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特許異議申立

2025-700793

缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置

審判番号
2025-700793
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-052630
登録番号
7625256
請求日
2025年08月02日
審決日
2025年11月28日
公報発行日
2026年01月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】有限会社ナッシュ
  • 【権利者代理人】島野 美伊智
  • 【異議申立人】三幸商事 株式会社
  • 【異議申立人代理人】山口 修之
  • 【異議申立人】株式会社 ベック
  • 【異議申立人代理人】山口 修之
審判長/審判官
  • 審判長 川俣 洋史
  • 審判官 門 良成
  • 審判官 殿川 雅也
分類
P1651.121-Y (B65H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7625256号発明「缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7625256号の請求項1~5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7625256号(以下「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、令和3年3月26日に出願され、令和7年1月24日に特許権の設定登録がされ、同年2月3日に特許掲載公報が発行された。その後、同年8月2日にその請求項1~5に係る特許に対し、特許異議申立人 三幸商事株式会社、及び株式会社ベックにより特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件特許発明 特許第7625256号の請求項1~5に係る特許発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明5」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 下型内にパーツを搬入する缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置において、 複数枚のパーツを積層・保持するパーツ保持部と、 上記パーツ保持部の最上位のパーツを取り出して上記下型内に搬入するパーツ搬入機器と、 を具備し、 上記パーツ搬入機器によって取り上げられる最上位のパーツに対して二枚目以降のパーツを剥離させる剥離手段が設けられていることを特徴とする缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置。 【請求項2】 請求項1記載の缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置において、 上記剥離手段は上記パーツ保持部の上端開口縁の内径が上記パーツの外径に対して僅かに小さくなっている部分であることを特徴とする缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置。 【請求項3】 請求項2記載の缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置において、 上記パーツ搬入機器によって取り上げられた最上位のパーツに付着して不用意に取り上げられた二枚目以降のパーツを最上位のパーツから剥離させるエアー吹付機構が設けられていることを特徴とする缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置 【請求項4】 請求項1~請求項3の何れかに記載の缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置において、 上記パーツは図案シートであることを特徴とする缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置。 【請求項5】 請求項1~請求項3の何れかに記載の缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置において、 上記パーツは保護フィルムであることを特徴とする缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置。」 第3 特許異議申立理由の概要及び証拠 特許異議申立人は、証拠として以下の甲第1号証~甲第5号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲5」という。)