審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-010917

有益剤含有送達粒子

審判番号
2022-010917
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-550563
請求日
2022年07月13日
審決日
2024年05月23日
公報発行日
2024年06月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 【請求人代理人】曾我 道治
  • 【請求人代理人】梶並 順
  • 【請求人代理人】大宅 一宏
  • 【請求人代理人】佐藤 さおり
審判長/審判官
  • 審判長 門前 浩一
  • 審判官 塩見 篤史
  • 審判官 長谷川 真一
分類
P18 .561-WYA(C11D) / P18 .55 -WYA(C11D) / P18 .113-WYA(C11D) / P18 .121-WYA(C11D) / P18 .536-WYA(C11D) / P18 .537-WYA(C11D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-550563「有益剤含有送達粒子」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月20日国際公開、WO2018/169532、令和 2年 5月21日国内公表、特表2020-514504、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)3月16日を国際出願日とする出願であって、令和2年10月29日付けで拒絶理由が通知され、令和3年2月10日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月7日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年10月13日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年3月9日付けで、令和3年10月13日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和4年7月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 原審における補正の却下の決定の当否について 審判請求人は、審判請求書の【請求の趣旨】において、「原査定を取り消す。本願の発明は特許すべきものであるとの審決を求める。」とし、【請求の理由】(3)本願が拒絶査定に記載された拒絶理由を有していない理由において、「以上より、令和3年10月13日付手続補正書により行われた補正は新規事項の追加には該当しません。従って、令和4年3月9日付の補正の却下の決定及び拒絶査定は甚だ不当であり、取り消すべきと思料します。」と述べていることから、令和4年3月9日付けの補正の却下の決定の当否について検討する。 [補正の却下の決定の当否の結論] 令和4年3月9日付け補正の却下の決定を取り消す。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲及び明細書 令和3年10月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1~10、及び、明細書の段落【0105】は次のとおり補正された(下線部は補正箇所であり、当審で付した。)。 「【請求項1】 消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、及び 得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含む、プロセス。 【請求項2】 前記シェルが、ポリアクリレートを含む、請求項1に記載のプロセス。 【請求項3】 前記シェルが、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料から誘導されたポリマーであって、前記多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、ポリマーと、任意に、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートと、を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。 【請求項4】 前記有益剤含有送達粒子が、5マイクロメートル~45マイクロメートル、の体積加重平均粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項5】 前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~95重量%の水と、0.1重量%~25重量%の界面活性剤とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項6】 前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~20重量%の水を含み、前記組成物がフィルムに包まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項7】 前記組成物が、液体及び/又はゲルと、フィルムとを含み、前記フィルムが前記液体及び/又はゲルを包み、任意に前記液体又はゲルが懸濁固体を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項8】 前記有益剤含有送達粒子が、2マイクロメートル~40マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~95重量%の遊離水と、0.5重量%~25重量%のビルダーとを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項9】 色調染料、追加の香料送達系、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。 【請求項10】 前記有益剤含有送達粒子が、ラジカル重合プロセスによって生成され、前記ラジカル重合プロセスが、全ラジカル重合プロセスアクリレートモノマー反応物質に基づいて、50重量%~100重量%の六官能性ウレタンアクリレート及び/又は五官能性ウレタンアクリレートと、0重量%~25重量%の、アミノ部分を含むメタクリレートと、0重量%~25重量%の、カルボキシル部分を含むアクリレートとを組み合わせる工程を含み、但し、前記六官能性ウレタンアクリレート及び/又は五官能性ウレタンアクリレートと、アミノ部分を含むメタクリレートと、カルボキシル部分を含むアクリレートとの合計が、100%であることを条件とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。」 「【0105】 (8)連続相の水の総重量に基づく当該連続相中のポリビニルアルコール、及び有益剤含有送達粒子のコア重量に基づく当該有益剤含有送達粒子中のポリビニルアルコール キャピラリーゲル透過クロマトグラフィー-四極子飛行時間質量分析法を使用して、遊離ポリビニルアルコールレベルを測定する。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲及び明細書 本件補正前の、令和3年2月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~13、及び、明細書の段落【0105】の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物であって、前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、コアと、前記コアを封入するシェルとを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコールのポリビニルアルコールを含み、 b)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記有益剤含有送達粒子は、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減するために、有益剤含有送達粒子スラリーを精製して得られた、有益剤含有送達粒子であり、 前記組成物が、消費者製品である、組成物。 【請求項2】 前記シェルが、ポリアクリレートを含む、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 前記シェルが、1つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料から誘導されたポリマーであって、前記多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、ポリマーと、任意に、アミンアクリレート部分、メタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリアクリレートと、を含む、請求項1又は2に記載の組成物。 【請求項4】 前記有益剤含有送達粒子が、5マイクロメートル~45マイクロメートル、の体積加重平均粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項5】 前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~95重量%の水と、0.1重量%~25重量%の界面活性剤とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項6】 前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~20重量%の水を含み、前記組成物がフィルムに包まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項7】 前記組成物が、液体及び/又はゲルと、フィルムとを含み、前記フィルムが前記液体及び/又はゲルを包み、任意に前記液体又はゲルが懸濁固体を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項8】 前記有益剤含有送達粒子が、2マイクロメートル~40マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~95重量%の遊離水と、0.5重量%~25重量%のビルダーとを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項9】 色調染料、追加の香料送達系、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項10】 前記有益剤含有送達粒子が、ラジカル重合プロセスによって生成され、前記ラジカル重合プロセスが、全ラジカル重合プロセスアクリレートモノマー反応物質に基づいて、50重量%~100重量%の六官能性ウレタンアクリレート及び/又は五官能性ウレタンアクリレートと、0重量%~25重量%の、アミノ部分を含むメタクリレートと、0重量%~25重量%の、カルボキシル部分を含むアクリレートとを組み合わせる工程を含み、但し、前記六官能性ウレタンアクリレート及び/又は五官能性ウレタンアクリレートと、アミノ部分を含むメタクリレートと、カルボキシル部分を含むアクリレートとの合計が、100%であることを条件とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項11】 請求項1~10のいずれか一項に記載の消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物である、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記連続相を精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する工程を更に含む、プロセス。 【請求項12】 請求項1~10のいずれか一項に記載の消費者製品、かつ/又は請求項11に記載のプロセスによって作製された消費者製品で処理される、部位。 【請求項13】 部位を処理及び/又は清浄化する方法であって、 a)任意に、前記部位を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥させることと、 b)前記部位を請求項1~10のいずれか一項に記載の消費者製品、かつ/又は請求項11に記載のプロセスによって作製された消費者製品と接触させることと、 c)任意に、前記部位を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥させることであって、前記乾燥させる工程が、能動乾燥及び/又は受動乾燥を含む、洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥させることと、を含む、方法。」 「【0105】 (8)連続相の水の総重量に基づく当該連続相中のポリビニルアルコール、及び有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づく当該有益剤含有送達粒子中のポリビニルアルコール キャピラリーゲル透過クロマトグラフィー-四極子飛行時間質量分析法を使用して、遊離ポリビニルアルコールレベルを測定する。」 (3)令和4年3月9日付け補正の却下の決定の理由 令和4年3月9日付け補正の却下の決定の理由は、本件補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである、というものである。 そして、その具体的理由を、 「令和3年10月13日付け手続補正書によって補正された請求項1の「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」なる記載について、出願人は同日付け意見書において、補正の根拠として、実施例6において水の合計量が1450.06g、水相中のポリビニルアルコールが11.65gであり、水相中の水の総量に対するポリビニルアルコールの濃度が0.8031重量%≒0.8重量%(11.65g/1450.6g×100)であり、実施例7の水相中の水の総量に対するポリビニルアルコールの濃度が1.217重量%(37.5g/1437.21g)≒1.2重量%であり、実施例8の水相中の水の総量に対するポリビニルアルコールの濃度は1.827重量%(26.25g/1436.27g)≒1.8重量%であり、本願明細書の段落[0151]表3における実施例8のポリビニルアルコールの値に一致するから新規事項ではないと主張しているが、当初明細書等の記載を参酌しても、「有益剤含有送達粒子のコアの総重量」に基づいたポリビニルアルコールの含有量範囲について記載されているのみであり、段落[0142]~[0148]及び[0151]表3に記載される実施例6~8のポリビニルアルコールの各数値を根拠として、直ちに補正された請求項1の「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%」なる含有量範囲が記載されているものと認めることはできないから、上記出願人の主張を容れることはできず、当該補正によって変更された当該連続相の水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量範囲は、新規事項に相当するものと認められる。また、同時に補正された請求項1の「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコール」なる記載に関しても同様である。」 としている。 2 補正の却下の決定についての検討 (1)補正事項 上記1(1)及び1(2)から、本件補正は、以下の補正事項からなるものである。 ア 本件補正前の請求項11について、補正前の請求項1~10を引用していた部分をそれぞれ別の請求項として補正後の請求項1~10とする補正(以下「補正事項ア-1」という。)を行うとともに、第2の組成物に含まれる「ポリビニルアルコール」について、「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」と限定する補正(以下「補正事項ア-2」という。)と、有益剤含有送達粒子に含まれる「コア」について、「香油を含むコア」と限定する補正(以下「補正事項ア-3」という。)と、有益剤含有送達粒子に含まれる「ポリビニルアルコール」について、「前記有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコールのポリビニルアルコールを含み」を「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正(以下「補正事項ア-4」という。)。 イ 本件補正前の請求項1~10、12、13を削除する補正(以下「補正事項イ」という。)。 ウ 本件補正前の明細書の段落【0105】の「有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づく当該有益剤含有送達粒子中のポリビニルアルコール」を「有益剤含有送達粒子のコア重量に基づく当該有益剤含有送達粒子中のポリビニルアルコール」とする補正(以下「補正事項ウ」という。)。 (2)新規事項の追加の有無 ア 補正後の請求項1~10について(補正事項アに対応する補正について) (ア) 補正後の請求項1~10の補正のうち、本件補正前の請求項11について補正前の請求項1~10を引用していた部分をそれぞれ別の請求項とする補正(補正事項ア-1に対応)は、本願の最初に添付した明細書又は特許請求の範囲(以下「当初明細書等」という。)の請求項1~13を引用する請求項14の記載に基づくものである。また、補正後の請求項1及び同請求項1を引用する請求項2~10における「香油を含むコア」とする補正(補正事項ア-3に対応)は、請求項1の「第1の油混合物が、香油・・・を含むコアを含み、」の記載に基づくものであり、いずれも当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載された範囲内においてしたものであるといえるので、特許法第17条の2第3項の規定を満たしている。 (イ) 補正後の請求項1及び同請求項1を引用する請求項2~10における「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」とする補正(補正事項ア-2に対応)における数値については、当初明細書等の段落【0151】表3に記載された実施例6及び8の「添加したポリビニルアルコール%」の値である「0.8」及び「1.8」に基づくものであり、「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正(補正事項ア-4に対応)における数値については、同段落【0151】表3に記載された実施例6及び8の「結合したポリビニルアルコール%」の値である「0.42」及び「0.88」に基づくものである。 ここで、同段落【0151】表3に記載された「添加したポリビルアルコール%」、「結合したポリビニルアルコール%」の値について、同段落【0151】表3の結果について説明されている同段落【0150】のいずれにも何に基づく%の値なのか記載されていない。一方、同段落【0105】には、ポリビニルアルコールの測定手法について記載されており、その表題(8)として「連続相の水の総重量に基づく当該連続相中のポリビニルアルコール、及び有益剤含有送達粒子のコア重量に基づく当該有益剤含有粒子中のポリビニルアルコール」と記載されていることから、同段落【0151】表3に記載された「添加したポリビルアルコール%」、「結合したポリビニルアルコール%」の値は、「連続相の水の総重量に基づく」%の値か、「有益剤含有送達粒子のコア重量に基づく」%の値のいずれかであると認められる。 そして、「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」とする補正に関し、審判請求書の3.(2)(ii)(c)での主張のとおり、同段落【0151】表3に記載された実施例6~8の「添加したポリビルアルコール%」の値について、同段落【0144】には実施例6の原料仕込量として、「5%固体の233gのCelvol540ポリビニルアルコール」、「1224gの水」、「6gの21.5%NaOH」を含有する水相が記載されており、当該仕込量から算出した、水相中の水の総量に対するポリビニルアルコールの濃度は、0.8%((233×0.05)/(233×0.95+1224+6×0.785)≒0.008)となることから、同段落【0151】表3の実施例6の「添加したポリビルアルコール%」の値と一致する。同様に、同段落【0147】、【0148】の記載に基づいて算出した実施例7、8の水相中の水の総量に対するポリビニルアルコールの濃度は1.2%((350×0.05)/(350×0.95+1100+6×0.785)≒0.012)、1.8%((525×0.05)/(525×0.95+933+6×0.785)≒0.018)となり、同段落【0151】表3の実施例7、8の「添加したポリビルアルコール%」の値と一致する。 すると、同段落【0151】表3に記載された実施例6~8の「添加したポリビルアルコール%」の値は、同段落【0144】、【0147】、【0148】に記載された原料仕込量から算出されたものであるといえることから、実施例6~8の「添加したポリビルアルコール%」の値は、「連続相の水の総重量に基づく」%の値といえる。してみれば、「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」とする補正は、同段落【0151】表3に記載された実施例6、8の「添加したポリビルアルコール%」の値の記載に基づくものであり、いずれも当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるといえるので、特許法第17条の2第3項の規定を満たしている。 また、「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正に関し、審判請求書の3.(2)(ii)(d)での主張のとおり、同段落【0151】表3に記載された実施例6~8の「結合したポリビニルアルコール%」の値はいずれも、実施例6~8について「添加したポリビニルアルコール%」の値から「遊離ポリビニルアルコール%」の値を引いた値に一致しており、このことは同段落【0111】の「結合したポリビニルアルコールレベルは、以下の等式を使用して計算される。結合したポリビニルアルコール%=スラリーに添加したポリビニルアルコール合計%-遊離ポリビニルアルコール%」の記載とも一致している。すると、「添加したポリビニルアルコール%」は上記の検討のとおり、「連続相の水の総重量に基づく」%であることから、「スラリーに添加したポリビニルアルコール合計%-遊離ポリビニルアルコール%」の算出結果である「結合したポリビニルアルコール%」の値も「連続相の水の総重量に基づく」%の値であるといえる。してみれば、「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正は、同段落【0151】表3に記載された実施例6、8の「結合したポリビルアルコール%」の値の記載に基づくものであり、いずれも当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるといえるので、特許法第17条の2第3項の規定を満たしている。 (ウ) 「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」とする補正、及び、「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正について、令和4年3月9日付け補正の却下の決定の具体的理由として、上記1.(3)に記載のとおり、「当初明細書等の記載を参酌しても、「有益剤含有送達粒子のコアの総重量」に基づいたポリビニルアルコールの含有量範囲について記載されているのみであり、段落[0142]~[0148]及び[0151]表3に記載される実施例6~8のポリビニルアルコールの各数値を根拠として、直ちに補正された請求項1の「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%」なる含有量範囲が記載されているものと認めることはできない」、「同時に補正された請求項1の「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコール」なる記載に関しても同様である。」ことを挙げて、新規事項の追加に該当すると判断されている。しかしながら、上記(イ)での検討のとおり、当初明細書等の記載を参酌しても、「有益剤含有送達粒子のコアの総重量」に基づいたポリビニルアルコールの含有量範囲について記載されているのみ、とはいえず、令和3年10月13日付け手続補正書によってなされた補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第53条第1項の規定により却下されるべきものであるとする補正の却下の決定は不適法である。 イ 本件補正前の請求項1~10、12、13を削除する補正(補正事項イに対応する補正)について 本件補正前の請求項1~10、12、13を削除する補正は、請求項を削除する補正であるから、新規事項の追加に該当しないので、特許法第17条の2第3項の規定を満たしている。 ウ 明細書の段落【0105】の補正(補正事項ウに対応する補正)について 明細書の段落【0105】における「有益剤含有送達粒子のコア重量に基づく当該有益剤含有送達粒子中のポリビニルアルコール」とする補正は、明細書の段落【0105】の説明の表題(8)を当初明細書の記載に戻すものであり、新規事項の追加に該当しないので、特許法第17条の2第3項の規定を満たしている。 (3)補正の目的について ア 補正事項アについて (ア) 補正事項ア-1は、補正前の請求項11について、補正前の請求項1~10を引用していた部分をそれぞれ別の請求項として補正後の請求項1~10とする補正であり、補正事項イによる請求項1~10の削除に伴って、同請求項を引用していた補正前の請求項11の引用形式を解消してそれぞれ別の請求項の形式にしたものであることから、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。 (イ) 補正事項ア-2は、補正前の請求項11について、第2の組成物に含まれる「ポリビニルアルコール」について、「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」と限定して特許請求の範囲を減縮するものであり、補正の前後で請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることは明らかであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当する。 (ウ) 補正事項ア-3は、補正前の請求項11に係る発明特定事項である「コア」について、「香油を含むコア」と限定して特許請求の範囲を減縮するものであって、補正の前後で請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることは明らかであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当する。 (エ) 補正事項ア-4は、補正前の請求項11について、有益剤含有送達粒子に含まれる「ポリビニルアルコール」について、「前記有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコールのポリビニルアルコールを含み」を「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」とする補正であるところ、補正前の「前記有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコールのポリビニルアルコールを含み」なる記載は、原査定と同日付の補正の却下の決定において新規事項の追加に該当すると判断されたものであることから、補正後の「前記連続相の水の総重量に基づいて」なる記載は、当初明細書等に記載されていない「前記有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて」なる明瞭でない記載を釈明する目的で補正されたものであるといえる。そして、「前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含み」なる補正は、補正前の請求項11における有益剤含有送達粒子に含まれる「ポリビニルアルコール」の含有量を限定し、特許請求の範囲を減縮するものであって、補正の前後で請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることは明らかである。よって、補正事項ア-4は、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明瞭でない記載の釈明、及び、同法同条同項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当する。 (オ) 補正後の請求項2~10は、請求項1を直接的に引用するものであるから、補正事項ア-2、ア-3、ア-4による補正で、請求項1に係る発明が減縮されたことに伴い、請求項2~10に係る発明も減縮されている。 イ 補正事項イについて 補正事項イは、本件補正前の請求項1~10、12、13を削除するものであるから、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。 (4)独立特許要件について ア 上記(3)アでの検討のとおり、補正事項ア-2、ア-3、ア-4に係る補正後の請求項1~10に係る発明(以下「本願補正発明1」~「本願補正発明10」といい、まとめて「本願補正発明」ということもある。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである(いわゆる独立特許要件を満たすものである)か否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)について、以下で検討する。 イ 本願補正発明 本願補正発明1~10は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるものであるところ、上記1(1)に記載のとおりのものである。 ウ 新規性又は進歩性欠如について (ア) これに対して、令和2年10月29日付けで通知された拒絶の理由において、下記引用例を採用し、理由1(新規性欠如)、理由2(進歩性欠如)の理由を通知している。 引用例1:特表2014-524973号公報 引用例2:特表2014-510141号公報 引用例3:米国特許出願公開第2017/0002301号明細書 引用例4:特表2013-525564号公報 引用例5:特表2013-531079号公報 (イ) 引用例の記載事項 a 引用例1には、以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 ポリマーを含むシェルと、コアと、を含む封入体であって、好ましくは前記シェルがポリアミド、アミノプラストポリマー、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み、前記シェルが、前記コアを封入し、かつ赤外線、可視光、紫外線、及びこれらの混合物からなる群から選択される電磁放射の種に感応性の電磁放射感応性部分を含み、前記コアが、香料、シリコーン、生物防除剤、抗菌剤、風味剤、加熱又は冷却剤、薬物、日焼け止め、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み;好ましくは前記ポリマーが前記電磁放射感応性部分を含み、より好ましくは前記ポリマーが主鎖を含み、前記主鎖が前記電磁放射感応性部分を含む、封入体。」 「【0106】 一態様では、粒子の作製プロセスであって、 a.)分配変性剤及び/又は密度変性剤を含む有益剤中の多官能アクリレートモノマー及び/又は多官能アクリレートオリゴマー、一態様では多官能メタクリレートモノマー及び/又は多官能メタクリレートオリゴマーを、 i)アミンアクリレート及び/若しくはメタクリレート並びに強酸、又は ii)カルボン酸アクリレート及び/若しくはメタクリレートモノマー並びに強塩基、又は iii)アミンアクリレート及び/若しくはメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/若しくはカルボン酸メタクリレートモノマー iv)アゾベンゼンモノマー を含む組成物と反応させるプロセスと、 b.)前記コア組成物、界面活性剤、一態様では陰イオン性、陽イオン性又は中性界面活性剤、及び水を含むエマルションを形成するプロセスと、 c)前記エマルションに十分な量の熱、UV、及び/又は電子ビームエネルギーを適用して十分なフリーラジカル重合を誘導して、前記有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有する粒子を形成するプロセスと、を含む、作製プロセスが開示される。」 「【0108】 補助物質 本発明の各消費者製品実施形態に必須ではないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本消費者製品での使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の所定の実施形態に組み込まれてもよい。このような追加成分の正確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質に依存する。好適な補助物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、UV吸収剤、付加香料及び香料送達システム、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助剤の好適な例、及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812 B1号及び同第6,326,348 B1号に見られ、これらは参照により組み込まれる。」 「【0234】 実施例42:ジビニルアゾベンゼンを用いたアクリレート封入体の調製 56グラムの、表6に記載した香料組成物、37グラムのイソプロピルミリステート、0.5グラムのDuPont Vazo-67、0.125グラムの第3級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.125gの2-カルボキシエチルアクリレート、及び6.38gのSartomer CN975(6官能性-アクリレートオリゴマー)及び4.00グラムのジビニルアゾベンゼン(実施例34より)からなる油溶液を、550rpm(4チップ、直径5cm(2”)、フラットミルブレード)で混合しながら55℃の温度制御スチールジャケット付き反応器に加え、窒素ブランケットを100cc/分で適用する。