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特許異議申立

2015-700108

可動光ファイバ機器トレー及びモジュールを支持する光ファイバ機器、関連機器及び方法

審判番号
2015-700108
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-512028外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年10月21日
審決日
2017年09月05日
公報発行日
2017年12月28日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1652.121-YAA(G02B) / P1652.537-YAA(G02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5706399号発明「可動光ファイバ機器トレー及びモジュールを支持する光ファイバ機器、関連機器及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5706399号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3、4〕、5、8について訂正することを認める。 特許第5706399号の請求項1ないし5、7ないし10に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5706399号の請求項1ないし10に係る特許についての出願(以下、「本件出願」という。)は、2010年5月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年5月21日、2009年6月22日、2009年10月9日、いずれもアメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成27年3月6日にその特許権の設定登録がされ、その後、請求項1ないし5及び7ないし10に対し、特許異議申立人 目黒こと美により特許異議の申立てがされ、当審において平成28年2月22日付けで取消理由が通知され、同年5月25日付けで意見書とともに訂正請求書が提出され、同年8月3日付けで特許異議申立人により意見書が提出され、同年9月6日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年10月31日付けで特許権者により意見書が提出され、平成29年1月4日付けで取消理由通知(決定の予告)がされ、同年4月6日付けで意見書とともに訂正請求書(以下、「本件訂正請求書」という。)が提出されたものである。 なお、同年5月29日付けで当審から特許異議申立人に特許法第120条の5第5項の規定に基づく書面等を送付し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許異議申立人から応答はなかった。 第2 訂正の適否について 1 訂正の趣旨及び訂正の内容 平成29年4月6日付けの本件訂正請求書による訂正は、「特許第5706399号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲とおり、訂正後の請求項3~5、8について訂正することを求める。」というものであり、その訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。以下、同じ。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項3に「前記少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」とあるのを、「少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項4に「前記少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」とあるのを、「少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5に「前記少なくとも1つの傾斜制限部材は」とあるのを、「少なくとも1つの傾斜制限部材が」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項8に「前記少なくとも1つのエンボスが」とあるのを、「少なくとも1つのエンボスが」に訂正する。 2 各訂正事項についての訂正要件の適合性の判断 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項1は、訂正前の請求項3に含まれていた誤記を訂正するものであるから、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲、又は図面(以下、「特許明細書等」という。)の範囲内の訂正か否かについて 訂正事項1は、訂正前の請求項3に含まれていた誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無について 訂正事項1は、訂正前の請求項3に含まれていた誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項1についてのまとめ 以上のとおり、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 また、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項、及び6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項1に係る請求項3について特許異議申立てがされているので、訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する126条第7項の独立特許要件は課されない。 よって、訂正事項1は、訂正要件を満たしている。