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特許拒絶査定不服審判

2015-022115

パッケージ構造及びパッケージ方法

審判番号
2015-022115
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-254874
請求日
2015年12月15日
審決日
2017年01月30日
公報発行日
2017年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】巨擘科技股▲ふん▼有限公司
  • 【請求人代理人】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 森川 幸俊
  • 審判官 國分 直樹
  • 審判官 関谷 隆一
分類
P18 .121-WZ (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-254874「パッケージ構造及びパッケージ方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年6月30日出願公開、特開2014-120773〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年12月10日(パリ条約による優先権主張2012年12月17日,台湾)の出願であって、平成26年12月8日付けで拒絶理由が通知され、平成27年3月11日付けで手続補正がなされたが、同年8月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月15日付けで拒絶査定不服の審判が請求され、同時に手続補正がなされた。 その後、当審において平成28年8月24日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もなされなかったものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成27年12月15日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。 「【請求項1】 パッケージ構造であって、表面に形成された複数のベアチップパッドを有するICベアチップと、 第一面に形成された複数の第一パッドと第二面に形成された複数の第二パッドとを有し、どんな形ででも中立平衡の特性を具備するフレキシブルパッケージ基板であって、複数の金属層と複数の誘電層とを含んでおり、それぞれの単一の層の厚さが20μmより小さいことを特徴とするフレキシブルパッケージ基板と、 前記フレキシブルパッケージ基板の前記第一面に形成され、異なる高さをそれぞれ有し、これらの第一パッドにそれぞれ対応する複数のスタッドであって、前記フレキシブルパッケージ基板の前記第一面に接合したこれらのスタッドはそれぞれこれらのベアチップパッドと接合し、前記ICベアチップをパッケージするために用いられる複数のスタッドと、 複数の接点パッドを有する回路板であって、前記フレキシブルパッケージ基板の前記第二面に形成されたこれらの第二パッドがそれぞれ半田によって前記接点パッドと接合する回路板と、 を備えており、 前記半田が異なるサイズを有しており、かつ前記半田のいくつかが前記回路板上で前記ICベアチップの正射影の位置に配置されており、 前記第一面に形成されたこれらの第一パッドのうち、少なくとも一つのパッドは他のパッドと面一にならないことを特徴とするパッケージ構造。」 第3 当審において通知した拒絶の理由の概要 当審において平成28年8月24日付けで通知した拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 本件出願の請求項1ないし4に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2006-269994号公報 引用文献2.特開2006-303239号公報 引用文献3.特開平4-154136号公報 引用文献4.特開2001-298042号公報 引用文献5.特開2006-40870号公報 第4 当審の判断 1.引用発明 当審の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2006-269994号公報)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (1)「【0002】 1つの半導体チップ(素子)に高度なシステム機能を搭載した所謂SoC(システム・オン・チップ)と同等の機能を実現する手段として、近年、所謂SiP(システム・イン・パッケージ)と呼ばれる形態が注目されている。