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特許無効審判

2024-800102

アクリレートカプセル化剤を含む布地ケア組成物

審判番号
2024-800102
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2021-576607
登録番号
7183454
請求日
2024年08月08日
審決日
2025年12月02日
公報発行日
2026年04月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】高砂香料工業 株式会社
  • 【請求人代理人】山崎 一夫
  • 【請求人代理人】服部 博信
  • 【請求人代理人】松田 七重
  • 【請求人代理人】志村 将
  • 【被請求人】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 【被請求人代理人】曾我 道治
  • 【被請求人代理人】佐藤 さおり
審判長/審判官
  • 審判長 村守 宏文
  • 審判官 弘實 由美子
  • 審判官 光本 美奈子
分類
P1113.113-YAA(C11D) / P1113.121-YAA(C11D) / P1113.536-YAA(C11D) / P1113.537-YAA(C11D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第9項、特許法第29条第1項第3号、特許法第123条第1項第2号、特許法第134条の2第1項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項、特許法第36条第4項、特許法第36条第6項第1号、特許法第134条の2第3項、特許法第169条第2項
データ出所
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上記当事者間の特許第7183454号発明「アクリレートカプセル化剤を含む布地ケア組成物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7183454号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~16〕について訂正することを認める。 特許第7183454号の請求項1~16に記載された発明についての審判請求は成り立たない。 審判費用は請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許第7183454号(以下、「本件特許」という。)は、2020年(令和2年)6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年6月27日、米国)を国際出願日とする出願であって、令和4年11月25日に特許権の設定登録(請求項の数16)がされ、同年12月5日に特許掲載公報が発行されたものである。 そして、その後の手続の経緯は、以下のとおりである。 令和6年 8月 8日 請求人による審判請求書の提出 同年 9月18日付け 請求書副本の送達通知(答弁指令) 同年12月24日 被請求人による答弁書、訂正請求書の提出 令和7年 5月22日付け 訂正拒絶理由通知(被請求人宛) 同年 同月27日付け 職権審理事項通知(請求人宛) 同年 7月18日 意見書(被請求人) 令和7年 8月21日付け 書面審理通知書(請求人、被請求人) なお、令和6年12月24日に提出された訂正請求書、令和7年5月27日付け職権審理事項通知に対して、請求人から意見書の提出は無かった。 また、請求人は令和7年6月26日に、職権審理事項通知に対して意見書の提出予定がないこと、同年同月27日に、被請求人による令和6年12月24日提出の訂正請求書、添付された特許請求の範囲、及び答弁書に対して反論の意見が無く、被請求人による意見書の提出のみで訂正拒絶理由が解消したと合議体が判断した場合、口頭審理を行わずに書面審理に付すことに同意することを審判官に伝えた。 第2 訂正請求の趣旨 令和6年12月24日提出の訂正請求書による請求(以下、「本件訂正」ともいう。)の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~16について訂正することを求める、というものである(以下、訂正前の特許請求の範囲を、「本件特許請求の範囲」という。)。 第3 訂正の内容 本件訂正の内容は、次のとおりのものである(下線部は訂正箇所を示す。)。 1 訂正事項1 本件特許請求の範囲の請求項1に「 香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含む布地ケア組成物であって、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、 前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 (a)前記第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、及び/又は (b)前記(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される、布地ケア組成物。」 と記載されているのを、 「布地ケア組成物であって、 前記布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 (a)前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され、 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、前記四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、 (b)前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、布地ケア組成物。」 に訂正する。 2 訂正事項2 本件特許請求の範囲の請求項2に「 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、式(I)による化合物を含む、請求項1に記載の布地ケア組成物。 {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- 式(I) 式中、 mは、1、2又は3である、ただし、 所与の分子において、各mの前記値は同一であり、 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む場合、式(I)による前記化合物の少なくとも一部に関して、mは3(すなわち、トリエステル)であり、 任意に13個~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は、直鎖であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、 各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、 A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。」 と記載されているのを、 「前記第四級アンモニウムエステル化合物が、式(I)による化合物を含む、請求項1に記載の布地ケア組成物。 {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A-式(I) 式中、 mは、1、2又は3である、ただし、 所与の分子において、各mの前記値は同一であり、 13個~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は、直鎖であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、 各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、 A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。」に訂正する。 3 訂正事項3 本件特許請求の範囲の請求項7に 「 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、前記第四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)、及び前記第四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステルクアットを含み、 好ましくは、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。」 と記載されているのを、 「前記第四級アンモニウムエステル化合物は、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。」に訂正する。 4 訂正事項4 本件特許請求の範囲の請求項10に「 前記(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。」 と記載されているのを、 「前記(メタ)アクリレート材料が、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。」に訂正する。 5 訂正事項5 本件特許請求の範囲の請求項11に「 前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【化1】 [図:0001433828000001.jpg] 式中、R1は、C1~C8から選択され、 R2は、水素又はメチルであり、 nは、1~3の整数であり、 Aは、式II~式VIのいずれか一項に記載の環状構造であり、 【化2】 [図:0001433828000002.jpg] 好ましくは、前記イソシアヌレートトリアクリレートモノマーは、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む。」 と記載されているのを、 「 前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【化1】 [図:0001433828000003.jpg] 式中、R1は、C1~C8から選択され、 R2は、水素又はメチルであり、 nは、3であり、 Aは、式II~式VIのいずれか一項に記載の環状構造であり、 【化2】 [図:0001433828000004.jpg] 好ましくは、前記イソシアヌレートトリアクリレートモノマーは、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む。」に訂正する。 6 一群の請求項について 訂正前の請求項1~16について、その請求項2~16は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、本件訂正は、特許法134条の2第3項に規定する一群の請求項ごとになされたものである。 7 訂正の適否 (1) 訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の第四級アンモニウムエステル化合物の含有量と種類を特定するとともに、(メタ)アクリレート材料の種類を特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「(a)前記第四級アンモニウムエステル化合物は、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、及び/又は(b)前記(メタ)アクリレート材料は、イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含み、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される」との記載、本件訂正前の請求項7の「前記第四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)、及び前記第四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステルクアットを含み」との記載、本件訂正前の請求項10の「前記(メタ)アクリレート材料が、・・・六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物・・・から選択されるモノマーから誘導される」との記載、本件特許の願書に添付した明細書における【0057】の「第四級アンモニウムエステル化合物(「エステルクアット」と呼ばれることもある)は、組成物の・・・約3重量%~25重量%の濃度で存在してもよい」との記載に基づき、導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無 前記アのとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の布地ケア組成物における第四級アンモニウムエステル化合物の含有量と種類を特定するとともに、(メタ)アクリレート材料の種類を特定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (2) 訂正事項2について ア 訂正の目的 (ア)訂正事項2は、訂正前の請求項2の記載から式(I)による前記化合物の少なくとも一部に関して、「mは3(すなわちトリエステル)であり、」という記載を削除し、「任意に13~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、」という記載を、「13個~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、」に訂正するものである。 これらの訂正事項は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)また訂正事項2は、式(I)中の「N+」を「N+」に訂正し、式(I)の説明の「A-」を「A-」に訂正するものであり、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。 (ウ)したがって、訂正事項2は、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 前記ア(ア)は、前記(1)イと同様の記載に基づいているから、願書にに添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 また前記ア(イ)は、単なる誤記の訂正であることが明らかであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無 訂正事項2は、訂正前の請求項2について請求項1の訂正に伴い特許請求の範囲の減縮および、誤記の訂正を行うものであるから、これらの訂正は、訂正前の請求項2について、発明のカテゴリーを変更するものでもなく、かつ、発明の対象や目的を変更するものとはならない。 したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (3) 訂正事項3について ア 訂正の目的 訂正事項3は、訂正事項1により、請求項1において、第四級アンモニウムエステル化合物が、「四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)」を含」むことが特定されたことから、「前記第四級アンモニウムエステル化合物が、前記第四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)、及び前記第四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステルクアットを含み、」との記載を削除すると共に、「好ましくは」という記載を削除することにより、その用語の後に続く構成に限定するものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第134条の2第1項ただし書き第3号に規定する明りょうでない記載の釈明及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 訂正事項3は、好ましくはとの記載を削除することにより、「第四級アンモニウムエステル化合物がモノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である」ことを限定したものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無 前記アのとおり、訂正事項3は、請求項1の訂正に伴い、訂正前の請求項7における第四級アンモニウムエステル化合物の構成を「モノエステルクアット」の含有量について限定したものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (4) 訂正事項4について ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項10の記載から「六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、」という記載を削除し、訂正前の請求項10における「より好ましくは」という用語の後に続く構成に限定するものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第134条の2第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 訂正事項4は、訂正前の請求項10における(メタ)アクリレート材料として記載されていたもののうち「六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」ものに限定したから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無 前記アのとおり、訂正事項4は、請求項1の訂正に伴い、訂正前の請求項10における(メタ)アクリレート材料を「六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」ものに限定したものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (5) 訂正事項5について ア 訂正の目的 訂正事項5は、訂正前の請求項11の「nは1~3の整数であり、」という記載が、当該記載以前の「前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む」という記載で特定される「イソシアヌレートトリアクリレートモノマー」(合議体注:式I中のn=3)と対応していなかったため、「nは3であり、」に訂正した。 よって、当該訂正事項は特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。 また、訂正前の請求項11の「請求項1~10のいずれか一項に記載の」という記載を、「請求項1~9のいずれか一項に記載の」に訂正した。 この訂正事項は、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするものである。 イ 新規事項の追加の有無 前記アのとおり、訂正事項5は、訂正前の請求項11について誤記の訂正を行い、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無 前記アのとおり、訂正事項5は、訂正前の請求項11について誤記又は誤訳の訂正を行い、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 8 独立特許要件について 全ての請求項に対して特許無効審判が請求されているので、訂正事項1~5に関し、特許法134条の2第9項において読み替えて準用する同法126条7項に規定される要件(独立特許要件)は適用されない。 9 小括 以上のとおり、本件訂正は、適法なものであるから、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~16〕について訂正することを認める。 第4 本件特許の発明 前記第3のとおり、本件訂正が認められるから、本件特許の発明は、以下に示す本件訂正特許請求の範囲のとおりのものと認められる(以下、請求項の番号によって、訂正前の請求項を「請求項1」、本件訂正後の請求項を「訂正請求項1」などといい、訂正後の請求項1に記載された発明を「訂正発明1」などという。また、訂正後の発明をまとめて「訂正発明」ということがある。)。 【請求項 1】 布地ケア組成物であって、 前記布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 (a)前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され、 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、前記四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み、 (b)前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、布地ケア組成物。 【請求項 2】 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、式(I)による化合物を含む、請求項1に記載の布地ケア組成物。 {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A-式(I) 式中、 mは、1、2又は3である、ただし、 所与の分子において、各mの前記値は同一であり、 13個~22個の炭素原子を含む各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は、直鎖であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、 各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、また、 A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである。 【請求項 3】 式(I)による前記化合物の少なくとも一部において、少なくとも1つのR2がヒドロキシエチル基であり、好ましくは少なくとも1つのR2がヒドロキシエチル基であり、少なくとも1つのR2がメチル基である、請求項2に記載の布地ケア組成物。 【請求項 4】 式(I)による前記化合物の少なくとも一部について、 mは2であり、各Xは、*-CH2-CH(CH3)-、*-CH(CH3)-CH2-、又はこれらの混合物から選択され、式中、*は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示し、 好ましくは、式(I)による前記化合物の少なくとも一部について、前記化合物は、第1のX及び第2のXを含み、前記第1のXは、*-CH2-CH(CH3)-であり、前記第2のXは、*-CH(CH3)-CH2-である、請求項2又は3に記載の布地ケア組成物。 【請求項 5】 前記第四級アンモニウムエステル化合物が ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、 (2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、 ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、の混合物を含み、 前記脂肪酸エステルがC12~C18脂肪酸混合物から生成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 6】 前記アンモニウム第四級エステル化合物が、不飽和脂肪酸及び任意にトリエタノールアミン、好ましくは18個の炭素(「C18」)を含む不飽和脂肪酸、より好ましくは、単一の二重結合を含むC18脂肪酸(「C18:1脂肪酸」)から誘導された材料を含み、更により好ましくは、このような材料が、前記アンモニウム第四級エステル化合物の10重量%~40重量%、又は10重量%~30重量%、又は15重量%~30重量%の濃度で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 7】 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、モノエステル第四級アンモニウム材料(「モノエステルクアット」)を更に含み、好ましくは、モノエステルクアットの濃度は、前記第四級アンモニウムエステル化合物の15.0重量%~35.0重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 8】 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、アルカノールアミン、好ましくはモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物から誘導され、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジ-イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から誘導される、請求項1~7のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 9】 前記第四級アンモニウムエステル化合物が、0~140、又は0~90、又は10~70、又は15~50、又は18~30のヨウ素価によって特徴付けられる脂肪酸から誘導される、請求項1~8のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 10】 前記(メタ)アクリレート材料が、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 11】 前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【化1】 [図:0001433828000005.jpg] 式中、R1は、C1~C8から選択され、 R2は、水素又はメチルであり、 nは、3であり、 Aは、式II~式VIのいずれか一項に記載の環状構造であり、 【化2】 [図:0001433828000006.jpg] 好ましくは、前記イソシアヌレートトリアクリレートモノマーは、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む。 