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特許拒絶査定不服審判

2015-019044

濃稠な洗浄用組成物

審判番号
2015-019044
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-539124外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年10月22日
審決日
2017年05月19日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61K) / P18 .575-Z (A61K) / P18 .113-Z (A61K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-539124「濃稠な洗浄用組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成24年5月31日国際公開、WO2012/068948、平成25年12月12日国内公表、特表2013-544246〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成23年11月3日(パリ条約による優先権主張 2010年11月22日 中華人民共和国(CN))を国際出願日とする特許出願であって、平成26年8月29日付けで拒絶理由が通知され、同年12月8日に意見書が提出されるとともに明細書及び特許請求の範囲が補正され、同年12月10日に上申書が提出されたが、平成27年6月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に特許請求の範囲が補正されたものである。 第2 補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成27年10月22日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 平成27年10月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1について、補正前(平成26年12月8日付け手続補正書)に 「【請求項1】 下記の成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含むことを特徴とする濃稠な洗浄用組成物: 成分(a):重量百分率で洗浄用組成物の0.01%~30%を占める、一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル; 成分(b):重量百分率で洗浄用組成物の0.1%~50%を占める、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、または脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルから選ばれる一種または複数種の脂肪族化合物; 成分(c):重量百分率で洗浄用組成物の1%~80%を占める、成分(a)及び成分(b)以外の一種または複数種の界面活性剤; 成分(d):重量百分率で洗浄用組成物の10%~90%を占める、水、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコールエーテルから選ばれる一種または複数種からなる溶媒; 成分(a)の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルは、構造上、以下の条件を満足する。 I)アミノ酸の部分は、アミノ基の数がカルボキシ基よりも少ない、すなわち、アミノ酸の構造では、1つのアミノ基及び2つのカルボキシ基を持つ炭素原子数が3~8の酸性アミノ酸由来のもので、これらのD型、L型およびDL型の光学異性体が含まれ、前記酸性アミノ酸は、アミノマロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α-アミノアジピン酸、β-アミノアジピン酸、α-アミノピメリン酸、β-アミノピメリン酸、γ-アミノピメリン酸、α-アミノスベリン酸、β-アミノスベリン酸、γ-アミノスベリン酸、α-アミノ-α-メチルコハク酸、γ-メチルグルタミン酸、またはγ-メチレングルタミン酸から選ばれる。 II)長鎖脂肪酸アシルの部分は、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基であって、前記脂肪酸アシル基は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘニン酸の直鎖飽和脂肪酸、ブチル-5-メチルペンタン酸、2-iso-ブチル-5-メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2-ブチル-5-メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2-エチル-3-メチルノナン酸、2,2-ジメチル-4-エチルオクタン酸、メチルドデカン酸、2-プロピル-3-メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2-ブチル-3-メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2-(3-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、2-(2-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸、メチルエイコサン酸、ジメチルノナデカン酸、ノニルラウリン酸、ジメチルアラキジン酸、ヘキシルヘキサデカン酸の分枝鎖飽和脂肪酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸の直鎖モノエン酸、メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸の分枝鎖モノエン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、9,12,15-オクタトリエン酸、10,12,14-オクタトリエン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のポリエン酸、さらにヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヒマワリ種子油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、茶実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、魚油脂肪酸の天然由来の脂肪酸、或いは上記二種または二種以上の脂肪酸の混合物である脂肪酸のアシル基から選ばれる。 