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特許拒絶査定不服審判

2015-016514

低温廃熱を利用して二酸化炭素を回収するガス分離回収方法

審判番号
2015-016514
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2011-107684外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年09月08日
審決日
2017年03月27日
公報発行日
2017年07月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (B01D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2011-107684「低温廃熱を利用して二酸化炭素を回収するガス分離回収方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月6日出願公開、特開2012-236165〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件出願は、平成23年5月12日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成26年 9月25日付け:拒絶理由の通知 同年12月 1日  :意見書、手続補正書の提出 平成27年 6月 2日付け:拒絶査定 同年 9月 8日  :審判請求書、手続補正書の提出 平成28年10月 4日付け:当審による拒絶理由の通知 同年12月 8日  :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本件出願の請求項1~11に係る発明は、平成28年12月8日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本件出願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、以下のとおりである。 「 【請求項1】 アルコールと塩基性化合物からなる混合溶液から構成される化学吸収液により、混合ガス中の二酸化炭素を化学的に吸収して分離回収する方法であって、 1)メタノールよりもアルキル鎖の長いあるいは分岐鎖のある1-ヘキサノール以外のアルコールと1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)からなる混合溶液から構成される化学吸収液を用いて二酸化炭素を吸収する、 2)その際に、上記混合溶液を構成するアルコールに対する塩基性化合物(DBU)の濃度を20wt%以上に高く設定し、二酸化炭素を炭酸アルキル(RCO3-)の吸収形態で吸収する、 3)次いで、吸収した二酸化炭素を、100℃以下の温度で回収することで、化学吸収液の蒸発を抑えて、及び/又は、二酸化炭素の放散量をより低温で大きくして、二酸化炭素の回収量及び/又は回収に必要なエネルギー量を調節する、 ことを特徴とするガス分離回収方法。」 第3 拒絶理由の概要 原査定の拒絶理由の一つは、概ね以下のとおりである。 本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用例:D. J. HELDEBRANT et al., "CO2-binding organic liquids (CO2BOLs) for post-combustion CO2 capture", Energy Procedia, 2009, vol.1, pp.1187-1195 引用例には、DBU/ヘキサノールを始めとする、DBU/アルコール吸収液(エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール等)に対し、二酸化炭素の結合エネルギーや放出の検討を行うこと、90℃の温度での二酸化炭素の脱離を検討することが記載されており(特に1190頁-1192頁)、これらの検討に基いて二酸化炭素のガス分離方法を調節することは当然のことであるか、あるいは当業者が適宜になし得ることである。 また、吸収時に二酸化炭素は、炭酸アルキルの吸収形態で吸収されることも記載されている(式(1)等)。 よって、請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 引用例の記載事項 本願出願日(平成23年5月12日)前に頒布された刊行物である引用例には、以下の記載がある。 a 「CO2-binding organic liquids (CO2BOLs) chemically bind and release CO2 more efficiently than aqueous alkanolamine systems.」(第1187ページ Abstract 第1パラグラフ第1行) (当審訳)「CO2吸収有機液体(CO2BOL)は、アルカノールアミン水溶液系よりも効率よく、CO2を化学的に吸収及び放出する。」 b 「diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene (DBU)」(第1187ページ Abstract 第2パラグラフ第4行) (当審訳)「ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)」 c 「The specific heats of the organic CO2BOLs are over 50% lower than that of water, resulting in a 50% reduction in the energy needed to strip out CO2 as compared to aqueous alkanolamine solutions.」(第1187ページ Abstract 第2パラグラフ第5~6行) (当審訳)「有機CO2BOLの比熱は、水の比熱よりも50%を超えて低く、その結果、アルカノールアミン水溶液と比較して、CO2の脱離に必要なエネルギーを50%低減する。」 