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項2は、訂正前の請求項4に含まれていた誤記を訂正するものであるから、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 イ 特許明細書等の範囲内の訂正か否かについて 訂正事項2は、訂正前の請求項4に含まれていた誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無について 訂正事項2は、訂正前の請求項4に含まれていた誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項2についてのまとめ 以上のとおり、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 また、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項、及び6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項2に係る請求項4について特許異議申立てがされているので、訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する126条第7項の独立特許要件は課されない。 よって、訂正事項2は、訂正要件を満たしている。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項3は、訂正前の請求項5に含まれていた誤記を訂正するものであるから、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 イ 特許明細書等の範囲内の訂正か否かについて 訂正事項3は、訂正前の請求項5に含まれていた誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無について 訂正事項3は、訂正前の請求項5に含まれていた誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項3についてのまとめ 以上のとおり、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 また、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項、及び6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項3に係る請求項5について特許異議申立てがされているので、訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する126条第7項の独立特許要件は課されない。 よって、訂正事項3は、訂正要件を満たしている。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項4は、訂正前の請求項8に含まれていた誤記を訂正するものであるから、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 イ 特許明細書等の範囲内の訂正か否かについて 訂正事項4は、訂正前の請求項8に含まれていた誤記を訂正するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の有無について 訂正事項4は、訂正前の請求項8に含まれていた誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項4についてのまとめ 以上のとおり、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項に規定する要件を満たしている。 また、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項、及び6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項4に係る請求項8について特許異議申立てがされているので、訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する126条第7項の独立特許要件は課されない。 よって、訂正事項4は、訂正要件を満たしている。 3 訂正の適否についてのまとめ 以上のとおり、訂正事項1~4は、訂正要件を満たしているので、本件訂正後の請求項〔3、4〕、5、8について訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件特許発明 上記第2のとおり、本件訂正の訂正事項1~4による訂正を認めるから、本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」ないし「本件特許発明10」という。)は、本件訂正により訂正された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 光ファイバ装置であって、 シャーシ回りに動くことができる引出しと、 前記引出し内に設けられ、前記引出し回りに動くことができる少なくとも1つの光ファイバ機器トレーを受け入れるよう構成された少なくとも1つのトレーガイドと、 前記少なくとも1つの光ファイバ機器トレー内に設けられた少なくとも1つのモジュールガイドであって、前記少なくとも1つのモジュールガイド回りに動くことができる少なくとも1つの光ファイバモジュールを受け入れるよう構成されている少なくとも1つのモジュールガイドと、を備え、 前記少なくとも1つの光ファイバモジュールが、前端と、後端と、内側と、前記前端を通して配置された少なくとも1つの光ファイバアダプタと、前記少なくとも1つの光ファイバアダプタに連結された少なくとも1つの光ファイバモジュールの内側に配置された少なくとも1つの光ファイバと、を有している、 ことを特徴とする光ファイバ装置。 【請求項2】 前記引出しは、前記シャーシ回りに傾斜するよう構成されている、 請求項1記載の光ファイバ装置。 【請求項3】 少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ、前記シャーシ回りの前記引出しの最大傾斜角度を制限するアングルを更に有する、 請求項2記載の光ファイバ装置。 