このSiPは、複数個のLSIチップを単一のパッケージに封止してシステム化を実現したものであり、最終的にはSoCと同等の機能を低コストで実現することを目指すものである。 【0003】 上記SiPは、複数個のLSIチップを互いに電気的に接続し、且つより小型化されたシステムを形成するために、高密度の配線を含む配線基板を必要とする。一般的にこれらの基板として、セラミック配線基板、プリント基板、可撓性(フレキシブル)基板、或いはシリコン基板などが用いられる。 【0004】 上記の配線基板のうち、可撓性(フレキシブル)基板は、有機絶縁物材料からなる樹脂フィルムの表面に金属配線層を形成し、これを積層して形成される。この種の基板は、可撓(フレキシブル)性を有する点で製造性に優れる。基板シリコン基板は、最も微細な配線を形成することが可能であるが、その表裏面を電気的に接続するスルーホールを有することが求められる。」 (2)「【0026】 (第1の実施形態) 図1及び図2は、第1の実施形態による配線基板の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 先ず、支持基体1の一方の主面の所定部位に第1の密着層2を選択的に形成する。 図1(a)に示すように、支持基体1の表面1a上の所定部位に、第1の密着層2を選択的に形成する。 (中略) 【0029】 続いて、図1(b)に示すように、支持基体1上の一方の主面1aに於いて、前記第1の密着層2上を覆って第2の密着層2を配設する。かかる第2の密着層3は、支持基体1の一方の主面1a上に、スパッタ法或いはメッキ法により厚み5μm程度に形成される。 (中略) 【0034】 続いて、図1(c)~(i)及び図2(a)~(d)に示す製造工程をもって、支持基板1の一方の主面1a上に、第2の密着層3を介して配線構造体6を形成する。 先ず、図1(c)に示すように、第2の密着層3上に1層目の配線31を形成する。 第2の密着層3表面にレジスト材(図示せず)を塗布し、当該レジスト材をパターン加工してレジスト層32を選択的に形成する。 【0035】 当該レジスト層32は、形成される配線パターンに対応して、第2の密着層3の表面を例えば長尺状に露出させる開口32aを規定する。かかる開口32a内に露出したNi層3をメッキシード層として、膜厚3μm程にCuメッキを行い、開口32a内に一層目の配線層31を形成する。 【0036】 次に、レジスト層32を、剥離液を用いて除去した後、図1(d)に示すように、一層目の配線31を覆う絶縁層33を形成する。かかる絶縁層33は、第2の密着層3上の配線31が覆われる程度にポリイミド(商品名PI2611 HDマイクロシステム社製)を塗布することにより形成される。当該絶縁層33は、厚さ10μm程に形成される。 【0037】 次に、図1(e)に示すように、絶縁層33に対し層間接続用のビア孔34を形成する。 当該ビア孔34は、配線31に対応して選択的に配設される。かかるビア孔34は、例えばUV-YAGレーザ(ESI社製のドリリングシステム 発振周波数:20kHz)を用いて、レーザ光を絶縁層33に選択的に照射することにより形成される。この結果、配線31の表面の一部が露出される。 【0038】 次に、図1(f)に示すように、前記配線31の露出表面から絶縁層33の表面に延在するメッキシード層35を形成する。 ビア孔34内に露出した配線31表面及び絶縁層33表面に、スパッタ法により膜厚80nmのCr層を形成し、更にかかるCr層上に厚さ500nmのCu膜を形成する。かかるCu層,Cr層がメッキシード層35を構成する。 【0039】 次に、図1(g)に示すように、配線31の接続ビア37及びランド配線38を形成する。 前記メッキシード層35上にレジスト層(図示せず)を塗布形成し、当該レジスト層をパターン加工して、レジスト層36を選択的に形成する。当該レジスト層36は、前記メッキシード層35の配線形成部位を露出させる開口36aを規定する。 【0040】 しかる後、開口36a内に表出しているメッキシード層35の表面に、Cuメッキを行う。当該Cuメッキ処理により、ビア孔34内にあっては前記配線31と電気的に接続される接続ビア37と、当該接続ビア37と一体となって絶縁層33上に延在される配線38とが形成される。 (中略) 【0042】 次に、図1(i)に示すように、接続ビア37及びランド配線38を覆う絶縁層39を形成する。 このとき、絶縁層39の形成に先立って、絶縁層33に対し酸素プラズマ処理を施し、その絶縁性を阻害する物質を除去して絶縁層33の絶縁性を回復させる。 前記接続ビア37の形成工程、及び/或いは配線38の形成工程の際に、処理液等の影響により、絶縁層33の表面に絶縁性を阻害する物質が形成される場合があり、酸素プラズマ処理によりかかる物質を除去する。