III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、炭素原子数が8~28の飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール及び/又はこれらのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテルとからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アルコールエーテルは相同でもよく相異でもよい。 このようなエステルを形成する直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールは、オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、iso-オクタノール、ノナノール、sec-ノナノール、デカノール、iso-デカノール、sec-デカノール、ウンデカノール、sec-ウンデカノール、2-メチルデカノール、ラウリルアルコール、sec-ドデカノール、トリデカノール、iso-トリデカノール、ミリスチルアルコール、sec-テトラデカノール、ペンタデカノール、sec-ペンタデカノール、セタノール、パルミチルアルコール、sec-ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、sec-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、iso-ステアリルアルコール、sec-オクタデカノール、オレイルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、2-ブチルヘキサノール、2-ブチルデカノール、2-ヘキシルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ヘキシルドデカノール、2-オクチルデカノール、2-オクチルドデカノール、2-オクチルテトラデカノール、2-デシルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、2-デシルヘキサデカノール、2-ドデシルテトラデカノール、2-ドデシルヘキサデカノール、或いは上記の二種または二種以上の脂肪族アルコールの混合物から選ばれる。」 とあったものを、 「【請求項1】 下記の成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含むことを特徴とする濃稠な洗浄用組成物: 成分(a):重量百分率で洗浄用組成物の0.01%~30%を占める、一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル; 成分(b):重量百分率で洗浄用組成物の0.1%~50%を占める、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸、炭素原子数が8~28の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、炭素原子数が8~28の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族アルコールのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテル、またはヒドロキシ基数が2~6の脂肪族多価アルコールと炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸とで形成される脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルから選ばれる一種または複数種の脂肪族化合物; 成分(c):重量百分率で洗浄用組成物の1%~80%を占める、成分(a)及び成分(b)以外の一種または複数種の界面活性剤; 成分(d):重量百分率で洗浄用組成物の10%~90%を占める、水、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコールエーテルから選ばれる一種または複数種からなる溶媒; 成分(a)の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルは、構造上、以下の条件を満足する。 I)アミノ酸の部分は、アミノ基の数がカルボキシ基よりも少ない、すなわち、アミノ酸の構造では、1つのアミノ基及び2つのカルボキシ基を持つ炭素原子数が3~8の酸性アミノ酸由来のもので、これらのD型、L型およびDL型の光学異性体が含まれ、前記酸性アミノ酸は、アミノマロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α-アミノアジピン酸、β-アミノアジピン酸、α-アミノピメリン酸、β-アミノピメリン酸、γ-アミノピメリン酸、α-アミノスベリン酸、β-アミノスベリン酸、γ-アミノスベリン酸、α-アミノ-α-メチルコハク酸、γ-メチルグルタミン酸、またはγ-メチレングルタミン酸から選ばれる。 II)長鎖脂肪酸アシルの部分は、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基であって、前記脂肪酸アシル基は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘニン酸の直鎖飽和脂肪酸、ブチル-5-メチルペンタン酸、2-iso-ブチル-5-メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2-ブチル-5-メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2-エチル-3-メチルノナン酸、2,2-ジメチル-4-エチルオクタン酸、メチルドデカン酸、2-プロピル-3-メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2-ブチル-3-メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2-(3-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、2-(2-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸、メチルエイコサン酸、ジメチルノナデカン酸、ノニルラウリン酸、ジメチルアラキジン酸、ヘキシルヘキサデカン酸の分枝鎖飽和脂肪酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸の直鎖モノエン酸、メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸の分枝鎖モノエン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、9,12,15-オクタトリエン酸、10,12,14-オクタトリエン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のポリエン酸、さらにヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヒマワリ種子油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、茶実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、魚油脂肪酸の天然由来の脂肪酸、或いは上記二種または二種以上の脂肪酸の混合物である脂肪酸のアシル基から選ばれる。 