特許訂正審判
2025-390014
液晶ポリマー組成物
- 審判番号
- 2025-390014
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-091703
- 登録番号
- 7609423
- 請求日
- 2025年01月24日
- 審決日
- 2025年05月09日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】上野製薬株式会社
- 【請求人代理人】松谷 道子
- 【請求人代理人】森住 憲一
- 審判長/審判官
- 審判長 細井 龍史
- 審判官 岸 智之
- 審判官 藤井 勲
- 分類
- P141 .852-Y (C08L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7609423号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7609423号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 主な手続の経緯
特許第7609423号(請求項の数6。)に係る出願は、令和3年5月31日を出願日とする特許出願であって、令和6年11月12日付けで特許査定がされ、同年12月23日にその特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和7年1月24日に本件訂正審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び理由
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7609423号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
2 請求の理由(訂正の内容)
請求人の求めた訂正(以下、「本件訂正」という場合がある。)の概略は、以下の訂正事項のとおりである。
・訂正事項
特許請求の範囲の請求項1に「無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマー」とあるのを、「酸変性熱可塑性エラストマー」に訂正する。
請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~6も同様に訂正する。
3 一群の請求項について
本件訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものであって、本件訂正によって記載が訂正される本件訂正前の請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、本件訂正前の請求項1~6に対応する本件訂正後の請求項1~6は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正前の請求項1に係る「結晶融解温度が210℃未満である液晶ポリマー100質量部および酸変性熱可塑性エラストマー1~100質量部を含有する液晶ポリマー組成物であって、無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマーは無水マレイン酸変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーである、液晶ポリマー組成物。」における「無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマー」という用語は、当該用語以前には存在しないため、文章として不自然であって、文脈の前後から「無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマー」が、既出の「酸変性熱可塑性エラストマー」を受ける用語とすべきことは明らかである。
そして、本件訂正後の請求項1の記載が、本件訂正前の請求項1の記載と同一の意味を表示するものであるといえる。
また、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~6も同様である。
そうすると、訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものに該当する。
さらに、上述のとおり、文脈の前後から「無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマー」が、既出の「酸変性熱可塑性エラストマー」を受ける用語とすべきところ、その用語の関係が整合していないものといえる。
これは、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~6も同様である。
そうすると、訂正事項は、整合しない記載により不明瞭となっていた記載を揃えて明瞭にするものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
2 新規事項の追加の有無について
訂正事項は、明細書の段落【0067】に「本発明に使用する酸変性熱可塑性エラストマーとしては、・・・無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマーが好ましく、とりわけ無水マレイン酸変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー・・・が好ましい。」と記載されるように、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものである。
3 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
上記1及び2で述べたとおり、訂正事項は、明細書の段落【0067】の記載に合わせて、本件訂正前の請求項1に記載される「無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマー」を、既出の「酸変性熱可塑性エラストマー」とするものであって、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
したがって、訂正事項は、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものである。
4 独立特許要件について
上記1で検討したとおり、訂正事項が誤記の訂正を目的とするものに該当する場合、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか(いわゆる独立特許要件の充足性。特許法第126条第7項)の適否について見直すべき新たな事情はないから、独立特許要件を欠くとする事由を見いだすことができない。
したがって、訂正事項は、特許法第126条第7項に規定する要件を満たすものである。
第4 むすび
以上の次第であるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項に規定する要件を満たすものであるので、適法な訂正と認める。
よって、結論のとおり審決する。
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