d 「monoethanolamine (MEA)」(第1187ページ 1. Introduction 第1パラグラフ第4行) (当審訳)「モノエタノールアミン(MEA)」 e 「The alcohol and base components can be changed to produce a CO2BOL with the desired physical and chemical properties, such as specific weight capacity, volumetric capacity, CO2 stripping temperature, or any other desired physical properties. All linear alcohols and certain secondary alcohols are suitable for CO2BOL systems.」(第1188ページ 1. Introduction 最終パラグラフ第1~3行) (当審訳)「比重容量や体積容量、CO2脱離温度やその他所望の物理的性質といった、所望の物理的及び化学的性質を有するCO2BOLを得るために、アルコール及び塩基の組合せを変更することができる。すべての直鎖アルコール及びある種の2級アルコールは、CO2BOL系に適合する。」 f 「CO2(g) + DBU + ROH → [DBUH+][ROCO2-] (1)」(第1189ページ 2. Results and discussion 第2パラグラフの後) g 「The rate of CO2 uptake at 28℃ was complete within 20 seconds regardless of the choice of base (DBU or TMG) or the choice of alcohol (ethanol, 1-propanol, 1-butanol, 1-pentanol, or 1-hexanol).」(第1189ページ 2. Results and discussion 第3パラグラフ第1~2行) (当審訳)「28℃におけるCO2吸収速度は、塩基の選択(DBU又はTMG)、又はアルコールの選択(エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール又は1-ヘキサノール)によらず、20秒以内に完了するものであった。」 h 「Capture of CO2 in concentrated gas streams was demonstrated by placing a 1:1 molar ratio of DBU and 1-hexanol under 50 psi N2 in a stainless steel pressure vessel. The solution was stirred at a constant rate and was monitored for changes in temperature and pressure as well as conductivity to indicate chemical capture of CO2. There was no decrease in pressure or change in conductivity until 1 molar equivalent (50 psi) of CO2 was introduced to the system bringing the total pressure to 100 psi. A pressure drop of 50 psi (Figure 3) was observed with a concurrent spike in the conductivity of the solution indicating that CO2 was being consumed and the [DBUH+][ROCO2-] salt was formed.」(第1189ページ 2. Results and discussion 第4パラグラフ第4~9行) (当審訳)「ステンレス圧力容器中、50psiの窒素雰囲気において、モル比1:1のDBUと1-ヘキサノールとによる、濃縮されたガス流からのCO2吸収が実証された。溶液は一定速度で撹拌され、また、CO2の化学吸収を示す導電率だけでなく、温度と圧力の変化が測定された。1モル当量(50psi)のCO2が系に導入され、合計圧力が100psiとなるまで、圧力の減少や導電率の変化はなかった。50psiの圧力減少(図3)が、溶液の導電率の発生と同時に観察され、これは、CO2が消費されたこと、及び[DBUH+][ROCO2-]塩が生成したことを示す。」 i 「 Figure 3. Selectivity of DBU:1-hexanol for CO2 in an N2/CO2 mixture.」(第1190ページ) (当審訳)「図3 N2/CO2混合気体中における、DBU:1-ヘキサノールのCO2選択性」) j 「Decarboxylations at 90℃ were nearly complete within 1 minute at 250 rpm from DBU and TMG CO2BOLs with 1-hexyl, 1-pentyl, and 1-butyl alcohols.・・・ The chain length of the linear alcohols (ethanol, 1-propanol, 1-butanol, 1-pentanol and 1-hexanol) did not affect the rate of CO2 evolution from DBU CO2BOLs.」(第1190ページ 2. Results and discussion CO2 Releaseの項 第1パラグラフ第2~6行) (当審訳)「DBU又はTMGと、1-ヘキシル、1-ペンチル又は1-ブチルアルコールとによるCO2BOLからの、90℃での脱カルボキシルは、250rpmにおいて1分間以内で概ね完了した。・・・直鎖アルコールの鎖長(エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-ヘキサノール)は、DBU CO2BOLからのCO2の放出速度に影響しなかった。」 