を提出し、請求項1~5に係る発明は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~5に係る特許を取り消すべきものである旨を主張する。 証拠一覧 甲1:国際公開第2014/136541号 甲2:特許第5727814号公報 甲3:米国特許第6499735号明細書 甲4:特開2019-182651号公報 甲5:「フィーダー部、紙の搬送の様子」、YouTube[online][video]、インターネット<URL: https://www.youtube.com/shorts/r_78FjVMY8U> なお、本件特許の出願日である令和3年3月26日時点において、甲5は公知ではない(甲5の公開日は令和5年4月11日である。)から、特許法29条2項に規定するいわゆる進歩性欠如の根拠となる証拠に該当するものとは認められない。 第4 各甲号証の記載 1 甲第1号証 甲1には、次の事項が記載されている。(下線は当審において付した。以下同じ。) (1)「[0012] 図1~3に示されるように、本実施形態のワーク搬送システム1には、板状のワークWが積層されるパレットのような載置台3を備えた配置領域[placement area]5が設けられている。配置領域5の近傍には、積層されたワークWを一番上から順に一枚ずつ保持することのできる保持装置[holdingdevice](保持具[gripper])7を備えた搬送装置[handlingmachine]9が配設されている。なお、保持装置7は、例えば、ワークWを吸着するバキュームパッドやワークWを電磁石で引きつける磁気パッドを有して構成されている。このような保持装置7は、よく知られているので、詳細な説明は省略する。」 「[0018] 次に、上述したシステム1の動作を図8に示されるフローチャートを参照しつつ説明する。配置領域5の載置台3上に積層されたワークWを、搬送装置9によって一枚ずつ次工程に搬送する場合、初期状態(図1参照)では、受け部材13は、ガイドレール15に沿って、載置台3の上方位置以外の位置(本実施形態では、待避台19の上方位置)に退避されている[evacuated](ステップS1)。即ち、初期状態では、載置台3(積層されたワークW)の上方は開放されている。」 「[0026] 上記実施形態では、搬送装置9の保持装置7によって一番上のワークWが持ち上げられると、持ち上げられたワークWの下に受け部材13が直ちに移動される。従って、互いに密着している二枚以上のワークWが持ち上げられて下側のワークWが落下しても、落下したワークWは受け部材13に受け止められる。 [0027] また、持ち上げられた互いに密着している二枚以上のワークWは、待避台19上に載置される。従って、搬送装置9によってワークWを次工程へと搬送するときには、必ず一枚のワークWが搬送される。即ち、次工程へのワークWの搬送時には、ワークWが周辺機器上に落下することはなない。」 「[図1] [図:0001431161000001.jpg] 」 (2)前記(1)から、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。 「ワーク搬送システム1であって、 板状のワークWが積層されるパレットのような載置台3を備えた配置領域5が設けられ([0012])、 積層されたワークWを一番上から順に一枚ずつ保持することのできる保持装置7を備えた搬送装置9が配設され([0012])、 配置領域5の載置台3上に積層されたワークWを、搬送装置9によって一枚ずつ次工程に搬送し([0018])、 持ち上げられた互いに密着している二枚以上のワークWは、待避台19上に載置され、搬送装置9によってワークWを次工程へと搬送するときには、必ず一枚のワークWが搬送される([0027])、 ワーク搬送システム1。」 2 甲第2号証 甲2には、次の事項が記載されている。 (1)「【0013】 まず、図1及び図2を参照して、本実施例における層間紙供給装置の構造及び基本的動作について説明する。図1は本実施例における層間紙供給装置100の正面図であり、図2は層間紙供給装置100の平面図である。層間紙供給装置100は、複数枚の積層した層間紙から一枚の層間紙を取得し、リードフレームと層間紙とを交互に積層させ、その積層物を所定の収納部(マガジン)に収納するように構成されている。 【0014】 図1及び図2において、50は領域Aに積層された多数枚の層間紙である。層間紙50は、例えば縦210mm、横67mmの長方形の形状を有するが、これに限定されるものではない。層間紙50は、所定の層間紙収納部(不図示)に収納された後、エレベータ60を用いて所定の高さ位置に到達するまで上下方向(矢印(1)の方向)に移動する。層間紙供給装置100は、複数枚の積層した層間紙50のうち最上の位置にある一枚目の層間紙の高さ位置をセンサ65で検出し、高さ制御部(不図示)はこの高さ位置が所定の位置になるように制御している。