油溶液を45分間で75℃に加熱し、75℃で45分間保つ。混合を停止し、100グラムの脱塩水、14gの5% Selvol 540ポリビニルアルコール、3.250gの1N NaOH、1gの4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)からなる水溶液を、漏斗を使用して油溶液の下部に加える。混合を再開し、2500rpmで60分間混合して、油相を水溶液に乳化する。ミリング完了後、8cm(3”)のプロペラを用いて350rpmで混合を続ける。温度を45分間で75℃に上昇させ、75℃で4時間保ち、30分間で90℃に加熱し、90℃で2時間保つ。その後、バッチを室温まで冷却する。完成したマイクロカプセルは、7マイクロメートルの中央粒径及び1.3の幅指数を有する。25グラムの、この実施例により調製した組成物を、試験方法(9)光に対する暴露後の封入体懸濁液中の放出香料の測定、に記載したように、UV光に4時間暴露して、以下の結果を得る。 【0235】 【表20】 [図:0001410653000001.jpg] 【0236】 このように、カプセルは光により開放し、香料を放出することが可能である。」 「【0278】 実施例65:皮膚ローション 【0279】 【表38】 [図:0001410653000002.jpg] 1.シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコンクロスポリマー。Dow Corning(商標)から入手可能。 2.例えば、Tospearl(商標)145A又はTospearl 2000。GE Toshiba Silicone(商標)から入手可能。 3.ジメチコン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー。Shin-Etsu(商標)から入手可能。 4.Jeen(商標)のJeenate(商標)3Hポリエチレンワックス。 5.ステアリルジメチコーン。Dow Corningから入手可能。 6.Laboratoires Serobiologiquesから入手可能なヘキサミジンジイセチオネート。 7.加えて、又はあるいは、当業者によって好適であるとみなされる時、組成物は、本明細書に開示の量の本明細書に開示の1つ以上の他のスキンケア活性物質、それらの塩及び誘導体を含み得る。 【0280】 上の実施例に関して、好適な容器の中で、相Aの成分を組み合わせる。別の好適な容器の中で、相Bの成分を組み合わせる。それぞれが実質的に一定の所望の温度に達し、かつ均質になるまで、好適な混合器(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、又はIKA T25)を用いて各相を混合しながら、各相を75℃に加熱する。相Aを混合し続けながら、相Bを相Aに徐々に加える。バッチが均一になるまで混合し続ける。75℃の製品を好適な容器に注ぎ、室温で保管する。あるいは、温度を低下させながら混合物を撹拌し続けることで、21及び33℃でより低い硬度値が観察される。」 b 引用例2には、以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 シャンプー組成物であって、 (a)0.001%~10%の、アニオン性荷電ポリアクリレートマイクロカプセルと; (b)0.01%~2%のカチオン性付着ポリマーと; (c)2%~25%の洗浄性界面活性剤と; (d)キャリアと、を含む、シャンプー組成物。」 「【請求項8】 前記ポリアクリレートマイクロカプセルが、コア及び前記コアを封入するシェルを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。 【請求項9】 前記コアが、6%~99.9%の有益剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。」 「【0096】 実施例1.非イオン性マイクロカプセル(TAS0810101、MVF1837-94B) 75gの香油ScentA、75gのミリスチン酸イソプロピル、0.6gのDuPont Vazo-52、及び0.4gのDuPont Vazo-67からなる油剤を、1000rpmでの混合(4チップ、直径5.08cm(2”)、平らなミル刃)及び100cc/分での窒素ブランケット適用を行いながら、35℃に温度制御された鋼製ジャケット付反応器に加える。油剤を、45分間かけて75℃に加熱し、75℃で45分間維持し、75分間かけて60℃まで冷却する。 【0097】 37.5gの香油、0.5gの第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.4gの2-カルボキシエチルアクリレート、及び20gのSartomer CN975(六官能性ウレタンアクリレートオリゴマー)からなる第2の油剤を、第1の油剤が60℃に達した時点で加える。合わせた油を、60℃で更に10分間維持する。 【0098】 混合を停止し、56gの5%活性ポリビニルアルコールCelvol 540水溶液、244gの水、1.1gの20% NaOH、及び1.2gのDuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を、漏斗を用いて油剤の底部に加える。 【0099】 混合を再開し、2500rpmで60分間混合して、油相を水溶液に乳化する。ミリング完了後、7.62cm(3”)のプロペラを用いて350rpmで混合を続ける。バッチを、60℃で45分間維持し、温度を30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間かけて90℃まで加熱し、90℃で8時間維持する。その後、バッチを室温まで冷却する。完成したマイクロカプセルは、6.4ミクロンの中央粒径、1.3の幅指数、及びマイナス0.5ミリボルトのゼータ電位を有する。」 「【0108】 実施例7.シャンプー組成物 【0109】 【表4】 [図:0001410653000003.jpg] 「【0114】 実施例9.カプセルを予備混合したシャンプー 実施例1~6の香料マイクロカプセルを、香料マイクロカプセルをジャー内で予備計量した後、ポリDADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、Mirapol 100S、Rhodiaより)を添加し、その後水を添加することによって、Mirapol 100Sと予備混合する。続いてHausfeld DAFC 400FVZ高速ミキサーを用いて内容物を1950rpmで1分間混合し、マイクロカプセルの均質懸濁液を得る。予備混合される材料の質量を下の表に記録する。プレミックス中のポリマーの香料に対する比を全ての試料で1:5に保ち、完成したシャンプー処方中のMirapol 100Sポリマーの量を0.10重量%に保つ。 【0115】 【表8】 [図:0001410653000004.jpg] 【0116】 続いて、シャンプー(実施例7 IIに提供される実施例組成、10%の欠如部のある処方を使用した)をジャー内で予備計量した後、カチオン性ポリマー/マイクロカプセルのプレミックスを添加し、その後水を添加することによって、プレミックスをシャンプーに配合し、続いてHausfeld DAFC 400FVZ高速ミキサーを用いて1950rpmで1分間混合することで、均質製品を得る。」 c 引用例3には、以下の事項が記載されている。なお、摘記事項の後ろに当審の仮訳を掲載した。 「 [図:0001410653000005.jpg] [図:0001410653000006.jpg] 」 (【請求項1】 組成物を含む消費者製品であって、前記組成物が、 補助剤材料と、 マイクロカプセルの第1集団であって、分配変性剤及び第1香油を第1重量比で含み、第1平均体積加重粒径を有するマイクロカプセルを含む第1集団と、 マイクロカプセルの第2集団であって、分配変性剤及び第2香油を第2重量比で含むマイクロカプセルを含み、第2平均体積加重粒径を有する第2集団と、を含み、 前記第1重量比及び前記第2重量比が異なり、並びに/又は前記第1平均体積加重粒径及び前記第2平均体積加重粒径が異なり、 前記組成物が、布地ケア及びホームケア組成物である、消費者製品。) 「 [図:0001410653000007.jpg] [図:0001410653000008.jpg] 」 (実施例1 90重量%のコア/10重量%の壁、芳香Aカプセル、20%の分配変性剤 [0165] 128.4gの香油、32.1gのミリスチン酸イソプロピル、0.86gのDuPont Vazo-67、0.69gのWako Chemicals V-501からなる油溶液を、1000rpmで混合し(4翅端、直径5cm(2インチ)、平らなミル刃)、100cc/分での窒素ブランケットを適用しながら、35℃に温度制御された鋼製ジャケット付き反応器に添加する。油溶液を、45分間かけて70℃に加熱し、75℃で45分間維持し、75分間かけて50℃まで冷却する。この混合物を、以下、油溶液Aと呼ぶ。 [0166] 反応容器内で、300gの脱イオン水からなる水溶液を調製し、これを、25℃にて2.40グラムのCelvol 540ポリビニルアルコールに分散させる。混合物を85℃に加熱し、そこに45分間維持する。溶液を30℃まで冷却する。1.03グラムのWako Chemicals V-501反応開始剤を0.51グラムの40%水酸化ナトリウム溶液と共に添加する。続いて溶液を50℃に加熱して、溶液をその温度に維持する。 [0167] 油溶液Aに0.19グラムのtert-ブチルアミノエチルメタクリレート(Sigma Aldrich)、0.19グラムのβ-カルボキシエチルアクリレート(Sigma Aldrich)、及び15.41グラムのSartomer CN975(Sartomer,Inc.)を添加する。アクリレートモノマーを油相に10分間混合する。この混合物を以下、油溶液Bと呼ぶ。4枚刃傾斜タービン撹拌器を備えるCaframoミキサーを用いて、所望の水中油型エマルションの粒径を得る。 [0168] 窒素ブランケットを反応器中の水溶液の頂部で開始する。最小限に混合しながら、反応器内で油溶液Bの水溶液への移行を開始する。60分の間、混合の撹拌を1800~2500rpmに増加させて、油相を水溶液内に乳化させる。ミリング完了後、8cm(3インチ)プロペラを用いて350rpmで混合を継続する。続いてバッチを50℃で45分間維持する。続いて温度を、30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間かけて95℃に加熱して、95℃で6時間維持する。その後、バッチを室温まで冷却する。 [0169] 得られたマイクロカプセルは、12.6マイクロメートルの平均粒径、7.68±2.0MPaの破壊強度、及び51%±20%の破壊時変形を有する。 実施例2 90重量%のコア/10重量%の壁、芳香Aカプセル、40%の分配変性剤 [0170] 96gの香油、64gのミリスチン酸イソプロピル、0.86gのDuPont Vazo-67、0.69gのWako Chemicals V-501からなる油溶液を、1000rpmで混合し(4翅端、直径5cm(2インチ)、平らなミル刃)、100cc/分での窒素ブランケットを適用しながら、35℃に温度制御された鋼製ジャケット付き反応器に添加する。油溶液を、45分間かけて70℃に加熱し、75℃で45分間維持し、75分間かけて50℃まで冷却する。この混合物を、以下、油溶液Aと呼ぶ。 [0171] 反応容器内で、300gの脱イオン水からなる水溶液を調製し、これを、25℃にて2.40グラムのCelvol 540ポリビニルアルコールに分散させる。混合物を85℃に加熱し、そこに45分間維持する。溶液を30℃まで冷却する。1.03グラムのWako Chemicals V-501反応開始剤を0.51グラムの40%水酸化ナトリウム溶液と共に添加する。続いて溶液を50℃に加熱して、溶液をその温度に維持する。 [0172] 油溶液Aに0.19グラムのtert-ブチルアミノエチルメタクリレート(Sigma Aldrich)、0.19グラムのβ-カルボキシエチルアクリレート(Sigma Aldrich)、及び15.41グラムのSartomer CN975(Sartomer,Inc.)を添加する。アクリレートモノマーを油相に10分間混合する。この混合物を以下、油溶液Bと呼ぶ。4枚刃傾斜タービン撹拌器を備えるCaframoミキサーを用いて、所望の水中油型エマルションの粒径を得る。 [0173] 窒素ブランケットを反応器中の水溶液の頂部で開始する。最小限に混合しながら、反応器内で油溶液Bの水溶液への移行を開始する。60分の間、混合の撹拌を1800~2500rpmに増加させて、油相を水溶液内に乳化させる。ミリング完了後、8cm(3インチ)プロペラを用いて350rpmで混合を継続する。続いてバッチを50℃で45分間維持する。続いて温度を、30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間かけて95℃に加熱して、95℃で6時間維持する。その後、バッチを室温まで冷却する。 [0174] 得られたマイクロカプセルは、12.6マイクロメートルの平均粒径、2.60±1.2MPaの破壊強度、及び37%±15%の破壊時変形を有する。) 「 [図:0001410653000009.jpg] 」 (実施例18A~18E 布地向上剤固体粒子又はビーズ状組成物 【0248】 (中略) 1重量比1:1での実施例15と実施例16のマイクロカプセルの混合物又は重量比1:1での実施例1と2のマイクロカプセルの混合物。) d 引用例4には、以下の事項が記載されている 「【請求項13】 消費者製品を形成するために、補助剤成分を粒子と合わせる工程を含む、組成物作製プロセスであって、 前記粒子は、 a)コア組成物を形成するために、分配変性剤及び/又は密度変性剤を含む有益剤中の多官能アクリレートモノマー及び/又は多官能アクリレートオリゴマー、1つの態様では多官能メタクリレートモノマー及び/又は多官能メタクリレートオリゴマーを、 i.)アミンアクリレート及び/若しくはメタクリレート並びに強酸、又は ii.)カルボン酸アクリレート及び/若しくはメタクリレートモノマー並びに強塩基、又は iii.)アミンアクリレート及び/若しくはメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/若しくはカルボン酸メタクリレートモノマー を含む組成物と反応させるプロセスと、 b)前記コア組成物、界面活性剤、1つの態様ではアニオン性、カチオン性、又は中性界面活性剤、及び水を含むエマルションを形成するプロセスと、 c)十分なフリーラジカル重合を誘導して、前記有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有する粒子を形成するために、十分な量の熱、紫外線、及び/又は電子ビームエネルギーを前記エマルションに印加することによって、前記エマルションを硬化するプロセスと、 によって製造されることを特徴とする、プロセス。」 「【0238】 実施例1:90重量%のコア/10重量%の壁、芳香A香油 実施例2~17に詳述の材料及び方法を用いて、マイクロカプセルを調製するために、以下の一般的な手順を使用する。 【0239】 150gの香油、0.6gのDuPont Vazo-52、及び0.4gのDuPont Vazo-67からなる油剤を、1000rpmで混合しながら(4先端、直径5.1cm(2”)、平らなミル刃)、35℃で温度制御された鋼被覆反応器に加え、窒素ブランケットを100cc/分で適用する。油剤を、45分間かけて75℃に加熱し、75℃で45分間維持し、75分間かけて60℃まで冷却する。 【0240】 37.5gの香油、0.5gの第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.4gの2-アクリル酸カルボキシエチル、及び19.5gのSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)からなる第2の油剤を、第1の油剤が60℃に達した時点で加える。合わせた油を、60℃で更に10分間維持する。 【0241】 混合を停止し、112gの5% Celvol 540ポリビニルアルコール、200gの水、1.1gの20% NaOH、及び1.17gのDuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を、漏斗を用いて油剤の底部に加える。 【0242】 混合を再開し、2500rpmで60分間混合して、油相を水溶液に乳化する。ミリングが完了した後、7.6cm(3”)プロペラを用いて350rpmで混合を続ける。バッチを60℃で45分間維持し、温度を30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間保持し、30分間かけて90℃に加熱し、90℃で8時間維持する。その後、バッチを室温まで冷却する。 【0243】 完成したマイクロカプセルは、7マイクロメートルの中央粒径及び1.3の幅指数を有する。 【0244】 実施例2~8.90重量%のコア、10重量%の壁、(種々の量のIPM:10%、20%、30%、40%、50%、60%、87%を有する芳香A) 第1及び第2の油剤の調製前に、香油を芳香A及びミリスチン酸イソプロピルと配合することを除いて、実施例1と同一の手順によって実施例2~8を調製する。