【請求項 12】 前記カプセル化剤の前記シェルがメラミン誘導体を実質的に含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 13】 前記カプセル化剤が、0.5ミクロン~100ミクロン、又は10~100ミクロン、好ましくは1ミクロン~60ミクロン、あるいはなお10ミクロン~50ミクロン、あるいはなお20ミクロン~45ミクロンの容積加重中央値カプセル化剤サイズにより特徴付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 14】 前記組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥シート、又はこれらの混合物、好ましくは液体、固体、又はこれらの混合物、より好ましくは液体の形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 15】 前記組成物が、前記組成物の10重量%~90重量%の水、好ましくは25重量%~80重量%、より好ましくは45重量%~70重量%の水を含む液体組成物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。 【請求項 16】 布地を処理する方法であって、前記方法が、前記布地を請求項1~15のいずれか一項に記載の布地ケア組成物に接触させる工程を含む、方法。 第5 請求人の主張及び証拠方法 請求人は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~16に記載された発明についての特許を無効とする、請求費用は被請求人の負担とする、との審決を求めた。請求人は、無効理由として、以下の1に記載する無効理由1~5を主張し、それらの主張を裏付ける証拠として、以下の2に示す甲第1~18号証を提出した(以下、本件特許の登録時の特許請求の範囲に記載された発明を請求項の番号によって、「特許発明1」などといい、これらをまとめて「特許発明」ということがある。また、本件特許の願書に最初に添付した明細書を「本件特許明細書」という。)。 1 請求人の主張する無効理由の概要 (1) 無効理由1(新規性欠如):特許発明1~4、6~10、12~16は、以下ア~オに示す無効理由1-1~1-5(合議体注:1-1~1-5の記号は、便宜のために合議体が付した。)のとおり、甲第1号証、甲第11号証、甲第13号証、甲第15号証、甲第16号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものである。 したがって、特許発明1~4、6~10、12~16についての特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 ア 無効理由1-1(新規性欠如):特許発明1~4、6~10、12~16は甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当する。 イ 無効理由1-2(新規性欠如):特許発明1~3、6、8、10、12~16は甲第11号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当する。 ウ 無効理由1-3(新規性欠如):特許発明1~3、6、8、10、12~16は甲第13号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当する。 エ 無効理由1-4(新規性欠如):特許発明1~3、6~10、12~16は甲第15号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当する。 オ 無効理由1-5(新規性欠如):特許発明1~4、7、9、10、12~16は甲第16号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当する。 (以下、これらの1-1~1-5に示した理由について、それぞれ「無効理由1-1」などという。) (2) 無効理由2(進歩性欠如):特許発明1~10、12~16についての特許は、以下ア~オに示す無効理由2-1~2-5(合議体注:2-1~2-5の記号は、便宜のために合議体が付した。)のとおり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、特許発明1~10、12~16についての特許は、同許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 ア 無効理由2-1(進歩性欠如):特許発明1~3は、甲第1号証に記載された発明、並びに、甲第2~8、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明4~10、12~16は、甲第1号証に記載された発明、並びに、甲第2~10、15、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 無効理由2-2(進歩性欠如):特許発明1は、甲第11号証に記載された発明、並びに、甲第6~8、12、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明2~3は、甲第11号証に記載された発明、並びに、甲第1、6~10、12、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明4~10、12~16は、甲第11号証に記載された発明、並びに、甲第6~8、12、15、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 無効理由2-3(進歩性欠如):特許発明1は、甲第13号証に記載された発明、並びに、甲第6~8、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明2~3は甲第13号証に記載された発明、並びに、甲第1、6~10、14、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明4~10、12~16は、甲第13号証に記載された発明、並びに、甲第1、6~10、14、15、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 無効理由2-4(進歩性欠如): 特許発明1は、甲第15号証に記載された発明に基いて、特許発明2~3は甲第15号証に記載された発明、並びに、甲第1、9、10号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明4~6は甲第15号証に記載された発明、並びに、甲第1、9、10、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明7~10、12~16は甲第15号証に記載された発明、並びに、甲第1、7~10、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 オ 無効理由2-5(進歩性欠如): 特許発明1は、甲第16号証に記載された発明に基いて、特許発明2は甲第16号証に記載された発明、並びに、甲第1、9、10号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明3は甲第16号証に記載された発明、並びに、甲第1、9、10、15号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明4~5は甲第16号証に記載された発明、並びに、甲第1、9、10、15、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、特許発明6~10、12~16は甲第16号証に記載された発明、並びに、甲第1~13、15、17、18号証に記載された事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (以下、これらの2-1~2-5に示した理由について、それぞれ「無効理由2-1」などという。) (3) 無効理由3(明確性違反):本件特許の特許請求の範囲の請求項11の記載は、以下に示す理由で特許法第36条第6項2号に規定された要件を満たしていない。 したがって、特許発明11についての特許は、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。 請求項11の式Iで示される構造式中、トリアクリレートモノマーに相当するものはnが3の場合のみであり、nが1又は2の場合にはトリアクリレートモノマーに当たらないので、請求項11の式Iで示される構造式はトリアクリレートモノマーではない化合物を含んでいるから、請求項11の「前記(メタ)アクリレート材料が、式Iによる構造を有するイソシアヌレートトリアクリレートモノマーを含む」との意味を明確に理解することができない。 (4) 無効理由4(実施可能要件違反):本件特許明細書の発明の詳細な説明は、以下アに示す無効理由4-1により当業者が特許発明11を実施することができる適度に明確かつ十分に記載されたものではなく、以下イに示す無効理由4-2により当業者が特許発明1~16を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではなく、特許法第36条第4項1号に規定された要件を満たしていない。 したがって、特許発明1~16についての特許は、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。 ア 無効理由4-1(実施可能要件違反) 請求項11の式Iで示される構造式中、トリアクリレートモノマーに相当するものはnが3の場合のみであり、nが1又は2の場合にはトリアクリレートモノマーに当たらないので、請求項11の式Iで示される構造式はトリアクリレートモノマーではない化合物を含んでいるから、請求項11に係る発明を、当業者は実施することができない。 イ 無効理由4-2(実施可能要件違反) 本件特許明細書において、トリエステルクアットを含む第四級アンモニウムエステル化合物を用いて試験した例は、トリエタノールアミンから誘導された柔軟化活性物質C(エステルクアットC)を用いた場合のみであるところ、これがトリエステルクアットをどの程度の量で含むものなのか不明であるし、エステルクアットCを用いて試験した結果が他のトリエステルクアットを含む化合物を使用した場合にも同様に得られるのか当業者は理解できないうえ、トリエステルクアットがわずかにでも含まれていれば良いとの認識も持ち得ない。 また、エステルクアットCを用いても、壁材料としてWを用いた場合の実施例1、表3、群A試験1、実施例3、表5、群E試験9に示されるとおりトリエステルクアットを含まないエステルクアットAやBを用いた場合と比較して改善された性能は得られないし、実施例2、表4、群C試験5に関しても、エステルクアットCを用いた場合とA、Bを用いた場合とを比較して、0~100の香料強度スケールでおよそ3ポイントの差でしかない。 そして、壁材料に関しては、本件特許明細書において実際に試験されたのは六官能性アクリレートモノマー又はイソシアヌレートトリアクリレートモノマーから誘導されたポリアクリレートのみであり、これらのアクリレートは、モノマー材料として六官能性アクリレート又はイソシアヌレート構造の三官能性アクリレートを用いて得られた特徴的な構造のものであるところ、香料カプセル化剤の壁材料として、単にアクリレート部分を含む材料を含みさえすれば本件特許明細書において実際に試験した結果と同様の結果が得られるかについて当業者は理解することができない。 そうすると、あらゆる種類のトリエステルクアットや(メタ)アクリレート材料であっても、どのような量のトリエステルクアットであっても、上記課題を解決することができることまで本件特許明細書において裏付けられていない。 改善された性能を得た布地ケア組成物を実施するために、どのようなトリエステルクアットや(メタ)アクリレート材料を用いればよいのか、どの程度の量のトリエステルクアットが含まれていればよいのかを、本件特許明細書の記載から理解することができない。 したがって、本件特許明細書における発明の詳細な説明は、本件特許の請求項1~16に係る発明を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載していない。 (5) 無効理由5(サポート要件違反) 特許発明1~16は、以下に示す理由により本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものでないから、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~16の記載は、特許法第36条第6項1号に規定された要件を満たしていない。 したがって、特許発明1~16についての特許は、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。 本件発明は香料カプセル化剤を含む改善された布地ケア組成物を提供することを課題とするものであり、「特定の壁材料を有するカプセル化剤」と「特定の第四級アンモニウムエステル化合物」とをカップリングすることによりこの課題を解決しようとするものである。 本件特許明細書において、トリエステルクアットを含む第四級アンモニウムエステル化合物を用いて試験した例は、トリエタノールアミンから誘導された柔軟化活性物質C(エステルクアットC)を用いた場合のみであるところ、これがトリエステルクアットをどの程度の量で含むものなのか不明であるし、エステルクアットCを用いて試験した結果が他のトリエステルクアットを含む化合物を使用した場合にも同様に得られるのか当業者は理解できないうえ、トリエステルクアットがわずかにでも含まれていれば良いとの認識も持ち得ない。 また、エステルクアットCを用いても、壁材料としてWを用いた場合の実施例1、表3、群A試験1、実施例3、表5、群E試験9に示されるとおりトリエステルクアットを含まないエステルクアットAやBを用いた場合と比較して改善された性能は得られない。 そして、壁材料に関しては、本件特許明細書において実際に試験されたのは六官能性アクリレートモノマー又はイソシアヌレートトリアクリレートモノマーから誘導されたポリアクリレートのみであり、これらのアクリレートは、モノマー材料として六官能性アクリレート又はイソシアヌレート構造の三官能性アクリレートを用いて得られた特徴的な構造のものであるところ、香料カプセル化剤の壁材料として、単にアクリレート部分を含む材料を含みさえすれば上記課題を解決することができると当業者は理解することができない。 そうすると、あらゆる種類のトリエステルクアットや(メタ)アクリレート材料であっても、どのような量のトリエステルクアットであっても、上記課題を解決することができることまで本件特許明細書において裏付けられていない。 したがって、トリエステルクアットの種類及び量、並びに(メタ)アクリレート材料の種類を特定しない本件特許の請求項1~16に係る発明は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものでない。 2 請求人が提出した証拠(証拠方法) 甲第1号証: 特表2019-511637号公報 甲第2号証: Stepantex VK90の製品速報 (Stepan社 2014年9月) 甲第3号証: Stepantex VL90Aの製品速報 (Stepan社 2007年6月) 甲第4号証: SENTINELL LAVANDA 5Lの安全データシート(ESSEF CLEANING TOOLS社 2016年3月9日) 甲第5号証: Knowde社のウェブサイト、STEPANTEX-VL90A-Stepan-91995-81-2-Kosher-Knowde、URL:https://www.knowde.com/stores/stepan-company/products/stepantex-vl-90-a(2024年7月17日(出力日)) 甲第6号証: エステル4級塩のヒト健康影響と環境影響に関するリスク評価結果について(日本石鹸洗剤工業会 2014年3月) 甲第7号証: 油化学(J. Jpn. Oil Chem. Soc. (YUKAGAKU))、Vol.44、No.4、341-345頁、 (1995) 甲第8号証:国際公開第2005/103215号 甲第9号証:国際公開第2018/118445号 甲第9号証の2:特表2019-535921号公報 甲第10号証:国際公開第2019/108713号 甲第10号証の2:特表2021-504545号公報 甲第11号証:特表2016-530982号公報 甲第12号証:PRAEPAGEN TQの安全データシート CLARIANT社、1-19頁、2017年6月7日 甲第13号証:特開2017-80651号公報 甲第14号証:一般社団法人植物油協会のウェブサイト、植物油と栄養、2.植物油に含まれる脂肪酸、URL:https://www.oil.or.jp/kiso/eiyou/eiyou02_02.html、2024年7月21日 甲第15号証:特開2012-87421号公報 甲第16号証:国際公開第2018/170357号公報 甲第16号証の2:特表2020-507689号公報 甲第17号証:国際公開第2019/108716号公報 甲第17号証の2:特表2021-504547号公報 甲第18号証:国際公開第2019/108727号 甲第18号証の2:特表2021-504594号公報 (以下、甲第1号証~第18の2号証を、号証番号に応じて、それぞれ「甲1」などという。) 第6 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、上記請求人の主張する無効理由は、いずれも理由がないと主張した。 第7 証拠の記載事項 請求人が提出した証拠のうちの甲1~18の2には、それぞれ以下の事項が記載されている。 下線は、合議体が付したものである。 1 甲1の記載事項 「【請求項1】 組成物であって、総組成物重量に基づいて、 a)約0.01%~約1%の、第1ポリマー及び第2ポリマーを含むポリマー材料であって、前記第1ポリマーは、約5~100モル%のカチオン性ビニル付加モノマー、約0~95モル%の非イオン性ビニル付加モノマー、約50ppm~1,950ppmの2つ以上のエチレン官能基を含む架橋剤、0ppm~約10,000ppmの連鎖移動剤の重合に由来し、前記第2ポリマーは、約5~100モル%のカチオン性ビニル付加モノマー、約0~95モル%の非イオン性ビニル付加モノマー、約0ppm~45ppmの2つ以上のエチレン官能基を含む架橋剤、0ppm~約10,000ppmの連鎖移動剤の重合に由来する、ポリマー材料と、 b)約0%~約35%のカチオン性第四級布地柔軟剤活性物質であって、アルキル鎖又はアルケニル鎖の由来となる親脂肪族アシル化合物又は酸のヨウ素価は、5~60である、カチオン性第四級布地柔軟剤活性物質と、 c)香料マイクロカプセルの集団であって、 ただし、香料マイクロカプセルの前記集団は、1つ以上のポリアクリレートポリマーを含むマイクロカプセル壁材を含む、香料マイクロカプセルの集団と、 を含み、前記組成物が布地ケア及びホームケア製品である、組成物。」 「【請求項9】 前記布地柔軟剤活性物質が、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの混合物からなる群から選択される布地柔軟剤活性物質を含む、請求項8に記載の組成物。 「【0005】 定義 本発明で使用する場合、用語「布地ケア及びホームケア製品」とは、特に指示がない限り、顆粒状又は粉末状の汎用又は「ヘビーデューティー」洗浄剤、特に、クリーニング洗剤;液体、ゲル、又はペースト状の汎用洗浄剤、特に、いわゆる、ヘビーデューティー液体タイプのもの;きめの細かい布地用液体洗剤;手洗い用食器洗浄剤又は軽質食器用洗浄剤、特に高発泡タイプのもの;食器洗い機用洗剤であって、家庭用及び業務用の、様々な、タブレット状、粒状、液体、及びすすぎ補助タイプを含む洗剤;抗菌手洗いタイプ、クリーニングバー、車又はカーペット用シャンプー、便器クリーナーを含む浴室用清浄剤を含む、液体洗浄剤及び消毒剤;及び金属クリーナー、液体、固体、及び/又はドライヤーシートの形態であり得る柔軟剤及び/又はフレッシュニング剤を含む布地コンディショニング製品;加えて、漂白添加剤及び「ステインスティック」又は前処理タイプなどの清浄補助剤、ドライヤー添加シート、乾燥及び湿潤ワイプ及びパッド、不織布基材、並びにスポンジなどの基材付き製品;加えて、スプレー及びミストである。適用可能であるこのような製品は全て、標準形態、濃縮形態、あるいは、このような製品が特定の態様では非水性であり得る限りにおいて、高度に濃縮された形態であってよい。」 「【0012】 布地処理組成物 組成物であって、総組成物重量に基づいて、 a)約0.01%~約1%の、第1ポリマー及び第2ポリマーを含むポリマー材料であって、当該第1ポリマーは、約5~100モル%のカチオン性ビニル付加モノマー、約0~95モル%の非イオン性ビニル付加モノマー、約50ppm~1,950ppmの2つ以上のエチレン官能基を含む架橋剤、0ppm~約10,000ppmの連鎖移動剤の重合に由来し、当該第2ポリマーは、約5~100モル%のカチオン性ビニル付加モノマー、約0~95モル%の非イオン性ビニル付加モノマー、約0ppm~45ppmの2つ以上のエチレン官能基を含む架橋剤、0ppm~約10,000ppmの連鎖移動剤の重合に由来する、ポリマー材料と、 b)約0%~約35%のカチオン性第四級布地柔軟剤活性物質であって、アルキル鎖又はアルケニル鎖の由来となる親脂肪族アシル化合物又は酸のヨウ素価は、5~60である、カチオン性第四級布地柔軟剤活性物質と、 c)コア及びシェルを含む香料マイクロカプセルの集団であって、当該シェルは当該コアを組み込み、 ただし、香料マイクロカプセルの当該集団は、1つ以上のポリアクリレートポリマーを含むマイクロカプセル壁材を含む、香料マイクロカプセルの集団と、 を含み、当該組成物が布地ケア及びホームケア製品である、組成物、 が開示される。 【0015】 ・・・ 香料マイクロカプセルは、コア材料及びコア材料を包囲するシェルを含んでもよく、 ・・・」 「【0020】 当該組成物の一態様において、当該布地柔軟剤活性物質は、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの混合物からなる群から選択される布地柔軟剤活性物質を含む。・・・ 」 「【0057】 一態様において、好適なエステルクワットは、メチルジエタノールアミンと脂肪酸との1:1.5~1:2の範囲のモル比の反応生成物であり、塩化メチル又はジメチルサルフェートで完全又は部分的に四級化されたものである。別の一態様において、このエステルクワットは、トリエタノールアミンと脂肪酸との1:1.5~1:2.1の範囲のモル比の反応生成物であり、ジメチルサルフェートで完全又は部分的に四級化されたものである。第三の態様において、この好適なエステルクワットは、メチルジエタノールアミンと脂肪酸との反応生成物であり、ジメチルサルフェートで完全又は部分的に四級化されたものである。これらの3つの場合において、脂肪酸は8~24個の炭素原子を有し、ヨウ素価が0~100、好ましくは5~80、より好ましくは15~70、最も好ましくは18~56である。 ・・・ 【0060】 一態様では、上記の布地柔軟剤活性物質は、主な活性物質として、以下の式の化合物を含み得る: {R4-m-N+-[Z-Y-R1]m}X-(1) (式中、各Rは、水素、短鎖C1~C6、一態様では、C1~C3アルキル又はヒドロキシアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチルなど)、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかを含み、各Zは、独立に、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、各Yは、-O-(O)C-、-C(O)-O-、-NR-C(O)-又は-C(O)-NR-を含み得、各mは、2又は3であり、各nは、1~約4、一態様では2であり、各R1中の炭素の合計(Yが-O-(O)C-又は-NR-C(O)-であるときには1を加える)は、C12~C22又はC14~C20であり得、各R1は、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基であり得、X-は、任意の柔軟剤相溶性アニオンを含み得る)。一態様では、柔軟剤相溶性アニオンは、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸を含み得る。別の態様では、柔軟剤相溶性アニオンは、塩化物又は硫酸メチルを含み得る。 ・・・ 」 「【0073】 第四級アンモニウム布地柔軟剤は、組成物の合計重量に基づいて、0重量%~約35重量%、好ましくは2重量%~24重量%、より好ましくは4重量%~18重量%の量の第四級アンモニウム材料(活性成分)で存在する。 【0074】 一般的に言って、本発明のコンディショニング活性組成物(エステルクワットとも呼ばれる)は、脂肪酸源及びアルカノールアミンを組み合わせ、典型的には脂肪酸源が溶融し始める温度で、任意に触媒を添加して、所望のエンドポイント(例えば酸価及び最終的アルカリ価)まで、減圧にしながら反応混合物を加熱することにより製造される。結果として得られるエステルアミン中間生成物を次に、アルキル化剤を用いて四級化し、エステルクワット生成物を得る。エステルクワット生成物は、四級化モノエステル、ジエステル及びトリエステル成分の混合物であってよく、任意に、1つ以上の反応物質、中間生成物及び副生成物を含み、これには遊離アミン及び遊離脂肪酸又は親脂肪族アシル化合物が挙げられるがこれらに限定されない。 ・・・ 【0079】 当該組成物の一態様において、当該香料マイクロカプセルの壁は、1つ以上の多官能基アクリレート部分を含む材料に由来するポリマーを含み、好ましくは当該多官能基アクリレート部分は、三官能基アクリレート、四官能基アクリレート、五官能基アクリレート、六官能基アクリレート、七官能基アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択され;任意に、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートである。 ・・・ 」 「【0223】 実施例7.