III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、下記脂肪族アルコールからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、前記脂肪族アルコールはsec-ドデカノール、iso-トリデカノール、セタノール、2-ヘキシルデカノールから選ばれ、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコールは相同でもよく相異でもよい。」(下線は、補正箇所を示す) と補正することを含むものである。 2 本件補正の適否 (1)本件補正の目的について 請求項1についての補正は、本件補正前の濃稠な洗浄用組成物に含まれる成分(a)の「長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル」の構造上の条件について、「III)エステル基の部分」の選択肢を「アミノ酸の2つのカルボキシ基と、下記脂肪族アルコールからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、前記脂肪族アルコールはsec-ドデカノール、iso-トリデカノール、セタノール、2-ヘキシルデカノールから選ばれ、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコールは相同でもよく相異でもよい。」に限定するとともに、成分(b)の「脂肪族化合物」について、「脂肪酸」、「脂肪族アルコール」、「脂肪族アルコールエーテル」及び「脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル」の炭素原子数などを特定することで限定したものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。 よって、請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2)独立特許要件違反について そこで、本件補正後の請求項1(上記「1 補正の内容」参照。以下、「本願補正発明」という。)に記載された発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。 3 引用例及びその記載事項 本願の優先日前である昭和49年6月20日に頒布された刊行物である「特開昭49-63683号公報」(原査定の引用文献2。以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。 なお、引用例の○の中に数字の記載については、○を〔 〕で代用して転記する。また、以下、下線は当審で付したものである。 (a)「2.特許請求の範囲 活性成分が炭素数8~22のアシル基を有するN-長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルからなり,そのエステル部分は高級アルコール,ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルおよびポリアルキレングリコール高級脂肪酸モノエステルからなる群より選ばれたアルコールから導かれた形であるところの油溶性非イオン界面活性剤。」(1頁左欄3~10行) (b)「本発明の油溶性非イオン界面活性剤にあつては,これを皮膚化粧料に使用したときは経時変化が少なく,展延性,エモリエント性および乳化製品の光沢,乳白性等が極めて優れている。 ・・・ また,シヤンプー,石鹸等に添加することによつて泡立ちのよい,皮膚荒れの少ない製品とすることができる。」(2頁左上欄4~16行) (c)「本発明の油溶性非イオン界面活性剤の代表例についての物性値,H.L.B.値および溶解性は表1,表2に示す通りである。 」(2頁左下欄下から2行~同頁右下欄最下行) (d)「本発明の界面活性剤の活性成分であるN-長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルのN-長鎖アシル酸性アミノ酸部分はN-長鎖アシルアスパラギン酸及びN-長鎖アシルグルダミン酸で,長鎖アシル基としては炭素数8~22の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基で,例えばラウリン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸等の単一組成の脂肪酸によるアシル基の他に,ヤシ油脂肪酸,牛脂脂肪酸,硬化牛脂脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分枝脂肪酸を含む)のアシル基であつてもよい。酸性アミノ酸成分は光学活性体又はラセミ体のいずれであつても差支えない。 又,エステル化する際のアルコールとしては高級アルコール,ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルおよびポリアルキレングリコール高級脂肪酸モノエステルのうちから選択され,高級アルコールとしては炭素数8~30の天然又は合成脂肪族アルコールで,例えばラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,セチルアルコール,スアアリルアルコール等の直鎖アルコールの他,2-ヘキシルデシルアルコール,2-オクチルドデシルアルコール等の分枝鎖アルコールが挙げられる。ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルとしてはポリオキシエチレン高級アルコールエーテル,ポリオキシプロピレン高級アルコールエーテル,ポリオキシブチレン高級アルコールエーテル,ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合高級アルコールエーテル等が挙げられ,それの高級アルコール成分は炭素数8~30のものであればよく,又,オキシアルキレンの付加数は1~20モルが適当である。」(3頁右上欄1行~同頁左下欄12行) (e)「使用例1 エアゾール整髪料 <ベース可溶化>     (重量単位)」(3頁右下欄11~12行) (f)「使用例8 洗顔クリーム(発泡性) 流動パラフイン              0.95% エチレングリコールジステアレート     1.9〃 ステアリン酸               6.0〃 〔1〕ミリスチン酸              25.0〃 ポリオキシエチレンステアリルエーテル   0.75〃 ポリオキシエチレンラウリルエーテル    1.5〃 プロピレングリコール           4.3〃 水酸化カリウム              6.0〃 〔2〕水(イオン交換水)           47.3〃 ソジウムラウリルサルフエート       2.8〃 N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタ ミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オ   3.0〃 〔3〕レイルエーテルジエステル 香料                   0.5〃 100% <方法>〔1〕および〔2〕の組成物を夫々別途に85℃まで加温混合攪拌し,〔1〕を〔2〕に加入し,充分にケン化してから,40℃に加温した〔3〕の成分を添加し,水冷攪拌する。 <特長> (1)N-長鎖アシルグルタミン酸ジエステルを添加することによつて光沢のある乳白性の強い,泡持ちが極めてよい洗顔クリームが得られる。」(5頁右下欄6行~6頁左上欄8行) 4 引用例に記載の発明 引用例には、上記3(e)からみて、3(f)の「使用例8」として、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「次の組成(重量%)からなる洗顔クリーム(発泡性)。 流動パラフイン             0.95 エチレングリコールジステアレート    1.9 ステアリン酸              6.0 ミリスチン酸             25.0 ポリオキシエチレンステアリルエーテル  0.75 ポリオキシエチレンラウリルエーテル   1.5 プロピレングリコール          4.3 水酸化カリウム             6.0 水(イオン交換水)          47.3 ソジウムラウリルサルフエート      2.8 N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン 酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイル エーテルジエステル           3.0 香料                  0.5」 5 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」は、本願補正発明の「成分(a)」の「一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル」に相当する。 (2)引用発明の「ステアリン酸」及び「ミリスチン酸」は、それぞれ炭素原子数が18及び14の直鎖飽和脂肪酸であるから、本願補正発明の「成分(b)」の「炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸・・・から選ばれる一種または複数種の脂肪族化合物」に相当する。 (3)引用発明の「エチレングリコールジステアレート」、「ポリオキシエチレンステアリルエーテル」、「ポリオキシエチレンラウリルエーテル」及び「ソジウムラウリルサルフエート」は、いずれも界面活性剤として周知の物質であって、本願補正発明の成分(a)及び成分(b)に該当しないものである。 したがって、これらは、本願補正発明の「成分(c)」の「成分(a)及び成分(b)以外の一種または複数種の界面活性剤」に相当する。 (4)引用発明の「プロピレングリコール」及び「水(イオン交換水)」は、本願補正発明の「成分(d)」の「水、・・・多価アルコール、・・・から選ばれる一種または複数種からなる溶媒」に相当する。 (5)引用発明の「洗顔クリーム(発泡性)」は、本願補正発明の「濃稠な洗浄用組成物」と、「洗浄用組成物」である点で共通する。 (6)引用発明に配合される上記(1)~(4)にわけて示した成分は、順に、重量百分率で洗顔クリーム(発泡性)の、3.0%、31.0%、6.95%、51.6%を占める。 そして、本願補正発明では、成分(a)~成分(d)は、順に、重量百分率で洗浄用組成物の、0.01%~30%、0.1%~50%、1%~80%、10%~90%を占める。 よって、引用発明の各成分の配合量は、本願補正発明の各成分の配合量と一致する。 (7)引用発明には、さらに「流動パラフイン 0.95重量%」、「水酸化カリウム 6.0重量%」、「香料 0.5重量%」が配合されているが、本願明細書【0055】に、「洗浄用組成物を製造する場合、最終の用途によって、安定性に影響を与えない範囲で、各種の従来の美容又は洗浄の助剤を入れてもよい。」と記載されていることからみて、引用発明が上記成分を配合することは、本願補正発明との対比において相違点とはならない。 (8)以上のことから、本願補正発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点1~2を有する。 一致点: 「下記の成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含む洗浄用組成物: 成分(a):重量百分率で洗浄用組成物の0.01%~30%を占める、一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル; 成分(b):重量百分率で洗浄用組成物の0.1%~50%を占める、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸、炭素原子数が8~28の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、炭素原子数が8~28の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族アルコールのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテル、またはヒドロキシ基数が2~6の脂肪族多価アルコールと炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸とで形成される脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルから選ばれる一種または複数種の脂肪族化合物; 成分(c):重量百分率で洗浄用組成物の1%~80%を占める、成分(a)及び成分(b)以外の一種または複数種の界面活性剤; 成分(d):重量百分率で洗浄用組成物の10%~90%を占める、水、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコールエーテルから選ばれる一種または複数種からなる溶媒」である点。 相違点1: 「成分(a)」の「長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル」について、 本願補正発明は、 「成分(a)の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルは、構造上、以下の条件を満足する。 