以下の表は、マイクロカプセルの特性に加えて、その構成成分-芳香Aの香料及びミリスチン酸イソプロピル分配変性剤ごとに、香油の全質量を提供する。 【0245】 【表3】 [図:0001410653000010.jpg] 」 「【0289】 実施例24.ローション中のマイクロカプセル 【0290】 【表22】 [図:0001410653000011.jpg] 1.シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー。Dow Corning(商標)から入手可能。 2.例えば、Tospearl(商標)145A又はTospearl 2000。GE Toshiba Silicone(商標)から入手可能。 3.ジメチコーン中25%ジメチコーンPEG-10/15クロスポリマー。Shin-Etsu(商標)から入手可能。 4.Jeen(商標)のJeenate(商標)3Hポリエチレンワックス。 5.ステアリルジメチコーン。Dow Corningから入手可能。 6.Laboratoires Serobiologiquesから入手可能なヘキサミジンジイセチオネート。 7.加えて、又はあるいは、当業者によって好適であるとみなされる時、組成物は、本明細書に開示の量の本明細書に開示の1つ以上の他のスキンケア活性物質、それらの塩及び誘導体を含み得る。 【0291】 上の実施例に関して、好適な容器の中で、相Aの成分を合わせる。別の好適な容器で、相Bの成分を合わせる。それぞれが実質的に一定の所望の温度に達し、かつ均質になるまで、好適な混合器(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、又はIKA T25)を用いて各相を混合しながら、各相を73℃~78℃に加熱する。相Aを混合し続けながら、相Bを相Aに徐々に加える。バッチが均一になるまで混合を続ける。73~78℃の生成物を好適な容器に注ぎ、室温で保存する。あるいは、温度を低下させながら混合物を撹拌し続けることで、21及び33℃でより低い硬度値が観察される。」 e 引用例5には、以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 a)ポリマー、一態様ではカチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒物質、漂白剤活性化剤、高分子分散剤、粘土質土壌除去剤/再付着防止剤、増白剤、染料ポリマー共役体;染料粘土共役体、泡抑制剤、染料、漂白剤触媒、追加の香料及び/又は香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、レオロジー変性剤、構造化体、増粘剤、顔料、水、並びにそれらの混合物の群から選択される補助剤成分であって、好ましくは、前記補助剤成分が、染料;香料;光学的増白剤;レオロジー変性剤、構造化体、増粘剤、沈着助剤;及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む群から選択され、好ましくは、前記沈着助剤が、多糖類、一態様ではカチオン変性デンプン及び/又はカチオン変性グアー;ポリシロキサン;ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物;ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリビニルピロリドンとのコポリマー;ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンを含む組成物;アクリルアミド;イミダゾール;イミダゾリニウムハロゲン化物;ポリビニルアミン;ポリビニルアミンとN-ビニルホルムアミドとのコポリマー;ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアルコール;ホウ酸架橋ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸;ポリグリセロールエーテルシリコーンクロスポリマー;ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルアミンとアミンのポリビニルアルコールオリゴマーとのコポリマー、一態様ではジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、N,N-ビス-(3-アミノプロピル)メチルアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、及びそれらの混合物;ポリエチレンイミン、誘導体化ポリエチレンイミン、一態様ではエトキシ化ポリエチレンイミン;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン/スチレン、ポリブタジエン/アクリロニトリル、カルボキシル末端ポリブタジエン/アクリロニトリル、又はそれらの組み合わせの主鎖上のカルボン酸部分、アミン部分、ヒドロキシル部分、及びニトリル部分からなる部分から選択される少なくとも2つの部分を含む高分子化合物;カチオン性ポリマーと組み合わせたアニオン性界面活性剤の予備形成コアセルベート;ポリアミン;並びにそれらの混合物を含む群から選択されるポリマーを含む、補助剤成分と、 b)油溶性又は分散性コア材料と、前記コア材料を少なくとも部分的に取り囲む非アニオン性壁材料と、を含む、マイクロカプセル粒子の集団であって、前記マイクロカプセル壁材料が、 非アニオン性の乳化剤を含む第2の組成物の存在下での第1の組成物の反応生成物を含み、前記第1の組成物が、 i)油溶性又は分散性アミンアクリレート又はメタクリレートと、 ii)多官能性アクリレート又はメタクリレートモノマー又はオリゴマー、並びに iii)可溶性酸及び開始剤と、 の反応生成物を含み、前記可溶性酸及び前記アミンアクリレートが、3:1~1:3のモル比であり、かつ前記壁材料の重量と比較して、ともに0.1~20%の重量パーセントを有し、前記非アニオン性乳化剤が、4~12のpHの水溶性又は分散性材料と、任意の水相開始剤と、を含み、それによって、前記第1の組成物及び第2の組成物の前記反応生成物が、前記コア材料に対して低透過性の非アニオン性マイクロカプセル壁材料及び-5ミリボルト以上のゼータ電位を有する、マイクロカプセルの集団の形成をもたらし、結果として生じるマイクロカプセルが、アニオン性表面に対して付着力を有する、マイクロカプセル粒子の集団と、 を含む組成物であって、 前記組成物が、消費者製品、好ましくは洗浄組成物、布地ケア組成物、及び/又はパーソナルケア組成物であり、より好ましくは、前記組成物が、流体布地強化剤;固体布地強化剤;流体シャンプー;固体シャンプー;ヘアコンディショナー;ボディーソープ、固体制汗剤、流体制汗剤、固体脱臭剤、流体脱臭剤、流体洗剤、固体洗剤、流体硬表面洗浄剤、固体硬表面洗浄剤;又は洗剤及び前記洗剤をカプセル化する水溶性被膜を含む単位用量洗剤である、組成物。」 「【0052】 カプセル化材料を製造するプロセス 本発明は、油中水乳化又は水中油乳化を伴うマイクロカプセル化のための新規のプロセス、及びかかるプロセスによって得られるマイクロカプセルを教示する。一態様では、本発明は、コア材料と、コア材料を少なくとも部分的に取り囲む、好ましくは、完全に取り囲む壁材料とを含む、低透過性マイクロカプセル粒子を教示する。 【0053】 本発明の一態様では、第1の組成物は、多官能性アクリレート又はメタクリレートモノマー又はオリゴマーを有する油溶性若しくは分散性の一級、二級、若しくは三級アミン、並びに油溶性酸及び開始剤を含み得る。 【0054】 第2の組成物は、乳化剤であり、水溶性又は水分散性ポリマー又はコポリマー、通常、少なくとも1つの水相開始剤及びアルカリ又はアルカリ塩のうちの1つ以上を含む。水相開始剤とは、開始剤が水中で可溶性又は分散性であることを意味する。 【0055】 第2の組成物の存在下での第1の組成物の反応は、低透過性マイクロカプセル壁の形成をもたらす。」 「【0285】 作製プロセス 本発明の組成物は、任意の好適な形態に配合されることができ、配合者によって選択される任意の方法によって調製することができるが、その非限定的な具体例は、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486,303号に記載されており、その全てが本明細書に参照により組み込まれる。 【0286】 一態様では、組成物を生成するためのプロセスであって、前記組成物が、消費者製品であるか、又は更には一態様では、洗浄組成物、布地ケア組成物、及び/若しくはパーソナルケア組成物であり、前記プロセスが、 a)本明細書に開示のプロセスに従って、選択された透過率のマイクロカプセルを形成する工程と、 b)前記マイクロカプセルを、1つ以上の補助剤成分と組み合わせる工程と、 を含む、プロセスが開示される。」 「【0322】 実施例1油相の調製及び壁材料の予備反応: 50gのシダー油、0.65gのTBAEMA、及び0.52gのβ-Cで構成される第1の油相を、26gのCN997を添加する前に、約1時間混合する。後のバッチに必要となるまで溶液を混合させる。 【0323】 200gのシダー油、1.56gのVazo-52、及び0.52gのVazo-67で構成される第2の油溶液を、ジャケット付きスチール製反応器に加える。反応器を35℃で維持し、油溶液を、5.08cm(2インチ)の4先端フラットブレードミキサを用いて1000rpmで混合する。窒素ブランケットを、300cc/分の速度で反応器に適用する。溶液を45分間かけて75℃に加熱し、75℃で35分間維持し、その後75分間かけて55℃まで冷却する。55℃時点で、第1の油相を添加し、組み合わせた油を55℃で更に70分間混合する。 【0324】 水相調製 30gのColloid 351、1.1gの20% NaOH、600gの水、及び1.56gのVazo-68WSPを含有する水相を調製し、Vazoが溶解するまで混合する。水相のpHを測定し、バッチ調製に必要となるまで溶液を混合する。このバッチの水相のpHは、4.58である。 【0325】 カプセルバッチ調製 油相温度が55℃まで減少した時点で、混合を停止し、水相を漏斗を介してバッチに添加する(相の早期混合を阻止するため)。所望の寸法特性を有するエマルションを生成するのに適切な速度で混合を再開する。この特定の場合において、混合は、3000rpmで20分間、及び2000rpmで40分間行う。 【0326】 ミル加工が完了した時点で、約400rpmで稼動する7.62cm(3インチ)のプロペラを用いて混合を行う。バッチを、55℃で更に45分間維持し、その後、温度を30分間かけて75℃に上昇させ、75℃で4時間維持し、30分間かけて90℃に上昇させ、90℃で8時間維持する。加熱サイクルの完了時にバッチを室温まで冷却させる。完了したバッチは、12.2μの体積加重中央寸法を有する。 【0327】 表1の実施例2~25を同様に調製する。バッチ調製方法は、表1に提示されることを除いて、実施例1に記載の方法に類似している。必要に応じて、20% NaOH又は濃HClのいずれかを用いて、水相pHを上下に調整する。実施例6及び7において、カプセル壁形成中にエマルションが不安定であるため、バッチ全体でミル加工を続ける。実施例15及び16は、同一のカプセルであるが、実施例16では、カプセルバッチのpHをpH4に調整する。実施例19及び20は類似している。実施例20において、カプセル保持の研究条件を、最初にpH 4に調整する。実施例25は、比較目的のために示されるメラミンホルムアルデヒド壁カプセルである。 【0328】 カプセル試験データ カプセル試験データが表1に示される。表は、カプセル漏れデータ(遊離油及び4週間のヘキサン漏れ)、各バッチのゼータ電位(カプセル表面電荷の尺度)、及び相対カプセル保持の尺度を含む。 【0329】 略語は、以下の材料に相当する: 【0330】 【表1】 [図:0001410653000012.jpg] 【0331】 【表2-1】 [図:0001410653000013.jpg] 」 「【0343】 実施例28.ローション中のマイクロカプセル 【0344】 【表8】 [図:0001410653000014.jpg] 1.シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー。Dow Corning(商標)から入手可能。 2.例えば、Tospearl(商標)145A又はTospearl 2000。GE Toshiba Silicone(商標)から入手可能。 3.ジメチコーン中25%ジメチコーンPEG-10/15クロスポリマー。Shin-Etsu(商標)から入手可能。 4.Jeen(商標)のJeenate(商標)3Hポリエチレンワックス。 5.ステアリルジメチコーン。Dow Corningから入手可能。 6.Laboratoires Serobiologiquesから入手可能なヘキサミジンジイセチオネート。 7.加えて、又はあるいは、当業者によって好適であるとみなされる時、組成物は、本明細書に開示の量の本明細書に開示の1つ以上の他のスキンケア活性物質、それらの塩及び誘導体を含み得る。 【0345】 上の実施例に関して、好適な容器の中で、相Aの成分を組み合わせる。別の好適な容器で、相Bの成分を組み合わせる。それぞれが実質的に一定の所望の温度に達し、かつ均質になるまで、好適な混合器(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、又はIKA T25)を用いて各相を混合しながら、各相を73℃~78℃に加熱する。相Aを混合し続けながら、相Bを相Aに徐々に加える。バッチが均一になるまで混合し続ける。73~78℃の生成物を好適な容器に注ぎ、室温で保存する。あるいは、温度を低下させながら混合物を撹拌し続けることで、21及び33℃でより低い硬度値が観察される。」 (ウ) 引用例に記載された発明 a 引用例1の実施例42に開示した封入体、及び当該封入体を含有する皮膚ローション65Bに着目するとともに、段落【0106】の粒子の作製プロセスの記載からみて、引用例1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明1) 「56グラムの香料組成物、37グラムの分配変性剤であるイソプロピルミリステート、0.5グラムのDuPont Vazo-67、0.125グラムの第3級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.125gの2-カルボキシエチルアクリレート、及び6.38gのSartomer CN975(6官能性-アクリレートオリゴマー)及び4.00グラムのジビニルアゾベンゼンからなる油溶液を反応させるプロセスと、100グラムの脱塩水、14gの5% Selvol 540ポリビニルアルコール、3.250gの1N NaOH、1gの4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)からなる水溶液を前記油溶液に加えて混合して、油相を水溶液に乳化しエマルションを形成するプロセスと、エマルションを加熱して前記有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有するマイクロカプセルを形成するプロセスと、形成された7マイクロメートルのマイクロカプセルからなる実施例42に開示された封入体1.5重量%と、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコンクロスポリマー)、ジメチコン、ポリメチルシルセスキオキサン、KSG-210(ジメチコン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせて100重量%とした皮膚ローションとするプロセスを含む、プロセス」 b 引用例2の実施例1の香料マイクロカプセル、及び、当該香料マイクロカプセルを含有する実施例9のシャンプー組成物の製造プロセスの記載に着目するとともに、請求項1、8、9の記載からみて、引用例2には次の発明(以下「引用発明2という。」が記載されているものと認められる。 (引用発明2) 「75gの香油ScentA、75gのミリスチン酸イソプロピル、0.6gのDuPont Vazo-52、及び0.4gのDuPont Vazo-67からなる第1の油剤に、37.5gの香油、0.5gの第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.4gの2-カルボキシエチルアクリレート、及び20gのSartomer CN975(六官能性ウレタンアクリレートオリゴマー)からなる第2の油剤を加えて混合し、その後、56gの5%活性ポリビニルアルコールCelvol 540水溶液、244gの水、1.1gの20% NaOH、及び1.2gのDuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を油剤の底部に加えて混合し、油相を水溶液に乳化した後に加熱することにより、有益剤を含むコア、及びコアを封入するシェルを有するポリアクリレートマイクロカプセルからなる、6.4ミクロンの中央粒径を有する実施例1の香料マイクロカプセルを得て、続いて、当該香料マイクロカプセルを10.87g予備計量した後、DADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、Mirapol 100S、Rhodiaより)を1.90g添加し、その後水を7.23g添加することによって、Mirapol 100Sと予備混合して、得られたカチオン性ポリマー/マイクロカプセルのプレミックスを、ポリクアテルニウム76(Mirapol AT-1、アクリルアミド(AM)とTRIQUATのコポリマー)、グア-ヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(Jaguar C500)、ポリクアテルニウム6(Mirapol 100S)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLE3S、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、シリコーン(グリシドールシリコーンVC2231-193C)、コカミドプロピルベタイン(Tegobetaine F-B)、コカミドMEA(Monamid CMA)、エチレングリコールジステアレート(EGDS Pure)、塩化ナトリウム、芳香剤、防腐剤、pH調節剤、水からなる実施例7 IIに提供される実施例組成であって10%の欠如部のあるシャンプー処方の上に加え、その後水を添加して混合することで、香料プレミックスを配合したシャンプー組成物の均質製品とする、プロセス」 c 引用例3の請求項1には、補助剤材料と、マイクロカプセルの第1集団と第2集団を含む組成物が、布地ケア及びホームケア組成物である、消費者製品、が記載されており、段落【0248】には布地向上剤固体粒子又はビーズ状組成物の実施例18が記載され、実施例18に配合されるマイクロカプセルの混合物として実施例1と実施例2のマイクロカプセルが用いられることが記載されている。そして、実施例1、実施例2のマイクロカプセルに着目するとともに、これらマイクロカプセル及び消費者製品の製造プロセスに関する記載からみて、引用例3には次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明3) 「組成物を含む消費者製品であって、前記組成物が、 補助剤材料と、 90重量%のコア/10重量%の壁、芳香Aカプセル、20%の分配変性剤を含み、12.6マイクロメートルの平均粒径を有する、実施例1のマイクロカプセルと、 90重量%のコア/10重量%の壁、芳香Aカプセル、40%の分配変性剤を含み、12.6マイクロメートルの平均粒径を有する、実施例2のマイクロカプセルと、を含み、 実施例1のマイクロカプセルは、 128.4gの香油、32.1gのミリスチン酸イソプロピル、0.86gのDuPont Vazo-67、0.69gのWako Chemicals V-501からなる油溶液Aに、19グラムのtert-ブチルアミノエチルメタクリレート(Sigma Aldrich)、0.19グラムのβ-カルボキシエチルアクリレート(Sigma Aldrich)、及び15.41グラムのSartomer CN975(Sartomer,Inc.)を添加した油溶液Bを、300gの脱イオン水からなる水溶液、2.40グラムのCelvol 540ポリビニルアルコール、1.03グラムのWako Chemicals V-501反応開始剤、0.51グラムの40%水酸化ナトリウム溶液からなる水溶液に移行させて、油相を水溶液内に乳化させ、続いて、加熱することによって得られるマイクロカプセルであり、 前記組成物が、布地ケア及びホームケア組成物である、消費者製品を製造するプロセス」 d 引用例4の実施例3の香料粒子、及び当該香料粒子を含有する実施例24のローションIIに着目するとともに、請求項13の記載からみて、引用例4には次の発明(以下「引用発明4という。」が記載されているものと認められる。 (引用発明4) 「112.5g(=150g-37.5g)の香油、37.5gのミリスチン酸イソプロピル、0.6gのDuPont Vazo-52、及び0.4gのDuPont Vazo-67からなる第1の油剤に、37.5gの香油、0.5gの第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、0.4gの2-アクリル酸カルボキシエチル、及び19.5gのSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)からなる第2の油剤を加えて混合し、その後、112gの5% Celvol 540ポリビニルアルコール、200gの水、1.1gの20% NaOH、及び1.17gのDuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を油剤の底部に加えて混合し、油相を水溶液に乳化してエマルションを形成した後に、有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有する粒子を形成するために、前記エマルションを加熱することによって、前記エマルションを硬化して、9.72マイクロメートルの中央粒径を有する実施例3の香料粒子を得て、続いて、当該実施例3の香料粒子1.00重量%と、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー)、ジメチコーン、ポリメチルシルセスキオキサン、シクロメチコン、KSG-210(ジメチコーン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせて100重量%としたローションとする、プロセス」 e 引用例5の実施例3のマイクロカプセル粒子、及び当該マイクロカプセル粒子を含有する実施例28のローションIIに着目するとともに、段落【0052】~【0055】のカプセル化材料を製造するプロセスの記載からみて、引用例5には次の発明(以下「引用発明5」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明5) 「50gのシダー油、0.65gのTBAEMA(第三ブチルアミノエチルメタクリレート)、及び0.52gのβ-C(β-カルボキシエチルアクリレート)で構成される第1の油相を、26gのCN997(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)を添加する前に、約1時間混合し、後のバッチに必要となるまで溶液を混合させ、続いて、200gのシダー油、1.56gのVazo-52、及び0.52gのVazo-67で構成される第2の油溶液を混合したのち、第1の油相を添加し、組み合わせた油を更に混合してバッチを作成し、その後、30gのポリビニルアルコール(Celvol 540 PVA)、1.1gの20% NaOH、600gの水、及び1.56gのVazo-68WSPを含有する水相を調製し、Vazoが溶解するまで混合した水相を漏斗を介してバッチに添加して混合することによりエマルションを生成し、加熱することによって、コア材料と、コア材料を取り囲む壁材料とを含む、9.9μの体積加重中央寸法を有する実施例3のマイクロカプセル粒子を作製し、続いて、当該マイクロカプセル1.00重量%と、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー)、ジメチコーン、ポリメチルシルセスキオキサン、シクロメチコン、KSG-210(ジメチコーン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせて100重量%としたローションとする、プロセス」 (エ) 引用例1を主引用例とする場合について a 本願補正発明1 本願補正発明1と引用発明1を対比すると、引用発明1の「香料組成物」は本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「香油」及び第2の油混合物に含まれる「(iv)香油」に相当し、引用発明1の「分配変性剤であるイソプロピルミリステート」は本願補正発明1の「分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエート」に相当し、引用発明1の「DuPont Vazo-67」は本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「開始剤」に相当し、引用発明1の「第3級ブチルアミノエチルメタクリレート」は本願補正発明1の「(i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー」に相当し、引用発明1の「Sartomer CN975(6官能性-アクリレートオリゴマー)」は本願補正発明1の「(iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料」に相当する。 引用発明1の「脱塩水」は本願補正発明1の「水を含む連続相」、引用発明1の「5% Selvol 540ポリビニルアルコール」は本願補正発明1の「ポリビニルアルコールを含む乳化剤」に相当し、引用発明1の「1N NaOH」は本願補正発明1の「pH調整剤」に相当し、引用発明1の「4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)」は本願補正発明1の第2の組成物に含まれる「開始剤」に相当する。 引用発明1の「油溶液を反応させるプロセス」、「水溶液を前記油溶液に加えて混合して、油相を水溶液に乳化しエマルションを形成するプロセス」、「エマルションを加熱して前記有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有するマイクロカプセルを形成するプロセス」は、本願補正発明1の「第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される」、「a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成する」、「1つ以上の加熱工程で前記エマルションを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成する」に相当する。 引用発明1の「実施例42に開示された封入体1.5重量%と、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコンクロスポリマー)、ジメチコン、ポリメチルシルセスキオキサン、KSG-210(ジメチコン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせて100重量%とした皮膚ローションとするプロセス」は、本願補正発明1の「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み」に相当する。 引用発明1のシャンプー配合物総重量に基づいた実施例42に開示された封入体の含有量は1.5重量%であり、本願補正発明1の「前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み」を充足する。 引用発明1のマイクロカプセルの「7マイクロメートルの中央粒径」は、本願補正発明1の有益剤含有送達粒子の「0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの体積加重平均粒径」を充足する。 引用発明1のプロセスで得られるマイクロカプセルである「実施例42に開示された封入体」は、香油を含むコアを封入するシェルを有すること、並びに、水溶液に含まれる「ポリビニルアルコール」、及び、「第3級ブチルアミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、6官能性-アクリレートオリゴマー」を反応させたポリアクレートポリマーが形成したシェルに含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み」、「前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコールと1つ以上のポリアクレートポリマーを含み」に相当する。 引用発明1のプロセスで得られるマイクロカプセルである「実施例42に開示された封入体」は、その封入体を構成するコアに「分配変性剤であるイソプロピルミリステート」が含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「コアが分配変性剤を含み、前記分配変性剤がプロパン-2-イルテトラデカノエートを含む」に相当する。また、引用発明1のコアの総重量における「37グラムの分配変性剤であるイソプロピルミリステート」の含有割合は、コアが香油及び分配変性剤から構成されることを踏まえて算出すると、コアの総重量に基づいて40%(37/(56+37)≒0.40)となることから、本願補正発明1の「前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み」を充足する。 すると、本願補正発明1と引用発明1の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含む、プロセス。」 <相違点1-1> 本願補正発明1では、前記第2の油混合物が「(ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー」を含むのに対し、引用発明1では、油溶液が「2-カルボキシエチルアクリレート」を含んでいる点 <相違点1-2> 本願補正発明1では、第2の組成物が「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれるのに対し、引用発明1の水溶液に含まれる水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量が、当該水溶液に含まれる「14gの5% Selvol 540ポリビニルアルコール」中のポリビニルアルコール含有量と水含有量、「100グラムの脱塩水」及び「3.250gの1N NaOH」中の水の含有量から算出した結果、0.6重量%((14×0.05)/(14×0.95+100+3.25×(1-40/1000))≒0.006)である点 <相違点1-3> 本願補正発明1では、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」プロセスを含んでいるのに対し、引用発明1ではそのようなプロセスについて明示されていない点 <相違点1-4> 本願補正発明1では、「前記有益剤含有送達粒子が、α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含」んでいるのに対し、引用発明1では実施例42に開示した封入体に含まれるポリビニルアルコールの含有量について特定されていない点 事情に鑑み、相違点1-3について検討する。引用例1には、封入体から遊離するポリビニルアルコールのレベルを低減させること、そのために、封入体の製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けること、のいずれについても記載も示唆もない。よって、相違点1-3は実質的な相違点である。 また、引用例2~5のいずれにも、封入体からの遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減させるために、その製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けることについて記載も示唆もされておらず、そのような技術常識もない。してみれば、引用発明1において、封入体の製造プロセスにマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けて、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することは、当業者が容易に想到しうるとはいえない。そして、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって得られる有益剤含有送達粒子スラリーの安定性向上という本願補正発明の効果も引用例1~5の記載から予測しえない顕著なものであるといえる。 したがって、相違点1-3は当業者であっても容易に想到しうることということはできず、相違点1-1、1-2、1-4を検討するまでもなく、本願補正発明1は、引用例1に記載された発明ではなく、引用例1に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 b 本願補正発明2~10 本願補正発明2~10は、本願補正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに限定した発明に該当するところ、上記aのとおり、本願補正発明1は、引用例1に記載された発明ではなく、引用例1に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができないことから、同様の理由により、本願補正発明2~10も、引用例1に記載された発明ではなく、引用例1に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 (オ) 引用例2を主引用例とする場合について a 本願補正発明1 本願補正発明1と引用発明2を対比すると、引用発明2の第1の油剤に含まれる「香油ScentA」、「ミリスチン酸イソプロピル」、「DuPont Vazo-52、及びDuPont Vazo-67」はそれぞれ、本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「香油」、「分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエート」、「開始剤」に相当し、引用発明2の第2の油剤に含まれる「香油」、「第三級ブチルアミノエチルメタクリレート」、「Sartomer CN975(六官能性ウレタンアクリレートオリゴマー)」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の油混合物に含まれる「(iv)香油」、「(i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー」、「(iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料」に相当する。 