布地柔軟剤製品 【0224】 【表4】 [図:0001433828000007.jpg] 」 「【0229】 【表9】 [図:0001433828000008.jpg] 【0230】 【表10】 [図:0001433828000009.jpg] aEvonikから入手可能な、IV値が約20、アルキルが主にC16~C18アルキル鎖からなる、N,N-ジ(アルカノイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド bStepanから入手可能なメチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート cEvonikから入手可能な、IV値が約52、アルキルが主にC16~C18アルキル鎖からなる、N,N-ジ(アルカノイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド dエタノール又はイソプロパノール等の低分子量アルコール e元Appleton Papers,Inc.から入手可能な香料マイクロカプセル。 fジエチレントリアミン五酢酸又はヒドロキシルエチリデンー1,1-ジホスホン酸 g商品名ProxelとしてLonzaから入手可能な1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(BIT) h商品名DC2310としてDow Corning(登録商標)から入手可能なシリコーン消泡剤 iポリマー1は表1から選択され、ポリマー2は表2から選択される j商品名Bardac(登録商標)2280としてジデシルジメチルアンモニウムクロリド、又は商品名Arquad(登録商標)HTL8-MSとしてAkzo Nobelから入手可能な水素添加タローアルキル(2-エチルヘキシル)ジメチルアンモニウムメチルサルフェート k商品名Lutensol(登録商標)XL-70としてBASFから入手可能な非イオン性界面活性剤 lTWEEN 20(商標)又はTAE80(平均エトキシル化度が80のタローエトキシル化アルコール)等の非イオン性界面活性剤 m商品名DC346(登録商標)としてDow Corningから入手可能なポリジメチルシロキサンエマルジョン。 nBASFから市販されているRheovis CDE(登録商標)」 2 甲2の記載事項 「 [図:0001433828000010.jpg] 」 (甲2は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 製品名 Stepantex(R)VK90(合議体注:(R)は○にR) 化学構造 (略) 化学明細 メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート CAS登録番号 157905-74-3) 3 甲3の記載事項 「 [図:0001433828000011.jpg] 」 (甲3は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 製品名 Stepantex(R)VL90A(合議体注:(R)は○にR) 化学構造 (略) 化学明細 メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート CAS登録番号 91995-81-2) 4 甲4の記載事項 「 [図:0001433828000012.jpg] 」 「 [図:0001433828000013.jpg] 」 (第1頁) (甲4は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 商標名:SENTINELL LAVANDA 5L 3.1 物質 該当無し 3.2混合物 ・・・ 3-5% 脂肪酸、C16-18(偶数)及びC18不飽和、トリエタノールアミンとの反応生成物、硫酸ジメチル-四級化 REACH番号:01-2119463889-16、CAS:157905-74-03、EC:931-203-0) 5 甲5の記載事項 「 [図:0001433828000014.jpg] 」 (第2頁) (甲5は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 化学名 脂肪酸、C10-20及びC16-18不飽和、トリエタノールアミンとの反応生成物、硫酸ジメチル-四級化 洗浄成分 帯電防止剤、柔軟仕上げ剤、界面活性剤、界面活性剤(カチオン性) 機能 工業用添加剤 繊維柔軟剤、界面活性剤、界面活性剤(カチオン性) 機能 CAS番号 91995-81-2) 6 甲6の記載事項 「 [図:0001433828000015.jpg] 」 「 [図:0001433828000016.jpg] [図:0001433828000017.jpg] 」 7 甲7の記載事項 「As expected for esterifications of trifunctional alcohols, esterquats are showing a distribution of mono-, di- and triesters (Table-2).」(第341頁右欄第24~27行) (甲7は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 三官能性アルコールのエステル化で予想されるとおり、エステルクアットはモノ、ジ、トリエステルの分布を示す(表-2)。) 「 [図:0001433828000018.jpg] 」(第342頁左欄) (日本語訳: [図:0001433828000019.jpg] ) 8 甲8の記載事項 「 [図:0001433828000020.jpg] [図:0001433828000021.jpg] 」(第9頁第23行~第10頁第5行) (甲8は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 カチオン性軟化剤化合物 本発明の組成物において、カチオン性、非イオン性、およびアニオン性界面活性剤の範疇にある様々なタイプの柔軟仕上げ剤が有用であり得る。また、他の従来の布地柔軟化及びコンディショニング組成物用の成分、例えば、粘度、シリコーン、脂肪アルコール、脂肪エステルなどを任意に添加することができる。 カチオン性軟化剤としては、エステルクアット、イミダゾリニウムクアット、ジ脂肪族ジアミドアンモニウムメチルサルフェート、ジ脂肪族アミドアミン、ジタロウジメチルアンモニウムクロライドなどがある。好適なカチオン性軟化剤は、US5,939,377、US6,020,304、US4,830,771、US5,501,806、およびUS4,767,547に記載されており、これらの開示は全て参照により本明細書に組み込まれる。 本発明で使用する特定の柔軟剤は、2モルの脂肪酸メチルエステルと1モルのトリエタノールアミンを反応させ、次いで硫酸ジメチルで四級化することにより製造される(この調整法の詳細はUS3,915,867に開示されている)。反応生成物は以下のように分布する:(a)50%のジエステルクアット材料;(b)20%のモノエステルクアット;及び(c)30%のトリエステルクアット。) 「 [図:0001433828000022.jpg] [図:0001433828000023.jpg] 」 (第10頁 図1、第7~11行) (日本語訳: 本明細書では、上記反応の生成物混合物を「エステルクアット」と呼ぶ。これは、例えば、花王株式会社から、例えば、Tetranyl ATI-75TMとして市販されている。) 「 [図:0001433828000024.jpg] 」 (第11頁第1~16行) (日本語訳: 図1に示した上記反応のエステル化プロセス条件によっては、3種(モノ、ジ、トリ)の分布が異なる場合がある。本明細書に記載のエステルクアット化合物は、少なくとも1種の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝脂肪酸、又は誘導体を含有する脂肪酸画分と、少なくとも1種の官能化された第三級アミンとの縮合反応、ここで脂肪酸画分と第三級アミンのモル比は約1.7:1、の生成物を四級化することにより調整される。このようなエステルクアット界面活性剤の製造方法は、米国特許5637743号(Stepan)に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。 前述のモル比によって、生成物中のモノ、ジ、トリエステルクアット化合物の平衡が決定される。例えば、約1.7のモル比を用いると、約34%のモノ-エステルクアット、約56%のジ-エステルクアット、及び約10%のトリ-エステルクアットの正規化された分布となり、これは本発明に従う脂肪エステルクアット化合物である。一方、例えば、約1.96のモル比を用いると、約21%のモノ-エステルクアット、約61%のジ-エステルクアット、及び約18%のトリ-エステルクアットの正規化された分布となる。) 9 甲9(甲9の2)の記載事項 甲9は外国語で記載されているため、甲9に対応する日本語出願の公報である甲9の2により示し、その段落番号も便宜上そのまま記載し、各摘記箇所の末尾に甲9の対応箇所を記載した。 「【請求項1】 液体布地柔軟剤組成物であって、 a)前記組成物全体の3.0重量%~20重量%の第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質であって、前記第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸化合物のヨウ素価が25~50である第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質と、 b)セルロース繊維と、 c)分散香料と を含む、液体布地柔軟剤組成物。 ・・・ 【請求項5】 前記第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質が、以下の式: {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- (式中、 mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル基又は分枝状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は直鎖状であり、より好ましくはR1は、部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、 各Xは、独立して、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3、又は4であり、好ましくは各nは、2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、独立して、塩化物、硫酸メチル、及び硫酸エチルからなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである)を有するが、 ただし、Yが-O-(O)C-であるとき、各R1における炭素の合計が、13~21、好ましくは13~19である、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物。 ・・・ 【請求項12】 0.05重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~3重量%、より好ましくは0.05重量%~2.0重量%の封入有益剤を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物。 【請求項13】 前記封入有益剤がカプセルに封入されており、前記カプセルがカプセル壁を含み、前記カプセル壁が、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、レゾルシノール系材料、ポリ-イソシアネート系材料、アセタール(1,3,5-トリオール-ベンゼン-グルタルアルデヒド及び1,3,5-トリオール-ベンゼンメラミンなど)、デンプン、酢酸フタル酸セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含み、好ましくは、前記カプセル壁が、メラミン、ポリアクリレート系材料、及びこれらの組み合わせを含む1つ以上の壁材料を含む、請求項11に記載の液体布地柔軟剤組成物。」(甲9の第31頁第1行~第33頁第10行) 「【0025】 好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の例は、Evonikから商標名Rewoquat WE18、Rewoquat WE20として、Stepanから商標名Stepantex GA90、Stepantex VK90、Stepantex VL90Aとして市販されている。」(甲9の第6頁第6~8行) 「【0038】 粒子 本発明の液体布地柔軟剤組成物は、粒子も含み得る。液体布地柔軟剤組成物は、液体布地柔軟剤組成物の総重量に基づいて、0.02%~10%、好ましくは0.1%~4%、より好ましくは0.25%~2.5%の粒子を含み得る。当該粒子としては、ビーズ、真珠光沢剤、有益剤封入体、及びこれらの混合物が挙げられる。 【0039】 封入有益剤: 液体布地柔軟剤組成物は、0.05重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~3重量%、より好ましくは0.05重量%~2重量%の封入有益剤を含み得る。有益剤は、香料組成物、保湿剤、加熱剤又は冷却剤、昆虫/蛾忌避剤、微生物/カビ/白カビ制御剤、柔軟化剤、帯電防止剤、抗アレルギー剤、UV保護剤、日焼け防止剤、色相染料、酵素、及びこれらの組み合わせ、移染防止剤、漂白剤、及びこれらの組み合わせなどの色保護剤からなる群から選択される。香料組成物が好ましい。 【0040】 有益剤は、例えば、1つ以上のカプセルにおいてコアの一部として封入される。このようなコアは、希釈剤、溶媒、及び密度バランス調整剤などの他の材料を含み得る。 【0041】 カプセルは、コアを含む有益剤を少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲む壁を有する。カプセルの壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、レゾルシノール系材料、ポリ-イソシアネート系材料、アセタール(1,3,5-トリオール-ベンゼン-グルタルアルデヒド及び1,3,5-トリオール-ベンゼンメラミンなど)、デンプン、酢酸フタル酸セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。 【0042】 好ましくは、カプセルの壁は、メラミン、ポリアクリレート系材料、及びこれらの組み合わせを含む1つ以上の壁材料を含む。 ・・・ 【0044】 当該ポリアクリレート系材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。」(甲9の第8頁第9行~第9頁第15行) 「【0119】 【表1】 [図:0001433828000025.jpg] ・・・ 【0121】 【表2】 [図:0001433828000026.jpg] aProxel GXL、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液、Lonzaによって供給。この材料は、作製され、プロセスの別の時点で添加されなかった分散液の一部である。 bMP10(登録商標)、Dow Corningによって供給、8%活性 c米国特許第8,940,395号に記載のとおり、100%封入香油として表される dRheovis(登録商標)CDE、BASFによって供給されたカチオン性高分子増粘剤 eExilva(登録商標)、マイクロファイバーセルロース、100%乾物として表され、10%マイクロファイバーセルロース水分散液としてBorregaardによって供給。 f60rpmにおけるBrookfield(登録商標)DV-E粘度、スピンドル2、作製の24時間後に測定 g60rpmにおけるBrookfield(登録商標)DV-E粘度、スピンドル2、25℃で8週間保存した後に測定」(甲9の第26頁第16行~第29頁第4行) 10 甲10(甲10の2)の記載事項 甲10は外国語で記載されているため、甲10に対応する日本語出願の公報である甲10の2により示し、その段落番号も便宜上そのまま記載し、各摘記箇所の末尾に甲10の対応箇所を記載した。 「【請求項1】 複数の粒子を含む組成物であって、前記粒子が、 25重量%~94重量%の水溶性担体と、 5重量%~45重量%の第四級アンモニウム化合物と、 0.5重量%~10重量%のカチオン性ポリマーと、を含み、 前記粒子のそれぞれが、1mg~1gの質量を有し、 前記組成物の溶融物が、65℃にて1Pa・s~10Pa・s、好ましくは65℃にて1Pa・s~5Pa・sの粘度を有する、組成物。 ・・・ 【請求項9】 前記第四級アンモニウム化合物が、ジ-(タローオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。」(甲10の第50頁第1~7行、第25~26行) 「【0011】 本明細書に記載する組成物は、消費者が洗濯機に投与するのに便利な、スルー洗浄布地柔軟化組成物を提供することができる。スルー洗浄布地柔軟化組成物は、複数の粒子を含む組成物中に提供することができる。粒子は、洗剤組成物のパッケージとは別のパッケージ中に提供することができる。パッケージ中の柔軟化組成物粒子を、洗剤組成物のパッケージとは別にすることは、使用する洗剤組成物の量に関係なく、消費者が、柔軟化組成物の量を選択することが可能になるため、有益であり得る。これにより、消費者には、使用する柔軟化組成物の量をカスタマイズし、それによって達成する柔軟効果の量をカスタマイズする機会がもたらされ得、このことは、非常に価値のある消費者の利点である。」(甲10の第2頁第32行~第3頁第7行) 「【0039】 第四級アンモニウム化合物 粒子は、洗浄、特に洗浄及びすすぎサブサイクルを有する洗濯機の、洗浄サブサイクルを通して、粒子が、洗浄を通して洗濯された布地に柔軟化効果をもたらすことができるように、第四級アンモニウム化合物を含むことができる。第四級アンモニウム化合物(クワット)は、エステル第四級アンモニウム化合物であることができる。好適な第四級アンモニウム化合物には、エステルクワット、アミドクワット、イミダゾリンクワット、アルキルクワット、アミドエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が含まれるが、これらに限定されない。好適なエステルクワットとしては、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。 ・・・ 【0042】 第四級アンモニウム化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート及び脂肪酸のエステルの異性体類、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステルの異性体類、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドのエステル、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N,N-トリ(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、N,N-ビス-(パルミトイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウメチルサルフェート、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、1,2-ジ-(ステアロイル-オキシ)-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジキャノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジキャノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェート、1-メチル-1-ステアロイルアミドエトキシル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、イミダゾリンクワット(P&Gにより使われてはいない):1-タローイルアミドエチル-2-タローイルイミダゾリン、ジパルミトイルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジパルミルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。 【0043】 第四級アンモニウム化合物は、以下の式の化合物を含むことができる: {R24-m-N+-[X-Y-R1]m}A-(1) 式中、 mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、 各Xは独立して、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは、2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、塩化物、硫酸メチル、硫酸エチル及び硫酸塩からなる群から独立して選択され、好ましくはA-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、 ただし、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~21であり、好ましくは、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~19である。」(甲10の第9頁第14行~第10頁第32行) 「【0165】 【表1】 [図:0001433828000027.jpg] 1400kDaの重量平均分子量、0.18の電荷密度、及び、無水グルコース反復単位当たり、0.28%の窒素の平均重量%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース(Dow Chemicalから入手可能なPolymer PK)。 2脂肪酸部位が約18~22、約20のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タローイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(約9重量%のエタノール、及び3重量%のココナッツ油)。 3EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M CONC;ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル 【0166】 【化10】 [図:0001433828000028.jpg] 式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、C15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝鎖又は直鎖、置換又は非置換である。 480重量%の、脚注5の材料、及び、0のヨウ素価を有する、20重量%の脂肪酸のブレンド(脂肪酸、ステアリン酸及びパルミチン酸のブレンド)。 5EVONIK製の、C18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)。 6脂肪酸部位が約50~60、約56のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タローイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(約13重量%のエタノール)。 7括弧に報告する時間は、粒子溶解時間とは対照的に、洗剤組成物を含まない溶液で測定した分散時間である。 a60分後に、約25%のみが溶解した。 b60分後に、約50%のみが溶解した。 c粒子の試料は柔らかく、取り扱い、包装、輸送、及び保管が困難な可能性があった。」(甲10の第35頁第17行~第36頁第24行) 「【0182】 【表5】 [図:0001433828000029.jpg] 1EVONIK製の、C18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)。 20のヨウ素価を有する脂肪酸(脂肪酸、ステアリン酸及びパルミチン酸のブレンド)。 3400kDaの重量平均分子量、0.18の電荷密度、及び、無水グルコース反復単位当たり、0.28%の窒素の平均重量%を有する、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース。 4EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M CONC;ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル 【0183】 【化11】 [図:0001433828000030.jpg] 式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、C15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝鎖又は直鎖、置換又は非置換である。」(甲10の第42頁第1行~第43頁第10行) 11 甲11の記載事項 「【請求項1】 ポリマーシェル内に封入された香料組成物を含むマイクロカプセルであって、 前記香料組成物がフレグランスを含み、 前記ポリマーシェルが、5nm~1μmの平均一次粒径を有する固体コロイド粒子を含み、 前記ポリマーシェルが、更に i)混合物中に、化合物(I)~(III)の総質量の20質量%~75質量%の、モノエチレン性不飽和モノマー及び/又はジメチルジアリルアンモニウムクロリドである化合物(I)と、 ii)混合物中に、化合物(I)~(III)の総質量の20質量%~70質量%の、(メタ)アクリル酸のC2-C24アルキルジ-又はポリエステル、(メタ)アクリル酸のC2-C24アルキルジ-又はポリアミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリエチレン性不飽和モノマーである化合物(II)と、 iii)混合物中に、化合物(I)~(III)の総質量の0.01質量%~10質量%のシラン化合物である化合物(III)とを含む混合物を重合形態で含む、マイクロカプセル。」 