このため、最上の位置にある層間紙の位置は常に一定の高さに維持されている。 【0015】 層間紙供給装置100は、領域Aに積層されて配置された層間紙50のうち最上の位置にある一枚の層間紙を取得して搬送するための二つのフィンガー30を備える。本実施例において、二つのフィンガー30の間隔は約50mmであるが、これに限定されるものではない。ガイド120は、フィンガー30を横方向(矢印(2)の方向)にスライド移動可能に構成されている。フィンガー30は、層間紙50との間で所定の摩擦係数を有して滑りにくい材質を用いて構成される。本実施例において、フィンガー30はウレタンゴム等のゴム材で構成されているが、これに限定されるものではない。また本実施例において、フィンガー30のスライド移動方向にあるテーブル70の手前(エレベータ60とテーブル70との間)には、凸部10が形成されている。後述のように、凸部10は二つのフィンガー30のスライド移動方向に設けられ、複数枚の積層した層間紙50のうち一枚の層間紙のみが越えるように構成されている。本実施例の層間紙供給装置100には凸部10が設けられているため、フィンガー30により複数枚の層間紙50が移動するのを妨げ、確実に一枚のみの層間紙がフィンガー30により保持されて移動可能となる。 【0016】 そしてフィンガー30は、凸部10を越えた一枚の層間紙を取得して保持した状態でガイド120に沿ってスライド移動し、テーブル70上に到達したときに取得した層間紙を離す。テーブル70上(領域B)には層間紙の形状と同様の凹部が形成されている。このため、フィンガー30から離れた一枚の層間紙は、テーブル70上の凹部に自然と収まり、確実に所定の位置に載置(保持)される。 【0017】 続いて、領域Bのテーブル70上に移動して載置された一枚の層間紙は、吸着パッド80(ピックアップ部)により吸着される。吸着パッド80は、モータ150によりガイド170に沿って上下方向(矢印(3)の方向)に駆動される。また吸着パッド80は、モータ160によりガイド140に沿って左右方向(矢印(4)の方向)に駆動される。このように吸着パッド80は、ガイド140、170に沿って上下左右に移動可能に構成され、領域Bのテーブル70上に置かれた一枚の層間紙を吸着した後、その層間紙を吸着した状態で所定の位置(領域C)まで移動する(層間紙吸着搬送工程)。 【0018】 吸着パッド80が層間紙を吸着した状態で領域Cの上方に到達したとき、領域Cにはリードフレーム(不図示)が配置されている。リードフレームは、図2中に示される矢印(5)の方向から層間紙供給装置100の内部に搬入され、リードフレーム搬送手段(不図示)により領域Cまで移動する。リードフレームは、その両端がマガジンガイド201に沿って配置されている。マガジンガイド201には、リードフレームを保持するための開閉爪205が設けられている。開閉爪205は、両端のマガジンガイド201のそれぞれに沿って設けられており、開閉爪205は開閉シリンダ208により開閉動作を行う。 【0019】 吸着パッド80から層間紙が離されると、領域Cに配置されているリードフレーム上に層間紙が置かれる。その後、開閉シリンダ208により開閉爪205の開動作が行われ、突出していた開閉爪205がマガジンガイドより引っ込む。これにより、開閉爪205に保持されていたリードフレーム(層間紙により覆われたリードフレーム)は、マガジンガイド201に沿って下方向(矢印(6)の方向)に移動し、マガジン(不図示)の内部に収納される。なお、不図示のエレベータを設けて順次下降させてもよい。本実施例の層間紙供給装置100は、このような動作を繰り返すことで、2つのリードフレームの間に一枚の層間紙を挿入し、複数のリードフレームをマガジンの内部に収納することができる。」 「【0021】 まず、動作Aとして図3(a)、(b)に示されるように、層間紙供給装置100は、エアチャックユニット110のフィンガー30の先端部を、複数枚の積層した層間紙50の上から押し当てる(図3(a)中の矢印参照)。具体的には、エアスライドシリンダ43を下方向に移動させることにより、直動ガイド44に沿ってエアチャック(開閉機構)41及びフィンガー30が下方向に移動し、スプリング45の力で層間紙50を押し付ける。このとき、フィンガー30の方向が層間紙50の長手方向に直交するように(両方のフィンガー30の間隔が狭まる方向が層間紙50の長手方向と平行になるように)配置することが好ましい。本実施例においてフィンガー30は、スプリング45の力により、層間紙50に対して約250gの力で押し付けられるが、これに限定されるものではない。エアスライドシリンダ43の上下方向の位置は、エアスライドシリンダ43の上限位置を検出する光学センサ46とその下限位置を検出する光学センサ47に基づいて制御される。