引用発明2の水溶液に含まれる「5%活性ポリビニルアルコールCelvol 540水溶液」、「水」、「20% NaOH」、「DuPont Vazo-68WSP」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の組成物に含まれる「ポリビニルアルコールを含む乳化剤」、「水を含む連続相」、「pH調整剤」、「開始剤」に相当する。 引用発明2の「第1の油剤に、第2の油剤を加えて混合し、その後、ポリビニルアルコール、水、NaOH、及び、DuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を油剤の底部に加えて混合し、油相を水溶液に乳化した後に加熱することにより、有益剤を含むコア、及びコアを封入するシェルを有するポリアクリレートマイクロカプセルからなる、実施例1の香料マイクロカプセルを得て」は、本願補正発明1の「第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される」、「a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成する」、「1つ以上の加熱工程で前記エマルションを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成する」に相当する。 引用発明2の「続いて、当該香料マイクロカプセルを予備計量した後、DADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、Mirapol 100S、Rhodiaより)を添加し、その後水を添加することによって、Mirapol 100Sと予備混合して、得られたカチオン性ポリマー/マイクロカプセルのプレミックスを、ポリクアテルニウム76(Mirapol AT-1、アクリルアミド(AM)とTRIQUATのコポリマー)、グア-ヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(Jaguar C500)、ポリクアテルニウム6(Mirapol 100S)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLE3S、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、シリコーン(グリシドールシリコーンVC2231-193C)、コカミドプロピルベタイン(Tegobetaine F-B)、コカミドMEA(Monamid CMA)、エチレングリコールジステアレート(EGDS Pure)、塩化ナトリウム、芳香剤、防腐剤、pH調節剤、水からなる実施例7 IIに提供される実施例組成であって、10%の欠如部のあるシャンプー処方の上に加え、その後水を添加して混合することで、香料プレミックスを配合したシャンプー組成物の均質製品とする、プロセス」は、本願補正発明1の「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み」に相当する。 引用発明2のシャンプー組成物総重量に基づいた実施例1の香料マイクロカプセルの含有量は、カチオン性ポリマー/マイクロカプセルのプレミックスを10%の欠如部のあるシャンプー処方の上に加えていることを踏まえて算出すると5.4重量%(10×10.87/(10.87+1.90+7.23)≒5.4)となり、本願補正発明1の「前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み」を充足する。 引用発明2の香料マイクロカプセルの「6.4ミクロンの中央粒径」は、本願補正発明1の有益剤含有送達粒子の「0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの体積加重平均粒径」を充足する。 引用発明2のプロセスで得られる実施例1の香料マイクロカプセルは、「油相を水溶液に乳化した後に加熱することにより、有益剤を含むコア、及びコアを封入するシェルを有するポリアクリレートマイクロカプセルからなる」ものであり、水溶液に含まれる「ポリビニルアルコール」、及び、「第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、六官能性ウレタンアクリレートオリゴマー」を反応させたポリアクレートポリマーが形成したシェルに含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み」、「前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコールと1つ以上のポリアクレートポリマーを含み」に相当する。 引用発明2のプロセスで得られる実施例1の香料マイクロカプセルは、そのマイクロカプセルを構成するコアに「ミリスチン酸イソプロピル」が含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「コアが分配変性剤を含み、前記分配変性剤がプロパン-2-イルテトラデカノエートを含む」に相当する。また、引用発明2のコアの総重量における「75gのミリスチン酸イソプロピル」の含有割合は、コアが香油及び分配変性剤から構成されることを踏まえて算出すると、コアの総重量に基づいて40%(75/(75+37.5+75)=0.4)となることから、本願補正発明1の「前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み」を充足する。 引用発明2のプロセスに用いられる水溶液に含まれる水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量が、当該水溶液に含まれる「56gの5%活性ポリビニルアルコールCelvol 540水溶液」中のポリビニルアルコール含有量と水含有量、「244gの水」及び「1.1gの20% NaOH」中の水の含有量から算出した結果、0.9重量%((56×0.05)/(56×0.95+244+1.1×(1-0.2))≒0.009)となることから、本願補正発明1の第2の組成物が「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」を充足する。 すると、本願補正発明1と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含む、プロセス。」 <相違点2-1> 本願補正発明1では、前記第2の油混合物が「(ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー」を含むのに対し、引用発明2では、第2の油剤が「2-カルボキシエチルアクリレート」を含んでいる点 <相違点2-2> 本願補正発明1では、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」プロセスを含んでいるのに対し、引用発明2ではそのようなプロセスについて明示されていない点 <相違点2-3> 本願補正発明1では、「前記有益剤含有送達粒子が、α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含」んでいるのに対し、引用発明2では実施例1の香料マイクロカプセルに含まれるポリビニルアルコールの含有量について特定されていない点 事情に鑑み、相違点2-2について検討する。引用例2には、マイクロカプセルから遊離するポリビニルアルコールのレベルを低減させること、そのために、マイクロカプセルの製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けること、のいずれについても記載も示唆もない。よって、相違点2-2は実質的な相違点である。 また、引用例1、3~5のいずれにも、マイクロカプセルからの遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減させるために、その製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けることについて記載も示唆もされておらず、そのような技術常識もない。してみれば、引用発明2において、マイクロカプセルの製造プロセスにマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けて、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することは、当業者が容易に想到しうるとはいえない。そして、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって得られる有益剤含有送達粒子スラリーの安定性向上という本願補正発明の効果も引用例1~5の記載から予測しえない顕著なものであるといえる。 したがって、相違点2-2は当業者であっても容易に想到しうることということはできず、相違点2-1、2-3を検討するまでもなく、本願補正発明1は、引用例2に記載された発明ではなく、引用例2に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 b 本願補正発明2~10 本願補正発明2~10は、本願補正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに限定した発明に該当するところ、上記aのとおり、本願補正発明1は、引用例2に記載された発明ではなく、引用例2に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができないことから、同様の理由により、本願補正発明2~10も、引用例2に記載された発明ではなく、引用例2に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 (カ) 引用例3を主引用例とする場合について a 本願補正発明1 本願補正発明1と引用発明3を対比すると、引用発明3の油溶液Aに含まれる「香油」は、本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「香油」及び第2の油混合物に含まれる「(iv)香油」に相当し、引用発明3の油溶液Aに含まれる、「ミリスチン酸イソプロピル」、「DuPont Vazo-67、Wako Chemicals V-501」はそれぞれ、本願補正発明1の「分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエート」、「開始剤」に相当し、引用発明3の油溶液Bに含まれる「tert-ブチルアミノエチルメタクリレート」、「Sartomer CN975」はそれぞれ、本願補正発明1の「(i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー」、「(iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料」に相当する。 引用発明3の水溶液に含まれる「脱イオン水からなる水溶液」、「Celvol 540ポリビニルアルコール」、「Wako Chemicals V-501反応開始剤」、「40%水酸化ナトリウム溶液」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の組成物に含まれる「水を含む連続相」、「ポリビニルアルコールを含む乳化剤」、「開始剤」、「pH調整剤」に相当する。 引用発明3の「香油、ミリスチン酸イソプロピル、DuPont Vazo-67、Wako Chemicals V-501からなる油溶液Aに、tert-ブチルアミノエチルメタクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、及びSartomer CN975を添加した油溶液Bを、脱イオン水からなる水溶液、Celvol 540ポリビニルアルコール、Wako Chemicals V-501反応開始剤、40%水酸化ナトリウム溶液からなる水溶液に移行させて、油相を水溶液内に乳化させ、続いて、加熱することによって得られるマイクロカプセルであり」は、本願補正発明1の「第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される」、「a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成する」、「1つ以上の加熱工程で前記エマルションを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成する」に相当する。 引用発明3の「組成物を含む消費者製品であって、前記組成物が、補助剤材料と、実施例1のマイクロカプセルと、実施例2のマイクロカプセルとを含み、前記組成物が、布地ケア及びホームケア組成物である、消費者製品を製造するプロセス」は、本願補正発明1の「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み」に相当する。 引用発明3の実施例1のマイクロカプセル粒子の「12.6マイクロメートルの平均粒径」は、本願補正発明1の有益剤含有送達粒子の「0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの体積加重平均粒径」を充足する。 引用発明3のプロセスで得られる実施例1のマイクロカプセル粒子は、「油相を水溶液内に乳化させ、続いて、加熱することによって得られるマイクロカプセルであり」、水溶液に含まれる「ポリビニルアルコール」、及び、「tert-ブチルアミノエチルメタクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、Sartomer CN975」を反応させたポリアクレートポリマーが形成した壁に含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み」、「前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコールと1つ以上のポリアクレートポリマーを含み」に相当する。 引用発明3のプロセスで得られる実施例1のマイクロカプセル粒子は、そのマイクロカプセルを構成するコアに「ミリスチン酸イソプロピル」が含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「コアが分配変性剤を含み、前記分配変性剤がプロパン-2-イルテトラデカノエートを含む」に相当する。また、引用発明3のコアの総重量における「32.1gのミリスチン酸イソプロピル」の含有割合は、コアが香油及び分配変性剤から構成されることを踏まえて算出すると、コアの総重量に基づいて20%(32.1/(32.1+128.4)=0.2)となることから、本願補正発明1の「前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み」を充足する。 引用発明3のプロセスに用いられる水溶液に含まれる水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量が、当該水溶液に含まれる「2.40グラムのCelvol 540ポリビニルアルコール」中のポリビニルアルコール含有量、「300gの脱イオン水」及び「0.51グラムの40%水酸化ナトリウム溶液」中の水の含有量から算出した結果、0.8重量%(2.40/(300+0.51×(1-0.4))≒0.008)となることから、本願補正発明1の第2の組成物が「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる」を充足する。 すると、本願補正発明1と引用発明3の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれる、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含む、プロセス。」 <相違点3-1> 本願補正発明1では、前記第2の油混合物が「(ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー」を含むのに対し、引用発明3では、油溶液Bが「β-カルボキシエチルアクリレート」を含んでいる点 <相違点3-2> 本願補正発明1では、「前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含」んでいるのに対し、引用発明3の組成物が、消費者製品総重量に基づいたマイクロカプセルの含有割合が特定されていない点 <相違点3-3> 本願補正発明1では、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」プロセスを含んでいるのに対し、引用発明3ではそのようなプロセスについて明示されていない点 <相違点3-4> 本願補正発明1では、「前記有益剤含有送達粒子が、α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含」んでいるのに対し、引用発明3ではマイクロカプセル粒子に含まれるポリビニルアルコールの含有量について特定されていない点 事情に鑑み、相違点3-3について検討する。