しかる後、接続ビア37及び配線38を覆って、ポリイミドからなる絶縁層39を膜厚10μm程に形成する。 【0043】 次に、図2(a)に示すように、絶縁層39に層間接続用のビア孔41を形成する。 ビア孔41は、前記ビア孔34と同様に、例えばUV-YAGレーザを絶縁層39に選択的に照射することにより形成される。この結果、前記配線38の表面の一部が露出される。 【0044】 次に、図2(b)に示すように、メッキシード層42を形成する。 前記ビア孔41内に露出した配線38の表面及び絶縁層33の表面に、スパッタ法により膜厚80nmのCr層を形成し、更にかかるCr層上に厚さ500nmのCu膜を形成する。かかるCu層,Cr層がメッキシード層42を構成する。 【0045】 次に、図2(c)に示すように、配線38の接続ビア44及び2層目の配線45を形成する。 前記メッキシード層42上にレジスト層(図示せず)を塗布形成し、当該レジスト層をパターン加工して、レジスト層43を選択的に形成する。当該レジスト層43は、前記メッキシード層42の配線形成部位を露出させる開口43aを規定する。 【0046】 しかる後、開口43a内に表出しているメッキシード層42の表面に、Cuメッキを行う。当該Cuメッキ処理により、ビア孔41内にあっては前記配線38と電気的に接続される接続ビア44と、当該接続ビア44と一体となって絶縁層39上に延在する配線45とが形成される。 (中略) 【0049】 以上の工程により、第2の密着層3上に当該第2の密着層3と接着された状態に配線構造体6を形成する。この配線構造体6は、絶縁層33内に下層の配線31が、絶縁層39上に上層の配線45がそれぞれ形成されてなる配線層である。なお、以上の工程により配線構造体6内に形成された配線層は薄膜状の配線層になるが、薄膜状であることは必須では無く、他の態様も可能である。 ここで、図2(d)~(h)では、絶縁層33,39が同一材料からなる積層膜であるので、絶縁層33,39を一体とみなして絶縁層4と記す。 【0050】 なお、本実施形態では、配線構造体6として2層の配線が積層される場合について示したが、必要に応じて配線層を3層以上の多層構造とすることも勿論可能である。 (中略) 【0055】 続いて、図2(g)に示すように、配線構造体6及び第2の密着層3が一体となった形成物を、支持基体1から分離させる。 図2(f)に示される形成物をエッチング液に漬浸し、ウェットエッチングにより第1の密着層2を溶解除去する。ここで用いるエッチング液は、第1の密着層2の材料であるCr用のエッチング液、例えばアルカリ性フェリシアン溶液等である。 【0056】 かかる第1の密着層2を除去した結果、配線構造体6は第2の密着層3のみを介して支持基体1上に存在する状態となる。 第2の密着層3は配線構造体6との密着性は高いのに対して支持基体1との密着性は低いことから、配線構造体6は、支持基板1から引き剥がされることによるダメージ、或いはエッチング液と接触(浸漬)することにより生じる変質等の悪影響を受けることなく第2の密着層3と一体となって支持基体1から分離される。 このとき、配線構造体6は可撓(フレキシブル)性を有するため、分離する際に加わる応力によって破損してしまう等の不具合を生じない。 【0057】 続いて、図2(h)に示すように、配線構造体6から第2の密着層3を除去する。 ウェットエッチングにより、配線構造体6から第2の密着層3を溶解除去する。エッチング液としては、第2の密着層3の材料であるNi用のエッチング液(例えば奥野製薬工業株式会社製トップリップ等)を用いる。このとき、配線構造体6の各チップ領域6a間にダイシングライン7が形成されているため、第2の密着層3が溶解した後には、配線構造体6は個々のチップ状の配線基板8に分離される。 【0058】 なお、配線基板8上へのLSIチップ等を実装する場合には、配線基板8を個々に分離した後に、(即ち、上記の図2(h)の工程を後で、)LSIチップ等を実装しても良く、或いは支持基板1から配線構造体6を分離する前に、(すなわち、図2(e)の工程の前に、)LSIチップ等を配線構造体6上に実装する事も可能である。 支持基板1から配線構造体6を分離する前にLSIチップ等を実装する方法は、製造効率的にメリットがある。」 (3)「【0103】 なお、第1及び第2の実施形態により製造された配線基板8,26は、例えばSiPに於けるインターポーザとして用いられる。 SiP100は、図10に示すように、支持基板101上に、配線基板(フィルムインターポーザ)113を介して複数個(図示の例では3個)の半導体チップ102が搭載され、当該半導体チップ102は配線基板113に於ける多層配線層115を介して相互に電機的に接続されている。 【0104】 また、支持基板101は、電子機器に於ける所謂マザーボードに相当する基板である。 