I)アミノ酸の部分は、アミノ基の数がカルボキシ基よりも少ない、すなわち、アミノ酸の構造では、1つのアミノ基及び2つのカルボキシ基を持つ炭素原子数が3~8の酸性アミノ酸由来のもので、これらのD型、L型およびDL型の光学異性体が含まれ、前記酸性アミノ酸は、アミノマロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α-アミノアジピン酸、β-アミノアジピン酸、α-アミノピメリン酸、β-アミノピメリン酸、γ-アミノピメリン酸、α-アミノスベリン酸、β-アミノスベリン酸、γ-アミノスベリン酸、α-アミノ-α-メチルコハク酸、γ-メチルグルタミン酸、またはγ-メチレングルタミン酸から選ばれる。 II)長鎖脂肪酸アシルの部分は、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基であって、前記脂肪酸アシル基は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘニン酸の直鎖飽和脂肪酸、ブチル-5-メチルペンタン酸、2-iso-ブチル-5-メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2-ブチル-5-メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2-エチル-3-メチルノナン酸、2,2-ジメチル-4-エチルオクタン酸、メチルドデカン酸、2-プロピル-3-メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2-ブチル-3-メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2-(3-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、2-(2-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸、メチルエイコサン酸、ジメチルノナデカン酸、ノニルラウリン酸、ジメチルアラキジン酸、ヘキシルヘキサデカン酸の分枝鎖飽和脂肪酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸の直鎖モノエン酸、メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸の分枝鎖モノエン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、9,12,15-オクタトリエン酸、10,12,14-オクタトリエン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のポリエン酸、さらにヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヒマワリ種子油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、茶実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、魚油脂肪酸の天然由来の脂肪酸、或いは上記二種または二種以上の脂肪酸の混合物である脂肪酸のアシル基から選ばれる。 III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、下記脂肪族アルコールからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、前記脂肪族アルコールはsec-ドデカノール、iso-トリデカノール、セタノール、2-ヘキシルデカノールから選ばれ、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコールは相同でもよく相異でもよい。」と特定しているのに対し、 引用発明は、 「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」である点。 相違点2: 「洗浄用組成物」について、本願補正発明は、「濃稠な」と特定しているのに対し、引用発明は、そのような特定事項を有しない点。 6 判断 上記相違点1~2について検討する。 (1)相違点1について ア 引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」は、引用例の上記3(a)の特許請求の範囲に記載される「炭素数8~22のアシル基を有するN-長鎖アシル酸性アミノ酸ジエステルからなり,そのエステル部分は高級アルコール,ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルおよびポリアルキレングリコール高級脂肪酸モノエステルからなる群より選ばれたアルコールから導かれた形である」「油溶性非イオン界面活性剤」である。 そして、引用例には、このような「油溶性非イオン界面活性剤」について、上記3(b)に、「皮膚化粧料に使用したときは経時変化が少なく,展延性,エモリエント性および乳化製品の光沢,乳白性等が極めて優れている」ことや、「シヤンプー,石鹸等に添加することによつて泡立ちのよい,皮膚荒れの少ない製品とすることができる」ことが記載されている。 イ 引用例には、「油溶性非イオン界面活性剤」の代表例として、上記3(c)の表1に、「CA-P.O.E(2モル)オレイルエーテルジエステル」(CA:N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸、P.O.E:ポリオキシエチレン、すなわち、引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」)に併記して、「CA-2-ヘキシルデシルジエステル」(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-2-ヘキシルデシルジエステル)、「CA-セチルジエステル」(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-セチルジエステル)、「LA-2-へキシルデシルジエステル」(LA:N-ラウロイル-L-グルタミン酸、すなわち、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-へキシルデシルジエステル)が記載されている。 また、上記(d)にも、「油溶性非イオン界面活性剤」について、N-長鎖アシル酸性アミノ酸部分は、「N-長鎖アシルアスパラギン酸及びN-長鎖アシルグルダミン酸」で、長鎖アシル基としては、「ラウリン酸」、「パルミチン酸」、「ステアリン酸」などの炭素数8~22の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基や、「ヤシ油脂肪酸」などの天然より得られる混合脂肪酸などでよいこと、エステル化する際のアルコールとしては、「セチルアルコール」、「2-ヘキシルデシルアルコール」などの炭素数8~30の脂肪族アルコールが示されている。 