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特許再審

2024-950001

介助機

審判番号
2024-950001
法域
特許
審判種別
再審
出願番号
特願1997-260785外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年05月10日
審決日
2024年11月11日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P580 .09 -Z (A61G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第171条第2項、特許法第29条第2項、特許法第167条
データ出所
審決公報(XML)

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平成9年特許願第260785号「介助機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年3月2日出願公開、特開平11-56908〕の確定審決に対する再審請求について、次のとおり審決する。

結論

本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 8項目

1.手続の経緯

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本願は、平成9年8月20日の出願であって、平成17年3月15日付けで拒絶査定され、これに対して同年4月20日に拒絶査定不服審判の請求(不服2005-9621号)がなされたが、平成19年11月12日付けで「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「原審決」という。)がなされた。

再審請求人は、平成19年12月24日に原審決の取消しを求める訴え(平成19年(行ケ)第10421号)を提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成20年6月26日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。

再審請求人は、平成20年7月9日に該判決を不服として上告を提起したところ、最高裁判所は、平成21年1月15日に、上告棄却の決定(平成20年(行ツ)第280号)をして、原審決が確定した。

再審請求人は、平成21年2月13日に、原審決につき再審の請求(再審2009-950001号)をし、これに対し同年 6月16日付けで「本件審判の請求は成り立たない。」との審決がなされたため、同年7月10日に該審決の取消しを求める訴え(平成21年(行ケ)第10187号)を提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年12月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。

再審請求人は、平成22年1月13日に、原審決につき2回目の再審の請求(再審2010-950001号)をし、これに対し同年4月14日付けで「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10148号)を同年5月12日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年7月15日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。再審請求人は、同年7月24日に該判決を不服として上告受理の申立て(平成22年(行ノ)第10051号)をしたところ、知的財産高等裁判所は、同年10月5日に、上告受理の申立てを却下した。

再審請求人は、平成22年9月28日に、原審決につき3回目の再審の請求(再審2010-950003号)をし、これに対し同年12月1日付けで「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、同月14日に該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10387号)を提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成23年2月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。再審請求人は、同年3月8日に該判決を不服として上告及び上告受理の申立てをしたところ、最高裁判所は、同年10月11日に、上告却下及び上告受理申立不受理の決定(平成23年(行ツ)第182号、平成23年(行ヒ)第186号)をした。

再審請求人は、平成28年3月22日に、原審決につき4回目の再審の請求(再審2016-950001号)をし、これに対し同年7月27日付けで「本件審判の請求を却下する。」との審決(以下「第4再審審決」という。)がなされたため、同年8月19日に該審決の取消しを求める訴え(平成28年(行ケ)第10198号)を提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年12月22日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。再審請求人は、期限内に該判決を不服として上告しなかったため、第4再審審決が確定した。

再審請求人は、平成29年1月25日に、原審決につき5回目の再審の請求(再審2017-950001号)をし、これに対し同年 4月19日付けで「本件再審の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成29年(行ケ)第10105号)を同年5月10日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、同年9月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。再審請求人は、該判決を不服として上告したところ、最高裁判所は、平成30年2月2日に、上告棄却の決定(平成29年(行ツ)第389号)をした。

再審請求人は、令和5年7月24日に、第4再審審決につき再審の請求(再審2023-950002号)をするとともに、令和6年2月9日付けで上申書を提出した。これに対し同年3月26日に「本件再審の請求は、成り立たない。」との審決がなされた。

再審請求人は、令和 6年 5月10日に、本件再審の請求をした。

2.本件再審請求

再審請求書によれば、再審請求人の主張は、概略、以下のとおりである。

「4.請求の趣旨不服2005-9621不服審判事件についてなされた原審決を取り消す。特願平9-260785は特許すべきものであるとの審決を求める。」

「5.請求の理由原審決2005-9621には本願の特許要件である進歩性の認定判断に過誤があり、違法として取消されるべきものである。
特許法が準用する民訴法338条1項10号「不服の申立てに係る審決(再審2016-950001)が前に確定した審決(原審決2005-9621)と抵触すること。」に基づき、再審を請求する。」

3.当審の判断

(1)再審請求の対象の検討

上記2.に記載したとおり「4.請求の趣旨」において、「不服2005-9621不服審判事件についてなされた原審決を取り消す。」と記載され、「5.請求の理由」において、「原審決2005-9621には本願の特許要件である進歩性の認定判断に過誤があり、違法として取消されるべきものである。」と記載されている。これらを踏まえると、本件再審の請求は、原審決を取り消すことを請求するものであって、原審決に対する再審請求と解される。

(2)原審決の再審事由の検討

上記2.に記載したとおり、「5.請求の理由」には、「民訴法338条1項10号「不服の申立てに係る審決(再審2016-950001)が前に確定した審決(原審決2005-9621)と抵触すること。」に基づき、再審を請求する。」と記載されている。当該記載によれば、本件再審の請求は、原審決と抵触関係にある審決として、第4再審審決を挙げて、原審決には、民事訴訟法第338条第1項第10号に該当する事由があることを理由として、再審請求しているものと解される。