引用例3には、マイクロカプセルから遊離するポリビニルアルコールのレベルを低減させること、そのために、マイクロカプセルの製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けること、のいずれについても記載も示唆もない。よって、相違点3-3は実質的な相違点である。 また、引用例1、2、4、5のいずれにも、マイクロカプセルからの遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減させるために、その製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けることについて記載も示唆もされておらず、そのような技術常識もない。してみれば、引用発明3において、マイクロカプセルの製造プロセスにマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けて、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することは、当業者が容易に想到しうるとはいえない。そして、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって得られる有益剤含有送達粒子スラリーの安定性向上という本願補正発明の効果も引用例1~5の記載から予測しえない顕著なものであるといえる。 したがって、相違点3-3は当業者であっても容易に想到しうることということはできず、相違点3-1、3-2、3-4を検討するまでもなく、本願補正発明1は、引用例3に記載された発明ではなく、引用例3に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 b 本願補正発明2~10 本願補正発明2~10は、本願補正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに限定した発明に該当するところ、上記aのとおり、本願補正発明1は、引用例3に記載された発明ではなく、引用例3に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができないことから、同様の理由により、本願補正発明2~10も、引用例3に記載された発明ではなく、引用例3に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 (キ) 引用例4を主引用例とする場合について a 本願補正発明1 本願補正発明1と引用発明4を対比すると、引用発明4の第1の油剤に含まれる「香油」、「ミリスチン酸イソプロピル」、「DuPont Vazo-52、及びDuPont Vazo-67」はそれぞれ、本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「香油」、「分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエート」、「開始剤」に相当し、引用発明4の第2の油剤に含まれる「香油」、「第三級ブチルアミノエチルメタクリレート」、「Sartomer CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の油混合物に含まれる「(iv)香油」、「(i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー」、「(iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料」に相当する。 引用発明4の水溶液に含まれる「5% Celvol 540ポリビニルアルコール」、「水」、「20% NaOH」、「DuPont Vazo-68WSP」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の組成物に含まれる「ポリビニルアルコールを含む乳化剤」、「水を含む連続相」、「pH調整剤」、「開始剤」に相当する。 引用発明4の「第1の油剤に、第2の油剤を加えて混合し、その後、ポリビニルアルコール、水、NaOH、及び、DuPont Vazo-68WSPからなる水溶液を油剤の底部に加えて混合し、油相を水溶液に乳化してエマルションを形成した後に、有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有する粒子を形成するために、前記エマルションを加熱することによって、前記エマルションを硬化して、実施例3の香料粒子を得て」は、本願補正発明1の「第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される」、「a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成する」、「1つ以上の加熱工程で前記エマルションを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成する」に相当する。 引用発明4の「続いて、当該実施例3の香料粒子と、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー)、ジメチコーン、ポリメチルシルセスキオキサン、シクロメチコン、KSG-210(ジメチコーン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせてローションとする、プロセス」は、本願補正発明1の「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み」に相当する。 引用発明4のローション総重量に基づいた実施例3の香料粒子の含有量は1.00重量%であり、本願補正発明1の「前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み」を充足する。 引用発明4の香料粒子の「9.72マイクロメートルの中央粒径」は、本願補正発明1の有益剤含有送達粒子の「0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの体積加重平均粒径」を充足する。 引用発明4のプロセスで得られる実施例3の香料粒子は、「油相を水溶液に乳化してエマルションを形成した後に、有益剤を含むコアと、アクリレートを含み前記有益剤をカプセル化するシェルと、を有する粒子を形成するために、前記エマルションを加熱することによって、前記エマルションを硬化して、香料粒子を得」たものであり、水溶液に含まれる「ポリビニルアルコール」、及び、「第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、2-アクリル酸カルボキシエチル、六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー」を反応させたポリアクレートポリマーが形成したシェルに含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み」、「前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコールと1つ以上のポリアクレートポリマーを含み」に相当する。 引用発明4のプロセスで得られる実施例3の香料粒子は、その香料粒子を構成するコアに「ミリスチン酸イソプロピル」が含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「コアが分配変性剤を含み、前記分配変性剤がプロパン-2-イルテトラデカノエートを含む」に相当する。また、引用発明4のコアの総重量における「75gのミリスチン酸イソプロピル」の含有割合は、コアが香油及び分配変性剤から構成されることを踏まえて算出すると、コアの総重量に基づいて20%(37.5/(112.5+37.5+37.5)=0.2)となることから、本願補正発明1の「前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み」を充足する。 すると、本願補正発明1と引用発明4の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤、及び分配変性剤を含むコアを含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含み、前記コアが、コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含み、前記分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含む、プロセス。」 <相違点4-1> 本願補正発明1では、前記第2の油混合物が「(ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー」を含むのに対し、引用発明4では、第2の油剤が「2-アクリル酸カルボキシエチル」を含んでいる点 <相違点4-2> 本願補正発明1では、第2の組成物が「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれるのに対し、引用発明4の水溶液に含まれる水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量が、当該水溶液に含まれる「112gの5% Celvol 540ポリビニルアルコール」中のポリビニルアルコール含有量と水含有量、「200グラムの水」及び「1.1gの20% NaOH」中の水の含有量から算出した結果、1.82重量%((112×0.05)/(112×0.95+200+1.1×(1-0.2))≒0.0182)である点 <相違点4-3> 本願補正発明1では、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」プロセスを含んでいるのに対し、引用発明4ではそのようなプロセスについて明示されていない点 <相違点4-4> 本願補正発明1では、「前記有益剤含有送達粒子が、α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含」んでいるのに対し、引用発明4では実施例3の香料粒子に含まれるポリビニルアルコールの含有量について特定されていない点 事情に鑑み、相違点4-3について検討する。引用例4には、香料粒子から遊離するポリビニルアルコールのレベルを低減させること、そのために、香料粒子の製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けること、のいずれについても記載も示唆もない。よって、相違点4-3は実質的な相違点である。 また、引用例1~3、5のいずれにも、香料粒子からの遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減させるために、その製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けることについて記載も示唆もされておらず、そのような技術常識もない。してみれば、引用発明4において、香料粒子の製造プロセスにマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けて、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することは、当業者が容易に想到しうるとはいえない。そして、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって得られる有益剤含有送達粒子スラリーの安定性向上という本願補正発明の効果も引用例1~5の記載から予測しえない顕著なものであるといえる。 したがって、相違点4-3は当業者であっても容易に想到しうることということはできず、相違点4-1、4-2、4-4を検討するまでもなく、本願補正発明1は、引用例4に記載された発明ではなく、引用例4に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 b 本願補正発明2~10 本願補正発明2~10は、本願補正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに限定した発明に該当するところ、上記aのとおり、本願補正発明1は、引用例4に記載された発明ではなく、引用例4に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができないことから、同様の理由により、本願補正発明2~10も、引用例4に記載された発明ではなく、引用例4に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 (ク) 引用例5を主引用例とする場合について a 本願補正発明1 本願補正発明1と引用発明5を対比すると、引用発明5の第1の油相に含まれる「シダー油」、「TBAEMA(第三ブチルアミノエチルメタクリレート)」、CN997(六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー)はそれぞれ、本願補正発明1の第2の油混合物に含まれる「(iv)香油」、「(i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー」、「(iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料」に相当し、引用発明5の第2の油相に含まれる「シダー油」、「Vazo-52、及びVazo-67」はそれぞれ、本願補正発明1の第1の油混合物に含まれる「香油」、「開始剤」に相当する。 引用発明5の水相に含まれる「ポリビニルアルコール(Celvol 540 PVA)」、「20% NaOH」、「水」、「Vazo-68WSP」はそれぞれ、本願補正発明1の第2の組成物に含まれる「ポリビニルアルコールを含む乳化剤」、「pH調整剤」、「水を含む連続相」、「開始剤」に相当する。 引用発明5の「第2の油溶液を混合したのち、第1の油相を添加し、組み合わせた油を更に混合してバッチを作成し、その後、水相を漏斗を介してバッチに添加して混合することによりエマルションを生成し、加熱することによって、コア材料と、コア材料を取り囲む壁材料とを含む、実施例3のマイクロカプセル粒子を作製し」は、本願補正発明1の「第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される」、「a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成する」、「1つ以上の加熱工程で前記エマルションを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成する」に相当する。 引用発明5の「続いて、当該マイクロカプセルと、DC-9040(シクロペンタシロキサン中12.5%ジメチコーンクロスポリマー)、ジメチコーン、ポリメチルシルセスキオキサン、シクロメチコン、KSG-210(ジメチコーン中25%ジメチコンPEG-10/15クロスポリマー)、DC-2503化粧用ワックス(ステアリルジメチコーン)、TiO2被覆雲母、グリセリン、デクスパンテノール、ペンチレングリコール、ヘキサミジンジイセチオネート、ナイアシンアミド、メチルパラペン、エチルパラペン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、FD&Cレッド40(1%)、水を組み合わせてローションとする、プロセス」は、本願補正発明1の「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作製するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み」に相当する。 引用発明5のローション総重量に基づいた実施例3のマイクロカプセル粒子の含有量は1.00重量%であり、本願補正発明1の「前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み」を充足する。 引用発明5のマイクロカプセル粒子の「9.9μの体積加重中央寸法」は、本願補正発明1の有益剤含有送達粒子の「0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの体積加重平均粒径」を充足する。 引用発明5のプロセスで得られる実施例3のマイクロカプセル粒子は、「水相を漏斗を介してバッチに添加して混合することによりエマルションを生成し、加熱することによって、コア材料と、コア材料を取り囲む壁材料とを含む、実施例3のマイクロカプセル粒子を作製し」たものであり、水相に含まれる「ポリビニルアルコール」、及び、「第三ブチルアミノエチルメタクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー」を反応させたポリアクレートポリマーが形成した壁材料に含まれることがその形成プロセスからみて明らかであることから、本願補正発明1の「前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み」、「前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコールと1つ以上のポリアクレートポリマーを含み」に相当する。 