なお、エアチャックユニット110は、エアスライドシリンダ43の上方向への移動を規制するためのストッパ42、及び、エアスライドシリンダ43の衝撃を吸収するためのダンパー48を備える。 【0022】 続いて、動作Bとして図4(a)、(b)に示されるように、エアチャック41により両方のフィンガー30の間隔を狭める(図4(a)中の矢印参照)。このとき、両方のフィンガー30の間において、例えば、最上の位置にある一枚目の層間紙50aと二枚目の層間紙50bが盛り上がる。図4(a)のように、一枚目の層間紙50aは大きい山を形成するように湾曲し、二枚目の層間紙50bは小さい山を形成するように湾曲する。このようにエアチャック41は、二つのフィンガー30の先端部を複数枚の積層した層間紙50に押し当てながら二つのフィンガー30の間隔を狭め、複数枚の積層した層間紙50のうち少なくとも一枚の層間紙50aを盛り上げる。 【0023】 次に、動作Cとして図5(a)、(b)に示されるように、両方のフィンガー30の間に層間紙50a、50bを盛り上げた状態で、フィンガー30はガイド120に沿って、層間紙の短手方向(図5(b)中の矢印方向)にスライド移動する。フィンガー30がスライド移動するとき、仮に凸部10が設けられていないとすると、最上の位置にある層間紙50aだけでなく上から二枚目の層間紙50bもフィンガー30のスライド移動方向に移動してしまう。この結果、前述の吸着パッド80が二枚の層間紙50a、50bを吸着してしまい、リードフレーム上に二枚の層間紙50a、50bが重なって置かれてしまう。このような場合、後段の処理において例えば手作業で一枚の層間紙を取り除く作業が必要となり、作業が煩雑かつ非効率となる。 【0024】 一方、本実施例の層間紙供給装置100には、フィンガー30のスライド移動方向に凸部10が設けられている。凸部10は、フィンガー30により複数枚の層間紙(例えば、一枚目の層間紙50aと二枚目の層間紙50bの両方)が同時に移動するのを妨げるストッパとして機能し、確実に一枚の層間紙のみが移動可能であるように構成されている。本実施例において、凸部10は高さh=5mm、幅w=20mmの形状を有するが、これに限定されるものではなく、層間紙の大きさや紙質、フィンガー30の材質等に応じて適宜決定される。フィンガー30による層間紙のスライド移動時において、最上の位置にある一枚目の層間紙50aは凸部10が障害となることなくスライド移動方向に移動可能であり、かつ、二枚目の層間紙50bは凸部10が障害(ストッパ)となりスライド移動方向への移動が妨げられる。このため、凸部10を備えた層間紙供給装置100によれば、複数枚重なった層間紙から一枚の層間紙を確実にスライド移動させることができる。」 「【図1】 [図:0001431161000002.jpg] 」 (2)前記(1)から、甲2には次の技術事項(以下「甲2技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 「複数枚の積層した層間紙から一枚の層間紙を取得し、リードフレームと層間紙とを交互に積層させ、その積層物を所定の収納部(マガジン)に収納するように構成された層間紙供給装置100であって(【0013】)、 積層された多数枚の層間紙50が収納された層間紙収納部を備え(【0014】)、 エアチャックユニット110のフィンガー30の先端部を、複数枚の積層した層間紙50の上から押し当て(【0021】)、 エアチャック41は、二つのフィンガー30の先端部を複数枚の積層した層間紙50に押し当てながら二つのフィンガー30の間隔を狭め、複数枚の積層した層間紙50のうち少なくとも一枚の層間紙50aを盛り上げ(【0022】)、 両方のフィンガー30の間に一枚目の層間紙50a、二枚目の層間紙50bを盛り上げた状態で、フィンガー30はガイド120に沿って、スライド移動し(【0022】、【0023】)、 フィンガー30のスライド移動方向に凸部10が設けられており(【0024】)、 フィンガー30による層間紙のスライド移動時において、最上の位置にある一枚目の層間紙50aは凸部10が障害となることなくスライド移動方向に移動可能であり、かつ、二枚目の層間紙50bは凸部10が障害(ストッパ)となりスライド移動方向への移動が妨げられ、複数枚重なった層間紙から一枚の層間紙を確実にスライド移動させ(【0024】)、 一枚の層間紙は、領域Bのテーブル70上に移動して載置され(【0017】)、 吸着パッド80は、領域Bのテーブル70上に置かれた一枚の層間紙を吸着した後、その層間紙を吸着した状態で所定の位置(領域C)まで移動し(【0017】)、 吸着パッド80から層間紙が離されると、領域Cに配置されているリードフレーム上に層間紙が置かれる(【0019】)、 層間紙供給装置100。」 3 甲第3号証 甲3には、次の事項が記載されている。 (1)「Referring now to the drawings and, first, particularly to FIG. 1 thereof, there is shown therein a rotary printing machine, for example, a printing machine 1 for processing sheets 7, including a sheet feeder 2, at least one printing unit 3 and 4, respectively, and a delivery 6. The sheets 7 are drawn from a sheet pile 8 and fed to the printing units 3 and 4 separately, i.e., singly, or in an overlapping or shingle stream feed via a feed table 9.」(3欄18~25行) (当審訳:図1を参酌すると、輪転印刷機、たとえば枚葉紙7を印刷する印刷機1は、給紙装置2と、少なくとも1つの印刷装置3もしくは4と、排紙装置6とを有している。枚葉紙7は枚葉紙スタック8から取り出され、単体でまたは重なり合った状態で、供給テーブル9を介して印刷装置3および4に供給される。) (2)「The sheet pile 8 rests on a controllingly liftable pile or stack plate 10. A respective sheet 7 is withdrawn from the top of the sheet pile 8 with the aid of a so-called suction head 18, which includes, among other things, a number of lifting and forwarding suckers 19 and 21 for separating or singling the sheets 7.」(3欄32~37行) (当審訳:枚葉紙スタック8は制御されて上昇可能なスタックプレート10に載せられている。枚葉紙7の取り出しは、枚葉紙スタック8の上面からいわゆる吸引ヘッド18によって行われ、この吸引ヘッド18はとりわけ枚葉紙7を個別化するためのいくつかの持ち上げサッカ19および送りサッカ21を有している。) (3)「In the operating method according to the invention, the lifting suction device 19 is lowered to the suction level corresponding to the elevation level III with the aid of the cam mechanism 30(FIG. 2). The uppermost sheet 7 of the sheet pile 8 is grasped by suction and lifted to the transfer/transport level corresponding to the elevation level II (FIG. 3). During the separation of the sheet 7 from the sheet pile 8, the forwarding suction device 21 and the suction plate 28, respectively, are moved from the first terminal position A back to the second terminal position B on elevation level I, which lies above the transport level II, so that the forwarding suction device 21 does not contact an end of the sheet 7a being transported away and the subsequently lifted sheet 7(FIG. 3). In the terminal position B, the suction plate 28 of the forwarding suction device 21 is lowered to the transfer/transport level II in order to take over from the lifting suction device 19 the new sheet 7a that has been separated from the sheet pile 8(FIG. 4).」(3欄66行~4欄18行) (当審訳:本発明の作業方法では、持ち上げサッカ19はカム伝動装置30によって高さレベルIIIに相応する吸着レベルに降下される(図2)。