【請求項4】 少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ、前記シャーシ回りの前記引出しの前記傾斜を制限するためにピンを受け入れるよう構成されたスロットを更に有する、 請求項2又は3記載の光ファイバ装置。 【請求項5】 少なくとも1つの傾斜制限部材が、少なくとも1枚の制御プレートと前記引出しとの間に配置され、前記少なくとも1枚の制御プレートは、前記少なくとも1つの傾斜制限部材が前記少なくとも1枚の制御プレートと前記引出しとの間で動いて下方に傾斜することができるよう少なくとも1つのスタンドオフに取り付けられている、 請求項2記載の光ファイバ装置。 【請求項6】 前記少なくとも1つのトレーガイドは、前記シャーシ回りに傾斜するよう構成されている、 請求項1記載の光ファイバ装置。 【請求項7】 前記引出しは、後側パネルにヒンジ式に取り付けられた前側パネルで構成され、前記前側パネルは、前記後側パネル回りに傾斜するよう構成されている、 請求項1記載の光ファイバ装置。 【請求項8】 前記引出しに設けられ、前記引出しを前記シャーシ内に解除可能に保持するよう構成された少なくとも1つの引出し保持部材を更に有し、前記少なくとも1つの引出し保持部材は、前記引出しに設けられると共に前記シャーシ内に設けられた少なくとも1つの突起に当たり、少なくとも1つのエンボスが前記少なくとも1つの突起から妨害を受けないようになるまで前記引出しを前記シャーシ内に保持するよう構成された少なくとも1つのエンボスで構成されている、 請求項1記載の光ファイバ装置。 【請求項9】 前記引出しの底側部に設けられ、前記引出しを前記シャーシ回りに並進させるよう前記シャーシに設けられている少なくとも1つの引出しガイドに係合するよう構成されている少なくとも1つの引出しレールを更に有する、 請求項1記載の光ファイバ装置。 【請求項10】 前記少なくとも1つのモジュールガイドは、前記少なくとも1つの光ファイバモジュールに設けられた少なくとも1つのモジュールレールを受け入れるよう構成された少なくとも1つのモジュールレールガイドで構成され、前記光ファイバ装置は、前記少なくとも1つの光ファイバモジュールを前記少なくとも1つの光ファイバ機器トレー内に解除可能に保持するよう構成された少なくとも1つのモジュールロック部材を更に有する、 請求項1記載の光ファイバ装置。」 2 取消理由の概要 (1)訂正前の請求項1ないし5及び7、8に係る特許に対して平成28年2月22日付けで特許権者に通知した取消理由通知の取消理由の概要は、次のとおりである。 ●取消理由1 本件特許の請求項1ないし3及び7ないし10に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。 記 甲第1号証:国際公開第2009/032245号 甲第2号証:特開2007-93760号公報 甲第3号証:特開2001-154030号公報 甲第4号証:特開2003-149458号公報 甲第5号証:特開2004-86060号公報 甲第6号証:特開2004-361890号公報 甲第7号証:米国特許公開第2008/0175551号明細書 ●取消理由2 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備であるから、請求項3ないし5及び8に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 ア 請求項3ないし5に係る発明について 請求項3~5には「前記少なくとも1つの傾斜制限部材」と記載されているが、これらの請求項が引用する請求項2及び請求項2が引用する請求項1のいずれにも「傾斜制限部材」に関する記載はなく、請求項3ないし5における「前記少なくとも1つの傾斜制限部材」が何を意味するのか明らかではないので、本件請求項3ないし5に係る発明は明確ではない。 よって、請求項3ないし5に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。 イ 請求項8に係る発明について 請求項8には「前記少なくとも1つのエンボス」と記載されているが、この記載より前に「前記少なくとも1つのエンボス」に関する記載はなく、請求項8が引用する請求項1にも「少なくとも1つのエンボス」に関する記載がない。このため、請求項8における「前記少なくとも1つのエンボス」が何を意味するのか明らかではないので、本件請求項8に係る発明は明確ではない。 よって、請求項8に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。 (2)訂正前の請求項3ないし5及び8に係る特許に対して平成29年1月4日付けで特許権者に通知した取消理由通知(決定の予告)の取消理由の概要は、次のとおりである。 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備であるから、請求項3ないし5及び8に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 具体的指摘事項は、上記(1)の取消理由2と同じである。 3 判断 (1)取消理由1(特許法第29条第2項(進歩性)の規定違反)について ア 本件特許発明1について (ア)本件特許発明1は、分説して再掲すると以下のとおりのものである(分説は特許異議申立書第6~7ページによるもの。)。 「【請求項1】 1A.光ファイバ装置であって、 1B.シャーシ回りに動くことができる引出しと、 1C.前記引出し内に設けられ、前記引出し回りに動くことができる少なくとも1つの光ファイバ機器トレーを受け入れるよう構成された少なくとも1つのトレーガイドと、 1D.前記少なくとも1つの光ファイバ機器トレー内に設けられた少なくとも1つのモジュールガイドであって、 1E.前記少なくとも1つのモジュールガイド回りに動くことができる少なくとも1つの光ファイバモジュール 1F.(少なくとも1つの光ファイバモジュール)を受け入れるよう構成されている少なくとも1つのモジュールガイドと、を備え、 1G.