すると、本願補正発明1と引用発明5の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスであって、消費者製品の補助成分と有益剤含有送達粒子とを組み合わせることを含み、前記有益剤含有送達粒子が、 a)とb)との組み合わせを乳化してエマルションを形成することであって、 a)が、第1の油混合物と第2の油混合物とを組み合わせることにより形成される第1の組成物であり、前記第1の油混合物が、香油、開始剤を含むコアを含み、 前記第2の油混合物が、 (i)油溶性アミノアルキルアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー、 (iii)多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性メタクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、 (iv)香油、を含み、 b)が、水を含む連続相、pH調整剤、ポリビニルアルコールを含む乳化剤、及び任意に開始剤を含む第2の組成物であって、エマルションを形成することと、 1つ以上の加熱工程で前記エマルジョンを加熱して前記コアを封入するシェルを形成し、それにより前記コアを封入する前記シェルを含む有益剤含有送達粒子を形成することと、 を含むプロセスによって作製され、前記有益剤含有送達粒子が連続相に分散されており、 前記組成物が、消費者製品総重量に基づいて、0.0003重量%~11重量%の前記有益剤含有送達粒子を含み、前記有益剤含有送達粒子が、前記香油を含むコアと、前記コアを封入するシェルとを含み、 β)前記有益剤含有送達粒子が、0.5マイクロメートル~100マイクロメートルの体積加重平均粒径を有し、前記有益剤含有送達粒子のシェルが、前記ポリビニルアルコール及び1つ以上のポリアクリレートポリマーを含む、プロセス。」 <相違点5-1> 本願補正発明1では、前記第2の油混合物が「(ii)ヒドロキシアルキルアクリレートモノマー及び/又はオリゴマー」を含むのに対し、引用発明5では、第1の油相が「β-C(β-カルボキシエチルアクリレート)」を含んでいる点 <相違点5-2> 本願補正発明1では、第2の組成物が「ポリビニルアルコールは前記連続相の水の総重量に対して0.8重量%~1.8重量%で含まれるのに対し、引用発明5の水溶液に含まれる水の総重量に対するポリビニルアルコールの含有量が特定されていない点 <相違点5-3> 本願補正発明1では、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」プロセスを含んでいるのに対し、引用発明5ではそのようなプロセスについて明示されていない点 <相違点5-4> 本願補正発明1では、「前記有益剤含有送達粒子が、α)前記連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコールを含」んでいるのに対し、引用発明5では実施例3のマイクロカプセル粒子に含まれるポリビニルアルコールの含有量について特定されていない点 <相違点5-5> 本願補正発明1では、第1の油混合物が「分配変性剤を含み」、「分配変性剤が、プロパン-2-イルテトラデカノエートを含み」、有益剤含有送達粒子のコアが「コアの総重量に基づいて、10重量%超の分配変性剤を含」んでいるのに対し、引用発明5では分配変性剤を含んでいない点 事情に鑑み、相違点5-3について検討する。引用例5には、マイクロカプセル粒子から遊離するポリビニルアルコールのレベルを低減させること、そのために、マイクロカプセル粒子の製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けること、のいずれについても記載も示唆もない。よって、相違点5-3は実質的な相違点である。 また、引用例1~4のいずれにも、マイクロカプセル粒子からの遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減させるために、その製造プロセスにおいてマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けることについて記載も示唆もされておらず、そのような技術常識もない。してみれば、引用発明5において、マイクロカプセル粒子の製造プロセスにマイクロカプセルを含むスラリーを精製するプロセスを設けて、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することは、当業者が容易に想到しうるとはいえない。そして、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって得られる有益剤含有送達粒子スラリーの安定性向上という本願補正発明の効果も引用例1~5の記載から予測しえない顕著なものであるといえる。 したがって、相違点5-3は当業者であっても容易に想到しうることということはできず、相違点5-1、5-2、5-4、5-5を検討するまでもなく、本願補正発明1は、引用例5に記載された発明ではなく、引用例5に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 b 本願補正発明2~10 本願補正発明2~10は、本願補正発明1を直接又は間接的に引用し、さらに限定した発明に該当するところ、上記aのとおり、本願補正発明1は、引用例5に記載された発明ではなく、引用例5に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができないことから、同様の理由により、本願補正発明2~10も、引用例5に記載された発明ではなく、引用例5に記載された発明及び引用例1~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができない。 エ 記載要件違反について (ア) また、令和2年10月29日付けで通知された拒絶の理由において、理由3(サポート要件違反)、理由4(実施可能要件違反)、理由5(明確性違反)の理由を通知している。 (イ) サポート要件違反について 令和2年10月29日付けで通知された拒絶の理由における理由3は、要するに、「本願発明が解決しようとする課題は、コロイドで使用するポリビニルアルコールに起因する遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減することによって、有益剤含有送達粒子のスラリー安定性及び有効性を向上しうることである」ところ、「本願の実施例として考えられるカプセル中に0.58%又は0.88%のポリビニルアルコールを含有するものであっても、所望するスラリー安定性を有さないことが示されている」こと、「全ての有益剤含有送達粒子を含有する消費者製品組成物であっても、本願発明の課題であるスラリー安定化及び有効性を向上しうるのかどうか不明である」ことから、発明の詳細な説明に記載された事項を請求項1に係る発明の範囲に及びまで、拡張乃至一般化できる根拠は見いだせず、サポート要件を満たしていないというものである。 しかしながら、本願補正発明1~10は「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」なる発明特定事項を包含するものであるところ、上記理由で指摘されている「本願の実施例として考えられるカプセル中に0.58%又は0.88%のポリビニルアルコールを含有するものであっても、所望するスラリー安定性を有さないことが示されている」との判断の根拠となるスラリー試料は、未精製のスラリーであり、当初明細書等の段落【0151】表3に記載のとおり、未精製のスラリー試料に対して、精製後の試料及び2回精製した試料はいずれも遊離ポリビニルアルコール%の値が減少しており、また、同段落【0155】表5に記載のとおり、添加したポリビニルアルコール%が1.8%である試料に対して1回精製することにより、30℃及び40℃で1ヶ月保管した試料が相分離を生じていないことから、本願発明の課題であるスラリー安定化及び有効性を向上しうるものといえる。よって、本願補正発明1~10の記載は、サポート要件を満たしている。 (ウ) 実施可能要件違反について 令和2年10月29日付けで通知された拒絶の理由における理由4は、要するに、「コアの総重量に基づいて0.1%~1.1%のポリビニルアルコールを含む全てのものや、実施例以外の本願発明に包含される多種多様のコアシェルカプセルや消費者製品組成物であっても、所望するスラリー安定化及び有効性を向上しうることは、当該技術分野において自明の事項ではないことから、本願明細書の発明の詳細な説明において何等の開示もなく当業者が実施しうるものではなく、当業者をして過度の試行錯誤を強いるものである」ことから、実施可能要件を満たしていないというものである。 しかしながら、補正後の請求項1~10の消費者製品補助材料及び有益剤含有送達粒子を含む組成物である消費者製品を作成するプロセスの発明について、当初明細書等の発明の詳細な説明には、具体的な実施例が記載されており、当該実施例について上記(イ)での検討のとおり、「得られた有益剤含有送達粒子スラリーを精製して、遊離ポリビニルアルコールのレベルを低減する」工程を含むプロセスにより得られた精製スラリーは、未精製スラリーに対してスラリー安定性及び有効性を向上させる効果が得られることが示されている。そして、実施例以外の補正後の請求項1~10に記載された発明特定事項の包含する作成プロセスにより得られる消費者製品についても実施例等の記載に基づき当業者が過度の試行錯誤を強いることなく実施しうるものといえる。よって、本願の発明の詳細な説明の記載は、実施可能要件を満たしている。 (エ) 明確性違反について 令和2年10月29日付けで通知された拒絶の理由における理由5の具体的理由として示された(1)~(7)に挙げられた請求項における不明瞭な記載のいずれについても、その後の補正により、本願補正発明1~10の発明特定事項に含まれておらず、本願補正発明は明確性要件を満たしている。 (5) まとめ 上記(3)で検討したように、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「請求項の削除」、同法同条同項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、同法同条同項第4号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする補正に該当し、上記(2)で検討したように、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たし、上記(4)で検討したように、本願補正発明1~10は、引用例1~5に記載された発明ではなく、引用例1~5の記載に基いて容易に発明をすることができるものではなく、補正後の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明について記載要件を満たすものであることから、特許出願の際独立して特許を受けることができたものである。 そして、他に本件補正を却下すべき理由はない。 したがって、原審における令和4年3月9日付け補正の却下の決定を取り消す。 第3 本願発明についての判断 1 本願発明 以上のとおり、令和4年3月9日付け補正の却下の決定は取り消されたから、本願の請求項1ないし10に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10(上記第2[理由]1(2)参照。)に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 2 原査定の概要 原査定の拒絶の理由の概要は次のとおりである。 理由(新規事項) 令和3年2月10日付け手続補正書でした補正は、「有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコール」との記載によって特定される事項を含む補正後の請求項1~13に係る発明が、当初明細書等に記載されておらず、当初明細書等に記載した事項の範囲内でしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 3 原査定の拒絶理由についての判断 本件補正により、補正前の請求項1の記載における「有益剤含有送達粒子スラリーの重量に基づいて、0.1重量%~1.1重量%のポリビニルアルコール」との記載は、「連続相の水の総重量に基づいて、0.42重量%~0.88重量%のポリビニルアルコール」との記載に補正された。 そして、上記の補正はそれぞれ、本件補正の補正事項ア-4に対応し、上記第2 2(2)アの「新規事項の追加の有無」において検討したように、上記補正事項ア-4は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。 以上のことから、原査定の拒絶の理由は、本件補正により解消したと認められる。 したがって、本願は、原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 4 まとめ 以上のことから、本願について、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることができない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-010917

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決363件(ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー)
  • 2025-006986拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)微生物の存在下で乾燥機で布地を処理するための方法
    同じ当事者: ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 2024-020868拒絶査定不服審判 / 2026-08-12 / 原査定取消(特許/登録すべき)消泡剤及び非イオン性界面活性剤を含む低粘度液体洗剤組成物
    同じ当事者: ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 2025-002911拒絶査定不服審判 / 2026-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)高いコア:壁比を有する送達粒子を含む消費者製品
    同じ当事者: ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 2024-019595拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)カラーケア洗剤組成物
    同じ当事者: ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 2024-000557拒絶査定不服審判 / 2026-06-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)改善された肌触りを有する不織布トップシートを有する女性用衛生パッド
    同じ当事者: ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)249件(113・C11D、121・C11D、536・C11D ほか)
  • 2023-019648拒絶査定不服審判 / 2025-10-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)顆粒又は粉末及びその製造方法
    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D ほか1件
  • 2023-003825拒絶査定不服審判 / 2025-08-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)洗浄用調合物
    共通の審決分類: 121・C11D、536・C11D、537・C11D、55・C11D
  • 2024-008975拒絶査定不服審判 / 2025-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)洗浄組成物
    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、537・C11D、55・C11D
  • 2022-017814拒絶査定不服審判 / 2025-06-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)分岐状アルキルサルフェート界面活性剤及び短鎖非イオン性界面活性剤を含有する洗浄組…
    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、537・C11D、55・C11D
  • 2023-011510拒絶査定不服審判 / 2025-05-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)洗剤添加剤
    共通の審決分類: 113・C11D、121・C11D、536・C11D、537・C11D

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存