特許拒絶査定不服審判
2025-003731
組立式箱体及び組立式方法
- 審判番号
- 2025-003731
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-011566
- 請求日
- 2025年03月07日
- 審決日
- 2025年05月02日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 却下
- 当事者
- 【請求人】株式会社エーディエフ
- 【請求人代理人】TRY国際弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 金丸 治之
- 審判官 岩谷 一臣
- 審判官 田口 傑
- 分類
- P18 .03 -X (B65D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第121条第1項、特許法第121条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021- 11566「組立式箱体及び組立式方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 8月 8日出願公開、特開2022-115014〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求を却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月27日の出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。
令和6年 5月 8日付け :拒絶理由通知
10月21日付け :拒絶査定
11月12日 :拒絶査定の謄本の発送
11月13日 :拒絶査定の謄本の到達
令和7年 3月 7日 :拒絶査定不服審判の審判請求書、手続補正書の提出
第2 審判請求書の提出日についての適法性判断
上記第1のとおり、本件の審判請求書(以下「本件請求書」という。)は、拒絶査定の謄本が出願人に送達されたのち、少なくとも三か月以上経過してから提出されたものである。そうすると、この審判請求は、特許法第121条第1項に違反してなされたものである。
そこで、この審判を請求する者において、その責めに帰することができない理由により同項に規定する期間内にその請求をすることができない事情があったか検討する。
1 審判請求人の主張
審判請求人(以下、単に「請求人」という。)は、本件請求書において、資料1として令和7年2月27日に島本敏(審決注:請求人株式会社エーディエフ代表取締役社長)からKUGOU AKIYOSHI及びエーデイエフ池ノ上に宛てたメールのコピー(以下、「本件メール」という。)とともに、概略、以下の主張をしている。
(1)経緯の概要について
ア 特許庁より拒絶理由通知を受領した後、鶴若事務所(以下「旧代理人事務所」という。)から拒絶理由を受領した旨の連絡を受け、旧代理人事務所に対応を進めるよう依頼したこと(令和6年6月4日~同年7月26日)
イ 旧代理人事務所の鶴若弁理士(以下「旧代理人」という。)が亡くなったのち、旧代理人事務所が拒絶査定の謄本送達を受領したこと(同年8月29日~同年11月12日)
ウ 旧代理人事務所から拒絶査定の連絡がなく、拒絶査定の謄本送達がなされた事実を知らないまま審判請求期間を途過し、その後、TRY国際弁理士法人(以下「新代理人事務所」という。)に相談し、審判請求期間の途過を初めて認識したこと(令和7年2月26日)
(2)請求人の責めに帰することができない理由について
ア これらの経緯から、旧代理人の死亡は、出願人にとって予測し得ない事態であり、旧代理人事務所から連絡が途絶えた結果、拒絶査定の存在自体を認識できなかったこと
イ このような代理人不在の状況は、出願人が通常の注意を払っていても回避が困難であったこと
ウ 出願人の責めに帰することができない事由が消滅したのは、出願人が新代理人事務所に相談し、審判請求期間がすでに途過している事実を始めて認識した令和7年2月26日であること
2 当審の判断
(1)本件メールから読み取れる事項
本件審判請求書の資料1である本件メールは、島本敏からKUGOU AKIYOSHI及びエーデイエフ池ノ上に宛てたものであるが、そこには、過去に行われた以下のメールの内容が記載されている。なお、「・・・」は省略を表す。
ア 発信日:2024年7月9日、宛先:島本敏、発信人:鶴若智樹
「・・・特許庁より拒絶理由通知書が届きましたので書類を添付致します。
応答期限日は2024年8月3日となりますので2024年7月22日までに応答の要否をお知らせください。・・・」
イ 発信日:2024年7月25日、宛先:島本敏、発信人:鶴若智樹
「・・・再送致します。
応答の要否をお知らせください。・・・」
ウ 発信日:2024年7月26日、宛先:鶴若智樹、発信人:島本敏
「・・・失礼しました。
進めていただけますでしょうか。・・・」
エ 発信日:2024年8月29日、宛先:島本敏、発信人:鶴若智樹
「・・・拒絶理由応答書について応答要とのご返答を頂いておりますが、本件の所長である鶴若 俊雄(審決注:旧代理人)が急死した為、弊所の懇意している特許事務所が対応可能となっております。
突然の事で大変恐縮でございますが、ご依頼してよろしいでしょうか。
ご依頼予定の特許事務所様は本件(特願2021-11566号)いて検討済みです。・・・」
(2)請求人の責めに帰することができない理由の存否の検討
特許法第121条第2項に規定する「その責めに帰することができない理由」とは、天災地変その他客観的に避けることのできない事故のほか、審判請求人又はその代理人が通常なすべき注意を払っても避けることができなかったと認められる事由をいうものと解される(東京高判昭63年7月26日(昭和62年(行ケ)174号)参照)。
そこで、この観点から検討するに、上記(1)のエによると、請求人は、旧代理人の急死と、対応可能な特許事務所に依頼してよいか否かについて、2024年の8月29日に鶴若智樹から連絡を受けていたものと認められ、通常なすべき注意を払えば、少なくともこの時点で状況を知ることができていたものである。
さらに、2024年7月26日に拒絶理由の応答に対する手続の続行を請求人から旧代理人に依頼し、その後、令和7年2月26日までの数か月間、旧代理人に手続の進捗確認などを行った様子もなく、この点からも請求人の責めに帰することができない理由があったとは認めがたい。
3 小括
以上のとおりであるから、本件の審判請求において、請求人の責めに帰すことができない理由があったとは認められない。
第3 むすび
本件の審判請求は、拒絶査定の謄本の送達があつた日から三月を途過して行われたものであり、また、請求人の責めに帰することができない理由により当該期間内にその請求をすることができなかったとする事由もなく、特許法第121条第1項に違反してなされたものであって、その補正をすることができないものであるから、同法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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