当該支持基板101の一方の主面(図示状態では上面)に配設された基板電極111に対して、前記配線基板113が、その一方の主面(図示状態では下面)に配設された端子部116に於いて、半田ボール或いは半田バンプ112を介して接続・固着される。 そして、前記半導体チップ102は、その表面の電極104に配設された半田バンプ114によって、前記配線基板113の他方の主面(図示状態では上面)に配設された端子部118に接続・固着される。 【0105】 かかる構成にあって、前記配線基板113の表面及び裏面に配設される端子部は、その密度・ピッチが相互に大きく異なるが、本発明による切削加工法により、かかる密度・ピッチの大小に関係無く正確な端子部の配設が可能である。 また、前記配線基板113は、内部に多層配線層を有するも、その板厚を薄く且つ高い信頼性をもって製造し得ることから、当該配線基板を前記インターポーザとして適用することにより、製造が容易で且つ高機能のSiPを安価に実現することができる。」 (4)【図10】 上記(1)によれば、複数個のLSIチップを単一のパッケージに封止してシステム化を実現したSiP(システム・イン・パッケージ)に関して、以下の事項が記載されている。 ア.配線基板として、可撓性(フレキシブル)基板が用いられる。 イ.可撓性(フレキシブル)基板は、有機絶縁物材料からなる樹脂フィルムの表面に金属配線層を形成し、これを積層して形成される。 また、上記(2)と図1及び2とによれば、第1の実施形態による配線基板8の製造方法について、以下の事項が記載されている。 ウ.支持基体1の表面の所定部位に、第1密着層2を形成し、続いて、第1の密着層を覆って第2の密着層3を配設する。 エ.支持基体1の表面上に、第2の密着層3を介して配線構造体6を形成する。その工程には以下の(a)ないし(i)の工程が含まれている。 (a)第2の密着層3をメッキシード層として、膜厚3μm程にCuメッキを行い配線31を形成する。 (b)配線31を覆う絶縁層33を、ポリイミドを塗布することにより厚さ10μm程に形成する。 (c)絶縁層33に対し、層間接続用のビア孔34を形成し、配線31の表面の一部を露出させる。 (d)配線31の露出表面から絶縁層33の表面に延在する、膜厚80nmのCr層及び厚さ500nmのCu膜からなるメッキシード層35を形成する。 (e)メッキシード層35の表面にCuメッキを行い、接続ビア37及び配線38を形成する。 (f)接続ビア37及び配線38を覆って、ポリイミドからなる絶縁層39を膜厚10μm程に形成する。 (g)絶縁層39に対し、層間接続用のビア孔41を形成し、配線38の表面の一部を露出させる。 (h)配線38の表面及び絶縁層39の表面に、膜厚80nmのCr層及び厚さ500nmのCu膜からなるメッキシード層42を形成する。 (i)メッキシード層42の表面にCuメッキを行い、接続ビア44及び配線45を形成する。 オ.配線構造体6から第1の密着層2を除去し、続いて、支持基体1から分離し、さらに、第2の密着層3を除去した後に、個々のチップ状に配線基板8を分離する。 さらに、上記(2)によれば、以下の事項も記載されている。 カ.配線構造体6は、配線層を3層以上の多層構造とすることも可能である。 キ.配線基板8を含む配線構造体6は可撓(フレキシブル)性を有する。 また、上記(3)と上記(4)に示す図10とによれば、第1の実施形態により製造された配線基板8をインターポーザとして利用する場合のSiP100の構造について、以下の事項が記載されている。 ク.SiP100は、支持基板101上に、配線基板(フィルムインターポーザ)113を介して複数個の半導体チップ102が搭載されている。 ケ.支持基板101は、電子機器に於けるマザーボードに相当する基板である。 コ.支持基板101の上面に配設された基板電極111に対して、配線基板113が、その一方の主面に配設された端子部116に於いて、半田ボール或いは半田バンプ112を介して接続・固着される。 サ.半導体チップ102は、その表面の電極104に配設された半田バンプ114によって、配線基板113の他方の主面に配設された端子部118に接続・固着される。 シ.電極104、半田バンプ114、端子部118、端子部116、半田バンプ112、基板電極111はいずれも複数配設されている。 ス.半導体チップ102の正射影の位置に、半田バンプ112のいくつかが配置されている。 ここで、上述の配線基板8の製造方法についての記載事項エの(a)ないし(i)に基づいて、当該配線基板における配線層及び絶縁層の厚さについて検討する。 