、請求項25に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項25に係る特許を取り消すことはできない。 (21)請求項26、27について 申立人は訂正前の請求項26及び27について、「測定条件」、「再構成条件」及び「を変更する手段」という文言が、いずれも、具体的な意味を特定しておらず、それ自体意味が不明である旨を主張している。 しかしながら、「測定条件」及び「再構成条件」が、どのようなものであるかは、当業者であれば理解できるものであるし、それらを「変更する手段」に関しても、当業者が技術常識に基づいて理解できる程度ものである。 したがって、請求項26及び請求項27に係る申立て理由1により、本件訂正後の請求項26及び27に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立理由2について 申立理由2の概要は、請求項1に対する特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない旨の以下の主張である。 請求項1における直径D、レーザー線幅δk、調整時間τに関して、上限値の明記しかされておらず、下限値が明記されていないことから、0の場合が含まれ、その場合、その実施が不可能である。 そこで、申立理由2について検討すると、本件特許明細書等に接した当業者であれば、請求項1に係る発明を実施するにあたって、直径D、レーザー線幅δk、調整時間τの値として、敢えて0を取ることはせず、実施可能な数値を設定すべきであることは、技術常識を参酌すれば明らかであり、下限値が明記されていないことのみによって本件訂正発明1の実施が不可能であるとまではいえない。 したがって、申立理由2により、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 3 申立理由3について 申立理由3の概要は、請求項1~7、13、18及び19に対する特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨の以下の主張である。 請求項1~7、13、18及び19は、数値限定が行われているが、それらの数値限定を検討するに、いずれの数値限定についても、それらの数値限定の成立性を裏付けるための実験データが本件特許の当初明細書等に存在せず、また、本件特許の当初明細書等には、それら数値限定につき、臨界的意義に関する明示的記載も存在せず、さらに、それら数値限定によって奏されるべき特有の効果の明示的記載も存在しないことから、それら数値限定は、当初明細書等によって適法にサポートされていない。 そこで、申立理由3について検討すると、確かに、本件特許明細書等を参酌しても、各数値限定の根拠となる実験データ等は何ら示されてはいないが、訂正前の請求項1~7、13、18及び19において規定された数値範囲は、いずれも、どのような事象を規定する数値範囲であるかは当業者が理解できるものであり、実験データ等が示されていないことのみを理由として訂正前の請求項1~7、13、18及び19に係る発明が本件特許明細書等に記載された発明ではないとまではいえない。 したがって、申立理由3により、本件訂正後の請求項1、3、4、6、7、13、18及び19に係る特許を取り消すことはできない。 4 申立理由4について 申立理由4の概要は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした旨の以下の主張である。 特許権者は、平成26年2月19日付けの手続補正により、請求項8の記載に関して、補正前の「互いに一致している」の記載を「互いに対応している」の記載に補正したが、当初明細書等には、補正後の「互いに対応している」の記載の根拠となる記載は存在せず、上記の手続補正は不適法なものである。 そこで、申立理由4について検討すると、補正後の「互いに対応している」の記載が不明確である点は、上記「1 申立理由1」「(8)請求項8について」において検討したとおりであり、そもそも、補正後の請求項8の記載が不明確である以上、補正要件の明確な判断はできないことから、申立理由4についての判断はできない。 したがって、申立理由4により本件特許を取り消すことはできない。 5 申立理由5について 申立理由5の概要は、請求項1~27に対する特許法第29条第2項違反の主張である。 本件訂正発明1、3、4、6、7、9~11、13~23、26、27については、「第7 取消理由について」で述べたとおりである。 また、訂正により、請求項2、5が削除されたため、請求項2、5に対する申立ては却下する。 その余の請求項について以下に検討する。 (1)請求項12について 甲1ないし25のいずれにも、「レシーバによって検出された光を評価することにより」「測定ビームが角膜頂点以外で眼球に当たるように制御可能に構成される、前記測定ビームを眼球に対して位置決めする装置が設けられる」点は記載されていない。 ましてや、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うための掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置において、上記の位置決めする装置を設けることが、当業者が容易になし得たこととはいえない。 したがって、請求項12に係る申立理由5によっては、本件訂正後の請求項12に係る特許を取り消すことはできない。 (2)請求項24について 甲1ないし25のいずれにも、「角膜により後方散乱され、個々の調整中に検出された光が、時間に依存する角膜位置に関して個々に評価され、角膜位置の情報が予想プロファイルと比較され、予想プロファイルからのずれを用いて角膜、水晶体、および/または網膜の位置データが補正される」点は記載されていない。 ましてや、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うための掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法において、上記の構成を採用することが、当業者が容易になし得たこととはいえない。 したがって、請求項24に係る申立理由5によっては、本件訂正後の請求項24に係る特許を取り消すことはできない。 (3)請求項25について 甲1ないし25のいずれにも、「測定ビームが」「光源の個々の調整中、または各調整間において横方向に偏向される」点は記載されていない。 ましてや、可動サンプルである人間の眼球に対してAスキャンを行うための掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定装置を用いる眼球用の掃引信号源光学コヒーレンスドメイン反射率測定方法において、上記の構成を採用することが、当業者が容易になし得たこととはいえない。 したがって、請求項25に係る申立理由5によっては、本件訂正後の請求項25に係る特許を取り消すことはできない。 第9 結語 以上のとおりであるから、取消理由通知で通知した取消理由並びに特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件訂正後の請求項1、3、4、6、7、9、11ないし13、24、25に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件訂正後の請求項1、3、4、6、7、9、11ないし13、24、25に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 本件訂正後の請求項8に係る発明、及び、請求項8を引用する請求項10、14ないし23、26、27に係る発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないことから、本件訂正後の請求項8、10、14ないし23、26、27に係る特許は、同法第113条第4号の規定に該当し、取り消すべきものである。 本件特許の請求項2及び5に対してなされた特許異議の申立てについては、本件請求項2及び5が訂正により削除され、申立ての対象となる請求項が存在しないものとなったから、却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2015-700356

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