「【0153】 本発明のマイクロカプセルを使用することのできる、液状の家庭用製品、洗濯用製品、パーソナルケア製品、及び化粧品の処方及び成分は当業者に周知であり、以下の実施を参照されたい: ・・・ 」 「【0163】 洗濯用製品は、柔軟剤、仕上げ剤及び洗濯洗剤からなる群から選択される。 ・・・ 【0165】 柔軟剤及び仕上げ剤としては、具体的には、従来の希釈された(例えば、製品中、柔軟剤の2質量%~8質量%)液状活性濃縮柔軟剤及び濃縮された(例えば、製品中、柔軟剤の10質量%~40質量%)液状活性濃縮柔軟剤、並びに、色落ちを防止し、又は衣類の形状及び外観を保護するための成分を含んでいてもよい仕上げ剤が挙げられる(例えば、米国特許第6,335,315号、米国特許第5,674,832号、米国特許第5,759,990号、米国特許第5,877,145号、米国特許第5,574,179号を参照することができる)。」 「【0197】 実施例1:本発明のカプセルの合成 モノマー混合物がシランモノマー(III)を含むマイクロカプセル試料1~6の調製のために、一般的製造手順を行った。合成の正確な条件及び特徴付けの結果を下記表に示す。これらの試料1~6のエマルション及びカプセル分散液間のスパン比は、全て1.25未満であり、これは、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートが、水相中のラテックス粒子の形成を防止していることを示す。 ・・・ 【0199】 モノマーの略語 MA:メタクリル酸 HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート BDMA:1,4-ブタンジオールジメタクリレート TMPS:3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレート」 「【0200】 【表1】 [図:0001433828000031.jpg] 」 「【0205】 実施例4:フレグランス漏出の測定(漏出試験法) 0.5w/w%の合成したカプセル分散液、及び99.5w/w%の試験液体基剤を含む混合物を、40℃の温度の調整したオーブン中のガラス瓶に1/2/4/6週間貯蔵する。各貯蔵期間後、混合物を振盪し、10gを回収する。この試料を遠心分離し、カプセルから柔軟剤を分離する。遠心分離した柔軟剤1gを1gのセライト(珪藻土)と混合する。545.5mLのペンタン及び50μLの内部標準溶液(組成については以下を参照のこと)を加える。混合物をローラーベッド上で1時間混合する。次いで、上清をGC/FID(フレームイオン化検出器を用いたガスクロマトグラフィー装置)に注入する。積分面積は、Agilent(登録商標)Chemstationソフトウェアを用い、FIDシグナルから決定する。各抽出物について3回分析する。内部標準液は、10mg/mL濃度の、デカン酸メチルのヘキサン溶液である。」 「【0221】 本明細書に開示されるマイクロカプセルのフレグランス漏出試験をするための一般的手順として実施例4のプロトコルに依拠する場合、以下の試験液体基剤が使用される: Praepagen(登録商標)TQ 90% 20.00質量% 脱イオン水 79.87質量% 塩化マグネシウム六水和物 99% 0.13質量% クエン酸 pH2.5になるまで 【0222】 Praepagen(登録商標)TQ 90%は、イソプロパノール中のトリエタノールアミンジアルキルエステルメトスルファート、CAS登録番号91995-81-2である。」 12 甲12の記載事項 「 [図:0001433828000032.jpg] [図:0001433828000033.jpg] 」(第1頁1.1) (甲12は外国語のため、請求人による日本語訳を記載する。 商標名 PRAEPAGEN TQ 化学的性質: 脂肪酸、C16-18(偶数)及びC18不飽和、トリエタノールアミンとの反応生成物、硫酸ジメチル-四級化-EC番号.931-203-0(旧CAS RN 91995-81-2)イソプロパノール中) 13 甲13の記載事項 「【請求項1】 コア及びシェルを含むコアシェル型構造のマイクロカプセルであって、 該コアに1種以上の有機化合物を含有し、 該シェルが、次のモノマー(A)~(C)由来の構成単位を有する共重合体(X)を含有する、マイクロカプセル。 モノマー(A):カルボキシ基を有するモノマー モノマー(B):(メタ)アクリロイル基を2個以上有する架橋性モノマー モノマー(C):第四級アンモニウム基を有するモノマー ・・・ 【請求項3】 前記モノマー(B)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。 ・・・ 【請求項10】 請求項1~7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルを含有する、繊維処理剤組成物。」 「【0013】 (コア) 本発明のマイクロカプセルのコアは、1種以上の有機化合物を含み、好ましくは、香料、香料前駆体、油剤、酸化防止剤、冷感剤、染料、色素、シリコーン、溶媒、及び油溶性ポリマーからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは香料、香料前駆体、油剤、酸化防止剤、及び溶媒からなる群から選ばれる1種以上を含有し、更に好ましくは香料及び香料前駆体からなる群から選ばれる1種以上を含有する。香料前駆体としては、例えば水に反応して香料成分を放出する化合物、具体的には、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有するケイ酸エステル化合物、香料アルコール由来のアルコキシ成分を有する脂肪酸エステル化合物、等が挙げられる。」 「【0021】 モノマー(B)の具体例としては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジオール化合物と(メタ)アクリル酸とのジエステル;ウレタンジアクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのジエステル;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリエステル;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラエステルが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。 これらの中でも、シェル強度を高め、マイクロカプセルの有機化合物の内包性及び繊維等への吸着性を向上させる観点並びに反応性の観点から、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはエチレングリコールジメタクリレートである。」 「【0039】 <マイクロカプセル> 本発明のマイクロカプセルの平均粒径は、好ましくは0.1μm以上50μm以下であり、用途に応じて適宜選択することができる。ファブリック用途の場合は1μm以上40μm以下が好ましく、ヘアケア用途の場合は1μm以上10μm以下が好ましい。当該範囲内であれば、コアに充分な量の有機化合物を保持することができる。なお、マイクロカプセルの平均粒径は、実施例に記載の方法で測定できる。」 「【0056】 <マイクロカプセルの用途> 本発明のマイクロカプセルは種々の用途に用いることができ、例えば、乳液、化粧液、化粧水、美容液、クリーム、ジェル製剤、毛髪処理剤、医薬部外品等の香粧品、洗浄剤、柔軟剤、しわ防止スプレー等の繊維処理剤、紙おむつ等の衛生用品、芳香剤等の各種用途に好適に用いることができる。 【0057】 (組成物) 本発明のマイクロカプセルを含有する組成物は、洗浄剤組成物、繊維処理剤組成物、香粧品組成物、芳香剤組成物、消臭剤組成物等として用いることができ、洗浄剤組成物、繊維処理剤組成物として用いるのが好ましい。 洗浄剤組成物としては、身体用洗浄剤組成物、衣料用洗浄剤組成物が好ましく、衣料用洗浄剤組成物がより好ましい。身体用洗浄剤組成物の例としては、皮膚用洗浄剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物が挙げられ、皮膚用洗浄剤組成物が好ましい。また、洗浄剤組成物としては、粉末洗浄剤組成物、液体洗浄剤組成物が挙げられ、液体洗浄剤組成物が好ましい。 繊維処理剤組成物としては、柔軟剤組成物が好ましい。香粧品組成物としては、身体用化粧料組成物、毛髪化粧料組成物等が挙げられる。」 「【0087】 <香料マイクロカプセルの製造> 実施例1 表2に示す組成のモデル香料A 19.1g、メタクリル酸3.7g、メタクリル酸メチル0.4g、エチレングリコールジメタクリレート3.3g、及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.08gを、マグネチックスターラーを用いて、25℃にて混合し、油相溶液を調製した。 ポリビニルアルコール(「Mowiol(登録商標)18-88」、クラレアメリカ社製)の2.0質量%水溶液125.4gに、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの80質量%水溶液1.0gを溶解させて、第四級アンモニウム基を有するモノマーを含む水溶液を調製した。 油相溶液及び前記第四級アンモニウム基を有するモノマーを含む水溶液を、ホモミキサー(型式:HM-310、HSIANGTAI MACHINERY社製)を用いて、3,000rpmで5分間乳化を行い、乳化液を調製した。この乳化液を、ジムロート冷却器を有する300mLの4つ口フラスコに移し、窒素雰囲気下、65℃で5時間重合反応させた。反応終了後、75℃で3時間熟成させ、40℃まで冷却して、モデル香料Aを内包したマイクロカプセルを17質量%で含むマイクロカプセルの分散体を得た。 このマイクロカプセルの分散体中のマイクロカプセルのメジアン径は15.0μmであった。マイクロカプセル内への香料の内包率は、リリアールが92質量%、ヘキシルシンナムアルデヒドが91質量%であった。」 「【0102】 【表5】 [図:0001433828000034.jpg] 」 「【0105】 (柔軟剤処理) 全自動洗濯機「AW-60DL(W)」(株式会社東芝製)で、水流23L、洗い12分間、脱水3分間に設定しスタートさせた。洗濯機の残り時間が15分を示したら、前記柔軟剤組成物を7.7mL入れ、5秒後に一時停止させ、上述の方法で前処理を行った14枚の木綿タオルを入れた。再度、水流23L、洗い6分間、脱水3分間に設定しスタートさせた。終了後、タオルを取り出し20℃の室内に干して1晩乾燥させた。」 14 甲14の記載事項 「 [図:0001433828000035.jpg] 」(第1頁) 15 甲15の記載事項 「【要約】 【課題】保管後の処理布であっても、擦ったときの香りの放出性が高く、香りをより感じやすくさせることができる液体柔軟剤組成物を提供すること。 【解決手段】(A) モノ/ジ-/トリ長鎖エステル型第4級アンモニウムメチルサルフェート;及び (B) 香料組成物を芯に、メチルメタクリレートと、メタクリル酸と、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種とを、それぞれ所定の量で重合することにより得られる重合物を壁とする芯鞘構造を有するマイクロカプセル を含む液体柔軟剤組成物。」 「【請求項1】 (A) アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい、C10~24の炭化水素基を分子内に1つ以上有する、3級アミン又はそれらの中和物又はそれらの4級化物;及び (B) (b-1) 芯物質が香料組成物であり、 (b-2) 壁物質が、 (b-2-1) アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24アルキルエステルの一種以上と、 (b-2-2) メタクリル酸と、 (b-2-3)1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種とを重合することにより得られるものであって、壁物質中に、 (b-2-1) アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24アルキルエステルの一以上が20~50質量%、 (b-2-2) メタクリル酸が20~60質量%、 (b-2-3) 1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートの少なくとも一種が20質量%以上の量で含まれるマイクロカプセル; を含む液体柔軟剤組成物。」 「【請求項5】 (b-2)壁物質が、(b-2-1) アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24アルキルエステルの一種以上と、(b-2-2) メタクリル酸と、(b-2-3)1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる一種とを重合することにより得られるものであることを特徴とする請求項1~4に記載の液体柔軟剤組成物。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 マイクロカプセルを活用した場合のロングラスティング効果は高いが、処理済みの衣類等を保管した場合、香りの放出性、すなわち発香性が不十分である。 そこで、本発明により、保管後の処理布であっても、擦ったときの香りの放出性が高く、香りをより感じやすくさせることができる液体柔軟剤組成物を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、(A) アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい、C10~24の炭化水素基を分子内に1つ以上有する、3級アミン又はそれらの中和物又はそれらの4級化物;及び (B) (b-1) 芯物質が香料組成物であり、 (b-2) 壁物質が、 (b-2-1) アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24アルキルエステルの一種以上と、 (b-2-2) メタクリル酸と、 (b-2-3)1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種とを重合することにより得られるものであって、壁物質中に、 (b-2-1) アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24アルキルエステルの一以上が20~50質量%、 (b-2-2) メタクリル酸が20~60質量%、 (b-2-3) 1,4-ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートの少なくとも一種が20質量%以上の量で含まれるマイクロカプセル; を含む液体柔軟剤組成物を提供することができる。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、乾燥直後の洗濯物の香りの強さを強めることができる。本発明の繊維製品処理用物品により処理した洗濯物は、トップノートを含むフレッシュな香りが長続きする。本発明によればまた、液体柔軟剤と同等又はそれ以上の柔軟性を洗濯物に付与することができる。本発明の繊維製品処理用物品は高温安定性に優れる。 【発明を実施するための形態】 【0007】 [(A)成分] (A)成分は、アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい、C10~24の炭化水素基を分子内に1つ以上有する、3級アミン又はそれらの中和物又はそれらの4級化物である。 (A)成分としては、下記化学式(A-I)~(A-VIII)で示されるアミン化合物とその有機または無機酸による中和物、およびその4級化物を例示することができる。これらは、いずれも1種または2種以上の混合物として用いることができる。2種以上を混合する場合、長鎖炭化水素基を2つまたは3つ有する化合物の質量比率が、混合物の全量を基準として50%以上95%以下、好ましくは60%以上85%以下、より好ましくは65%以上85%以下であると、仕上げ処理した繊維製品の柔軟性及び(B)成分の吸着性を良好にし、発香性を向上させる観点から好ましい。使用後自然環境中へ廃棄された後の生分解性を付与するためには、該長鎖炭化水素基の途中にエステル基を含有するカチオン性界面活性剤であることが好ましい。 【0008】 【化1】 [図:0001433828000036.jpg] 【0010】 上記3級アミンの中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸が挙げられる。本発明で用いる3級アミンは塩酸、硫酸、メチル硫酸によって中和されたアミン塩の形で用いることが好ましい。その中和工程は3級アミンを予め中和したものを水に分散してもよいし、酸水溶液中に3級アミン を液状又は固体状で投入してもよい。もちろん3級アミンと酸成分を同時に投入してもよい。また、上記3級アミンの4級化に用いる4級化剤としては塩化メチルやジメチル硫酸が挙げられる。 一般式(A-II)、(A-III)の化合物は上記脂肪酸組成物、または脂肪酸メチルエステル組成物とメチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、分散安定性を良好にする観点から、(A-III)と(A-II)の化合物の存在比率は(A-III)/(A-II)質量比で99/1~50/50となる様に合成することが好ましい。更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いるが、低分子量であり4級化に所要する4級化剤重量が少ない点で塩化メチルがより好ましい。その際、(A-II)と(A-III)で示されるエステルアミンの4級化物の存在比率も、仕上げ処理した繊維製品の柔軟性及び(B)成分の吸着性を良好にし、発香性を向上させる観点から(A-III)/(A-II)質量比で99/1~50/50となる様に合成することが好ましく、85/15~50/50となる様に合成することがより好ましい。また、(A-II)、(A-III)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、4級化物/4級化されていないエステルアミンの比率は、エステル基の加水分解安定性の観点から、質量比で99/1~70/30の質量比率であることが好ましい。 ・・・ 【0013】 本発明において用いられる(A)成分としては、前記一般式(A-IV)、(A-V)、(A-VI)の4級化物がより好ましい。前記した通り、一般式(A-IV)、(A-V)、(A-VI)の化合物は上記脂肪酸組成物、または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、(A-IV)、(A-V)、(A-VI)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性の観点から(A-IV)は5~98質量%、(A-V)は1~60質量%、(A-VI)は0.1~40質量%の比率で存在することが好ましく、(A-IV)は10~55質量%、(A-V)は30~60質量%、(VI)は5~35質量%の比率で存在することが更に好ましい。更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いるが、4級化反応を十分に進行させる点で、ジメチル硫酸がより好ましい。その際、(A-IV)、(A-V)、(A-VI)で示されるエステルアミンの4級化物の存在比率も、柔軟性の観点から質量比で(A-IV)は5~98質量%、(A-V)が1~60質量%、(A-VI)は0.1~40質量%の比率で存在することが好ましく、(A-IV)は10~55質量%、(A-V)は30~60質量%、(A-VI)は5~35質量%の比率で存在することが更に好ましい。 本発明組成物中への前記(A)成分の配合量は、好ましくは1~40質量%であり、より好ましくは3~25質量%、最も好ましくは8~20質量%である。(A)成分であるカチオン界面活性剤の配合量をこのような範囲とすることにより、(B)マイクロカプセルの吸着性が向上するので好適である。」 「【0030】 尚、前記壁物質の形成を容易にするために、前記壁物質以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の使用量で配合することができる。このような乳化剤又は分散剤としては、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩(重量平均分子量1万~100万)、エチレン-無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩(重量平均分子量1万~100万)、ポリビニルアルコール(重量平均分子量1万~100万)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体等があげられる。 本発明のマイクロカプセルの粒径は、特に制限されるものではなく、平均粒径が0.1~100μm、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.5~50μm、より好ましくは0.5~30μmとすることが望ましい。平均粒径が小さすぎると乾燥直後の香りが低下する場合があり、大きすぎると布に均一に付着しない。なお、本明細書において、マイクロカプセルの平均粒径はレーザ回折式粒度分布測定装置SALD-300V(島津製作所製)により測定することができる。 マイクロカプセルの膜厚は、好ましくは0.1~5μm、より好ましくは0.2~3μmであることが望ましい。なお、本明細書において、マイクロカプセルの膜厚は走査型電子顕微鏡(例えばHITACHI S-2380N(日立製作所製))により観察・測定することができる。 本発明のマイクロカプセルの製造方法は、本発明の効果を妨げない限り公知の方法を用いることができ、具体的には界面重合法、in-situ重合法などが挙げられる。当業者であれば反応条件は適宜設定することができる。例えば、20~100℃、好ましくは40~90℃の温度において、0.5~20bar(50000~2000000Pa)の圧力下で重合することができる。 本発明の組成物中における(B)成分のマイクロカプセルの配合量は、好ましくは0.01~10質量%である。より好ましくは0.01~8質量%である。さらに好ましくは0.05~5質量%である。0.01質量%より少ないと香気持続性が乏しくなり、10質量%より多くなると(B)成分の浮遊・沈降が顕著となるため良くない。」 「【0046】 [任意成分(D)] 本発明の組成物はさらに、通常、繊維製品用液体仕上げ剤組成物に含まれるその他の成分を含有することができる。具体的には水、溶剤、無機又は有機の水溶性塩類、染料、非イオン界面活性剤、香料、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤、スキンケア成分などを含有することができる。 本発明組成物は、好ましくは水性組成物であり、使用水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができるが、イオン交換水が好適である。」 「【0054】 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて、組成物の全量を基準とした質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。 [(A)成分] 表1に、実施例及び比較例で用いた(A)成分を示す。 【0055】 【表1】 [図:0001433828000037.jpg] 【0056】 (A-1)の合成 4級アンモニウム塩組成物の調製 A-1-1.脂肪酸メチルエステルの水素添加 オレイン酸メチル75質量%、リノール酸メチル16質量%およびステアリン酸メチル9質量%よりなるパーム脂肪酸メチル(ライオン株式会社、パステルM182、分子量296)2.5kgと市販の安定化ニッケル触媒2.5g(0.1質量%/脂肪酸メチル)を4Lのオートクレーブに仕込み、窒素ガス置換を3回行った。ついで、回転数を800rpmにあわせ、温度185℃で約54Lの水素ガスを導入した。導入した水素が完全に消費されたら、冷却し、濾過助剤を使用して触媒を除き、水素添加したパーム脂肪酸メチルを得た。けん化価より求めた分子量は297であった。GCから求めた脂肪酸メチル組成は、ステアリン酸メチル11質量%、エライジン酸メチル(トランス体)23質量%、オレイン酸メチル(シス体)66質量%、リノール酸メチル0質量%であり、不飽和脂肪酸メチルエステルのトランス/シス比率は26/74(質量比)であった。尚、不飽和アルキル基は、GCにより次の方法で測定した。 機種 :Hitachi FID ガスクロG-3000カラム:GLサイエンス TC-70(0.25mm I.Dx30) 温度 :カラム150℃ → 230℃,昇温速度10℃/min、インジェクター&デイテクター240℃カラム圧力:1.0kgf/cm2 【0057】 A-1-2.アルカノールアミンエステルとそのカチオンの合成 上記A-1-1で調製した水素添加したパーム脂肪酸メチル352g(1.19モル)に、ステアリン酸メチル243g(0.82モル)とパルミチン酸メチル188g(0.70モル)とを混合した脂肪酸メチルエステル(不飽和脂肪酸メチル/飽和脂肪酸メチルの質量比40/60)と、トリエタノールアミン250g(1.67モル)と、酸化マグネシウム0.51gと、14%水酸化ナトリウム水溶液3.69gとを、攪拌器、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた2Lの4つ口フラスコに入れ、窒素置換を行った後、窒素を0.52L/minの流量で流しておいた。1.5℃/minの速度で190℃まで昇温して、6時間反応させた。未反応メチルエステルが1質量%以下であることを確認し、反応を停止し、中間体のアルカノールアミンエステルを得た。アミン価を測定し、分子量を求めると578であった。 得られたアルカノールアミンエステル265g(0.46モル)を温度計,滴下ロート,冷却機を備えた4つ口フラスコに入れ窒素置換した。次いで85℃に加熱し、ジメチル硫酸57.4g(0.45モル)を1時間にわたり滴下した。滴下終了後、温度を90℃に保ち、1時間攪拌した。反応終了後、約62gの未変性エタノール(日本エタノール(株))を滴下しながら冷却し、エタノール溶液を調製し、最後にフェリオックスCY-115(ライオン(株))と、ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学工業(株))をそれぞれ100ppmの濃度になるように添加した。