前記少なくとも1つの光ファイバモジュールが、前端と、後端と、内側と、前記前端を通して配置された少なくとも1つの光ファイバアダプタと、前記少なくとも1つの光ファイバアダプタに連結された少なくとも1つの光ファイバモジュールの内側に配置された少なくとも1つの光ファイバと、を有している、ことを特徴とする光ファイバ装置。」 (イ)a 甲第1号証(国際公開第2009/032245号)には、以下の事項が記載されている。 (a)「[0002] The present invention is related to a fiber optic adapter module and fiber optic equipment tray configured to support the fiber optic adapter module.…」 ([0002] 本発明は、光ファイバアダプタモジュール及び光ファイバアダプタモジュールを支持するように構成された光ファイバ機器トレーに関するものである。…)(合議体にて翻訳。以下同じ。) (b)「[0036] …The adapter module panel 24 extends across the front of the fiber optic adapter module 14 between an opposing first side 26A and second side 26B, wherein an adapter cover 28 (also illustrated in FIGURE 2B) extends across the first and second sides 26A, 26B and the adapter module panel 24 to form an adapter module enclosure or housing 30.…」 ([0036] …アダプタモジュールパネル24は、第1の側面26Aと第2の側面26Bとの間で光ファイバアダプタモジュール14の前面にわたって延びており、(図2Bにも示される)アダプタカバー28が、第1及び第2の側面26A,26Bとアダプタモジュールパネル24にわたって延び、アダプタモジュール包囲体又はハウジング30を形成している。光ファイバ接続、配線、及び関連する機能及び能力をサポートするために、アダプタモジュールハウジング30の内部に1以上の光路をはじめとする光学要素又は接続を設けて光ファイバアダプタ22に連結してもよい。光ファイバアダプタ22に連結される光ファイバ接続がアダプタモジュールハウジング30の後面29(図3に示される)から延びる特定の光ファイバアダプタに配線されるように、アダプタモジュールハウジング30の内部に一連の光路を設けてもよい。…) (c)「[0046] The fiber optic equipment tray 12 is comprised of a fixed or non-extendible portion or tray 60 configured to selectively retain the extendible tray 20 holding the fiber optic adapter module 14.…」 ([0046] 光ファイバ機器トレー12は、光ファイバアダプタモジュール14を保持する伸長可能トレー20を選択的に保持するように構成された固定・非伸長部又はトレー60を備えている。…) (d)「[0047] Fixed receivers 72 A, 72B are disposed on each side 64A, 64B of the fixed tray 60 to provide for the ability of the extendible tray 20 to be extended from the interior space 62. The fixed receivers 72A, 72B are coupled to the fixed tray 60 via receiver coupling members 74A, 74B disposed on each side 64A, 64B of the fixed tray 60. The fixed receivers 72A, 72B are configured to receive and support a first set of slidable rails 76A, 76B. Ball bearings are included between the fixed receivers 72A, 72B and the first set of slidable rails 76A, 76B to allow the first set of slidable rails 76A, 76B to move transversely with respect to the fixed receivers 72A, 72B. A second set of slidable rails 78A, 78B are coupled to fixed rails 79A, 79B, which are coupled to the sides of the extendible tray 20. The second set of slidable rails 78A, 78B are configured to be received and supported by the first set of slidable rails 76A, 76B. The second set of slidable rails 78A, 78B, and thus the extendible tray 20 due to their coupling via the fixed rails 79A, 79B to the second set of slidable rails 78A, 78B, can move transversely with respect to the first set of slidable rails 76A, 76B. Providing a second set of slidable rails 78A, 78B allows the extendible tray 20 to be extend farther out from the fixed tray 60 than would otherwise be possible with only a single set of slidable rails. The second set of slidable rails 78A, 78B also allows the extendible tray 20 to be extended outward from the fixed tray 60 a sufficient and desired length to allow the extendible tray 20 to be tilted downward, the features and components of which will now be discussed. 