Cuメッキで形成される配線31は膜厚3μm程であり(上記(a))、当該配線31と同様にCuメッキで形成される配線38及び配線45については具体的な膜厚は記載されていないが(上記(e)及び(i))、当該配線38及び配線45も上記配線31と同程度の厚さ(3μm程)で形成するのが普通であるから、膜厚80nmのCr層及び膜厚500nmのCu膜からなるメッキシード層(上記(d)及び(h))の厚みを加えても、各配線層の厚さは4μmにも満たない。一方、絶縁層33、39は膜圧10μm程(上記(b)及び(f))である。 そうすると、引用文献1に記載の配線基板8すなわち配線基板113を構成する配線層及び絶縁層の単一の層の厚さは20μmより小さいと認められる。 したがって、以上で述べた事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「表面に複数の電極104を有する半導体チップ102と、 一方の主面に配設された複数の端子部116と他方の主面に配設された複数の端子部118とを有し、複数の配線層と複数の絶縁層とを含んでおり、それぞれの単一の層の厚さが20μmより小さく、可撓(フレキシブル)性を有する配線基板113と、 前記配線基板113の複数の前記端子部118と前記半導体チップ102の複数の前記電極104とを接続・固着する複数の半田バンプ114と、 複数の基板電極111が配設され、前記配線基板113の複数の前記端子部116がそれぞれ半田バンプ112によって前記基板電極111と接続・固着され、マザーボードに相当する支持基板101と、 を備えており、 前記半田バンプ112のいくつかが前記支持基板101上で前記半導体チップ102の正射影の位置に配置されている、 SiP(システム・イン・パッケージ)の構造。」 2.対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明における「半導体チップ102」及びその表面の「電極104」は、本願発明における「ICベアチップ」及びその表面に形成された「ベアチップパッド」にそれぞれ相当する。 (2)引用発明における「支持基板101」はマザーボードに相当する基板であるから、本願発明における「回路板」に相当し、引用発明の前記支持基板101に配設された「基板電極111」は、本願発明の回路板が有する「接点パッド」に相当する。 (3)引用発明における「配線基板113」はSIPにおいてインターポーザとして利用され、かつ、可撓(フレキシブル)性を有するから、本願発明における「フレキシブルパッケージ基板」に相当する。また、引用発明の前記配線基板113の「他方の主面」に配設された「端子部118」と、「一方の主面」に配設された「端子部116」は、本願発明のフレキシブルパッケージ基板の「第一面」に形成された「第一パッド」と、「第二面」に形成された「第二パッド」にそれぞれ相当する。 (4)引用発明における「半田バンプ112」、「配線層」、「絶縁層」は、本願発明における「半田」、「金属層」、「誘電層」にそれぞれ相当する。また、引用発明において「接続・固着する」ことは、本願発明において「接合する」ことに相当する。 (5)本願発明における「スタッド」と引用発明における「半田バンプ114」は、いずれもICベアチップ(半導体チップ102)をパッケージするために用いられる部材である点で共通している。また、前記「スタッド」と前記「半田バンプ114」は、フレキシブルパッケージ基板(配線基板113)の第一パッド(端子部118)とICベアチップ(半導体チップ102)のベアチップパッド(電極104)とを接合(接続・固着)する点においても共通している。 (6)引用発明はSiP(システム・イン・パッケージ)というパッケージの構造に関する発明であるから、「パッケージ構造」の発明であるといえる。 そうすると、本願発明と引用発明とは、 「パッケージ構造であって、表面に形成された複数のベアチップパッドを有するICベアチップと、 第一面に形成された複数の第一パッドと第二面に形成された複数の第二パッドとを有するフレキシブルパッケージ基板であって、複数の金属層と複数の誘電層とを含んでおり、それぞれの単一の層の厚さが20μmより小さいことを特徴とするフレキシブルパッケージ基板と、 前記フレキシブルパッケージ基板の前記第一パッドと前記ICベアチップの前記ベアチップパッドとを接合する部材であって、前記ICベアチップをパッケージするために用いられる複数の部材と、 複数の接点パッドを有する回路板であって、前記フレキシブルパッケージ基板の前記第二面に形成されたこれらの第二パッドがそれぞれ半田によって前記接点パッドと接合する回路板と、 を備えており、 前記半田のいくつかが前記回路板上で前記ICベアチップの正射影の位置に配置されている、 パッケージ構造。」 である点で一致し、次の点で相違する。 <相違点1> 「フレキシブルパッケージ基板」が、本願発明においては「どんな形ででも中立平衡の特性を具備する」のに対して、引用発明においてはそのような特定がなされていない点。 <相違点2> フレキシブルパッケージ基板の第一パッドとICベアチップのベアチップパッドとを、本願発明においては「フレキシブルパッケージ基板の第一面に形成された複数のスタッド」で接合しているのに対して、引用発明においては「複数の半田バンプ」で接合している点。 <相違点3> 本願発明においては、「スタッド」が「異なる高さをそれぞれ有し」、また、「半田」が「異なるサイズを有し」ているのに対して、引用発明においては、そのような高さやサイズに関する特定はなされていない点。 <相違点4> 本願発明においては、「第一面に形成されたこれらの第一パッドのうち、少なくとも一つのパッドは他のパッドと面一にならない」のに対して、引用発明においては、そのような特定がなされていない点。 3.判断 上記相違点について検討する。 (1)相違点1について 引用文献1に記載された配線基板は、上記1.のイ及びカで説示したように配線層(金属層)と絶縁層(誘電層)とを交互に積層したものであり、その点において、本願明細書に記載のフレキシブルパッケージ基板と同様の構造を有している。 また、引用文献1に記載された配線基板の絶縁層(誘電層)の材料はポリイミドであり、本願明細書に記載のフレキシブルパッケージ基板の誘電層の材料と同じである。さらに、引用文献1に記載された配線基板の配線の材料はCuであり、本願明細書にはフレキシブルパッケージ基板の金属層の材料は記載されていないが、配線材料として一般的にCuが用いられていることを勘案すると、この点においても実質的に差異はない。 そして、配線層(金属層)と絶縁層(誘電層)の厚みについても、上記1.で説示したように、引用文献1に記載の各層の厚みは、本願発明で規定される厚みを満たしている。 してみれば、引用文献1に記載された配線基板は、本願明細書に記載のフレキシブルパッケージ基板と、積層構造、材料、単一の層の厚さが全て共通しているから、引用発明における配線基板(フレキシブルパッケージ基板)も、本願発明のフレキシブルパッケージ基板と同じ特性を具備しているのが普通であり、そうすると、引用発明における配線基板(フレキシブルパッケージ基板)も、「どんな形にでも中立平衡の特性」を具備するものである。 したがって、相違点1については、引用文献1に文言として明示の記載がなかっただけであって、実質的な相違点ではない。 (2)相違点2について 基板と半導体チップとをスタッドを用いて接合することは、当審の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2006-303239号公報(段落【0020】、【0022】、図3参照)に記載されており、また、基板と半導体チップを接合するための部材を当該基板に形成することは、上記引用文献2(段落【0020】、【0022】、図3参照)及び当審の拒絶の理由に引用文献3として引用された特開平4-154136号公報(第3頁左上欄第18行~同頁左下欄第8行、第1図参照)に記載されている。 したがって、引用発明において、「複数の半田バンプ」で接合することに代えて、「フレキシブルパッケージ基板の第一面に形成された複数のスタッド」によって接合するようにすることは、当業者にとって格別の技術的困難性を伴うことではない。 (3)相違点3について 半田のサイズにばらつきが生じうることは、例えば、当審の拒絶の理由に引用文献4として引用された特開2001-298042号公報(段落【0008】-【0010】、図2参照)や、当審の拒絶の理由に引用文献5として引用された特開2006-40870号公報(段落【0015】参照)に記載されているように周知である。また、スタッドにおいても、同様に高さにバラツキが生じうることは周知である。 そして、上記引用文献4には、そのようなサイズ(高さ)のばらつきは、フレキシブル基板の弾性変形によって吸収することができると記載されている(段落【0010】、図2参照)。 したがって、上記引用文献4と同様にフレキシブル基板を用いている引用発明において、サイズや高さの異なる半田やスタッドを用いることは、当業者が適宜なし得ることである。 (4)相違点4について フレキシブル基板の弾性変形によって接合に用いる部材のサイズや高さの違いを吸収させた場合に、当該フレキシブル基板上の電極(パッド)の少なくとも一つが他の電極(パッド)と面一にならないことは、上記引用文献4の図2にも記載されているように当然のことである。 そして、本願発明の効果も、引用発明及び引用文献2ないし5に記載の発明の効果に基づいて当業者が予測し得る範囲内のものであって、格別のものとはいえない。 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-022115

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