ウ そうしてみると、引用発明の「洗顔クリーム(発泡性)」に配合される「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」は、引用例に記載のシャンプー、石鹸などに添加することにより泡立ちのよい、皮膚荒れの少ない製品とすることができる「油溶性非イオン界面活性剤」の一つであるから、これに代えて、同等の機能を有するものとして引用例に具体的に示されている、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-2-ヘキシルデシルジエステル」、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-セチルジエステル」又は「N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-へキシルデシルジエステル」を採用してみることは、当業者が容易になし得たことである。 エ そして、上記「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-2-ヘキシルデシルジエステル」、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-セチルジエステル」又は「N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-へキシルデシルジエステル」は、いずれも本願補正発明の相違点1に係る構造上の条件を満足するものである。 すなわち、本願補正発明では、「I)アミノ酸の部分は、・・・L型・・・の光学異性体が含まれ、前記酸性アミノ酸は、・・・グルタミン酸、・・・から選ばれ」、「II)長鎖脂肪酸アシルの部分は、ラウリン酸、・・・ヤシ油脂肪酸、・・・から選ばれ」、そして、「III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、下記脂肪族アルコールからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、前記脂肪族アルコールは・・・セタノール、2-ヘキシルデカノールから選ばれ、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコールは相同でもよく相異でもよい」ものである。 (2)相違点2について ア 本願明細書には、濃稠な洗浄用組成物について、次のように記載されている。 ・「【0012】本発明によって提供される濃稠な洗浄用組成物は、界面活性剤のリオトロピック液晶組成物であって、ラメラ相液晶及び/又はヘキサゴナル相液晶及び/又はキュービック相液晶の少なくとも一種が現れたものである。 【0013】界面活性剤溶液の濃稠な(又は粘度が高い)レオロジー形態および性能はすべて界面活性剤溶液のミクロ構造、すなわち、界面活性剤が溶液中において自己集積してなるミセルのタイプ、ミセルの大きさおよび形成する液晶相の種類に大いに依存する。・・・ ・・・ 【0016】本発明者らは、幅広く研究したところ、意外なことに、長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルと脂肪族化合物との併用は、界面活性剤溶液が広い温度範囲内で安定した液晶相を形成するのに有利で、且つ界面活性剤の使用量を削減することができることを見出した。安定した液晶相の存在によって、洗浄用組成物のチキソトロピー性や泡の品質も向上する。」 ・「【0077】一方、長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル及び脂肪族化合物の洗浄用組成物における作用は、界面活性剤および溶媒で形成された「ミセル」から所望の「液晶相」への転移(脂肪族化合物だけでは安定した液晶相を形成することができない)を誘導することによって、洗浄用組成物を「優れたレオロジー特性」を持つ、「歯磨剤状」の濃稠な洗浄用組成物とすることである。 【0078】上記の「優れたレオロジー特性」とは、濃稠な見掛け粘度および優れたチキソトロピー性を持つ流体の事を指し、チキソトロピー性は洗浄用組成物の使用においてのびやすいこと、及び泡立ちが早いこととなる。 【0079】上記の「歯磨剤状」とは、粘度が10,000cpsよりも大きいことである。」 イ これら本願明細書の記載からみて、本願補正発明の「濃稠な洗浄用組成物」は、長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルと脂肪族化合物とを併用し、界面活性剤のリオトロピック液晶相を形成することで得られるものといえる。 そして、本願明細書には、このような界面活性剤のリオトロピック液晶相を形成することができる長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルについて、【0024】に「III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、炭素原子数が8~28の飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール及び/又はこれらのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテルとからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物である。」ことも記載されている。 すなわち、引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」も、脂肪族化合物と併用して界面活性剤のリオトロピック液晶相を形成し得るものに該当する。 ウ そうすると、引用発明の「洗顔クリーム(発泡性)」も、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」と、本願補正発明の脂肪族化合物に相当する「ステアリン酸」及び「ミリスチン酸」を併用したものであるから、界面活性剤のリオトロピック液晶相が形成された、濃稠な洗顔クリーム(発泡性)であるといえ、相違点2は、実質的な相違点ではない。 また、当然に、引用発明において、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」に代えて、本願補正発明の構造上の条件を満足する「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-2-ヘキシルデシルジエステル」、「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸-セチルジエステル」又は「N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-へキシルデシルジエステル」を採用することによって得られる「洗顔クリーム(発泡性)」も、界面活性剤のリオトロピック液晶相が形成されるといえ、同様なレオロジー特性を有する「濃稠な」ものといえる。 (3)本願補正発明の効果について 本願補正発明の効果について、本願明細書【0093】~【0094】に、「本発明の主な利点は以下の通りである。本発明は、上記の技術方案を応用することによって、濃稠な洗浄用組成物を皮膚や髪の洗浄の用途に用いられる場合、満足できる濃稠な外観が実現でき、かつ当該洗浄用組成物は異なる温度条件下で比較的に安定した粘度を保持することができ、消費者が使用する際、濃稠な洗浄用組成物がのびやすく、泡立ちが早く、且つ泡の品質が優れたという利点がある。