」 ([0047] 伸長可能トレー20が内部空間62から伸長することができるようにするために固定受け部72A,72Bが固定トレー60の両側面64A,64Bに配置されている。固定受け部72A,72Bは、固定トレー60の両側面64A,64Bに配置された受け部連結部材74A,74Bを介して固定トレー60に連結されている。工程受け部72A,72Bは、第1のスライドレールセット76A,76Bを受けて支持するように構成されている。第1のスライドレールセット76A,76Bが固定受け部72A,72Bに関して横方向に移動できるようにするため、固定受け部72A,72Bと第1のスライドレールセット76A,76Bとの間にはボールベアリングが含められている。伸長可能トレー20の側面に連結された固定レール79A,79Bには、第2のスライドレールセット78A,78Bが連結されている。第2のスライドレールセット78A,78Bは、第1のスライドレールセット76A,76Bにより受けられ支持されるように構成されている。第2のスライドレールセット78A,78B、ひいては固定レール79A,79Bを介した第2のスライドレールセット78A,78Bへの連結により伸長可能トレー20は、第1のスライドレールセット76A,76Bに対して横方向に移動することができる。第2のスライドレールセット78A,78Bを設けることによって、伸長可能トレー20が単一のスライドレールセットのみによって実現されるよりもさらに固定トレー60から伸長することが可能となる。また、第2のスライドレールセット78A,78Bによって、伸長可能トレー20が下方に傾斜することを可能にするのに十分かつ所望の長さだけ伸長可能トレー20を固定トレー60から外側に伸長させることができる。次に、この特徴及び構成要素について述べる。) (e)「[0048] As illustrated in FIGURE 6, the second set of slidable rails 78A, 78B are coupled to the fixed rails 79 A, 79B of the extendible tray 20 at two points: pivot points 8OA, 8OB, and latching points 82A, 82B located a length away from the pivot points 8OA, 8OB toward the front of the extendible tray 20. In the disclosed embodiment, the pivot points 8OA, 8OB are each located approximately 5 7/8 inches from the latching points 82A, 82B (see also, FIGURE 7). Pivot systems 83A, 83B are provided at the pivot points 8OA, 8OB between the fixed rails 79A, 79B and the second set of slidable rails 78A, 78B, as illustrated in FIGURES 8A and 8B. The pivot systems 83A, 83B allow the fixed rails 79A, 79B, and thus the extendible tray 20, to pivot and tilt at an angle downward with respect the second set of slidable rails 78A, 78B, which are located in the same horizontal plane of first slidable rails 76A, 76B and the fixed receivers 72A, 72B, and thus also at the same angle downward with respect to the fixed tray 60. As also illustrated in FIGURES 8A and 8B, the pivot systems 83A, 83B include pivot perns 85A, 85B coupled between and to the first set of slidable rails 78A, 78B, which contain center orifices 87A, 87B to retain the pivot points 8OA, 8OB. Circular slot orifices 89A, 89B are also provided in the pivot perns 85A, 85B that control the maximum angle of tiling of the extendible tray 20 in the Y-axis based on the radian length of the circular slot orifices 89A, 89B.