得られた反応生成物にはモノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩/トリエステルアンモニウム塩が28/53/19(質量比)で含まれていた。このエタノール溶液中には、4級化されていないモノエステルアミンとジエステルアミンとトリエステルアミンが9.0質量%含まれており、その比率は1/9/90(質量比)で存在していた。さらに副生成物として、両性化合物が2.0質量%含まれていた。」 「【0061】 [(B)成分の調製] (B-1)成分; 室温下にて5wt%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液82.19g、10wt%ポリビニルアルコール水溶液20.55g、2.5wt%亜硝酸ナトリウム水溶液0.91gを水271.62gに溶解させて水相混合物を得た。 一方、表2に示す香料組成物(b-1-1)120g、高圧水素化油70.28g、メチルメタクリレート14.31g、ペンタエリスリトールトリアクリレート14.31g、メタクリル酸19.09g、tert-ブチルパーネオデカノエート0.95gを混合攪拌し、油相混合物を得た。 水相へ油相を添加し、ディゾルバーミキサーを用いて3500rpmで40分間攪拌した。アンカーミキサーを用いて70℃で60分間さらに攪拌し、60分以内に85℃に加温し、85℃を2時間保った。攪拌しながら10%tert-ブチルヒドロペルオキサイド水溶液2.33gを加えた。50分後、2%アスコルビン酸水溶液12.24gを加えた。その後、攪拌しながら60分間かけて室温に冷却し、マイクロカプセルの水性分散液を調製した。 このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒径が約3.4μmであった。得られた(B-1)中の香料組成物(b-1-1)の含有率は約19%であった。含有率は(B-1)成分全成分量に対する香料組成物(b-1-1)の割合より求めた。 【0062】 (B-2)成分; 香料組成物として、(b-1-1)に代えて表3に示す(b-1-2)を用いたこと以外は(B-1)と同様にしてマイクロカプセルの水性分散液を調製した。 (B-1)と同様にしてマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径が約3.6μmであった。得られた(B-2)中の香料組成物(b-1-2)の含有率は約19%であった。含有率は(B-1)と同様にして求めた。 【0063】 (B-3)成分; 室温下にて5wt%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液82.19g、10wt%ポリビニルアルコール水溶液20.55g、2.5wt%亜硝酸ナトリウム水溶液0.91gを水271.62gに溶解させて水相混合物を得た。 一方、表3に示す香料組成物(b-1-2)120g、高圧水素化油70.28g、メチルメタクリレート14.31g、1,4-ブタンジオールジアクリレート14.31g、メタクリル酸19.09g、tert-ブチルパーネオデカノエート0.95gを混合攪拌し、油相混合物を得た。 水相へ油相を添加し、ディゾルバーミキサーを用いて40分間3500rpmで攪拌した。アンカーミキサーを用いて70℃で60分間さらに攪拌し、60分以内に85℃に加温し、85℃を2時間保った。攪拌しながら10%tert-ブチルヒドロペルオキサイド水溶液2.33gを加える。50分後、2%アスコルビン酸水溶液12.24gを加えた。その後、攪拌しながら60分間かけて室温に冷却し、マイクロカプセルの水性分散液を調製した。 (B-1)成分と同様にマイクロカプセルの大きさを測定した結果、平均粒径が約3.6μmであった。得られた(B-3)中の香料組成物(b-1-2)の含有率は約19%であった。含有率は(B-1)と同様にして求めた。 【0064】 (B-4)成分; 室温下にて5wt%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液20.33g、10wt%ポリビニルアルコール水溶液60.20g、2.5wt%亜硝酸ナトリウム水溶液1.12gを水207.0gに溶解させて水相混合物を得た。 一方、表3に示す香料組成物(b-1-2)144g、高圧水素化油96g、メチルメタクリレート24.0g、メタクリル酸18.1g、98wt%エチレングリコールジメタクリレート水溶液18.4g、tert-ブチルパーネオデカノエート1.20gを混合攪拌し、油相混合物を得た。 水相へ油相を添加し、ディゾルバーミキサーを用いて40分間3500rpmで攪拌した。アンカーミキサーを用いて50℃で60分間さらに攪拌し、60分以内に75℃に加温し、75℃を2時間保つ。攪拌しながら10%tert-ブチルヒドロペルオキサイド水溶液3.6gを加えた。50分後、2%アスコルビン酸水溶液16.25gを加えた。その後、攪拌しながら60分間かけて室温に冷却し、マイクロカプセルの水性分散液を調製した。 (B-1)成分と同様にマイクロカプセルの大きさを測定した結果、平均粒子径は約2.8μmであった。得られた(B-4)成分の香料組成物(b-1-2)の含有率は約24%であった。含有率は(B-1)と同様にして求めた。 【0065】 (B-5)成分; 香料組成物として(b-1-2)に代えて表4に示す(b-1-3)を用いたこと以外は(B-4)と同様にしてマイクロカプセルの水性分散液を調製した。 (B-1)成分と同様にマイクロカプセルの大きさを測定した結果、平均粒子径は約2.6μmであった。得られた(B-3)成分の香料組成物(b-1-3)の含有率は約24%であった。含有率は(B-1)と同様にして求めた。 [(C)成分:水溶性高分子] 実施例及び比較例で用いた(C)成分の水溶性高分子を以下に示す。」 「【0073】 〔処理布の発香性の評価〕 [評価用布の前処理方法] 市販の綿タオル(東進社製)を市販洗剤「トップ」(ライオン社製)により二槽式洗濯機(三菱電機製CW-C30A1-H)を用いて3回前処理を行なった。(前処理1回につき、洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回) [洗濯時すすぎ工程での処理] 前処理した綿タオル(東進社製)1.0kgを、二槽式洗濯機(三菱電機製CW-C30A1-H)を用いて、市販洗剤「トップ」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)、3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に柔軟剤組成物にて3分間柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間で脱水を1分間行った。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥させ、下記に示す評価試験に供した。」 「【0077】 〔液体柔軟剤組成物の貯蔵安定性評価〕 上記〔柔軟剤組成物の調製方法〕に基づき調製した柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS-No.11、田沼硝子工業所製)に100mL入れて密栓し、柔軟剤組成物の貯蔵安定性を以下に示す5段階評価法により評価を行った。評価サンプルは同様に密栓したサンプルを25℃条件下で1ヶ月保管し、専門パネル10名により下記の基準に基づき目視評価を行った。結果を10名の平均値で表した。結果を表9及び10に示す。 4:保存前のサンプルと同等と認められるもの 3:わずかに相分離が認められるもの 2:かなり相分離が認められるもの 1:非常に相分離が認められるもの 【0078】 【表9】 [図:0001433828000038.jpg] 」 16 甲16(甲16の2)の記載事項 甲16は外国語で記載されているため、甲16に対応する日本語出願の公報である甲16の2により示し、その段落番号も便宜上そのまま記載し、各摘記箇所の末尾に甲16の対応箇所を記載した。 「【請求項1】 液体布地柔軟剤組成物であって、 第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質と、 セルロース繊維と、 コア及び前記コアを封入するシェルを含む有益剤カプセルであって、前記シェルがポリアクリレートポリマーを含む、有益剤カプセルと を含む、液体布地柔軟剤組成物。 ・・・ 【請求項3】 前記第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質が、以下の式: {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- (式中、 mは、1、2、又は3であり、ただし、各mの値は同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル基又は分枝状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は直鎖状であり、より好ましくは、R1は部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、 各Xは、独立して、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3、又は4であり、好ましくは、各nは2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、独立して、塩化物、硫酸メチル、及び硫酸エチルからなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は硫酸メチルであり、 ただし、Yが-O-(O)C-であるとき、各R1における炭素の合計は13~21、好ましくは13~19である) を有する、請求項1又は2に記載の液体布地柔軟剤組成物。」(甲16の第34頁第1行~第35頁第2行) 「【請求項9】 前記シェルが、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料から誘導されるポリマーを含み、好ましくは、前記多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合からなる群から選択され、任意選択的に、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物。」(甲16の第34頁第20行~第35頁第3行) 「【請求項14】 布地を処理する方法であって、 a)任意選択的に前記布地を洗浄する、すすぐ、及び/又は乾燥させることと、 b)請求項1~13のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物に前記布地を接触させることと、 c)任意選択的に前記布を乾燥させることであって、前記乾燥工程が、能動的に乾燥させること及び/又は受動的に乾燥させること、を含む、乾燥させることと、を含む、方法。」(甲16の第37頁第1~6行) 「【0007】 本発明は、第四級アンモニウムエステル布地柔軟化活性物質と、セルロース繊維と、コア及び当該コアを封入するシェルを含む有益剤カプセルであって、当該シェルがポリアクリレートポリマーを含む、有益剤カプセルと、を含む、液体布地柔軟剤組成物に関する。本発明は更に、このような液体布地柔軟剤組成物の使用、及び布地、好ましくはポリエステル布地を処理する方法に関する。本発明の組成物により、異なる布地の種類にわたって封入有益剤の同様の放出がもたらされる。」(甲16の第2頁第11~16行) 「【0024】 好ましい液体布地柔軟剤組成物では、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質は、組成物の3.0重量%~25.0重量%、より好ましくは4.0重量%~18重量%、更により好ましくは4.5重量%~15重量%の濃度で存在する。第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の濃度は、組成物(希釈又は濃縮組成物)中の全柔軟化活性物質の所望の濃度、及び他の柔軟化活性物質の有無に依存し得る。より高いFSA濃度により柔軟性の利益は改善されるが、不安定性に対するリスクは、通常、より高いFSA濃度を有する布地柔軟剤組成物においてより高くなる。 【0025】 好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質としては、以下に限定されないが、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられる。好ましくは、モノエステルクワットの濃度は、全第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の2.0重量%~40.0重量%であり、ジエステルクワットの濃度は、40.0重量%~98.0重量%であり、トリエステルクワットの濃度は、0.0重量%~25.0重量%である。 【0026】 当該第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質は、以下の式の化合物: {R2(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A- (式中、 mは、1、2、又は3であり、ただし、各mの値は同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル基又は分枝状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は直鎖状であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、 各Xは、独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3、又は4であり、好ましくは、各nは2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、独立して、塩化物、硫酸メチル、及び硫酸エチルからなる群から選択され、好ましくはA-は塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、 ただし、Yが-O-(O)C-であるとき、各R1における炭素の合計は13~21、好ましくは13~19である)を有し得る。好ましくは、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の加水分解安定性を改善するために、ひいては布地柔軟剤組成物の安定性を更に改善するために、Xは、-CH2CH(CH3)-又は-CH-(CH3)-CH2-である。 【0027】 好ましい液体布地柔軟剤組成物では、第四級アンモニウム布地柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価は、0~100、より好ましくは10~60、更により好ましくは15~45である。 【0028】 好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の例は、KAO ChemicalsからTetranyl AT-1及びTetranyl AT-7590という商品名で、EvonikからRewoquat WE16 DPG、Rewoquat WE18、Rewoquat WE20、Rewoquat WE28及びRewoquat 38 DPGという商品名で、StepanからStepantex GA90、Stepantex VR90、Stepantex VK90、Stepantex VA90、Stepantex DC90、Stepantex VL90Aという商品名で市販されている。」(甲16の第5頁第1行~第6頁第12行) 「【0049】 カプセルのシェル材料は、1つ以上の多官能性アクリレート部分が含まれる材料から誘導されるポリマーを含み得る。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合からなる群から選択され得る。多官能性アクリレート部分は、好ましくは、六官能性アクリレートである。シェル材料は、アクリレート部分、メタクリレート部分、アミンアクリレート部分、アミンメタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせ、好ましくはアミンメタクリレート部分又はカルボン酸アクリレート部分からなる群から選択される部分を含む、ポリアクリレートを含み得る。」(甲16の第9頁第22行~第10頁第4行) 「【0054】 香料組成物は、好ましい封入有益剤である。香料組成物は、香料原材料を含む。封入有益剤は、精油、悪臭低減剤、臭気制御剤、シリコーン、及びこれらの組み合わせを更に含み得る。」(甲16の第10頁第25~28行) 「【0059】 好ましくは、コア/シェルカプセルは、0.5マイクロメートル~100マイクロメートル、好ましくは1マイクロメートル~60マイクロメートル、更により好ましくは5マイクロメートル~30マイクロメートルの体積加重平均粒径を有する。」(甲16の第11頁第22~24行) 「【0133】 【表1】 [図:0001433828000039.jpg] aProxel GXL、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液、Lonzaにより供給。この材料は、作製されたがプロセスの別の時点で添加されなかった分散液の一部である。 bDEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム cMP10(登録商標)、Dow Corningにより供給、8%活性 d好適なメラミンホルムアルデヒド系香料カプセルは、Encapsys(825 East Wisconsin Ave,Appleton,WI 54911)から購入することができ、以下のように作製する。25gのブチルアクリレート-アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351 25%固形分、pka4.5~4.7(Kemira Chemicals,Inc.(Kennesaw,Georgia U.S.A.)))を溶解し、200gの脱イオン水中で混合する。水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液のpHをpH4.0に調整する。部分的にメチル化されたメチロールメラミン樹脂(Cymel385、80%固形分(Cytec Industries West Paterson(New Jersey,U.S.A.)))8グラムを乳化剤溶液に添加する。200グラムの香油を機械的撹拌下で前述の混合物に添加し、温度を50℃に上げる。安定なエマルジョンが得られるまでより高速で混合した後、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をエマルジョンに添加する。この第2の溶液は、7グラムのブチルアクリレート-アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C121、25%固形分、Kemira)、120グラムの蒸留水、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、25グラムの部分的にメチル化されたメチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)を含有する。この混合物を85℃まで加熱し、連続的に撹拌しながら終夜維持して、封入プロセスを完了させる。23グラムのアセトアセトアミド(Sigma-Aldrich(Saint Louis,Mo.USA))を添加する。18マイクロメートルの体積平均粒径が得られる。次に、香料カプセルをポリビニルホルムアミド付着助剤で以下のようにコーティングする。0.6gの、ポリビニルアミン及びN-ビニルホルムアミドのカチオン変性コポリマー(BASF Corp)を添加し、終夜混合する。 e香料を封入するポリアクリレート系カプセル。 好適な香料カプセルは、Encapsys(825 East Wisconsin Ave,Appleton,WI 54911)から購入することができ、以下のように作製する。第1の油相を、37.5gの香料、0.2gのtert-ブチルアミノエチルメトアクリレート、及び0.2gのβ-ヒドロキシエチルアクリレートからなるものとし、約1時間混合した後、18gのCN975(Sartomer(Exter,PA))を添加する。後のプロセスにおいて必要となるまで溶液を混合させる。 第2の油相を、65gの香油、84gのイソプロピルミリステート、1gの2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、及び0.8gの4,4’-アゾビス[4-シアノ吉草酸]からなるものとし、ジャケット付鋼製反応器に添加する。反応器を35℃で維持し、油溶液を、2”フラットブレードミキサで500rpmにて混合する。窒素ブランケットを、300cc/分の速度で反応器に適用する。溶液を45分間で70℃まで加熱し、70℃で45分間維持し、その後75分間で50℃まで冷却する。50℃で、第1の油相を添加し、組み合わせた油を50℃で更に10分間混合する。 85gの固形分5%のCelvol 540 PVA(Sekisui Specialty Chemicals,Dallas,TX)、268gの水、1.2gの4,4’-アゾビス[4-シアノ吉草酸]、及び1.1gの21.5%NaOHを含有する水相を調製し、4,4’-アゾビス[4-シアノ吉草酸]が溶解するまで混合する。このバッチの水相のpHは、4.90であった。 油相温度が50℃まで低下したら混合を停止し、水相を混合油に添加する。高剪断攪拌を適用して、所望のサイズ特性のエマルジョンを製造する(1900rpmで60分間)。 温度を30分間で75℃まで上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間で95℃まで上昇させ、95℃で6時間維持する。このバッチを室温まで放冷した。 fRhovis(登録商標)CDE、BASFにより供給されるカチオン性ポリマーアクリレート増粘剤 gExilva(登録商標)、マイクロファイバーセルロース、100%乾物として表され、10%マイクロファイバーセルロース水分散液としてBorregaardにより供給。 hGCMSにより測定したときの、乾燥処理された綿布地の上方のヘッドスペースと乾燥処理されたポリエステル布地の上方のヘッドスペースとの比。」(甲16の第30頁第14行~第32頁第19行) 17 甲17(甲17の2)の記載事項 甲17は外国語で記載されているため、甲17に対応する日本語出願の公報である甲17の2により示し、その段落番号も便宜上そのまま記載し、各摘記箇所の末尾に甲17の対応箇所を記載した。 「【請求項1】 複数の粒子を含む組成物であって、 前記粒子が、 25重量%~94重量%の水溶性担体と、 5重量%~45重量%の、18~60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物と、 0.5重量%~10重量%のカチオン性ポリマーとを含み、 前記粒子の各々が、1mg~1gの質量を有する、組成物。 【請求項2】 前記親脂肪酸化合物のヨウ素価が、20~60、好ましくは20~56、より好ましくは20~42、より好ましくは20~35である、請求項1に記載の組成物。」(甲17の第49頁第1~11行) 「【請求項11】 前記第四級アンモニウム化合物が、ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートである、請求項1~10のいずれかに記載の組成物。」(甲17の第49頁第31~32行) 「【0012】 本明細書に記載の組成物は、消費者が洗濯機に投入するのに便利な、洗浄を通した布地柔軟剤組成物を提供することができる。洗浄を通した布地柔軟剤組成物は、複数の粒子を含む組成物で提供され得る。粒子は、洗剤組成物のパッケージとは別のパッケージで提供され得る。洗剤組成物のパッケージとは別のパッケージ内に柔軟化組成物粒子を有することは、使用される洗剤組成物の量とは無関係に、消費者が柔軟化組成物の量を選択することを可能にするため、有益となり得る。これにより、使用される柔軟化組成物の量をカスタマイズする機会を消費者に与えることができ、これは非常に価値のある消費者利益である。」(甲17の第3頁第5~15行) 「【0040】 第四級アンモニウム化合物 粒子が洗浄、特に洗浄及びすすぎのサブサイクルを有する洗濯機の洗浄サブサイクルを通して、洗濯された布地に柔軟化の利益を提供することができるように、粒子は第四級アンモニウム化合物を含み得る。第四級アンモニウム化合物(クワット)は、エステル四級アンモニウム化合物であってよい。好適な第四級アンモニウム化合物には、エステルクワット、アミドクワット、イミダゾリンクワット、アルキルクワット、アミドエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が含まれるが、これらに限定されない。好適なエステルクワットとしては、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。」(甲17の第9頁第17行~25行) 「【0043】 第四級アンモニウム化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート及び脂肪酸のエステルの異性体、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N、N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステルの異性体、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドのエステル、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチル塩化アンモニウム、N,N,N-トリ(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、N,N-ビス-(パルミトイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニュウ硫酸メチル、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N、N-ジメチルアンモニウムクロリド、1,2-ジ-(ステアロイル-オキシ)-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、ジカノラジメチルアンモニウムメチルサルフェート、1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、イミダゾリンクワット(P&Gでは使用されていない):1-タロウイルアミドエチル-2-タロウイルイミダゾリン、ジパルミトイルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジパルミチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。 