枚葉紙スタック8の最上位の枚葉紙7は吸着され、高さレベルIIに相応する引き渡し/搬送レベルに持ち上げられる(図3)。 枚葉紙7を枚葉紙スタック8から分離する間に、送りサッカ21もしくは吸着皿部28は、搬送レベルIIの上方に位置する高さレベルIにおいて第1の終了位置Aから第2の終了位置Bに戻し運動され、これによって送りサッカ21は送出された枚葉紙7aの端部にも、続いて持ち上げられる枚葉紙7にも接触しない(図3)。 終了位置Bでは、送りサッカ21の吸着皿部28が引き渡し/搬送レベルIIに降下され、これによって枚葉紙スタック8から分離された新たな枚葉紙7aを送りサッカ19から受け取ることができる(図4)。) (4)「Fig.4 [図:0001431161000003.jpg] 」 「Fig.5 [図:0001431161000004.jpg] 」 (5)前記(1)~(4)から、甲3には次の技術事項(以下「甲3技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 「少なくとも1つの印刷装置3もしくは4と、排紙装置6とを有している、枚葉紙7を印刷する印刷機1の給紙装置2であって(前記(1))、 枚葉紙7は枚葉紙スタック8から取り出され、単体で印刷装置3および4に供給され(前記(1))、 枚葉紙7の取り出しは、枚葉紙スタック8の上面から吸引ヘッド18によって行われ、この吸引ヘッド18は枚葉紙7を個別化するための持ち上げサッカ19および送りサッカ21を有しており(前記(2))、 持ち上げサッカ19は、高さレベルIIIに相応する吸着レベルに降下され、枚葉紙スタック8の最上位の枚葉紙7は吸着され、高さレベルIIに相応する引き渡し/搬送レベルに持ち上げられ、枚葉紙7を枚葉紙スタック8から分離する間に、送りサッカ21もしくは吸着皿部28は、搬送レベルIIの上方に位置する高さレベルIにおいて第1の終了位置Aから第2の終了位置Bに戻し運動され、これによって送りサッカ21は送出された枚葉紙7aの端部にも、続いて持ち上げられる枚葉紙7にも接触せず、終了位置Bでは、送りサッカ21の吸着皿部28が引き渡し/搬送レベルIIに降下され、これによって枚葉紙スタック8から分離された新たな枚葉紙7aを送りサッカ19から受け取る(前記(3))、 給紙装置2。」 4 甲第4号証 甲4には、次の事項が記載されている。 (1)「【0015】 図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部2と、印刷部3と、制御部9と、操作パネル10とを備える。 【0016】 給紙部2は、用紙P(請求項中のシートに相当)を印刷部3に給紙する。給紙部2は、外部給紙台11と、外部給紙ユニット12と、複数の内部給紙台13と、複数対の内部給紙ローラ14と、複数対の内部給紙搬送ローラ15と、レジストローラ16とを備える。」 「【0032】 図1の外部給紙台11に適用される本実施形態の給紙装置20(請求項中のシート供給装置に相当)は、図2に示すように、用紙Pが積載して載置される給紙台21と、給紙台21の左右両端および用紙の搬送方向端部にそれぞれ立設された一対のガイド部材23,23とを有している。なお、図2では、給紙装置20を図1のインクジェット記録装置1の本体側(印刷部3側)から見た状態を示している。 【0033】 給紙台21は、積載された用紙Pの増減に応じて昇降ユニット25により上下方向に昇降される。具体的には、制御部9が、昇降制御手段として機能し、用紙センサ17cにより検出された厚みに基づいて、後述する浮上エア吹出口29bの位置が、給紙台21に積載された最上位の用紙Pの位置の側方となるように昇降ユニット25に給紙台21を昇降させる。すなわち、用紙センサ17cにより検出された厚みだけ、給紙台21に積載された用紙Pの積載高さが低くなるので、制御部9は、積載した用紙厚さが閾値を超えた際、給紙台21が上昇させる。そして、制御部9は、用紙の位置出しに使用する給紙台停止センサ17aがオンになった時に給紙台21の上昇を停止させる。なお用紙の上面位置の検知を精度よく行うために、予め制御部9に用紙厚センサ出力値と用紙厚テーブルを設けることもできる。 【0034】 外部給紙ユニット12は、図示しないモータにより回転駆動されるベルト12aの周回方向に沿って用紙Pを前方の搬送経路Rに向けて搬送する。ベルト12aには、空気を吸引するための吸引孔(図示せず)が設けられており、ベルト12aの内側に設けられたファン12bを駆動することにより、用紙Pは、ベルト12aの吸引孔から吸引する空気によりベルト12aの表面に吸着されて搬送される。 【0035】 各ガイド部材23は、給紙台21に積載された用紙Pの左右両端部および用紙の搬送方向端部(本図では左右両端部のガイド部材23のみ図示している)にそれぞれ当接し、用紙Pの左右方向および搬送方向への移動を規制する。