…」 ([0048] 図6に示されるように、第2のスライドレールセット78A,78Bは、旋回点80A,80Bと、旋回点80A,80Bから伸長可能トレー20の前面に向かって長さ方向に離れた位置にあるラッチ点82A,82Bという2点で伸長可能トレー20の固定レール79A,79Bに連結されている。開示された実施形態においては、旋回点80A,80Bは、いずれもラッチ点82A,82Bからおよそ5と7/8インチ離れた位置にある(図7も参照)。図8A及び図8Bに示されるように、旋回点80A,80Bには、固定レール79A,79Bと第2のスライドレールセット78A,78Bとの間に旋回システム83A,83Bが設けられている。旋回システム83A,83Bにより、固定レール79A,79B、ひいては伸長可能トレー20が第2のスライドレールセット78A,78Bに対して下方に、そして固定トレー60に対して同じ下方角度で旋回及び傾斜することができる。第2のスライドレールセット78A,78Bは、第1のスライドレールセット76A,76B及び固定受け部72A,72Bと同一の水平面上に位置している。また、図8A及び図8Bに示されるように、旋回システム83A,83Bは、第1のスライドレールセット78A,78Bの間でこれらに連結される旋回ペム85A,85Bを含んでおり、第1のスライドレールセットは、旋回点80A,80Bを保持するため中央オリフィス87A,87Bを含んでいる。また、円形スロットオリフィス89A,89Bが、これらの円形スロットオリフィス89A,89Bのラジアン長さに基づいてY軸における伸長可能トレー20の傾斜の最大角を制御する旋回ペム85A,85Bの中に設けられている。…) (f)「[0054] Any type of optical fiber wiring scheme may be employed within the fiber optic adapter module 14.…」 (光ファイバアダプタモジュール14内では任意のタイプの光ファイバ配線方式を利用することができる。) (g)FIG.5、FIG.6及びFIG.16は、以下のとおりである。 甲第1号証には、上記(a)から(f)に記載の事項と上記(g)のFIG.5及びFIG.6から、伸長可能トレー20が第1のスライドレールセット76A、76B回りに動く(傾斜する)こと、及び伸長可能トレー20に設けられた固定レール79A、79Bの間に光ファイバアダプタモジュール14が収納されていることが、記載されていると認められる。 さらに、上記(g)のFIG.16から、光ファイバアダプタモジュール14内には複数の光ファイバ1~12が配線されていることが看取できる。 b 以上から、甲第1号証には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「1A’.光ファイバアダプタモジュールを備える装置であって、 1B’.固定トレー60回りに動くことができる第1のスライドレースセット76A,76Bと、 1C’.第1のスライドレールセット76A,76B内に設けられ、第1のスライドレールセット76A,76B回りに動くことができる伸長可能トレー20を受け入れるよう構成された第2のスライドレールセット78A,78Bと、 1D’.伸長可能トレー20内に設けられた固定レール79A,79Bであって、 1F’.光ファイバアダプタモジュール14を受け入れるよう構成されている固定レール79A,79Bと、を備え、 1G’.光ファイバアダプタモジュール14が、アダプタモジュールパネル24と、リアパネル29と、内側と、アダプタモジュールパネル24を通して配置された複数の光ファイバアダプタ22と、光ファイバアダプタ22に連結された光ファイバアダプタモジュール14の内側に配置された光ファイバと、を有している、 ことを特徴とする光ファイバアダプタモジュールを備える装置。」 (ウ)本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明における「光ファイバアダプタを備える装置」、「固定トレー60」、「第1のスライドレールセット76A,76B」、「伸長可能トレー20」、「第2のスライドレールセット78A,78B」「固定レール79A,79B」、「光ファイバアダプタモジュール14」、「アダプタモジュールパネル24」、「リアパネル29」、及び「光ファイバアダプタ22」は、それぞれ、本件特許発明1における「光ファイバ装置」、「シャーシ」、「引出」、「光ファイバ機器トレー」、「トレーガイド」、「モジュールガイド」、「光ファイバモジュール」、「前端」、「後端」、及び「光ファイバアダプタ」に相当する。 したがって、本件特許発明1と甲1発明との一致点、相違点は、以下のとおりである。 <一致点> 「光ファイバ装置であって、 シャーシ回りに動くことができる引出しと、 前記引出し内に設けられ、前記引出し回りに動くことができる少なくとも1つの光ファイバ機器トレーを受け入れるよう構成された少なくとも1つのトレーガイドと、 前記少なくとも1つの光ファイバ機器トレー内に設けられた少なくとも1つのモジュールガイドであって、少なくとも1つの光ファイバモジュールを受け入れるよう構成されている少なくとも1つのモジュールガイドと、を備え、 前記少なくとも1つの光ファイバモジュールが、前端と、後端と、内側と、前記前端を通して配置された少なくとも1つの光ファイバアダプタと、前記少なくとも1つの光ファイバアダプタに連結された少なくとも1つの光ファイバモジュールの内側に配置された少なくとも1つの光ファイバと、を有している、 光ファイバ装置。」 <相違点1> 本件特許発明1の光ファイバモジュールは「モジュールガイド回りに動くことができる」(構成1E)のに対して、甲1発明の光ファイバアダプタモジュール14は固定レール79A,79B回りに動くことができるものではない点。 (エ)相違点1について検討する。 a 甲第2号証(特開2007-93760号公報)には、以下の事項が記載されている。 (a)「【0010】 なお、図示のラックユニット1は図1に示すように底板部11の両側上部に側板部12、12を連設し、底板部11の上面に図2及び図5に示すように上下に光接続モジュール2を引き出し自在とした前面及び上面を開放した箱型のホルダー13を両側板部12、12間に多数すなわち5個を並設して、全ホルダー13の上面を図7に示すように一枚板の天板部14により閉塞するものとしている。