洗浄用組成物は幅広いpH条件下で濃稠な安定した外観を形成することができるため、特にpH値が中性または弱酸性の低刺激性且つ高安全性の洗浄用組成物の配合に適する。」と記載されている。 一方、引用例には、上記3(b)に、引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」などの油溶性非イオン界面活性剤は、皮膚化粧料に使用したときは経時変化が少なく、展延性、エモリエント性及び乳化製品の光沢、乳白性等が極めて優れていることや、シャンプー、石鹸などに添加することによって、泡立ちのよい、皮膚荒れの少ない製品とすることができることが記載されている。 そして、引用発明の「洗顔クリーム(発泡性)」についても、上記3(f)に、N-長鎖アシルグルタミン酸ジエステルを添加することで、光沢のある乳白性の強い、泡持ちが極めてよい洗顔クリームが得られたことが記載されている。 したがって、本願補正発明の効果は、引用発明において、既に達成されているか、予測し得る程度のものであって、格別なものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。 7 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 上記のとおり平成27年10月22日付けの手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成26年12月8日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる(以下、「本願発明」という。)。 「【請求項1】 下記の成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含むことを特徴とする濃稠な洗浄用組成物: 成分(a):重量百分率で洗浄用組成物の0.01%~30%を占める、一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル; 成分(b):重量百分率で洗浄用組成物の0.1%~50%を占める、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、または脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルから選ばれる一種または複数種の脂肪族化合物; 成分(c):重量百分率で洗浄用組成物の1%~80%を占める、成分(a)及び成分(b)以外の一種または複数種の界面活性剤; 成分(d):重量百分率で洗浄用組成物の10%~90%を占める、水、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコールエーテルから選ばれる一種または複数種からなる溶媒; 成分(a)の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステルは、構造上、以下の条件を満足する。 I)アミノ酸の部分は、アミノ基の数がカルボキシ基よりも少ない、すなわち、アミノ酸の構造では、1つのアミノ基及び2つのカルボキシ基を持つ炭素原子数が3~8の酸性アミノ酸由来のもので、これらのD型、L型およびDL型の光学異性体が含まれ、前記酸性アミノ酸は、アミノマロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α-アミノアジピン酸、β-アミノアジピン酸、α-アミノピメリン酸、β-アミノピメリン酸、γ-アミノピメリン酸、α-アミノスベリン酸、β-アミノスベリン酸、γ-アミノスベリン酸、α-アミノ-α-メチルコハク酸、γ-メチルグルタミン酸、またはγ-メチレングルタミン酸から選ばれる。 II)長鎖脂肪酸アシルの部分は、炭素原子数が8~22の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪酸アシル基であって、前記脂肪酸アシル基は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘニン酸の直鎖飽和脂肪酸、ブチル-5-メチルペンタン酸、2-iso-ブチル-5-メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2-ブチル-5-メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2-エチル-3-メチルノナン酸、2,2-ジメチル-4-エチルオクタン酸、メチルドデカン酸、2-プロピル-3-メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2-ブチル-3-メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2-(3-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、2-(2-メチルブチル)-3-メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸、メチルエイコサン酸、ジメチルノナデカン酸、ノニルラウリン酸、ジメチルアラキジン酸、ヘキシルヘキサデカン酸の分枝鎖飽和脂肪酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸の直鎖モノエン酸、メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸の分枝鎖モノエン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、9,12,15-オクタトリエン酸、10,12,14-オクタトリエン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のポリエン酸、さらにヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヒマワリ種子油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、茶実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、魚油脂肪酸の天然由来の脂肪酸、或いは上記二種または二種以上の脂肪酸の混合物である脂肪酸のアシル基から選ばれる。 III)エステル基の部分は、アミノ酸の2つのカルボキシ基と、炭素原子数が8~28の飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール及び/又はこれらのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテルとからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アルコールエーテルは相同でもよく相異でもよい。 