なお、各ガイド部材23は、用紙Pのサイズ(用紙幅)に合わせて給紙台21に対し左右方向に移動可能に構成されている。 【0036】 各ガイド部材23の用紙Pに当接する内壁面27の上端には、空気噴出口29が形成されている。用紙Pの幅方向(左右方向)に設けられた各ガイド部材23に形成された空気噴出口29は、図3に示すように、分離エア吹出口29aと、浮上エア吹出口29bとで構成されている。 【0037】 空気噴出口29(分離エア吹出口29a,浮上エア吹出口29b)の上縁には整流部材35が取り付けられている。整流部材35は、空気噴出口29の上縁から例えば水平よりも若干上向きである所定の取付角度で突設されており、給紙台21に積載された用紙Pの左右の縁部の上方に延出している。 【0038】 浮上エア吹出口29bは、給紙台21に積載された用紙Pを浮上させるように、積載された最上位の用紙Pの側方から空気を吹き出す。浮上エア吹出口29bから吹き出された空気により、給紙台21に積載された最上位の用紙Pの上面に沿って空気流が発生する。この空気流によって給紙台21に積載された用紙Pが整流部材35まで浮上する。」 「【図2】 [図:0001431161000005.jpg] 」 (2)前記(1)から、甲4には次の技術事項(以下「甲4技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 「印刷部3を備えるインクジェット記録装置の給紙部2であって(【0015】)、 給紙部2は、用紙Pを印刷部3に給紙し、外部給紙台11と、外部給紙ユニット12を備え(【0016】)、 外部給紙ユニット12は、用紙Pを前方の搬送経路Rに向けて搬送し(【0034】)、 外部給紙台11に適用される給紙装置20は、用紙Pが積載して載置される給紙台21と、給紙台21の左右両端および用紙の搬送方向端部にそれぞれ立設された一対のガイド部材23,23とを有しており(【0032】)、 各ガイド部材23の用紙Pに当接する内壁面27の上端には、空気噴出口29が形成されており、空気噴出口29は、分離エア吹出口29aと、浮上エア吹出口29bとで構成されており(【0036】)、 浮上エア吹出口29bは、給紙台21に積載された用紙Pを浮上させるように、積載された最上位の用紙Pの側方から空気を吹き出し、浮上エア吹出口29bから吹き出された空気により、給紙台21に積載された最上位の用紙Pの上面に沿って空気流が発生し、この空気流によって給紙台21に積載された用紙Pが整流部材35まで浮上する(【0038】)、 給紙部2。」 第5 申立理由についての当審の判断 1 本件特許発明1について (1)対比 本件特許発明1と甲1発明を対比する。 ア 後者の「ワークW」は、前者の「パーツ」に相当する。 イ 後者の「ワーク搬送システム1」は、「ワークW」を「次工程に搬送」するものであるから、「ワークW」を「次工程」を行う機器に搬入するものであるといえる。 そして、前記アをふまえると、前者の「パーツ搬入装置」と、後者の「ワーク搬送システム1」は、「パーツを搬入するパーツ搬入装置」である点で一致する。 ウ 後者の「載置台3」は、「板状のワークWが積層されるパレットのような」ものであるから、前者の「パーツ保持部」と、後者の「載置台3」は、「複数枚のパーツを積層する」部材である点で一致する。 エ 後者の「搬送装置9」は、「積層されたワークWを一番上から順に一枚ずつ保持することのできる保持装置7」を備えたものであり、「載置台3上に積層されたワークW」を「一枚ずつ次工程に搬送」するものであって、「持ち上げられた互いに密着している二枚以上のワークW」は、待避台19上に載置され、「ワークW」を次工程へと搬送するときには、必ず一枚の「ワークW」が搬送されるものであるから、積層された「ワークW」の一番上の「ワークW」を保持し、次工程を行う機器に搬入するものであるといえる。 そして、前記ウをふまえると、前者の「パーツ搬入機器」と、後者の「搬送装置9」は、「上記パーツ保持部の最上位のパーツを取り出して搬入するパーツ搬入機器」である点で一致する。 オ 後者の「ワーク搬送システム1」は、「載置台3を備えた配置領域5」が設けられ、「搬送装置9」が配設されるものであるから、前記イをふまえると、前者の「パーツ搬入装置」と、後者の「ワーク搬送システム1」は、「「パーツ保持部」と、「パーツ搬入機器」を具備」するものである点で一致する。 カ 以上、ア~オによると、本件特許発明1と甲1発明は、以下の一致点、相違点を有する。 [一致点] 「パーツを搬入するパーツ搬入装置において、 複数枚のパーツを積層する部材と、 上記パーツ保持部の最上位のパーツを取り出して搬入するパーツ搬入機器と、 を具備する、 パーツ搬入装置。」 [相違点1] 本件特許発明1は、「下型内にパーツを搬入する缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置」であるのに対して、甲1発明は、「板状のワークW」を「次工程に搬送」するものである点。 [相違点2] 本件特許発明1は、「パーツ搬入機器」が「下型内」に「パーツ」を搬入するのに対して、甲1発明は、「搬送装置9」が「板状のワークW」を「次工程に搬送」するものである点。 [相違点3] 本件特許発明1は、「複数枚のパーツを積層・保持するパーツ保持部」を具備するのに対し、甲1発明は、「載置台3」が「ワークWが積層される」ものであるのにとどまる点。 [相違点4] 本件特許発明1は、「パーツ搬入機器によって取り上げられる最上位のパーツに対して二枚目以降のパーツを剥離させる剥離手段が設けられている」のに対し、甲1発明は、「互いに密着している二枚以上のワークW」を積極的に一枚ずつ取るものではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、前記相違点1、2についてまとめて検討する。 ア 甲1~甲4には、前記第4の2~4のとおりの事項が記載されているものの、「缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置」、及び「下型内にパーツを搬入する」点に関しては、甲2~甲4のいずれにも記載されていない。 このため、甲1発明に、甲2技術事項、甲3技術事項、甲4技術事項のいずれを適用しても、前記相違点1、2の構成には至らない。 イ また、甲1発明は、「板状のワークW」の搬送システムに関する発明であって、「板状のワークW」を、「缶バッジ」の「パーツ」にしようとする動機付け、及び「板状ワークW」の搬送先を「缶バッジ製造装置」にしようとする動機付けはない。 ウ したがって、甲1発明、及び甲2~甲4に記載の事項に基づいて、当業者が前記相違点1、2に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。 エ また、前記相違点1、2の構成とすることで、「缶バッジの製造が容易で、且つ、不良品の発生を防止して歩留まりをよくすることができる。」(【0011】)、「本発明は、缶バッジ製造装置のパーツ搬入装置に係り、特に、缶バッジの製造が容易で、且つ、不良品の発生を防止して歩留まりをよくすることができるように工夫したものに関し、例えば、省スペースな自動又は半自動の缶バッジ製造装置に好適である。」(【0073】)との格別顕著な作用効果を奏するものである。 (3)特許異議申立人の主張について ア 特許異議申立人は、特許異議申立書10頁で、「しかしながら、相違点1は、パーツの搬入先はパーツ搬入装置の製造目的に応じて当業者が単に選定するものであり、また、相違点2は、最終的な製造装置を示したものに過ぎず、本件発明1は「パーツ搬入装置」であり、相違点1及び2の両者ともに本件発明1の発明を構成する必須の構成とは考えられない。」と主張する。 イ しかしながら、パーツが「下型内」に搬入される点、及びパーツ搬入装置が「缶バッジ製造装置」の一部である点が本件特許発明1の発明特定事項とされている以上、この発明特定事項を必須としないことはできない。 そして、本件特許発明1が甲1発明~甲4発明に記載された発明から容易に発明することができたというためには、パーツが「下型内」に搬入される点、及びパーツ搬入装置が「缶バッジ製造装置」の一部である点が、甲1発明~甲4発明から当業者が容易に発明できたことを示す必要があるが、特許異議申立人はこの点について何ら立証していない。 よって、前記アの主張は採用できない。 ウ なお、前記相違点4について、甲1発明は、「板状のワークW」を前提にしており、この甲1発明に対して、枚葉紙を扱うことを前提とした甲2発明の「凸部10」、又は甲4発明の「空気噴出口29」を適用する動機はないし、現実に「板状のワークW」に対して適用できるものでもない。 (4)小括 以上のとおりであるから、前記相違点3、4について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本件特許発明2~本件特許発明5について 本件特許発明2~本件特許発明5は、本件特許発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの請求項に係る発明は、いずれも、前記1(1)カに示した前記相違点1、2に係る構成を有しているから、前記1に示した理由と同様の理由により、本件特許発明2~本件特許発明5は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 まとめ 以上のとおり、本件特許発明1~本件特許発明5は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび 以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700793

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