しかしながら、民事訴訟法第338条第1項第10号は「不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。」と規定されている。ここで、民事訴訟法第338条第1項本文が「次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。」とされていることを踏まえると、民事訴訟法第338条第1項第10号は、不服の申立てに係る判決(再審を訴える後行判決)が、前に確定した判決(先行判決)と抵触することを理由に、後行判決に対して再審を訴えるという構造を採っている。そして、再審の制度趣旨が、確定判決を覆してでも救済しなければならないほどの重大な瑕疵がある場合に例外的に認められるものであることを踏まえても、後の判決(後行判決)に基づいて先の判決(前に確定した判決)を取り消すということは、再審において想定しておらず、かかる拡大解釈も許されないと考えられる。

してみれば、本件再審の請求は、上記したとおり、先行する審決(原審決)が後行審決(第4再審審決)に抵触するとの理由で、先行する審決(原審決)を取り消すことを請求しており、特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第1項第10号に該当するものではない。

(3)予備的検討

「5.請求の理由」における「特許法が準用する民訴法338条1項10号「不服の申立てに係る審決(再審2016-950001)が前に確定した審決(原審決2005-9621)と抵触すること。」に基づき、再審を請求する。」との記載から、本件再審の請求は、第4再審審決が前に確定した原審決に抵触するとして、第4再審審決の再審を請求するものであると解する余地もあり得るところ、以下、第4再審審決が前に確定した原審決に抵触するか否かについて、予備的に検討する。

ア.民事訴訟法第338条第1項第10号において、「不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触する」場合に、「再審の訴えをもって、不服を申立てることができる。」とした趣旨は、請求の基礎及び当事者が同一である案件で、判決の判断に矛盾が生じることを避けることにあると解される(知的財産高等裁判所平成22年(ム)第10014号参照。)。これは、特許法第171条第2項が民事訴訟法第338条第1項第10号を準用していること、特許法第167条が「審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。」と規定していることから見て、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審請求である本件に関しても、妥当すると解される。

イ.そこで、原審決と第4再審審決の請求の基礎の異同について検討する。

まず原審決は、拒絶査定に対する不服審判請求に係る審決であって、平成17年4月20日に提出された手続補正書により補正された請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)が、特開平9-117478号公報に記載された発明(以下「引用発明」という。)及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとして、請求は成り立たないと審決したものである。

そして第4再審審決は、原審決に対する再審請求に係る審決であって、特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第2項の有罪の確定判決を得る可能性があることについて、これを認めるに足りる証拠を提出していないことから、その要件を欠き、請求自体が不適法であるとして、請求を却下すると審決したものである。

拒絶査定における本願発明の特許要件である進歩性(本願発明が特許法第29条第2項に規定する進歩性を備えたものであるか)の判断を不服とする審判請求と、原審決に対する再審請求における再審請求の適法性(再審請求自体が特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第2項に規定する要件を備えたものであるか)の判断に不服を申し立てる再審請求とは、請求の基礎となる具体的な事実や証拠が異なり、検討すべき要件が異なっているから、請求の基礎が同一の案件とはいえず、原審決と第4再審審決との間に抵触はない。

再審請求人は、再審請求書の「8.4特許法が準用する民訴法338条1項10号について」において、「審決再審2016-950001が「事実に反する内容」を蔵している原審審決について、「原審決の内容が事実に反するものとは解せない。」と判断しているものである。」と主張し、「原審決と第4再審審決とは請求項の基礎及び請求の当事者が同一であり、内容において一致していない。」と主張しているが、これらの主張は、両審決の請求の基礎となる具体的事実や証拠、検討すべき要件が同一であることの説明とはなっておらず、採用することはできない。

したがって、原審決と第4再審審決との間に抵触はない。

ウ.さらに、再審請求人は、再審請求書において、次のような主張をしている。

(ア)「8.1原審決2005-9621の認定判断の過誤について」において、原審決における認定判断の内容を具体的に列挙した上で、それらの認定判断が事実に反する旨を主張している。

(イ)再審請求書の「8.2 被告準備書面(知財 平成19年行(ケ)10421)の虚偽について」において、原審決の取消しを求める訴えに係る裁判において特許庁が提出した準備書面(本件再審の請求の証拠書類(2);以下「準備書面」という。)の中に虚偽があり、その準備書面の作成及び行使は、被告特許庁長官代理人による偽計業務妨害罪に当たると主張している。

(ウ)再審請求書の「8.3審決再審2016-950001の「特異な認定判断」について」において、裁判官の作為等によって時間が不当に経過し、裁判が正常に進行しないときが、民事訴訟法第338条第2項後段の「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」にあたると主張し、「審決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと」を指摘した準備書面(証拠)が提示されているにも拘わらず、「有罪の確定審決の証拠が提出されていない」として、再審請求の適法性にテーマをすり替えて却下する手法は、「特異な認定判断」である旨を主張している。

これらの主張について検討するに、これらの主張はいずれも、原審決と第4再審審決との間の抵触を説明するものでもないから、上記イ.の判断を左右するものではない。

エ.以上より、仮に、本件再審の請求が、第4再審審決が前に確定した原審決に抵触するとして、第4再審審決の再審を請求するものであると解したとしても、特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第1項第10号に該当するものではない。

(4)小括

上記(1)~(3)のとおり、本件再審の請求の対象を原審決と第4再審審決のいずれと解したとして、再審の請求に理由はない。

4.むすび

よって、結論のとおり審決する。

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2024-950001

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