【0044】 第四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る: {R24-m-N+-[X-Y-R1]m}A- (1) 式中、 mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルであり、 各Xは独立して、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは、2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、塩化物、硫酸メチル、硫酸エチル及び硫酸塩からなる群から独立して選択され、好ましくはA-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、 ただし、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~21であり、好ましくは、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~19である、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物。」(甲17の第10頁第3~34行) 「【0072】 第四級アンモニウム化合物は、The Procter & Gamble Company,Cincinnati,Ohio,USAから入手可能なBOUNCE乾燥機用シートの一部として使用され得る。第四級アンモニウム化合物は、硫酸ジメチルで四級化された、トリエタノールアミンと部分水素化タロウ脂肪酸との反応生成物であってよい。」(甲17の第14頁第21~24行) 「【0167】 【表1】 ・・・ 2脂肪酸部分が約18~22、約20のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナッツ油)。 3EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M COC、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステル、 【0168】 【化10】 [図:0001433828000040.jpg] 式中、各R1及びR2は、それぞれ独立してC15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝状又は直鎖状、置換又は非置換である。 4脚注5の材料80重量%と、0のヨウ素価を有する脂肪酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)20重量%のブレンド。 5EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)。 6脂肪酸部分が約50~60、約56のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ13重量%のエタノール) 7括弧内に報告される時間は、粒子溶解時間とは対照的に、洗剤組成物を含まない溶液中で測定される分散時間である。 a60分後に約25%のみ溶解した。 b60分後に約50%のみ溶解した。 c粒子の試料片は、柔らかく、取り扱い、梱包、輸送、保管が困難な可能性がある。」(甲17の第36頁第1~20行) 「【0183】 【表5】 [図:0001433828000041.jpg] 1EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート). 20のヨウ素価を有する脂肪酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)。 3重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び任意のアンヒドログルコース(anyoroglucose)反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース。 4EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M COC、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステル、 【0184】 【化11】 [図:0001433828000042.jpg] 式中、各R1及びR2は、それぞれ独立してC15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝状又は直鎖状、置換又は非置換である。」(甲17の第41頁第21行~第43頁第4行) 18 甲18(甲18の2)の記載事項 甲18は外国語で記載されているため、甲18に対応する日本語出願の公報である甲18の2により示し、その段落番号も便宜上そのまま記載し、各摘記箇所の末尾に甲18の対応箇所を記載した。 「【請求項1】 組成物であって、 (i)25重量%~94重量%の水溶性の第1の担体、及び 香料 を含む複数の第1の粒子であって、 それぞれが、1mg~1gの質量を有する、第1の粒子と、 (ii)25重量%~94重量%の水溶性の第2の担体、 5重量%~45重量%の、18~60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される四級アンモニウム化合物、及び 0.5重量%~10重量%のカチオン性ポリマー を含む複数の第2の粒子であって、 それぞれが、1mg~1gの質量を有する、第2の粒子と、を含み 前記第1の粒子及び前記第2の粒子が1つの包装体内に存在する、組成物。」(甲18の第53頁第1~12行) 「【請求項15】 衣類物品を処理するためのプロセスであって、 洗濯機に衣類物品を提供する工程と、 前記洗濯機の洗浄サブサイクル中の前記衣類物品を、請求項1~14のいずれかに記載の組成物と接触させる工程と、 を含むプロセス。」(甲18の第54頁第17~20行) 「【0012】 本明細書に記載の組成物は、消費者が洗濯機に投入するのに便利なスルーザウォッシュ布地柔軟化組成物を提供することができる。スルーザウォッシュ布地柔軟化組成物は、複数の粒子を含む組成物で提供され得る。粒子は、洗剤組成物の包装体とは別個の包装体内に提供され得る。洗剤組成物の包装体とは別個の包装体内に柔軟化組成物の粒子を有することは、使用される洗剤組成物の量とは無関係に、消費者が柔軟化組成物の量を選択することが可能になるので有益であり得る。これにより、使用される柔軟化組成物の量、ひいては、得られる柔軟化効果の大きさをカスタマイズする機会を消費者に与えることができ、これは非常に価値のある消費者利益である。」(甲18の第3頁第11~20行) 「【0040】 四級アンモニウム化合物 粒子が、洗浄を通して、具体的には洗浄及びすすぎのサブサイクルを有する洗濯機の洗浄サブサイクル中に、洗濯される布地に柔軟化効果をもたらすことができるように、粒子は四級アンモニウム化合物を含んでいてよい。四級アンモニウム化合物(クワット)は、エステル四級アンモニウム化合物であってよい。好適な四級アンモニウム化合物としては、エステルクワット、アミドクワット、イミダゾリンクワット、アルキルクワット、アミドエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルクワットとしては、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。」(甲18の第9頁第26行~第10頁第2行) 「【0043】 四級アンモニウム化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート及び脂肪酸のエステルの異性体、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステルの異性体、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドのエステル、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N,N-トリ(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、N,N-ビス-(パルミトイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、1,2-ジ-(ステアロイル-オキシ)-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェート、1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、イミダゾリンクワット(もはやP&Gでは使用されていない):1-タローイルアミドエチル-2-タローイルイミダゾリン、ジパルミトイルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジパルミトイルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。 【0044】 四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る: {R24-m-N+-[X-Y-R1]m}A- (1) [式中、 mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、 各R1は、独立して、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり、 各R2は、独立して、C1~C3アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、 各Xは独立して、(CH2)n、CH2-CH(CH3)-又はCH-(CH3)-CH2-であり、 各nは、独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは、2であり、 各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、 A-は、クロリド、メチルサルフェート、エチルサルフェート及びサルフェートからなる群から独立して選択され、好ましくはA-は、クロリド及びメチルサルフェートからなる群から選択され、 ただし、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~21であり、好ましくは、Yが-O-(O)C-である場合、各R1の炭素の合計が13~19である]。」(甲18の第10頁第14行~第11頁第12行) 「【0147】 水溶性の第1の担体は、上記の水溶性担体のいずれを含んでいてもよい。第1の粒子は、約1重量%~約20重量%の香料を含み得る。香料は、非封入香料、封入香料、又は非封入香料と封入香料との組み合わせであってよい。封入香料は、シェル壁に含有される香油であってよい。」(甲18の第31頁第3~第7行) 「【0180】 【表1】 ・・・ 2脂肪酸部分が~18~22;約20のヨウ素価を有するDEEDMAC(ジ-タローイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(約9重量%のエタノール及び3重量%のココヤシ油)。 3REWOQUAT DIP V 20 M CONC、EVONIKから入手可能;ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル 【0181】 【化10】 [図:0001433828000043.jpg] [式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、C15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝鎖状又は直鎖状、置換又は、無置換である]。 4脚注5の材料80重量%と、ヨウ素価0を有する脂肪族酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)20重量%とのブレンド。 5EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)。 6脂肪酸部分が~50~60;約56のヨウ素価を有するDEEDMAC(ジ-タローイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(約13重量%のエタノール) 7括弧内に報告される時間は、粒子溶解時間と対照的に洗剤組成物を含まない溶液中で測定した分散時間である。 a60分間後に約25%しか溶解しなかった。 b60分間後に約50%しか溶解しなかった。 c粒子の標本は柔らかく、取り扱い、包装、出荷、及び保管が困難である可能性が高い。」(甲18の第39頁第4~23行) 「【0197】 【表5】 [図:0001433828000044.jpg] 【0198】 【化11】 [図:0001433828000045.jpg] [式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、C15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝鎖状又は直鎖状、置換又は、無置換である]。」(甲18の第44頁第26行~第46頁第8行) 第8 無効理由1(新規性)及び無効理由2(進歩性)についての合議体の判断 1 甲1を主引用例とする無効理由1-1(新規性欠如)及び2-1(進歩性欠如)について (1) 甲1に記載された発明 甲1の請求項1、【0012】、【0073】及び【0079】を参照すると、甲1には実施例7のF6(【0223】、【0224】、【0229】)として、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「香料マイクロカプセルを0.4重量%、メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートを6重量%、低分子量アルコールを0.5重量%、香料を1.2重量%、キレート剤を0.006ppm、防腐剤を0.05重量%、消泡剤を0.05重量%、ポリマー1を0.35重量%、ポリマー2を0.05重量%、水溶性ジアルキルクワットを0.25重量%、安定化界面活性剤を0.1重量%、染料を0.02ppm、塩酸を0.01重量%、脱イオン水を残部含有する布地柔軟剤製品」 (2) 対比 甲1発明の「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート」は、訂正発明1の「第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され、」に相当し、甲1発明の「布地柔軟剤製品」は、訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当し、「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートを6重量%」含有するから、訂正発明1の「布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み」を充足する。また、甲1発明の「香料マイクロカプセル」は、訂正発明1の「香料カプセル化剤」に相当する。 そうすると、訂正発明1と甲1発明は、「布地ケア組成物であって、前記布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含む、布地ケア組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1-1> 訂正発明1では、「香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、前記コアが、香料を含み」、「前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」のに対し、甲1発明では、その点について明記されていない点。 <相違点1-2> 第四級アンモニウムエステル化合物が、訂正発明1は「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含」むのに対し、甲1発明は「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート」である点。 (3) 判断 ア 相違点1-1について 甲1には、香料マイクロカプセルのシェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレートや、イソシアヌレートトリアクリレートは記載されておらず、これらの材料を用いたシェルについて実施例等の具体的な記載もない。 したがって、相違点1-1は実質的な相違点である。 甲1発明の香料マイクロカプセルについて、甲1には、一態様として、シェルが多官能基アクリレート部分を含む材料に由来するポリマーを含むことが記載されているが(【0079】)、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートは記載されておらず、これらを用いた実施例等の具体的な記載もない。また、甲2~8、15にも、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていない。 そうすると、甲1発明において、甲1、甲2~甲8、甲15の記載に基いて、(メタ)アクリレート材料を、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されるものとすることを当業者が動機づけられたとはいえない。 イ 相違点1-2について 甲1発明の「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート」は、その化合物名からジエステルクワットであると認められ、15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとは認められない。 したがって、相違点1-2は、実質的な相違点である。 甲1には、「合計エステルクワットに対して、20%未満のトリエステルクワットと10%未満のモノエステルクワットを含むエステルクワット布地柔軟剤活性物質」(【0013】)、「合計エステルクワットに対して、30%未満のトリエステルクワットと10%未満のモノエステルクワットを含むエステルクワット布地柔軟剤活性物質」(【0014】)、「布地柔軟剤活性物質は、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの混合物からなる群から選択される」(【0020】参照)、「エステルクワットは、トリエタノールアミンと脂肪酸との1:1.5~1:2.1の範囲のモル比の反応生成物であり」(【0057】参照)、「エステルクワット生成物は、四級化モノエステル、ジエステル及びトリエステル成分の混合物であってよく」(【0074】参照)と記載されているものの、四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとすることを記載ないし示唆するものでない。 甲3及び甲5は、部分水素化タローエステルを部分構造として含む化合物を開示するものであるから、「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート」を開示するものではない。また、甲2、甲4、甲6、甲7及び甲8及び甲15も、甲1発明の四級アンモニウムエステル化合物を40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとすることを記載ないし示唆するものではない。 ウ 請求人の主張について (ア) 請求人は、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」点は、甲1の段落0079に記載されているから、相違点にならない旨主張している(審判請求書140頁4~5行)。 また、請求人は、甲1に記載のFSAb(Stepanから入手可能なメチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート)は、本件特許明細書の段落0077において好適な第四級アンモニウムエステル化合物として例示されているStepantex VK90及びStepantex VL90Aとして市販の化合物名と一致する。そのため、甲1に記載のFSAbは発明特定事項B-4(合議体注:相違点1-2に相当)を満たす蓋然性が高い」と主張する(審判請求書138頁1~7行)。 しかしながら、本件訂正後の訂正発明1のシェルを構成する(メタ)アクリレート材料は、「六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物」「から選択されるモノマーから誘導される」ものであり、甲1の段落【0079】には、甲1発明の香料マイクロカプセルのシェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレートや、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていない。 また、甲1には、甲1発明の第四級アンモニウム布地柔軟剤活性物質としてトリエステルクアットを含むものを用いた実施例等の具体的な記載はなく、甲2~甲8、甲15を参照しても、甲1発明の「メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート」を「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含」むものであると推測するに足る根拠は見当たらないし、そのような構成とすることを、当業者が想起したともいえない。 (イ) 請求人は、審判請求書において、甲1の【請求項9】、【0020】、【0074】の記載から、甲1発明において当業者がカチオン性第四級布地柔軟剤活性物質としてトリエステルクアットを含むものを適宜用いることに何ら困難性はなく、容易に想到し得たことであること、及び、本件特許明細書には、カプセル化剤の壁材料としてW(六官能性アクリレートモノマーから誘導されたポリアクリレート)を用いた場合には、トリエタノールアミンから誘導された柔軟化活性物質C(エステルクアットC)と、トリエステルクアットを含まないエステルクアットAやエステルクアットBを用いた場合と比較して顕著な効果は奏されないと主張する(審判請求書130頁25行~131頁22行)。 しかしながら、本件訂正後の訂正発明1は、「13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される、ジエステル第四級アンモニウムエステル材料(ジエステルクアット)を40.0重量%~60.0重量%及びトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリステルクアット」)を15重量%~38.0重量%含む第四級アンモニウム材料」を用いるものであって、カプセル化剤の壁材料であるシェルの(メタ)アクリレート材料が「六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」ことを発明特定事項とするものである。そして、これらを当業者が容易に想到し得たとはいえないことは、前記(ア)のとおりである。 (ウ) 以上のとおりであるから、前記(ア)及び(イ)の請求人の主張は採用できない。 エ まとめ 前記ア~ウのとおり、前記相違点1-1及び相違点1-2は実質的な相違点であるから、訂正発明1は、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1に記載された発明および甲1、甲2~甲8、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、訂正発明2~4、6~10、12~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、これらの発明も甲1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明および甲1、甲2~甲8、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。。 したがって、訂正発明1~4、6~10、12~16は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。また、訂正発明1~10、12~16は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものともいえない。 2 甲11を主引用例とする無効理由1-2(新規性欠如)及び2-2(進歩性欠如)について (1) 甲11に記載された発明 甲11の【請求項1】、【0163】、【0165】、【0197】、【0199】、【0200】を参照すると、甲11には、実施例4(【0205】)として、以下の発明(以下「甲11発明」という。)が記載されている。 「0.5w/w%の合成したカプセル分散液、及び99.5w/w%の試験液体基剤を含む混合物であって、合成したカプセルはフレグランス/モノマー比が2.63であり、モノマーがMA:メタクリル酸を39質量%、MMA:メチルメタクリレートを15質量%、BDMA:1,4-ブタンジオールジメタクリレートを41質量%、TMPS:3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートを5質量%含み、試験液体基剤はPraepagen(登録商標)TQ 90%を20.00質量%、脱イオン水79.87質量%、塩化マグネシウム六水和物 99% 0.13質量%、クエン酸 pH2.5になるまで含み、Praepagen(登録商標)TQ 90%は、イソプロパノール中のトリエタノールアミンジアルキルエステルメトスルファートである、柔軟剤、仕上げ剤及び洗濯洗剤からなる群から選択される洗濯用製品」 (2) 対比 甲11発明の「トリエタノールアミンジアルキルエステルメトスルファート」は、訂正発明1の「第四級アンモニウムエステル化合物」に相当し、「Praepagen(登録商標)TQ」は、「脂肪酸、C16-18(偶数)及びC18不飽和」の反応生成物である(甲12)から、「13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され」を充足し、その配合量は、0.995×0.9×0.2×100=17.91(重量%)であるから、訂正発明1の「3重量%~25重量%」を充足する。