このようなエステルを形成する直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールは、オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、iso-オクタノール、ノナノール、sec-ノナノール、デカノール、iso-デカノール、sec-デカノール、ウンデカノール、sec-ウンデカノール、2-メチルデカノール、ラウリルアルコール、sec-ドデカノール、トリデカノール、iso-トリデカノール、ミリスチルアルコール、sec-テトラデカノール、ペンタデカノール、sec-ペンタデカノール、セタノール、パルミチルアルコール、sec-ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、sec-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、iso-ステアリルアルコール、sec-オクタデカノール、オレイルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、2-ブチルヘキサノール、2-ブチルデカノール、2-ヘキシルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ヘキシルドデカノール、2-オクチルデカノール、2-オクチルドデカノール、2-オクチルテトラデカノール、2-デシルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、2-デシルヘキサデカノール、2-ドデシルテトラデカノール、2-ドデシルヘキサデカノール、或いは上記の二種または二種以上の脂肪族アルコールの混合物から選ばれる。」 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の概要は、本願発明は下記引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないという理由を含むものである。 引用文献2:特開昭49-63683号公報 3 引用例及びその記載事項、並びに引用例に記載の発明 引用例の記載事項及び引用例に記載の発明は、上記「第2 3 引用例及びその記載事項」及び「第2 4 引用例に記載の発明」に記載したとおりである。 4 対比・判断 (1)本願発明は、本願補正発明との比較において、「成分(a)」の「一種または複数種の長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル」における構造上の条件の「III)エステル基の部分」について、「アミノ酸の2つのカルボキシ基と、炭素原子数が8~28の飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール及び/又はこれらのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテルとからなるモノエステル、ジエステル、或いはこれらの混合物であって、ここで、形成されるジエステルの脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アルコールエーテルは相同でもよく相異でもよい。このようなエステルを形成する直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールは、オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、iso-オクタノール、ノナノール、sec-ノナノール、デカノール、iso-デカノール、sec-デカノール、ウンデカノール、sec-ウンデカノール、2-メチルデカノール、ラウリルアルコール、sec-ドデカノール、トリデカノール、iso-トリデカノール、ミリスチルアルコール、sec-テトラデカノール、ペンタデカノール、sec-ペンタデカノール、セタノール、パルミチルアルコール、sec-ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、sec-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、iso-ステアリルアルコール、sec-オクタデカノール、オレイルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、2-ブチルヘキサノール、2-ブチルデカノール、2-ヘキシルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ヘキシルドデカノール、2-オクチルデカノール、2-オクチルドデカノール、2-オクチルテトラデカノール、2-デシルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、2-デシルヘキサデカノール、2-ドデシルテトラデカノール、2-ドデシルヘキサデカノール、或いは上記の二種または二種以上の脂肪族アルコールの混合物から選ばれる。」との選択肢を増やすとともに、成分(b)の脂肪族化合物の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、又は脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルについての炭素原子数などの特定を削除したものに相当する。 (2)そうすると、本願発明と引用発明との対比では、本願補正発明で上記「第2 5 対比」で検討した相違点1に対応する「成分(a)」の「長鎖脂肪酸アシル酸性アミノ酸エステル」の構造上の条件については、引用発明の「N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテルジエステル」は、本願発明の「I)アミノ酸の部分」が「L型」の「グルタミン酸」であり、「II)長鎖脂肪酸アシルの部分」が「ヤシ油脂肪酸」であり、「III)エステル基の部分」が「炭素原子数が8~28の不飽和の直鎖の脂肪族アルコールのポリオキシアルキレンの付加モル数が1~30の脂肪族アルコールエーテルとからなるジエステル」であって「このようなエステルを形成する直鎖の脂肪族アルコール」が「オレイルアルコール」である場合に相当するから、構造上の条件を満足し相違するところはない。 (3)そして、洗浄用組成物に配合される成分及びその配合量が一致するのであるから、引用発明に「濃稠な」ものであるとの記載がないことで、両発明が相違するともいえない。 そのうえ、上記「第2 6 判断」の「(2)相違点2について」で既に検討したとおり、引用発明も、界面活性剤のリオトロピック液晶相が形成された濃稠な洗顔クリーム(発泡性)であるといえるから、両発明に相違するところはない。 (4)したがって、両発明に異なるところはなく、本願発明は引用発明と同一である。 5 まとめ よって、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、その他の請求項に係る発明についての判断を示すまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-019044

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