そして、該ラックユニット1は両側板部12、12の外側に取り付けた取付金具15、15により電子機器用ラックに上下段積状として取り付けられるものである。」 (b)「【0011】 また、光接続モジュール2を箱型のホルダー13から引き出し自在とする手段としては、図5に示すようにホルダー13の左右板部13a、13aの内面にスライド受131を設け、該スライド受131に光接続モジュール2の側面に前後方向に設けたスライド溝2aを摺動自在に嵌合したものとしている。…」 (c)「【0016】 このように構成されたものは、ラックユニット1に上下に複数段配置した光接続モジュール2に対応して配線保持棚3を上下回動自在に設けたものであるから、該光接続モジュール2に対応する配線保持棚3を下方に回動させれば光接続モジュール2の前方は開放されるので光接続モジュール2を引き出して光接続モジュール2に光ケーブルを接続して光ケーブル同士の接続、分岐することができる。この場合に、上方に位置する光接続モジュール2に対応する配線保持棚3を上方に回動すれば、前記引き出す光接続モジュール2の前方上方も開放された状態となるので、接続作業スペースが広くなり作業が容易になるものである。」 b 甲第2号証の上記の段落【0010】、【0011】、【0016】の記載及び図5から、甲第2号証には「底板部11上に設けられた箱型のホルダー13に対して光接続モジュール2を引出自在とする機構」が記載されている。 甲第2号証において、このような機構を設けている理由は、光接続モジュール2をホルダー13から引き出すことによって、光接続モジュール2への光ケーブルの接続を容易にするため、すなわち光接続モジュール2へのアクセス性を向上するためである。 c 甲第3号証(特開2001-154030号公報)には、以下の事項が記載されている。 (a)「【0014】図6に示すように、モジュール収納部29では、枠状の収納部フレーム29bの対向する両側壁29cに設けられたレール29d(図3参照)によって、光モジュール28の対向する両側部に設けられたガイド部材28aが移動自在にガイドされるようになっており、これにより光モジュール28が作業空間32側へ引き出し可能に収納されるようになっている。前記ガイド部材28aは、具体的には、モジュール本体28eの対向する両側部に設けられている。…」 (b)「【0017】図7(a)、(b)に示すように、光配線ユニット21では、モジュール収納部29に収納されている光モジュール28を収納位置(固定手段28cがモジュール収納部29のストッパ壁29eのロック部に係合する位置。符号28Aは収納位置の光モジュール28)から作業空間32側へ若干引き出した状態で移動不可能にロック(支持)するモジュール支持部を備えているので(以下、引き出してロックした位置を「中間位置」と称する。図7(a)中実線の位置。符号28Bは中間位置の光モジュール28)、作業対象の光モジュール28のみを引き出して中間位置にて移動不可能にロックしておくことで、他の光モジュール28に接続された光ファイバ24a、24bと干渉すること無く、光コネクタ30a、30bに対する光ファイバ24a、24bの接続、切替接続、接続解除(撤去)等の作業を効率良く行うことができる。つまり、複数の光モジュール28をモジュール収納部29の収納位置に収納した状態では、各光モジュール28の光コネクタ30a、30bが狭い領域に高密度に配列状態となっているから、光コネクタ30a、30b間の隙間が狭く、目的の光コネクタ30a、30bに対する光ファイバ24a、24bの接続、切替接続、接続解除(撤去)等の作業を効率良く行うことが困難である。しかも、光コネクタ30a、30bが狭い領域に高密度に配列された状態では、光コネクタ30a、30bにコネクタ接続されている光ファイバ24a、24bが、これら光コネクタ30a、30b近傍に高密度に配線されるため、目的の光コネクタ30a、30bに光ファイバ24a、24bを接続するにしても、光ファイバ24a、24bを掻き分けて目的の光コネクタ30a、30bを露出させることとなり、作業性が低下するとともに、光ファイバ24a、24bを傷める可能性もある。しかし、本発明に係る光配線ユニットでは、中間位置にて光モジュール28を移動不可能にロックしておくことで、この光モジュール28の光コネクタ30a、30bに対する光ファイバ24a、24bのコネクタ接続、切替接続、接続解除等の作業を、他の光モジュール28の光コネクタ30a、30bや、これら光コネクタ30a、30bに接続された光ファイバ24a、24bと干渉すること無く効率良く行うことができる。…」 (c)「【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の光配線ユニットによれば、所定の収納位置よりも引出方向側にずれた位置にてモジュール収納部に収納された光モジュールをモジュール支持部で安定支持することで、この光モジュールに設けられた光コネクタに対する光ファイバの接続、切替接続、接続解除等の作業を、周囲の光ファイバ等との干渉を回避し得る場所にて効率良く行え、作業性を向上できる。特に、光モジュールが複数配列収納されるモジュール収納部では、作業対象の目的の光モジュールの光コネクタを、各光モジュールの光コネクタに接続された光ファイバが高密度に配線された領域を避けた位置に移動し、前記モジュール支持部によって光モジュールを支持することで、前記光コネクタに対する光ファイバの接続等の作業を効率良く行うことができるといった優れた効果を奏する。」 d 甲第3号証の上記の段落【0014】、【0017】、【0023】の記載及び図6、7から、甲第3号証には「モジュール収納部29に対して光モジュール28を引出自在とする機構」が記載されている。 甲第3号証において、このような機構を設けている理由は、光モジュール28におけるコネクタ接続、切替接続、接続解除等の作業を効率良く行うため、すなわち光モジュール28へのアクセス性を向上するためである。 e 他方、上記(イ)a(c)~(e)から、甲第1号証には、以下の事項が記載されているものと認められる。 (a)固定トレー60は、光ファイバアダプタモジュール14を保持する伸長可能トレー20を選択的に保持するように構成されている。 (b)固定トレー60の両側面に配置された固定受け部72A,72Bは、第1のスライドレールセット76A,76Bが横方向に移動できるように、第1のスライドレールセット76A,76Bを受けて支持するように構成されている。 (c)伸長可能トレー20の側面に連結された固定レール79A,79Bには、第2のスライドレールセット78A,78Bが連結されており、第2のスライドレールセット78A,78Bは、第1のスライドレールセット76A,76Bにより受けられ支持されるように構成されている。 (d)したがって、伸長可能トレー20は、固定レール79A,79Bを介した第2のスライドレールセット78A,78Bへの連結により、第1のスライドレールセット76A,76Bに対して横方向に移動することができる。 (e)第2のスライドレールセット78A,78Bを設けることによって、伸長可能トレー20が単一のスライドレールセットのみによって実現されるよりもさらに固定トレー60から伸長することが可能となり、また、第2のスライドレールセット78A,78Bによって、伸長可能トレー20が下方に傾斜することを可能にするのに十分にかつ所望の長さだけ伸長可能トレー20を固定トレー60から外側に伸長させることができる。 f 上記e(a)、(d)によると、甲第1号証において、光ファイバアダプタモジュール14は、伸長可能トレー20に保持されており、伸長可能トレー20は、固定レール79A,79Bを介した第2のスライドレールセット78A,78Bへの連結により、第1のスライドレールセット76A,76Bに対して横方向に移動することができ、上記e(e)のように、伸長可能トレー20が下方に傾斜することを可能にするのに十分にかつ所望の長さだけ伸長可能トレー20を固定トレー60から外側に伸長させることができるのであるから、甲第2号証及び甲第3号証を参照した当業者であっても、甲1発明において、光ファイバアダプタモジュール14を、伸長可能トレー20の側面に連結された固定レール79A,79Bに対して引出自在とする動機を見出すことができない。 g したがって、甲1発明において、光ファイバアダプタモジュール14へのアクセス性を向上するために、甲第2号証又は甲第3号証に記載の機構を適用し、光ファイバアダプタモジュール14を固定レール79A,79Bに対して引出自在に構成することが、当業者であれば容易に想到し得たとはいえない。 よって、本件特許発明1は、上記甲第1号証ないし甲第3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 イ 本件特許発明2、3及び7ないし10について 本件特許発明2、3及び7ないし10は、本件特許発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものである。 また、甲第4号証(特開2003-149458号公報)、甲第5号証(特開2004-86060号公報)、甲第6号証(特開2004-361890号公報)、甲第7号証(米国特許公開第2008/0175551号明細書)のいずれにも、上記相違点1に係る本件特許発明の「『モジュールガイド回りに動くことができる』光ファイバモジュール」に構成することは記載も示唆もされていない。 したがって、本件特許発明2、3及び7ないし10は、上記甲第1号証ないし甲第7号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 ウ 取消理由1についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件特許発明1ないし3及び7ないし10は、上記甲第1号証ないし甲第3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 よって、取消理由通知に記載した取消理由1によっては、本件特許発明1ないし3及び7ないし10に係る特許を取り消すことができない。 (2)取消理由2(特許法第36条第6項第2号(明確性)の違反)について ア 本件訂正により、訂正前の請求項3の「前記少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」との記載は、「少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」に変更された。 また、訂正前の請求項4の「前記少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」との記載は、「少なくとも1つの傾斜制限部材に設けられ」に変更された。 さらに、訂正前の請求項5の「前記少なくとも1つの傾斜制限部材は」との記載は、「少なくとも1つの傾斜制限部材が」に変更された。 それにより、請求項3ないし5に記載された「少なくとも1つの傾斜制限部材」が何を意味するのかが明らかとなり、請求項3ないし5に係る発明は明確である。 さらに、訂正前の請求項8の「前記少なくとも1つのエンボスが」との記載は、「少なくとも1つのエンボスが」に変更され、請求項8における「少なくとも1つのエンボス」が何を意味するのかが明らかとなり、請求項8に係る発明は明確である。 よって、請求項3ないし5及び8の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。 イ 取消理由2についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件特許発明3ないし5及び8に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている特許出願に対してされたものであり、取消理由2によっては、本件特許発明3ないし5及び8に係る特許を取り消すことができない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件特許発明1ないし5及び7ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許発明1ないし5及び7ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2015-700108

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