また、甲11発明の「合成したカプセルはフレグランス/モノマー比が2.63であり、モノマーがMA:メタクリル酸を39質量%、MMA:メチルメタクリレートを15質量%、BDMA:1,4-ブタンジオールジメタクリレートを41質量%、TMPS:3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートを5質量%含み」は、訂正発明1の「シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前し」記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、前記コアが、香料を含」む「香料カプセル化剤」に相当し、甲11発明の「柔軟剤、仕上げ剤及び洗濯洗剤からなる群から選択される洗濯用製品」は、訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当する。 そうすると、訂正発明1と甲11発明は、 「布地ケア組成物であって、組成物が、香料カプセル化剤と、前記組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され」たものである、「布地ケア組成物」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点11-1> 訂正発明1は、「前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」のに対し、甲11発明は、その点について明記されていない点。 <相違点11-2> 第四級アンモニウムエステル化合物が、訂正発明1は「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含」むのに対し、甲11発明は「トリエタノールアミンジアルキルエステルメトスルファート」である点。 (3) 判断 ア 相違点11-1について 甲11には、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレートや、イソシアヌレートトリアクリレートは記載されておらず、これらの材料を用いたシェルについて実施例等の具体的な記載もない。 したがって、相違点11-1は実質的な相違点である。 また、甲6~8、12及び15にも、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていない。 そうすると、甲11発明において、甲11、甲6~甲8、甲12、甲15の記載に基いて、(メタ)アクリレート材料を、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されるものとすることを当業者が動機づけられたとはいえない。 イ 相違点11-2について 甲11発明の「トリエタノールアミンジアルキルエステルメトスルファート」は、その化合物名からジエステルクワットであると認められ、15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとは認められない。 したがって、相違点1-2は、実質的な相違点である。 甲11には、四級アンモニウムエステル化合物を、40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとすることを記載ないし示唆するものではなく、甲6~甲8、甲12および甲15も、甲11発明の四級アンモニウムエステル化合物を40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとすることを記載ないし示唆するものではない。 そうすると、甲11発明において、甲1、甲6~甲8、甲12、甲15の記載に基いて、(メタ)アクリレート材料が、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されるものとすることを当業者が動機づけられたとはいえない。 ウ 請求人の主張について (ア) 請求人は、(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される点は、甲11の段落0081に記載されており、相違点にならない旨主張する。(審判請求書152頁23~25行) しかしながら、甲11の【0081】の記載は、前記第7 11のとおりであり、本件訂正後の訂正発明1の「六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」ことを記載ないし示唆するものではない。 (イ) 請求人は、第四級アンモニウムエステル化合物中の各エステルクアットの濃度は、当業者が適宜設定し得るものに過ぎず、例えば、甲7、甲8、及び甲15に記載の各エステルクアットの濃度は、本件の発明特定事項を満たすものであり、甲11に記載された発明において、このような各エステルクアットの濃度を適宜設定することは当業者が容易に想到し得たことであるとも主張する。(審判請求書151頁5~11行) しかしながら、本件訂正後の訂正発明1は、「13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導される、ジエステル第四級アンモニウムエステル材料(ジエステルクアット)を40.0重量%~60.0重量%及びトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリステルクアット」)を15重量%~38.0重量%含む第四級アンモニウム材料」を用いることを発明特定事項とするものである。そして、これらを当業者が容易に想到し得たとはいえないことは、前記イのとおりである。 (ウ) 請求人は、所定の第四級アンモニウムエステル化合物を採用することによる顕著な効果は存在せず(審判請求書145頁18行~20行)(審判請求書151頁3行~11行)、特定の(メタ)アクリレート材料を採用することによる顕著な効果も存在しないと主張する。(審判請求書152頁22行~153頁2行) しかしながら、本件特許明細書には、下記第10 1のとおり、ジエタノールアミンから誘導されたエステルクアットA、トリエタノールアミンから誘導されたエステルクアットC、六官能性芳香族アクリレートから誘導されたポリアクリレートW、イソシアヌレートアクリレートから誘導されたポリアクリレートを用いた香料強度の評価試験において、湿潤タッチポイント試験では、CとXを含むカプセル化剤が最大の香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤はCと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤よりも高い香料強度を提供し、乾燥タッチポイント試験では、CとWを含むカプセル化剤が最大の香料強度を提供し、XとCを含むカプセル化剤は、XとAを含むカプセル化剤と比較して高い香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤はCと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤よりも高い香料強度を提供したこと、および、摩擦タッチポイント試験では、CとXを含むカプセル化剤はAとXを含むカプセル化剤と比較してより高い香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤はCと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤よりも高い香料強度を提供したことが記載されているから、前記請求人の主張は採用できない。 (エ) 以上のとおりであるから、前記(ア)(イ)および(ウ)の請求人の主張は採用できない。 エ まとめ 前記ア~ウのとおり、前記相違点11-1および相違点11-2は実質的な相違点であるから、訂正発明1は、甲11に記載された発明ではなく、甲11に記載された発明および甲11、甲1、甲6~甲10、甲12、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、訂正発明2~4、6~10、12~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、これらの発明も甲11に記載された発明ではなく、甲11に記載された発明および甲11、甲1、甲6~甲10、甲12、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。。 したがって、訂正発明1~4、6~10、12~16は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。また、訂正発明1~10、12~16は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。 3 甲13を主引用例とする無効理由1-3(新規性欠如)及び2-3(進歩性欠如)について (1) 甲13に記載された発明 甲13の【請求項1】及び【0013】を参照すると、甲13には、実施例1(【0087】、【0102】、【0105】)として、以下の発明(以下「甲13発明」という。)が記載されている。 「イオン交換水81.97質量部と、植物脂肪酸とトリエタノールアミンを1.65/1モルで反応させた、エステルアミンを公知の方法によりジメチル硫酸で4級化させたものであるカチオン系柔軟基剤13質量部と、モデル香料Aを内包したマイクロカプセル1.2質量部を含む柔軟剤組成物であって、マイクロカプセルは、モデル香料A19.1gに対して、モノマーとしてメタクリル酸3.7g、メタクリル酸メチル0.4g、エチレングリコールジメタクリレート3.3g、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド0.8gを混合して得られたマイクロカプセルである、柔軟剤組成物」 (2) 対比 甲13発明の「柔軟剤組成物」は、訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当する。甲13発明の「植物脂肪酸とトリエタノールアミンを1.65/1モルで反応させた、エステルアミンを公知の方法によりジメチル硫酸で4級化させたものであるカチオン系柔軟基剤」について、「植物脂肪酸」が炭素原子が16または18個である脂肪酸を含むことは技術常識である(甲14参照)から、訂正発明1の「13~22個の炭素原子を含有するアルキル基部分を有する脂肪酸から誘導され」た「第四級アンモニウムエステル化合物」に相当し、「カチオン系柔軟剤13質量部」は、「布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエスエル化合物を含み」を充足する。また、甲13発明の「モデル香料Aを内包したマイクロカプセル1.2質量部を含」み、「マイクロカプセルは、モデル香料A19.1gに対して、モノマーとしてメタクリル酸3.7g、メタクリル酸メチル0.4g、エチレングリコールジメタクリレート3.3g、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド0.8gを混合して得られたマイクロカプセルである」は訂正発明1の「シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、前記コアが、香料を含」む「香料カプセル化剤」に相当する。さらに、甲13発明の「柔軟剤組成物」は訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当する。 そうすると、訂正発明1と甲13発明は、 「布地ケア組成物であって、布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13~22個の炭素原子を含有するアルキル基部分を有する脂肪酸から誘導され」たものである「布地ケア組成物」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点13-1> 訂正発明1は、「前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」のに対し、甲13発明では、その点について明記されていない点。 <相違点13-2> 第四級アンモニウムエステル化合物が、訂正発明1は「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含」むのに対し、甲13発明では、「植物脂肪酸とトリエタノールアミンを1.65/1モルで反応させた、エステルアミンを公知の方法によりジメチル硫酸で4級化させたものであるカチオン系柔軟基剤」である点。 (3) 判断 ア 相違点13-1について 甲13発明のマイクロカプセルについて、甲13には、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていないし、具体例も記載されていない。 したがって、相違点13―1は実質的な相違点である。 また、甲6~甲8、甲15においても、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていない。 そうすると、甲13発明において、甲13、甲6~甲8、甲15の記載に基いて、(メタ)アクリレート材料を、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されるものとすることを当業者が動機づけられたとはいえない。 イ 相違点13-2について 甲13発明の「植物脂肪酸とトリエタノールアミンを1.65/1モルで反応させた、エステルアミンを公知の方法によりジメチル硫酸で4級化させたものであるカチオン系柔軟基剤」について、所定の脂肪酸とトリエタノールアミンを反応させて製造したエステル化生成物がモノエステル体、ジエステル体、トリエステル体を含み得ることは周知の技術的事項であるから(甲6~甲8、甲15参照)、甲13発明の前記「4級化させたものであるカチオン系柔軟剤」がモノエステルクアット、ジエステルクアット、トリエステルクアットを含む蓋然性が高いといえる。反応に用いられる脂肪酸と第三級アミンのモル比によって生成物中のモノ、ジ、トリエステルクアット化合物の平衡が決定され(甲8参照)、甲15の【表1】A-1には、脂肪酸とトリエタノールアミンのモル比が(1.19+0.82+0.7):1.67=1.62:1であって、モノエステル:ジエステル:トリエステル質量比=28:53:19である特定の第四級アンモニウム塩が記載されているものの、甲15は甲13と使用した植物脂肪酸の種類や合成条件が同様ではないから、甲8や甲15の記載をもって、甲13発明のカチオン系柔軟剤のモノエステルクアット、ジエステルクアット、トリエステルクアットの比率が甲15のA-1と同様に訂正発明1に特定される濃度範囲を充足するとまではいえない。 したがって、相違点13-2は実質的な相違点である。 また、甲6~甲8、甲15も、甲13発明の四級アンモニウムエステル化合物を40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含むものとすることを記載ないし示唆するものではない。 ウ 請求人の主張について (ア) 請求人は、「(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」点は、甲13の段落0021に記載されているから、相違点にならない旨主張する。(審判請求書152頁24~26行) しかしながら、本件訂正後の訂正発明1のシェルを構成する(メタ)アクリレート材料は、「六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物」「から選択されるモノマーから誘導される」ものであり、甲13の段落【0021】には、甲13発明の香料マイクロカプセルのシェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレートや、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載も示唆もされていない。 (イ) 請求人は、所定の第四級アンモニウムエステル化合物を採用することによる顕著な効果は存在せず(審判請求書163頁3行~11行)、特定の(メタ)アクリレート材料を採用することによる顕著な効果も存在しないと主張する。(審判請求書164頁22行~165頁4行) しかしながら、前記2(3)ウ(ウ)のとおり、請求人の主張は採用できない。 (ウ) 以上のとおりであるから、前記(ア)および(イ)の請求人の主張は採用できない。 エ まとめ 前記ア~ウのとおり、前記相違点13-1および相違点13-2は実質的な相違点であるから、訂正発明1は、甲13に記載された発明ではなく、また、甲13に記載された発明および甲1、甲6~甲8、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、訂正発明2~4、6~10、12~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、これらの発明も甲13に記載された発明ではなく、甲13に記載された発明および甲13、甲6~甲8、甲15に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。。 したがって、訂正発明1~4、6~10、12~16は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。また、訂正発明1~10、12~16は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものともいえない。 4 甲15を主引用例とする無効理由1-4(新規性欠如)及び2-4(進歩性欠如)について (1) 甲15に記載された発明 甲15の【請求項1】を参照すると、甲15には、実施例1(【0054】~【0057】、【0061】~【0065】、【0073】、【0077】~【0078】)として、以下の発明(以下「甲15発明」という。)が記載されている。 「モノ/ジ/トリ長鎖エステル型第4級アンモニウムメチルサルフェート[(a)モノエステル:(b)ジエステル:(c)トリエステル質量比=28:53:19](A-1)を15質量%、マイクロカプセル成分(B-1)を2質量%含み、マイクロカプセル成分(B-1)は、芯物質が香料組成物b-1-1であり、壁物質が、メチルメタクリレート14.31g、ペンタエリスリトールトリアクリレート14.31g、メタクリル酸19.09gを重合することにより得られたものである、柔軟剤組成物」 (2) 対比 甲15発明の「モノ/ジ/トリ長鎖エステル型第4級アンモニウムメチルサルフェート[(a)モノエステル:(b)ジエステル:(c)トリエステル質量比=28:53:19](A-1)を15質量%」は、訂正発明1の「組成物の3重量%~25重量%第四級アンモニウムエステル化合物を含み」、「第四級アンモニウムエステル化合物は」「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含み」に相当する。 そして、甲15の【0056】を参照すると、(A-1)の合成時には「パーム脂肪酸メチル」を使用しているから、炭素数18の炭化水素基を有しているので、訂正発明1の「13~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され」を充足する。 また、甲15発明の「芯物質が香料組成物b-1-1であり、壁物質が、メチルメタクリレート14.31g、ペンタエリスリトールトリアクリレート14.31g、メタクリル酸19.09gを重合することに得られたものである」「マイクロカプセル成分(B-1)」は、訂正発明1の「シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、前記コアが、香料を含」む「香料カプセル化剤」に相当する。さらに、甲15発明の「柔軟剤組成物」は訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当する。 そうすると、訂正発明1と甲15発明は、 「布地ケア組成物であって、布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、 前記第四級アンモニウムエステル化合物は、13~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され、 前記四級アンモニウムエステル化合物の40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、前記四級アンモニウムエステル化合物の15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む、 布地ケア組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点15-1> 訂正発明1は、「前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」のに対し、甲15発明は、「メチルメタクリレート14.31g、ペンタエリスリトールトリアクリレート14.31g、メタクリル酸19.09gを重合することにより得られたものである」点。 (3) 判断 ア 相違点15-1について 甲15発明のマイクロカプセルについて、甲15には、壁物質を構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されておらず、これらの材料を用いた壁物質について実施例等の具体的な記載もない。 したがって、相違点15-1は実質的な相違点である。 また、甲1、甲7~甲10、甲17、甲18にも、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することは記載されていない。 そうすると、甲15発明において、甲1、甲7~甲10、甲15、甲17、甲18に記載された事項に基いて、(メタ)アクリレート材料を、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されるものとすることを当業者が動機づけられたとはいえない。 イ 請求人の主張について (ア) 請求人は、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」点は、甲15の請求項1及び5に、ペンタエリスリトールトリアクリレートが記載されているから、相違点にならない旨主張する。(審判請求書177頁9~10行) しかしながら、本件訂正後の訂正発明1のシェルを構成する(メタ)アクリレート材料は、「六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物」「から選択されるモノマーから誘導される」ものであり、甲15の請求項1及び5には、シェルを構成する(メタ)アクリレート材料として六官能性芳香族アクリレートや、イソシアヌレートトリアクリレートを使用することを記載するものではない。 (イ) 請求人は、所定の第四級アンモニウムエステル化合物を採用することによる顕著な効果は存在せず(審判請求書175頁13行~22行)、特定の(メタ)アクリレート材料を採用することによる顕著な効果も存在しないとも主張する。(審判請求書177頁7行~15行) しかしながら、前記2(3)ウ(ウ)のとおり、請求人の主張は採用できない。 (ウ) 以上のとおりであるから、前記(ア)および(イ)の請求人の主張は採用できない。 ウ まとめ 前記ア~イのとおり、前記相違点15-1は実質的な相違点であるから、訂正発明1は、甲15に記載された発明ではなく、甲15に記載された発明および甲15、甲1、甲7~甲10、甲17、甲18に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、訂正発明2~4、6~10、12~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、これらの発明も甲15に記載された発明ではなく、甲15に記載された発明および甲15、甲1、甲7~甲10、甲17、甲18に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。。 したがって、訂正発明1~4、6~10、12~16は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。 また、訂正発明1~10、12~16は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものともはいえない。 5 甲16を主引用例とする無効理由1-5(新規性欠如)及び2-5(進歩性欠如)について (1) 甲16に記載された発明 甲16の【請求項1】、【請求項9】、【0054】を参照すると、甲16には例4(【0133】)として、以下の発明(以下「甲16発明」という。)が記載されている。 「NaHEDP0.007質量%、ギ酸0.045質量、HCl0.001質量%、防腐剤0.023質量%、FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)9.19質量%、消泡剤0.101質量%、ココナッツ油0.31質量%、イソプロパノール0.94質量%、CaCl20.008質量%、香料を封入するポリアクリレート系カプセル0.4質量%、セルロース機能付付着助剤0.3質量%を含有し、残部が脱イオン水であり、カプセルのシェル材料は、モノマーとしてtert-ブチルアミノエチルメトアクリレート、β-ヒドロキシエチルアクリレート、CN975を用いて得られたものである、液体布地柔軟剤組成物」 (2) 対比 甲16発明の「液体布地柔軟剤組成物」は、訂正発明1の「布地ケア組成物」に相当する。甲16発明の「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」は、訂正発明1の「第四級アンモニウムエステル化合物」に相当し、液体布地柔軟剤組成物中に9.19質量%含まれるから、訂正発明1の「布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み」を充足する。