k 「[BaseH+][ROCO2-] → CO2 + Base + ROH (2)」(第1190ページ 2. Results and discussion CO2 Releaseの項 第1パラグラフの後) l 「On average, the DBU and TMG CO2BOLs with 1-hexyl, 1-pentyl, and 1-butyl alcohols evolved 0.25 equivalents of CO2 at 50℃, 0.50 equivalents at 70℃, 0.65 equivalents at 90℃, and up to 1 equivalent near 130℃.」(第1190ページ 2. Results and discussion CO2 Releaseの項 第2パラグラフ第3~5行) (当審訳)「平均して、DBU又はTMGと、1-ヘキシル、1-ペンチル又は1-ブチルアルコールとによるCO2BOLは、50℃で0.25当量、70℃で0.50当量、90℃で0.65当量、そして130℃付近で1当量に至るCO2を放出する。」 m 「The high energy requirements for alkanolamine solutions are due to the high specific heat of the solvent water (4.18 J g-1 deg-1). The specific heat of the organic DBU/1-hexanol CO2BOL is 1.5 J g-1 deg-1.・・・ The low specific heats associated with CO2BOLs mean that CO2 stripping at comparable temperatures to MEA, require up to 60% less energy, reducing the energy needed for CO2 scrubbing.」(第1190ページ 2. Results and discussion CO2 Releaseの項 第3パラグラフ第2~6行) (当審訳)「アルカノールアミン溶液における高エネルギーの要求は、溶媒である水の高い比熱(4.18J g-1 deg-1)によるものである。DBU/1-ヘキサノールによる有機CO2BOLの比熱は、1.5J g-1 deg-1である。・・・CO2BOLの低い比熱は、MEAと同等の温度でのCO2脱離において、要求するエネルギーを60%も低減し、CO2洗浄に必要なエネルギーを減少させる。」 n 「Evaporative losses of solvent with aqueous MEA systems will not be observed with CO2BOLs as long as high boiling alcohols and bases are employed. Even if the CO2 is stripped from CO2BOLs at the same temperature as MEA systems (117℃) this is far below the boiling point of both 1-hexanol (159℃) and DBU (256℃). The volatility of the CO2BOL components can also been reduced by switching to even higher boiling alcohols such as 1-octanol and 1-decanol.」(第1191ページ 2. Results and discussion Lifetimeの項 第2パラグラフ) (当審訳)「MEA水溶液系における溶媒の蒸発損失は、高沸点のアルコール及び塩基を用いる限り、CO2BOLにおいては観察されない。たとえ、CO2BOLからのCO2の脱離がMEA系と同じ温度(117℃)で行われたとしても、これは、1-ヘキサノール(159℃)及びDBU(256℃)両方の沸点よりもはるかに低い。CO2BOL組成物の揮発性は、1-オクタノールや1-デカノールのように、より沸点の高いアルコールに変更することで、更に低下させることができる。」 第5 引用発明 (ア)引用例には、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)と1-ヘキサノールとを、モル比1:1としたCO2吸収有機液体(CO2BOL)により、N2/CO2混合気体中からCO2を吸収することが記載されている。(摘示箇所b、h、i) (イ)引用例には、CO2BOLによりCO2が化学的に吸収され、[DBUH+][ROCO2-]塩が生成したことが記載されている。(摘示箇所a、f、h) (ウ)引用例には、CO2BOLに吸収されたCO2を、90℃で脱離させることが記載されている。(摘示箇所j、k、l) 以上を総合すると、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)と1-ヘキサノールとを、モル比1:1としたCO2吸収有機液体(CO2BOL)により、N2/CO2混合気体中からCO2を化学的に吸収し、[DBUH+][ROCO2-]塩を生成させ、該CO2BOLに吸収されたCO2を、90℃で脱離させる方法。」 第6 対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)」は、本願発明1の「1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)」に相当し、また、「塩基性化合物」に相当する。 (イ)引用発明の「1-ヘキサノール」は、本願発明1の「メタノールよりもアルキル差の長いあるいは分岐鎖のある」「アルコール」に相当する。 (ウ)引用発明の「ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)と1-ヘキサノールとを、モル比1:1としたCO2吸収有機液体(CO2BOL)」は、「CO2を化学的に吸収」するものであるから、上記(ア)、(イ)とあわせて、本願発明1の「アルコールと塩基性化合物からなる混合溶液から構成される化学吸収液」に相当する。 (エ)引用発明は、「N2/CO2混合気体中からCO2を化学的に吸収」し、「吸収されたCO2を」「脱離させる」ものであるから、本願発明1の、「混合ガス中の二酸化炭素を化学的に吸収して分離回収する方法」に相当する。 (オ)上記(ア)~(エ)より、引用発明は、本願発明1の、「1)メタノールよりもアルキル鎖の長いあるいは分岐鎖のある」「アルコールと1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)からなる混合溶液から構成される化学吸収液を用いて二酸化炭素を吸収する」ことに相当する工程を有する。 (カ)引用発明は、「CO2を化学的に吸収し、[DBUH+][ROCO2-]塩を生成させ」るものであるから、本願発明1の、「2)その際に、」「二酸化炭素を炭酸アルキル(RCO3-)の吸収形態で吸収する」ことに相当する。 (キ)引用発明の、「該CO2BOLに吸収されたCO2を、90℃で脱離させること」は、本願発明1の、「3)次いで、吸収した二酸化炭素を、100℃以下の温度で回収すること」に相当する。 (ク)引用発明のCO2BOLは、溶媒の蒸発損失が観測されないものであるから(摘示箇所d、n)、本願発明1の、「化学吸収液の蒸発を抑え」ていることに相当する。 (ケ)引用発明のCO2BOLは、CO2の脱離に必要なエネルギーが低減されるものであるから(摘示箇所c、m)、本願発明1の、「二酸化炭素の」「回収に必要なエネルギー量を調節する」ものに相当する。 以上のことから、本願発明1と引用発明とは、下記の点で一致し、下記の点で相違する。 ・一致点 「アルコールと塩基性化合物からなる混合溶液から構成される化学吸収液により、混合ガス中の二酸化炭素を化学的に吸収して分離回収する方法であって、 1)メタノールよりもアルキル鎖の長いあるいは分岐鎖のあるアルコールと1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)からなる混合溶液から構成される化学吸収液を用いて二酸化炭素を吸収する、 2)その際に、二酸化炭素を炭酸アルキル(RCO3-)の吸収形態で吸収する、 3)次いで、吸収した二酸化炭素を、100℃以下の温度で回収することで、化学吸収液の蒸発を抑えて、及び/又は、二酸化炭素の放散量をより低温で大きくして、二酸化炭素の回収量及び/又は回収に必要なエネルギー量を調節する、 ことを特徴とするガス分離回収方法。」 ・相違点1 本願発明1は、アルコールが、「1-ヘキサノール以外のアルコール」であるのに対し、引用発明のアルコールは、「1-ヘキサノール」である点。 ・相違点2 本願発明1は、「混合溶液を構成するアルコールに対する塩基性化合物(DBU)の濃度を20wt%以上に高く設定し」ているのに対し、引用発明は、「ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)と1-ヘキサノールとを、モル比1:1としたCO2吸収有機液体(CO2BOL)」を用いる点。 第7 判断 1.相違点1について 引用例の摘示箇所eには、すべての直鎖アルコール及びある種の2級アルコールは、CO2BOL系に適合することが記載されている。 そして、摘示箇所g、jには、直鎖アルコールの鎖長が異なっても、DBU CO2BOLからのCO2の吸収、放出速度に影響はないことが記載されている。 また、摘示箇所nには、1-オクタノールなど沸点の高いアルコールを用いることで、CO2BOLにおける溶媒の蒸発損失を抑制できることが記載されている。 してみれば、引用発明の「1-ヘキサノール」にかえて、1-オクタノールなど、沸点の高い他の直鎖アルコールを「1-ヘキサノール以外のアルコール」とすることは、引用例に記載された選択肢の範囲内の変更にすぎず、当業者であれば容易になし得ることである。 2.相違点2について 引用発明のCO2BOLに関し、DBUと1-ヘキサノールのモル比が1:1であることを重量比に換算すると、DBUの分子量が152.2、1-ヘキサノールの分子量が102.2であるから、1-ヘキサノールに対するDBUの濃度は148.9wt%(=152.2/102.2)となる。(下線は当審において付した。) そして、上記相違点1で述べたとおり、引用発明の1-ヘキサノールにかえて例えば1-オクタノール(分子量130.2)を用いたとしても、アルコールに対するDBUの濃度は116.9wt%(=152.2/130.2)であり、20wt%を下回らないことは明らかである。 したがって、上記相違点2は、実質的な相違点ではない。 なお、本願明細書【0046】~【0047】には、「塩基性化合物30g、及びアルコール120gを混合して」、「20wt%」の「化学吸収液150gを調製した」ことが記載されていること、及び、同【0058】には、「DBUの濃度が76.8wt%の混合溶液は、DBUとエタノールの物質量比が1:1に相当する」と記載されていることに照らせば、塩基性化合物(DBU)の濃度は、混合溶液全体に対する濃度であるとも解される。 しかしながら、仮に上記のとおりに解したとしても、引用発明におけるDBUの混合溶液全体に対する濃度は59.8wt%(=152.2/(152.2+102.2))となる。 そして、引用発明の1-ヘキサノールにかえて例えば1-オクタノールを用いたとしても、混合溶液全体に対するDBUの濃度は53.9wt%(=152.2/(152.2+130.2))であり、20wt%を下回らないことは明らかである。 したがって、相違点2は実質的な相違点にはならない。 3.本願発明1の効果について 本願明細書【0019】に記載された、二酸化炭素の分離回収に必要な熱エネルギーを極力低減して二酸化炭素の分離回収プロセスの省エネルギー化を実現する、という本願発明1の効果についても検討したが、引用例の摘示箇所a、c、mから当業者に予測し得る程度のものと解される。 したがって、本願発明1は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第8 むすび 以上のとおり、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-016514

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