特許訂正審判
2025-390089
金属イオン電池用の電気活性材料
- 審判番号
- 2025-390089
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2024-523387
- 登録番号
- 7697152
- 請求日
- 2025年07月22日
- 審決日
- 2025年10月22日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ネクシオン リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 梶尾 誠哉
- 審判官 須原 宏光
- 審判官 畑中 博幸
- 分類
- P141 .851-Y (H01M) / P141 .853-Y (H01M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7697152号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7697152号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7697152号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、令和4年10月21日(パリ条約による優先権主張2021年10月21日、英国)を国際出願日とする特願2024-523387号であって、令和7年6月13日に特許権の設定登録がなされ、令和7年7月22日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示すために当審において付加した。以下同じ。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「(a)ミクロ細孔及び/又はメソ細孔を含む多孔質粒子骨格であって、ガス吸着によって測定されるミクロ細孔及びメソ細孔の総細孔容積が0.4cm3/g~2.2cm3/gの範囲である、多孔質粒子骨格」と記載されているのを、「(a)ミクロ細孔及び/又はメソ細孔を含む多孔質粒子骨格であって、ガス吸着によって測定されるミクロ細孔及びメソ細孔の総細孔容積が0.4cm3/g~2.2cm3/gの範囲であり、且つ、前記多孔質粒子骨格は少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する、多孔質粒子骨格」に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~41、43、60~62についても同様に訂正する)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項11に「前記多孔質粒子骨格のPD90細孔径が、35nm以下、又は30nm以下、又は25nm以下、又は20nm以下、又は15nm以下、又は12nm以下、又は10nm以下、又は8nm以下、又は6nm以下、又は5nm以下、又は4nm以下、又は3nm以下、又は2.5nm以下、又は2nm以下である」と記載されているのを、「前記多孔質粒子骨格のPD90細孔径が、35nm以下、又は30nm以下、又は25nm以下、又は20nm以下、又は15nm以下、又は12nm以下、又は10nm以下、又は8nm以下、又は6nm以下、又は5nm以下、又は4nm以下、又は3nm以下である」に訂正する(請求項11を直接又は間接的に引用する請求項43、60~62についても同様に訂正する)。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項42に「(a)ガス吸着によって測定されるミクロ細孔及びメソ細孔の総細孔容積が0.4cm3/g~2.2cm3/gの範囲である、ミクロ細孔及び/又はメソ細孔を含む複数の多孔質粒子を準備する工程」と記載されているのを、「(a)ガス吸着によって測定されるミクロ細孔及びメソ細孔の総細孔容積が0.4cm3/g~2.2cm3/gの範囲である、ミクロ細孔及び/又はメソ細孔を含む複数の多孔質粒子を準備する工程であって、前記多孔質粒子は少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する、工程」に訂正する(請求項42を直接又は間接的に引用する請求項43~59についても同様に訂正する)。
第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正事項1は「多孔質粒子骨格」について、「少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する」との限定を追加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
本件特許の出願に係る願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)の段落【0028】には「多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、35nm以下、又は30nm以下、又は25nm以下、又は20nm以下、又は15nm以下、又は12nm以下、又は10nm以下、又は8nm以下、又は6nm以下、又は5nm以下、又は4nm以下、又は3nm以下、又は2.5nm以下、又は2nm以下であってもよい。好ましくは、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、少なくとも2.5nm、又は少なくとも3nm、又は少なくとも3.5nm、又は少なくとも4nmである。例えば、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、好ましくは、2.5nm~20nm、又は3nm~15nm、又は3.5nm~10nm、又は4nm~8nmの範囲である。」(下線は当審において付加した。以下同じ。)と記載されているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項1は、「多孔質粒子骨格」という発明特定事項を概念的により下位の「少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する、多孔質粒子骨格」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明1」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明1は、特許出願の際独立して特許を受けることができた本件特許の請求項1に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明1について、設定登録された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明1については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2は、訂正事項1に係る「多孔質粒子骨格は少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する」とする訂正との整合を図るため、多孔質粒子骨格のPD90細孔径が取り得る数値範囲として択一的に記載されていたもののうち、「又は2.5nm以下、又は2nm以下」の箇所を削除するものである。
したがって、当該訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
本件明細書の段落【0028】には「多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、35nm以下、又は30nm以下、又は25nm以下、又は20nm以下、又は15nm以下、又は12nm以下、又は10nm以下、又は8nm以下、又は6nm以下、又は5nm以下、又は4nm以下、又は3nm以下、又は2.5nm以下、又は2nm以下であってもよい。好ましくは、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、少なくとも2.5nm、又は少なくとも3nm、又は少なくとも3.5nm、又は少なくとも4nmである。例えば、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、好ましくは、2.5nm~20nm、又は3nm~15nm、又は3.5nm~10nm、又は4nm~8nmの範囲である。」と記載されているから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更の有無
訂正事項2は、訂正前の請求項11に記載の多孔質粒子骨格のPD90細孔径が取り得る数値範囲として択一的に記載されていたものの一部を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3
(1)訂正の目的
訂正事項3は「多孔質粒子」について、「少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する」との限定を追加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無
明細書の段落【0028】には「多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、35nm以下、又は30nm以下、又は25nm以下、又は20nm以下、又は15nm以下、又は12nm以下、又は10nm以下、又は8nm以下、又は6nm以下、又は5nm以下、又は4nm以下、又は3nm以下、又は2.5nm以下、又は2nm以下であってもよい。好ましくは、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、少なくとも2.5nm、又は少なくとも3nm、又は少なくとも3.5nm、又は少なくとも4nmである。例えば、多孔質粒子骨格のPD90細孔径は、好ましくは、2.5nm~20nm、又は3nm~15nm、又は3.5nm~10nm、又は4nm~8nmの範囲である。」と記載されているから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項3は、「多孔質粒子」という発明特定事項を概念的により下位の「少なくとも2.5nmのPD90細孔径を有する」「多孔質粒子」にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件
訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから(上記「(1)」)、訂正後の請求項42に係る発明(以下、「本件訂正発明42」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうかについて検討する。
本件訂正発明42は、特許出願の際独立して特許を受けることができた本件特許の請求項42に係る発明を減縮するものである上、本件訂正発明42について、設定登録された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは見当たらない。
したがって、本件訂正発明42については、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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