甲16発明の「香料を封入するポリアクリレート系カプセル」の「シェル材料は、モノマーとしてtert-ブチルアミノエチルメトアクリレート、β-ヒドロキシエチルアクリレート、CN975を用いて得られたものである」は、「CN975」が、本件特許明細書の実施例の一次カプセル化剤シェル材料「W」にて使用したアクリレートであり、六官能性芳香族ウレタンアクリレートであるから(本件特許明細書の【0046】、【0117】【表2】Wを参照)、訂正発明1の「シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、前記コアが、香料を含」む「香料カプセル化剤」であり、「前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される」に相当する。 そうすると、訂正発明1と甲16発明は、 「布地ケア組成物であって、布地ケア組成物が、香料カプセル化剤と、前記布地ケア組成物の3重量%~25重量%の第四級アンモニウムエステル化合物を含み、 前記香料カプセル化剤が、シェルと、前記シェルによって包囲されたコアと、を含み、前記シェルが、(メタ)アクリレート材料を含み、 前記コアが、香料を含み、」 「(b)前記(メタ)アクリレート材料は、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される、布地ケア組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点16-1> 第四級アンモニウムエステル化合物が、訂正発明1は「13~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され」「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む、」のに対し、甲16発明は「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」である点。 (3) 判断 ア 相違点16-1について 甲16発明の「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」は、ジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)であり、「13個~22個の炭素原子を含有するアルキル部分を有する脂肪酸から誘導され、」た「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)」を含むものとは認められない。 したがって、相違点16-1は実質的な相違点である。 甲16発明の「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」は、第四級アンモニウムにエタノール水酸基がエステル化されたジエステルを有するものであるところ、甲16には、「第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質」の脂肪酸部分の炭素の合計について、「好ましくは13~19である」との記載(【0026】)があり、「好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質としては、以下に限定されないが、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられる。」(【0025】)とも記載されている。しかしながら、トリエステルクワット又はトリエステルの混合物を第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質として用いた実施形態は記載されていない。さらに、甲16には、当該記載に続き「モノエステルクワットの濃度は、全第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の2.0重量%~40.0重量%であり、ジエステルクワットの濃度は、40.0重量%~98.0重量%であり、トリエステルクワットの濃度は、0.0重量%~25.0重量%である。」と記載されている。しかしながら、ジエステルクワット以外のエステルクワットについての記載に着目すると、モノエステルクワットの濃度は「2.0重量%~40.0重量%」である一方、トリエステルクワットについては「0.0重量%~25.0重量%である」として、トリエステルクワットを含有しない態様をも包含されており、第四級アンモニウムエステルの混合物を採用する場合でも、トリエステルクワットは任意成分に過ぎない。 そうすると、甲16の記載に接した当業者が、甲16発明の「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」またはその一部を、トリエチルエステルメチル塩化アンモニウムといったトリエステルクワットとすることを、積極的に動機付けられたとはいえない。また、甲1~甲13、甲15、甲17、甲18も、甲16発明において、「FSAb(DEEDMAC:ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウム)」にかえて、「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む」ものを使用することを記載ないし示唆するものではない。 そして、ジエタノールアミンから誘導されたエステルクアットには、通常、トリエステルクアットは含まれないことは技術常識から明らかであるところ、本件特許明細書に開示される、XまたはYを含むカプセル剤について、トリエタノールアミンから誘導されたエステルクアットCを用いた場合、ジエタノールアミンから誘導されたエステルクアットAを用いた場合と比較して、より高い香料強度が提供されたとの訂正発明1の効果についても、訂正発明1の構成により奏される効果として当業者が予測しえたとはいえない。 イ 請求人の主張について (ア) 請求人は、甲16の【0025】の記載から、相違点16-1は相違点ではなく、甲16に記載された発明において、エステルクアットの濃度を適宜設定することは当業者が容易に想到し得たことであると主張する。(審判請求書187頁20~188頁3行) しかしながら、前記アのとおり、相違点16-1は実質的な相違点であり、また、甲16の【0025】の記載は前記アのとおりであるから、甲16の記載に接した当業者が、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質として、「40.0重量%~60.0重量%のジエステル第四級アンモニウム材料(「ジエステルクアット」)と、」「15重量%~38.0重量%のトリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む」ものを使用することを動機づけられたとはいえない。 (イ) 請求人は、所定の第四級アンモニウムエステル化合物を採用することによる顕著な効果は存在せず(審判請求書187頁21行~5行)、特定の(メタ)アクリレート材料を採用することによる顕著な効果も存在しないとも主張する。(審判請求書164頁22行~165頁4行) しかしながら、前記2(3)ウ(ウ)及び前記アのとおり、請求人の主張は採用できない。 (ウ) 以上のとおりであるから、前記(ア)及び(イ)の請求人の主張は採用できない。 ウ まとめ 前記ア、イのとおり、相違点16-1は実質的な相違点であるから、訂正発明1は、甲16に記載された発明ではなく、また、甲16に記載された発明および甲1~甲13、甲15~甲18に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、訂正発明2~4、6~10、12~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、これらの発明も甲16に記載された発明ではなく、甲16に記載された発明および甲1~甲13、甲15~甲18に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。。 したがって、訂正発明1~4、6~10、12~16は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。また、訂正発明1~10、12~16は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとはいえず、その特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にされるべきものともいえない。 第9 無効理由3(明確性違反)及び無効理由4-1(実施可能要件違反)についての合議体の判断 訂正発明11は、令和6年12月24日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲において、「nは、3であり、」と特定された。 そうすると、第5 1 (3)及び(4)アにおける請求人の主張は採用できない。 したがって、訂正特許請求の範囲の請求項11の記載は、特許法第36条第6項2号に規定された要件を満たしているし、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、訂正発明11を実施することができる適度に明確かつ十分に記載されたものであり、特許法第36条第4項1号に規定された要件を満たしているから、訂正発明11についての特許は、同法第123条第1項第4号に該当し、無効にされるべきものとはいえない。 第10 無効理由4-2(実施可能要件違反)及び無効理由5(サポート要件違反)についての合議体の判断 1 本件特許明細書の記載について 本件特許明細書には、以下の事項が記載されていると認められる。 (1) 技術分野 本件各発明は、「布地ケア組成物に関する。」(段落【0001】) (2) 背景技術 布地増強組成物は、「種々の有益剤を介して、標的布地に、柔軟性、コンディショニング、及び/又は洗いたて感をもたらし得る。」(段落【0002】) 「1種以上の有益剤は、コア及びシェルカプセル化剤に封入されてもよい。封入は、活性物質の安定性、組成物の安定性、又はその両方を促進し得る。追加的に又は代替的に、封入は、有効成分の送達及び/又は意図される効果の寿命を改善し得る。」(段落【0003】) 「カプセル化剤の付着効率を向上させることは、製造業者にとって課題である。付着助剤は、添加されてもよいが」、「追加のコスト、製造プロセスに対する複雑性、及び/又は安定性の課題をもたらし得」、「標的布地にいかなる直接的な効果も提供せず、代わりに、カプセル化有益剤の性能/有効性を単に増強するように作用する。」(段落【0004】) (3) 本件各発明が解決しようとする課題 「好ましくは、対象布地に直接効果を提供する有効成分の使用を介して、カプセル化有益剤を含む改善された布地ケア組成物を提供する必要性が、存在する。」(段落【0005】) つまり、本件訂正発明の課題は、対象布地に直接効果を提供する有効成分の使用を介して、カプセル化有益剤を含む改善された布地ケア組成物を提供することである。 (4) 本件訂正発明の効果 本件訂正発明によれば、「特定の壁材料を有するカプセル化剤と特定の第四級アンモニウムエステル化合物とをカップリングすることにより、改善された性能を得ることができる」。(段落【0008】) 「特定のカプセル化技術を特定の第四級アンモニウムエステル化合物とカップリングさせることにより、例えば、洗いたて感の性能に関して相乗効果を得ることができる」。(段落【0017】) (5) 発明を実施するための形態 「本開示は、布地ケア組成物に関する。本開示の布地ケア組成物は、香料カプセル化剤及び第四級アンモニウムエステル化合物を含有してもよい。香料カプセル化剤は、種々のタッチポイントにおいて芳香的効果/洗いたて感の効果を提供することができ、第四級アンモニウムエステル化合物は、柔軟性、しわ防止、静電気防止、コンディショニング、広がり防止、色、及び/又は外観効果を提供し得る布地コンディショニング活性物質として作用し得る。」(段落【0016】) ア 香料カプセル化剤 「香料カプセル化剤は、シェルと、シェルによって包囲されたコアと、を含み、シェルは、(メタ)アクリレート材料を含み、コアは香料を含み」(段落【0018】)、(メタ)アクリレート材料は、「好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート」、「又はこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導されてもよく、それは、このような材料が堅牢なカプセルを製造するのに有用であることが見出されているためである」。(段落【0047】) イ 第四級アンモニウムエステル化合物 「第四級アンモニウムエステル化合物は、組成物の」「約3重量%~約25重量%」「の濃度で存在してもよく」(段落【0057】)、「脂肪酸(親脂肪酸と呼ばれることもある)から誘導されてもよ」く(段落【0058】)、「全第四級アンモニウムエステル化合物の重量に対して、モノエステルクアットの濃度は15.0%~35.0%であってもよく、ジエステルクアットの濃度は40.0%~60.0%であってもよく、トリエステルクアットの濃度は15%~38.0%であってもよい。」(段落【0065】) (6) 本件特許明細書における実施例及び洗いたて感の測定について 本件特許明細書には、香料カプセル化剤、第四級アンモニウムエステル化合物として、実施例1、2、及び3で変化したエステルクアット(A、B、又はC)及びカプセル化剤の壁材料(W、X、Y、又はZ)を用いた液体布地増強剤生成物が記載され、カプセル化剤の壁材料W及びXはポリアクリレートであり、本開示による材料であり、カプセル化剤の壁材料Y及びZは、比較材料であることが記載されている。 実施例1、2、3において使用した香料カプセル化剤と第四級アンモニウムエステル化合物は以下のとおりである。 「【0117】 【表2】 [図:0001433828000046.jpg] 1C12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT CI-DEEDMAC,ex Evonik)から生産された、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物脂肪酸エステル 2ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウム硫酸メチル脂肪酸エステルとの混合物であって、脂肪酸エステルはC12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT DIP V 20 M Conc,ex Evonik)から製造される、混合物 3硫酸ジメチル(REWOQUAT WE 18,ex Evonik)で四級化された、トリエタノールアミンを伴う(C16~18及びC18不飽和)脂肪酸のエステル化生成物 4CN975(ex Sartomer,Inc.)、シェルは、カプセル化プロセスからの残留PVOHを更に含む 5SR368(ex Sartomer,Inc)、シェルは、カプセル化プロセスからの残留PVOHを更に含む 6Encapsys,LLC (Appleton,WI)から入手したカプセル 7Encapsys,LLCから入手したカプセル、付着ポリマーはポリビニルホルムアミドポリマーである。」 本件洗いたて感の効果の評価方法は、以下のとおりである。 「【0119】実施例1.湿潤タッチポイント 表3に提供されるカプセル化剤及び柔軟化活性物質を有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、湿潤タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表3に提供する。 【0120】 【表3】 [図:0001433828000047.jpg] 【0121】表3に示す結果によると、エステルクアットCを含む布地増強剤、及び壁材料Xを含むカプセル化剤は、湿潤タッチポイントにおいて最大の香料強度を提供する。加えて、群Aのカプセル化剤は、柔軟化活性物質B及びCと結合された場合に、群Bのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。 【0122】実施例2.乾燥タッチポイント 表4に提供されるカプセル化剤及びエステルクアットを有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、乾燥タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表4に提供する。 【0123】 【表4】 [図:0001433828000048.jpg] 【0124】表4に示す結果によると、エステルクアットCを含む布地増強剤、及び壁材料Wを含むカプセル化剤は、乾燥タッチポイントにおいて最大の香料強度を提供する。また、壁材料Xを含むカプセル化剤は、エステルクアットAと結合された場合と比較して、エステルクアットB又はCと結合された場合により高い香料強度を提供することも注目すべきである。追加的に、群Cのカプセル化剤は、柔軟化活性物質B及びCと結合された場合に、群Dのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。 【0125】更に、壁材料Y又はZを含む比較カプセル化剤は、一般に、例えば、B又はCと結合されているものと比較して、エステルクアットAと結合された場合に最大の香料強度を提供する。 【0126】実施例3.摩擦タッチポイント 表5に提供されるカプセル化剤及びエステルクアットを有する液体布地増強剤を用いて、上記に提供された試験法に従って布地を処理する。処理後、処理された布地は、上記に提供された試験法に従って、摩擦タッチポイントでの香料強度について評価される。香料強度の結果を表5に提供する。 【0127】 【表5】 [図:0001433828000049.jpg] 【0128】表5に示される結果によると、エステルクアットB又はCと結合された壁材料Xを含むカプセル化剤は、柔軟化活性物質Aと結合された類似のカプセル化剤と比較してより高い香料強度を提供する。追加的に、群Eのカプセル化剤は、エステルクアットB及びCと結合された場合に、群Fのカプセル化剤よりも高い香料強度を提供するように見える。 【0129】更に、壁材料Y又はZを含む比較カプセル化剤は、柔軟化活性物質Aと結合したときに改善された性能を指向的に提供するように見える。」 2 無効理由4-2(実施可能要件違反)について (1) 前提 訂正発明1~15は何れも物の発明であるところ、物の発明の実施とは、その物の生産及び使用等をする行為であるから、物の発明について実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明において、当業者が、発明の詳細な記載及び出願時の技術常識に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用することができる程度の記載があることを要する。 (2) 検討 本件特許明細書の記載事項は上記1のとおりであり、請求人の主張の具体的内容は上記の第5 1(4)イのとおりである。 上記1(6)のとおり、本件特許明細書の実施例には、トリエタノールアミンから誘導されたエステルクアットCと、六官能性芳香族アクリレートモノマーであるCN975から誘導されたポリアクリレートである壁材料Wの組み合わせ、及び、エステルクアットCとイソシアヌレートトリアクリレートモノマーであるSR368から誘導されたポリアクリレートである壁材料Xの組み合わせである組成物が具体的に記載されている。ジエステルクアット等は本願出願時に広く知られており(要すれば、甲1等参照)、また、所定の脂肪酸とトリエタノールアミンを反応させ、四級化して製造したエステルクワットが、トリエステル体を一定割合以上含み得ることは周知の技術的事項であるから(要すれば、甲6~甲8、甲15等参照)、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載及び本願出願時の技術常識に基づいて、当業者は、過度な実験を要することなく、訂正発明1~15の組成物を製造し、布地ケア組成物として使用できるといえる。 また、訂正発明16は、布地を、訂正発明1~15のいずれかの布地ケア組成物に接触させる工程を含む、布地を処理する方法に係る発明であるから、前記同様の理由から、当業者が、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて、過度な実験を要することなく当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。 以上のとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、訂正発明1~16を実施することができる適度に明確かつ十分に記載されたものであり、特許法第36条第4項1号に規定された要件を満たしているから、前記無効理由4-2により無効とすべきものとはいえない。 3 無効理由5(サポート要件違反)について (1) サポート要件について 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、発明の詳細な説明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものと解される。 (2) 訂正発明が解決しようとする課題について 上記1(3)の本件特許明細書の記載からみて、訂正発明は、「対象布地に直接効果を提供する有効成分の使用を介して、カプセル化有益剤を含む改善された布地ケア組成物を提供すること」を解決しようとする課題とするものと認める。 (3) 本件特許明細書には、上記1(4)の洗いたて感の効果の評価について、上記1(6)のとおり、ジエタノールアミンから誘導されたエステルクアットA、トリエタノールアミンから誘導されたエステルクアットC、六官能性芳香族アクリレートから誘導されたポリアクリレートW、イソシアヌレートアクリレートから誘導されたポリアクリレートXを用いた香料強度の評価試験において、湿潤タッチポイント試験では、CとXを含むカプセル化剤の組み合わせが最大の香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤の組み合わせは、Cと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤の組み合わせよりも高い香料強度を提供し、乾燥タッチポイント試験では、CとWを含むカプセル化剤の組み合わせが最大の香料強度を提供し、CとXを含むカプセル化剤の組み合わせは、AとXを含むカプセル化剤の組み合わせと比較して高い香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤の組み合わせは、Cと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤の組み合わせよりも高い香料強度を提供したこと、および、摩擦タッチポイント試験では、CとXを含むカプセル化剤の組み合わせは、AとXを含むカプセル化剤の組み合わせと比較してより高い香料強度を提供し、CとWまたはXを含むカプセル化剤の組み合わせは、Cと比較例であるYまたはZを含むカプセル化剤の組み合わせよりも高い香料強度を提供したことが記載されている。 そうすると、これらの実施例の記載を含む本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載に接した当業者は、訂正発明1のジエステル第四級アンモニウム材料とトリエステル第四級アンモニウム材料を一定量含む第四級アンモニウムエステル化合物と香料カプセル化剤を含む組成物が、前記(2)の課題を解決できると認識できる。 したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載に照らし、訂正発明1は、発明の詳細な説明に記載されたものであり、かつ、当業者が上記(2)の課題を解決できると認識できる範囲のものである。 また、訂正発明2~16は、訂正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに特定事項を加えたものであるから、訂正発明1と同様、上記(2)の本件発明の課題を解決できると認識できる。 したがって、訂正特許請求の範囲の請求項1~16の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。 (4) 小括 以上のとおり、訂正特許請求の範囲の請求項1~16の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものであるから、前記無効理由5により無効とすべきものとはいえない。 第11 むすび 以上のとおり、本件訂正後の請求項1~16に記載された発明の特許は、請求人が主張する理由のいずれによっても無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。 よって、結論のとおり、審決する。

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2024-800102

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    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D
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    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D
  • 2022-010917拒絶査定不服審判 / 2024-05-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)有益剤含有送達粒子
    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D
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    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D
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    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D

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